元スレ女戦士「元・勇者を探す旅へ」
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101 = 90 :
―――翌日 噴水広場
戦士(遅い……)
青年「申し訳ありません。お待たせしました」
賢者「おーぅ。またせたなぁ」
戦士「いえ、気にしていません」
賢者「嘘つくなよ、お嬢ちゃん」
戦士「嘘ではないです。さぁ、行きましょう。人攫いは本当にいるんですね?」
青年「ええ。その点は大丈夫です。現地に調査員もいますからね」
戦士「調査員?」
青年「頼りになる仲間ですよ。―――そうそう、こちらを渡しておかなくては」
戦士「これは……防寒具ですか」
青年「今から向かう場所は万年雪原になっているところですから」
戦士「え?」
青年「最近の魔物は慎重なんですよ。人が寄り付かない場所に住み、秘密裏に動いているような奴らばかりでして」
戦士「人では踏み込めない大地にいるのは知っていますが……。気付かれないように行動するためだったのですか」
102 = 90 :
青年「ええ。以前の魔王のやり方を模範しているのでしょうね」
戦士「以前の魔王も慎重な行動を?」
青年「度が過ぎるほどに。故に手ごわかったです」
戦士「……そうですか」
賢者「信じられねえってよ。あれだけ派手に攻め込んでこられたらなぁ」
青年「攻め込んでくるときは勝つ確信を得てからですからね。それまでは身を隠しているわけですから、そういう印象を持った人なんて皆無でしょう」
戦士「……」
青年「やはり僕が腕枕をしないと耳に入ってきませんか?」
戦士「関係ないです!!」
賢者「あっはっはっは」グビグビ
戦士「笑わないでください!!」
賢者「兄ちゃん、お嬢ちゃんにこの手の冗談は禁止だっていっただろぉ?」
青年「すいません。それだけ彼女は魅力的で」
戦士「……で、ここからその雪原地帯までどうやって行くんですか?キャプテンの力を頼るんですか?」
青年「いえ。その地域は流氷も多いので、普通の船では行けません。それに寒すぎて陸路も難しい……。そこでこの笛です」
103 = 90 :
―――郊外
戦士「あの、こんな場所まで来て何を?」
青年「かなり目立つので街中では吹けないんですよ。彼女も人目に触れるのは嫌だと言っていましたしね」
戦士「はい?」
賢者「その笛はあの角笛か」
青年「良くご存知ですね」
賢者「俺ぁ賢いんだぜぇ?でも、持っている奴はおろか、存在しているなんて思わなかったけどな」
戦士「あの、なんですか?いい加減、その笛の意味を教えてください」
青年「まぁ、見ていてください。すぐに分かりますよ」
戦士「……」
青年「では―――」
青年「……」ピィィィィ!!!!
戦士「……」
賢者「……」グビグビ
青年「さてと、来るまで談話でもしていましょうか」
104 = 90 :
戦士「来るって、何が来るんですか?」
青年「焦らない。せっかちなのは夜だけでいいんですよ?」
戦士「不潔!!!」
賢者「兄ちゃん」
青年「すいません。これはもう癖のようなものでして」
賢者「なら、仕方ねえけどな」
戦士「仕方ないってなんですか?!」
賢者「俺も多少のフォローはしてやるけどよぉ、こいつの攻撃を全部庇うのはちょっと難しいなぁ。昨晩でそれは全部わかったからよ」
戦士「昨日は何をしていたんですか?」
青年「おや。臆面もなくそれを訊ねるとは、痴女ですか?好都合です」
戦士「違う!!!」
賢者「兄ちゃん、もっと違う方法を思いつかなかったのか?今まで兄ちゃんに惚れた女ってぇのは随分と頭がお花畑なのか?」
青年「俺の女を馬鹿にするのは許さないぞ。みんなとてもいい子だ。この野郎」
賢者「そうかい。悪かったな」
戦士「……ん?何か、空から来る……?」
105 = 90 :
ドラゴン「―――少し遅れたか」ズゥゥゥン
戦士「きゃぁぁぁ!?!?!」
賢者「ドラゴンか……。初めてみたぜ」
青年「粗相の最中でしたか?」
ドラゴン「相変わらずだな。ん?その者たちは?」
青年「今回の協力者です」
ドラゴン「新しい側室候補か?」
