元スレ鳴上「月光館学園?」
SS+覧 / PC版 /みんなの評価 : ★
551 = 110 :
現実世界
辰巳ポートアイランド駅前
メティス「結局、何事もなく静かで平和な街になっていただけでしたね」
アイギス「途中何体か出たシャドウも、初めてあの世界に入った頃のようなおとなしくて臆病なものばかりでした」
アイギス「ガラスの破片が刺さっている様子もないようです」
天田「少なくとも雪の女王の世界はもう僕達にとっては脅威でもなんでもなく、日曜が過ぎるのを待てばいいってだけですかね」
美鶴「確かにあれ以上、雪の女王の世界で得られる事はもう何もなさそうだな」
鳴上(これ以上の探索は無駄、か……?)
鳴上「じゃあ、次に映画館へ来るのは雨が降っていなければ月曜日の深夜という事にしよう」
鳴上「みんな、今夜もお疲れ様」
>今後の活動指針を決めてから、寮に戻る事にした。
>……
552 = 110 :
自室
鳴上「ふう……」
鳴上「なんだか、三歩進んで二歩下がったと思ったら、そこに別の道が出来ていてどっちの道に進めばいいのかわからない、って感じだな……」
鳴上「……」
鳴上「何か起こらないと行動に移せないのはやっぱり辛いとこだな……」
鳴上「……今日はもう寝とくか」
>寝る支度をし電気を消してベッドに潜り込んだ。
>……
鳴上「……」
>いい具合にうとうとしてきた……
>その時、ベッドの近くが青白く光り、ぼうっと人影が現れた。
553 = 110 :
鳴上「……ん」
>その気配を感じ薄く目を開くと、ベッドの傍にイヤホンの少年が立っているのが見える。
イヤホンの少年「……」
鳴上(……あ。まただ)
鳴上(今度はなんだろう……眠いからまた今度にして欲しいけど)
>うとうとしたままイヤホンの少年と目を合わせるが、向こうから話す気配はなかなか感じられなかった。
鳴上「……何?」
イヤホンの少年「……」
鳴上「用件があるなら……聞くけど……手短、に……頼……」
鳴上(あ、だめだ……本当にねむい……)
554 = 110 :
イヤホンの少年「……」
イヤホンの少年「……『漢たちの戦い 最終章』」
鳴上(……?)
イヤホンの少年「……DVD」
鳴上(……??)
イヤホンの少年「頼んだ……」
>イヤホンの少年は、鳴上の手に何処から出したのか一万円札を握らせてきた。
鳴上「そのタイトルのDVDを……買えって、事……?」
>イヤホンの少年は黙ってコクリと頷いた。
鳴上「わかっ……た……」
イヤホンの少年「……」
>イヤホンの少年は、その答えにほっとしたような表情を見せて姿を消した……。
>『ⅩⅢ 死神 謎のイヤホンの少年』のランクが3になった
鳴上(……)
鳴上(DVDを見たがる幽霊……)
鳴上(エキセントリックだ)
鳴上「……Zzz」
>夜が更けていった……
>……
555 = 110 :
04/21(土) 雨 自室
【朝】
鳴上「……」
鳴上「夢じゃなかったか」
>手に握っているそれを掲げてみる。
>そこには一万円札があった。
鳴上「見た感じ偽札には見えないけど……」
鳴上「でも、これを店で使うのはなんか不安だからやめておこう」
>起き上がり、手に持っていた一万円札を机の引き出しにしまった。
>学校に行く準備をしなくては……
>今日はまた朝から雨が降っているが、予報ではすぐにやんでしまうと言っている。
>支度を済ませ、登校する事にした。
>……
556 = 110 :
通学路
>……
女子生徒「行方不明になってたうちの生徒って、見つかったんだよね?」
男子生徒「そーみたいだな。詳しい事情はよくわかんねぇけど」
女子生徒「でも事件解決したって事でしょ? 良かったあ。GW前に妙な騒ぎとかホントやめて欲しいって感じ」
男子生徒「そのおかげで、来週からまた普通の授業だぜ。かったりー……」
女子生徒「文化部の募集も月曜から再開するんだってさ。まあ、私はパスだけど」
男子生徒「あーあ。はやくGWになんねーかなあ」
女子生徒「それが終わると次は進路相談だよ?」
男子生徒「うっわあ……かったりー」
