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    元スレ女戦士「元・勇者を探す旅へ」

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    401 = 396 :

    ここまでキャプテンなし

    402 :

    キャプテン性格は何げに可愛いけど
    イメージ的にマッチョ

    403 :

    僧侶の声がリトバスのクドって印象がある

    404 :

    そういや賢者なのに攻撃魔法しかつかえへんの?

    405 :

    おっぱいでかくて薄デカ乳輪なら最高だよね

    406 :

    >>404
    このスレタイで考えてみろ!

    407 :

    伸びてるから来たのかと思ったら気持ち悪い雑談かよ氏ね

    408 :

    ―――砂漠地帯 オアシス

    僧侶「あ!!ゆーしゃさまー!!!こっちですよー!!」

    ドラゴン「……」ズゥゥゥン

    青年「ここは暑いですね」

    僧侶「勇者様っ。どうぞ、これで汗を拭いてください」

    青年「新品じゃないですか。貴女が使用したタオルをください」

    僧侶「不衛生では……?」

    青年「僕にとっては清潔の極みです」

    僧侶「では、少し臭いますけど……」モジモジ

    魔法使い「駄目だって!!」

    賢者「お嬢ちゃん、よかったのか?」

    戦士「こうすることを勧めておいて、そんなこと言わないでください。それに貴方は分かるんでしょう?」

    賢者「まぁな。あらぁ、酒が空じゃねえかよぉ。兄ちゃん、俺を生かした罰として酒がある街まで運んでくれやぁ。年取ると暑さもだめでなぁ」

    青年「そうですね。今日は久々にパジャマパーティーをしたいですし、状況を整理しましょう。デヘヘヘ」

    エルフ「本音が漏れてるよ」

    409 = 396 :

    きたぁぁぁぁああ!

    410 = 408 :

    ―――砂漠の街

    青年「しかし、貴女もついて着てくれるとはとても嬉しいです」

    戦士「あの状況は仕方ないじゃないですか」

    青年「側室としての自覚が芽生えてきたのですね。とっても嬉しいです」

    戦士「あの、私は側室になる気なんてありませんから。そこははっきりさせておきます」

    青年「ホワイ?」

    戦士「私がついて来たのは王女様から真実を聞いたからです。でも、私一人ではその真実を国民に伝えることはできない。いえ、伝えることができても信じてはもらえないでしょう」

    賢者「まぁ、そうだろうな」

    戦士「でも、貴方たちとなら打開策が生まれるかもしれない。そう思っただけです」

    竜娘「一理あるな」

    青年「生まれるのは打開策だけではないでしょうね」

    戦士「え?」

    青年「子供も生まれる」キリッ

    戦士「真面目になってください」

    魔法使い「こいつが真面目になるわけないでしょ?諦めなさい」

    412 = 408 :

    ―――宿屋

    主人「えーと、7名様の宿泊でいいんですか?」

    青年「いえ、5名で」

    主人「分かりました。それにしても貴方、若いのにやりますねぇ」

    青年「もう腰痛で大変です」

    主人「ベッドを壊さないでくださいね」

    戦士「破廉恥なこと言わないでください!!」

    青年「これは生物として当然の行動ですが」

    戦士「……」

    賢者「兄ちゃんに何言っても無駄だ」

    戦士「分かってますけど……」

    魔法使い「いちいち注意するのも面倒なのよね。つっこんでたらキリがないし」

    エルフ「そうだね」

    竜娘「あれは病気みたいなものだ」

    僧侶「あの……あまり勇者様の悪口は……」

    413 = 408 :

    ―――寝室

    魔法使い「疲れたでしょ?」

    戦士「え、ええ……」

    僧侶「ところで、王女様が話した真実とは?」

    戦士「各地で発生している人攫いは王女様……いえ、あの王女に関係していることでした」

    僧侶「どういうことですか?」

    魔法使い「なんでも王女のバックに魔族がいるらしいわ。そいつが人を攫っては生命力を奪い、力を蓄えている。そのお零れを王女は貰っているみたいね」

    僧侶「それって……」

    魔法使い「3年前、魔道士が行っていたことを一緒ね」

    僧侶「……人の命を……なんだと……」

    魔法使い「抑えて。それを止める為に今から動くんだから」

    僧侶「……」

    戦士「ですが、この砂漠地帯に来たのはキマイラを追うためでしょう?キマイラがいるのはあの城の中だと思います。ここに居る理由が薄いのですが」

    魔法使い「こっちが拠点で城が支部ってこともあるでしょ?まだ調査中だし、何も分かっていないもの」

    戦士「そうですか。そういえば、遺跡には真実を映す鏡があると聞きましたが、それはどうなったのですか?」

    414 = 408 :

