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    元スレ女戦士「元・勇者を探す旅へ」

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    701 :

    やっと追い付いた
    早く更新してほしいな

    702 :

    上がってたから更新されたと思ったら違った…orz

    703 :

    いいじゃんいいじゃん
    ゆっくり待とうぜ

    704 :

    「……」

    少年「おい、どうしたんだよ?」

    「いや、保険は必要だと思う。勇者も絶対じゃない」

    少年「まぁ、確かに多くの勇者がやられたとは言われているけど、それは魔王の側近とかにだろ?」

    「僕は心配しすぎだと思うか?」

    少年「……お前がそこまで言うなら、みんなに呼びかけるか?」

    「村長はもう助かった気でいるようだし、他の大人も既に安心しきっているからな……。まともに話を聞いてくれるかどうか」

    少年「姉さんには言ってみてもいいんじゃないか?」

    「そうだな。お姉様なら耳を傾けてくれるかもしれない。行ってみよう」

    少年「よし」

    「まぁ、お前の場合、お姉様に会う口実が欲しいだけなんだろうけどな」

    少年「ち、違う!!お前と一緒にするな!!」

    「いいか?男はな、女に対して臆病になったらお終いだ。もっと積極的にならなきゃ向こうは好きになってくれないぜ?」

    少年「恋人のいないお前に言われても説得力ないぜ」

    「この村にはお姉様以外、眼中になしっ」

    705 = 704 :

    ―――城下町

    兵士長「一人で大丈夫なのか?」

    勇者「ああ。心配するな。聞けば軍勢とはいえ小規模のようだしな」

    兵士長「お前がそういうなら……」

    勇者「……ありがとよ。心から心配してくれて」

    兵士長「当然だ。お前と国を守るために働き始めた時期はほぼ同じだし、大事な飲み相手だからな」

    勇者「帰ってきたらまたいつもの店で一杯やろうぜ、相棒」

    兵士長「当たり前だ。早く行って来い」

    勇者「あいよ」

    兵士長「何かあったらすぐに戻ってこい。いつでも兵を動かせるように手配しておく」

    勇者「おーぅ。助かるぜぇ」

    (勇者だ。また戦いに行くんだな)

    (早く魔王討伐にはいかないかな。周辺のザコを倒して名声と報酬だけセコセコ稼くつもりか)

    (腰抜け勇者だ)

    勇者「……」

    707 = 703 :

    待ってました

    708 = 704 :

    ―――農村

    「勇者様が戦っているうちに逃げる?」

    「そのほうがいいかもしれません」

    「でも、この村は囲まれているのでしょう?」

    「相手は勇者です。魔物たちもそちらに気が逸れるはず。その間に……」

    「お父さんがそれを許してくれるかどうか……」

    少年「そうだな。それに村を出ようとした瞬間、食い殺される可能性もあるぞ」

    「……」

    「貴方の考えは間違っていないと思うわ。けれど、勇者様を信頼してあげない?」

    「お姉様……。分かりました、ですが逃げる準備だけはしっかりとお願いします」

    「ええ。やっておく」

    少年「俺も一応やっとく」

    「頼む。もし勇者が討伐に失敗したらすぐに逃げよう」

    少年「……なぁ、やっぱり村のみんなにも言っておいたいいんじゃないか?そういうことは」

    「そのときになるまで分からないんだ。勇者のことを心から信用している村長たちに言っても無駄なことだ」

    709 = 704 :

    少年「だからって、もしお前の予想が当たったとき、俺たちだけで逃げ出そうっていうのかよ!?」

    「なら、全滅することになる。この村で何があったのか誰かに伝えないといけないだろ」

    少年「そうじゃない!!見捨てて逃げるのはどうなんだっていってるんだよ!!!」

    「僕たちに大人たちを説得するだけの力も、助け出せるだけの能力はない!!」

    少年「でも!!」

    「やめなさい。こんなときに」

    「ごめん……」

    少年「……」

    「確かに村の人たちを置いて逃げ出すのは心苦しいことね」

    少年「姉さん」

    「私のほうでも呼びかけてみるから諦めないで」

    「お願いします」

    少年「ありがとう、姉さん」

    「うん。任せておいて」

    「勇者か……」

    710 = 704 :

    「おねえちゃん……?どうかしたのぉ?」

    「あら、起きちゃったの?」

    「誰かとお話してたの?」

    「ちょっとね、ほら、家に戻りましょう」

    「うん……」

    「……」

    「……彼らは何か言っていたか?」

    「勇者様をあまり信頼しないほうがいいって」

    「そうか……」

    「私もそう思う」

    「……」

    「お父さん。確か、地下の収納あったよね。あまり使ってないけど」

    「物置になっているけどな」

    「あそこ、使おう。最悪のことがおきても一人だけでも生き延びないと」

    「そうだな……」

    711 = 704 :

    ―――数日後

    勇者「燃えろ!!」ゴォォ

    魔物「ギャァァイ!!!」

    勇者「……そこか!!」

    魔物「!?」

    勇者「悪いなぁ。俺ぁお前らのことは嫌でもわかっちまうんだよぉ!!!」ゴォォォ!!!

