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    元スレ鳴上「月光館学園?」

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    751 = 110 :

    05/07(月) 曇り 自室



    【朝】


    鳴上「……」

    鳴上「……痛い」


    >枕を抱えながら頭からベッドの下に落ちたらしい……

    >その衝撃で目覚めた。


    鳴上「エリザベスに殴られたとこもまだ痛いっていうのに……頭がバカになったらどうするんだ」


    >痛む場所を手で押さえながら体を起こした。


    コンコンコン


    アイギス「鳴上さん、どうかしましたか!? 凄い声と音が聞こえましたが……」

    鳴上「あ、いえ、大丈夫です」

    アイギス「そうですか?」


    >アイギスに余計な心配をさせてしまったようだ……


    752 = 110 :

    鳴上(悲鳴まであげてたのか……)

    鳴上(変な夢を見ていたような気もするけど……よく覚えてない)

    鳴上(なんだか目覚めが悪いな)

    アイギス「あの、鳴上さん」

    アイギス「学校に行く支度が出来たら一階に来ていただいていいですか?」

    鳴上「? わかりました」


    >気持ちを切りかえ、急いで着替える事にした。

    >……


    学生寮 ラウンジ


    メティス「おはようございます、鳴上さん」

    ラビリス「おはよー!」


    >一階にはアイギスに加え、メティスとラビリスが揃っていた。


    753 = 110 :

    鳴上「おはよう。……お」

    鳴上「なかなか様になってるな、その格好」

    ラビリス「ホント? 嬉しいわー」


    >ラビリスは昨日まで着ていた八十神高校の制服ではなく、月光館学園の制服を着ている。


    アイギス「昨日言っていた通り、今日から姉さんも学校に通う事になります」

    アイギス「鳴上さんにはご迷惑をおかけする事になるかもしれませんが、どうかよろしくお願いします」

    ラビリス「心配性やなー、アイギスは」

    ラビリス「大丈夫やて! もう勝手に暴走したりせんし」

    ラビリス「悠の言う事に従っとけばええんよね?」

    754 = 110 :

    アイギス「はい。あと、わからない事も鳴上さんにすぐ聞くようにして下さい」

    ラビリス「おっけー」


    >ラビリスはそわそわしている。

    >よほど学校に行くのが楽しみなのだろう。


    アイギス「ふふ。……あ、姉さん」

    ラビリス「ん、なんや?」

    アイギス「リボンが曲がっていますよ。……はい、これで大丈夫です」

    ラビリス「ありがとな」

    アイギス「いいえ、どういたしまして」

    メティス「……」

    メティス「準備が出来たのなら行きましょう。転入初日なのですから、早めに出た方が良いかと思います」

    鳴上「そうだな。じゃあ、行こうか」


    >三人揃って寮を出て学校に向かった。


    755 = 110 :

    >……



    月光館学園 3-A 教室


    「今日はみんなに新しく転入生を紹介します」

    ラビリス「ラビリスや。よろしくな!」


    >ラビリスは鳴上たちと同じクラスになった。

    >不都合がないようにと、美鶴が根回ししてくれたのかもしれない。

    >新しいクラスメイトの存在に、教室の中が一時騒然とした。


    「ラビリスさんは空いている席へどうぞ」

    ラビリス「はーい」

    「えーと。それから……」

    「今日から進路指導が始まる為、しばらく午前授業になります」

    「連絡は以上です。続けて出席をとります」


    756 = 110 :

    >……


    【放課後】


    >午前中で授業が終わった。

    >今日はこれから進路指導を控えている。


    鳴上「メティス」

    メティス「……」

    鳴上「おい、メティス!」

    メティス「!」

    メティス「あ、はい。なんでしょう」

    鳴上「えっと。……」

    鳴上「どうかしたのか?」

    メティス「……どうもしませんが?」

    鳴上(気のせいか?)