    魔法使い「それもまだ調査中。でも、キマイラらしき影が何度も遺跡に出入りしているのは確かみたい。何かはあるのよ」

    僧侶「真実を映す鏡は幻を打ち消す鏡ですからね。もし、それを警戒しているということは……」

    戦士「王女は……幻……。あるいは……」

    青年「キマイラが超絶美少女の可能性もありますね」ガチャ

    戦士「なっ!?なにノックもせずに入ってきているんですか?!」

    青年「君たちの着替えに遭遇するためだ」

    戦士「非常識でしょう?!貴方達も何か言ってください!!」

    僧侶「いつものことですから」

    戦士「……」

    魔法使い「二人は?」

    青年「キラちゃんを連れてくるように言いました。もうあの国の調査は必要ありませんので。それにもう一国に喧嘩を売っちゃいましたからね、戦力は揃えておきましょう」

    戦士(義父さん……)

    青年「……さてと、みなさん。重大なお知らせがあります」

    魔法使い「なぁに?」

    青年「今日、正式に10人目の側室が誕生しました。これであとは僕が嫁を貰うだけとなったのです。拍手」パチパチパチ

    415 = 408 :

    僧侶「わー」パチパチパチ

    魔法使い「嫁って誰?あてでもあるの?」

    青年「やだなぁ。これから探すんじゃないですか。王女様は生憎とご縁がなかったで」

    戦士「はぁ……」

    青年「大丈夫ですよ。みんな平等です。愛に偏りがあってはならないのです」

    戦士「そんな心配してません」

    青年「それで、遺跡に関して何か分かりましたか?」

    魔法使い「まだ何も。キマイラが何度も出入りをしていたことぐらいね」

    青年「内部の様子は?」

    魔法使い「ゴンちゃんが潜入したけど、ミイラが一匹いるだけみたい。宝を守ってるって言ってたらしいわ。キマイラについては知らないって」

    青年「敵か味方かわかりませんね」

    戦士「そのミイラを掴まえなかったのですか?」

    魔法使い「その子自身は何も悪いことしてないからね。近辺の街や村を襲ったっていう事実も今のところはないし、侵入者も危害はくわえないで脅かして追い出すだけみたいだから」

    戦士「それは信じていいんですか?」

    魔法使い「ゴンちゃんは会えばわかるって言ってたけど……」

    416 = 408 :

    青年「では、会いに行ってみましょうか」

    僧侶「これからですか?」

    青年「そう。5人で」

    戦士「あの人はまた酒場ですか」

    青年「そうでしょうね」

    魔法使い「もしキマイラがいたらどうするの?私たちだけじゃ太刀打ちできないわよ?」

    戦士「いえ、それはミイラに話を聞けばわかるはずです」

    魔法使い「……そういうこと」

    青年「ただ、危険なことには代わりはありません。注意していきましょう」

    僧侶「あ、勇者様。また、お一人でご準備を?」

    青年「これぐらいさせてください。いつも貴方達には苦労をさせてしまっていますし」

    僧侶「もう……そんなことないです」

    魔法使い「……ありがと」

    青年「もっと、ツンっとしてくださいよ」

    魔法使い「バッカじゃないの?」

    417 = 408 :

    ―――フィールド

    賢者「うーぉ……あつぅーい……」

    魔法使い「ホントに……」

    戦士(汗も出ない……鎧が熱をもってあつい……)

    僧侶「はぁ……はぁ……」

    青年「みなさん。辛そうですね」

    魔法使い「あんたは元気そうでなにより……」

    青年「この状況を打破するいい方法があるんですが」

    戦士「なんですか?」

    青年「ふっふっふっふ……」

    魔法使い「却下」

    青年「貴女が氷の魔法を使い、みんなに抱きついていく。完璧な暑さ対策です」

    魔法使い「だから、却下だってば」

    戦士「いいですね……そうしましょう……」

    魔法使い「なにいってんのよ……」

    418 = 408 :

