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    元スレ女戦士「元・勇者を探す旅へ」

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    551 :

    >>550

    555 = 546 :

    荒らしもニコ厨も触らずスルー汁

    556 :

    sageってどうやってやるんですか?

    557 = 556 :


    おもしろい

    romりすぎるとsage知らないのになんか語る奴いるよな

    558 :

    >>1「とっとと鎮静化してくんないと投下できないなあ(チラッ」

    559 :

    ―――宿屋 寝室

    エルフ「おかえり」

    魔法使い「ただいま」

    戦士「……」

    エルフ「どうだった?」

    魔法使い「もう大丈夫じゃないかしら。帰ってくるときにはきっと落ち着いているわ」

    エルフ「そっか。よかった。流石にどう声をかけていいか分からなかったもんね」

    魔法使い「そうね。結局、アイツを頼っちゃったわ……」

    エルフ「こういうときはいつもだね。そろそろなにかお礼でもしておいたほうがいいかも」

    魔法使い「それすると調子に乗って大変なのよね」

    エルフ「あはは。でも、ボクたちが支えられているのは間違いないんだし」

    戦士「あの」

    エルフ「なに?」

    戦士「彼はその……かなり自己犠牲の考えが強いみたいですけど、3年前からなんですか?」

    エルフ「そうだよ。死ぬならボクたちを守って死ぬって言い切ったぐらいだから。ちょっとカッコいいけど、同時に急に消えそうで怖いんだ」

    560 = 559 :

    戦士「そうですか……」

    エルフ「なに?やっぱり、気になる?」

    戦士「普段の言動からは見えなかった部分ですから」

    エルフ「意図的に隠してるし、初めて見たときは面食らうっていうか、どっちが本物なの?って感じになるね」

    魔法使い「ギャップで女を釣ろうとしてるんでしょ」

    エルフ「それもあるかもしれないけど、やっぱり見せたくないんじゃないかな?」

    魔法使い「まぁ、そうね……」

    戦士「見せたくない?」

    魔法使い「ちょっとだけ昔のことを話してくれたことがあるけど、そのときも大事な部分は伏せていた感じはあったわね」

    戦士「何かあるんでしょうか……」

    エルフ「聞いた事あるんじゃないの?側室1号さんなら」

    魔法使い「側室3号も結構可愛がられるじゃないの」

    エルフ「ボクはそこまでだよ。だって単独行動させられるほうが多いし。そっちのほうがよく一緒に行動してるじゃん」

    魔法使い「それは貴女が信頼されているからでしょ?信頼されている貴女になら色々語ってるんじゃないの?」

    戦士(いけない。おかしな空気に……)

    561 = 543 :

    キ、キ、キタ―――――――――――
    もう側室であることに抵抗はないのな

    >>559-560
    sageがsagaになってまっせ

    562 = 559 :

    エルフ「ボクには殆ど……あ、でも、1年前のあの日は……」

    戦士「貴女が不覚を取ったときのことですか?」

    エルフ「あ、あぁ……うん……」

    魔法使い「なんだっけ、酔っ払って何か告白したんだっけ?」

    エルフ「わー!!!!!」

    戦士「告白?何をですか?」

    魔法使い「さぁ。私も詳細を知りたいんだけどねぇ。当事者たちは口を閉ざしてるのよ」

    エルフ「それ墓まで持っていくって約束だから!!」

    戦士「まさかとは思いますが……」

    エルフ「想像に任せるよ。絶対に言わないから」

    戦士「そ、そうですか……。それでそのときに何かあったんですか?」

    エルフ「あ、ええと……。失言してボクが落ち込んでるときに、ならこっちも失言しますって言ってからちょっとだけ昔のことを話してくれたんだ」

    魔法使い「どんなこと?」

    エルフ「ええと……。昔は兵士としての自覚が芽生えなくて、いくら訓練しても強くなれなかったとか。あとは勇者に選ばれた友人がいたこととか。あとは……初恋の話もしてくれたよ」

    魔法使い「最後の詳しく教えなさいよ」

    563 :

    二人ともなんだかんだ大好きだな

    565 = 543 :

    >>564
    マジか
    三億年ROMるわ

    566 = 559 :