    鳴上(昨日からやたらと口数が少ないような気がするんだけど……)

    メティス「……」

    メティス「鳴上さんは今日が進路指導の日でしたよね?」

    メティス「私は違いますので、一足先に失礼します」


    757 = 110 :

    鳴上「あ、ちょっと待った」

    鳴上「ラビリスも一緒に連れて帰ってくれ」

    鳴上「メティスの言う通り、俺はまだ帰れないからさ」

    鳴上「でも、まだラビリス一人で行動させられないし」

    メティス「……」

    メティス「わかりました」

    鳴上「ありがとう」

    ラビリス「ん? 悠はまだ帰らんの?」

    ラビリス「ウチ待ってよか?」

    鳴上「いや、時間かかりそうだから」

    鳴上「メティスと一緒に先に寮に戻っていてくれ」

    ラビリス「そっか。じゃ、また後でなー」


    >ラビリスは手を振って教室から出ていった。


    メティス「……。それでは。ご武運を」

    鳴上(ご武運?)


    >後に続いてメティスも帰っていった。


    >……


    758 = 110 :

    進路指導室


    「さ、そこに座って」

    鳴上「はい。失礼します」


    >橿原と向かい合わせで座った。


    「えーと、それじゃあ早速だけど……」

    「鳴上くんはもう進路は決めているのかな?」

    鳴上「……」

    鳴上「……進学を、考えています」

    「……」

    「そっか」

    「じゃあ、具体的にどの学校に行きたいかっていうのは決まってる?」

    「大学じゃなくて専門学校っていう道もある訳だし」

    鳴上「それは、まだ……」

    「なるほど」

    「……ねえ、鳴上くん」

    「君は本当に進学したいって思ってるのかな?」


    759 = 110 :

    鳴上「え?」

    「僕の目にはね、君はこれからの事をまだ迷っているように映っているんだけど。違う?」

    「進学するにしても、ただなんとなく……って思っているのなら、あまりおすすめは出来ないかな」

    「いくら僕が君の担任だからといって、君自身が決めた事に細かく口出しする権利がある訳ではないけど……」

    「でも、君の生涯に関わる分岐点な事は確かだから。安易に決めてしまったせいで後悔はして欲しくないんだ」

    鳴上「……」

    鳴上「……実は、先生の言う通りです」

    鳴上「俺、まだ自分がどうしたいのか、よく解ってなくて」


    760 = 110 :

    鳴上「とりあえず進学しておけば、そこで何か見つかるのかもしれないって、そう考えてました」

    「うん。それも立派なひとつの考えだね」

    「鳴上くんはさ、将来の夢ってもってる?」

    鳴上「夢?」

    「夢があるのなら、その為に行くべき場所ややるべき事なんかをきちんと考えられるだろ?」


    >自分の夢……

    >考えてはみたが、すぐに思い浮かぶものは無かった……


    「……そっか」

    「でも悩むってのも大事なことだよ」

    「悩んで悩んで悩み抜いて。答えを探せばいい」

    「その時間は有限ではあるけれど、そう出来るくらいにはまだあるから」

    「僕は君の話を聞いて、どうすればいいのか一緒に考えて悩むよ」

    鳴上「……はい」


    761 = 110 :

    >橿原に進路に対する悩みを打ち明けた。



    『Ⅹ 運命 橿原淳』のランクが3になった



    鳴上「あの、ひとつ聞いてもいいですか?」

    「ん?」

    鳴上「先生の夢ってなんだったんですか? 最初から学校の先生?」

    「んー……そうだね」

    「その話は長くなりそうだから、時間がある時にゆっくり聞かせてあげるよ」

    「時間もおしちゃってるからね」

    鳴上「あっ、すみません……俺のぐだぐだな話のせいで」

    「君のせいじゃないから大丈夫」

    「……僕がもっとしっかり出来てればいいだけの話だから」

    「じゃあ、鳴上くんとの話は今日はここまでにしておこうか」

    「次の人を呼んできてもらっていいかな?」

    鳴上「はい。失礼します」

    「帰りは気をつけてね」


    >進路指導室を出て、次の生徒に声をかけてから学校を出た。

    >……

    762 = 110 :