    魔物「ギィィ……」

    勇者(ふぅ……。魔物の数が多いな。奴らの卑しい声が聞こえてきやがる……)

    勇者(いや、卑しいのは魔物だけじゃないか)

    勇者「……あそこが入り口か」

    魔物「……」ウロウロ

    勇者「見張りの魔物は一体……。完全に油断しているとくらぁ……」

    魔物「……」

    勇者「先手必勝だぁねぇ。―――いくぜ!!」ダダダッ

    魔物「……ギ!?」

    712 = 704 :

    村長「勇者様がきてくださったか!!」

    「勇者さま!?勇者さまー!!!」

    勇者「おーぅ。もう安心だぁ。俺に任せとけ」

    (勇者様がきたー!!これでもう大丈夫だ!!)

    (助かったぁ!!助かったよぉ!!)

    勇者「……」

    (勇者でも絶対勝てるとは限らない。みんなは勇者を過大評価している)

    勇者(お……?)

    「……」

    勇者(ちょっとはマシな奴もいるな……)

    「勇者様!!がんばってください!!」

    (きっと大丈夫。村の人たちを裏切ることはしなくていいはず……)

    勇者(えらい別嬪さんだなぁ。こんな呪いがなきゃ俺もあんな女と懇ろになりてぇな)

    少年「勇者!!魔物を退治してくれ!!」

    「あれが……ゆうしゃさま……」

    713 = 704 :

    勇者「では、みなさん。今から魔物討伐にいってくる。ただ、ここに来る途中やむを得ず何匹か魔物を倒してしまった」

    勇者「そのため、向こうは警戒を強めている。俺が戻ってくるまで村からはでないようにしてくれ」

    村長「分かりました」

    勇者「それから。これが一番大事なことだ。よぉくきけよぉ?」

    「……」

    勇者「俺がズタボロで戻ってきたら全力で逃げてくれ。時間稼ぎぐらいはする」

    「なんと……。勇者様それは……」

    「そのときは俺たちも戦います!!」

    「そーだそーだ!!妻と子供ぐらいは守らないといけませんから!!」

    勇者「そうかい?」

    「勇者様だけを置いて逃げられませんよ!!逃げるときは一緒に逃げましょう!!」

    勇者「そりゃあ助かるな」

    「勇者様。がんばってくださいね」

    勇者「おーぅ。まかしときな、お嬢ちゃん」

    「はい」

    714 = 704 :

    勇者「よし、行くか」

    「勇者様。待ってください」

    勇者「どしたぁ?」

    「必ず、戻ってくるということですか?勝っても負けても」

    勇者「ああ。それだけは約束する。ここには戻ってくる。四肢が千切れていようがな」

    「それはグロテスクなのでやめてください」

    勇者「わーったよ。ただ、血だらけは仕方ないぜ?」

    「はい」

    勇者「……ボウズ、兵士になる気はないか?」

    「今のところはありません」

    勇者「そうか……。生きろよ、若人」

    「……?」

    勇者「それじゃあ、ちょっくら、いってくらぁ!!」

    村長「お願いします!!勇者様ぁ!!!」

    「がんばってー」

    715 = 704 :

    ―――農村の外れ

    勇者「……ここかぁ」

    勇者「……数は10。まぁ、奇襲かけりゃあ、一発だな」

    勇者「ふぅー……。行くか」

    勇者「―――爆ぜろ!!!」

    魔物「なん―――」

    ドォォォン!!!!

    勇者(よし、4にまで減ったな。こりゃあ、美味い酒が飲めそうだぜぇ)

    魔道士「―――あっひゃっひゃっっひゃっひゃ~!!」

    勇者「そっちか!!―――爆ぜろ!!!」カッ!!!

    ドォォォン!!!

    魔道士「……いいですよぉ!!!貴方!!!ニンゲンにしては素質がある!!いやぁ!!素質の塊といっていいでしょう!!!」

    勇者(こいつの心の声が上手く聞き取れねえ……!!雑音だらけだ……)

    魔道士「あーっひゃっひゃっひゃっひゃ!!!何を困惑しておられるのですかなぁ!?勇者様ぁ?心を読めないのが不思議ですかなぁ?」

    勇者「なに……!!」

    716 = 704 :

