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    元スレ鳴上「月光館学園?」

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    タグ : - ペルソナ + - 鳴上「月光館学園?」 + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    201 :

    ホント、眠るように亡くなってましたね、彼…

    202 :

    ?/?  ?

    ???

    >微かに耳に届く雨音を聞いて目を開いた。

    >ソファに沈んでいた体をゆっくりと起こして辺りを見回す。

    >薄暗い。

    >目の前に置いてあるテレビの画面だけが唯一の光源だった。

    鳴上(えっと……)

    鳴上(……そうだ。マヨナカテレビ……チェックしないと)

    >じっとテレビを見つめる。

    >すると、今まで砂嵐しか映していなかったそれに変化が起きた。

    >人の姿がぼんやりと浮かび上がっている。

    鳴上(……!)

    >画面に映る誰かはこっちの方を真っ直ぐ向いている。

    >しかし、誰なのかは解らない。




    >何故なら、その人物は顔を仮面で覆っていたからだ。

    203 = 110 :

    「……よお」

    >画面の中の誰かが、こちらに話しかけてきた。

    「浮かない顔だな。どうかしたか?」

    鳴上「……」

    >何か返事をしようと思った。

    >でも、何故だか声が出ない……。

    「……いや。わざわざ聞くような事じゃなかったな」

    >仮面の人物は勝手に納得したのか、一度頷いてから一人で話を続けた。

    「調子はどうだ?」

    「……って、それも解りきってる事だったな」

    鳴上「……」

    「うーん……」

    「困ったな。何を話そうか」

    「話すべき事は沢山あるんだが、ありすぎて何から話せばいいのやら……」

    204 = 110 :

    鳴上「……」

    「……お前はなんなんだ、って思ってるだろ」

    「言わなくても解るさ、それくらい」

    「でも、お前には俺の話したい事は解らないよな。それも俺は解ってる」

    鳴上(何を勝手に話しているんだ……?)

    「今はいいさ、それでも」

    「……でもな」

    「考える時間は無限にある訳じゃないって事だけは頭に入れておけよ?」

    「……。今のところは、このくらいにしておこう」

    「もうすぐ朝がくる」

    「……ああ、そうだ。その前にもう一つ、これだけはちゃんと言っておかないとな」




    「お前とこうして話す機会が出来て嬉しいよ」


    205 = 110 :

    >……



    04/13(水) 晴れ 自室


    【朝】

    鳴上「ん……」

    鳴上「朝か……」

    鳴上「……」

    鳴上「……?」

    >ベッドから体を起こした。

    >早めに寝たおかげか、体調はすっかり良くなった。

    >……しかし、それとは別に、どこかすっきしない部分がある。

    >それがなんなのかまでは解らない……

    >……

    >今は、学校へ行く準備をしよう。


    コンコン

    >扉をノックする音が聞こえた。

    メティス「おはようございます。起きていらっしゃいますか?」

    鳴上「ああ、今開ける」

    206 = 110 :

    ガチャ

    鳴上「おはよう」

    メティス「……すっかり顔色もよくなったみたいですね。良かった」

    >鳴上の顔を見て、メティスはほっと息を吐いた。

    鳴上「……なんだかいらない気を使わせたみたいだな」

    メティス「……いえ。リーダーにはしっかりしていただかないと、こちらも困りますから」

    鳴上「ああ、うん、そうだよな。ごめん」

    メティス「……」

    メティス「問題が無いのなら、学校へ行きましょう」

    鳴上「ああ」

    >メティスと登校する事にした。

    >……


    207 = 110 :

    月光館学園 3-A 教室

    「それでは、出席をとります」

    >朝のHRが始まった。

    >……

    「今日は、二人欠席か」

    「最近すっかり暖かくはなったけれど、ここのところ体調を崩している人が結構いるみたいだから皆さん気をつけましょう」

    鳴上(うーん……昨日の今日だから耳に痛いな)

