元スレ女戦士「元・勇者を探す旅へ」
SS+覧 / PC版 /みんなの評価 : ★
201 :
>>196
まおうさまを崇め奉るお祭りとな
202 :
>>197
なぜそれがお気に入りだと知っている
203 :
風邪ひいちゃう
204 :
とりあえずもう一度服着た
205 :
今リアルに半裸
206 :
魔法使いとエルフは俺のモノ
異論はないな?
207 :
>>206
何を言ってるんだお前は
魔法使いは俺の嫁だ
208 :
えっ?あーはいはい
お前らが魔法使いなのは知ってるよ
何を今更こんな所でカムアウトしてんのさ
いい歳してホモでもなかろう…ホモなのか?
209 :
面白いので余裕さえあれば更新頼みますわぁ
210 :
―――食堂
戦士「えっと……」
僧侶「あそこにいらっしゃいますよ」
賢者「おーぅ。そうかい」
戦士「本当ですね。でも……」
賢者「ありがとよぉ」
宝箱「……」
戦士「あの、箱に話しかけて何をしているんですか?」
賢者「ん?おぅ、姉ちゃん。おつかれぇ」
戦士「はい。で、どうして箱に話しかけているのですか?さては、相当酔っていますね?」
賢者「そうかい?」
戦士「そうかいって、そうじゃないですか。お酒はほどほどに―――」
僧侶「この子、生きてますよ?」
戦士「え?」
宝箱「……ガァァァァ!!!!」
211 = 210 :
>>210
賢者「ん?おぅ、姉ちゃん。おつかれぇ」
↓
賢者「ん?おぅ、お嬢ちゃん。おつかれぇ」
212 = 210 :
戦士「きゃ!?」
賢者「あっはっはっはっは。どうしたぁ、可愛い声だしてよぉ」
戦士「な、なんですか……?」
僧侶「こうして宝箱に擬態して旅人を捕食してきた魔物なんです」
戦士「捕食……」
宝箱「……」
賢者「ミミック族だな。普通はお嬢ちゃんみたいに騙される。で、食われる」
戦士「そうですか……。で、そのような危険な魔物がどうしてここに?」
僧侶「ミミーちゃんはご覧のように自分で移動ができないので、きっと誰かに運ばれてきたんだと思います」
宝箱「……」
戦士「そう……なんですか?」
宝箱「……うん」
戦士(しゃべった……)
賢者「生態的に対話することに慣れて無いから、無愛想な魔物みてぇだな」
僧侶「人と会話できる魔物のにそこだけが残念ですね」
213 = 210 :
賢者「全くだぜ。ま、良い話し相手になってくれたからよかったけどよ」
戦士「……あの、今後のことでお話があります」
賢者「おぅ。なんでも言ってくれや。その前に、姉ちゃん」
僧侶「はい?」
賢者「その宝箱、もう自分の部屋に戻りたいみたいだ。戻してやってくんねえか?俺ぁ場所がわかんねえからよ」
僧侶「そうなんですか?」
宝箱「……うん」
僧侶「では、行きましょう。よいしょ」
宝箱「……」
僧侶「それでは失礼します」
戦士「案内、ありがとうございました」
賢者「よろしくぅ」
僧侶「どうして食堂にいたんですか?」
宝箱「……」
僧侶「……ああ、食事のためですよね。それしかないですね」
214 = 210 :
賢者「で、なんだぁ?」グビグビ
戦士「3日後のことになりますが、私たちは勇者を連れて本国に戻ります」
賢者「そうかい」
戦士「はい。貴方との契約もそこで終わります。お疲れ様でした」
賢者「お嬢ちゃんはどうすんだい?」
戦士「次の任務が言い渡されるまでは通常業務に専念することになるでしょうね」
賢者「城の警備か?」
戦士「はい」
賢者「これだけの世界を見ても、心はうごかねえか」
戦士「……余計なものを見てしまったと思っているぐらいです」
賢者「ほぅ?」
戦士「……話は以上です。あまり羽目を外しすぎないようにしてくださいね」
賢者「腸煮えくり返ってるみてぇだなぁ」
戦士「……」
賢者「どうして勇者とその仲間たちが、自分の肉親を殺した魔物と仲良くしているんだ。許せない。そう思ってんだろぉ?」
