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    元スレ刹那「別世界のガンダムだと…?」

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    751 :

    強いられてるって言わせたいだけだろw

    752 :

    ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

    二機のガイアガンダムとGガンダムの戦闘は続いている。

    二機での射撃、または一機が援護し、もう一機が格闘戦を仕掛けるといった戦法をGガンダムは捌いていく。

    その後、業を煮やしたかのようにガイアガンダムたちは変形を交えた格闘戦へ移行し、戦闘は激しい乱戦となっていた。

    その中でGガンダムのセンサーが上空からこちらに接近するモノたちを察知する。

    ドモン「何だあれは」

    上空を飛ぶ三つの機体。それらは“熱砂の猟犬たち”の仲間であり、MS商人から買い取った新しい戦力だった。

    MAX-3アッザム

    軽戦闘機ドップ

    二機のドップがアッザムを先導するように飛行する。

    「随分と手こずっているようだなぁ。ガンダム、噂通りの性能か」

    道中で発見した、機体をバラバラにされて戦闘不能にされたバクゥを見ての感想である。
    その彼らからの通信で、状況も大体は把握していた。

    「狙いはあの一回りチビッこいガンダムか。可変タイプは無視していい、と」

    アッザムは三機のガンダムの戦闘に、連装メガ粒子砲での攻撃で割り込む。

    ドモン「ぐっ」

    アッザムの割り込みにも意に介さず、むしろ攻め込みに利用し、ガイアガンダムたちはアッザムに気を取られていたGガンダムへ襲いかかる。

    「本当の様だなぁ。赤と黒のはチビに夢中か」

    二機のドップはそのまま駐留軍基地跡へ向かい、アッザムは戦闘に残った。

    ガイアガンダムたちの攻撃を利用して、Gガンダムの真上を取る。

    「アッザム・リーダーだ!」

    アッザム機体底部の装甲の一部がスライドし、球状に近い物体が投下された。

    753 = 752 :

    ドモン「!?」

    Gガンダムは咄嗟に頭部バルカン砲で迎撃する。命中した物体は破裂した。

    中に入っていたのは黄色い粉であった。
    破裂と同時にばら撒かれ、ちょうど下にいるGガンダムに降りかかり機体を覆う。

    アッザムから再び別の物体が投下された。それはコマの様な形状で、棘々が伸び出し先の尖りがGガンダムの周囲の地面に突き刺さる。

    Gガンダムはその物体が作り出した即席の檻に閉じ込められる形となった。

    ドモン「何だ!?」

    周囲の檻が光り、放った周波にGガンダムが塗れた粉が反応して煌めく。それは超高熱を発して機体を焼きだした。

    「これでヤツは熱の発散にエネルギー放出して燃料切れだ!外のガンダム共にやられるんだな!」

    空中で飛び回っていたドップたちを呼び戻し、アッザムは駐留軍基地跡へ向かって飛び去っていった。

    ガイアガンダムたちはアッザム・リーダーで焼かれるGガンダムをじっと待つ。

    ビームライフルを構え、リーダーの稼働が終わり弱ったところへ斉射して撃破するつもりだ。

    ドモンはシステムを通した痛みに呻きながらも、現状の打破に頭を働かせていた。

    アッザム・リーダーは使用者の言葉の通り、発生器に対象を閉じ込め超高熱で機器の破壊、もしくは麻痺を引き起こさせる兵器である。

    ビームソードは刀身を失いGガンダムは地に膝を付き姿勢を縮こませていた。

    754 = 752 :

    ドモン「―――こうなったら、やるしかない……!」

    Gガンダムはハイパー・モードを起動させる。
    そして背中羽状のエネルギー発生装置の光の輪が形成されると、機体をゆっくりと立ち上がらせた。

    排熱機能を利用して熱を逃がし回復を図ったのだ。この試みは成功した。

    二機のガイアガンダムはビームライフルでの斉射を行った。

    Gガンダムはビームを避け、ビームソードでアッザム・リーダーの檻を薙ぎ払い突撃する。

    狙いはどちらか。両機ともビームライフルで撃ちながら後退さった。どちらか。朱色の方。

    朱色のガイアガンダムは右手のビームライフルの銃口を対面し迫るGガンダムに向け引き金を引く、もビームソードが銃身を斬り落とす。
    すかさず左腕のシールドをぶつけようと振るうが姿勢を低くされて避けられ、晒した胴体は光の刃に両断された。

    上下二つに割れた朱色のガイアガンダムを背に、Gガンダムはもう一機に迫る。

    ビームライフルを切断するも、頭部機関砲での抵抗を受けて距離を取られる。

    その間ガイアガンダムはビームサーベルを取り出し、斬り合いとなった。

    Gガンダムは勢いで以って押していくが、最中にドモンの身体にシグナルが走る。

    Gガンダムはビームソードでガイアガンダムのビームサーベルを払い、
    右脚でガイアガンダムの腹部を蹴り飛ばした。ガイアガンダムの機体が後ろへ吹き飛び地面へ叩きつけられる。

    その後にビームソードは手から離れ、機体は全身から力が抜けたかのように下に落ち両ひざを地につかせ項垂れてそのまま動かなくなった。

    ガイアガンダムは立ち上がりGガンダムを斬りつけんと走り出した。

    755 = 752 :

    敵が近付きビームサーベルを振りかぶる様に、Gガンダムはひくりと反応し右足の裏を地につけ、
    機体を起こして懐に飛び込むと同時に左腕をガイアガンダムへ突き出す。

