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    元スレ刹那「別世界のガンダムだと…?」

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    601 :

    ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

    フロンティアⅠと接着している小惑星に三機のMSが到着していた。

    XM-01デナン・ゾン

    XM-02デナン・ゲー

    ザビーネ・シャル(以下ザビーネ)率いる黒の戦隊である。

    自身が乗るデナン・ゲー含め三機とも機体は通常と違い黒に染まっている。

    ザビーネ「あれはザムス・ガルの船首部分…」

    デナン・ゲーは小惑星からコロニーへと繋がる出入り口近くに接舷している、
    ザムス・ガルの艦首部≪ガル・ブラウ≫へ接近しようとする。

    「なんだ?――頭上に赤い光が!大きい!」

    「巨大な何かが出てくる…!」

    ジェネレーション・システムが出現させた赤い光から現れたのは、巨大なモビルアーマーだった。

    XMA-02エビル・ドーガ

    ザビーネ「何だ、これは…」

    『攻撃しますか?』

    ザビーネ「待て!」

    エビル・ドーガはゆっくりと小惑星に向かって降下する。

    ザビーネ(この作戦を指揮する鉄仮面なら何か知っているか…?)

    602 = 601 :

    ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

    シーブックたちは鉱山内をそれぞれF91とビギナ、アレックスとAGE1の二手に分かれて進んだ。

    アムロはコロニーの外へ向かいつつ、アレックスの能力を知るために狭い空間の中で様々な動作や飛行を試みた。

    腕の動きや腰の回転、壁を利用し、通り道の壁に沿って進み、前方の障害物や行き止まりに対して
    どの位置でまで飛行の軌道を変更するのが間に合うか。

    アムロの鉱山内の環境を使ったアレックスの試験は、フリットから見ればアレックスが壁に激突する
    のではないか、と肝を冷やすような思いになるほどのものだった。

    それだけアレックスがそれなりの速度を出しつつ、障害物や行き止まりと機体との距離が短くなったところで
    軌道を変えているのである。

    アムロ「機体の反応がガンダムより速い…外付けのチョバムアーマーもアレックスの動きの邪魔になっていないな」

    フリット「ガンダムの反応の問題じゃない、パイロットが凄いんだ――アムロ・レイ…」

    アムロ「――!何だ…?――来るぞ、フリット!」

    フリット「敵!?」

    603 = 601 :

    アレックスとAGE1を前方から何本ものビームが襲う。

    アレックスはビームを回避しつつ、避けきれないものはチョバムアーマーで覆われている部分に当たるようにし、
    AGE1はシールドで機体を守ることで攻撃を凌いだ。

    フリット「耐えた!」

    アムロ「何がいるんだ」

    ビームを撃った主がアレックスたちの前に姿を現す。

    フリット「凄く小さい!」

    それは漏斗のような形をした白いビーム砲台だった。数は五つ。

    アムロ「あれは、ジェネレーション・システムのガンダムが使う兵器に似ている」

    604 = 601 :

    ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

    エビル・ドーガの機体から放たれた漏斗のような形をした幾つもの自走式ビーム砲台は
    デナン・ゲーたちを襲っていた。

    ザビーネ「サイコミュを使った兵器…ファンネルといったか!」

    ザビーネ「ビーム・シールドで機体を上手く守れ!攻撃は十分に防げる!」

    デナン・ゲーはファンネルの攻撃をビーム・シールドを利用しつつ避けていき、
    ビームライフルでエビル・ドーガを攻撃する。

    しかし、その攻撃はエビル・ドーガの機体周囲を覆うIフィールドバリアーの前に防がれた。

    ザビーネ「ちぃッ!」

    605 = 601 :

    ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

    アムロ「罠か!だが見誤ったな!」

    五機のファンネルは素早く、曲線的な軌跡を描きながらアレックスとAGE1に接近する。

    アムロ「この洞窟の狭さではオールレンジ攻撃の威力も制限される!」

    アレックスは頭部バルカンでファンネルを二機撃墜した。

    フリット「あの速くて小さいのにあてるのか!?」

    アムロ「ラウ・ル・クルーゼが操っていた兵器とは違う――法則性がある!」

    残ったファンネルはビームを発射しアレックスやAGE1の動きを阻もうとする。

    フリット「僕だって…!」

    AGE1はシールドで機体を守りつつ、ドッズライフルでファンネルを攻撃する。

    ファンネルは攻撃を回避し、AGE1のシールドに守られていない、足やドッズライフルを
    持つ側の腕を狙ってビームを撃つ。

    ビームはAGE1の機体を掠めるか、装甲の端に命中する。

    フリット「うわーっ!」

    アムロ「フリット!パターンを読むんだ!」

    アレックスは頭部バルカン砲で一機ずつ、飛び回るファンネルを仕留める。

    606 = 601 :

    残るファンネルはAGE1を狙う一機。

    アムロ「こいつは小さい分ビームの威力も小さい!」

    フリット「なら――装甲の弱い部分を狙おうとするはず!」

    AGE1はバーニアで上昇し、上昇した先の壁を背にしてシールドで機体を覆った。

    フリット「これならダメージを与えられる場所は限定される!」

    ファンネルはAGE1のシールドの覆われていない下半身を狙おうと、壁に張り付いている
    AGE1と対面する壁に沿って突き進む。

    フリット「落ちろよ!」

    AGE1はファンネルに向けてドッズライフルを連射した。

    次々と放たれたドッズライフルのビームはついにファンネルの機体の端に命中し、
    ファンネルは機体のバランスを崩し壁に激突、爆発した。

    フリット「やった!」

    アムロ「よし、進むぞ!」

    607 = 601 :

    ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

    エビル・ドーガは小惑星付近でその場を動かず浮遊し続けながら、ファンネルでデナン・ゲーたちを相手する。

    そこへF91とビギナが現れる。

    シーブック「デカい…あれもクロスボーンの兵器なのか?」

    セシリー「シーブック!ザムス・ガルをやるわ、援護して!」

    エビル・ドーガの頭部モノアイが、F91を捉える。

    シーブック「分かった!」

    エビル・ドーガは胴体上部付近のファンネル発射口からF91とビギナに向けてファンネルを放った。

    ビギナはビルギット機のヘビーガンを抱えてガル・ブラウへ向かっていき、
    F91はビギナの後ろに付きファンネルを迎え撃つ。

    シーブック「これもバグか?」

    F91は鉱山内で拾ったビームランチャーで向かってくるファンネルを攻撃する。

    『間違いありません、あれはべラ機です!』

    『連邦軍の新型とともに行動しています』

    ザビーネ「謀反か、ベラ・ロナ!」

    608 = 601 :

    アレックスとAGE1も鉱山を抜け出し宇宙へ出た。

    アムロ「巨大モビルアーマー!」

    フリット「僕たちを襲った移動ビーム砲台の親か!」

    エビル・ドーガはアレックスとAGE1にもファンネルを差し向ける。

    アレックスはファンネルの群れ…その先のエビル・ドーガに真っ直ぐ向かっていく。

    フリット「アムロさん、危険です!」

    アムロ「あのモビルアーマーに接近して戦うんだ!」

    フリット「…そうか…!あの巨大兵器に接近さえすれば、上手くすれば自滅も狙える?」

    アムロ「あのビーム砲台は僕が相手をする!」

    609 = 601 :

    アレックスはビームサーベルを抜き、アレックスに確実なダメージを与えようと接近する
    ファンネルを切り裂いていく。

    AGE1は先陣を切るアレックスの後を付いていき、AGE1はドッズライフルでエビル・ドーガを狙い撃つ。

    射線上を漂っていた数機のファンネルは消し飛んだが、エビル・ドーガへは周囲を覆う
    Iフィールドバリアーで阻まれた。

    フリット「こいつにも、ドッズライフルが効かないのか!」

    エビル・ドーガの機体前面の大砲――大型メガ粒子砲の砲口に光が灯る。

    アムロ「――!フリット、散らばるぞ!」

    フリット「あの機体から熱源、間に合え!」

    アレックスはその場から上昇し、AGE1は横に大きく離れた。

    大型メガ粒子砲から巨大なビームが放たれる。

    エビル・ドーガから放たれたビームの濁流はアレックスとAGE1のいた小惑星の地表を抉り、
    さらに小惑星に削り跡を残しながらAGE1を追った。

    フリット「うわああああああ!!」

    AGE1は迫るメガ粒子のビームから必死に逃げる。

    610 = 601 :

    ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

    ザビーネ「ザムス・ガルはやらせん!」

    デナン・ゲーと二機のデナン・ゾンがビギナとF91を襲う。

    セシリー「黒の戦隊…!」

    シーブック「セシリー、こいつらは僕に任せろ!」

    F91はビームランチャーでデナン・ゲーたちを攻撃する。

    シーブック「このぉ!」

    F91は右手のビームランチャーで攻撃しつつ左手にヴェスバーを装備する。

    ヴェスバーのビーム攻撃も合わせ、F91は弾幕を張った。

    「うっ!」

    一機のデナン・ゾンの右腕が弾幕に触れ破壊された。

    シーブック「早くいけよ!」

    F91は左手のヴェスバーの銃口をもう一機のデナン・ゾンに向ける。

    シーブック「ッ…!」

    そこへ一筋のビームがF91に迫った。

    611 :

    久々の更新
    >>1

    612 = 601 :

    シーブック「――!?」

    F91は左手からヴェスバーを放した。F91から離れたヴェスバーはそのビームに破壊される。

    ザビーネ「――やるな、連邦の新型…だが撃つのを一瞬惑っていたな」

    デナン・ゲーは右手にビームライフル、左手にビームサーベルを持ちF91に接近戦を仕掛けようとする。

    ザビーネ「戦場で命を奪うことに惑うならば死ぬだけだ!」

    シーブック「こいつ…!」

    セシリー『シーブッ――!みん――隠れ、て――!!』

    シーブック「!?」

    ザビーネ「通信?――この声は」

    613 = 601 :

    ガル・ブラウは外部核融合発電所とのケーブルを外し、離陸を開始していた。

    ビギナは自身が持っていた損傷したヘビーガンやジェガンタイプの残骸をガル・ブラウの方へ
    押し出し、それらに向けてビームライフルを構え、撃つ。

    狙いはMSの動力部。そこへ命中したビームにより、MSの残骸は巨大な爆発を起こした。

    ガル・ブラウの付近で起こったその巨大な爆発はガル・ブラウを飲み込み、消滅させる。

    そしてさらに付近の小惑星の突起した部分や地表を削り、抉っていく。

    ビギナはビームライフルでの射撃後直ぐにその場から離脱し、付近の大きな岩陰に隠れていた。

    巨大な爆発による衝撃は、その岩陰にも及び、岩壁を削り落としていく。

    ビギナは爆発から逃れようと必死で岩陰に身を隠す。

    セシリー「うあああああーっ!!」

    デナン・ゲーたち黒の戦隊やF91、AGE1も岩陰に隠れて爆発やその衝撃から機体を守っていた。

    ザビーネ「核か!」

    シーブック「セシリー…やったのか?」

    フリット「セシリーさんが回線をオープンにして呼びかけてくれなければ、危なかった」

    614 = 601 :

    ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

    エビル・ドーガは二機のMSの動力部の破壊によって引き起こされた核爆発により、
    小惑星の地表を削られたことや周囲のMSの残骸の破片がばら撒かれることによってできた
    デブリとの機体への接触を避けるため、小惑星から離れる。

    アムロ「気を取られたな!」

    先に小惑星から離れていたアレックスは、エビル・ドーガに向かって一気に突撃する。

    爆発による状況の確認をしているかのように、エビル・ドーガの機体の前部は完全に小惑星に向けている。

    アレックスはエビル・ドーガの背後を狙う。

    エビル・ドーガがアレックスを察知し機体の正面を向けたころには、エビル・ドーガのモノアイに
    ビームサーベルを振り下ろす寸前のアレックスが映っていた。

    アレックスはエビル・ドーガの顔面をビームサーベルで溶断し、ファンネル発射口から出てこようとする
    ファンネルたちを左腕のチョバムアーマーの装甲を外し、左腕前腕部から露出させたガトリングガン
    の砲撃でファンネル発射口ごと潰した。

    ガトリングガンから撃ちだされた砲弾はファンネル発射口からさらにエビル・ドーガの機体を貫通し、
    そこから起こる爆発がまた爆発を呼び、エビル・ドーガは爆散した。

    615 = 601 :

    ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

    ザビーネ「ビギナ・ギナの敵味方識別コードに惑わされた所為で、ザムス・ガルは碌な防御が出来なかった。
          ――マイッツァー…ベラ・ロナになどこだわるから、これだ!」

    『月の方に、新しい味方識別信号が発生しています』

    ザビーネ「これか?…味方の色だが…こんなコードは今日まで見たことがないが――バグか?鉄仮面!」

    616 = 601 :

    ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

    XMA-01ラフレシア

    カロッゾ「ベラ、つくづくお前は悪い娘だ。大人のやることに疑いを持つのはよくないな」

    ラフレシアは連邦軍が援軍として派遣した、月からの艦隊の殲滅を終えた。

    クラップ級巡洋艦、ジェガンタイプ、ヘビーガン等の残骸がラフレシアの周囲を漂っている。

    617 = 601 :

    ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

    ガル・ブラウ、エビル・ドーガの破壊後、F91たちは直ぐにフロンティアⅠの宙域から離脱していた。
    一行は月に向かう方角を進む。

    シーブック「月からの援軍は全滅したらしい…痛み分けだって思いたいけど…」

    セシリー「だから、鉄仮面を叩かなければならないのでしょう?」

    フリット「たった一機で艦隊を殲滅する機体…そんなやつに…」

    アムロ「――あの光…」

    シーブック「あの光は…僕には、宇宙を乱す物の怪に感じられる」

    シーブックは、遠くでラフレシアが五基の花弁部から発している光を見つめる。

    618 :

    一気に読んだ
    面白いなwwww


    クロスボーンにも参戦してほしいところだが…

    619 :

    色んな方面から満遍なく出してる>>1だし来るんじゃないか

    620 = 618 :

    だよな、Gセイバーまで出てきたんだから、期待しても良いよな

    621 :

    放送中のageまでいるしな

    622 :

    ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

    ――練習艦スペース・アーク

    レアリー『マッケンジーさん、その機体で本当に出撃されるんですね?』

    クリス「この艦が、難民船としてこの戦域を抜けるにはガンダムと私は邪魔でしょう?」

    レアリー『…イズルハ君は私たち、いえ、スペース・ボートの子たちに任せてください』

    クリス「感謝します――アルを受け入れてくれた、ドワイトさんたちにも」

    モニカ『どうか、シーブックと、セシリーさんのことを、お願いします』

    クリス「了解です、シーブックさんのお母様――ガンダムの調整のお手伝い、ありがとうございます」

    ガンダムはジェガンタイプ用のシールドを持ち、スペース・アークから発進する。

    レアリー「…どうみても、骨董品にしか見えないんだけどね」

    マヌエラ「でも、“あの”ガンダムですよ?アムロ・レイもいらっしゃるそうですし」

    レアリー「ビルギットも今戦っている、別世界から来たという二機のガンダムとその少年パイロットは戦力になると
          言っているが――いえ、本当なんでしょうね。私たちがここまで来れているのは、彼らのお蔭なのだから」

    623 = 622 :

    ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

    ドワイト「今でていったMS、すごい昔の、ガンダムってやつだろ?」

    サム「本当にシーブックたちの助けになるんだろうな?」

    アル「…」

    リア「ねぇ震えてるよ?こわいの?」

    アル「怖いもんかっ!!」

    ミゲン「ひっ」

    リィズ「子どもにあたらないでよ」

    アル「お前も子どもだろ!俺の方が年上だ!」

    リィズ「ならしっかりしなさいよ!」

    ドロシー「やめなさいよ、ケンカなんて」

    ジョージ「機械の化け物に襲われたんだろ?突っ張ってもしないと、気持ちが持たないんだよ、きっと」

    リィズ「…ふん!」

    アル「ベェ~だ!……」

    アル(クリス、僕たち、帰れるんだよね?バーニィや、母さんやみんなと会えるんだよね?)