215 = 210 :
戦士「言ったはずです。私情は組織に生きる人間にとってなんの意味もない、余分なモノだと」
賢者「真面目だねぇ。お前の親父そっくりだ。あいつも命令には絶対だからなぁ。特に王族の命令には」
戦士「……」
賢者「お嬢ちゃんは結構珍しいタイプかもなぁ。魔物を憎み、勇者までも憎むたぁ、中々いねえよ」
戦士「なんですか、先ほどから。私の心でも読めるんですか、貴方は?」
賢者「……」グビグビ
戦士「……おやすみなさい」
賢者「兄ちゃんたちのこと、知ってるのか?」
戦士「……」
賢者「兄ちゃんも取り巻きの姉ちゃんたちも、孤児らしいぞぉ。お嬢ちゃんと同じように、魔物に村を襲われたらしい。まぁ、珍しいわけでもなんでもないけどよ」
戦士「だからなんですか?」
賢者「別になんでもねえけど」
戦士「彼らに共感を持てというのですか?」
賢者「そこまでは言ってねえよぉ。ただ、お嬢ちゃんが混乱してたから保護者として導いてやろうって―――」
戦士「私が混乱している?そんなわけないでしょう。私は冷静です。混乱していることがあるとすれば、全く魔法が使えない『賢者』と自称する厚顔無恥な人が居たことに対してぐらいです」
216 = 210 :
賢者「おーぅ。言ってくれるじゃねえかよぉ。おーぃ。酒くれぇ」
戦士「契約も残り三日ですからね。貴方と仕事をすることはもうないでしょう」
賢者「だから、言いたいことは言うのかい?」
戦士「雇った立場ですから、今後の雇用はない理由を述べても問題はないはずです」
賢者「おぅ。一理あるな」
戦士「魔法を使える者が必要だと義父さんは考え、貴方を紹介してくれたのでしょうが……。腕が錆び付いて魔法が使えないのであれば、今後貴方を雇うような物好きはいないでしょうね」
賢者「くくく……そらそうだ」
戦士「どうして義父さんが貴方を選んだのか、私には分かりません」
賢者「そして、どうしてあの女好きな兄ちゃんをみんなが慕い、勇者と言っているのかも分からないんだろぉ?」
戦士「……!」
賢者「わからないことだらけだなぁ、お嬢ちゃんは。はっはっはっは」グビグビ
戦士「言いたいことはそれだけですか?」
賢者「こえぇ顔すんなよ。可愛い顔が台無しだぜぇ?」
戦士「さようなら」
賢者「……つれねえなぁ。年取ると一人酒がつらくなるっていうのによぉ」
217 = 210 :
―――廊下
戦士(あの人はどうしてあんなことが言えるの……。もう……イライラする……)
戦士「素振りしたい……!!」
宝箱「……」
戦士「……」
宝箱「……」チラッ
戦士「ふん……」スタスタ
宝箱「……」パカッ
戦士「……なんですか?!」
宝箱「……」ビクッ
青年「彼女の習性ですよ。通る人間をああして誘惑するんです。彼女はまぁ、それが下手なんですけど」
戦士「貴方は……」
青年「その下手さ加減が可愛いんですけど」
宝箱「……」
戦士「そうですか。私には分かりませんね、その感覚は」
218 = 210 :
青年「魔物を可愛いと思うような人は稀少でしょうね。僕も最初は苦手でした。ドラゴちゃんのおかげでしょう」
戦士「……おやすみなさい」
青年「貴女にお願いがあるんです」
戦士「側室の話なら丁重にお断りします」
青年「おや?これは異なことを。それはもう決定事項ですよ?今更、キャンセルなんて僕と僕の股間が許しません」
戦士「不潔なことを言わないで!!!」
青年「おっと。紳士な僕としたことが。そうでしたね、貴女は露出プレイがお好きではないのでしたね」
戦士「……おやすみなさい」
青年「待ってくださいよぉ。もう少し、僕に愛をください。今なら買い取ります」
戦士「なんですか?」
青年「王女様に謁見したあと、僕と一緒に砂漠地帯までついて来てもらえないでしょうか?」
戦士「理由がありません」