    魔法使い「……」コォォ

    僧侶「あぁぁ~……生き返ります……」ギュゥゥ

    戦士「きもちいぃ……」ギュゥゥ

    魔法使い「ちょっと!!変なとこ触らないで!!というか抱きつかれてるんだけど!?」

    青年「……いい画だ」

    賢者「兄ちゃんは色んな趣味があってうらやましいね」グビグビ

    青年「褒めないでください」

    賢者「真実の鏡。あったとして、兄ちゃんにはとれんだろ?」

    青年「何故ですか?」

    賢者「真実が映っちまうからな」

    青年「問題ないでしょう。僕はいつでも全裸で生きていますから」

    賢者「よくいうぜ。厚い皮で覆われてるくせに」

    青年「……いつになったら一皮剥けるんでしょうね……僕は……」

    賢者「そっちじゃねえよ」

    魔法使い「きゃぁ?!胸をもむなぁ!!」

    419 = 408 :

    ―――遺跡

    戦士「あぅぅ……」ギュゥゥ

    僧侶「もっと……」ギュゥゥ

    魔法使い「もうお終い!!」

    賢者「おーぅ……異様な雰囲気だぜぇ」グビグビ

    青年「ごめんください!!!」

    ミイラ「―――はぁーい!!ようこそぉ!!砂漠の楽園、我がミイランドへ!!!」

    僧侶「きゃ!?……びっくりしましたぁ」

    ミイラ「おっほぉ!!これはこれは可愛らしい人間さんだこと!!ささ、どうぞ!!!こちらへぇ!!」

    戦士「(侵入者は脅して追い返すのではなかったんですか?)」

    魔法使い「(いや、でも十分怖いでしょ?)」

    ミイラ「お茶もすぐにお出ししますねぇ!!」

    賢者「おーぅ。酒はねえのかい?」

    ミイラ「お酒もありますよー!!!飲んでいってくださいなぁー!!!」

    賢者「んじゃ、およばれするかぁ」

    420 = 408 :

    青年「そうですね。折角ですし」

    戦士(危険はないということなのかな……)

    青年「(何か意図はあるんですか?)」

    賢者「(いや、ねえな。あのミイラのお嬢ちゃんは俺たちを本気でもてなそうとしてるぜ)」

    青年「え?今、なんと?」

    賢者「だから、本気で俺たちを―――ああ、あのミイラはメスだな。包帯でわかんねえけど」

    青年「失礼ですが、ミーちゃんとお呼びしても?」

    ミイラ「いいですよぉー!!」

    青年「素顔を見せてくださいよ」

    ミイラ「やでーすっ!」

    僧侶「賑やかなかたですね。なんだか楽しくなります」

    魔法使い「そうね。悪い子ではないんでしょうね」

    戦士「……」

    青年「貴方の内面を見せてください」

    ミイラ「やです!―――さぁ!!こちらで歓迎パーティーをしまーす!!!遠慮は結構!!無礼講でいきましょー!!!」

    421 = 408 :

    ミイラ「どうぞ、どうぞ!!お肉もあるんですよぉー!!赤ワインによくあうと思いまーす!!!」

    青年「これは……」

    戦士「うっ……!?ひどいにおい……!」

    僧侶「なんだか……お肉の色が鮮やかなんですけど……」

    魔法使い「これ……腐ってるわね……」

    賢者「おぅ、ミイラのお嬢ちゃん」

    ミイラ「おかわりですか!?」

    賢者「ちげえんだ。これは食えねえなぁ」

    ミイラ「なんで食べられないんですかぁ!?美味しいですよぉ!?」

    戦士「それは貴女にとってはでしょう?私たちが食べれると命の危険さえあります」

    ミイラ「そんなこといわずに食べてみてくださいよー!!ぜったい、ぜったい!!おいしいですからぁ!!」

    青年「食べたいのは山々ですが……流石に……」

    ミイラ「ほらー!!くえー!!!」

    僧侶「ひっ」ビクッ

    ミイラ「折角用意したんですから食べて行ってくださいよぉー!!!」

    422 = 408 :