女子生徒「そんな事言ってないで、ちゃんと先生に話す事決めときなよね?」
女子生徒「進学か就職かってくらいは考えてるでしょ?」
>……
557 = 110 :
月光館学園 3-A 教室
HR
淳「出席をとります」
>……
>どうやら、今日も同じ顔ぶれが欠席しているようだ……
鳴上(入院してるってやつ以外もどうして休んでるのかちょっと気になるよな)
鳴上(ただの不登校ってだけならまだいいけど……)
鳴上(……)
【放課後】
>午前で授業が終わった。
>来週からはまた通常授業だ。
鳴上(今日はこれから映画館でアルバイトだ)
鳴上(日中の映画館の様子の観察はもう少し続けとかないとな)
鳴上(少なくとも日曜を越えるまでは……)
>帰り支度をして、映画館へと向かった。
>……
558 = 110 :
>アルバイトの最中、館内で目立って気になる点は今日も特に見つからなかった。
映画館の女性社員「鳴上くん、お疲れ様。もうあがっていいわよ」
鳴上「お疲れ様です」
>手取りでアルバイト代4500円を入手した。
>……
辰巳ポートアイランド駅前
鳴上「……そういえばDVDを買うんだったな」
鳴上「えっと、『漢たちの戦い 最終章』だったっけ?」
鳴上「何時頃のものかわからないし、そもそもジャンルはなんだ? ドラマ? アニメ?」
鳴上「……とりあえず店に行くか」
>DVDショップに向かった。
>……
鳴上「あった」
>『漢たちの戦い 最終章』のDVDを発見した。
>どうやら、数年前に映画でやっていたシリーズの最終作のようだ。
鳴上「これは一応買うとしても……」
鳴上「シリーズものの最後だけ見て面白いのか?」
鳴上「どんな映画か気になるし、残りのシリーズはレンタルして見てみよう」
>DVDを購入し、レンタルショップへと場所を移した。
>……
559 = 110 :
【夜】
学生寮 ラウンジ
>結局、全部の『漢たちの戦い』シリーズのDVDをレンタルして帰ってきた。
メティス「鳴上さん、おかえりなさい」
コロマル「ワンッ!」
鳴上「ただいま。……ん?」
鳴上「テレビ、新しくなってる?」
メティス「はい。ついさっき、美鶴さんが持ってきてくれて」
>ラウンジのテレビは、薄型で大型のものに変わっている。
>DVDやBDまでここで見られるようだ……!
鳴上「これ、最新型っぽいな。流石桐条さんだ……」
鳴上「……」
>もしかしたらと思い、テレビの画面に手を近付けてみた。
>……
560 = 110 :
鳴上「……やっぱりダメか」
>手は画面に触れて、それ以上先へはやはり進まないようだ……
メティス「私達もさっき同じように試してみたんですが、無理でした」
メティス「……テレビの中の世界、気になるんですけどね」
鳴上(どうして急に入れなくなったんだろうな……)
コロマル「ワンッワンッ」
メティス「? 鳴上さん、その手に持っているものはなんでしょうか?」
鳴上「DVDだよ、映画の」
>中身を取り出して、パッケージを見せた。
コロマル「!」
コロマル「ワンッ! ワンッ!」
561 = 110 :
鳴上「ん、どうしたコロマル?」
メティス「コロマルさんはそのDVDが観たいようですね」
メティス「最終章はないのか、と言っています」
鳴上「最終章? あるけど……」
鳴上「シリーズ全部揃ってるから、観るなら最初のからの方がいいんじゃないのか?」
コロマル「ウ~ッ、ワンワンッ!」
メティス「最終章だけで構わないそうです」
鳴上「そっか」
鳴上(最終章は借り物じゃなくて頼まれた買い物の品なんだけど……)
鳴上(後で事情を説明すればいいか)
鳴上(あいつに通じるかはわからないけど……)
562 = 110 :
鳴上「ここで観ても平気なのか?」
メティス「はい。好きに使ってくれていいとの事です」
鳴上「じゃあ、一緒に観るか」
コロマル「ワンッ!」
>急遽、映画鑑賞会が行われる事になった。
>……
>コロマルは鳴上の膝の上に落ち着きながら、画面から目を離さずにいる。
>……
>『漢たちの戦い 最終章』を見終わった。
鳴上(なかなかに熱いストーリーだった……!)