    魔道士「貴方のことは調べさせていただきましたよ。今から数年前に我が同胞に呪いをかけられたとか」

    勇者「それがなんだ?」

    魔道士「貴方のことを魔王様は警戒しておるのですよぉ。妙な呪いを逆手に取る勇者様のことをね」

    勇者「魔王が、俺を……」

    魔道士「そこで、私がこうしてこの辺鄙な場所まで出張ってきたわけですよぉ。貴方の呪いにも興味がありますからねぇ」

    勇者「なんだそりゃあ、まるで俺を誘い出したみたいな言い方だな」

    魔道士「聡明で助かります、勇者様。貴方は私の実験場にまんまと足を運んでしまったのですよ。あっひゃっひゃっひゃっひゃ!!」

    勇者「なに……?」

    魔道士「私の可愛い子供たちは勇者相手にどこまで戦えるのか……試してみたくて仕方がなかったのですよ!!!」

    勇者(こいつ……どうして心が上手く読めないんだ……)

    魔道士「しかし、魔王様も慎重なお方で、この新兵器を試す機会を中々下さらなかった。しかし!!!勇者様のおかげでそのチャンスが巡ってきたわけです!!!!」

    勇者「なんのことだ!?」

    魔道士「私の子供たちは貴方の弱点を的確に狙える存在ですからねぇ!!!あーっひゃっひゃっひゃっひゃ!!!!」

    勇者「弱点だと……」

    魔道士「試作段階でとても醜い姿をしておりますが、ご了承ください。いでよ!!!殺人機!!!キラーマジンガ!!!!」

    717 = 704 :

    勇者「キラー……?」

    マジンガ「オォォォォォォ!!!!!!」

    勇者「な……!?なんだ……こりゃぁ!?」

    魔道士「どうですかぁ?醜いでしょう?ニンゲンの肉が何十と重なり合った姿はぁ!!!あーっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃ!!!!」

    勇者(ただの肉の塊じゃねえかよ……)

    (くる、しい……)

    勇者「!!」

    マジンガ(ダレか……ころして……いたい……シナせてくれ……シにタいヨう……)

    魔道士「ニンゲンを殺すことに特化した私の可愛い子供たちです……ふふふ……あはははは……あーっひゃっひゃっひゃっひゃ!!!!」

    勇者「お前!!まだ生きてる人間を使ったのか!?」

    魔道士「私の新技術です!!生命力を抽出することで新たな魔力とする!!!すごいでしょう!?すごいですよね!!?あっひゃっひゃっひゃっひゃ!!!!」

    勇者「外道がぁ!!!―――爆ぜろ!!!」カッ!!!

    ドォォン!!!

    マジンガ「オォォォォォ!!!!」

    勇者「邪魔すんじゃねえ!!!どきやがれぇ!!!」

    718 = 704 :

    魔道士「あーっひゃっひゃっひゃ。確かにすごい魔力だ。是非とも貴方を私の研究の糧にしたいですねぇ」

    勇者「てめぇ……」

    魔道士「ふふ……。私に協力してくれれば、その忌まわしい呪いも解いてさしあげますよぉ?」

    勇者「なに……」

    魔道士「貴方の呪いは消え、私の研究は捗る!!一石二鳥!!!一挙両得!!!実にお得!!!お得ですよ!!!」

    勇者「断る!!てめえのイカれた研究に付き合うことはしねえよ!!」

    魔道士「おや?そうですか。残念ですね。なら、あの小さな村からサンプルを採取して帰りましょうか」

    勇者「何言ってやがる!!おめえはここで死ぬんだよ!!!」

    魔道士「貴方が私の思考を上手く読めない理由、教えて差し上げましょうか」

    勇者「……」

    魔道士「この対魔法に特化した鎧を着ているためです。貴方の思考解読の魔法が上手に作用しないのですよ」

    勇者「なら、その鎧を壊せばいいんだ」シャキン

    魔道士「物理的に鎧を破壊ですか。いい方法ですが、果たしてキラーマジンガを倒し、私のもとに来ることができますかねぇ」

    勇者「やってやるんだよ!!!これからなぁ!!!」

    魔道士「あーっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃ!!!!身の程をしれぇ!!ニンゲンがぁ!!!」

    719 = 704 :

    マジンガ「オォォォォォ!!!!」ゴォォォ

    勇者「ぐっ!!やめろぉ!!!」ザンッ!!!

    魔道士「ほら、ほらっ!!肉塊すらお前は越えられない!!!あーっひゃっひゃっひゃ!!!」

    勇者「……」

    マジンガ(オねが、イだ……コろし……テ……クレ……)

    勇者「すまんっ!!―――雷よ!!!」バンッ!!!

    ゴォォォォ!!!!

    魔道士「ほう……。貴方、勇者というより賢者としての資質があるようですね」

    勇者「はぁ……はぁ……」

    マジンガ(イタい……ヤめて……シニタくない……コロサないデ……)

    勇者(何人の人間がこの中にいるんだ……!!くそっ……くそっ……!!!死にたいやつと生きたいやつが混ざってやがる……!!)