    辰巳ポートアイランド駅前



    「鳴上」


    >誰かに声をかけられたようだ。

    >足を止めて辺りを見回してみると周防の姿が目に入った。


    鳴上「こんにちは。お疲れ様です。こんなところで奇遇ですね」

    達哉「お前の方こそこんなところでどうした? まだこの時間は学校だろう」

    鳴上「今日からしばらく進路指導があるんで早帰りなんです」

    達哉「進路指導……そうか、お前三年だったな」

    達哉「……」

    達哉「……ふっ」

    鳴上「?」

    達哉「お前の進路指導の番、今日だっただろ?」

    鳴上「えっ……はい。よく解りましたね」

    763 = 110 :

    達哉「そんな顔、してるからな」

    達哉「しかもこれはまだ進むべき道を悩んでるって風だ」

    鳴上「……」

    鳴上「凄いな。担任の先生もだったんですけど、なんで喋ってないのに解るんだろう」

    鳴上「そんな顔に出てるんですか……?」

    達哉「なんとなく思っただけだ。……俺もこの頃は似たような感じだったからな」

    鳴上「周防さんも? 意外だな」

    達哉「俺の場合は、担任と向き合って話すことすら嫌で、しばらく進路指導から逃げ回ってたりもしたな」

    達哉「結局、逃げきれなかったんだけどな」


    764 = 110 :

    達哉「お前はちゃんと先生と話したか?」

    鳴上「はい。まだどうしたらいいのか解らないって言ったら、悩むだけ悩めばいい、自分も一緒に悩むから……って言ってくれました」

    達哉「へえ、いい先生だな」

    鳴上「周防さんはどうして警察に?」

    達哉「親父や兄貴がそうだったからってのが一番のきっかけだろうか」

    鳴上「尊敬してるんですね。お父さんやお兄さんの事」

    達哉「……これでも昔は折り合いが悪かったりもしてたんだがな」

    鳴上「え?」

    達哉「人生、何が起こるか解らないって事だ」


    765 = 110 :

    達哉「今は色々悩んだりしていても、突然あっさりと道が拓けたりするかもしれない……お前もな」

    鳴上「……」

    鳴上「でも……行こうとした道に石がある事に気付かなくて、躓いてそのまま起きあがれなくなる事だってあるかもしれない」

    達哉「……悩み過ぎも考え物だな」

    達哉「見えない障害物を気にして立ち止まるより、転んでもいいから走る方が俺は好きだ」

    達哉「お前の場合、それで転んだりしても起きあがれなくなるなんて事はないだろ?」

    達哉「少なくとも先生が手を差し伸べて引っ張ってくれる。さっきの先生の言葉は、そう言う話じゃないのか?」

    達哉「そこで動かなくなるか、別の方向へ行くか、前を行き続けるか……その選択肢は結局お前が決める事ではあるが」


    766 = 110 :

    鳴上「……」

    達哉「……余計な事を言い過ぎたか」

    鳴上「いえ。……ありがとうございます」

    鳴上「色々な人に話を聞いてもらえて嬉しかったです」

    達哉「そうか」


    >周防と話をして、少しすっきりした気がする……



    『ⅩⅨ 太陽 周防達哉』のランクが4になった



    pipipi……


    達哉「ん?」

    達哉「もしもし。……」

    達哉「……了解」

    達哉「すまない。俺はもう行く」

    鳴上「仕事ですか?」

    達哉「そんなところだ。……っと、そうだ」

    達哉「大事なことを言い忘れていたな」

    達哉「この前の事件、本当にお疲れだった」

    達哉「俺との約束を守ってくれた事……心から感謝している」

    達哉「ありがとう」

    鳴上「……はい」

    達哉「じゃあな」


    >周防の背中を見送ってから、寮へと帰った。


    767 = 110 :