    >気を引き締めて授業に臨む事にした。

    >……


    【放課後】

    >何ごともなく無事に今日の授業を全部終えた。

    メティス「今日は夜に美鶴さんがいらっしゃるようなので、暗くなる前に早く帰りましょう」

    鳴上「そうだな。……ん?」


    208 = 110 :

    pipipi……

    >携帯に着信が入った。

    >表示されている番号は知らない携帯からのようだ。

    鳴上「誰だろう。……もしもし」

    「もしもし。鳴上悠さんの携帯で間違いないですか?」

    >電話から聞こえてきた声も聞き覚えのない人物だ。

    鳴上「そうですけど」

    「俺、藤堂と言います。先日落とした財布を拾って貰ったみたいで……」

    鳴上「ああ……あの財布の持ち主の人ですか」

    藤堂「はい。どうもありがとうございました」

    鳴上「いえいえ」

    藤堂「あの、この後お時間ありますか? 拾って貰ったお礼を……」

    鳴上「え、そんな。気にしないでください」

    藤堂「そう言わずに」


    209 = 110 :

    >藤堂と言う名の人物はなかなか引く気配を見せない。

    鳴上(うーん……) 

    鳴上「……わかりました。何処に行けばいいでしょうか」

    藤堂「届けて貰った交番の前にいるんで、待ってます」

    >行く場所を確認してから、電話を切った。

    メティス「どうかされましたか?」

    鳴上「この間拾った財布の落とし主とこれから少し会う事になったんだけど、……メティスも来るか?」

    メティス「財布を届けてくれたお礼をって事ですか? 律儀な方ですね」

    メティス「拾ったのは鳴上さんですから、私は遠慮しておきます」

    鳴上「そうか。じゃあ、悪いけど先に帰っててくれるか? 俺もその後すぐに帰るから」

    メティス「了解しました」

    >メティスと別れ、交番前まで行く事にした。


    210 = 110 :

    辰巳東交番前

    >交番の近くに、ピアスをつけた青年が立っているのが見える。

    >声をかけてみる事にした。

    鳴上「あの、藤堂さん……ですか?」

    藤堂「! 君が財布を拾ってくれた……?」

    藤堂「そうか、高校生だったのか」

    藤堂「大事なものを拾って貰ったうえに、こんなところまでわざわざ呼びだして悪かったな」

    藤堂「改めてお礼を言うよ。ありがとう」

    鳴上「いいえ」

    藤堂「そうだな……とりあえず、そこの喫茶店にでも行こうか」


    211 :

    シャガール 辰巳店

    藤堂「なんでも好きなものを頼むといいよ」

    鳴上「それじゃあ、お言葉に甘えて」

    >紅茶とチョコレートケーキを頼む事にした。

    藤堂「いやあ、本当に助かったよ。あの中には今月の生活費やらなんやらが全部入ってたからさ」

    藤堂「何処で落としたのかもまったく見当がつかなくて」

    鳴上「ポートアイランド駅の広場のはずれの方にあったんですよ」

    藤堂「広場のはずれ……?」

    藤堂「あー……じゃあ、あれかな。変な連中に絡まれた時にうっかり落としたんだ」

    藤堂「……ちょっと暴れたからなあ」

    鳴上(一見クールそうなのに、ケンカとかするんだ……意外だ)

    藤堂「この街にはつい最近来たばかりでさ、あんなとこ行くつもりもなかったのに道に迷っちゃって」

    鳴上「この辺、けっこうゴチャゴチャしてますよね。俺もここに来たばかりで、まだちょっと慣れないですし」

    藤堂「へえ、そうなんだ」

    >お茶を楽しみながら、少しの間世間話で盛り上がった……

    212 = 110 :

