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    元スレ鳴上「月光館学園?」

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    タグ : - ペルソナ + - 鳴上「月光館学園?」 + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    401 = 110 :

    鳴上「実は今、俺もアルバイトを探してみようかと思ってたところなんだ」

    鳴上「ほら、昨日のあの妖精の件もあったし……」

    メティス「……」

    鳴上「メティスもするっていう話なら、一度桐条さんに相談してみようか」

    メティス「美鶴さんから許可はおりるでしょうか」

    鳴上「大丈夫。きっと許してくれるよ。メティスでも出来そうなアルバイトを紹介してくれるかもしれない」

    メティス「……そうだと、嬉しいです」

    メティス「……。時間がおしてしまいましたね。行きましょうか」

    鳴上「ああ」


    >遅刻しないようにと学校へ急いだ。

    >……


    402 = 110 :

    【昼休み】


    月光館学園 3-A 教室


    >昼食が済んだが、午後の授業まではまだ時間があるようだ。


    鳴上(……昨日貰ったあれを読もうか)


    >机の上に『雪の女王』の本を広げた。


    メティス「私にも見せて貰ってもよろしいですか」

    鳴上「ああ」


    >メティスと一緒に本を読んだ。

    >……

    『雪の女王』

    >あるところにカイという少年とゲルダという少女がいた。

    >二人は仲良しだったが、ある日悪魔の作った鏡の破片がカイの眼と心臓に突き刺さってしまった事で、彼の性格が一変してしまう事になる。

    >それ以来、カイは仲良しのゲルダに対しても乱暴な態度や言葉を見せるようになるのだが……

    >そんなある日、カイがひとりで遊んでいるところに雪の女王が現れカイを連れ去ってしまった。

    >ゲルダはいくら待っても帰ってこないカイを探して旅に出る決心をし、道中助けを借りながらやっとの事で雪の女王の宮殿まで辿り着く。

    >カイと再会出来たゲルダは喜びの涙を流し、その涙はカイに刺さった鏡の破片を洗い流し元に戻ったカイはゲルダと共に無事故郷へ帰るのだった。

    >……というのが、話のあらすじだった。


    403 = 110 :

    鳴上「あの世界が今、雪の女王というタイトルになぞっていると仮定すると、大型シャドウが雪の女王って事なのだろうか……?」

    メティス「そうなると、シャドウに囚われている彼はカイという事になりますね」

    メティス「あるいは、初めにシャドウに犠牲になった意識不明の少年がカイならば、その真相を探ろうとして自身もまた犠牲になってしまったゲルダか……」

    鳴上「ゲルダ……」


    >……カイを助けようとするゲルダ。

    >そこから、一人の少女がふと連想された。


    鳴上「隣のクラスに行こう」


    >……


    月光館学園 3-B 教室


    >B組の教室入口から中の様子をうかがった。

    >探している人物の姿は見当たらない。

    >近くにいるB組の女生徒に声をかけた。


    404 = 110 :

    鳴上「なあ。星あかりさんってこのクラスの人だよな? どこにいるか知らない?」

    生徒「……星さん? ……。彼女なら今日は学校にきてないよ」

    鳴上「休みか?」

    メティス「……」

    鳴上「……そうか。ありがとう」


    >仕方なくB組を後にした。

    >……


    鳴上「あれ以上手掛かりになりそうな事があるかはわからないが、もう少し彼についての話を聞きたかったんだけどな……」


    >ちょうど昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴った。


    鳴上「もうそんな時間か……」


    >自分の教室の戻った。

    >……

    405 = 110 :

    >しばらくして、橿原が教室に入ってきた。


    「みんな席について」

    鳴上(あれ、次の授業って世界史だったっけ……?)

    「今日はこの後急遽職員会議が行われる事になったので、午後の授業はなしでこのまま帰りのHRになります」

    「部活動も無しになるので、真っ直ぐ帰宅してください」


    >教室がざわついている。

    >早く帰れる事を喜んでいる生徒もいるようだが……

    >その中で気になる話し声が聞こえてきた。


    生徒A「……なあ、もしかしてあの話本当なのかな」

    生徒B「かもね。だから先生達が会議するんでしょ」

    生徒C「一年に行方不明者が出てるってやつ?」

    生徒A「そう。それに三年にも一人出たって俺は聞いた」

    生徒B「え、それ初耳!」

    「みんな静かにして」

    406 = 110 :

    「ええと……もう、話が大分広まってるみたいだけど改めて学校側から注意があります」

    「最近、月光館学園の生徒が何人か行方不明になっているという事件が起きています」

    「一人は発見されましたが、今は意識不明で入院しています……」

    「事件が落ち着くまで学校側での対応としては、しばらくの間今日みたいに授業は午前までで部活動も休止という形をとる事になります」

    「みんなは明るいうちに出来れば複数人で下校し、帰宅後は夜間の外出も控えるようにしてください」

    「以上でHRは終わりです。日直、号令」


    >教室のざわつきが収まらない中、日直の号令でHRが終了した……

    >橿原に何か聞こうかとも思ったが、彼はすぐに教室を出て職員室に急いで向かっていってしまった。


    鳴上(……三年でも行方不明者だって?)