青年「ありますよ。貴女を僕に惚れさせるという極めて重大な理由が」
戦士「貴方に惚れるようなことは、ないです」
青年「言い切りますか。落とし甲斐があるじゃないですか。―――子供は何人ぐらい欲しいですか?」
219 = 210 :
戦士「いい加減にしてください。女性を道具のように見て……貴方は何様のつもりですか?」
青年「勇者ですし、僕の傍にいるのは皆、肉奴隷ですが」
戦士「気持ち良いこといいますね」
青年「もっと気持ちよくなるコツを知っていますが、どうする?たたかう?」
戦士「逃げます」
青年「良い判断だ」
戦士(やっぱり頭のネジがないんだ……この人……)
青年「いやぁ、是非ともご一緒してほしいんですけどね。美人で可憐でエロくて、しかも戦力になる人ってそうそういなくて」
戦士「過大評価、感謝します。ですが、私は軍人です。命令がなければ動けません」
青年「そうですか。なら、僕が命令しましょう。僕の側室になれ」
戦士「……」
青年「ダメですか?」
戦士「ダメですね」
青年「分かりました。でも、僕は諦めませんよ。元勇者としてのプライドがあります。貴方を最後の側室にし、そして我が野望を実現させてやる!!フハーハハハ!!!」
戦士「まるで魔王ですね」
220 = 210 :
―――二日後 謁見の間
ゾンビ「とけつほー!!―――おぇー」ドロッ
ハーピー「これ!!新技の開発はやめてくれといったろうに!!」
ゾンビ「だって」
ハーピー「掃除が大変だというたろう?!」
ゾンビ「ぁい」
戦士(昨日と今日と見てきたけど、やはりあの子は魔王として働いている様子はない。実質的な魔王は……)
ドラゴン「砂漠地帯にいる同胞の情報にはそれらしいものはなかったな。遺跡の中は元から管轄外だ。どういった種族が住んでいるのかも分からん」
青年「なるほど。つまり、裸の女性が息巻いていても不思議はないと?」
魔法使い「そうね」
僧侶「そうなんですか?!」
青年「そうなんですよ」
僧侶「そんな……。いくら砂漠地帯でも、夜は冷えるのに……。寒くないんでしょうか?」
ドラゴン「……早く、調査に向かいたい。メンバーを選出するぞ」
戦士(あのドラゴンで間違いない。でも、そのドラゴンも彼に従っているようだし……)
221 = 210 :
青年「先行する人はもう決めています。僕の可愛い可愛い、側室1号、2号、6号!!君たちに決めた!!」
僧侶「はいっ!!がんばります!!」
魔法使い「ゴンちゃん、よろしくね」
ドラゴン「俺たちしかいないか。お前も早く用事を済ませて合流するんだぞ」
青年「分かってますよ。浮気はしないでくださいね」
魔法使い「こっちの台詞だってば……」
僧侶「私は……勇者様以外の人なんて……」モジモジ
青年「ふふ。年々、防御力が下がっていますね。そろそろもう一枚、脱いでみますか」
僧侶「は、はい……」
魔法使い「ダメ」
ドラゴン「お前も、冗談が通じない相手にそんなことを言うな」
青年「あん?遊びでやってんじゃねえんだよ、こっちはなぁ!!!」
ドラゴン「わかった、わかった。いつでもお前は真剣だったな」
戦士「……」
戦士(何も分からない……。部屋に戻ろう)
222 :
普通の反応だwwwwww
223 = 210 :
―――通路
戦士(何が勇者だ……。結局は自分の好きなことをするだけで、何も考えていない)
戦士(魔物の調査もつまるところは、側室集めの一環みたいだし……)
戦士(あの人も私が知っている勇者だった。魔物までそう言う対象にしている点で言えば、最も劣悪な部類だけど)
「はぁ……つかれた……」
戦士(うわ、綺麗な人……)
「あれ?誰?」
戦士「私は客人として招かれました」
「そうなんだ。よろしく」
戦士「あ、はい……」
「もしかして側室候補?」
戦士「違います!!」
「そっか。知らない人間がいるとどうしてもそっちかなって思っちゃって」