青年「それも兼ねています」
ドラゴン「ふむ」
戦士「な、なんですか……!!」
ドラゴン「乗れ。行き先は……」
青年「例の雪原地帯へ」
ドラゴン「情報は正しかったのか」
青年「そのようですね。魔物による蛮行はとめなければなりません。急ぎましょう」
ドラゴン「そうだな」
106 = 90 :
青年「さ、行きましょう。優雅な空の旅へ」
賢者「うぃー」
戦士「の、乗るって言われても……」
ドラゴン「振り落としたりはしない」
戦士「そ、そういうことではなくて……」
青年「安心してください。この子はとても優しいですから。気になるなら尻尾に抱きついてもいいですよ。たまに艶っぽい声を出すときがいいんですよね」
ドラゴン「急に抱きつくからだ」
青年「性感帯なんですよね」
ドラゴン「違うと言っているだろう。いい加減に学べ」
青年「照れちゃって」
ドラゴン「振り落とすぞ」
賢者「仲いいなぁ」
青年「僕の側室ですからね」
ドラゴン「……」
戦士「ま、待ってください!!どうして貴方があのドラゴンを従えているのですか?!」
107 = 90 :
青年「まぁ、色々とありまして。この子も僕の体を過ぎ去っていった一陣の風でして」
ドラゴン「俺の翼が起こした風を受けたことがあるだけだろうが」
青年「そうでしたね」
戦士「貴方……本当に3年前に魔王を倒した……勇者なんですか……?」
青年「どうでした?」
ドラゴン「そうだな。お前は勇者だったのだろう。普段のお前からはそんな雰囲気など一切無いが」
青年「今度、ベッドの上で分からしてやるよ」
ドラゴン「頭から食うぞ」
戦士「……」
賢者「兄ちゃん、お嬢ちゃんは疑ってるぜ。―――人攫いはお前なんじゃないかってな」
戦士「どうして!?」
賢者「図星だろぉ?」
戦士「それは……」
賢者「ホットな話題が人攫いの今、ここで魔物を、それもあのドラゴンを操る男がいる。人攫いの犯人として疑うなってほうが難しいし、そもそもお前は人間なのかも怪しくなるわなぁ」
青年「僕が魔物が化けた人間だという可能性ですか。そうですね、それは否定できません。貴方達の疑念は尤もです」
108 = 90 :
ドラゴン「普通の人間だな。お前の周りにいる奴らは皆、寛容すぎる者ばかりだと思っていたがそうでもないのだな」
青年「こういうタイプは居ませんでしたからね」
ドラゴン「それで、どうする?乗るのか、乗らないのか?」
戦士「私は……」
青年「……そうですね。この状況で信じろというほうがおこがましい。ここでドラゴちゃんとまぐわっても、僕が変態ということになってしまうだけで何の解決にもならない」
ドラゴン「変態なのは知っている」
青年「おや?本当に?では……」
ドラゴン「それ以上、俺に近づいてみろ。燃やすからな」
戦士「あの……」
青年「冗談はさておき、信用できないのも無理はありませんね。僕の浅慮で貴女を怖がらせてしまい、本当に謝罪の言葉もありません。貴方達に同行を頼んでおいてあれですが、残ってくれても構いません」
戦士「……」
賢者「どうすんだ、お嬢ちゃん?」
戦士「……行きます」
賢者「……」グビグビ
戦士「本当に勇者ならそれでいいですし。人攫いを行う魔物だというなら私が討伐すればいい。それだけです」
109 = 90 :
ドラゴン「俺に勝つつもりか。何処かで見た愚者を思い出すな」
青年「誰のことですか?」
ドラゴン「お前だ」
青年「誰が愚か者だ?!あぁ?!勝つ算段しかなかったつーの!!」
ドラゴン「お前一人では無理だっただろ?」
青年「ええ、そうですよ。我が側室がすごい美人で有能だっただけの話です。それが何か?」
ドラゴン「潔いな」
青年「……本当について来るのですね?」
戦士「はい」
賢者「だってよ。なら、俺も行くしかないな」
戦士「貴方はここに居てくれても」
賢者「馬鹿いうなよぉ。俺ぁ傭兵だぜ?どこまでも行くよ。酒が飲めなくなるからな」
戦士「分かりました……お願いします……」
賢者「おぅ。任せてくれやぁ」グビグビ
ドラゴン「では、乗れ。行くぞ」
110 :
あの人か。期待!