    >疑問と不安を抱えつつ、メティスと連れ立って教室を出た……


    407 = 110 :

    【放課後】


    辰巳ポートアイランド駅


    >思わぬ時間が出来てしまった……

    >学校で言われた通り真っ直ぐ帰り、時間になるまで寮で待機していようか。

    >……そう思っていた時、前方に美鶴の姿を見かけた。

    >美鶴は傍にいる誰かと話しているようだ。


    美鶴「……それにしても、本当に久し振りだな。元気にしていたか?」

    「あ、はい。先輩に会うのは久し振りっすけど、実は一ヶ月に一度はここに帰ってきてるんすよ」

    美鶴「そうだったのか。……何か用があるんだったら呼び止めてしまってすまなかったな」

    「いやいや。用っていうか、俺が勝手に訪ねてきてるだけっていうかだし……」


    >美鶴と一緒にいる誰かの顔に最近見覚えがあるような気がした。


    409 = 110 :

    鳴上(あの帽子の男の人……間違いない、チドリの絵の人だ!)

    鳴上「あの」

    美鶴「……ん? 鳴上とメティスじゃないか。今日は随分早い帰りだな」

    「え、メティス? え?」

    メティス「?」


    >帽子の男は、メティスの姿を見て驚いた表情を見せているようだったが、構わず話を続けた。


    鳴上「えっと、……そちらは、イオリジュンペイさんですか?」

    美鶴「そうだが……鳴上に伊織の話をした事はあったか?」

    順平「なになに? 俺っちいつの間にかそんな有名人になっちゃったワケ?」


    >やはり、彼がイオリジュンペイで間違いないようだ。


    410 = 110 :

    鳴上「貴方宛てに伝言を頼まれています。チドリという女性からです」

    順平「!」

    鳴上「これを」


    >今までおどけたように笑っていた彼の表情が変わったのが見えた。

    >鞄の中から折り畳まれたスケッチブックに書かれたチドリの伝言を出し、彼に渡した。

    >順平はそれをすぐに開いて中に目を通し始めた。


    順平「……」

    順平「……先輩。久々に会ったとこ悪いんすけど、失礼します」

    美鶴「ん? ……ああ」

    順平「それから、鳴上だっけ?」

    鳴上「はい」

    順平「これ、ありがとな」


    >順平は短くお礼を告げて、その場からすぐに姿を消してしまった……


    411 = 110 :

    鳴上(何が書かれていたんだろう……)

    美鶴「……ふっ。彼も相変わらずだな」

    メティス「美鶴さんは今の方とお知り合いなんですか?」

    美鶴「ああ。昔の後輩で、三年前の特別課外活動部のメンバーでもある」

    鳴上「じゃあ、あの人もペルソナ使い……!?」

    美鶴「そういう事だ」

    美鶴「それよりも、二人ともこんな時間にこんな場所でどうしたんだ? まだ学校の時間じゃないのか」


    >美鶴に事情を説明した。


    美鶴「なるほど、そういう事か」

    美鶴「……一般の学生達がいつも通りの学園生活に戻れるように、一刻も早く私達がなんとかせねばな」

    メティス「はい」

    鳴上(……あ、そうだ。折角だから、朝のメティスとの話も桐条さんに聞いて貰おう)

    鳴上「桐条さん。その話とは別に少し相談したい事が……」

    美鶴「?」

    412 = 110 :

    鳴上「実は、俺とメティスでアルバイトを探してまして……」

    美鶴「アルバイト? 君はともかく……メティスもか?」

    鳴上「はい。それで、メティスにも出来そうな求人に心当たりはないかと」

    美鶴「ふむ。メティスが、か……」

    メティス「……あの、やはりダメでしょうか?」

    美鶴「……」

    美鶴「……いや、大いに結構だ」

    メティス「!」

    美鶴「こちらとしても都合がよくなったしな」

    鳴上「どういう事ですか?」

    美鶴「いや、実はな。以前は異常が見られなかったが、やはり営業時間中の映画館の様子が気になってしまってな……」

    美鶴「桐条の人間を何人か潜らせようかと考えていたんだが、アルバイトを探しているというのなら君達がそこで働いてみるというのはどうだろう」

    413 = 110 :