    青年「なるほど。侵入者が逃げ出すわけですね」

    賢者「純真もここまでくれば恐怖だなぁ」

    ミイラ「ほら、ほら。この部分なんてほっぺがおちるほどおいしいですからぁ!!」

    戦士「や、やめ……」

    ミイラ「食べさせてあげますねー!!!」ググッ

    戦士「んー?!」

    青年「やめてください!!」

    ミイラ「貴方が食べますか!?」

    青年「な……!?」

    ミイラ「どーぞ!!どーぞ!!ほら、いっぱいありますからぁ!!!」

    青年「ちょっと、まって……」

    ミイラ「うへへへへ」ググッ

    青年「なんて……力だ……!!!」

    魔法使い「ちょっと!!いい加減にしなさい!!もてなしはいいから!!」

    ミイラ「なら貴女がお肉たべますか?!」

    423 = 408 :

    僧侶「……はむっ!」パクッ

    戦士「な、なにを?!」

    賢者「おいおい……」

    僧侶「……」モグモグ

    魔法使い「なにやってるの!?早く吐いて!!」

    僧侶「……」モグモグ

    青年「美味しい……ですか……?」

    僧侶「うっ―――」

    戦士「あー!!だから、言ったのに!!」

    賢者「いくら自動的に治癒ができるからって、無茶しすぎだぜぇ?」

    青年「大丈夫ですか?」

    僧侶「……食べないほうがいいです」

    魔法使い「見りゃわかるわよ」

    ミイラ「どーですか!?美味しかったですよね?!」

    僧侶「ごめんなさい……私の口には合いませんでした……」

    424 = 408 :

    ミイラ「嘘ですよー!!!どうしてそんな嘘をつくんですかねー?!」

    僧侶「ご、ごめんなさい……私の味覚が悪いんです……」

    ミイラ「貴方達も食べて!!食べて!!ほら、ほら!!」

    青年「……どうしますか?」

    賢者「食わせるまで退く気は微塵もないみてぇだな」

    青年「では、退却しましょうか」

    賢者「賛成だ」

    ミイラ「どこいくんですかぁ?!料理はまだ残ってますよー!!!」

    青年「ちょっと、お手洗いに」

    ミイラ「そーですか」

    青年「さ、みんな連れションですよ」

    賢者「おーぅ」

    戦士「立てますか?」

    僧侶「な、なんとか……」

    魔法使い「もう、ああいう無茶はしないでよ。いくらアンタでも即死したら生き返ることはできないんだから」

    425 = 408 :

    ―――砂漠の街 酒場

    賢者「ん……んっ……んっ……」グビグビ

    賢者「ぷっはぁ……うめぇ……」

    青年「彼女を何とかしないと遺跡の調査は進みませんね」

    戦士「あの、他に目的がなかったんですか?あの腐った料理で侵入者を殺そうとしているとか」

    賢者「ねえな。あの子は純粋に手料理を振舞って、客人を喜ばそうとしているだけだぁ」

    魔法使い「あの様子じゃ話もまともに聞いてもらえそうにないわね」

    戦士「ドラゴンが言っていたことは正しかったんですね」

    魔法使い「危害はくわえてないけど……でもね……」

    僧侶「でも、どうしてあそこまで必死になっていたんでしょうか……」

    賢者「……ミイラのお嬢ちゃん、嬉しそうだったろ?」

    戦士「まさか、ずっと遺跡に一人で……寂しかったからとか……?」

    賢者「違うなぁ。あの子はあの遺跡で生まれ育った魔物みてえだ。あそこに一人でいることには不満もなにもねえんだろうよ」

    青年「キマイラが出入りしてたんですよね。ということは……彼女は……」

    賢者「正解だ、兄ちゃん。あのミイラのお嬢ちゃんはキマイラの指示に従っているんだ。従えることが嬉しいんだな」

    426 = 408 :