    >……

    鳴上「ごちそうさまでした」

    藤堂「いやいや。こちらこそ、お礼があんなんで良かったのかな」

    鳴上「そんなに気にしないでください」

    藤堂「そっか……」

    藤堂「君この辺に住んでるんだろ?」

    藤堂「もしかしたらまた会うかもな。その時はもうちょっと豪華なもの食いに行こうか」

    鳴上「割り勘でいいなら付き合いますよ」

    藤堂「謙虚なんだな」

    >藤堂は鳴上に好感を抱いたのか笑っている。

    藤堂「じゃあまた、機会があれば」

    鳴上「はい」

    >ピアスの青年、藤堂と知り合いになった。


    『Ⅳ 皇帝 藤堂尚也』 のコミュを入手しました

    『Ⅳ 皇帝 藤堂尚也』 のランクが1になった


    >藤堂と別れ、美鶴が来る前に寮に帰る事にした。

    213 = 110 :

    ピアスの名前は>>1的には籐堂尚也が馴染み深かったからそうしたんだけど
    ドラマCDだとまた名前が違ったんだっけね

    という感じで、今日はこの辺りでおしまいです

    214 :

    おつ
    まだコミュ回は続くのかな?

    215 = 110 :

    なんか最後盛大に誤字ってるし……

    今更ですが、このSSの世界はTSみたいにパラレルワールド的なあれだと思ってください

    216 = 110 :

    >>214
    しばらくはコミュ回収中心になると思います
    なかなか本筋が進まなくて申し訳ない

    217 :

    更新頻度高くていいね、乙です

    218 :

    おっつおっつ
    実際にゲームやってるみたいで楽しいぜ

    220 :


    まったく、>>1のSSは最高だぜ!

    221 :

    乙。
    こういうオールスターものは大好きだし3、4のキャラだけでなくて、1、2
    のキャラも出てくるとはさらに嬉しい。完結まで頑張ってほしいな。
    藤堂(1主人公)やたっちゃんが頼れる兄貴分って感じでカッコイイw

    222 :

    もう駄目だ…達也や淳が出てくると笑ってしまう…
    あんなドラマCD聞くんじゃなかった……

    223 :

    【夜】


    学生寮 ラウンジ


    >特別課外活動部のメンバーが全員集合した。

    美鶴「鳴上の例の話は聞かせて貰った。私もここに来る前に少しその事について調べてみたよ」

    美鶴「しかし、私が知り得た限りでは、あの周辺で最近大きな被害があったという事実はなかった」

    美鶴「相変わらずあそこら一帯にたむろしている不良連中の揉め事は多発しているみたいだがな」

    天田「それについては僕も報告があります」

    天田「昨日の夜、バケモノを見たっていう人に会って話が出来ないかと駅前広場のはずれに行ってみたんですが……」

    天田「その人、最近あの場所に姿を現していないそうです」

    天田「あそこによく集まる人にもその話を直接していたらしいんですけど、ネットでの反応とは違って誰も信じていないみたいですね」

    天田「それで嘘吐き扱いされて相手にされなくなったから、あの場所に来にくくなったんじゃないかって、そういう話です」

    鳴上「……」

    鳴上「……バケモノなんてやっぱりいなくて、何かの見間違いとかだったって事だろうか」

    224 = 110 :

    アイギス「しかし、目撃者の行方がわからないというのが少し引っかかりますね」

    メティス「その人物の名前などはわからなかったんですか?」

    天田「いえ……。あの場所に来るようになってからまだ日が浅い人だったらしくて、誰も名前を知らないようでした」

    天田「一人だけ、よく一緒につるんでいた人がいるらしいんですけど、その人も最近は顔を出していないんだそうです」

    美鶴「ふむ……」

    美鶴「一般人がシャドウと遭遇などしたらタダで済む筈がない」

    美鶴「何かの勘違いのだろうが、だとしたら本当は何を見たのかも気になるな」

    美鶴「ただの杞憂である線が強いだろうが、今後しばらくはあの周辺の見回りを強化する事にしよう」

    鳴上「……」

    鳴上(まだパオフゥからは話を聞いていないけど……これ以上の情報を持っているんだろうか)

    >……


    225 = 110 :