    ドモン「うおおおおおおおお!」

    ガイアガンダムの眼前に迫るは黄色の二本の尖端。

    爆熱ゴッド・フィンガーを使う際に、手に被さる前腕部プロテクターの黄色の部位を拳の先まで飛び出させて作った刺突武器――
    それがガイアガンダムの両目に深く突き刺さった。

    ガイアガンダムは視界を失って動揺したかのようにその場から後退さる。

    Gガンダムは近くに転がる刀身が消えたビームソードの柄を拾い、光の刀身を出して立ち上がり、ガイアガンダムにビームソードを振るう。

    ガイアガンダムはバーニアを用いて後方へ飛び上がり、空中で四足獣形態へと変形して距離を置いて着地し逃げ去った。

    Gガンダムはそれを見送った後全ての力が抜け、前のめりで受け身なくそのまま倒れた。

    全身に掛かっていた重さと痛みから解放されたドモンは機体の異常を示す機器を見据える。

    ドモン「すまん、ゴッドガンダム―――ガロードたちは、大丈夫だろうか?」

    756 :

    >>2

    757 :

    一気に読んだけど面白いなこれ
    Gセイバーだけじゃなくてガンプラビルダーズまで出てるんだな

    758 :

    待ち

    761 :

    待ち

    762 :

    ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

    ターンエーは弄られるままだった。

    バーサーカーモードのノーベルガンダムはビームリボンを振り回し、
    武器を持てないターンエーを何度も何度も叩き痛めつける。

    ビーム帯は見た目と裏腹に強靭な鞭の如くターンエーを打ちつけている。

    先程ビームライフルを切り裂いたように機体を切り刻むことも出来るのだろうが、
    そうならない、しないのはターンエーの並々ならぬ防御力の賜物もあるが、
    ノーベルガンダム自身の目的が破壊ではないのかもしれない。

    ロラン「ぐ……こいつっ!」

    ロランは攻撃による強い衝撃を受けその恐怖と痛みに呻きながらも、
    ゼウスガンダムに人質にされているギャロップの船員たちを気に掛けている。

    ゼウスガンダムの顔面はターンエーとノーベルガンダムの方を向いていた。

    カプルのカメラを通して、ソシエはその様子を見る。
    まるで、何もできないターンエーガンダムが苛められている姿を楽しむチンピラの様だ。
    ギャロップから船員がカプル付近のドアを開けて顔をだし、身振りでソシエにコンタクトを取ろうとしていた。

    ヤツは既に人質に気にも留めなくなっていたのだった。何を考えているのか。見下げているにも程がある。
    恐怖で沈んでいた怒りが再び湧き上がる。今こそ勇気を奮い立たせるその時だ。


    ギャロップのエンジンが起動する。轟音と共に、船体下部から土煙が吹き出した。
    ゼウスガンダムが顔面をこちらに向ける。

    ソシエ「わーーーーーっ!」

    カプルがギャロップから飛び降り、ゼウスガンダムに飛びついた。
    その両腕と上体で見事機体に組み付き締め付ける。

    クラウス「撃てーーーーーーっ!!」

    カプルの勢いで後ろへ下がっていくゼウスガンダムへギャロップが砲弾を放つ。
    周囲に着弾し、地面が砕けて跳ね飛んだ。勿論命中させるつもりはなかった。

    763 = 762 :

    ロラン「動いた!―――ッ!」

    ターンエーは向かって飛んできたビーム帯をその手で掴む。

    ロラン「いくら赤くなったからってーっ!」

    再びビームリボンの引っ張り合いとなる。
    ノーベルガンダムは強力になっていたが、ターンエーのパワーはさらに強大だった。

    機体を投げ飛ばされることはなかったが、力比べに負けて次第に前のめりとなり、そのまま転げた。

    その時、ビームリボンの柄が手から離れた。

    ターンエーはビーム帯を器用に巻き取り、手元に柄が来た時に丁度ビーム帯が消え手中に収める。
    そして反転し、カプルたちの救援に走り飛んだ。

    ロラン『お嬢様、下がって!』

    スラスター・ベーンの推進力で地表の上を飛行し勢いよく突っ込んでくるターンエーに、
    ゼウスガンダムはカプルを強引に引き剥がし、すぐさま空中へと逃げ出した。

    ロランの呼び掛け通り、カプルはすんなりと放されゼウスガンダムから離れて着地する。
    ターンエーはそれを確認し上へと方向を変えて飛びゼウスガンダムを追いかけていき、空中戦となった。

    764 = 762 :

    ロラン「翼を切ればいいのか!?」

    ターンエーは右手にビームサーベルを持ち、ゼウスハンマーから繰り出されるエネルギー波攻撃を避けつつ、何度も接近を試みる。

    両機の戦闘にノーベルガンダムが割って入った。
    地上から自身の脚で跳び上がり、真紅の光芒となってターンエーへ迫る。

    ターンエーは接近するノーベルガンダムにビームサーベルを振るう。

    ノーベルガンダムは上昇してターンエーより上の高度を取り、再び突撃の機会を窺った。
    攻撃の手段は素手。髪の毛を模した部位を振り乱し、五指の先を向け襲い掛かる姿はまるで悪鬼だった。

    ターンエーは左手に握っていたビームリボンを中指と薬指の間に挟み込み、先端から少しを露出させビーム帯を出した。

    ノーベルガンダムは地べたを蹴りだしたかのように、上から下へ跳びターンエーに向けて先程のような光となって突撃する。

    それに向けて、ターンエーはビーム帯を飛ばす。
    何処でもいい。標的へ真っ直ぐに伸びたビーム帯は、攻撃を避けようと急に立ち止まり、
    再び跳びあがらんと下に向けて広げたノーベルガンダムの両足へ、その右脚に見事に巻きついた。