鳴上(結末解っちゃったけど、ちゃんと他のシリーズも後で観ておこう)
コロマル「ワンッ!」
>コロマルも満足そうにしている。
563 = 110 :
メティス「ずっとみたかったものがみれて良かった、ありがとう、と言っています」
鳴上「どういたしまして」
コロマル「ワンッワンッ」
>コロマルが鼻を擦り付けてじゃれついてきた。
>なんだか、とても感謝されているようだ。
>コロマルとまた少し仲良くなれたような気がした。
>『ⅩⅠ 剛毅 コロマル』のランクが2になった
メティス「コロマルさん、そろそろお食事にしましょうか」
コロマル「! ワンッ」
>コロマルは鳴上の膝から飛び降りて、メティスの後についていってしまった。
>部屋に戻る事にした。
>……
564 = 110 :
自室
>着替えてからPCの電源を点けて机に向かった。
鳴上(今日は久しぶりにパオフゥと話してみよう)
>メッセンジャーを起動させた。
>……
>パオフゥはオンラインにいるようだ。
>メッセージを飛ばしてみる事にした。
>…
>……
>………
>パオフゥからの応答がきた。
565 = 110 :
パオフゥ:よお、番長。久しぶりだな
番長:こんばんは。しばらくですね。
パオフゥ:今日はまた気になる話題でも探りにきたってところか?
番長:はい、そうです。
パオフゥ:素直に答えるな。まあ、そういう奴は嫌いじゃないぜ
パオフゥ:どうやら、駅前に怪物がどうこうって話はもう収まったみたいだな
パオフゥ:この手の話題は盛り上がるのも盛り下がるのも早ぇこった
番長:そうみたいですね
パオフゥ:でも、これ以上の話題になりそうな事があるって訳でもねぇんだよなあ、これが
番長:そうなんですか
566 = 110 :
パオフゥ:胡散臭い話はいつもゴロゴロ転がってはいるがな
パオフゥ:そういえば最近、若いのの間でちょっとしたゲームがいくつか流行ってるみてぇだな
パオフゥ:番長は聞いたことないか?
番長:ゲームはあまりやらないので……
番長:どういうものなんですか?
パオフゥ:携帯のアプリゲームなんだけどよ
パオフゥ:それがどうやら、どっかのサイトでダウンロード出来るような代物じゃないらしいって話だ
番長:どういう事ですか?