    学生寮 ラウンジ


    アイギス「おかえりなさいです」


    >ソファに座るアイギスから声をかけられた。

    >どうやらここにいるのは彼女だけのようだ。


    鳴上「ただいまです」

    鳴上「メティスとラビリスはちゃんと帰ってこれましたか?」

    アイギス「はい。それから姉さんは美鶴さんと一緒に一度メンテナンスをしに出かけました」

    アイギス「メティスは自分の部屋に戻っています」

    鳴上「……」

    鳴上「あの、アイギスさん」

    鳴上「連休中にメティスに何かありましたか?」


    768 = 110 :

    アイギス「……え?」

    鳴上「昨日からちょっと様子が変だなって思ったんですけど……」

    鳴上「でも、本人はどうもしないって言ってるし」

    鳴上「ただの俺の勘違いでしょうか?」

    アイギス「……」

    アイギス「……そうですね、何もなかったのは確かです」

    アイギス「たぶん、だからだと思います」

    鳴上「どういうことですか?」

    アイギス「私、鳴上さんが出かけた後に、メティスに私たちも遊びましょうかって言ったんです」

    アイギス「でもすぐに姉さんの事があったから結局あの子に構ってあげられなくて」

    アイギス「それで、……拗ねてるんだと思います」

    アイギス「本人にその自覚は無いのかもしれませんけれど」


    769 = 110 :

    鳴上「あー……そうか」

    鳴上「ラビリスに対してなんだかちょっとよそよそしい感じがしてた気がするのも、そのせいか」

    アイギス「……そうですね。あまりあの子の方から姉さんと積極的に話している様子はないみたいです」

    鳴上(それも自覚無しかな……)

    アイギス「……」

    アイギス「せっかく、姉妹がこうして揃ったのに……」


    >アイギスは顔を俯かせている。


    アイギス「でも、約束を破ってしまった私の責任ですね」

    アイギス「ちゃんとあの子に謝らなきゃ」

    鳴上「まだ大丈夫ですよ」

    アイギス「え?」


    770 = 110 :

    鳴上「休みなんて一週間もすればすぐにまたやってきます」

    鳴上「今度の休みに遊べばいいんです」

    鳴上「今はラビリスもいるんだから、姉妹みんなで一緒に」

    鳴上「そうすればきっと、メティスも機嫌をなおしてくれるし、ラビリスとも仲良くしてくれますよ」

    アイギス「……」

    アイギス「……そう、ですね」

    アイギス「そうですよね!」

    アイギス「ありがとうございます、鳴上さん」

    アイギス「姉さんの事も、メティスの事も。私の事まで親身になってくれて……」

    アイギス「貴方は、とても不思議な人です」

    アイギス「貴方は、……」

    鳴上「?」


    >アイギスは言い掛けた言葉を飲み込んでしまった。

    >しかし、さっきの悲しそうな表情は消え、今は笑みを浮かべている。

    >アイギスとの仲が深まったような気がした。



    『Ⅶ 戦車 アイギス』のランクが2になった



    アイギス「私、ちょっとあの子と話をしてきますね」


    >アイギスは、メティスの部屋の方へ行ってしまった。

    >……


    771 = 110 :

    【夜】


    学生寮 ラウンジ


    >美鶴がラビリスを連れて帰ってきた。

    >ここでようやく、ラビリスからP-1 Grand Prix事件の事情を尋ねる事になった。

    >しかし……


    鳴上「なんであそこにいたのかわからない?」

    ラビリス「うん。ウチにもサッパリわからん……」

    ラビリス「起動したての頃は自分の記憶が曖昧で、気の向くままに進んでたらあの稲羽市ってところにいつの間にかいたと思うんやけど」

    ラビリス「でも、テレビの中に入ってた理由がな……」

    ラビリス「ただ……突然、誰かに押し込まれたって感じだけ覚えてて」


    772 = 110 :