    魔法使い「でも、それがなんでおもてなしなの?」

    賢者「あのミイラっ娘は……バカだ」

    戦士「馬鹿って……」

    青年「可愛いじゃないですか。何か問題でも?」

    賢者「キマイラにこう言われたんだ。侵入者は丁重にもてなせとな」

    魔法使い「あの子、言葉の意味をそのまま受け取って……?」

    青年「ほぅ……?」

    僧侶「いい子ですね、とっても」

    賢者「故に厄介だ。魔王の眷属でもあったキマイラからの指示を受けられる。それはミイラっ娘にとっては至極の喜びになっちまってる」

    青年「つまり、彼女はどんな手を使ってもおもてなしを遂行しようとする」

    賢者「単純に腕力もあるみてぇだしなぁ。ありゃあ、手ごわいぜ。心が読めても意味がねえ」

    戦士「思考と行動が直列なら貴方にとっては天敵ですか」

    賢者「いや……俺ぁああいうタイプが好みだけどなぁ」グビグビ

    戦士「は?」

    青年「困りましたね……。愛のパワーを持ってしても、あれほど腐敗が進んだ肉を飲み込むのは無理ですし……」

    427 = 408 :

    戦士「魔王に協力を願うのは?ゾンビですし」

    青年「腐った肉は食べません。あの子もグルメですからね」

    戦士「リビングデッドなのにグルメって……」

    賢者「殴ってやめさせるかぁ?」

    青年「それは乱暴すぎますよ」

    賢者「そうかい?」

    青年「一線を超えてはなりません」

    賢者「……」

    戦士「あの、キマイラの情報を聞けないならあまり拘る必要もないのでは?」

    青年「何を言っているんですか。あのミイラは女の子なんですよ?嫁になるかもしれないのに拘らないでどうするんだ!!!言ってみろ!!!」

    戦士「……どうなんですか?」

    賢者「真実の鏡がありゃあ、王女がしていることを国民に信じさせるのもわけねえだろぉ?」

    戦士「なるほど」

    魔法使い「鏡を手に入れるためにも、あの子をなんとかしなきゃね」

    僧侶「ですね……」

    428 :

    もう寝たか?とりあえず乙

    429 :

    いやこの>>1は油断できないのだよ

    430 :

    とりま乙

    431 = 397 :

    おっつ乙

    432 :

    戦士「でも、あのお持て成しを突破する方法なんて……」

    青年「うーん……」

    「お困りのようでございますね、ご主人様」

    青年「……む」

    戦士「貴女は……!」

    「ここは私のご奉仕が必要でしょうか?」

    青年「何をしてくれるのかね?」

    「お料理、お洗濯、お掃除……なんでも」

    青年「では……お料理からやってもらおうか」

    「畏まりました」

    青年「くくく……」

    「出来上がりましたわ、ご主人様」

    青年「なんだこれは?」

    「え……?」

    青年「体に盛れよ。そんなこともできないでなにがメイドだ?ふざけるんじゃない」

    433 = 432 :

    「ですが、それは……」オロオロ

    青年「さあ、盛れ」

    「わ、わかりました……。も、盛らせていただきますわ……」

    青年「ああ、それでいい」

    「―――では、ご主人様の股間にマグロのお頭を乗せます」

    青年「分かってるじゃないか」

    「では、採点をお願いいたします」

    青年「……74点だ」

    「くっ……。何故ですか……」

    青年「メイドたるものもっと慎ましくしていないとダメだ。まだ秘書としてのプライドが抜けていないのか、上から目線だぞ。そんな高圧的なメイドなんて、一部のご主人様にしか評価してもらえない」

    「精進、します」

    戦士「……」

    魔法使い「おかえり。随分とゆっくりだったわね」

    エルフ「ガーちゃんのメンテナンスに手間取っちゃって」

    竜娘「何か進展はあったのか?」

    434 = 432 :

    賢者「兄ちゃん、この子が噂の4歳児か?」

    青年「貴方は初対面でしたね。キラちゃん、挨拶を」

    「キラーマジンガです。性別は美少女。スリーサイズは秘密です」

    青年「僕の自慢の娘であり、秘書であり、メイドであり、良き側室です」

    「キラちゃんとお呼びください」

    賢者「いいねぇ……。キラちゃんか。よろしくぅ」

    「はい。よろしくお願いします」

    賢者「キラちゃん。何か食べるか?」

    「いえ。私は食物を口にすることはありません」

    賢者「なら、何か飲むか?」

    「飲食はできません」

    賢者「そうかい?残念だなぁ」

    「お気持ちだけで十分ですので」

    竜娘「―――お前たちもミイラにやられたか」

    魔法使い「ということはゴンちゃんも?相当手ごわいのね」

    435 = 432 :