戦士「……あの、貴女は?」
「あれ、ボクのこと聞いてないの?まぁ、まだまだ受け入れられてないし、仕方ないか……」
224 = 210 :
戦士「貴女も魔物……なんですか?」
エルフ「うん。―――この耳がその証」
戦士「エルフ!?」
エルフ「そうだよ。やっぱり珍しい?」
戦士「ええ……おとぎ話の世界ですから……」
エルフ「ボクたちが魔王を倒したことを知っている人なんて稀だしね。もっと公に情報開示していれば存在も知られてたんだろうけど」
戦士「何故、そうならなかったんですか?」
エルフ「あいつが色々と便宜をね。エルフ族のことは10年以上、隠すべきだって」
戦士「あいつ?」
青年「おぉ!!側室3号!!待っていましたよ!!マイディアー!!」
エルフ「ただいま」
青年「そろそろ来ると聞きまして、出迎えにいこうと思っていたんですよ」
エルフ「そうなんだ。なら、入り口で待ってればよかったかな?」
青年「さ、久しぶりにキスを」
エルフ「したことないじゃん」
227 = 210 :
青年「おや、もう新しい側室と挨拶を?」
エルフ「あ、やっぱりそうなんだ」
戦士「違うって言っているでしょう?!」
青年「またまた、ご冗談を」
エルフ「それで、ボクをこの城まで呼んだってことは……緊急事態なの?」
青年「そうなんです……」
エルフ「キマイラが見つかったとか?」
青年「いいえ。もっとすごいことです」
エルフ「なに……?」ゴクリッ
青年「実は……彼女で目標の側室10人が達成されたんですよ!!!これは一大事です!!!宴だぁ!!!」
エルフ「……あのさぁ」
青年「さ、こっちへ」グイッ
エルフ「あ、ちょっと、引っ張るな」
青年「ぬほほぉ!!やっと全員集合ですねー!!」
戦士(同じ人間として恥ずかしいかも……)
228 = 210 :
―――食堂
戦士「……」モグモグ
戦士(食事は美味しいけど、誰がつくって―――)
ガイコツ「おかわりもあるぞー!!!」
戦士「……ある意味、清潔か」
賢者「おぅ。お嬢ちゃんも昼間から酒でもあおってるのか?」
戦士「貴方と一緒にしないでください」
賢者「さっき兄ちゃんから聞いたけど、明日は船に乗っていくそうだぞ」
戦士「そうですか」
賢者「肩の荷がおりるなぁ」
戦士「そうですね」
賢者「お嬢ちゃん的には、現状をどうかんがえてるんだぁ?キマイラっつーヤバいやつがどこかに潜伏していることをよぉ」
戦士「その件については王女様に見聞きしたことを伝え、然るべき対策を練ってもらいます」
賢者「王女様にか。お嬢ちゃんは何もしないのかい?」
戦士「王女様に伝えればすぐに全兵士に向けて言い渡されるでしょう。魔物討伐の任を。そのとき、討伐部隊に志願しますよ」
229 = 210 :
賢者「信じてくれるかねぇ」
戦士「こちらには勇者がいます。流石に勇者の言葉を信じないわけないでしょう」
賢者「そうかい?お嬢ちゃんは信じるかい?」
戦士「ええ」
賢者「……そうかい」
戦士「ごちそうさまでした」
ガイコツ「ありがとぉー!!!」
賢者「お嬢ちゃん」
戦士「なんですか?」
賢者「お酌でもしてくれねえか?」
戦士「……嫌です」
賢者「おーぃ。いってくれるじゃねぇかよぉ」
戦士「……魔物にしてもらえばいいじゃないですか」
賢者「おぅ?それもそうだな。おーぃ、そこの、お酌してくれぇ」
魔物「グルルルル……!!!」
230 = 210 :
賢者「そう怖い顔すんなよぉ?」
魔物「グルルルル……!!」
賢者「肉ならやるからよぉ」
戦士(どうして魔物と仲良くできるんだろう……)
賢者「こいつらにも心はあるからなぁ」
戦士「……!?」
賢者「きちんと目を見てよぉ、向き合えば……おー、よちよち」
魔物「……」
賢者「わかってくれるんだ―――」
魔物「ガァァァァウ!!!!」ガブッ!!!