111 = 90 :
―――上空
戦士「た、たかい……」
賢者「うぅぅ……」
戦士「どうかしたんですか?」
賢者「きもちわるいぃ……」
戦士「な……」
賢者「ドラさん……どうしてもときぁ、もどしてもいいよなぁ?」
ドラゴン「俺にはかけるなよ」
賢者「うーぃ」
戦士(そういえばこの人、魔法使えないんじゃ……)
青年「防寒具をそろそろ来てください。気温が低くなってきますから」
戦士「はい」
青年「あと、これも」
戦士「これはランプですか」
青年「暗い場所なので火は必要になるかと。こちらのマッチも持っておいてください」
112 = 90 :
戦士「風が冷たい……」
賢者「火照った体には丁度いいやぁ」
青年「ハーピー姉さんとリビンちゃんはどうしてます?」
ドラゴン「何も変わらん。お前に会いたがっていたがな」
青年「そうですか」
ドラゴン「たまには顔を見せてやれ。あの戦いのあと、一度も会ってないだろう?」
戦士「その人は誰ですか……?」
青年「僕の側室です。ハーピーとリビングデッドなんですけどね」
戦士「今から、そこへ行くんですか?」
青年「あとで行きましょう」
戦士「魔物の巣窟へ、ですか?」
青年「いえ。魔王の住む城ですよ」
ドラゴン「……」
戦士「魔王……?!あなたは……やっぱり……!!」
青年「ふふ……」
113 = 90 :
賢者「兄ちゃん、魔王は死んだんだろ?」
青年「魔王も勇者と同じで称号でしかないですよ。魔物の王か人の希望か。それだけです」
賢者「そうかい」
青年「どちらも受け継がれるものであることですからね」
戦士「魔王が復活しているというのですか?」
青年「新しい魔王は2年前に誕生しました。最初は魔王も勇者もいらないだろうと言う事になったのですが、魔物を制御するものがいないと混沌とすると言われまして」
賢者「だからこそ、今は人目に触れないところで悪さする魔物が多いのか?いいねえ」
青年「恥ずかしい話です」
戦士「……魔王……なんですか?」
青年「それは後ほど。―――着きました」
戦士「え?」
ドラゴン「あの古城だな?」
青年「ええ、この辺りで降ろしてください。このまま進めば相手方が逃げてしまうかもしれませんし」
ドラゴン「分かっている。俺は近くで待機していよう。何かあれば呼べ」
青年「はい。頼りさせてもらいます」
114 = 90 :
―――雪原
賢者「ぶはっくしょん!!!―――うぅ、さむいなぁ。酒でも飲んで暖まらないとなぁ」グビグビ
戦士「……」
青年「では、後ほど」
ドラゴン「気をつけろよ。もし、奴なら……」
青年「それは無いでしょう。こんな分かりやすい場所を選ぶとは思えませんから」
戦士(勇者なのだとしたら、彼はどうして……)
賢者「とりあえず人攫いを捕まえてからにしようぜぇ、お嬢ちゃん」
戦士「え?」
賢者「アイツは悪い奴じゃねえよ。俺が保障する」
戦士「そうですか」
賢者「そうやって相手の発言を聞き流すのはどうかと思うけどなぁ」
戦士「そんなことありません。きちんと聞いています」
賢者「そうかい?」
青年「お待たせしました。出発しましょう」
115 = 90 :
賢者「そういえば現地の奴がいるんじゃなかったのかい?」
青年「はい。勿論、合流します」
戦士「魔物ですか?」
青年「人間ですよ。安心してください」
戦士「安心とかそういうことでは……」
青年「震えていますね。愛に飢えているのなら、僕が無限の慕情を貴女に贈りますが」
戦士「……」ズンズン
青年「足下には気をつけてくださいね」
賢者「よかったな、嫌われてよ」
青年「ドラゴちゃんと仲良くしただけで嫉妬されるとは想定外でしたね」
戦士「嫉妬なんてしてません!!!」
賢者「耳はいいんだなぁ」
青年「でも、彼女……」
戦士「きゃぁ!?」ズボッ
青年「実戦経験があまりなさそうですね。実力はあるのに勿体無い」
116 = 90 :
戦士(くっ……なにこれ……落とし穴……!?)
「大丈夫ですか?」
戦士「え?」
僧侶「どうぞ、手を」
戦士「ど、どうも……」ギュッ
僧侶「ふーん……ふーん……」ググッ
魔法使い「なにやってるのよ。一人じゃ無理でしょう」
僧侶「そ、そうですか?」
魔法使い「ちょっとこの辺を溶かせば……」ジジジッ
戦士(触れたところが溶けていく……。火の出さずにどうやって……)
魔法使い「もう動けるかしら?」
戦士「は、はい。助かりました。えっと、貴方達は?」
魔法使い「私たちは後ろにいる馬鹿の仕事仲間よ」
青年「どーも、馬鹿です」
僧侶「勇者様!!会いたかったですっ!!」テテテッ
117 = 87 :
僧侶と魔法使いキタ―――――――――!