    青年「そうだ。年上の男性との接し方を学ぶチャンスだな」

    賢者「おぅ?なんだい、そりゃぁ?」

    「私は様々な人と接しながら、感情の揺らぎを学んでいます」

    賢者「へぇ」

    「また、同じ状況を何度か経験し、感情の平均化を常に図っています」

    賢者「面白そうだなぁ。どんな感じでやってんだ?」

    青年「それはですね―――」

    僧侶「一口食べてみたんですけど……。ダメでした」

    竜娘「あの肉は数年前の肉だ。食べれば死ぬぞ」

    僧侶「……」

    戦士「あれほど腐敗していれば、飲み込む前に体が拒否して吐き出しますよ」

    魔法使い「とはいえ、食べないと前へは進めないしね」

    エルフ「焼いてもダメなのかな?」

    竜娘「無駄だ。焼いて誤魔化したにしろ、食べれば無事ではすまないぞ。それでもするなら、止めはしないがな」

    僧侶「そうですよね。お腹痛くなっちゃいますし……」

    436 :

    キラちゃんキタ―――――――――

    437 :

    性別は美少女w

    438 = 432 :

    竜娘「そういう問題ではないんだがな」

    僧侶「そうですか?」

    戦士「腐った肉も貴方なら食せるのでは?」

    竜娘「俺を何だと思っている?」

    魔法使い「まぁ、無理よね」

    エルフ「だよね。そうだ。ガーちゃん?」

    「父さん、今日は私の大切な人を紹介します」

    青年「なんだって?」

    賢者「うぃーす、パパさん。この娘、俺にくれぇ」

    青年「俺より年上じゃないか!!却下だ!!」

    「そんな!でも、とっても優しいの!!」

    賢者「そうだぜぇ?俺ぁ、優しいんだぜぇ?」

    青年「そういう問題じゃない!!お前は親の心がわからないのか!?」

    「歳の差なんて関係ないじゃない!!父さんのわからずや!!」

    賢者「パパさんよぉ、娘を俺にくれよぉ」

    439 = 432 :

    青年「親の気持ちも考えない不良はこうしてやる!!こうしてやる!!」ペシンッ!!ペシンッ!!

    「あんっ、あんっ」

    賢者「パパさんよぉ……なにやってんだぁ?あぁ?」

    青年「なんですか?他人の教育方針に口を出さないでくれますか?」

    賢者「俺もまぜろよ」

    「そ、そんな……やめて……」

    青年「てめえはのもう袋のネズミだ。覚悟しろ」

    賢者「くっくっくっく……たっぷりと可愛がってやるぜぇ?」

    「いやぁ!!」

    戦士「彼らは何をしているのですか?」

    エルフ「ガーちゃんの勉強会」

    戦士「べ、勉強?」

    エルフ「ガーちゃんは機械兵士だからね。ああやって、感情を学習してるんだよ」

    戦士「機械兵士!?」

    エルフ「あれ、言ってなかったっけ?」

    440 = 432 :

    青年「おらっ!おらっ!」

    賢者「でへへへ、もっといい声でなけよぉ」

    「……もう……こんな生活は……いやです……」

    青年「なんだと?」

    「どうせ……こんなところで嬲られ続ける一生なら……殺してやるっ!!」

    賢者「お、おい……やめろ……やめろぉ!!ぎゃぁぁぁ!!」

    「はぁ……はぁ……」

    青年「わ、わかった……。許してくれ……。俺は実の父親だぞ……」

    「お前なんて!!父親じゃない!!!」グサッ

    青年「あぁ……ふふ……お前は……この業を一生……背負って……生きて……」ガクッ

    「私は……殺人機。キラーマジンガ」キリッ

    魔法使い「スカっとしたわ」

    僧侶「感動巨編でした」

    戦士「あれでどのようなことを学習しているのですか?」

    エルフ「さぁ。でも、楽しそうだからいいじゃん」

    441 = 432 :