    魔道士「魔王様の心配が当たりましたねえ。貴方に思考を読まれては厄介です。我々の脅威になる」

    勇者「なんだと……」

    魔道士「とはいえ、貴方には利用価値があることも確かです……。そこで、こんなのはどうでしょうか?」スッ

    勇者「てめえ、何を……!!」

    720 = 704 :

    魔道士「呪詛の力を与えて差し上げましょう……」

    勇者「なんだと!?」

    魔道士「マジンガ、捕らえろ」

    マジンガ「オォォォォ!!!!」ガシッ

    勇者「くっ!!てめぇ!!!」

    魔道士「二重の呪詛を受けるなんて人間にしては珍しいでしょうねえ。あーっひゃっひゃっひゃ」

    勇者「やめろぉ!!!」

    魔道士「あーっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃ!!!呪われなさい!!」

    勇者「うっ……!?」

    魔道士「……マジンガ、もう離してもいいぞ」

    勇者「……な、なんだ……?」

    魔道士「あひゃひゃひゃ。貴方の魔力に細工を施しました。我ら魔族には魔法を放つことができなくるようにね」

    勇者「なんだと!?」

    魔道士「あーっひゃっひゃっひゃ!!でも、心の声はちゃんと聞こえますよねえ!?私たちがすることを貴方はもう指を咥えて見ている事しかできないわけですよぉ!!!!苦しいですね!!!!」

    勇者「なっ……に……」

    721 = 704 :

    魔道士「勇者失格ですね!!あーっひゃっひゃっひゃ!!!!」

    勇者「このやろう!!!―――爆ぜろ!!!」

    魔道士「無駄ですよ。もう放てません」

    勇者「……」

    マジンガ「オォォォォ!!!!」

    勇者「てめえも大人しくしてろ!!!―――爆ぜろ!!!」カッ!!

    ドォォン!!

    勇者「……!!」

    魔道士「何を驚いているのですか、勇者様」

    勇者「……まさか」

    魔道士「その子はニンゲンの肉で出来た存在。とても醜く、化け物のような容子ですが立派なニンゲン。魔法は使えますよぉ?あーひゃっひゃっひゃ!!!」

    勇者「はぁ……」

    魔道士「貴方ばかりにハンディがあっても不公平ですからね。あひゃ、あひゃひゃ」

    勇者「ふぅ……ふぅ……」

    魔道士「さて、今から村の連中を我がサンプルとするため、採取に向かいますか」

    722 = 704 :

    勇者「させるかぁ!!!」

    魔道士「マジンガ」

    マジンガ「オォォォォ!!!!」

    勇者「どけぇ!!!」ザンッ

    魔道士「ほう……」

    勇者「おぉぉぉ!!!行かせるかぁぁぁ!!!」ダダダッ

    魔道士「魔法が使えなければと思いましたが、剣術もそれなりの腕前とは。流石は勇者。しかし、私にはその剣は届かない。―――爆ぜなさい」カッ!!

    勇者「うぁ!?」

    ドォォォン!!!

    魔道士「ああ、申し訳ありません。鎧を脱ぎましょう。私の思考を心を読み取ってください」

    勇者「……!!」

    魔道士(あの小さな村民にいるニンゲンは大よそ50人。これだけいれば新しいマジンガを造ることができる。まだまだ醜悪な肉塊でしかないが、その内にニンゲンなような容姿に―――)

    勇者「やめろぉぉぉぉ!!!!」

    魔道士「とめますか?とめたいですよね!!!でも貴方には私を止めるだけの力がなぁい!!!あーっひゃっひゃっひゃ!!!残念!!!無念!!!痛恨の極みぃ!!!!」

    勇者(こいつには勝てねえ……!!!村民をにがさねえと……!!)

    723 = 704 :

    勇者「……風よ」ゴォォ

    魔道士「む?」

    勇者「俺の負けだ。認めてやるぜ、外道」

    魔道士「逃げるのですか?勇者が」

    勇者「俺がここでやられたら、てめえに食われる奴が大勢いるだろうが!!」

    魔道士「あーっひゃっひゃっひゃ!!その心を読む呪いの恐ろしさが浮き彫りになるだけです!!!死んだほうがマシですよ!!!」

    勇者「んなことは十分にしってる!!一度、任務に失敗したときに痛いほどこの呪いの恐ろしさを味わったんだからな!!」

    魔道士「おや?でも、そのときと今回は趣きが違うと想いますけどねぇ」

    勇者「なに……」

    魔道士「あの小さな村は貴方のことを本当の英雄として信じていたはず。それが逃げ帰えってきたとなれば、貴方に届く怨嗟は二重ですよ」

    勇者「……」

    魔道士「任務の失敗と言いましたね。そのとき批判をしたのは故郷の者たち、同僚たちでしょう?心の中で罵られただけ。でも、今回は心だけで治まりますかねぇ……?」

    勇者「風よ。俺を運べ!!」ゴォォ

    魔道士「あーっひゃっひゃっひゃっひゃ!!!早くしないと私が村民を採取してしまいますよぉ!!!あーっひゃっひゃっひゃっひゃ!!!!!」

    勇者(いそがねえと!!!)