    ターンエーはゼウスガンダムに向けて一気に加速し、ノーベルガンダムをそのまま引き回した。
    しっかり巻きついたビーム帯はノーベルガンダムを放さず、飛行速度から来る衝撃が抵抗の隙さえ与えない。

    ゼウスガンダムは後退しつつ距離を取ってゼウスハンマーでのエネルギー波を撃つ。

    ターンエーは避けつつ、当たりそうな攻撃は右手に持つビームサーベルを
    手首の高速回転で作り上げた光刃のローターで打ち掃いながら間を詰めていく。
    そして一回転して勢いをつけ、ビームリボンを柄と継手に、ノーベルガンダムを打撃部としたフレイルをゼウスガンダムに向けて放った。

    765 = 762 :

    ビーム帯が伸び、ノーベルガンダムを目標まで放り込んだ。命中、激突した両機は
    ターンエーの視点から前後に機体を重ねて無防備を晒す。

    ロラン「やぁぁーーーー!」

    ターンエーは突進し、右手に持つビームサーベルで両機を刺突した。
    二機を貫く光の刃はターンエーの手の動きに応じて両者の機体を焼き切っていく。

    ノーベルガンダムは腹部まで刃が達したとき、機体が放つ全ての光が消え、機能を停止した。

    後ろのゼウスガンダムは左腕と片翼を切り落とされていた。
    ターンエーは力尽きたノーベルガンダムの落下にビーム帯を通して引っ張られ、ゼウスガンダムに離脱の隙を与えてしまう。
    ゼウスガンダムは飛行機能に支障をきたし、地上に不時着した。

    ソシエ「えーーい!」

    そこへギャロップからミンチドリルを持ち出してきたカプルが、その武器でゼウスガンダムを殴打した。

    ダメージが蓄積していたゼウスガンダムに止めが刺される。
    地面に叩きつけられた後、機能が停止する。殴られた部分はヘコんでいた。

    ソシエ「やった……みんな、やったわ!」

    ターンエーがノーベルガンダムの機体を両腕で抱え、カプルの傍に着地する。

    ソシエ「これでレジスタンスへの参加、認めてもらうんだから!」

    この世界のハイム家は戦禍にこそ見舞われたが、家族は無事なのだそうだ。メシェーも元気らしい。
    ソシエの“カタキ”発言にショックを受けていたロランだったが、
    その事実に別世界のことながら安堵した。同時に、全員が健在であることに羨ましさを感じていた。

    773 :

    ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
    ドモンたちは何とか反撃に転じられたが、敵MS四機に対し、機体の性能や数の不利があるガロードたちは危機に陥っていた。

    ウァッドは未だにバクゥ二機に足止めを受けており、リーオーとデスペラードを助けに行けずにいる。
    その二機はケルベロスバクゥハウンドとバクゥの機動性に翻弄されていた。

    「あまり遊んでいる暇はないぜリーダー!バッテリーのこともある!」

    「チ、仕方ねぇなぁ!」

    ケルベロスバクゥハウンドはリーオーの向けたマシンガンの銃口から離れ、ビームを放って武器を持つ右手を消し飛ばした。

    ビーチャ「うわぁっ!?」

    デスペラードと戦うバクゥは振るわれたヒートスコップを避けて、足場付近にレールキャノンの砲弾を叩きつける。
    その衝撃と地面の破壊がデスペラードの態勢を崩す。

    仰向けに倒れたリーオーに向けて、ケルベロスバクゥハウンドは頭部から下に向かって短いビームの刃を出した。
    ビームファングと名付けられている通り、獣の牙を思わせる見た目の武装だ。

    「MSだけは頂くよ」

    ビーチャ「やられる……!」

    イワーク「ビーチャ!」

    モンド「ビーチャ!」

    ガロード「やばい!」

    戦場外からビームが飛びこんだ。

    撃ったのはEz8。ビームライフルを前方に構え、走って戦場に入る。

    774 = 773 :

    散々痛めつけられた相手の登場はバクゥたちの恐れを招いた。

    Ez8は前方の、バクゥ二機に足止めされているウァッドをビームライフルで支援射撃を行う。

    シロー「行け、ガロード!」

    ガロード「助かった!」

    向かってくるビームにたじろいだ隙を突き、ウァッドは頭部が垂れ下がっているバクゥを襲う。

    跳ねて頭上を取り、以前攻撃した部位に再び鉄柱を突き刺した。

    「なんとっ!」

    傷ついていた部分に再び勢いよく刺されたことで、遂に頭部が胴体と離れた。
    ウァッドはひしゃげた鉄柱を捨て、すぐに離れてバクゥを越えてリーオーたちの救援に向かう。

    リーオーは片膝を付きしゃがんだ状態で左手にビームサーベルを持ち振り回して抵抗する。

    Ez8はウァッドが首なしにしたバクゥに素早く追撃を加えて武器と脚部を潰して倒し、
    もう一機のバクゥに機関砲で威嚇した後ビームライフルでデスペラードを襲うバクゥを撃ち牽制した。

    モンド「ビーチャぁ!」

    ウァッドはリーオーに対面するケルベロスバクゥハウンドへ後ろから飛びかかった。

    「このアルマジロもどきがぁ!」

    動きは見られており、後ろ足で蹴り飛ばされる。

    その隙に、リーオーはバーニアを吹かしその場から離れた。

    ウァッドはすぐに立ち上がり、ケルベロスバクゥハウンドの注意を引き付け、走って後退するリーオーを助ける。

    775 :

    何気に更新が来てた、乙

    776 :

    これは続きが気になるな

    777 :