    エルフ「詳しくって言っても昔、その年上の綺麗な女性に憧れていたらしくて、今現在の女性の好きなタイプに影響が出てるって言ってたけど」

    魔法使い「ふぅん。それだけ?」

    エルフ「それだけ」

    魔法使い「……」ジーッ

    エルフ「本当だってば」

    戦士「無類の女性好きではないのですか?」

    エルフ「美人な女性ならなんでも良いみたいだけど、多分美人の基準がその初恋の人なんじゃないかな」

    戦士「なるほど……」

    魔法使い「ふぅん……」

    エルフ「それだけ。そっちはどうなの?」

    魔法使い「私はえっと……兵士時代のことと、あとはどうして側室を集めることにしたのかっていうぐらいね」

    エルフ「そういえば、どうして集めてるの?詳しく聞いた事ないんだけど、理由あるんだ」

    魔法使い「表向きは美人な人と老後を楽しく暮らすっていうのだけど」

    エルフ「うんうん」

    戦士(私は退室しようかな。なんだか、二人とも楽しそうだし……。こういうとき部外者はいないほうがいいよね)

    567 = 559 :

    ―――廊下

    戦士(そういえばあの二人、今頃何して……)

    賢者「そりゃあ、若い男女がすることっていったら、一つだけだろぉ?」グビグビ

    戦士「不潔です。あと急に話しかけないでください。一応、驚いてるんですよ」

    賢者「そりゃあ、悪かったなぁ。うーぉ、お嬢ちゃん。何してんだぁ?」

    戦士「順序が逆です」

    賢者「そうかい?」

    戦士「全く……」

    賢者「船が港に着いたら、魔王の城に行って……そして、決戦だな。王女様とキマイラとお嬢ちゃんのオヤジとな」

    戦士「そうですね」

    賢者「勇者探しがどえらいことに巻き込まれたなぁ。つっても俺たちは、兄ちゃんたちが行き着いた終点間際に乗り合わせたってだけだがなぁ」

    戦士「ええ。彼女たちは彼を……人知れず世界を救い、その後も守り続けてる勇者のことを厚く信頼しているようです。絆も強い」

    賢者「俺たちじゃあ入り込めないぐらいになぁ」

    戦士「……だからかもしれませんね。彼のことを少しでも知りたいと思うのは」

    賢者「城の一件で兄ちゃんの本性を見ちまったからだろ。特に有名人や偉人奇人と呼ばれた奴らの頭っていうのは見てみたくなるもんさ。大概はつまんねぇもんが詰まってるだけだがなぁ」

    568 = 559 :

    戦士「彼もそうだと?」

    賢者「俺から言わせりゃな」グビグビ

    戦士「……」

    賢者「知りたいか。言ってもいいけどよぉ、他人の心ほど悪い方向に期待を裏切るもんはねえぜ?」

    戦士「……」

    賢者「そうかい。なら、口を紡ごう。俺ぁ心の代弁者を気取るつもりはねえからなぁ」

    戦士「心を読んでしまうことを不便だと感じたことはあるんですか?」

    賢者「そうだな……。酒に逃げずに済んだだろうな。この呪いがなければよぉ」

    戦士「そうですか」

    賢者「だが、感謝もしてるぜぇ」

    戦士「そうなんですか?呪いなのに?」

    賢者「お嬢ちゃんと出会えたからなぁ。これだけは呪いに感謝しとかねえとぉ!!かんぱぁーい!!!」

    戦士「はいはい」

    賢者「つめてぇなぁ。お酌しろよぉ」

    戦士「早く寝てください」

    569 = 559 :

    >>568
    賢者「そうかい。なら、口を紡ごう。俺ぁ心の代弁者を気取るつもりはねえからなぁ」

    賢者「そうかい。なら、口を噤もう。俺ぁ心の代弁者を気取るつもりはねえからなぁ」

    570 = 559 :

    賢者「おーぃ。なんだよぉ。昔話もきけよぉ。おっさんになると語りたくなる呪いを受けてるんだからよぉ」

    戦士「知りませんよ」

    賢者「この呪いも結構きついんだぜぇ?魔力だって常に消費してるしよぉ」

    戦士「そうなのですか?」

    賢者「おぅ。心を読むのもタダじゃねえんだぜぇ。だから、もっと敬ってくれていいだろぉ?」

    戦士「……まぁ、貴方は命の恩人ですから、マッサージぐらいは」

    賢者「命の恩人……か」

    戦士「何か?」

    賢者「あの鏡が手に入った時点で、いずれはバレちまうし、今言っとくか。嫌われるのは早いほうがいいしなぁ」

    戦士「なんですか?」

    賢者「10年前のことだ」

    戦士「……!」

    賢者「さっき呪いのおかげでお嬢ちゃんと出会ったって言っただろ?ありゃぁ冗談でもなんでもねえよ。マジモンの話だ」

    戦士「……」

    賢者「おぅ、そうだ。怪しめ怪しめ。俺ぁお嬢ちゃんとは10年前にも会ってるんだ。あの小さな農村でなぁ」グビグビ

    571 = 559 :