    美鶴「それが誰かはわからない……と?」

    ラビリス「うん」

    アイギス「その人物の顔を見たりはしていない訳ですね?」

    ラビリス「……ん」


    >ラビリスは黙って考え込んでしまった。


    ラビリス「なあ、悠」

    鳴上「ん?」

    ラビリス「……」

    ラビリス「……ううん。やっぱりそんな筈あらへん」

    ラビリス「きっと起きたばっかで、寝ぼけてたウチの思い違いや」

    ラビリス「それだけは、絶対にありえへん……」

    鳴上「何か心当たりがあるのか?」

    ラビリス「……」

    ラビリス「ないよ。心当たりなんて」

    ラビリス「今のは、忘れて。な?」


    773 = 110 :

    美鶴「……」

    美鶴「結局真犯人はわからずか」

    アイギス「目的もまったく思い浮かびませんね」

    アイギス「姉さんや稲羽市のみなさんをテレビの中に放り込むような真似をした理由……」

    アイギス「そんな事をして得をする人物なんているんでしょうか?」

    鳴上「……」

    ラビリス「すまんな。アテにならなくて……」

    美鶴「いや、十分だ。ありがとう」

    美鶴「でも、何か少しでも思い出したら、すぐに知らせて欲しい」

    ラビリス「ん、わかったわ」


    >みんなをテレビに入れた人物はいったい何がしたかったのだろう……

    >もしかしたら、今後もその人物がラビリスや仲間を襲ってくる事もあるのかもしれない。

    >その可能性を視野に入れつつも、今日のところはこれ以上話が進展する事はなさそうなので、解散し部屋に戻る事になった。

    >……


    774 = 110 :

    【深夜】


    >外はいつの間にか雨が降り出しているようだ。



    >陽介に電話でラビリスにあった事について説明をした。


    陽介『俺たちをテレビに入れた犯人は未だ不明、か……もしかしたら、そいつってまだこっちに潜んでるかもって事だよな』

    鳴上「そうだ。だから、くれぐれも注意してくれ」

    陽介『オッケー。何かあったら知らせるな』

    鳴上「ああ。頼む」

    陽介『しかしなあ……俺らが寝てる間に怪しまれずにテレビの中へ落とせる人間だろ?』

    陽介『そんなやつ本当にいんのか? 忍者かなにかかっつーの』

    鳴上「稲羽市に潜む現代の忍者……」

    鳴上「ないな」

    陽介『ないよな』


    775 = 110 :

    >部屋の時計が不意に目に入った。

    >もうすぐ、時刻が明日に変わる頃のようだ。

    >三つの針が、12で全て合わさる……



    23:59→00:00



    >……


    ――ジ



    ジジッ――ジ――ッ――



    鳴上「!?」

    陽介『ん? どうした』


    >点いていない筈のテレビの画面が揺れている……


    鳴上「マヨナカテレビ!?」

    陽介『はぁ!?』

    陽介『ちょっ……マジで? 俺の部屋のテレビはなんともねーけど……』

    陽介『つーか、こっちは雨すら降ってねーし!』

    鳴上「……」


    >息を飲んで画面を凝視した……


    776 = 110 :

    >画面には、音楽と共にアニメーションが流れている。

    >それを見て瞬時に思いついたのは、劇場用の作品をテレビで放映する時の番組のOP……というようなものだった。

    >そして、タイトルが画面に表示された。


    鳴上「ゴールデン遊戯劇場……?」


    >タイトルが遠のいていくと、そのタイトルがテレビの中のテレビに表示されていたのだという事が解った。

    >そのテレビはどうやら酒場のような場所に置かれているようだが……

    >次に聞こえてきたのは女性の声だった。


    「夜空が満天の輝きに満ちるころ、素敵な物語を貴方と」



    鳴上「……いや。星ひとつ見えてないけど……」


    777 = 110 :