118 = 90 :
魔法使い「走ると危ないわよ」
僧侶「きゃぁ?!」
青年「危ない!!」パシッ
僧侶「あ……。どうも……」
青年「お怪我は?」
僧侶「だ、大丈夫です。ごめんなさい」
青年「よかった……。少し焼けましたか?」
僧侶「はい。雪焼けしてしまって……」
青年「魅力が90割増ですね」
僧侶「もう、勇者様ったら」
魔法使い「随分と遅かったじゃない。またどっかで女のお尻でも追っかけてたの?」
青年「はい!」
魔法使い「元気よくいうことじゃないでしょうが!!!」
戦士「この人たちが現地で調査していたという?」
青年「はい。紹介します。僕の麗しの側室ちゃんたちです」
119 = 90 :
戦士「側室……?!」
僧侶「どうも。今年、側室ランクが雌家畜になった者です」
戦士「はぁ?」
魔法使い「あんた!!それは忘れなさいっていったでしょ!?」
僧侶「でも、側室ポイントが一万を超えた証だと勇者様が……」
魔法使い「バカ!!そんなのなんの自慢にもならないでしょうが?!」
青年「嫉妬ですかな、マドモアゼル」
魔法使い「だれがこんなのを羨ましがるのよ!!!」
青年「あ、な、た」
僧侶「いくら貴女でもポイントの譲与は……」
魔法使い「頭痛い……勝手にして……」
戦士(この人とは気があいそう……)
賢者「おーぅ。乳繰り合うのもいいけどよぉ。寒いんだよぉ。進むか休むところへ案内してくんねえかなぁ。おっさんには堪えるんだぜ」
青年「古城へは入れそうですか?」
魔法使い「外壁を融解させておいたからいつでもいけるわ。でも、まだ主がどこにいるのか分かってないのよね」
120 = 90 :
青年「相手のことは?」
僧侶「どうやら吸血鬼がこの辺一帯の魔物を率いているようです。それとやはり何人か人間を拉致してきているのも確かみたいで」
戦士「吸血鬼ですか。この地は夜行性の魔物にとっては恰好の住処なんでしょうか」
賢者「だろうなぁ。晴れる日自体が少なそうだもんな」グビグビ
青年「あいつのことを知っていれば良いのですが……」
魔法使い「それは直接訊いてみるしかないわね」
青年「それもそうですね。行きましょう」
魔法使い「で、貴女は誰?」
戦士「え!?」ビクッ
青年「協力者です。実力もありますし、なにより美人です」
魔法使い「ふぅん。美人は関係ないけどね」
戦士「私はとある任務で彼を―――」
僧侶「最後の側室さんですか?勇者様、10人の側室が揃わない限り身を固めないとか言っているので、助かります」
戦士「違います!!私は側室になる気もありませんし、あの人のことなどなんとも思っていません!!」
僧侶「そうなんですか?でも、そう言いつつも勇者様のことが大好きな人を私は知っているので、大丈夫ですっ」
121 = 90 :
魔法使い「誰のことよ!!!あぁ!?」
僧侶「きゃっ!?」
青年「やめろ!!僕を取り合うな!!僕はみんなのものさっ!!」
魔法使い「取り合って無いわよ!!自惚れるなぁ!!!」
賢者「兄ちゃん、本当にモテてるんだなぁ」
青年「元勇者ですから」
魔法使い「アホ」
青年「誰がアホだ!!?おぉ!?」
戦士「……あの」
魔法使い「アイツに関わらないほうがいいわよ。これっきりにしておきなさい。何をされるか分からないんだから」
戦士「彼は何者なのですか?」
魔法使い「見ての通りのスケベだけど」
青年「知らないんですか?性欲が世界を救うことを」
魔法使い「本当に救ったからすごいわよね」
戦士「彼が魔王を倒したと?」
122 :
テスト勉強に集中できない
123 = 90 :
魔法使い「倒したと言えば倒したことになるのかしら……?マーちゃんが居なかったら負けてたし……」
戦士「マーちゃん?」
魔法使い「ああ、なんでもないの。でも、世界を救ったのは間違いなくアイツね」
戦士「……信じられません」
魔法使い「私もよ」
戦士「え?」
魔法使い「3年前から何も成長してないんだもの。どうやって魔王を倒したのか分からなくなりそう」
戦士「貴女もその場に居たんですか?」
魔法使い「何もできなかったけどね。私はポンコツだから」
戦士「ご謙遜を。魔王と戦うだけの技量があったからこそ、貴女は一緒に戦ったのでしょう?」
魔法使い「私もあの子もそんな実力は無かったわ。ただ、あの馬鹿が私たちをその気にさせたのよ。乗せられたってやつね」
戦士「……本当の話ですか?」
魔法使い「信じなくてもいいわよ。世間では海賊艦隊が魔王を倒したことになってるし、実際あんなただのエロ馬鹿が魔王を倒したなんていうよりは説得力もあるしね」
戦士「彼や貴女が世界の英雄になれたのに?」
魔法使い「そういうのは似合わないのよ。魔法もろくに使えないし。ほら、実情を知ったらがっかりする人も出てくると思うから」
124 = 90 :
戦士「どうして……そんな……」
賢者「人それぞれだ、お嬢ちゃん」
戦士「……」
賢者「富や名声を渇望する者もいれば、あの兄ちゃんみたいに何がしたいのかさっぱりな奴もいる」
魔法使い「アイツのしたいことは明確ですよ?」
賢者「そうかい?」