    自室


    >あの後、少しの間話し合いを続けたが、特に進展はなかった。

    >しかし、この話にはまだ何かが隠されているような気がしてならない……

    鳴上(神経質になりすぎか? でも、今はこれくらいはしないと何もわからないままだ……)

    鳴上(……パオフゥと話をしよう)

    >PCの電源を点け、パオフゥとチャットをする事にした。


    >……



    パオフゥ:よお。昨日は姿見せなかったからもう諦めたのかと思ってたぜ

    番長:パオフゥさん、こんばんは。昨日は情報収集の疲れが出てしまったみたいで、休んでたんです……

    パオフゥ:ほぉ。疲れるほど必死に例の事、調べてるって訳か

    パオフゥ:なんでそこまで知りたいのか本当の事は聞かないでおくが

    パオフゥ:世の中には知らなくても良い事、知っちゃいけない事ってのが山ほどある

    パオフゥ:これもその一つなのかもしれないと俺は思っている

    パオフゥ:ただ、お前さんにとってはそうでもないんだろうなっていうのが俺の勘だ

    パオフゥ:だから現時点で教えられる事は教えてやるよ


    226 = 110 :

    鳴上(この人、本当に何者なんだ?)

    鳴上(ただの情報通って訳でもなさそうに見えるけど……)

    鳴上(……)



    番長:よろしくお願いします

    パオフゥ:まず、最初に辰巳ちゃんねるでバケモノがどうこう書いた人物についてだが

    パオフゥ:実を言うと、そいつが直接バケモノを見た訳ではないんだそうだ

    パオフゥ:これは書き込んだ本人から聞いたから間違いはない

    パオフゥ:じゃあ、本当は誰がそのバケモノを見たのかって話になる訳だが

    パオフゥ:答えはそいつの友人らしい



    鳴上(書き込みをした人物の友人が真の目撃者?)

    鳴上(それってなんだか少しおかしな話じゃないか? だって……)


    227 = 110 :

    パオフゥ:なんで目撃者本人からの話がないんだ。そう思うだろ?

    パオフゥ:理由は簡単な事だ

    パオフゥ:そいつは今、話せるような状態じゃないからだよ



    鳴上「!?」



    パオフゥ:バケモノを目撃したとされる人物は現在辰巳総合病院に入院している

    パオフゥ:意識不明でな

    パオフゥ:それらしい人物が入院している裏付けは取ったからこれも間違いない

    パオフゥ:どうやら書き込みをした人物が、目撃者である友人から意識を失う前に聞いた話がバケモノが云々っていう事だったようだ

    パオフゥ:だから詳しい事情は書き込んだやつにも解らないんだとよ


    228 = 110 :

    鳴上「目撃者は意識不明……」

    鳴上「一体何故そんな事に……?」



    パオフゥ:とまあ、現時点でお前に話せるのはこのくらいだ

    パオフゥ:最近、書き込みした奴とも連絡がとれなくてな

    パオフゥ:後はまだ不確定な情報しか揃ってないんだ

    番長:ありがとうございます。少しでもそれらしい情報が得られて助かりました

    パオフゥ:こんな事教えておいて言うのもなんだが……

    パオフゥ:あまり妙な事に首をつっこみ過ぎるなよ?

    パオフゥ:つっこむならつっこむで相応の責任と覚悟はもっておけ

    パオフゥ:それが出来るってんなら、今後も情報提供はしてやるよ。タダとはいかないがな

    パオフゥ:最近、この街も物騒だからな。毎日妙なネタで溢れてやがる

    パオフゥ:面白い話や気になる話があったら聞かせてくれや

    229 = 110 :

    >パオフゥから気になる情報を得た。



    『Ⅸ 隠者 パオフゥ』のランクが2になった



    >チャットを終了してPCの電源を落とした。

    >辰巳総合病院に入院している意識不明の患者……

    >その人物に何が起こったのかは未だに不明だ。

    >だが、少しずつではあるものの謎に近付いている筈だ。

    >そうだと、思いたい……



    >美鶴に電話をして、パオフゥから教えて貰った事を伝え、その意識不明の患者についてもう少し詳しく調べられないか相談してから眠る事にした。



    230 = 110 :