    624 = 622 :

    ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

    ラフレシアとF91たちは戦闘に突入していた。

    ラフレシアは機体に装備する多数のビーム砲とカロッゾ・ロナ(以下カロッゾ)の思いのままに動く攻撃用触手
    ――テンタクラー・ロッドでビギナたちと戦う。

    フリット「ハァッハァッ――ハァッ…!」

    AGE1はコロニーの残骸の、立ち並んでいる高層建築物の内の一つに身を隠している。

    そこでフリットは息を整えていた。

    カロッゾの能力と、それを最大限に生かしたラフレシアの攻撃は凄まじいものだった。
    ビギナたちはラフレシアから離れ、外壁が無く中身が剥き出しのコロニーの残骸の中に入り、
    それらを盾に使うことでラフレシアの猛攻と戦っているのだ。

    フリット「あんなの、どう近づけっていうんだ…!」

    AGE1のシールドは上部が少し欠けている。

    ラフレシアのテンタクラー・ロッド先端にあるチェーンソーによって切り裂かれたことによるものだ。

    無数かと思うような、様々な方向から迫る触手。先ほど相手にした白の巨大な機体(エビル・ドーガ)の繰り出す
    機械的な移動ビーム砲台とは違う、生物的な動きで襲ってきたそれをフリットは思い出す。

    下手に近づけば触手の網に包まれ、この身を引き裂かれる。

    フリット「しかも、コックピットが剥き出しだなんて――あれが、鉄仮面…」

    625 = 622 :

    F91はラフレシアとの遭遇前に拾った小型MS用のビームライフルとビームランチャーで攻撃する。

    シーブック「ッ…!」

    F91はラフレシアの放つビームの群れに果敢に挑む。

    しかし、ラフレシアの機体はIフィールドに守られており、それらの攻撃は効果がない。

    F91の攻撃など物ともせず、ラフレシアは機体内臓のビーム砲やテンタクラー・ロッドから多数のビームを繰り出し、
    コロニーの残骸の廃墟へと後退しながらビームを撃つF91を追い回す。

    アムロ「F91を見ている今なら!」

    アレックスは廃墟から飛び出し、花弁をF91に向けている隙を見て茎部へ向けて接近する。

    セシリー「血縁は自分の手で断ち切る!」

    ビギナも廃墟から身を出し、ラフレシアに向かって突撃する。

    カロッゾは二機の接近に気づくも、その動きの素早さに対応が遅れる。

    カロッゾ「よくも動く!ニュータイプとでもいうか!」

    セシリー「あそこがコクピット…!」

    セシリーはラフレシアの花弁の中央、剥き出しのコックピットをその目に捉える。

    セシリー「ならばこの手で!」

    ビギナは左手のビームランチャーを捨てビームサーベルを手に持ち、カロッゾをこの手で葬り去らんと向かった。

    626 = 622 :

    アムロ「――!ダメだセシリーさん!」

    はやるように向かっていくビギナをラフレシアのテンタクラー・ロッドは見逃さない。

    ビギナの後ろから襲い、さらに前から数本の刃がビームライフルを持つ右腕と頭部の先を切り裂く。

    さらに襲い掛かるテンタクラー・ロッドを助けに入ったF91がビームサーベルで切り裂き、ビギナを押して後退する。

    アレックスは右手にビームサーベルを持ちながら、ラフレシアに接近して左腕内蔵のガトリング砲で機体を狙って攻撃する。
    しかし、テンタクラー・ロッドに守られそれらを砕く程度に止まり、ビーム攻撃で接近を困難にさせられる。

    カロッゾ「別世界のMSめ」

    十数本のテンタクラー・ロッドがビームを発射しながらアレックスを襲う。

    アムロ「うっ!」

    その中の、アレックスは後ろから接近するテンタクラー・ロッドに反応し、ビームサーベルで切り裂くも、
    直ぐに前方から迫ったテンタクラー・ロッドがアレックスの機体を叩きつける。

    アムロ「うわぁーっ!!」

    627 = 622 :

    フリット「アムロさん!」

    残骸から飛び出したAGE1は、吹き飛ばされ態勢を崩したアレックスに駆け寄り、追い撃ちをかけてくる
    十数本のテンタクラー・ロッドを散らばらせようとドッズライフルで攻撃する。

    テンタクラー・ロッドの群れは怯むことなく向かってくる回転するビームを避け、進む。

    フリット「あたらない!」

    ビギナは再びラフレシアに向かって突撃する。

    シーブック「セシリー!」

    F91はビギナを追いかける。

    ビギナはラフレシアが伸ばした幾つものテンタクラー・ロッドに囲まれ、その刃に機体を傷つけられながらも、
    左手に持つビームサーベルを振るい先へ進もうとする。

    シーブック「セシリー、入りすぎだ!」

    アレックスは態勢を立て直し接近の機会を窺うが、それを見いだせない。
    テンタクラー・ロッドからのビームが接近を阻む。

    アムロ「近づかなければ!」

    628 = 622 :