賢者「ぎゃぁぁぁ!!!!」
戦士「きゃぁぁぁ!駄目じゃないですかぁ!!」
魔物「ウゥゥゥゥゥ!!!!!」
賢者「いてぇよぉ!!たすけてくれぇ!!!」
ガイコツ「大変だぁー!!!誰かぁ!!!誰かぁ!!!きてー!!!ニンゲンがオレと同じ骨にされちゃうよぉー!!!」
231 = 210 :
戦士「ここは力づくで!!」
青年「やめろ!!」
戦士「え?」
ハーピー「なにごとだ」バサッバサッ
魔物「グルルル……」
ドラゴン「離してやれ」
魔物「ウゥゥゥ……」
賢者「ふぅー……たすかったぁ……」
ゾンビ「うー?だいじょうぶぅ?」
賢者「おぅ。なんでもねえよ。これぐらいは、唾でもつければなおらぁね」
戦士「そんなわけないでしょう?」
青年「治癒は?」
賢者「だから、心配すんなって」
青年「全く。食事に来てみれば、こんなことになっているとは。噛み付いたら駄目でしょう?」
魔物「……」
232 :
戦士「今の魔物はどうして……?」
ドラゴン「ニンゲンを良く思っていない者も少なくはない。多くの同胞を殺されたのだからな」
戦士「何を言って……」
ハーピー「ほれ、持ち場へもどらんか」
魔物「……」
ゾンビ「だいじょうぶ!まおーはきみもあぃしてるぅ!」
魔物「……ガゥ」
ゾンビ「うー」
魔物「……」タタタッ
戦士「それよりも治療を―――」
賢者「もう大丈夫だよ。兄ちゃん、あんがとよ。助けてくれてよぉ」
青年「いえいえ。たまたま通りかかったら惨事に出くわしただけです。僕がハラペコでなければ死んでいましたね」
戦士(彼が癒したみたい。よかった。腐っていても勇者なんだ……)
ガイコツ「魔王ちゃん!!何たべますか?!」
ゾンビ「なまにく」
233 = 232 :
ゾンビ「うー、まいっ」
ガイコツ「そうですか。ただの生肉ですけど、嬉しいです」ナデナデ
ハーピー「これ、魔王に対して気安いぞ」
ガイコツ「可愛いですよねぇ」ナデナデ
ゾンビ「うー♪」
ハーピー「わらわがこやつの可愛さにいち早く気付いたというのに……」
青年「姉さん、一番先に気がついたのは僕ですよ?」
ハーピー「開拓したのはたしかにおぬしだが、ファン1号はわらわだ。そこは譲らん」
ゾンビ「なまにく、うまっ」モグモグ
ドラゴン「すまなかったな」
賢者「いいってことよぉ。俺だって、数え切れないぐらい魔物を殺してきたしなぁ」
戦士「貴方が?」
賢者「信じられねえってかい?おぅ、俺にだってお嬢ちゃんぐらいのときはぁ、そりゃあ血気盛んでよぉ、バリバリだったんだぜ?」
戦士「……その話がもう信じられません」
賢者「ひでぇじゃねえかよぉ。こうなったら、昼間からやけざけだぁ」
234 = 232 :
戦士「いつものことじゃないですか」
賢者「そうかい?」グビグビ
戦士「もういいです」
青年「お二人とも。明日のことですが」
賢者「あのかっこいい姉ちゃんの船に乗るんだろ?」
青年「明日の正午にはこちらに到着するようなので、それまでに支度は終わらせておいてください」
戦士「ドラゴンの背に乗せてもらえば……」
青年「すいません。色々と皆さんも忙しくて。本当なら快適な空の旅を堪能していただくところなのですが」
ドラゴン「砂漠の遺跡調査があるからな」
戦士「他にも飛べる魔物はいるでしょう?」
ハーピー「小娘よ。わらわたちを乗り物と勘違いしておるのか?」
戦士「そういうことではないですが……」
青年「あくまでも船や徒歩でいけない場所へ行くときや、迅速な移動が要求されるときに協力をしてもらっているだけですから。奴隷というわけではないので」
戦士「……そうですか」
青年「でも、ドラゴちゃんとかは側室なので肉奴隷ではありますけどね。ハハハハ」
235 = 232 :
ハーピー「なにぃ!?」ガブッ
青年「あ、痛い痛い。痛気持ち良い」
ドラゴン「やめろ」
ゾンビ「うー……」ガブッ
青年「あー!!!君は色々とまずいな!!!」
賢者「面白い連中だなぁ」
ドラゴン「騒々しいのは認めるしかないな」
戦士「……自室へ戻ります」
ドラゴン「そうか。色々、迷惑をかけたな」
戦士「なんですか?」
ドラゴン「もう会うこともないだろうからな。挨拶をしておく」
戦士「そうですね。お世話になりました」
ドラゴン「理解しろとは言わない。だが、こういう世界があることを否定はしないでくれ」