    724 = 704 :

    魔道士「あーっひゃっひゃっひゃ!!!マジンガ!!!捕らえろ!!」

    マジンガ「オォォォォ!!!!」ガシッ

    勇者「なに?!」

    魔道士「ほら、急がないと……勇者様……?あーっひゃっひゃっひゃ!!!」

    勇者「離せ!!!くそ!!!」

    魔道士「では、これで……」

    勇者「待て!!!」

    魔道士「……なにか?」

    勇者「……村民だけは……」

    魔道士「……ならば、私のサンプルになっていただけますかな?」

    勇者「……」

    魔道士「貴方一人で50人の命が助かるのです。迷うことはないでしょう?」

    勇者「くっ……」

    魔道士「それに、戻ったところで待っているのは罵詈雑言の乱舞。貴方に選択の余地はなぁい」

    勇者「……わかった……協力する……」

    725 = 704 :

    魔道士「それでいいのですよ。勇者様。あーっひゃっひゃっひゃ」

    マジンガ「オォォォォ!!!」

    勇者「もういいだろ。村の連中は解放してやれ……」

    魔道士「できませんねえ。私の実験が成功するまでは」

    勇者「実験だと……」

    魔道士「心の抽出がしたい」

    勇者「心……?」

    魔道士「そう!!!私の子供に足りないのは心なのです!!!心さえあればより完全なニンゲンに近づく!!!!」

    勇者「……」

    魔道士「ニンゲンの中で最も心を見て聞いてきた貴方にしかできないことですよ……」

    勇者「なら、さっさとしろ……。それで村民は解放されるんだな!?」

    魔道士「ええ。約束しましょう……」

    魔道士(ふふ……。約束しますよ。実験が成功したら、私たちはここから立ち去りましょう)

    勇者「……やれ」

    魔道士「流石は勇者様。では、始めますか。あーひゃっひゃっひゃっひゃ」

    726 = 704 :

    ―――数日後 農村

    村長「あれから数日か……。勇者様が戻ってこないな」

    「様子を見に行ってみるか」

    村長「やめろ。勇者様を信じろ」

    「しかし、もし勇者様が魔物にやられていたら……!!」

    「……」

    少年「勇者はどうなってんだよ……」

    「準備は整っているか?」

    少年「あ、ああ……」

    「勇者が戻ってきたら、逃げる。村を捨てるしかない」

    少年「どうして?」

    「人間が数日間も戦い続けることなんてできない。勇者が戻ってくるときは……」

    少年「でも、勇者なら」

    「勇者は人間だ。ドラゴンでもエルフでもない」

    少年「……!!」

    727 = 704 :

    魔道士「―――あっひゃっひゃ……これぐらいでいいでしょう……。やはり、貴方は多くの心をもっていましたねぇ」

    勇者「……」

    魔道士「苦しかったですか?休みなく心と記憶を覗かれるのは」

    勇者「……さっさと……村民を……」

    魔道士「随分と衰弱していますねえ。それでも尚、他人の心配とは勇者の鑑です!!!あーっひゃっひゃっひゃ!!!」

    勇者「はやく……しろ……」

    魔道士「これだけ人間の思考パターンが取れれば、十分です。約束通り、解放しましょう」

    勇者「はぁ……はぁ……」

    魔道士「……」

    勇者「……!!?」

    魔道士「どうしました?さぁ、早くお行きなさい」

    勇者「おま……え……やくそくがぁ……」

    魔道士「私たちは立ち去りますよ。心の底からそういったではないですか」

    勇者「じゃあ……周囲にある……魔物の声はなんだよ……」

    魔道士「増援でしょうねえ。貴方が村に来た時点で私が呼んでおいただけです。あひゃひゃひゃ」

    728 = 704 :

    ―――農村

    勇者「あぁ……はぁ……」

    村長「おぉ!!勇者様!!!心配していましたよ!!!」

    勇者「はぁ……はぁ……」

    (失敗したのか……)

    勇者「……」コクッ

    「……!」

    「勇者様……」

    「ゆうしゃ……?」

    少年「おいおい、すげーボロボロだぞ。傷の手当をしたほうが」

    「逃げるぞ」

    少年「え?」

    勇者「き、きいてくれ……俺では倒せなかった……。だが……お前たちは村に、いてくれ……俺が増援をよんで……くる……」

    「なんですって……」

    村長「おぉ……なんてことだ……」

    729 = 704 :

    「ふざけんな!!そんなことしている間に魔物がきちまうだろうが!!」

    勇者「分かってる……分かってる……。だから、逃げる準備を……すぐによんでくるから、よぉ……」

    (この腰抜けめ!!お前が囮になれよ!!!)