    Ez8はバクゥとの近距離での読み合いに勝利していた。

    レールキャノンの砲弾をシールドで見事受け止め、ビームライフルを捨て
    持ち替えたビームサーベルで以ってレールキャノンと胴体の接合部、頭部を切り裂き、押し倒して沈黙させた。
    そしてデスペラードの救援に向かう。

    一目散に向かってくるEz8を意識し、バクゥはデスペラードの撃破を急いだ。
    バクゥがレールキャノンの砲口と共にデスペラードと対面する。

    シロー「間に合え!」

    走りながら発射する機関砲の弾がバクゥの足元に着弾した。
    その邪魔で、足元が揺らぐバクゥが放った砲弾はデスペラードの右腕と下半身の左よりに命中し、部位を破壊する。
    右手からヒートスコップが離れ、地面に転がった。

    イワーク「おおっ!?」

    シロー「うおおおおっーー!」

    Ez8はシールドを正面に突出し、勢いに任せたままバクゥに体当たりした。

    バクゥは突き飛ばされ転倒し、Ez8も機体を地面に叩きつけるように倒れる。
    その時の危機は脱したが今も窮地に陥ったまま。
    片足、片腕を失ったデスペラードは動けず、Ez8はバクゥとのにらみ合いになる。

    ウァッドはケルベロスバクゥハウンドと戦闘中。

    そこへ、遂に二機のドップとアッザムが戦場へ飛来する。

    778 = 777 :

    ビーチャ「何だ、アリャ……!?」

    「随分とやられたなリーダー!その地位を返上してもいいんだぜ!」

    「ぬかせ、とっとと働きやがれ!」

    「ドップは先行して軍基地で蹂躙、抵抗する奴にはアッザム・リーダーをお見舞いしてやる!」

    意気上がり、駐留軍基地跡へ空からの侵攻を開始しようとするアッザムとドップ。

    しかし、弾丸の横槍が入った。

    AEU-09_AEUイナクト

    内一機、指揮官用頭部をしているのを含む三機のイナクトがアッザムらを攻撃する。

    アッザムとドップたちは対応し空中戦が開始された。

    779 = 777 :

    ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

    クラウスたちは迎えのレジスタンスと合流を果たした。

    ロッキー級陸上戦艦

    戦艦はギャロップの傍に停まり、護衛のイナクトがカプルと挙手し合う。

    『バッテリー切れで落っこちないよう注意しろよ!』

    クラウスと相手側の艦長とで交わす通信の中に指示を出す声が紛れ込む。

    駐留軍基地跡へ向かう途中モビルアーマーと思われる巨大飛行体を確認した彼らは、
    その方角と、遠くで次々と高く昇っていく信号弾を見て、到着をさらに早めたのであった。
    もう一隻は後方で待機している。

    ターンエーはガロードたちの救援に飛び立った。

    780 = 777 :

    ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

    「つけられてんじゃねぇか!」

    「クソ!何だよ、上手い事運びそうだったのに!」

    バクゥはビームサーベルを出してEz8に突撃するも躱され、反撃でビームサーベルを振るわれて距離を取らされる。

    シロー「このまま押し返す!」

    Ez8はデスペラードの前に立ち、バクゥに向かっていく。

    その隙に、イワークは機体に残っている手足を使って何とかその場を離れようとしていた。


    空ではイナクトたちがそれぞれアッザム、ドップらと一対一ずつに分かれて戦っている。

    ドップと対面するイナクトのディフェンスロッドが回転し、正面からの機関砲の砲弾を弾いていく。
    一方では急旋回して背後を取ってミサイルを撃ち、イナクトをその対処に追わせていた。

    アッザムはメガ粒子砲での攻撃で相手をしている。

    イナクト隊の奮闘は見事防衛に一役買った。


    そして空からだけでなく、地上からもレジスタンスの応援が駆け付ける。

    RMS-006Gジェニス(地上型)

    随伴するイナクト共にロッキー級陸上戦艦と同じ赤茶色系の塗装を施された両機は、
    マシンガンを構えてバクゥたちを追うように現れ、Ez8たちの立ち位置と合わせてバクゥたちを挟む形になった。

    「クソ、クソ!何て装甲なんだ化け物め!」

    Ez8はバクゥのレールキャノンの砲撃を物ともせず、接近していく。
    攻撃が命中しても踏み止まり、行動を止めない姿は相手の心を焦らせるのに充分だった。

    781 = 777 :

    ジェニスとイナクトは後方から接近する何かを捉え、機体を振り向かせた。

    接近するのは四足獣形態の黒色のガイアガンダム。Gガンダムの前から姿を消して向かった先はここであった。
    ガイアガンダムは武器を構える二機を無視して通過する。
    標的はEz8。脇目も振らずに走っていく。

    シロー「あのガンダム!ドモンは―――まずい、ビームライフルは取りに行けるか?」

    「ガンダム!お前は絶対にぶっ壊してやる!」

    頭に血が上り本来の目的を忘れて、バクゥはビームサーベルを出してEz8に突撃した。

    後方から迫るガイアガンダムもビームブレイドを起動する。

    二機からの同時攻撃にスピードの差で後退は不利と判断して身構えるEz8。

    「うおおおおおお!!」

    バクゥはEz8にビームサーベルの刃を叩き込まんと飛び込む。

    ガイアガンダムも背中のバーニアを吹かし、バクゥの後ろから飛び込んだ。

    「――――あっ!」

    ビームブレイドがバクゥを真っ二つに切り裂いた。そして切り裂いた光の刃がそのままEz8を襲う。

    シロー「なッ!?」

    バクゥの機体の中から現れ襲い掛かる光の刃にシローは面食らった。

    しかし危機を脱しようと咄嗟に対応する。
    刃が迫るとすぐにEz8は上体を捻り、重心を左側に置いて地面に倒れ転がった。
    まさに間一髪であり、右肩の装甲は切断跡が深く刻まれた。