魔法使い「正妻と10人の側室を作って、悠々自適に暮らすことですからね」
賢者「そらぁ聞いたけどよぉ、だからってうちのお嬢ちゃんを10人目にされたらそらぁ困るぜぇ?こっちは保護者の立場だからなぁ」
戦士「そうだったんですか……」
賢者「そうだよぉ?」
魔法使い「貴女も苦労してるみたいね」
戦士「実は……。といってもこの人とは出会って間もないんですけど……」
賢者「でも、もう仲間だろ?お嬢ちゃん?」グビグビ
戦士「お酒臭い……」
魔法使い「ホント、大変そうね……」
125 = 90 :
―――古城前
青年「侵入路は?」
魔法使い「こっちよ」
戦士「融解させたといっていましたけど?」
僧侶「はい。爆破すると感付かれてしまうので」
戦士「いえ、そういう意味ではなくて。融解させるってどうやって?」
賢者「高温の炎を持続的で放出させるなんてこと、普通の魔法使いにゃできねぇぞ?」
僧侶「はい。普通じゃないんです」
戦士「普通じゃない?」
僧侶「彼女は一般的な魔術師とは違い、手の平や指先から魔力を放出できないんです」
戦士「それって……」
僧侶「魔法の効力がゼロ距離でしか発揮できない特異体質なんです。対象に触れていないとダメージを与えられません。その代わり高威力の魔法を放出し続けることができるんですけどね」
賢者「なるほどねぇ。だから、さっきも触れた箇所の雪だけが綺麗に溶けていたわけかぁ。おもしれぇ体だな」
僧侶「実は私も特異体質で、魔法は一般的な使用法ではあまり効果がないというか、魔力がもたないんですよね。ずっと魔力が垂れ流しになっていて」
戦士「垂れ流し?常に魔力が放出しているということですか?」
126 :
ああこのSSってあのSSの続きか
127 = 90 :
僧侶「はい。今はこの魔封じの腕輪で魔力漏出を防止しています」
賢者「なら、魔法はつかえねえのかい?」
僧侶「利点はあるんですよ。この腕輪を外して、魔力を流します。その状態で私に触れると傷が癒えますから」
戦士「な……」
僧侶「私自身、傷ついたその瞬間に治りますから。便利と言えば便利なんですよ?」
賢者「それでも有効な効果範囲がゼロだから、大変だなぁ。歩くヒーリングスポットっと思えばいいんだろうけどよぉ」
僧侶「あはは、そうですね」
戦士「そのような体質で魔王と戦ったのですか?」
僧侶「え?だ、駄目でしたか?」
戦士「駄目というか……よく死ななかったなと思って……」
僧侶「それは、勇者様がいてくれたので」
戦士「勇者……」
青年「裏手に穴が?」スリスリ
魔法使い「きゃ?!どこ触ってるのよ!!!」
青年「え?貴女のふとももは僕のものでは?」
128 = 90 :
魔法使い「……もう」
青年「ぬほほぉ」スリスリ
魔法使い「ここよ」
青年「ここですか」キリッ
賢者「おぉう、もう入ろうぜ。寒くてしょうがねえよぉ」
青年「入る前に確認しておきたいことが」
戦士「なんですか?魔物との戦闘は何度もあります」
青年「今、好きな人は?」
戦士「……」
魔法使い「今、訊くことじゃないでしょ!?」
青年「あぁん?!大事なことだろうがよぉ?!」
戦士「特定の男性は居ません」
青年「よし。行きましょう」
戦士「……なんなの」
魔法使い「気にしちゃ駄目だからね。いちいち相手にしてたら胃に穴があくから」
129 = 90 :
―――古城 内部
賢者「うぅ……!!さぶぃ……!!中もかわんねーな、おい……」
青年「吸血鬼は暑がりでしたっけ?」
僧侶「にんにくは苦手らしいですけど」
魔法使い「それはおとぎ話よ。実際のバンパイア族の弱点は強い光と暑さぐらいね」
賢者「人間も強い光と暑さには弱いぜぇ?」
青年「確かに。では、吸血鬼には弱点などないと考えたほうがいいでしょうね」
戦士「炎とかあるじゃないですか」
青年「マッチでどうにかなるとでも?」
戦士「いえ、ここには魔術師と賢者がいるんですから」
魔法使い「吸血鬼を縄かなにかで縛ってくれれないと、私じゃダメージを負わせることはできないわよ?」
賢者「俺も腕がさび付いてて、火もでやしねえ」
戦士「貴方は酒場に行かないで勘を取り戻すことに専念してください!!!」
賢者「わりぃな」
戦士(帰ったら契約切ろう……)
130 = 90 :
賢者「そんな厄介者を見るような目で見るなよぉ。居た堪れなくなるだろぉ?」グビグビ
戦士「ふんっ」
賢者「荷物ぐらいはもってやっかよ。な、お嬢ちゃん?」
戦士「知りません」
青年「では、僕も負けじと貴女をだっこしましょう」
僧侶「わーい」
魔法使い「下らない事しないの。どこに吸血鬼がいるのかもわかって無いのに」
青年「どこに居ますか?」
賢者「ん?うーん……上のほうじゃねえか?」
青年「では、上を目指しましょう。魔物だけではなく、拉致されてきた人たちも探さなくてはなりません。この寒さです。命の危険もあるでしょう」
戦士(今は人攫いの吸血鬼を倒すことに専念しないと)
青年「拉致された人たちを見つけたら、状況を見て介抱してあげてください」
魔法使い「そうね」
僧侶「がんばります」
戦士(意外としっかりしているんだ。やはり、勇者……なのかな?)