    04/14(木) 晴れ 自室


    【朝】

    >今日も外は良い天気だ。

    >夜も天気は崩れる心配は無いようなので、今夜から街の見回りを始めてみようか。

    >……その前に、まずは学校だ。

    >メティスが迎えにきたので、支度をして登校する事にした。

    >……


    通学路


    >メティスに昨夜新たに得た情報を話した。

    メティス「目撃者とされる人物は現在意識不明、ですか。なにやらきな臭い話になってきましたね」

    鳴上「その情報からもう少し詳しい事を調べられないか桐条さんに頼んでみたんだけど、何か解ればいいな」

    メティス「しかし、それがどこの誰か解っても、事情を知るには結局その方の意識が回復するのを待つしかありません」

    メティス「そして、最初に書き込みをした人物の行方が解らないというのもやはり気になります」

    メティス「……その方も、既になんらかの事件に巻き込まれている。そういう可能性もあるんじゃないでしょうか」

    鳴上「っ……!」

    鳴上「……思っていた以上に事態は深刻なのかもしれないな」


    231 = 110 :

    >……


    月光館学園 3-A 教室


    >HRが始まった。

    「それでは出席をとります」

    >……

    「今日の欠席者は三人、か。……」

    「……えと、今日の日直は鳴上くんだったね。ちょっと職員室まで一緒にきてくれるかな」

    鳴上「はい」

    >橿原に言われて一緒に職員室まで行った。

    >……


    「悪いんだけど、これ一限目の授業で使うから、教室まで持って行ってくれないかな」

    >世界史の授業で使う教材を渡された。

    「重いから気をつけてね」

    鳴上「はい」

    232 = 110 :

    「……」

    「鳴上くん」

    鳴上「はい?」

    「鳴上くんは、最近元気にしてる?」

    「……えと、ほら、一昨日あたり顔色悪そうに見えたから」

    鳴上「あー……はい。一晩ゆっくり寝たら、もうすっかり」

    「そっか」

    「HRでも言ったけど、最近体調悪くて休んでる生徒が結構いるから、気をつけてね」

    「もう行っていいよ」

    鳴上「はい。失礼します」

    「……」

    >職員室を出て、渡された教材を教室まで運んだ。

    233 = 110 :

    >……


    【放課後】


    >帰りのHRが終わったのとほぼ同時に、美鶴からのメールを受信した。

    『昨夜君から言われた辰巳総合病院にいる意識不明の患者について調べがついた。寮に戻ったらラウンジに集合してくれ』

    鳴上(随分と早かったな。流石、桐条さんだ)

    >メティスを呼び止め、彼女にも美鶴からのメールを見せた。

    メティス「今日は寮に直帰した方がよさそうですね」

    鳴上「ああ。行こう」

    >メティスと二人で急いで教室から出ていった。

    234 = 110 :

    >……


    辰巳ポートアイランド駅前


    >溢れる人の中で、ふと、見覚えのある後ろ姿を見た。

    >駅前の花屋に橿原がいるようだ。

    >橿原は、店員に花束を受け取り、駅の方へと歩いて行ってしまう。

    >鳴上達には気付かなかったようだ。

    メティス「鳴上さん、どうかしましたか? 早く行きましょう」

    鳴上「……ん。ああ」

    >向かう方面が違ったのか、駅のホームでは橿原の姿を見る事はなく、巌戸台の駅についてからは真っ直ぐ寮を目指した。



    235 = 110 :