    着地するガイアガンダムと、バクゥの爆発から逃れるように転がり続けるEz8。
    その衝撃と動作からシールドとビームサーベルを落とす。
    シロー自身にも激しい負担がかかった。

    シロー「ぬぁっ……!」

    782 = 777 :

    「ヤツめ……!俺の仲間を奇襲のだしに使いやがった……!」

    ケルベロスバクゥハウンドは後ろから迫るジェニスとイナクト、そして対面するウァッドに挟み撃ちを仕掛けられようとしていた。

    それに対し自身の頭部とケルベロスウィザードの二つの頭部を模した部位からビームファングを起動させる。
    頭部から現れたビームの刃。牙のように生えるだけでなく、人体に模すると額から、口から耳元から飛び出しているようなものだ。
    残り二つの頭からはビーム砲の上から刃がそれぞれ二つ飛び出し、機体名の通り異形の怪物らしい姿となって周囲を威嚇した。

    「前のチビっこいの、いい加減に壊れろぉ!」

    そしてウァッドに狙いを定め突進する。

    ガロード「来る!」

    正面の頭上から、ケルベロスバクゥハウンドの三つ頭の刃が迫る。
    ウァッドは前に出た。
    しかし真っ向ではなく刃を避けるよう少し左に逸れて、突撃を躱し後ろ足を両腕で掴んだ。

    「何っ」

    後ろから引っ張り上げられ、ケルベロスバクゥハウンドが急停止する。

    ウァッドの力いっぱいの踏ん張りだ。上半身と繋ぐレールが火花と軋む音を立てる。
    だが足を地面に食い込ませるほどの下半身の頑張りに対して、上半身が引っ張りあげられていた。

    モンド「うわっ!」

    遂に下半身からレールが抜けて上半身が投げ出された。そして掴んでいた後ろ足に放られ地面に落ちる。

    そこをジェニスとイナクトが通過する。

    ガロード『ゥ……瓦礫の山を狙ってくれぇ!』

    衝撃に呻きながらも声を絞り出し逸早く二機に呼びかけた。

    783 = 777 :

    ビームファングを仕舞ったケルベロスバクゥハウンドは第二の瓦礫の山々に侵入している。

    幾つかの前後左右の山々が破裂し、空に向かって赤く発光する信号弾が打ち上がる。

    「チッ!」

    ガロードに応じた二機が、銃弾を放ったためだ。

    破片や土塊、瓦礫の山々の先にビームサーベルを持つリーオーを視界に捉えた。

    ビーチャ「ここから先は、通せるかよ!」

    「お前なんかに!」

    直ぐ傍の瓦礫の山が破裂する。瓦礫の山の中身がもろに降りかかり、気を取られた。
    追いかける二機が狙いどころを工夫したのが功を奏する。

    ビーチャ「うおおおー!」

    そこへリーオーがビームサーベルを突き出して突進した。

    後ろから来る銃弾の群れが脇目も振らないリーオーの攻撃を助け、周囲の銃弾と瓦礫の山の破裂で身動きが取れず
    怯んだケルベロスバクゥハウンドの頭部にビームサーベルが突き刺さった。

    そのままリーオーは前進し相手を押し上げ、近くの瓦礫の山に突っ込む。
    信号弾の轟音と破裂して降りかかる瓦礫や土塊に彼らは包まれた。

    間もなくジェニスとイナクトがその場に追い付き、リーオーの機体に被さられているケルベロスバクゥハウンドは降伏した。

    784 = 777 :

    Ez8はガイアガンダムの追撃を躱しつつビームライフルを拾い上げた。

    四足獣形態のガイアガンダムが接近する。

    撃ちあいになるかと思われたが、ここに至るまで背中のビーム砲を使ってこない。
    相手は接近戦を狙って行動していた。

    これはビーム兵器の使用や度重なる機体へのダメージにより、ヴァリアブルフェイズシフト装甲の機能を維持するエネルギーは減少しているためであった。

    シローはガイアガンダムの抱える事情を知らない。しかし、その行動から敵方に焦りが見えるように思えた。

    ガイアガンダムは向かってくるビームを避け、突入の機会を窺っている。

    シロー「ヤツは必ず勝負を仕掛ける……」

    Ez8と対面し、ビームライフルの銃口を向けられた瞬間、背部ビーム突撃砲で攻撃。
    Ez8が銃口を下げ回避に専念すると、そこを狙って突撃した。

    ビームブレイドで切り裂かんとするガイアガンダムを、バーニアを噴射し、ジャンプすることで上を取る。

    シロー「うおおーっ!」

    Ez8は上からビームを撃ち続ける。うち一射が左のバーニア兼ビームブレイドの片側に命中し、破損した。

    ガイアガンダムはそのまま前進し後ろのEz8の攻撃から逃げる。そして変形して反転、シールドを上に向けた。

    シローは追撃しても防がれると判断すると攻撃を止め、着地する。ビームライフルの残弾数はあと僅かだ。

    785 = 777 :

    ガイアガンダムは機体を隠したシールドを下げる。

    顔面はGガンダムによって潰された両目を中心に歪みが入っており、エネルギーが行き渡ってないのか頭部全体が
    フェイズシフトダウンにより灰色になっていた。

    Ez8はビームサーベルを取り出す。

    ガイアガンダムは四足獣形態になり、ビームを撃ちつつEz8に突撃した。
    道程を変えて砲口をずらすことでビームをばら撒き、Ez8の逃げ場をなくしつつ右側のビームブレイドを起動させる。