    「ただ魔物の怒りを勝っただけじゃないか!!どう責任とるんだい!?」

    (身代わりになれ!!)

    勇者「……」

    村長「皆の者!!逃げる準備を!!!」

    村長(こいつはとんだハズレだった!!なんて能無しをよこしたんだ!!)

    「……」

    勇者「てめえらは……ここにいろよ……いま……そとにでたら……食われるだけだ……。俺が……いま、増援を……つれてくる……からよぉ……」

    「勇者様、その傷では」

    勇者「触るな」

    「え……」

    勇者「死にたくなきゃ……ここにいろ……」

    「で、でも……」

    730 = 704 :

    「俺たちを逃がす為に時間稼ぎしてくれるんだろ!!」

    (勇者のくせに俺たちを囮にして逃げるのかよ!!!)

    勇者「違う……!!!違うんだ……!!やつらの条件で……!!」

    「条件?」

    勇者「村から出なけりゃ……お前らは助かるんだ……やつらはそういった……」

    村長「信じられるものか!!」

    勇者「……!!」

    村長「おおかた、臆病風に吹かれて戻ってきたのだろう!!何が勇者だ!!」

    勇者(腐ってやがるなぁ……)

    「村長!!我々のために戦ってくれた者に対する言葉ではない!!」

    村長「お前が呼んだのだ。この責任はお前にもとってもらう!!」

    「な……」

    勇者「おれぁ……いくぞ……」

    村長「勇者よ!!村民が逃げるまで時間を稼げ!!それぐらいのことはやってもらうぞ!!」

    勇者「……だまれ!!俺ぁいく!!」

    731 :

    乙かな

    732 = 703 :

    乙!
    今回はかなりシリアスだったな

    村長ぶん殴りたくなってくる

    733 :

    私が町長です。

    734 = 704 :

    村長「逃げることは許さん!!」

    勇者「……なんとでもいえやぁ……!!」

    村長「まて!!」

    勇者「風よ……俺を運べ……」ゴォォ

    「勇者様!!」

    勇者「お嬢ちゃん、すぐに来るからよぉ……まってろ……」

    「……」

    「おねえちゃん……ゆうしゃは……?」ギュッ

    「行こう。こっちよ」

    「え?え?」

    「貴方は絶対に守ってあげるからね」

    「こわいよ……おねえちゃん……」

    「大丈夫、大丈夫だから」

    村長「どうしてくれる!?このままでは村は!!私たちは!!」

    「村長!!いい加減にしてください!!!」

    735 = 704 :

    「用意はできたか?」

    少年「もう出るのか?!村の人たちはどうする!?」

    「考えている時間はない!!」

    少年「でも!!」

    「早くしろ!!死ぬぞ!!」

    少年「……っ」

    「僕たちは勇者じゃない。誰も守れないんだよ」

    少年「そんなこと!!」

    「なら、お前に魔物が倒せるのか!?」

    少年「……!!」

    「行こう。お姉様と一緒に村を捨てるしかない」

    少年「……わかった」

    「強くないと……誰一人守れないんだ……」

    少年「分かってる……」

    「……」

    736 = 704 :

    「こ、ここに入るの……?」

    「ああ、ここなら魔物も分かりはしない。大丈夫だ」

    「でも、おねえちゃんは……おとうさんは……?」

    「心配ないよ。すぐに迎えにくるから」

    「ほんと?ほんとに?」

    「ああ。お前を見捨てたりしない」ギュッ

    「おとうさん……」

    「いいって言うまで出てきちゃだめだからね」

    「うん……」

    少年「姉さん!!行こう!!」

    「うん。お父さん……先に行くね」

    「分かった。君たち!!娘を頼む」

    少年「はい……」

    「お任せください」

    「行ってきます……」

    737 = 704 :

    「こ、ここに入るの……?」

    「ああ、ここなら魔物も分かりはしない。大丈夫だ」

    「でも、おねえちゃんは……おとうさんは……?」

    「心配ないよ。すぐに迎えにくるから」

    「ほんと?ほんとに?」

    「ああ。お前を見捨てたりしない」ギュッ

    「おとうさん……」

    「いいって言うまで出てきちゃだめだからね」

    「うん……」

    少年「姉さん!!行こう!!」

    「うん。お父さん……先に行くね」

    「分かった。君たち!!娘を頼む」

    少年「はい……」

    「お任せください」

    「行ってきます……」

    738 = 704 :

    >>737
    投下ミス

    739 = 704 :

    「では、閉めるな」

    「迎えにきてね!!ぜったいに!!」

    「ああ、勿論だ」

    「あなた!!急いで!!」

    「おやすみ―――」

    「おとうさん!!」

    『本当に大丈夫なの?』

    『気付かないことを祈るしかない』

    『そうね……』

    「おとうさん……くらいよ……こわいよ……」

    村長『お前まで逃げる気か!!責任も取らずに!!』

    『村長!!そんなことを言っている場合ではありません!!』

    村長『分かっている!!だが、お前は我々が逃げおおせるまで時間を―――』

    『話にならない!!貴方がそんな人とは思わなかった!!』

    村長『まて!!』

    740 = 704 :