    >酒場の奥からその声の主であろう女性が歩いてくる。

    >胸元と体のラインを強調させるようにピッタリとした黒いパンツスーツのような服装と、その刺激的な服装がどうでもよくなってしまうほどのインパクトがある赤い大きなアフロヘアーを携えた女性だった。

    >女性はくるりと体を回転させ、椅子に座るとこちらを見て微笑む。


    「皆さん、こんばんわ」

    「ゴールデンプレイシアターへようこそ」

    「案内役は、私……ミッドナイト・ヴィーナスこと、石田☆ルウです」



    鳴上「……誰?」


    778 = 110 :

    ルウ「ところで、皆さんはこんな“怖い噂”をご存知?」

    ルウ「夜、“落ちる夢”を見た時、すぐに眠りから目覚めなければ……」

    ルウ「そのまま実際に死んでしまう」



    鳴上(!?)

    鳴上(落ちる……夢?)

    鳴上(死ぬ……?)


    >何かが記憶に引っかかっている気がする……

    >しかし、それがなんなのかは思い出す事が出来ない。



    ルウ「今宵からご紹介するこの作品は、異色の“恋愛ホラー”」

    ルウ「ある“呪い”にとり憑かれた男の恐怖の日々を体験して頂きます」

    ルウ「物語の主人公は――」





    ルウ「テレビの前の貴方自身!」


    779 = 110 :

    鳴上「は……!?」



    ルウ「貴方はとても真面目で優しい人だけれど……ある悪夢を見始めるようになってしまうんです」

    ルウ「そして襲いくる甘い誘惑の嵐……」

    ルウ「果たして貴方、人生の“山場”を越えられるかしら?」

    ルウ「全ての結末は、テレビの前の貴方次第」

    ルウ「――さあ、お待たせしました! いよいよ始まります!」

    ルウ「それでは皆さん、また後でお会いしましょうね!」

    ルウ「登らなければ生き残れない……この地獄から帰ってくる事が出来たのならば」


    >画面の中で手を振るミッドナイト・ヴィーナスがだんだん朧気になっていく……





    ――ブツンッ――


    780 = 110 :

    >意識が遠のいていく……


    陽介『悠? おい、悠! 返事を……』


    >陽介の声も小さくなっていく。

    >なんだかとても眠い……



    >……


    781 = 110 :




    扉をくぐると、そこは石の階段と壁に囲まれた墓場だった――


    NEXT→

    ―stage 1 Underground Cemetery


    地下墓地―



    782 = 110 :

    >>736
    言われるまで自覚した事なかったけどもしかしたらそうなのかもしれない…



    実は豪血寺ネタを絡ませようかと考えていた時期もあったけれど、無理そうだから没ったなどとは口が裂けても

    2に豪傑寺って寺があった気がするし…

    真田先輩は本来ここで出す予定なかったので、出番がないのは当たり前というか

    期待してた人いたらごめんなさい


    では終わります

    また次回

    783 :

    乙であります

    三姉妹いいね!

    784 :

    キャザリネやってねええ乙

    786 :

    乙ダイン

    ペルソナキャラしかわからないのに普通に楽しめるな

    787 :


    ちなみに豪血寺からキャラ出すとしたら誰だったんだい?お種さん?

    788 :

    あのとんでも連中勢揃いいな豪血寺をからませようとしただけでもすごいな。
    どっちかってーと、まだ超執刀シリーズのほうが混ぜやすそうだと思ったくらいだ
    >>787
    やっぱ年齢近いから九戸慎太郎あたりじゃないかなと想像してみたり

    789 :

    羊になった陽介・完二に期待

    790 :

    >……


    鳴上「……」

    鳴上「ここ、は……?」

    鳴上「!?」

    鳴上「開かない……!」


    >入り口だった扉は、今は押しても引いても動く気配がない……

    >そして、しばらくすると消失してしまう。

    >次に待っていたのは大きな振動だった。


    鳴上「なんだっていうんだよ……!」

    鳴上「おい! 誰かいないのか!?」

    「早く登ってこい!」


    >何処からともなく声がする。

    >上の方からだろうか……?