    【夜】


    学生寮 ラウンジ

    >特別課外活動部のメンバーが皆揃うと、まずは美鶴から鳴上が昨夜得た情報をまだ知らない者に報告するところから話は始まった。

    天田「……それで、辰巳総合病院にそれらしい患者は本当にいたんでしょうか?」

    美鶴「……ああ」

    美鶴「名前は伏せておくが、今年から月光館学園の高等科一年になる予定だった少年だ」

    美鶴「病院に運ばれてきた時点で意識不明の重体だったが、身体に外傷は一つもなかったらしい」

    美鶴「そうなった原因は未だに解らず、治療の施しようがないんだそうだ……」

    鳴上「命に関わるような事はないんですか?」

    美鶴「今のところは平気らしい。ただ、この状態が長く続くような事があれば、どうなるか解らない、という話だ」

    >この場にいる一同がしばしの間黙ってしまう……

    236 = 110 :

    鳴上「……あの、一つ気になる事が」

    美鶴「どうした?」

    鳴上「高等科の一年になる予定だった少年っていうのはどういう意味ですか?」

    鳴上「この話が広まったのって、学校が始まった後の事です」

    鳴上「……だから、その少年が月光館学園の生徒なら、ただ『高等科の一年の生徒』って言えばいい話の筈です」

    鳴上「病院に運ばれてきたのって、いつの話なんですか?」

    美鶴「……察しがいいな、君は」

    美鶴「少年が意識不明になったのは学校が始まる前……彼が入学する前の出来事だ」

    美鶴「病院に運び込まれてきたのは……日付が4月5日になってからまだ一時間ほどしか経ってない、雨の降る夜の事だった」

    アイギス「! それってまさか……!?」

    美鶴「……ああ、そうだ」

    美鶴「鳴上、君も覚えているだろう」





    美鶴「君がこの寮でシャドウに襲われた夜の事だ」



    237 = 110 :

    週末は色々あってこれませんでしたが今日からまた投稿再開です。

    そして、投稿途中で気付いたのですが、

    実際のカレンダーの曜日とSSの中でのカレンダーの曜日が

    途中から 盛 大 に ず れ て や が る … orz

    今まで気付かなくてすみませんでした…次回から修正します

    この話の次の日にあたる04/15は日曜日になるようです…


    そういうことでまた次回!

    238 :

    おつ

    240 :

    おつおつ

    241 :

    続きまだかな?

    242 :

    まぁ、焦るな

    243 :

    >>242
    落ち着こうか

    244 :

    どうも>>1です

    前回の投稿から先の展開に色々と修正したい部分が出来てしまったり、例の格ゲーに新キャラ出ないか様子探ったりしてたりと色々な事情で投下が止まってます。

    次回までもう少し時間かかりそうです。申し訳ないです……

    245 :

    報告乙
    楽しみにしつつゆっくり待ってる、
    無理せず書いてくれ。

    246 :

    鳴上「っ……!」

    鳴上「……それじゃあ、もしかして」

    鳴上「あの時、この寮の外からやってきたシャドウが、少年の目撃したバケモノの正体なのか……?」

    美鶴「その可能性が高そうではあるが……」

    美鶴「しかし、ポートアイランド駅からこの寮までは距離がある」

    美鶴「あの夜、別々の場所にシャドウが多発していた……という事もあり得るな」

    メティス「それは、ここと他に目撃されたとされる場所以外にも、という意味ですか?」

    美鶴「……そうだ」

    天田「……それじゃあ、まだ僕達が知らないだけでその夜に被害にあった人が他にもいるかもしれないですね」

    天田「今回の事を考えると、ただの事故なんかとして上がっているかどうかも怪しいのかもですが……」

    鳴上「何かがあったという認識すらまだされていないかもって事か」

    鳴上「これ以上の被害があったなんてあまり考えたくはないけどな……」

    天田「……そうですね」

    247 = 110 :