    「お姉様、忘れ物はありませんか?」

    「ええ、大丈夫よ」

    少年「姉さんは俺とこいつで守るから」

    「……ありがとう」

    「行こう。もう勇者の力は当てにできない」

    少年「……村のみんなは」

    「無事を祈るしかない」

    少年「……っ」

    「行きましょう」

    「うん」

    少年「くそぉ!!」

    魔物「ギィィィ!!!」

    「魔物か!!」

    少年「どけ!!」

    「……っ」

    741 = 704 :

    「よし!!今のうちだ!!」

    少年「姉さん!!行こう!!」

    「う、うん……」

    魔物「ギィィィィ!!!!!」

    少年「くそ!!まだいるのか!!!勇者は何をやってたんだよ!!!」

    「構うな!!逃げられればそれでいい!!!」

    少年「来るやつはどうにかしないとだめだろうが!!おらぁぁぁ!!!」ザンッ

    魔物「ギャァァ……」

    「お姉様!!こっちです!!」グイッ

    「……はぁ……はぁ……」

    少年「本当に勇者は……!!」

    「もう言うな。英雄も人間。負けるときは負ける。彼は精一杯戦っただろ」

    少年「だけど……」

    「―――あっ!!」ドタッ

    少年「姉さん!!」

    742 = 704 :

    「お姉様!?」

    「いっ……!」

    少年「怪我したんだね?!今すぐ回復を!!!」

    「ダメ……魔物がすぐ傍まで来ているわ……行きなさい」

    少年「姉さんを置いていけるわけないだろう!?」

    「言うことをきいて……いい子だから……」

    少年「いやだぁ!!!姉さんも一緒だ!!!」

    「魔物はいっぱいいる。弱い貴方じゃ……無理よ……。これ以上、お荷物の私を守ることはできないわ」

    少年「え……」

    「女の子を守りたかったら……強くなりなさい……」

    「おい!!何してる!!いくぞ!!」グイッ

    少年「姉さん!!!いやだぁぁ!!!うわぁぁぁぁ!!!!!離せよぉ!!これ以上見捨ててたまるかぁ!!!」

    「強くなって……どんな人でも守れるぐらいに……強く―――勇者様のように……なって……」

    「……お姉様……あなたは……」

    少年「なんで!!なんでだよ!!!」

    743 = 704 :

    『オォォォォォ!!!!!』

    「何かが来ている……」

    少年「姉さん!!」

    「私が囮になるから」

    「……!!」

    「それに……勇者様が戻ってきたとき、誰もいなかったらやっぱり寂しいと思うから……」

    「お姉様……」

    少年「勇者が帰ってくるわけないだろ?!」

    「いい加減にしろ!!!」

    少年「うっ……!!」

    「逃げるだけで精一杯だ。僕たちは。誰かが囮になれば……」

    少年「おまえぇ!!」

    「お姉様の気持ちを考えろ」

    少年「……」

    「行くぞ」

    744 = 704 :

    少年「なんで……どうして……姉さんが……姉さんがぁ……うぅ……」

    「走れ!!」

    『オォォォォォォォ!!!!!』

    少年「やっぱり、俺は戻る!!」

    「させないぞ」

    少年「姉さんだけは死なせたくないんだ!!!」

    「僕も同じだ!!」

    少年「俺とお前ならやれるだろ?!」

    「勇者ですら敵わなかった相手がいる!!小物だけならまだしも、無理だ!!」

    少年「でも!!!」

    「絶対に行かせないぞ。お姉様が生きろといった。僕たちにだ。だから、僕はお前を守る、お前は僕を守れ。それぐらいならできるかもしれない」

    少年「……わかった……」

    「ありがとう……。行こう」

    少年「……」

    「強くなろう……一緒にな……」

    745 :

    「……」

    勇者「はぁ……はぁ……お嬢ちゃん……」

    「勇者様……」

    勇者「待ってたのか……?」

    「貴方が待っていろと言ったので」

    勇者「怪我ぁしたんだな……待ってろ……」

    「どうして戻ってきたのですか?」

    勇者「え……」

    「負けたのに……」

    勇者「援軍を呼んできた……もうすぐ傍まできている……」

    「勇者様、お願いがあります」

    勇者「妹が村に残ってるんだな。分かった、今からいってくらぁ」

    「どうしてそれを……」

    勇者「俺ぁ賢いからな」

    「……ダメです。落ち着くまで村には行かないほうがいいです」

    746 = 745 :