    メティス「それはつまり、働きながら映画館内部を監視する任務につくという事ですか?」

    美鶴「そういう事だ。もちろんきちんとアルバイト代も出る」

    鳴上「俺はそれでいいです。メティスは?」

    メティス「私も構わないです」

    美鶴「決まりだな」

    美鶴「実はその件でここまで来ていたんだ。さっそく話をつけにいこう」


    >美鶴につれられて映画館まで足を運んだ。

    >……

    >映画館への責任者へと美鶴が話を通し、軽い面接をしてメティスと共に映画館でアルバイトをする事が決まった。

    >時間もあるのでそのまま研修を受ける事になった。

    >……





    >初日のアルバイトを終え、手取りで4500円を貰った。

    >……


    414 = 110 :

    鳴上「……どうだ? 働いてみた感想は」

    メティス「はい。簡単に見えて、私にはまだまだ難しい事ばかりのように感じましたが……」

    メティス「でも、頑張ってやっていこうと思います」

    メティス「鳴上さんもいてくれますから」

    鳴上「そうか。よかった」

    メティス「……私達が就業中の間は、映画館で特に気になるような事は起こらなかったですね、やはり」

    鳴上「そうだな。このまま気にし過ぎってだけで終わればいいけど」

    メティス「ええ……」

    鳴上「……ところで、メティスはどうして働きたいなんて急に思ったんだ?」

    メティス「!」

    鳴上「欲しいものが出来たとか? それとも貯金?」

    メティス「それは……」

    メティス「……」


    >メティスは、今日受け取ったお金の収まっている封筒を鳴上にすっと差し出した。


    415 = 110 :

    鳴上「?」

    メティス「……昨日、鳴上さんがあの妖精にお金を支払っているのを見て」

    メティス「鳴上さんだけに色々と負担をかけるのもどうかと思ったんです」

    鳴上「えっ……」

    メティス「だから、すこしでも私の力でその負担を減らして貰いたいって……」

    鳴上「……そんな事気にしていたのか」

    鳴上「別にいいんだよ。あれは、ほら、リーダーの役目のひとつみたいなものだから」

    メティス「でも……」

    鳴上「それはメティスが働いて自分で稼いだお金だ。俺が使う権利はないよ」

    鳴上「メティスが好きに使えばいい」

    メティス「それならなおさらです」

    鳴上「その気持ちだけでも十分だ。ありがとう」

    416 = 110 :

    メティス「……」

    メティス「……それじゃあ。これから私に少し付き合って貰ってもいいですか?」

    メティス「実は、ひとつだけ欲しいものがあって。それを買ったら後は何かあった時の為の貯金にまわす事にします」

    鳴上「わかった。何処にいくんだ?」

    メティス「文房具店です」


    >……






    学生寮


    >メティスとの買い物を終えて、寮まで帰ってきた。


    鳴上「意外な買い物だったな」

    メティス「……おかしいですか?」

    鳴上「いや、そういう意味じゃないけど」

    メティス「……」


    417 = 110 :

    >メティスは自分のお金で買ったものを大事に抱えている。

    >……メティスが文房具店で買ったもの。

    >それは折り紙だった。


    メティス「……以前、鳴上さんが鶴を折って私にくれたでしょう? あれ、姉さんにも見せたんです」

    メティス「そしたら、姉さんが『かわいい鶴ね、私もひとつ欲しいかも』って……」

    メティス「でも私、鶴を折る為の折り紙なんて持っていないし、折り方もわからなかったから……」

    メティス「だから、鳴上さん。私に鶴の折り方を教えていただけませんか?」

    鳴上(なるほどな……)

    鳴上「ああ、任せろ。ばっちりマスターするまで教えてやる」

    メティス「! はい!」


    >時間がくるまで、メティスと折り紙をする事にした。

    >……

    418 = 110 :

    鳴上「……」

    メティス「……」

    鳴上「……えっと。ドンマイ」

    メティス「……うう」


    >メティスは思っていた以上の不器用さを発揮していた……

    >買ってきた折り紙を全部使ってみても、それらしい折り鶴は完成出来なかった。


    メティス「やはり、兵器である私では無理な事なんでしょうか……」

    鳴上「そんな事ないさ。これからもっと練習すればきっと折れるようになる」

    鳴上「何ごとも努力だ。メティスが鶴を折れるようになるまで、これからも付き合うよ」

    メティス「!」

    メティス「は、はい……! よろしくお願いします」


    >メティスから感謝されている。

    >メティスとの絆が少し深まったようだ……



    『Ⅴ 法王 メティス』のコミュを入手しました

    『Ⅴ 法王 メティス』のランクが1になった



    >……

    >そろそろ時間のようだ。

    >今夜の作戦の準備をしよう……


    419 = 110 :

    終わります。

    テレッテッテー、また次回

    422 :

    俺っちレベルアップー

    423 :

    じゅんぺーい!!