    アイギス「……」

    メティス「姉さん? 何か気になる事でも?」

    アイギス「……目撃者は意識不明という扱いになっているけれど、これは無気力症の時とは違うのでしょうか」

    天田「!」

    美鶴「……」

    美鶴「おそらくあの時と同じ事、もしくは似たような事が起こっているのだろうな……」

    美鶴「とは言っても、これもあくまでただの予測だがな」

    美鶴「今回のシャドウは私達が知っているシャドウと性質は似ているにしても、まるで一緒のものなのかという確証がもてない」

    鳴上「どうしてですか?」

    美鶴「君が以前関わったシャドウの例があるからだよ」

    アイギス「……そうですね。鳴上さんの話を聞いた限りでは、私達の戦っていたシャドウと貴方の戦っていたシャドウとでは、存在の性質と特徴に差異があるように感じられます」

    鳴上「という事は、今までのシャドウのパターンにばかりとらわれて対策をしようとしても、ダメって事になりますね……」

    248 = 110 :

    メティス「……」

    メティス「今の話でひとつ思い出した事があります。……話は少し逸れますが」

    鳴上「どうした?」

    メティス「鳴上さんの言う、『テレビの中の世界』というのは私達も入れるものなのでしょうか?」

    メティス「過去に影時間の中に現れていたタルタロスとテレビの中に存在する世界は、共にシャドウが巣くう場所です」

    メティス「ですが、影時間が消えタルタロスも無くなった今となっては、注意すべきなのはテレビの中の世界の方だと私は思います」

    メティス「今回と過去二件の事例とは異なる可能性があるにしても、です」

    メティス「……いえ、異なるならなおの事、注意した方がいいのかもしれません」

    鳴上「どういう意味だ?」

    メティス「今回は、具体的なシャドウ発生場所の特定すらまだ出来ていませんが……」

    メティス「現時点で、シャドウがいてもおかしくない場所として解っているのが、テレビの中の世界という訳です」

    249 = 110 :

    メティス「鳴上さんの件の時は、誰かにテレビの中に入れられてしまい、そこで放置された後に特定の条件を満たした結果、そこに存在したシャドウの暴走に合い入れられた人物に被害が及んだ。そうですね?」

    鳴上「ああ、そうだな」

    メティス「鳴上さん達も、自らテレビの中に入る事でシャドウと戦い事件を防いでいた……」

    メティス「……それはどうしてでしょう?」

    鳴上「どうしてって……そうするしか他に方法がなかったからで……」

    メティス「そうです。鳴上さん達から行くしかなかった」

    メティス「……鳴上さん達が戦っていたシャドウ達はいくらか良心的、あるいは怠惰だったのでしょうかね」

    メティス「現実世界と繋がる出入り口があるにも関わらず、奴らの方から出向く事はなかったなんて」

    鳴上「っ……!」


    250 :

    メティス「もしかしたら、そのシャドウ達はなんらかの理由で出入り口はあっても、現実世界に行く事は出来なかったのかもしれません」

    メティス「でも、それは『稲羽市ではそうだっただけ』という訳だったら……?」

    メティス「今度のシャドウは何処からか……鳴上さん達がそうしていたように、テレビを媒介にして好きにこちら側へと侵入する事が出来るようなタイプのものだとしたら……」

    美鶴「……まずいな、それは」

    鳴上「この寮に現れたシャドウは外からきたもんだから、すっかりその可能性を失念していた……」

    メティス「そう。まだそこが引っかかっているんですが……今は、その事は置いておきましょう」



    メティス「話を『私達もテレビの中の世界に入れるのか?』という事に戻します」

    メティス「今回の件がテレビの中の世界と関係あるにせよないにせよ、入れるのならそこでシャドウを狩るのは私達にとってマイナスにはならないと思うのです」

    アイギス「もし、そこのシャドウ達が原因なら、解決の一端になるかもしれない、という事ね?」

    天田「そうでなくとも、シャドウと戦う事でこれからに備えて力をつける事が可能かもしれませんしね」

    メティス「はい。……実を言うと、私個人の意見としては天田さんの言葉の方が重要だったりします」

    メティス「私にはシャドウのデータとペルソナはあっても、皆さんと違って実戦経験はまだありませんので……」

    メティス「有事の際、ぶっつけ本番で皆さんに迷惑をかけるような事があるのは避けたいんです」


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