    戦士「……貴方、誰なんですか?」

    賢者「お嬢ちゃんが最も嫌いな人種だって、前にも言っただろ?」

    戦士「……勇者?」

    賢者「そう。あの国で4代目の勇者だ。剣術よりも魔法が得意な、な」

    戦士「……」

    賢者「俺ぁあの村を見捨てたぁ」

    戦士「何故、今それを?ずっと黙っていてもよかったのでは?」

    賢者「そう思ったけどよぉ、鏡が手に入っただろ。あれに隠し事はできねえからなぁ」

    戦士「映らなければいいだけです」

    賢者「そうはいかねぇ。何かの拍子で映っちまうこともある。それを持ち歩くとなれば尚更だ」

    戦士「それでも……」

    賢者「いい機会だったんだよ。いつかは話そうって思ってたからなぁ。―――あの城の一件で生き延びちまった直後にそう思った」

    戦士「死んで真相を語るつもりはなかったってことですか」

    賢者「10年ぶりに会ってよぉ、心の底から村を見捨てた勇者のことを恨んでるんだぜぇ?そりゃ言えねえよ。こえぇもの。ただ、今なら兄ちゃんのおかげかちょっと穏やかになってるけどよぉ」

    戦士「……そっちが本音ですね」

    572 = 559 :

    賢者「お嬢ちゃんにだけは殺されたくなかった。すまなかったなぁ」

    戦士「……」

    賢者「話、きくか?」

    戦士「聞かせたいのでしょう」

    賢者「おぅ」

    戦士「……どうぞ」

    賢者「まぁ、殆どはお嬢ちゃんも目撃してたことでもある。農村が魔物に襲われてあぶねえ。颯爽と俺が登場。見事に敗戦。そして逃亡。その後、村が壊滅。これだけの話だ」

    戦士「呪いのおかげで私に会えたというのは?」

    賢者「途中、お嬢ちゃんの姉さんに出会った。姉さんの心の声を聞いたんだよ。妹が隠れている。どうか見つかりませんようにってな」

    戦士「……」

    賢者「で、ほとぼりが冷めたあとにオヤジさんとお嬢ちゃんの捜索に向かったわけだ。そのときに小さな収納スペースで気を失っていたお嬢ちゃんを見た。それだけだ」

    戦士「心の声が聞こえていなかったら……」

    賢者「捜索なんてされずお嬢ちゃんは餓死してたかもなぁ」

    戦士「義父さんはそんなこと一言も……」

    賢者「黙っててくれって言ったんだよ、俺が。恐らく勇者のことを恨んでるはずだからってな。10年で見事に憎悪が気球みたいに膨らんでたけどなぁ」

    573 :

    戦士「……」

    賢者「……俺の所為だ。悪かった」

    戦士「どうして、逃げたんですか……?」

    賢者「勝てないって判断したからだ」

    戦士「どうして村を見捨てたんですか?」

    賢者「残っても何もできねえ。無残にやられ、敗走してきた勇者を村の連中は心から罵ってた」

    戦士「……!?」

    賢者「まぁ、当然だな。下手に喧嘩を売って、村が危険に晒されただけなんだからよ」

    戦士「だから……」

    賢者「そこまで言われりゃあ戦う気力もなかったし、そもそも勝ち目もなかった。だから俺ぁ逃げたね」

    戦士「……っ」

    賢者「我ながら天晴れな遁走っぶりだぜぇ」

    戦士「貴方は村の人たちを恨んで……?」

    賢者「村の連中を俺は恨んじゃいねえよ。当たり前の罵倒だったからなぁ。負けた勇者は例外なく失望されるもんだ。―――とは思えなかったのが俺だ」

    戦士「だから、村を見捨てたと?」

    574 :

    徐々に明らかになっていくな
    ますます楽しみ

    575 = 573 :

    賢者「そーなるな」

    戦士「……」

    賢者「おお、怒ってるなぁ、くくくく……」

    戦士「……貴方が私の命を二度も救ったことは事実なんですね。感謝いたします」

    賢者「お嬢ちゃん、言いたいことは口にだせ。お肌が荒れるぜぇ?」

    戦士「……いいんですか?」

    賢者「おぅ。こいよ」

    戦士「ふぅー……」

    賢者「よっし、俺も気合いれるかぁ」パンッパンッ

    賢者「こい!!お嬢ちゃん!!」

    戦士「お酒臭いですよ」

    賢者「……お嬢ちゃん」

    戦士「私の本心は伝わっているはずです。口に出すまでもないでしょう?」

    賢者「おっさん、マゾだから罵倒してくれたほうが嬉しいんだけどなぁ」

    戦士「貴方のことは許せませんよ。村を見捨て、逃げ出したことは事実ですからね。でも、逃げ出した原因の一端が私たちにあるなら、貴方を責めることは今の私にはできません」