131 = 90 :
―――中層
青年「ドアノブが凍っていますね」
戦士「どいてください。壊します」
青年「駄目です」
戦士「どうしてですか?」
青年「今は隠密行動中ですから。なるべく音を立てないようにしなくてはなりません」
戦士「そ、そうですか」
青年「お願いします。ザ・側女」
魔法使い「はいはい。―――ふっ」ジジッ
賢者「すげえなぁ。特異体質が為せる技だな。普通なら火の玉ぶちあてて、ぶっ壊すしかねえんだが」
青年「彼女に触れると蒸発しますよ」
賢者「こえぇ、こえぇ」
魔法使い「開いたわ」
僧侶「誰もいませんね……」
青年「次へ行きましょう」
132 = 90 :
魔法使い「―――よし、開いたわよ」
戦士「あ!」
「うぅ……ぅ……」
「あぁ……ぁ……」
青年「なんてことだ!!こんなのにも弱った麗人たちが!!うーむ……順番に頂きましょう」
賢者「俺にもおいといてくれよぉ」
戦士「何いってるんですかぁ?!真面目にやってください!!」
魔法使い「体温が下がってる……。このままじゃ危ないわ」
僧侶「血を吸われているようですね。このままでは……」
青年「なんとかなりますか?」
僧侶「やってみます」
魔法使い「私も何とか暖めてみる。吸血鬼は任せるわよ?治療が終わったらすぐに行くから」
青年「はい」
賢者「おっし。腕がなるぜぇ」
戦士「戦ってくれるのですか?」
133 = 90 :
―――上層
青年「くっ……開かないか……」
戦士「壊しますよ?」
青年「そうですね。吸血鬼もいるすればこの部屋ぐらいでしょうし」
賢者「お!お嬢ちゃん、がんばれよ」グビグビ
戦士「せぇぇい!!!」ガキィィン
戦士「……っ。硬いですね」
青年「大丈夫ですか?」
戦士「は、はい。もう一度、行きます。―――でぁぁぁ!!!」ガキィィン
青年「よし。開けましょう」
戦士「はい」ギィィ
賢者「さぶぃ……なんだぁ、ここぁ?」
青年「……」
「―――これはこれは。誰かと思えば。いえ、ここまで来ることができる人間は貴方しかいませんね」
戦士(天井に何かいる……。コウモリ?)
134 = 90 :
賢者「ありゃ、コウモリじゃねえよ。吸血鬼だな」
戦士「え?」
吸血鬼「ようこそ、勇者殿。我が古城へ」
戦士「……!!」
戦士(魔物が勇者って……!?)
青年「貴方が姿を消してから随分と探しましたよ。さあ、帰りましょう」
吸血鬼「帰る?我輩に帰る場所などありはしませんよ、勇者殿。貴方のおかげでね」
青年「何を言っているのですか」
吸血鬼「我々の居場所はすっかり変わってしまった。人間と手を取り共存などど言う……。エルフが犯した過ちをもう一度、繰り返そうとしているではありませんか。それも今度は魔王自ら」
青年「共存といっても共依存ではありません。互いに不文律を守り、生きていこうと―――」
吸血鬼「そんなことは出来ない。歴史がそれを証明しているでしょう、勇者殿?」
青年「もう魔王は消えたし、勇者もいない。世界はこれから生まれ変わるんです」
吸血鬼「魔族の我らが住処をニンゲンごときに譲り、世界の端へと追いやられて、ですかな?ふっふふふ……。我輩の同志はこういっていますよ?―――魔族と人間の立場が入れ替わっただけだと」
戦士「私たちがお前たちと一緒だっていいたいの?!」
吸血鬼「その通りです。今や人間は魔族の住処を荒らしている。侵略しているのと一緒でしょう。いいですね。そちらには勇者という『魔王』がいて。さぞ、心強いでしょう?」
135 = 90 :
青年「……」
賢者「そう来るかい……。酒がまずいぜぇ」
戦士「自分たちがやったことを棚に上げて何を言って……!!」
吸血鬼「やられたらやりかえせばいい。そういうことなのでしょう?」
戦士「それは……」
吸血鬼「ならればこそ!!我輩もこの雪原に佇む小さな古城から、人間たちをもう一度恐怖の渦へと叩き込むことも許されるはずです!!!」バサッ!!!
青年「貴方が魔王になろうというのですか?」
吸血鬼「それもいいでしょうね。今はまだ血が足りないですが」
戦士「血……?」
吸血鬼「そうですよ、お嬢さん。―――血があれば、こんなこともできます!!!はぁ!!!」シャッ!