戦士「……」
ドラゴン「俺もそれになりに愛着がでてきたんだ。今の世界にな」
236 = 232 :
―――夜 廊下
戦士(否定はするな……って、私は別に……)
エルフ「まだ、寝ないの?」
戦士「……ええ」
エルフ「寂しいとか?」
戦士「何故ですか?」
エルフ「ボクはここでは厄介者だから、分からないけど。意外と多いらしいんだ、出戻り組」
戦士「出戻り?」
エルフ「今の魔王になってから多くの魔族がこの城を離れたんだ。あるやつは魔族の復古を願って。あるやつは新しい世界を創るために。色々ね」
戦士「……」
エルフ「でも、ここの賑やかさが寂しくなるやつもいたみたいで。毎月、出入りがあるみたいだね」
戦士「貴女は違うのですか?」
エルフ「エルフは魔族からは疎まれ、人間からは身柄と知識を狙われている種族だからね。今のところ居場所はないよ」
戦士「人間に身柄と知識を狙われているとは?」
エルフ「エルフ族の歴史、知らないの?」
237 :
乙ぱい
238 :
側室と言うが実際の所リビンちゃんは妹、ハービーは姉貴分、キラちゃんは娘だよね
239 :
エルフたんキタァァァァァァァア!
240 = 232 :
戦士「大昔、人間に魔法の知識を与え、魔王を共に追い詰めたというのは知っていますが」
エルフ「本当はちょっと違うんだ。最初は火を起こすだけの簡単な魔法を教えた。教えたのも人間に命を救ってもらったお礼からだった」
エルフ「本来、魔族はそこまで人間に歩み寄ってはいけなかった。互いの領域を侵してはいけないって不文律もあったぐらいだし」
戦士「……エルフは人間に協力したわけではないと?」
エルフ「そう。一度魔法を教えてしまったことが原因で、人間は更に多くの知識を求めてきた。文明が大きく進歩するんだから当然なんだろうけど」
戦士「言われるがまま魔法の知識を……」
エルフ「命を救ってくれたということもあるからね。で、気付いたときは魔王すらも追い込むことができるぐらいの技術提供をしていた。その所為で魔族からは裏切り者扱い」
エルフ「ボクたちが余計なことをしたから、戦火が広がったようなものだしね」
戦士「……なら、人間は?」
エルフ「その一件で身を隠したボクらは、人間たちにとっては伝説の存在となった。だから、高値で取引されることもあるんだ」
戦士「取引?」
エルフ「君たちは魔物を狩って、毛や肉、素材になりそうなものを売ってるんでしょ?それと同じ」
戦士「……」
エルフ「だから、何百年も人目に触れないところにいた。今も里を魔法を隠しているぐらいだよ。魔族からも人間からも逃げているんだ」
戦士「そうですか……」
241 = 232 :
エルフ「だから―――」
戦士「今の話で分かるのは、諸悪の根源が貴女の一族であるということですね」
エルフ「……」
戦士「貴方達が情に流されて、魔法を教えなければ……私の家族も……」
エルフ「……ごめん」
戦士「なっ……」
エルフ「ごめんね」
戦士「あ、謝らないで!!!」
エルフ「でも、ボクにはこれぐらいしか……」
戦士「せめてずっと人間と一緒にいたらよかったのに!!!そうすれば私たちが辛酸を舐めることもなかったのに!!」
エルフ「ボクたちも同族を殺したくなかったから……」
戦士「貴女たちも一緒だ」
エルフ「一緒?」
戦士「勇者と一緒だ。求められることから逃げて、その先の責任を負うとしない。その先でどういうことになるのか考えてない!!!」
エルフ「……ごめんなさい」
242 = 232 :
戦士「謝らないでって言ってるでしょう?!」
エルフ「……」
戦士「はぁ……はぁ……」
エルフ「……」
賢者「おーぅ。お嬢ちゃんたちぃ。こんな夜更けになにやってんだぁ?」
戦士「……何でもありません」
賢者「うそいうなよぉ。寝れないなら、俺の相手でもしてくれやぁ」
戦士「申し訳ありません。もう休みますから」
エルフ「あ……」
賢者「そうかい?―――お嬢ちゃん、昔のことで今生きているやつを責めるのは間違ってねえかい?」
戦士「……」
賢者「可哀想だろぉ?責めるなら、今生きているやつがやらかしたことだけにしてやれよ」
戦士「あなたに……私の気持ちは……わからない……」
賢者「……そうかい」
戦士「そうですよ」
243 = 238 :
戦士め…俺のエルフタンをいじめるとか許さないよ?