    Ez8も負けず右手に持つビームライフルでガイアガンダムを撃った。

    ガイアガンダムはビームを上へ跳ねて避ける。

    片方のバーニアを吹かし、滞空したまま加速。一気に距離を詰め、強引にビームブレイドを当てようとした。

    Ez8はそれを躱す。

    シローはガイアガンダムの攻撃を読む。ガイアガンダムは自身の後ろに着地しようとする。ならば。

    右手のビームライフルを落とし、両腕でビームサーベルの柄を握り、機体を後ろへ向けた。
    そして、ガイアガンダムが着地して瞬時に振り返り、こちらと対面しようとするときに、前へ踏み込んだ。

    シロー「ッ!」

    ビームサーベルを振り下ろす。ビームの刃が対するガイアガンダムの顔面から胴体までを切り裂いた。

    傍から見ればガイアガンダム自らビームサーベルに飛び込んできたように見えた光景だった。
    もし少しでも反応が遅かったなら、Ez8の方が斬られていたのかもしれない。

    Ez8はその場から離れ、ガイアガンダムの撃破を確認する。

    786 = 777 :

    ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

    空の“熱砂の猟犬たち”との戦いは続いている。

    一機のドップがジェットエンジンから黒煙を上げながら下降し、
    イナクトも一機、右腕と背中のウィングを破壊され着地先を探していた。

    「こうなったら俺たちだけでも……!」

    アッザムはビームをばら撒き、強引に侵攻を始める。

    そこへターンエーが駆け付ける。

    「ここで新手!?」

    両手にそれぞれビームサーベルを持ち、アッザムに向かって飛び込んで行った。


    上半身のみのウァッドのコックピットカバーが開く。

    外の空気に晒され、二人ともに気が抜けてすぐに疲労が身体を覆った。

    モンドはぐったりして、ガロードは座席から離れ外に降りようとした。

    緊張から解かれた所為か、機体から地面に降りてすぐに足の力が抜け思うように動かず、蹴躓いて転んでしまった。

    ガロード「いてて……」

    身体を持ち上げると、上着の内に容れていたGコンが地面に落ちた。
    ガロードはGコンを拾い上げ、空の戦闘を見上げる。

    ターンエーがアッザムに取りつき、ビームサーベルの刃を消してアッザムを揺らしている。
    力の差を見せつけ、投降を迫っているのかもしれない。
    Gコンを強く握り、固唾を呑んでターンエーの戦いを見守る。

    ガロード「俺も一緒に……」

    「まだ遠い」と頭に浮かぶ。しかし前に進まねば、と頭の中でその意志を押した。

    787 :

    これ?

    /nox/remoteimages/93/b2/adf35229ff803c437a2d1dfb5350.jpeg
    /nox/remoteimages/27/97/61c8d4c4227635298adc67a6050e.jpeg

    788 :

    追いついた、乙
    続きが楽しみだ


    >>787
    ……貼り乙

    789 :

    ここのss見て久しぶりにGジェネOWやったらシナリオで何かガッカリした

    上手いこと原作の筋書きからオリジナルへ派生できてて面白い!
    >>1おつ

    790 :

    ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
    ――C.E.73

    深宇宙探査開発機構、通称DSSDの宇宙ステーション、トロヤステーションの宙域で衝撃的な出来事が起こった。
    突然青白い光が発生してそこから紺色のMSが現れたのだ。

    そのMSは胸部に右手をやり、何かを掴む動作をした後対面するトロヤステーションへ手を伸ばし何かを差し出した。
    掌から離れ送り出されたのはノーマルスーツを着た人……であった。形状からして、ザフト軍のパイロットスーツだ。

    MSは出現時と同じ光を発して共に消失した。
    人道上の処置、もあるが未知との遭遇に心躍らせたのもあり、DSSDはそれを回収した。

    その後、再び同じ光が発生し以前と別のMSが出現した。アプロディアが送り込んだ新たな戦士であった。

    791 :

    ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

    シン・アスカが目覚めたのは壁際に固定されたシングルベッドの上である。
    寝起きでぼんやりしつつ、手を動かし枕元をまさぐった。

    シン「あれ……、ない」

    慌てて目で確認しようと思ったが、ここで自身の意識をはっきりさせることが出来た。
    自分はジェネレーション・システムとの戦いでハルファスガンダムに乗ってキラ達を助け、
    バーニングフレアという武装を使用した後、全身に疲労が酷く襲ってきたところに敵の攻撃による大きな衝撃を受け、
    意識が途切れてしまったのだと。

    自分の置かれている状況に目を向ける。
    一人用の部屋でベッドの他には隅に足を固定されたデスクにスタンドライト、背もたれと車輪付きのイス。
    ドアとこの部屋を繋ぐ通路にトイレやシャワールームがあった。

    少なくともミネルバ艦内ではないことは分かった。
    スライド型のドアは開かない。外側から電子ロックが掛けられているようだ。
    こちらからの操作は受け付けない。

    自身はパイロットスーツを脱がされ、下のインナーにされたまま毛布一枚だけ掛けられて寝かされていた。
    空調は整えられている。把握していくうちに緊張が高まってきたが、
    一方であの戦いから纏わりついている汗のべたつきを落としたくもあった。

    だが現状把握を優先し、危険も承知で部屋に設けられている通信機器を用いて外側との接触を試みた。

    792 :

    ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

    セレーネ・マクグリフとソル・リューネ・ランジュはシン・アスカの
    受け入れ後に現れたMSの調査の為、拘束中のパイロットへの面会に赴いた帰りである。

    セレーネ「……信じられないわ」

    面会したパイロットの青年との会話は、まるで異世界から来た人間と話しているようだった。
    MSに用いられている技術の差異だけでなく、歴史や現在の情勢など含めて常識の基礎が違ったのだ。