戦士「え?」
青年「あぶない!!」バッ
吸血鬼「くっくっくっく……。忌々しいですが、人間の血は我輩の活力となる。今のように氷の刃も簡単に飛ばすことができる」
賢者「そりゃぁ、やべえぇな。あんな天井から攻撃されちゃあ、手も足もでねえわ」
青年「飛び道具はないのですか?」
136 = 90 :
賢者「あったら、真っ先につかってらぁ」
青年「ですよね」
戦士「あの……どいてください……」
青年「惚れました?」
戦士「いえ。でも、ありがとうございます」
青年「いえいえ。さてと……どうやって、追い詰めましょうか」
戦士(追い詰めるって……この状況で勝つつもりなの……?)
賢者「うぃー……しっかりかんがえろぉ」グビグビ
戦士「どうして今、飲むんですか?!」
賢者「飲まなきゃやってられねえよぉ。おっとと、こぼれちまっただろぉ?」
戦士「知りません!!帰ったら契約切りますからね!!」
賢者「殺生な」
青年「あ。いいのあるじゃないですか」
賢者「なに?」
青年「それ、ください」
137 = 90 :
賢者「あぁ、そういうことかぁ。ほらよ」
青年「かんぱーい」
戦士「真面目にやってぇ!!!」
吸血鬼「我輩を油断させようとしているのでしょうが、無駄なことです。ここからどうやって―――」
青年「この布に酒を湿らせて……それから、酒瓶に布をつめて……マッチで火をつければぁ……」
戦士「それって……!?」
青年「よぉーし。さぁ、いくぞぉ」
吸血鬼「何を……」
青年「くらえ!!!火炎瓶!!!!」ブゥン
吸血鬼「無駄に決まっているでしょう!」シャッ
パリンッ
青年「あぁー」
賢者「なにやってんだよぉ。貴重な酒をぉ」
青年「すいません」
戦士「……私が相手だ!!」
138 = 90 :
吸血鬼「ほう?」
戦士「降りて来い!!」
青年「勝てる見込みは?」
戦士「吸血鬼なら倒せます!!」
吸血鬼「よくみれば中々の美をお持ちですね、お嬢さん?」
戦士「……」
吸血鬼「貴方の血ならさぞ、上質でしょう。貴方の血肉を我輩の美貌と魔力に変えてあげましょう」
戦士「お断りだ!!」
吸血鬼「くらえ!!」シャッ!
賢者「あぶねえなぁ」ゴォォ
吸血鬼「……!」
戦士「今のは炎……?!」
賢者「杖の先端を燃やしてみたぜぇ?」
青年「炎の杖ですね。なるほど、先端に酒を湿らせた布を巻きつけてマッチで火を……。うーむ、さすが賢者」
賢者「これでお前の氷刃は無効化されたぜぇ。打つ手なしだ、おりてこいやぁ」
139 :
賢者のセリフがワイルドだぜぇの人の声で脳内再生されてしまう
140 = 90 :
吸血鬼「待てば杖ごと燃え尽きるでしょう?」
賢者「そこに気がつくとは、やるなぁ」
戦士(私、ここで死ぬのかな……義父さん……)
青年「なら、最終手段しかないですね。―――吸血鬼よ。僕たちがどうやってここまで来たと思う?」
吸血鬼「なに?」
青年「この陸の孤島とも呼べる雪原へ」
吸血鬼「……」
青年「それはこれだ―――」ピィィィ
吸血鬼「くっ!?ドラゴン様が来ているのか!?」
青年「まだドラゴンと戦えるだけの力はないでしょう?」
吸血鬼「今すぐ逃げれば―――」
ドォォォォン!!!!
吸血鬼「ひゃぁ!?」
戦士「て、天井が落ちてくる!!!」オロオロ
ドラゴン「―――人間が来た時点で逃げ出すべきだったな」
141 = 90 :
吸血鬼「ひゃぁぁぁ!?!!」
ドラゴン「逃がさん」ガシッ
吸血鬼「あぁ……我輩の野望がぁ……」
ドラゴン「……」
青年「よし。作戦完了」
戦士「さ、作戦って……?」
青年「ドラゴちゃんに外で待機してもらったのは、吸血鬼を陸と空から挟み撃ちするためだったんです」
賢者「……」グビグビ
戦士「挟み撃ちって……私たちが古城へ侵入した時点で吸血鬼が逃げ出してもいいようにということですか?」
青年「そうです」
戦士「今の茶番は……?」
青年「相手が馬鹿をしていれば自分は優位にいると勘違いして最悪の展開を想像しなくなるでしょう?」
戦士「はぁ……」
青年「誰かを人質にされたらたまったもんじゃないですからね」
戦士(魔物の性格も考慮していないと成立しない作戦のような……。それに私たちを連れてきた意味は……?)