    鳴上「誰だ!? ここは一体、何処なんだっ!?」

    「叫んでいる間に登れ! 急がないと、落ちて死ぬぞ!」

    鳴上「落ちて……死ぬ!?」


    791 = 110 :

    >どういう事なのだろうか……

    >そもそも、さっきまで自分が何をしていたのかすらもよく覚えていない。

    >ただひとつ確かなのは、聞こえてくる声は嘘ではないのだろうという事だった。

    >……足場が下から崩れ落ちているのだ。

    >今は言う通りに登るしか他にない。


    「石を動かして足場にするんだ! 一段ずつなら、登れるだろ!」


    鳴上「動かす!?」


    >そんな事が出来るのだろうか。

    >……今はそんな事を疑っている時間も惜しい。

    >目の前にある自分の身長より一回りほど小さい立方体の石を両腕で掴んで押してみた。

    >石は思っていたよりも重くはなく、押した方向にスライドしてくれるようだ。


    792 = 110 :

    「石は、むやみに奥へ押すな! 上が崩れて、登り難くなるぞ!」

    鳴上「崩れる……?」

    「引き出して足場を作るんだ!」

    鳴上「わ、わかった!」


    >石を引き出し、安定した足場を作る事が重要なようだ。

    >上手く利用して、早く上を目指さなければ……


    「次に、大事な事を教えとくぞ。これだけは、絶対に覚えたほうがいい」

    鳴上「大事な事?」

    「その石には妙なクセがある。辺だけで下の石と繋がるんだ!」

    鳴上「辺だけ……繋がる?」

    鳴上「どう意味だ!?」

    「石の真下に何もなくても、下の段の石と辺だけで繋がって落ちなくなるんだよ!」

    「繋がるとその瞬間青白く光るから、確かめてみろ!」


    793 = 110 :

    鳴上「こ、こうか……!?」


    >言われた通りにしてみると、確かに辺と辺が触れ合った瞬間に青白く光り、そのまま石が押した場所より下へと落下することなく、固定されているのが確認出来る。

    >その上に乗ってみても崩れる事もないようだ。


    鳴上「とりあえずなんか普通じゃないって事だな!」

    鳴上「……そうか! 一辺でも触れてれば落ちないんだから、自分で階段状の足場が作れるのか!」

    「そういうこった! 後は慣れるしかない!」

    「頑張れよ! 生きていたらまた会おう!」


    >声はここで聞こえなくなってしまった。

    >だが、登り方を把握する事は出来た。

    >石の特徴を活かせば、石が壁状に詰まれている場所でも上手く登れそうだ。

    >足場が崩れないよう考えながら、登り続けていった。

    >……


    794 = 110 :

    ゴーン…… ゴーン……


    鳴上「!? なんだこの音……何が鳴っているんだ?」


    >頭上からする音は、鐘の音のように聞こえる。

    >見上げてみると、もう少し登ればその先に扉がある場所へ行けるのが確認出来た。


    鳴上「あれが出口か!?」

    鳴上「っと、これで……!」


    >苦戦の末、扉のある場所まで登ってくる事が出来た。


    鳴上「出れる、のか……?」


    >扉を引いてみる……

    >鍵はかかっていないようだ。


    鳴上「良かった。これで、」

    鳴上「っ!?」


    >出ようとした瞬間、一際大きな振動を体に感じた。


    795 = 110 :

    鳴上「なっ……なんだあれ!?」


    >下から何か大きな物体が迫ってきている……!