    424 :

    >>1
    メティスマジヒロイン

    425 :

    乙あげ侍

    426 :

    【深夜】


    >……

    >映画館 スクリーンショット

    >日付が変わり時刻は0:15を迎え、予定通りスクリーンの中の世界へやってきた。


    天田「あの……美鶴さんからは何も言われなかったんで黙ってましたけど、この世界の月光館学園ってどんな感じになってるんですかね?」


    >映画館から出たところで天田が唐突にそう呟いた。


    鳴上「いきなりどうしたんだ?」

    天田「いえ、ただちょっと気になっちゃって」

    天田「僕たち昨夜までは街の方ばかりに気を取られてたじゃないですか」

    天田「ここからだと街よりも学校の方が近いのに、そっちは探索しなくていいのかな……って」

    天田「……影時間が存在していた頃、その時間に学校が変貌していたのをこの目で見て体験していた身としては、気にならない方がおかしいですよ」

    天田「あの時と状況が違っているのはわかってますけど……」

    アイギス「そうですね。鳴上さんも言っていた、この世界のこの街で一番変化が起きていそうな場所を私達が連想するとしたら、まず出てくるのは月光館学園のような気がします」

    アイギス「でも、美鶴さんが何も言わないと言う事は、学校の方面に異常は感じられないという事なんですよね?」

    美鶴「ああ。実はそうなんだ」

    427 = 110 :

    美鶴「久慈川にも探って貰ったんだが、月光館学園方面にはまったくといっていいほどシャドウの反応が感じられないんだ」

    美鶴「タルタロスを知っている天田達にとっては驚く事かもしれないがな」

    天田「そうなんですか……」

    アイギス「でもそれが逆に不気味にも感じられますね」

    アイギス「何故、学校にはシャドウが現れないのでしょう」

    メティス「シャドウが寄りつかない場所ですか……」

    鳴上「……」

    鳴上「シャドウが『寄りつかない』場所じゃなくて、シャドウが『寄りつく事が出来ない』場所だっていう可能性は?」

    美鶴「考えられる理由のひとつとしてはあげられるな」

    美鶴「しかし、そんな場所になるような何か特別な力が働いていそうな雰囲気がしている訳でもないんだ」

    美鶴「あそこにはただ学校という建物があるだけ……」

    鳴上「それなら余計にどうして学校は無事なのか気になりますね」

    鳴上「……これも、この世界を解明するヒントのひとつなのか?」

    美鶴「……」

    美鶴「そうだな。異常がないからこそ何か解る事があるかもしれない」

    美鶴「今日はまず、月光館学園の方へ行ってみる事にしようか」


    428 = 110 :

    >……


    月光館学園前


    >目の前には何処か禍々しい月明かりに照らされた校舎が聳え立っている。

    >美鶴の言っていた通り、ここにくるまでの道ですらシャドウと遭遇する事は一度もなかった。

    >その静けさに、素直に安堵してもいいのかどうかは今はわからなかった……


    鳴上「肉眼で確認出来る範囲ではシャドウはいないみたいだな」

    美鶴「……学校の中にもやはりシャドウらしき反応は感じない」

    天田「見かけも普通の学校のままだし……」

    メティス「本当にそうなのかどうか、もう少しこの周辺を調べてみませんか?」

    鳴上「そうだな」


    >学校の周辺の様子がどうなっているのか詳しく見てみる事にした。

    >……

    429 = 110 :