    フリット「しまった!」

    AGE1を守っていた欠けたシールドは、ラフレシアからのビームが命中し、ついに破壊された。

    アレックスはビームサーベルを振るい、自身とAGE1に近づくテンタクラー・ロッドも切り裂く。

    AGE1は左手で腰の装甲からビームダガーを取り出す。

    フリット「こんなのどうやって」

    セシリー「あ、ああーっ!」

    ビギナはテンタクラー・ロッドに機体を搦め捕られる。

    ラフレシアはビギナの胴体に巻きつけたそれで、カロッゾの下へ連れて行く。

    セシリーは剥き出しのコックピットの中にいる、仮面とマシンを有線で繋がれているカロッゾを見る。

    セシリー「…鉄仮面!」

    カロッゾ『お前が私のもとへ来たいらしいからこうしてやったが…つくづくお前は悪い子だ。
     大人のやることに疑いを持つのはよくないな』

    セシリー「あなただって…強化人間にされたからっておじい様に反逆をしています!
          ――でも少しでも人間らしさを残しているならば、今すぐこんなことはやめなさい!」

    カロッゾ「人類の10分の9を抹殺しろと命令されればこうもなろう!」

    629 = 622 :

    ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

    ザムス・ガル級宇宙戦艦_ザムス・ガル

    艦首部≪ガル・ブラウ≫が外れているザムス・ガルの艦橋付近に、ザビーネが乗るデナン・ゲーがいる。

    ザビーネ「エビル・ドーガ、そしてラフレシアの件…私も知らなければマイッツァーも知らないことだった
          ――鉄仮面の直属でなければ思うように働けないのでは話が違う」

    カロッゾの腹心であり、ザムス・ガルを指揮していたジレ・クリューガーの遺体が宇宙を漂う。

    ザビーネ「ザムス・ガルは鉄仮面が帰投するまでこの空域に待機!いいな!」

    630 = 622 :

    ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

    アムロ「――!」

    アレックスの背後に大きな一本の赤いビームが襲い掛かる。

    アレックスはビームを避け、撃ってきた方を向く。

    フリット「後ろ…!クロスボーン・バンガードが追い付いてきたのか!」

    XM-07Rビギナ・ロナ

    ヴァリアブル・メガビームランチャーを片手で構えるビギナ・ロナの上、そして両隣に赤い光が現れ、
    そこからMSが姿を見せる。

    XM-04ベルガ・ダラス

    フリット「あの光は僕の居る世界でUEを包んだ――」

    アムロ「ジェネレーション・システムのMSか!」

    カロッゾ「お前が別世界のMSと共にいるとはな、ジェネレーション・システムも何れ私の近しい者が
          それと共に私の下に来ると言っていたが」

    セシリー「そんな…得体の知れない機械と手を組むなんて!」

    カロッゾ「機械による無作為の粛清…誰の良心を痛めることがない」

    セシリー「機械が喋ることかぁッ!!」

    カロッゾ「私は機械ではない。任務遂行のためにエゴを強化した者だ!」

    632 = 622 :

    F91はラフレシア本体に大分近づき、ラフレシアのコックピット近くを目掛けビームを撃ち込む。
    しかし全く効いている様子はなく、ビギナを捕える触手が緩むこともない。

    シーブック「セシリーーッ!」

    シーブックの叫びに合わせたかのように、F91のスピードはさらに加速する。

    その際に両肩の放熱フィンが露出して赤く発光し熱を吐き出す。F91は戦闘により機能に
    支障が出そうなほどの熱を出しており、機体を統括するバイオコンピュータは機体の強制冷却を行っている。

    そのような状態で、F91は自身を襲うテンタクラー・ロッドをビームサーベルで切り裂きながら、
    ビギナを助けようと必死に戦う。

    ビギナはテンタクラー・ロッドによりコックピット部を守る装甲を解体されている。

    カロッゾ「フハハハハハ…怖かろう」

    カロッゾは頭部の有線をコックピットのマシンと繋げたまま、コックピットから宇宙へ出ていき
    露わになったビギナのコックピットの扉をその手で抉じ開ける。

    カロッゾ「しかも脳波コントロールできる!」

    セシリーは拳銃をカロッゾに向けて撃つが、怯むことなくセシリーの手を掴み、宇宙へと引き摺り出した。

    カロッゾ「しかも手足を使わずにコントロールできるこのマシーンを使う私を…ナディアと同じように見下すとは!」

    セシリーをその場に止まらせているのは腕を掴むカロッゾの手のみだ。

    カロッゾ「つくづく女というものは、御し難いな!」

    セシリー「そうさせたのは!仮面を外せないあなたでしょう!!」

    フリット「バケモノ…!」

    ビギナ・ロナと三機のベルガ・ダラスを相手にしつつ、フリットは視界に入ったその光景を見て戦慄する。

    633 = 622 :

    アムロ「アレックスの武器は接近しなきゃ効果が薄い!」

    アレックスはビギナ・ロナからのヴァリアブル・メガビームランチャーからの砲撃を避け、
    ビームサーベルを抜き、ビギナ・ロナに接近戦を仕掛けようとする。

    ビギナ・ロナはヴァリアブル・メガビームランチャーを捨て、背中に装備されている六本と
    一際大きい大型一本の刺突武器――バスターランサーの内二本を両手に持ち、一本を突撃するアレックスに投げつけた。

    アレックスはそれをギリギリで避けるが、間髪を容れず投げられたもう一本がアレックスの胸部に直撃する。

    それによる怯みを突き、ビギナはさらに四本のバスターランサーを撃ち込む。

    アレックスはそれを肩、足、腰部の前スカートのチョバムアーマーの装甲で受ける。
    ビギナ・ロナは最後の一本、大型のバスターランサーを右手に持ち、アレックスを刺突せんと突撃した。