    勇者「舐めんなよ。ガキ一人くらい―――」

    「貴方が救うべき人はもっといるはずです」

    勇者「な……」

    「行かないでください」

    勇者「なら、お嬢ちゃんの手当てを」

    「結構です」

    勇者「なにいってんだ!!」

    「私はここで死にます」

    勇者「そんなことできるか!!」

    「勇者様……逃げてください」

    勇者「……」

    「オォォォォォォ!!!!!」

    勇者「あの肉だるまがきてるのか……」

    「増援も村には入らせないようにしてください」

    勇者「お嬢ちゃん……なんで……死にたくねえって訴えてるくせに強がってんじゃねえよ!!」

    747 = 745 :

    「私が逃げたら、勇者様も逃げますか?」

    勇者「……!」

    「勇者様は強いかたです。そのような体でも私のために戦おうとしている……」

    勇者「大丈夫だ。傷は魔法で誤魔化した。いける」

    「こんな小さな人間のために世界を救える力を散らさないでください」

    勇者「お嬢ちゃん!!!」

    「妹だけをよろしくお願いします……」

    勇者「いや、逃げるぞ!!お嬢ちゃんを連れてな!!」

    マジンガ「オォォォォ!!!」

    「!?」

    勇者「きやがったか……!!」

    魔道士「あーっひゃっひゃっひゃ!!30人目のサンプルは貴方にしましょうか!!!」

    勇者「させるかよ」

    魔道士「おやおや。勇者様。よくもまぁ罵倒されてもニンゲンを守る気になりますねえ……。もう心の中では憎悪が渦巻いているはずなのに」

    勇者「黙れ!!!」

    748 = 745 :

    「魔物……」

    勇者「立ち去るって言ってなかったか?」

    魔道士「あーっひゃっひゃっひゃ。一度、立ち去ろうとしたんですがね。キマイラ様が皆殺しにしろと言うもので。上の者には逆らえません」

    勇者「キマイラ……」

    魔道士「さあ、マジンガ。勇者の動きをとめろ」

    勇者「なんだと!!!」

    マジンガ「オォォォォ!!!!」ガシッ

    勇者「ぐぁ……!!!」

    魔道士「さあ、ニンゲン。私の糧になってもらいましょうか」

    「……勇者様」

    勇者「にげろ……!!」

    「妹だけはお願いします……」

    (貴方が……負けなければ……)

    勇者「あぁぁぁぁ―――!!!!」

    魔道士「あーっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃ!!!!そうだ!!!勇者様!!!いい考えがあります!!!我々に協力するなら―――」

    749 = 745 :

    賢者「―――ここまで、いいだろ」

    戦士「……」

    賢者「どうだ、お嬢ちゃん。俺たちの言っていたことは全部真実だろ?」

    戦士「まだ、続きがあるようでしたが」

    賢者「……」グビグビ

    青年「僕が知りたいのはそこから先です」

    賢者「兄ちゃん。もういいだろ?」

    青年「ずっと、気になっていた」

    賢者「なんだぁ?」

    青年「貴方が過去にあれだけの苦渋を舐め、人間に蔑まされ、裏切られてきた。勇者をやめるきっかけになったのもあの村での一件があったからなのでしょう」

    賢者「……」

    青年「……何故、貴方はそうやって酒に溺れるだけで済んでいるのか。恐らく心を読んでしまう分、貴方は世界で一番、人間を嫌っているはずだ」

    戦士「え……?」

    賢者「おいおい、言いがかりはよしてくれよぉ。俺ぁ兄ちゃんたちのこと大好きだぜ?」

    青年「なら、どうして……砂漠の遺跡で人の肉だと教えてくれなかった?」

    750 = 745 :

    戦士「……」

    賢者「そらぁ、ミイラっ娘が人肉だと認識してなかったからで―――」

    青年「そうは行くか」

    賢者「……」

    青年「前の晩、貴方は事細かにミイラのことを話してくれた。キマイラの指示に従っていると言いましたね」

    賢者「言ったなぁ」

    青年「どんな肉なのか説明してなかったのか?」

    賢者「してなかったなぁ」

    青年「だけど、吸血鬼もミイラにもキマイラは生命力の抽出について語っている。ミイラが理解できていなくても、説明された記憶は残っていたんじゃないのか」

    賢者「まてまてまて。兄ちゃん、俺ぁ心を読むだけで記憶は読めねえよぉ」

    青年「吸血鬼に会ったときも、貴方は口を噤んでいた。実際、キマイラは多くの情報を持っていたのに。僕たちがキマイラのことを探していることを貴方はあの時点で知っていたでしょう?」

    賢者「……」

    青年「どうして貴方は何も言わなかった?教えてくれるんですね?」

    賢者「ふふふ……。黙ってりゃあわからねえと思ってたのになぁ……。兄ちゃん、どうして言っちまうんだ?それは心の中に仕舞っとけよ」

    戦士「貴方は……」


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