    ソル「僕もだよ」

    青年も困惑しているらしく、こちらの質問にはある程度素直に答えてくれていた。
    パイロットは例の紺色のMSとは戦闘中遭遇し、発した青白い光に包まれ、光とMSが消えたと思えばここにいたという。
    所謂同じ巻き込まれた側の人物であった。

    セレーネ「今までの報告と違った情報は得られなかった」

    ソル「見張りの武器の携帯はやめた方が良さそうだね。その気もないのに、アレを見れば気が滅入ってしまうよ」

    セレーネ「そうね―――後は彼、シン・アスカ……らしい人物」

    ソル「ザフトからの回答は“シン・アスカは作戦行動中である”だったね」

    セレーネ「機密である軍事行動の内容を教えるハズもないのだけれど、問題は迎えの話が無かったこと……」

    丁度二人の所へ通りかかった職員が、シン・アスカが目を覚ましたことを知らせる。

    ソル「じゃあ、目覚めた本人に聞いてみようか」

    793 = 792 :

    ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

    アプロディアに連れ去られた青年、アセム・アスノは部屋のベッドの上に腰を落とし、うずくまっていた。

    紺色のガンダムとの遭遇は敵との、それも因縁のある相手との交戦中の時であった。
    劣勢に立ち、一撃が見舞われようとしたとき、それは光と共に現れた。

    あの時、自分はあのガンダムに救われた形になっていたのだろう。

    『面会を願い出る者がいるのですが、宜しいですか?』

    外の見張りがインターフォンを通じて尋ねる。

    アセム「……どうぞ」

    この状況を解決する、理解できる糸口もない質疑応答に飽きていたため意気の薄い低い声が発された。

    入ってきたのは近い歳ぐらいの青年だった。
    自分と同じ簡素な上下地味な茶色のシャツとズボンを着ているということは、彼も拘束中の身であると示す。
    そして見張りと共に部屋へ入るとそのまま沈黙した。

    話の切り出し方を迷っているようだった。口は結んだままもごもごして顔も俯いたままだ。
    自分から面会に来ておいて「何だ」、と言いかけようとしたとき、話は始まった。

    シン「―――あー、その、アンタが置かれている状況、俺と同じなんだよ」

    アセム「……どういうこと?」

    シン「アンタは別世界に来てしまった、ってことだ」

    アセム「は……?」

    見てきたこと、知ったことを話しているだけなのだが、当然の反応なのだろう。
    先にここの職員たちにも同じ内容を言ったが呆気に取られ頭を抱える人がほとんどだった。
    だがアプロディアに連れて来られた以上彼もこの戦いに参加して、嫌でも理解することになる。
    説明中、先の職員に対してより上手く話すことが出来ているな、とシンは思った。

    794 = 792 :

    ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

    トロヤステーションの宙域に一機のMSが浮かぶ。

    その真っ白な機体には金色の光のラインが流れている。

    GSX401FWスターゲイザー

    背負っている大きな輪から、後ろに向けて何かを放出させた。
    それはスターゲイザーに対して凸の半透明の膜の様なモノを形成している。
    その膜の様なモノはトロヤステーションの両端に回転するドーナツ状の施設を備えている円筒状の形を
    鏡の様に映し出していた。

    この膜のようなモノはヴォアチュール・リュミエールという名のスターゲイザーに備わるシステムである。
    太陽からの風―――太陽のコロナから放出されたプラズマを受けて推進力に変える、つまり風を受ける帆の役割となるのだ。

    スターゲイザーの後方にはレーザー発振ステーション、アポロンAが控えている。
    備えている砲からプロパルジョンビームが放たれた。
    それをヴォアチュール・リュミエールが受け止める。光に押されるようにスターゲイザーはゆっくりと進んで行く。

    これがアセムの観たスターゲイザーの実験の映像記録の内容であった。

    795 :

    アセム「プロパルジョンビームを擬似太陽風に見立てて行った実験だったんだ」

    実物も見せて貰ったそうだ。アセムの希望にセレーネたちが応えてくれた。

    アセム「スターゲイザーは無人での惑星探査を目的にしていて、そのためのAIユニットを育成中なんだとよ」

    シン「ふーん」

    アセム「興味なさそうだな」

    シン「そういうわけじゃないけど……知っても、公表されている以上の事も言えないし」

    アセム「あ、ここの世界の軍人なんだもんな。中立組織の研究なんて下手に関わっちゃいけないか」

    シン「“ここ”とは限らないけど」

    ここが自分の居る世界であるとも限らない。DSSDという組織もピンとこないし、世界の状況も大きく変わっていた。

    地球連合軍はザフトとの地球での戦いに負け、オーブが、再び、戦場になった、らしい。
    元々転移した時間とそう変わらない時間に帰される、と聞いていたので
    もしかしたら自分は似た別世界に来たのかもと思ったのだ。

    とにかく、ここの職員から聞かされたザフトの返答も含めるとアプロディアを待つのがもやもやこそすれ、
    面倒くさくならない元の世界に帰れる方法と考えた。
    ……インパルスも破壊されて、放棄してしまったし。戻るなら事情を知るミネルバの所に帰りたい。

    アセム「ソルやセレーネさんも夢を追いかけてるんだなってさ」

    シン(いつの間にそんな仲良くなってるんだ)

    アセムは学生時代にMSクラブという、小型の簡易MS、ジュニア・モビルスーツを扱うサークルに入っていた。
    彼らの真剣な姿は当時の事を思い出させるものだったらしい。