    鳴上「結局、異常らしい異常は見当たらない、か」

    鳴上「強いて言うなら、異常がない事が異常というか……ここだけは本当に平和そのままだ」

    アイギス「……どうしてそうなのかという理由はわかりませんでしたけれどね」

    メティス「しかし、この世界で一番安全そうな場所が解ったのはいい事かもしれません」

    メティス「私達のいる寮は、この世界ではシャドウの襲撃を既に受けていましたし、今後どうしようもない事態に陥った時は、ここに逃げ込むのも有りではないでしょうか」

    天田「……僕は、まだここが本当に安全である保証はないと思いますけど」

    美鶴「そうだな。シャドウの巣になっていない場所もあるにはあるのだと記憶しておくくらいがいいのかもしれない」

    美鶴「余裕が出来れば、シャドウがいる場所といない場所の差はどういった点にあるのかというのも調べてみようじゃないか」

    美鶴「……、っ!」

    美鶴「ここが静かすぎる分、騒がしくなっている場所の察知がすぐに出来て助かるな……!」

    鳴上「シャドウですか!?」

    美鶴「ああ。しかもこの反応は本丸のようだ!」

    美鶴「ポートアイランド駅の方まで急いで戻るぞ!」

    鳴上(ついに姿を現したか…!)

    430 = 110 :

    >……


    美鶴「大型シャドウ以外にも複数のシャドウの反応を感じる」

    美鶴「広場の外れの方だ……!」


    駅前広場はずれ


    鳴上「なっ……」

    鳴上「どういう事だっ……!?」


    >さっきと同じように、美鶴の言っている事は正しかった。

    >たどり着いたその場所には、大型シャドウが一体と小さなものではあるが十体近くのシャドウの姿があった……

    >鳴上達はその光景に驚きを隠せなかった。

    >だがそれは、多くのシャドウが固まって存在しているからという理由だけではなかった。



    >大型のシャドウが、周りのシャドウを襲っていたのだ……!


    431 = 110 :

    メティス「これは一体……」

    天田「シャドウが仲間割れなんて、そんなの今まで見た事ないですよ!?」

    美鶴「……あの大型シャドウは状態異常になっているという訳でもなさそうだな」

    アイギス「つまり、あの大型シャドウは自らの意思でああしていると……?」

    鳴上「何が起こっているんだ……」


    >襲われている小さなシャドウ達は動揺しているのか大型シャドウから逃げようとしているものが多数だった。

    >しかしそれでも中には大型シャドウと対峙しようとするものも何体かいたのだが……

    >それらは全て、大型シャドウによってあっという間に消滅させられていたのだ。


    鳴上(あのシャドウはどうしてあんな事を……)

    メティス「鳴上さん」

    鳴上「!」

    メティス「こちらも奇襲をしかけるなら今がチャンスだと思います」

    メティス「あの大型シャドウが周りのシャドウに気を取られている内に決めてしまいましょう」

    鳴上「……」

    432 = 110 :

    鳴上(なんでだ)

    鳴上(なんでここにきて俺は迷っているんだ?)

    メティス「鳴上さん?」

    鳴上「いや、なんでもない」

    アイギス「……」

    鳴上「メティスの言う通りだな。みんな、行くぞ!」

    美鶴「こちらもアナライズが完了した」

    美鶴「あの大型もここら一帯に出ていたシャドウと同じく氷結系の技には耐性をもっているようだな。私のペルソナとは相性の悪い敵だ」

    美鶴「だが火炎の技には弱いようだ。弱点をついて一気に終わらせてしまおう」

    鳴上「それなら……コロマル!」

    コロマル「ワンッ!」


    >コロマルのペルソナ、ケルベロスがシャドウに向かってアギラオを放つ――!


    鳴上「こっちも行くぞ! チェンジ!」


    >鳴上のワイルドの力でペルソナがイザナギから別のものへと変わる。


    433 = 110 :

    鳴上「来い! ――ベリス!」


    >続いてベリスのマハラギがシャドウを包み込んだ。

    >――と思ったのも束の間、周りのシャドウは一掃出来たものの、大型のシャドウは鳴上達の攻撃に気付いていたのか、上手い具合にかわされてしまう。


    鳴上「くそっ、やはり一筋縄じゃいかないか……!」

    鳴上「あっ…!?」


    >大型シャドウは攻撃を回避出来たのをいい事に逃走しようとしている。


    天田「またこのパターンか。ならば……!」

    アイギス「逃がしません!」

    メティス「このっ……!」


    >天田は即死系の魔法を試みたようだったが、効果は得られていないようだった。

    >だが、間髪入れずに、アイギスとメティスのペルソナが敵へと突進していく。

    >大型シャドウとの間を詰める――!