    青年「いやぁ。流石だな。200点だ」

    「100点をこえた……!?」ガクガク

    賢者「なるほどなぁ。こういう場面を疑似体験させて、人間ならどういう風に行動するかを学ばせているわけか」グビグビ

    青年「ええ。とはいえ、キラちゃんはもう人間ですからね。自分で考えて自分で行動できます。人間のように」

    「に、にひゃく……まさかのオーバーフロー……」

    僧侶「よかったですね」

    「次は300点を目指します」

    僧侶「わー」

    戦士「……」

    竜娘「それでミイラの対策は練れたのか?」

    エルフ「そうそう。ガーちゃん」

    「なんでしょうか?」

    エルフ「ガーちゃんが一時的に腐った肉を体内に入れるっていうのはどうかな?」

    竜娘「壊れないのか?」

    「マスター、私の心配を?嬉しいです」

    442 = 432 :

    竜娘「違う。お前には利用価値があるから、壊れたら困るだけだ」

    「マスター、もっとこき使ってくれても構いませんよ?」

    竜娘「俺ではなく奴の指示に従えと言っているだろ?」

    「ですが、マスターの直接指示ならば最優先します」

    竜娘「そうか……」

    青年「キラちゃん、こっちおいで」

    「はい」テテテッ

    青年「で、その作戦は巧くいくんですか?」

    「……」

    エルフ「ガーちゃんの中に袋を入れて、そこに肉が収まるようにすればなんとかなるかも」

    戦士「バレませんか?」

    賢者「ミイラっ娘は多分気がつかないだろなぁ。あくまでも個人的な見解だがよぉ」

    青年「魔物の心も読めるだけでこうもスムーズに事が進むのはいいですね」

    賢者「だろ?俺ぁ、賢いからなぁ」

    戦士「……」

    443 = 432 :

    魔法使い「なら、その方法で行ってみる?」

    青年「試す価値はあるかもしれませんね」

    エルフ「ガーちゃん、こっち」

    「優しくしてください」

    エルフ「するする」

    竜娘「俺も付き合おう」

    賢者「俺もいいかぁ?」

    僧侶「私たちは明日の準備をしておきましょうか」

    魔法使い「そうね。また砂漠を行軍するわけだし」

    戦士「……」

    青年「どうかされましたか?」

    戦士「え?ああ、いえ……」

    青年「大丈夫ですよ。別に露出を強要したりはしませんし」

    戦士「何の話ですか。あっち行ってください」

    青年「冷たいですね。まぁ、そういう人ほど体温は生暖かいんですけど」

    444 = 432 :

    ―――道具屋

    僧侶「日焼け止めはいりますか?」

    魔法使い「うーん……」

    青年「恥ずかしい日焼けでも作りますか。貴女の背中に『ゆーしゃLOVE』とか」

    魔法使い「するわけないでしょ?」

    僧侶「私はどこにしましょうか?」

    青年「そうですねぇ……。胸とお尻とおでこにしましょう」

    僧侶「頑張ります」

    魔法使い「頑張らなくていいから」

    戦士「……仲がいいですね」

    青年「貴女も我々の仲間ですよ。華の側室組です」

    戦士「嫌な響きですね。何度も言いましたが、私は側室になる気はありません」

    青年「貴女に拒否権はないですけど」

    戦士「浮気をする男性なんて、好きになれませんから」

    魔法使い「普通はそうよね……普通は……」

    445 = 432 :

    青年「何かご不満でも?」

    戦士「今、言いました」

    僧侶「あ、あの、勇者様は皆さんを平等に愛してくれると言っていますから、浮気ではないかと……」

    戦士「は?」

    青年「そうです。浮気というのは……貴女が一番好きだ」グイッ

    魔法使い「な?!ちょっと!!なにしてんのよ!?」

    青年「貴女は二番目に好きだ」ギュッ

    僧侶「私は一番好きです……勇者様ぁ」

    青年「これが浮気です」

    戦士「……で?」

    青年「僕の場合はこうです。―――貴女も貴女も大好きだ!!みんな、幸せにするからな!!」

    魔法使い「……バカ」

    僧侶「おねがいしますっ」

    青年「これを硬派と言わずなんと言いましょうか」

    戦士「軟派って言いましょう」

    446 = 432 :