パオフゥ:なんでもそれはある日突然知らないメールアドレスから携帯に送られてくんだと
567 = 110 :
パオフゥ:それが、そのメールを開いただけで数秒してから自動的にアプリのダウンロードが始まるらしくてな
パオフゥ:最初は新手のウィルスかもなんて話もあったけど、やってみると結構普通の面白いゲームなんだそうだ
パオフゥ:携帯のGPS機能と連動していて、街中を歩く事で『仲魔』ってのを見つけて増やしていくってゲームってらしいが
パオフゥ:図鑑を作成したり、『仲魔』同士を合体させてより強い『仲魔』を作ったり、オンラインで他のプレイヤーと戦ったりも出来るとか
パオフゥ:こういうゲームって好きなやつはほんとにのめり込むみてぇだからな
鳴上「へえ。確かに面白そうだ」
568 = 110 :
パオフゥ:俺はゲームなんざやらねぇからどうでもいいが
パオフゥ:あまり知らないアドレスからのメールをほいほい開くもんじゃねえと思うな
パオフゥ:ま、でも、もし番長もそんなメールを受け取るような事があったとしたら、俺にも詳しい話聞かせてくれや
番長:わかりました。色々と話を聞かせてくれて、ありがとうございます
パオフゥ:おう
パオフゥ:じゃ、今夜はこれで落ちるわ
>パオフゥはオフラインになった。
>『Ⅸ 隠者 パオフゥ』のランクが3になった
鳴上「知らないアドレスからのメールってのは確かに怖い話だな」
鳴上「しかも勝手にダウンロードって……」
鳴上「……」
鳴上「最近は色々と進化してるって事か」
鳴上「……さて。寝よう」
>PCの電源を落とした。
>……
569 = 110 :
【深夜】
>ベッドの中……
>電気を消して、横になって目を閉じたはいいが今夜はなかなか寝付けない。
鳴上(またあいつが来るのは何時かと思うと、な……)
>……
>そう思った矢先、ベッドの傍で人影がぼぅっと浮かび上がり、その気配を感じた。
鳴上(きたか!?)
>目を開いて、ベッドから起き上がった。
>予想通り、イヤホンの少年がそこには佇んでいた。
イヤホンの少年「……」
鳴上「えっと、……こんばんは」
>イヤホンの少年は小さく頭を下げた。
570 = 110 :
鳴上(毎度の事ながら無口だな……じゃなくて)
鳴上「DVD買ってきたぞ」
鳴上「訳あって封開けちゃったけど……これでいいんだよな?」
>頼まれていたDVDをイヤホンの少年に差し出した。
イヤホンの少年「……」
>しかし、イヤホンの少年は首を横に振っている。
鳴上「えっ、買ってくるの違ったのか?」
イヤホンの少年「そうじゃない」
イヤホンの少年「……俺に必要なものじゃないから」
鳴上(せっかく買ってきたのにどういう事だ?)
イヤホンの少年「それに、もう目的は達成されたから、いい」
鳴上「?」
571 = 110 :
イヤホンの少年「無理を言ってすまなかった」
イヤホンの少年「協力してくれて、ありがとう」
>イヤホンの少年は僅かに微笑んだ。
鳴上「えっと、お釣りは……」
イヤホンの少年「そんなもの、どうでもいい」
イヤホンの少年「DVDも含めて、お前にやる」
イヤホンの少年「……」
>イヤホンの少年の姿は徐々に薄くなっていき消えてしまった。
>『ⅩⅢ 死神 謎のイヤホンの少年』のランクが4になった
鳴上「……」
鳴上「結局、なんだったんだ……?」
鳴上「……今度こそ寝よう」
>そっとしておくことにした。
572 = 110 :
終わりです。
また次回。
574 :
>乙をしておこう
575 :
コロちゃんとの約束はたせてよかったね
ぬいぐるみと言い張って無茶したもんな
576 :
レス数が50超えてるの見た時はうげって思ったけど
あっという間だった乙
578 :
毎回楽しみにしてるからな
次も待ってるぜ乙
579 = 519 :
乙
続きを待つのが最近の楽しみの一つになったよ
580 :
乙
毎回毎回楽しみにしています
581 :
おつ
582 :
>走り出した乙は止まらない!
583 = 582 :
>走り出した乙は止まらない!