    >……しかし、そこまできて、シャドウの姿は冷気だけを残して霞むように消えてしまった。


    434 = 110 :

    アイギス「っ……。目標、見失いました」

    天田「美鶴さん、敵の反応は追えないんですか?」

    美鶴「駄目だ……倒したという訳でもないのに、完全に敵の気配は消失してしまっている」

    鳴上「……」

    メティス「そろそろ、ここに来てから113分が経ちます」

    メティス「せっかく追いつめたと思ったのに……」

    鳴上(っ……何をやっているんだ、俺は)

    鳴上(チャンスを無駄にしてしまった……)

    鳴上「すまない。あんな時に躊躇わず、もう少し早く指示を出せば良かった」

    美鶴「君のせいじゃない。あのシャドウの行動パターンが読み切れなかった私のミスだ」

    美鶴「あれはなんなんだ……。あまりにも不可解な行動が多すぎる」

    鳴上(不可解な行動……そうなんだよ)

    鳴上「あのシャドウの目的がまったく掴めない」

    鳴上「人を取り込んで、他のシャドウに攻撃をしかける。それなのに、俺達と戦おうとする素振りは見せないんだ」

    鳴上「あいつは何がしたいんだ……?」


    435 = 110 :

    >あのシャドウの行動に、そもそも意味はあるのだろうか……?

    >……

    >……敵を逃したまま、今夜のタイムリミットを迎えた。

    >……





    04/18(水) 曇り 自室


    【朝】


    >朝から空は厚い雲に覆われ、どんよりとしている。

    >まるで、今の自分の心の内がそのまま天気に現れているようだ……


    鳴上「……雨、降らないといいな」

    鳴上「……」

    鳴上(解らない事は増えていく一方だ……でも)

    鳴上「俺がこんなんじゃ駄目だよな」

    鳴上「今日も一日がんばろう」


    >自分に言い聞かせるようにそう声に出してから学校に行く事にした。

    >……

    436 = 110 :

    通学路


    >通学する生徒達の話し声が聞こえてくる。


    生徒A「また駅前広場のはずれのところでなんかあったらしいな」

    生徒B「あそこの不良達もあきねぇなー」

    生徒A「救急車の通る音聞こえたし、多分怪我人でてんな」

    生徒B「うわっまじかよ」

    生徒B「失踪事件やら暴力沙汰やら……しばらくの間はマジで夜中出歩くのやめといた方がいいかもな」

    生徒A「お前ビビりすぎじゃね? だっせー」

    生徒B「なんだよ、自分には関係ないとか思ってるとそのうち痛い目みんぞ?」

    生徒B「誰が次の犠牲者になるか……」

    生徒A「次の犠牲者って……まだこれからも事件が続くみたいな言い方すんなよ。変なテレビの見すぎじゃね?」

    生徒B「だってよー」

    鳴上「……」


    437 = 110 :

    >……


    月光館学園 3-A 教室


    >教室の中は騒然としている。

    >漏れ聞こえてくる会話の内容は、どれも行方不明の生徒の事件についてのようだ……


    メティス「不安半分、面白半分って感じですね」


    >先に教室に来ていたメティスがその様子を見て呟いていた。


    鳴上「人間は自分に関係ない非現実的な事で勝手に盛り上がるのが好きだからな」

    メティス「……」

    メティス「私にはそういうのはよくわかりませんが……」

    メティス「なんなんでしょう、この気持ちは」


    >メティスは若干顔をしかめているように見えた。

    >好き勝手に色々と話が飛び交っているのをよく思っていないのだろうか……



    >そんな中、教室の窓際の方で大きな声が上がった。


    生徒A「おい、校門のとこでケンカしてるやつらがいんぞ!」


    >その言葉で窓の付近に野次馬と化した教室の人間が集まるのにそう時間はかからなかった。


    メティス「本当に何が楽しいのでしょうか」

    メティス「理解に苦しみます」


    >その後、予鈴が鳴り担任が来るまでの間教室では騒然としたままの状態が続いていた……

    >……


    438 = 110 :

    【放課後】


    >昨日に続き、午前で一日の授業が終わってしまった。


    メティス「鳴上さん、帰りましょう」

    鳴上「ああ。……」

    鳴上「いや、ちょっと教室で待っててくれ」

    メティス「え? どこに行かれるんですか?」

    鳴上「先生のとこ」


    >メティスの返事も待たずに彼女を残して一人教室を出た。

    >……





    渡り廊下


    鳴上(職員室にはいないって事は……)

    鳴上(またこの辺にいたりしないかな)

    鳴上「!」

    鳴上「橿原先生!」

    「! 鳴上くん……」


    439 = 110 :