244 :
戦士がだんだん某国民みたいになってきてるんですが
どんだけ恨の精神なんだよ
245 = 232 :
戦士「おやすみなさい」
賢者「……わりいな。親も姉も亡くしたんだよ」
エルフ「責められるのは慣れてるから」
賢者「しかし、お前さんも勇気あるなぁ。嫌われてるってわかってんだろぉ?」
エルフ「ボクだってできれば一定の距離を保っていたいけど。明日からのことを考えて話しておいたほうがいいって言われて」
賢者「兄ちゃんにか?余計なお世話だっていってやれよ」
エルフ「でも、どうしてボクと話をさせようとしたのかは今ので分かった」
賢者「……」グビグビ
エルフ「両方を恨む気持ちは分かるからね」
賢者「両方から恨まれてたからかい?」
エルフ「うん。今は、もう事情が違うけど」
賢者「お嬢ちゃんのことを汲めるのはお前さんだけかもなぁ」
エルフ「そんなことないと思うけど?」
賢者「おっさんには若い子の気持ちはわかんねえんだよぉ」
エルフ「嘘ばっかり。『賢者』なら容易のはずだよ。エルフから伝わる全ての魔法を熟知しているんだから」
246 :
そろそろ賢者が能力を発揮してきたな
247 = 232 :
―――自室
戦士「はぁ……」
戦士(私らしくなかった……。少し、気が立ってるみたい……)
戦士(殆ど初対面の人にあんなに声を荒げちゃうなんて……)
戦士「明日、出発前に謝っておかないと」
コンコン
戦士「はい?」
賢者「俺だぁ」
戦士「……なんですか?」
賢者「明日は早いからもう寝ろよぉ?」
戦士「分かっています。貴方と一緒にしないでください」
賢者「そうそう、エルフのお嬢ちゃんは気にしてないってよ。こっちが悪いんだからお嬢ちゃんの怒りは尤もだ。って言ってぜぇ?良い子だなぁ」
戦士「……そうですか」
賢者「おーぅ。おやすみ、お嬢ちゃん。また、明日なぁ」
戦士「おやすみなさい……」
248 = 232 :
―――翌朝
青年「その耳なんですけど、そろそろ甘噛みさせてくださいよ」
エルフ「嫌だ」
青年「そんなこといわずぅ……ふぅー」
エルフ「うわぁ!?」ゾクッ
青年「やはり性感帯なんですね」
エルフ「やめてってば」
青年「嬉しいくせにぃ」
エルフ「急にされたらびっくりするんだって」
戦士「あ……」
青年「おはようございます。早いですね」
戦士「え、ええ……」
エルフ「おはよう」
戦士「あの……昨日は……」
エルフ「ボクたち今から朝食取りに行くんだけど、一緒に行く?」
249 :
戦士死なないかなマジで
250 = 232 :
―――食堂
青年「裏メニューを」
ガイコツ「はいよ。パンティー丼はいりましたぁ」
エルフ「なにそれ?布なんて食べるの?」
青年「冗談です。そんなのありませんよ」
エルフ「……」
青年「3年前から腕上げましたね、大将」
ガイコツ「アンタには敵わないね」
戦士「……」
エルフ「はい」
戦士「ありがとうございます」
エルフ「昨日のことなら……」
戦士「いえ……私のほうこそ……」
ガイコツ「旦那、何かあったんですか?」
青年「この雰囲気……側室同士で愛を確かめあったようですね。これはいけない。僕の興奮度が200ポイント上昇しましたよ」
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