    アムロ「…!」

    アレックスはチョバムアーマーの全てをパージする。

    ビギナ・ロナは目の前にばら撒かれた幾つもの装甲片に邪魔され、アレックスを見逃してしまう。

    アレックスはビギナ・ロナの後ろを取り、ビームサーベルで斬りかかる。ビギナ・ロナは反応するが遅く、
    武器を持つ右腕を切り落とされた。

    ビギナ・ロナはすぐに離れ、投げ捨てたヴァリアブル・メガビームランチャーを拾い、
    ビギナ・ギナに近いフェイスから赤のツイン・アイのガンダムに近いフェイスに変え照準をアレックスに合わせる。

    ビギナ・ロナはその目で本来の姿を現したアレックスを確認した。

    RX-78NT-1ガンダムNT-1/アレックス

    634 = 622 :

    フリット「うぅっ!」

    AGE1は三機のベルガ・ダラスのショット・ランサーのマシンガンによる連携射撃に苦戦する。

    ベルガ・ダラスたちが一斉にAGE1にビームサーベルで斬りかかろうとしたその時、
    三機の背後に二本のミサイルが向かってくる。

    クリス「なんとか間に合った!」

    攻撃の主はガンダムである。F91たちの識別信号を辿り、ここまで来たのだ。

    ガンダムのカメラがラフレシアを捉える。

    クリス「花…!?」

    フリット「もしかして、クリスチーナさん!?」

    アレックスはビギナ・ロナの胸部中央に突き刺したビームサーベルを抜き取る。

    アムロ「クリスチーナさん!こいつらはジェネレーション・システムのMSです!」

    フリット「僕が元の世界に戻るには!」

    AGE1は接近するベルガ・ダラスにドッズライフルで攻撃する。

    ベルガ・ダラスはビーム・シールドで回転するビームを受け止め、反撃にショット・ランサーの円錐状の槍を撃ちだす。

    フリット「飛ぶのか!?」

    回避が遅れたAGE1の右肩に命中し、右肩の装甲が外れる。

    635 = 622 :

    クリス「アスノ君!」

    そのまま、ベルガ・ダラスは態勢を崩したAGE1に接近する。

    ガンダムはAGE1を助けるため、ジェガンタイプ用のシールドからミサイルを撃ちだす。

    そしてシールドの内側から小型の爆弾を出す。ジェガンタイプ用のハンド・グレネードである。

    ガンダムはシールドを手放し、手前で漂うハンド・グレネードを掴み、投げる。

    ベルガ・ダラスはAGE1と自身の間に撃たれたミサイルを避けた際に、投げられた
    ハンド・グレネードの、設定された時間に達したことにより起こったその爆発に曝される。

    AGE1はドッズライフルで爆発に怯んだベルガ・ダラスを撃ち抜いた。

    フリット「次!…!?」

    フリットはセシリーがカロッゾに手を放され、テンタクラー・ロッドやビームが飛び交う場へ、
    その身を投げ出されたのを見る。

    フリット「ここは宇宙なんだぞ!――うっ!」

    別のベルガ・ダラスがマシンガンでAGE1を攻撃する。

    フリット「無人の殺戮兵器をコロニーに投入して逃げられない人々を襲う!」

    AGE1はラフレシアへ向かって突撃する。

    フリット「鉄仮面!UEと同じだァ!!」

    636 :

    シーブック「セシリィィーーッ!!」

    F91のフェイスガードが外れ、人の顔のようなエアダクトが露出、溜めた息を一気に吐き出すかのように冷却触媒を排出する。

    カロッゾ「何機いるのだ敵は!?」

    フェイスガードを閉じたF91は黄色のオーラを放ちながら、右手にビームライフル、右腰にはヴェスバー、
    そしてビームサーベルで邪魔をするテンタクラー・ロッドを砕き、切り裂きまわっている。

    そのF91が、カロッゾを始めとするパイロットたちには、分身しているように見えているのだ。

    これは≪MEPE≫と呼ばれる、F91が最大稼働状態に入った際に生み出された機体の熱を冷ます効率を高めるために、
    装甲表面を剥離する機能によって引き起こされるものである。この機能が、F91が移動した後、
    剥がれ落ちた装甲表面がF91そのままの姿の軌跡として残り、F91が分身していると誤認させているのである。

    アムロ「レーダーの誤認?――!」

    アレックスは頭部バルカンで眼前に接近するベルガ・ダラスの頭部を破壊し、メインカメラを潰され
    狼狽えるベルガ・ダラスを避けてラフレシアへ突撃する。

    AGE1はそのベルガ・ダラスに向かっていき左手に持つビームダガーで胸部を刺突する。

    フリット「…ッ!」

    突き刺したダガー状のビームの刃を、周囲の部分を焼き切りながら強引に抜き取りアレックスに続く。

    637 = 636 :

    カロッゾ「この!」

    カロッゾをコックピットに収納したラフレシアは、三機を相手に奮戦する。その猛攻は三機の進撃に劣ることはない。

    テンタクラー・ロッドはF91のヴェスバーとビームライフルを同時に貫く。

    アムロ「弾切れ!?――うっ!」

    アレックスの左腕のガトリングガンの弾が切れた所をテンタクラー・ロッドが襲う。
    すぐに回避行動をとるも、胸部のダクト付近に刃が掠め、裂傷が出来る。

    フリット「うわあーーッ!!」

    AGE1は右足をビームで破壊され、さらに下腹部や腰部にビームを掠め、装甲に傷や切断跡が増えていく。

    フリット「ダメだ!――アムロさん!」

    AGE1はドッズライフルを手放し、近くにいるアレックスへ向けて押し放った。

    フリット「ドッズライフルを!」

    アムロ「フリット!」

    アレックスはテンタクラー・ロッドの攻撃を掻い潜って左手でそれを受け取り、すかさず
    ドッズライフルでテンタクラー・ロッドを、ラフレシアを攻撃する。

    638 = 636 :

    フリット「…!」

    AGE1に数本のテンタクラー・ロッドが迫る。

    フリット(ダガーじゃ斬る前にやられる!)