    青年「分かっていませんね……。ふぅ、まだ側室としての自覚がないのですね」

    戦士「だから……」

    青年「気になることがあれば何でも言ってください。旦那として相談にのりますから」

    戦士「もういいです」

    青年「気になること、あるんじゃないですかぁ?」

    戦士「……いえ。もう私は貴方達を信じるしかないですから」

    青年「嬉しいこと言ってくれますね」

    僧侶「私も貴女のことを頼りにさせてくださいね」

    戦士「え?」

    魔法使い「私たち前衛で戦える人があんまりいないのよね。ゴンちゃんやマーちゃんは規格外だけど」

    青年「キャプテンはアンデッドを前にすると乙女になっちゃいますしね」

    戦士「そうですか……」

    魔法使い「私たちは補い合いながら生き延びてきたから。貴女には私たちにできないことをしてほしいわ」

    戦士「あるでしょうか。貴方達を見ていると不安です」

    青年「何を言っているのですか。その逞しい足を僕専用の枕にするとかあるじゃないですか。大丈夫ですよ」

    447 = 432 :

    戦士「斬りますよ?」

    青年「これを」

    戦士「これは……」

    青年「小剣ですよ。もしかしたら、貴女にはこちらのほうが相性がいいかもしれないと思いまして」

    戦士「……」

    青年「その剣に拘りでもあるんですか?」

    戦士「義父さんが……くれたものだから……」

    青年「そうですか。でも、その小剣は僕からのプレゼントです。受け取ってください」

    戦士「プレゼント?」

    青年「側室入りを祝して」

    戦士「……はぁ」

    魔法使い「そうそう。諦めが肝心よ」

    戦士「分かってます」

    青年「よーし。首輪でも買いましょうか。側室たちに似合いそうな首輪を」

    僧侶「だったら、私はこのオレンジのがいいです」

    448 = 432 :

    ―――宿屋

    僧侶「ふふ……可愛い首輪……。どうですか、似合いますか?」

    青年「とてもよくお似合いで。語尾にワンを付けてください」

    僧侶「はいワン」

    青年「側室ランクを雌犬にしましょう」

    僧侶「ありがとうございますワン」

    戦士「止めなくてもいいんですか?」

    魔法使い「いつも危ないって思ったら自分からやめさせるから問題ないわよ」

    戦士「そうなんですか?」

    魔法使い「あいつはいつもそうよ。本気じゃないの」

    戦士「本気じゃないって?」

    魔法使い「アンタが側室になるなら教えてあげてもいいけどね」

    戦士「……なら、別にいいです」

    青年「お手」

    僧侶「ワンっ」

    449 = 432 :

    ―――廊下

    戦士「……」

    青年「どうしたんですか、こんな夜中に。流れ星でも探しているのですか?」

    戦士「なんですか」

    青年「こちらに来たこと後悔し始めているとか?」

    戦士「いえ……」

    青年「勢いで来てしまったところはありますからね」

    戦士「義父さんを裏切った形になりましたし、それに……」

    青年「何も心配はいりません。僕が助けます」

    戦士「……一つ、いいですか?」

    青年「はい?」

    戦士「貴方は言いましたね。手に届く範囲なら全て守ると」

    青年「言いましたね」

    戦士「守る対象は、貴方の守る基準はあるんですか?敵も味方も守るなんてことはいいませんよね?」

    青年「僕が大切だと思ったものが守る対象です。貴女のような存在のことですよ」

    450 = 432 :

    戦士「では、仮に私が敵になったとしたら?」

    青年「ロミオとジュリエットですか」

    戦士「私が貴方の大切な側室を傷つける立場になったら、どうするつもりですか」

    青年「それはいつか僕たちを裏切るかもしれないということですか」

    戦士「……」

    青年「問題はありません。そのときが来たら遠慮なく、貴方を斬る」

    戦士「……!」

    青年「明確に敵となったらのなら、そうしなければならないでしょう」

    戦士「そうですか。よかった。ただの軟派者ではなかったみたいですね」

    青年「これでも元勇者ですから。決断するべきときはしますよ。でも、そんなことは起きませんが」

    戦士「何故ですか?」

    青年「僕の側室ちゃんが僕を裏切るわけないからですよぉ」

    戦士「……おやすみなさい」

    青年「おやすみなさい」

    青年「……でも、迷われると俺も迷うんだろうけど」


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