    シン「そういえば、あのMSお前から見ればガンダムに見えるか?」

    アセム「まあ見た目は……。彼らがそのつもりで作っていないならガンダムじゃないだろうけど」

    アプロディアがあの世界からの逃亡前に話したこと、“飛ばした世界の先にいる仲間と協力を要請する”。
    研究に勤しむ彼らの話を聞くと、ジェネレーション・システムが攻めてきたときに巻き込むのは申し訳なく思った。

    796 :

    来てたの気づかんかった…
    しかし、スーパーエース(シン)とスーパーパイロット(アセム)の絡みは見てみたかったwwwwww

    797 :

    ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

    ソルとセレーネは来たるスターゲイザーの次の機動実験に向けての準備として、二人乗りのコックピットで作業をしていた。

    前の座席にソルが、後ろにセレーネが乗る。メインパイロットはソルだ。

    セレーネ「アセム君と話している時、楽しそうだったわ」

    ソル「そうかな?まあ彼の話は興味深かったし、近い年齢のナチュラルと話すのが新鮮、だったからかな」

    セレーネ「そう。……別世界の人間だから、なんでしょうね」

    ソル「信じたのかい?」

    セレーネ「そうしておいた方がいいと思って」

    ソル「でも全ての話を信用すると、厄介事に巻き込まれたことになるよ」

    そう。彼等がここにいるということは、いずれジェネレーション・システムと呼ばれる脅威が訪れるということ。
    厄介事といえば職員内で流れている噂を思い出す。地球連合軍がスターゲイザーのAIに興味を示しているらしいのだ。

    ―――シン・アスカは、ジェネレーション・システムは機動兵器軍団を操る喋る戦争マシーンだと言っていた。

    技術が戦いにも用いられるのは当たり前のこと。
    DSSDも様々な国家群が共同で設立に参画した組織である以上、培った研究成果は彼等にももたらされる。
    それが何に使われるかはこちらが関われることではない。

    だが自分たちが関わる技術の、いつか到達してしまうかもしれない“果て”の一つが戦争マシーンとして
    やってくる可能性が迫ったとき、胸中に人の業への悲しみが生まれた。

    798 = 797 :

    ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
    ―――ガーディ・ルー級特殊戦闘艦ナナバルク

    艦内に設けられている会議室に今回の作戦に参加するメンバーが集合する。

    その中にMSパイロット、スゥエン・カル・バヤンとシャムス・コーザの姿があった。

    シャムス「いよいよ来たぜ……!」

    標的はトロヤステーション。目的は開発中のMSの奪取である。

    シャムス「関係者は皆殺しで構わない、まさに俺たち向けの仕事だ」

    スウェン「……」

    目に見えて、戦いに向け気分を高揚させているシャムスとは対照的に、スウェンは静かに作戦の資料を読む。


    地球連合軍第81独立機動部隊。別名ファントムペイン。
    反コーディネイター主義者たちの総称、ブルーコスモスが所有する私兵集団である。
    ブルーコスモス最高意思決定機関ロゴスに所属しており、関係が深い地球連合軍はファントムペインへの拒否権の無い
    協力を要請されている。

    部隊の構成員にはコーディネイター殲滅のための思想教育と兵隊としての養成を幼い頃から受けてきた者たちがいた。
    二人こそがその鍛え抜かれた兵士たちだ。

    先鋭化した思想の放つ暴力がトロヤステーションに迫る。

    799 = 797 :

    ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

    トロヤステーションでは非常事態が発生していた。

    惑星間通信システムがダウンし、外からの情報類が全て途絶えてしまったのだ。
    利用している通信衛星の操作権をファントムペインが奪い取った為だ。

    助けを呼べなくさせ、さらに逃げ場すら失くすためにファントムペインはMS部隊をステーション前に展開する。

    GAT-01A2R_105スローターダガー

    GAT-X103APヴェルデバスター

    GAT-X105Eストライクノワール

    『我々はこれより諸君のステーションを接収する。本艦は無許可で諸君を攻撃する権限が与えられている』

    ナナバルク艦長は脅迫する。

    「そんな……元がザフト資本で出来た組織だからなのか?」

    「今は独立して、連合軍部にも技術協力しておるというのに」

    「交渉は無駄だろうなぁ……奴らは最初からこのステーションを狙っておる」

    職員たちは困惑と状況への絶望を抱きながらも独立する中立機関である志を以って、暴力に抵抗しようとしていた。

    ステーション管制室の慌ただしく動く中、セレーネはある決意をする。そこへシンとアセムが現れた。

    シン「連合軍が襲ってきたんですか!?」

    部屋で聞いていたラジオが突然聞こえなくなり、外へ出た際に事情を聞いたのだ。

    セレーネ「お願いがあるの」

    800 = 797 :

    ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

    DSSDはトロヤステーション前に自前のMS部隊を展開する。

    UT-1Dシビリアンアストレイ DSSDカスタム

    その中にはシンが搭乗するシビリアンアストレイと、アセムの駆るガンダムの姿があった。

    AGE-2_ガンダムAGE-2ノーマル

    アセム「ガンダム二機を相手にするのか……」

    シン「よくあることだ」

    背後のトロヤステーションは港口を閉鎖し、抗戦の準備が整った。

    スウェン「完全な戦闘用MSを確認、配備していたのか」

    シャムス「殺し甲斐を見せてくれよコーディネイター!」

    互いの勢力がビームを撃ちあい、ファントムペイン側が迫る。

    多くのスローターダガー達から突出するストライクノワールとヴェルデバスター。
    DSSD側でも果敢に飛び込んでいく機体がいた。

    特徴的な四枚の翼を持つAGE-2のストライダー形態だ。


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