142 = 90 :
吸血鬼「くっ……」
ドラゴン「さてと、話してもらおうか。キマイラはどこにいる?」
吸血鬼「……知りません」
戦士「キマイラ?」
青年「僕たちが3年前に戦った前魔王です」
戦士「もしかしてその魔王がどこにいるかわからないんですか!?」
青年「一瞬の隙に逃げ出しまして。3年間探しているんです。僕の側室候補のついでに」
戦士「ついでで探すようなことではないですか!?」
青年「失態ですね。面目ありません」
戦士「あぁ……」
ドラゴン「知らないはずはないだろう?」
吸血鬼「確かに我輩はキマイラ様の思想に賛同し、こうやって外界に出ました。だが、それは我輩が魔王になり、世界を手中に収めるため」
ドラゴン「魔王になってどうする?」
吸血鬼「人間の血は魔力を生み、生への伊吹と成ります。特に美女のは」
ドラゴン「なるほどな。世界中にいる人間の女の血を吸い、永遠の力と美を得ようという腹積もりだったのか……。だが、それは不可能だな」
145 = 90 :
吸血鬼「でしょうね。こうなってしまっては……」
ドラゴン「それ以前の問題だ」
吸血鬼「どういうこ―――」
青年「ふっ……。この元勇者を差し置いて、そんなことができると思ってるのかぁ!!!!」
吸血鬼「ひぃぃぃ!!」
賢者「ドラさんたちが世界を飛び回ってるのは、そういうことだったのか」
ドラゴン「ああ。キマイラは魔王の座にいることを許されるほどの実力者だ。それを野放しにはできない」
賢者「ふぅん……」グビグビ
戦士「各地で増加している行方不明者はこの吸血鬼が首謀者だったってことでいいんですか?」
青年「美女ばっかり狙いやがって!!!おぉ?!幼女や少女もいるんだろぉ?!俺にも分けろ!!」
吸血鬼「知りません!!我輩は美女にしか興味はない!!!完成していない女など我輩の美的感覚からいえば、醜い!!!」
ドラゴン「となれば他にもいるのだな……。人間を拉致している者が」
賢者「行方不明者にゃあ、男もいるからなぁ」グビグビ
戦士「仲間の魔物の仕業でしょう?」
吸血鬼「そうやって全てを魔族の所為にするのですね。人間が人間を攫うことは考えもせずに」
146 = 90 :
戦士「このっ!!」
青年「待ってください」
戦士「どうして?!こいつは私たちを馬鹿にしたんですよ?!」
青年「残念ながら、前例があります」
戦士「え……」
青年「3年前にも人間が人間を誘拐し、魔物に譲渡していることがありました」
戦士「……」
青年「魔物の勢力が強く、行方不明になっても魔物の所為にできるため、国も真剣に捜索することはありませんでしたから、その事実を知るものは少ないでしょう」
戦士「そんな……」
賢者「お嬢ちゃんだって、行方不明者が出ても魔物に襲われたんだって、真っ先におもってたんだろぉ?真実を知らなきゃ人間を疑うなんてできねえよ」
戦士「……」
ドラゴン「心当たりはあるのか?」
吸血鬼「そこまでは流石に。我輩は美女を攫うことしかしませんからね」
青年「とにかく貴方は連行します。いいですね?」
吸血鬼「どこへなりとも行きましょう……」
147 = 90 :
青年「―――二人とも。救護のほうは?」
魔法使い「手の施しようが無い人が何人かいるわ」
僧侶「勇者様……」
青年「分かっています。運べるだけ運び出しましょう」
魔法使い「ええ」
青年「申し訳ありませんが貴方達にも手伝ってもらいます」
戦士「は、はい」
賢者「あいよぉ」
青年「先に吸血鬼を連行して応援を呼んできてもらえますか?」
ドラゴン「よかろう。行くぞ」
吸血鬼「……」
戦士「少しいいですか?」
青年「どうかされましたか?」
戦士「……何故、私たちをここへ?同行させる必要がなかったと思いますが」
青年「それは勿論、貴女と仲良くしたいからですよ?」
148 :
戦士「それだけ?!」
青年「はい。期待していますよ、側室候補として」
戦士(狙いがさっぱりわからない……)
賢者「気にするだけ無駄だって」
戦士「しかし……」
賢者「いいじゃねえか、もうあいつは勇者だ。それは間違いないだろ?」
戦士「ええ……。信じなくてはいけませんね。魔物を従えていることに加えて、魔物が彼を勇者と呼んだのですから」
賢者「あとはとっとと用事を済ませて、兄ちゃんを連れて帰るだけだ。そうすりゃ親父も王女様も大喜びのハッピーエンドだろぉ?」
賢者「早期解決だな。いいことだぜぇ」
魔法使い「こっち手伝って!!」
賢者「あいよぉ」
戦士(勇者……)
青年「これも僕の所為ですね。またこうして戦火が広がろうとしている」
僧侶「そ、そんなことありません!!勇者様!!」
戦士(彼はどうして……)
149 :
あの姫さまと性格が違うし、歳も何か違うと思ったら、別な国の姫様なのか。
まあ、無理せずに気長に書いてくださいな。
150 :
ゆうsy…青年の人脈をフル活用すれば国も魔物も大艦隊も動かせる
本気で取り組めば世界征服も夢じゃなさそうだ
みんなの評価 : ★
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