584 :
乙
謎のイヤホンの少年…一体何ローなんだ…
585 :
まだまだ明らかになってないアルカナやランクもまだまだ低い。
事件の真相も含め物語はこれからか…
いったいどうなっちまうのかワクテカが止まらんね
587 :
正直閣下以上にスティーブンの存在は謎めいてる
でもトリッシュが来るなら、先に悪魔絵師とかナナシさんとかベラドンナさんとかの方が出てきそう
588 :
どうも>>1です。
乙コメくれたり、黙ってるけど見てるぜって皆さん、何時もありがとう。毎度嬉しくて目からメギドラオンでございます。
登場人物もだいぶ増えてきたので>>1にあるSSwikiとやらをちょっと書いてみました(PCの調子悪くてだいぶ苦戦したけど)
今までのおさらいとして参考までにどうぞ。
これからもまだ登場人物増えますが…
用事がなければ明日か明後日くらいにはまた投下にこれると思うんでその時はよろしく。
ではまた次回。
589 :
乙
登場人物もコミュも増えてきたし助かる
590 :
04/22(日) 曇り 自室
【朝】
>今日は休日だ。
>テレビをつけてニュースと天気予報のチェックをした。
>夜はまた雨が降ってくるらしい。
>マヨナカテレビの確認が必要になるかもしれない……。
>……
>昼からはまた映画館でアルバイトがある。
>メティスも一緒だった筈だ。
>その時間まで、借りてきたDVDを観て過ごす事にした。
>……
591 = 110 :
【昼間】
映画館 スクリーンショット
>休日だからか、人も多いようだ。
>意外とする事も多く、平日よりも忙しく感じる……
(メティスは大丈夫だろうか……)
>忙しない合間にメティスの様子をうかがってみた。
>……忙しさに驚いてはいるようだが、精一杯働いているようだ。
>……
>何事もなく無事に時間まで働き終え、本日分の給料を貰い帰る事にした。
辰巳ポートアイランド駅前
鳴上「お疲れ様」
メティス「おつかれさまです……」
>メティスはヘトヘトのようだ。
592 = 110 :
鳴上「仕事は慣れてきたか?」
メティス「……あ、はい。今のところは特にこれといって問題もありませんし」
メティス「でも、前に鳴上さんが言っていたように、どんな事でも働いてお金を得るというのに楽はないんですね」
メティス「勉強になります」
>メティスはひとり納得しながら頷いている。
鳴上「それにしても、日中の映画館の様子に特におかしなところはやっぱり見当たらないな。この分なら、明るいうちはもうそれほど心配しなくてもいいかもしれない」
メティス「え?」
メティス「……あ。そ、そうですね。そうかもしれませんね」
鳴上(この様子だと、仕事の方に集中しすぎてそこまで気が回っていなかったとみた)
593 = 110 :
鳴上「……さて。なんだか空模様も怪しいし、降り出す前に帰ろうか」
メティス「はい。今日は夜中の間はずっと雨のようですね」
メティス「どうなんでしょうか、マヨナカテレビの方は。映るような気配はありますか?」
鳴上「なんとも言えないな」
メティス「映るような事がないのが一番だと思いますけど、でも一度どんなものなのかはっきりとこの目で確認してみたい気もしますね」
鳴上「……ある意味では面白かったりもするけど、やっぱり面白いものでもないと思う。特に映ってしまった人にとっては」
メティス「なるほどなー」
鳴上(本当にわかってるんだろうか……)
594 = 110 :
>……
学生寮 ラウンジ
美鶴「君達か、おかえり」
鳴上「あ、どうも」
メティス「お疲れ様です、美鶴さん。今日はまた何か作戦会議でもするのでしょうか?」
美鶴「いや。少し様子を見に立ち寄っただけだ」
メティス「そうですか」
メティス「……」
メティス「あの、何もないようでしたら、このまま部屋に戻って少し休ませて貰ってもいいでしょうか?」