    >暗くて何がいるのかよく確認出来ないが、そんなものに構うより、早くここから抜け出した方が良さそうだ。


    鳴上(こんな場所に長居する義理はない!)


    >扉から急いで脱出した。




    「おめでとう。なんとか抜け出せたみたいだな」

    「これで、地下墓地は終わりだ」

    「明日の夜……また会えるのを楽しみにしているよ」


    >……


    796 = 110 :

    1st days


    05/08(火) 雨 自室


    鳴上「ッ――!」


    >目を開くと見知った天井がそこにはあった。

    >飛び起きて辺りを急いで確認してみる。

    >……学生寮の自分が使用している部屋で間違いない。


    鳴上「はあっ……夢か」

    鳴上「……夢?」

    鳴上「どんな?」


    >目覚めの気分が最悪なのは恐らく見ていた夢のせいなのだろうが、その内容をしっかりと思い出せない。

    >何故だろう……


    鳴上「床で寝てたみたいだし」

    鳴上「えっと、昨日の夜はどうしてたんだっけ……」


    797 = 110 :

    鳴上「そうだ。陽介と電話をしていたら、マヨナカテレビが映って」

    鳴上「その途中で、凄い眠気に襲われたんだ」

    鳴上「……」

    鳴上「あれは、マヨナカテレビだったと思う……けど」

    鳴上「どういうのだったっけ……?」


    >ひどく記憶が混乱しているようだ。

    >こんな経験は初めてかもしれない。

    >……

    >またあとで陽介に電話してみよう。

    >昨夜の自分がどんな様子だったのか聞けば、何か思い出すかもしれない。

    >今は着替えて学校へ行く準備をする事にした。

    >……


    798 = 110 :

    学生寮 階段


    ラビリス「あ、悠! おはようさん!」

    鳴上「……ん。おはよ」


    >三階から降りてきたラビリスと挨拶を交わした。


    ラビリス「なんや? 顔色があんまよくないな」

    鳴上「ちょっと変な夢見たっぽくて……」

    ラビリス「っぽくて?」

    鳴上「よく覚えてないんだよ。それが余計気持ち悪いって感じで」

    ラビリス「ふーん?」


    >ラビリスにはあまり興味のない話題のようだ。


    鳴上「あ、そうだ」

    鳴上「ラビリスは昨日の夜、マヨナカテレビを見たか?」


    799 = 110 :

    ラビリス「マヨナカテレビ? ……って、あれか。雨の夜の0時に、消えてるテレビに映るっていう」

    ラビリス「ウチがテレビに放り込まれた時も出てたとかって話の」

    鳴上「そうだ」

    ラビリス「いや。ウチは見てへんな」

    鳴上「え?」

    ラビリス「部屋に戻ったあとすぐに休んでしもうたからなー……その話、今言われるまで忘れてたわ。ゴメン」

    鳴上「なんだ、そうだったのか」

    ラビリス「もしかして、なんか映ったの?」

    鳴上「映ってた……と思う。それらしいのが」


    800 = 110 :

    ラビリス「えっ、どんなんだったん! また格闘ショーか!?」

    鳴上「それが、映ってる最中に寝ちゃったみたいでさ……」

    鳴上「よく覚えてないから、見た人に内容を確認したかったんだけど」

    ラビリス「よく覚えてない事だらけやないの。アンタ、案外抜けてるところもあるんやな」

    鳴上「俺も自分でびっくりしてる……」

    鳴上「アイギスさんやメティスなら見てるだろうか」

    鳴上「って、そういえば今日はメティスは?」

    ラビリス「それがなー、さっき部屋に行ってみたんやけど、先に学校へ行ってしまったみたいなんや」

    ラビリス「ずいぶんはやい登校やな」

    鳴上(……まだラビリスの事、避けてるのか?)

    ラビリス「ウチらもはよ行こ」

    鳴上「……ああ」


    >ラビリスと一緒に登校した。

    >……



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