    AGE1は右手に持ったビームダガーの刀身を伸ばし、サーベル状へと変化させる。

    AGE1はビームサーベルを振るう。迫るテンタクラー・ロッドを叩き、斬り払い、
    その中で左腕を切断されるも、ラフレシアの攻撃から後退した。

    フリット「…ハァッーー!」

    ラフレシアからの攻撃から逃げ延び、フリットは深く息を吐きだす。

    ビームサーベルは火花が出た後爆散し、右手首辺りまで巻き込み、右手が焼失した。

    フリット「ビームサーベルはまだ不完全か…!」

    639 = 636 :

    シーブック「捕まるかぁ!」

    F91は右足を切断され、さらにテンタクラー・ロッドが何本も襲って来ようとも、
    ただひたすらラフレシアのコックピットへ近づくことを止めようとしない。

    テンタクラー・ロッドはF91が通った後に残る機体そのままの軌跡も含めて攻撃する。

    シーブック「残像に攻撃をかけているのか?――なに?」

    アムロ「――!――何だ?」

    シーブックはラフレシアの機体近くを漂っているビギナ・ギナに注目する。

    シーブック「――あれを使えというのか…セシリー!」

    F91は腰のリアスカートに付けていたビームランチャーを取り出し、ビギナ・ギナにビームを撃ち込んだ。

    アムロ「――!」

    アレックスはラフレシアへの攻撃を取りやめ、すぐに離れた。

    ビギナ・ギナの動力炉に命中したビームは大きな爆発を起こし、
    ラフレシアのコックピットの目の前を熱と光で一杯にする。その上、爆発の衝撃と熱で花弁の一基がちぎれ落ちた。

    640 = 636 :

    クリス「誰の爆発!?――ッ!」

    ガンダムは目の前のベルガ・ダラスに向け、シールドを投げる。

    ガンダムとベルガ・ダラスの間にシールドが入る形となった。

    そしてガンダムはビームサーベルをシールドの、その先にいるベルガ・ダラスに向けて投げつけた。

    ビームサーベルはベルガ・ダラスにとって目隠しとなったシールドを貫通し突き進み、ベルガ・ダラスの胸部に
    ビームの刃が突き刺さる。

    ガンダムは頭部バルカンを撃ちながら接近し、ビームサーベルを抜き取り、すぐに後退した。

    バルカンによるダメージも加わり、ベルガ・ダラスは爆散する。

    641 = 636 :

    カロッゾ「MSのエンジン一つくらいで…そこだ!」

    アレックスのドッズライフルでの攻撃による助けも借り、F91は再度ラフレシアに接近する。

    F91はラフレシアが残像に攻撃をかけるのを利用し、わざと飛び回って周囲に機体そのままの形の軌跡
    …残像を残しながら徐々に接近していく。

    しかしラフレシアのビーム攻撃は残像だけではなく、F91本体にも向かってくる。

    アムロ「ッ――!」

    アレックスは足と肩の装甲にラフレシアのビームが掠め、F91も左腕をビームで切断される。

    シーブック「なんとぉぉぉぉ…!」

    F91は一気に突撃し、遂にラフレシアの四基の花弁中央、コックピットに辿り着く。

    カロッゾ「化け物か…!」

    F91がビームランチャーの砲口を自身に向けたのに反応し、防衛のためにテンタクラー・ロッドがコックピットに集まる。

    F91はフェイスカバーを開いて冷却触媒を掃出し、一気にそこから離脱した。

    テンタクラー・ロッドは攻撃を仕掛けるが、そこにはすでにF91が残した残像しかない。

    攻撃はそのままラフレシアのコックピットへ行き、ラフレシアは自身の攻撃でコックピットを破壊した。

    642 = 636 :



    ラフレシアが炎に焼かれ朽ちていっている中、F91やアレックス、ガンダム、AGE1は宇宙へ投げ出されたセシリーを探す。

    シーブック「セシリー…セシリー!どこに行っちまったんだよ!
           ――どこだよ!セシリー!」

    F91はビームランチャーを手放す。

    シーブック「こんなこっちゃ…なにやったって意味ないじゃないか!」

    シーブックの焦燥はザビーネ機のデナン・ゲーにワイヤーを付けられているのにも気づかない。

    ザビーネ「ベラ・ロナのためにラフレシアを倒せたか…ご苦労だったな」

    ザビーネはドレル大隊と合流することを部下に告げ、その場を去った。

    アムロ「引き揚げたか――F91、見逃してもらった」

    アレックスたちは先にザビーネたちに気づいたが、F91から離れていて、通信を使うことや戦闘も危険であったため、
    近くの大きなスペースデブリに隠れていた。

    アレックスはザビーネ機に向けていたドッズライフルの銃口を下ろす。

    クリス「スペース・アークの難民船の偽装も、上手くいったみたいね」

    クリスは識別信号でこちらに接近するスペース・アークを確認する。

    643 = 636 :