美鶴「ん? ああ、私に構うことはないぞ?」
メティス「……すみません。失礼します」
>メティスは頭を下げてからこの場を去っていった。
595 = 110 :
美鶴「なんだか疲れているようだったが……」
鳴上「今日のバイト、忙しかったからだと思います」
鳴上「凄く頑張ってましたよ、彼女」
美鶴「そうか、今日はアルバイトの日だったのか」
美鶴「最初、メティスが働きたいなどと言い出した時は驚きもしたが、君もついているし心配はいらないようだったな」
美鶴「時間があるようなら、その辺りの事をもう少し詳しく教えて貰ってもいいか?」
鳴上「はい」
>ソファに座り、美鶴にメティスの事を色々と話した。
>……
596 = 110 :
美鶴「ふむ。メティスも日々様々な事を少しずつ経験し、吸収しているようだな」
美鶴「……しかし、君には色々と面倒を押しつけてしまっているようで悪いな」
鳴上「いいえ、そんな事はないですよ」
美鶴「メティスの事だけじゃない。初めから色々な事を、だ」
美鶴「……」
美鶴「……覚えているか? 君がここにくる事になった経緯を」
鳴上「今使われている寮の空き部屋が確保出来なかったから、って話でしたよね」
美鶴「実はな、……それは嘘なんだ」
597 = 110 :
美鶴「君の事を調べさせて貰ったと言った事もあるが、あれも順序が逆で、前々から稲羽市での不可解な事件について調査していたその時に君や君達の仲間について行き着いたというのが正しい」
美鶴「そんな君が月光館学園に転入するという話を聞いて、私が仕組んだ事なんだ」
美鶴「……万が一の時に備え、少しでも戦える人物を傍に置いておく為に」
鳴上「……」
鳴上「なんとなくそうなんじゃないかなって気はしてました」
鳴上「でも、俺は全然気にしていませんよ。その万が一が本当に起こった訳ですから」
鳴上「俺の力が必要な場があって、俺の存在が役に立つっていうのなら、是非使って下さい」
鳴上「それで多くの人達の平穏を守れるのなら」
598 = 110 :
美鶴「……」
美鶴「君は本当に頼り甲斐のある男だな。感謝してもしきれないくらいだ」
鳴上「そんな事はないですよ」
鳴上「むしろ、現在リーダーとして上手くやれてるのかって思ってたくらいです」
鳴上「あの事件だって、結局は星の想いの力があったからこそ丸く収まったようなもので、俺は何も出来ていないんですから……」
美鶴「君がそう卑下する必要が何処にある」
美鶴「立派にやってくれているよ、君は」
鳴上「……」
美鶴「君はかつての特別課外活動部のリーダーだった男と似ている」
鳴上「以前のリーダー?」
599 = 110 :
美鶴「ああ。だから私は、君ならこのメンバーをこれからも引っ張っていってくれると、そう信じている」
美鶴「君がいるから、みんな戦えるんだ」
鳴上「そんな……大袈裟ですよ」
鳴上「でも、そこまで言われたらこれからももっと頑張らないとダメですね」
鳴上「前のリーダーだったっていう人に負けないように、自分の務めを果たします」
美鶴「ああ。これからもよろしく頼む」
美鶴「私も頼ってばかりでなく、君やみんなの為にも力を惜しまない」
美鶴「終わりの見えない戦いではあるが……必ず、この街に平和を取り戻そう」
600 = 110 :
>美鶴から信頼されているのを感じる……
>『Ⅲ 女帝 桐条美鶴』のコミュを入手しました
>『Ⅲ 女帝 桐条美鶴』のランクが1になった
鳴上「……その以前リーダーだったっていう人も、今はもうこの街にはいないんですか? 力になって貰えれば、心強いのに」
美鶴「……」
美鶴「ああ。もう彼はいないんだ」
美鶴「だから……彼の守った街を、この世界を、今度は君が守ってほしい」
鳴上「……」
鳴上「はい」
>……
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