    >鳴上が探していた教師……橿原は花壇の傍にいた。

    >花を眺めていたというよりは、声をかけられるまでぼーっとしていたという感じに思えた。


    「……どうしたの? 早く帰らないと駄目だよ?」


    >橿原の表情は疲れているように見える。

    >声にも覇気がなかった。


    鳴上「あの、先生に聞きたい事があって」

    鳴上「それが済んだらすぐに帰りますから」

    「……。何かな?」

    鳴上「昨日、三年生でも行方不明者が出たらしいっていう話を耳にしたんですけど、それってただの噂にすぎないんですか?」

    「……」

    鳴上「うちのクラスに数日休んでいる欠席者が何人かいるから、もしかしてその中に風邪なんかとは違った意味で学校にこれない理由がある人がいるんじゃないかと思って」

    「……」

    鳴上「先生」

    「……鳴上くんはなかなか鋭いね」

    「でもちょっとだけ的がはずれてる」

    440 = 110 :

    「A組には行方不明になんてなっている人はいないよ。A組には、ね」

    鳴上「じゃあ、三年の他のクラスに?」


    >橿原は一瞬黙った後、首を小さく縦に動かした。


    「もうこれ以上の事は言えない。ごめんね」

    鳴上「どうしてですか?」

    「生徒をあまり刺激したくないからっていう学校側の意向でね……うるさく注意は促しても、事件の詳しい事は話すなって」

    「僕たち教師にも詳しい事なんてそんなにわからないのにね……」


    >橿原の表情がどんどん暗くなっていく。


    鳴上「先生……?」

    「……ああ、ごめんね。当り前だけど、このところ職員室でもこの話題ばかりだからね。それなのに、僕達に出来る事ってそう多くないからさ」

    「君も転入早々身近に変な事件が起こって不安になって当然だよね」

    鳴上「……」

    441 = 110 :

    「みんな無事に帰ってきて、早く事が終わればいいのにね」

    「生徒達が危険な事に巻き込まれる可能性がまだあるかもなんて、これ以上想像したくもないよ」

    「僕は僕の出来る事で生徒のみんなを守らないといけないね……」


    >橿原は今の状況を憂いているようだ。

    >生徒達の安全を守りたいという気持ちが伝わってくる。

    >橿原という教師の事を少し理解したような気がした。



    『Ⅹ 運命 橿原淳』のランクが2になった



    「さ、もう時間だよ。くれぐれも気を付けて帰るんだよ」

    「そういえば、君とメティスさんは同じ寮にいるんだったよね? 出来る事なら、しばらくの間は彼女と一緒に登下校してあげて欲しいな」

    鳴上「はい、わかりました。失礼します」


    >橿原と別れてメティスを迎えに教室に向かった。

    >……

    442 = 110 :

    辰巳ポートアイランド駅


    「あ、オイ! そこの!」


    >メティスと下校途中、不意に前方から声をかけられた。


    メティス「あの方、昨日美鶴さんと一緒にいた……」

    順平「やっぱそうだ。鳴上と妹ちゃんだ」

    メティス「妹ちゃん?」

    順平「アイちゃんの妹ちゃんだろ……って、そっか、この妹ちゃんは俺の事よく知らないのか」

    鳴上「こんにちは」

    順平「ちーっす。いやー、帰る前にまたお前に会えて良かった」

    順平「昨日はホントにどうもな。おかげでチドリに会えたぜ」

    鳴上「! そうですか。良かった」

    順平「それはいいんだけど、さ……」

    順平「鳴上とチドリってどういう知り合いなワケ?」

    順平「これ聞いとかねーと、モヤモヤしたまんまで帰るに帰れねぇっつの!」


    >順平は今にも食いかかってきそうなくらいの勢いで聞いてくる。


    443 = 110 :

    鳴上「えっ、どういうって」

    鳴上「駅の周辺でたまに偶然会うくらいで……時々絵を見せて貰ったりしてますけど」

    順平「ホントにそれだけか?」

    鳴上「はい」

    順平「ふーん……」

    順平「ま、そういう事にしとくか」


    >そう言いつつ、順平は鳴上のその答えにどこか安心したようにほっと息を吐いていた。


    鳴上「順平さんはチドリとはどういったご関係で?」

    鳴上(チドリのあの時の様子からすると、恋人って訳ではなさそうだけど。いやでも……)

    順平「え? 俺とチドリの関係?」

    順平「それを俺に言わせちゃう? いやほら、アレだよアレ。なんつーか、アレ的なソレだよ!」


    >順平は妙にデレデレとしている……


    444 = 110 :