    筒型のスペース・ボートが、何本もある細いアームで白旗を掲げながら、F91に近づいていく。

    フリット「早く、早くセシリーさんを探さないと!」

    AGE1は隠れていたスペースデブリから身を出してセシリーの捜索に回る。

    シーブック「ミノフスキー粒子が薄くなっていたって、こっちのレーダーはダメなんだよ!」

    シーブックはF91のコックピットハッチからその身を乗り出し、スペース・ボートと、
    その奥にいるスペース・アークに向かって叫ぶ。

    シーブック「そっちと、スペース・アークのレーダーで見つけてくれよ!」

    644 = 636 :

    ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
    ――スペース・アーク

    ケーン「マシーンの破片だっていっぱい流れてんだぞ!」

    マヌエラ「だからって、ほっとけないでしょ!」

    ナント「月にいかないんですか?」

    レアリー「ん?漂流者を捜索する!総員、360度監視!」

    ビルギット「…そうかい」

    645 = 636 :

    ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

    戦闘後の宙域はスペースデブリが大量に漂っている状態であり、ミノフスキー粒子の影響も相まって、
    何処に流れていったかもわからない人ひとりを探すのは非常に困難、発見は絶望的であるのではないかと…
    そうアムロは考えている。

    アムロ(もう、駄目なんじゃないだろうか…)

    モニカ『シーブック、捜せるわよ』

    アムロ「え?」

    モニカ・アノー(以下モニカ)がスペース・ボートの船体を蹴り、近くにいるF91の下へ向かう。

    モニカ「サイコミュとレーダーの座標を重ねることはできるはずよ」

    F91に取りつき、コックピットに入ったモニカはシーブックに説明する。

    モニカ「F91は脳波に呼応する、システムがあるのは知ってるでしょ?――それをセンサーにするのよ」

    シーブック「どうやって?」

    モニカ「この熱感知のレベルを人間の放出する、熱の波長に限定してフィルターを通して…
         それをレーダー・ディスプレイに接続する――これで知覚は数倍になるはずだけど…でもあなたの感性しだいね」

    モニカはコックピットの外に出る。そしてハッチから中のシーブックを覗き込む。

    F91の傍にいたAGE1――フリットは通信でその話を聞く。

    フリット「戦闘用のMSのシステムで、そんなことが…」

    シーブック「――要するに感じろってこと?」

    モニカ「ええ、そう…機械なんて使う人次第なのよ。さっ!どうなの?」

    646 = 636 :

    シーブックはコックピットの中で目を閉じてその通りに感じようとする。

    シーブック「――…カメラだって、半分以上死んでいるんだ!」

    確かに、コックピット内の全天周囲モニターは部分部分が映像を映さなくなっていた。

    モニカ「目の前の景色に囚われていたら…何も見えない、なんにも感じられないわ!」

    シーブック「…そんなニュータイプ、ニュータイプなら!アムロ・レイならやれるだろう!」

    アムロ「僕…?」

    アレックスやガンダムもAGE1に続いてF91に近づいており、それを見守っていた。

    モニカ「甘ったれないで。セシリーさんは、あなただけを求めているのよ。意識を空にして、
         宇宙に漂っている、彼女の生命の鼓動だけに感覚を開くの」

    シーブック「…――――!」

    クリス「F91が、動いた」

    F91はアレックスたちからゆっくり離れる。

    フリット「わかったんですか!」

    モニカ『無線は使わないで!』

    F91はある方向にむかって進んで行く。

    アムロ「あれが……ニュー、タイプ」

    フリット「誰が、何があるか、わかる、感じられる…ユリンもそうだったの?」

    647 = 636 :

    ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

    しばらくして、F91は立ち止まった。

    シーブック「…~~ッ…!」

    シーブックは再び焦りだす。

    モニカ「シーブック、あなた以外、誰があの娘のことを想ってあげられるの?」

    シーブック「でも…でも!なにも感じられないんだ!」

    モニカ「…だったら引き寄せなさい!それが出来るのも、人の生命の力なのよ」

    シーブック「引き寄せるったって――――――!」

    シーブックはコックピットから何か取り出そうとする。

    モニカ「!?なに?どうしたの?――感じられたの?セシリーを?」

    シーブック「違うんだ、あれ、花なんだ、セシリーの花なんだよ!」

    ノーマルスーツに推進装置を取り付け、シーブックは宇宙へ飛び出す。

    モニカ「セシリーの花?」

    シーブック「セシリーに決まってるじゃないか!」

    モニカ「バーニア一つじゃ無茶よ!」

    モニカの視界からシーブックが消えていく。

    648 = 636 :



























    シーブックは、花を見つけた。

    ビギナ・ギナに貼り付けてあって、その後、コックピットに入れられていた、白い、ユリの花。

    その先に、セシリーが漂っている。

    そしてシーブックは見る。

    禍々しく感じさせる赤色の、大きな光がセシリーの傍で現れ、
    そこから出てきたMS――フェニックスガンダムが、その手で彼女を掴むのを。

    シーブック「あ、ああっ……!」

    バルバトス「これは戦いの始まりに過ぎない、シーブック・アノー」

    シーブック「セシリィィーーーーー!!!」

    649 :

    バルバトスてめぇ

    650 :

    空気を読まないことに定評のあるバルバトスさん


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