    メティス「チドリさんに、順平さんはカレシなのか? と尋ねてみたら無言で怒っていたように見えましたから、それ以外ですね」

    順平「えっ」

    順平「……」

    順平「……えー」

    鳴上(メティスが代わりに地雷を踏んでくれたようだ)

    順平「……まあ、確かにそうなんだけどさ。怒ってたって……俺と会った時にはそんな風には見えなかったのにな」

    順平「それも仕方ない、か……」


    >二人の間には何か複雑な事情があるのだろうか

    >いまさらだが、そう簡単に聞いてはいけない事のような気がする……


    順平「っと、ワリィ。もう行かないとマズイわ」

    順平「今後もチドリと会うような事があったら話し相手になってやってくれよ。アイツ、気が許せる人間ってそういないみたいだし」

    順平「あっ! あくまで話し相手だかんな! それ以上はお父さんが許しません!」

    メティス「順平さんはチドリさんの父親だったのですか」

    順平「いや、そこは突っ込むとこだから……」

    445 = 110 :

    順平「とにかく頼んだからな! 俺もまた来るし! お前ともまた会えたらいいな」

    鳴上「はい」

    順平「じゃあな!」


    >順平は手を振って駅の方へと行ってしまった。

    >伊織順平と知り合いになった。


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    >順平を見送ってから寮に戻る事にした。

    >……


    【夜】


    学生寮 ラウンジ


    アイギス「二人ともお帰りなさい」

    鳴上「ただいまです」

    メティス「戻りました……、?」

    メティス「!」

    メティス「えっと、深夜になるまで自室で待機していますね!」


    >メティスは急に慌てたようにして階段を上っていってしまった。


    446 = 110 :

    鳴上「? メティスのやつ、どうしたんだ?」

    アイギス「ふふっ……」


    >アイギスはおかしそうに笑っている。


    アイギス「多分、これのせいじゃないでしょうか」

    鳴上「あ」


    >アイギスの手には、不格好な紙で出来た何かがある。

    >昨日、メティス作った折り鶴の出来そこないだ。


    アイギス「朝、あの子がこれを捨てようとしているところを偶然見つけたんです」

    アイギス「何かと聞いてみたら、言いにくそうにしてましたけど鳴上さんに折り紙を教わったって答えてくれました」

    アイギス「あの子がこんな事をするなんてね」


    >アイギスは嬉しそうに笑みを浮かべている。


    447 = 110 :

    アイギス「美鶴さんに聞きましたが、一緒にアルバイトも始めたらしいですね?」

    鳴上「あ、はい」

    鳴上「なんか、俺の金銭的な面に気を使ってくれたみたいで」

    鳴上「でも、メティスが稼いだお金はメティスのものだから、自分の好きに使ってくれって言いました」

    アイギス「そうですか……」

    アイギス「あの子も色々な事に興味を持ったり、考えてくれるようになったんですね」

    アイギス「きっと鳴上さんのおかげです」

    鳴上「そんな事はないですよ」

    鳴上「折り紙をし始めたのだって、アイギスさんの言葉がきっかけだったみたいだし」

    アイギス「……ああ、そう言えばそんな事も言いましたね」

    アイギス「そうだとしても、やはり嬉しいです」

    アイギス「あの子にこれからもっと、こういう機会が増えていってくれたら……」

    アイギス「生きる事を楽しんでくれたらいいと、そう思います」

    448 = 110 :

    アイギス「こういうのって人間にとっては当たり前の事でも、私達は機械ですから見たり聞いたり触れたりしないと解らないんです」

    アイギス「そうだとしても……私も、メティスや皆さんと生きる事を楽しみたいです」

    アイギス「大変な事かもしれませんが、どうかあの子の面倒を見てやって下さい」

    アイギス「私もあの子の姉として尽くします。あの子の姉として生きてみます」

    アイギス「その為には、鳴上さんの力を借りる事も多く出てくるかもしれませんが……」

    アイギス「どうかよろしくお願いします」

    鳴上「はい。喜んで」


    >アイギスからとても信頼されているようだ。

    >アイギスとの絆が深まったような気がする……



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    鳴上「その折り紙はどうするんですか?」

    アイギス「あの子が初めて自分の手で作ったものですからね。大事にとっておこうかと思います」


    >アイギスは笑顔を浮かべ、メティスが作ったそれを大事に持って部屋へと戻っていった。

    >……


    449 = 110 :

    終わります。

    アイギスのコミュは訳あって戦車になってしまいました。
    永劫じゃねーのかよって思う人がいたらごめんなさい。

    ではまた次回

    450 :

    全コミュMAXになるとしたら凄く長くなるね


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