    576 = 573 :

    賢者「そうかい?」

    戦士「エルフ族のこと、魔王のこと、勇者のこと……そして、ここ数日経験したことがそうさせています」

    賢者「そうかい……」

    戦士「それに、貴方は全部を話していない」

    賢者「……お」

    戦士「何故、話さないのかは知りませんが、そんな貴方にとって都合のいい部分だけど話されても判断に困ります」

    賢者「どうしてそう思うんだ?」

    戦士「貴方と姉さんが出会っているからです」

    賢者「……」

    戦士「確か、姉さんは迎えに来た二人の男の子と一緒に両親よりも先に村を出ました。無論、それでも貴方が逃げ出したあとになりますが」

    戦士「どうして姉さんと貴方が出会えるんですか。戻ってきたんですか?」

    賢者「そりゃぁ道に迷ってよぉ……」

    戦士「既に伝わっているでしょうけど、私はこう考えています。勇者は一度逃げ出したのではなく、応援を呼びにいったのではないかと」

    賢者「そうかぁ?臆病風に吹かれただけじゃねえかなぁ」

    戦士「さっきから、なんですか。私に恨んで欲しいんですか?」

    577 = 573 :

    賢者「……ああ。このタイミングで話そうと思ったのも、もう一度お嬢ちゃんには勇者を心から恨んで欲しかったからだ」

    戦士「何故?」

    賢者「俺ぁ賢い。そりゃあ賢い。だから、色んなことが分かっちまう」

    戦士「……」

    賢者「お嬢ちゃん、この先必ず勇者に失望するだろうな」

    戦士「理由はなんですか?」

    賢者「わからねえか?―――この先よ、兄ちゃんが進む先にはお前のオヤジさんがいるんだぜぇ?そしてあの堅物は王女を命がけで守る。となれば、わかるだろ?」

    戦士「……」

    賢者「そうだ。オヤジを殺すことになる」

    戦士「そんなことには……」

    賢者「分かってるくせに強がるなよ」

    戦士「……!」

    賢者「あの堅物が娘がいるからって退くか?手を抜くか?なわけねえよなぁ。全力で殺しにくる。王女が殺せと言ったらな。そう言う奴だ、あいつはぁよ」

    戦士「だから、今勇者に失望しておけと。親の仇になるまえに」

    賢者「心の準備って奴だ。いきなり目の前でオヤジが殺されてみろ、お嬢ちゃんは冷静でいられるか?敵になったから仕方ないで済ませられるか?」

    578 = 573 :

    戦士「でも、殺さなくても……」

    賢者「甘えたこというんじゃねえよ」

    戦士「な……!」

    賢者「オヤジの強さはお嬢ちゃんが良く知ってるだろうが。こっちも殺す気でいかねえと、死ぬぞ?」

    戦士「それは……」

    賢者「まぁ、魔物の軍勢でも引っ張ってくるなら、生かしておくこともできるだろうが、それをしちまうとまた3年前に戻る。魔王を狩る為に勇者が生まれる」

    賢者「兄ちゃんが描く最も最悪の時代が来る。だから、人間の手でやるしかねえんだよ」

    戦士「王女の後ろにはキマイラがいるんですよ!?」

    賢者「表向きには魔物が人間の集落を襲うんだ。世間にとっては立派な侵略行為。報復しても許されることになるだろうなぁ。そもそも何もしらねえ善良な市民までいるんだから、魔物を使う時点で終わりだ」

    戦士「……」

    賢者「今ならまだオヤジ側にいけるぞ。極刑になるだろうけど、オヤジが兄ちゃんの側室たちを殺す場面や、勇者がオヤジを殺す場面は見なくて済む」

    戦士「どうしてそんなことを言うんですか……」

    賢者「それが戦いだからだよ。覚悟がねえなら逃げろ。逃げる勇気がねえなら死ね。ちなみに俺ぁどっちも失敗したがなぁ」グビグビ

    戦士「私は……」

    賢者「勇者に失望できるだけの覚悟を持ちな、お嬢ちゃん。今、お嬢ちゃんの中で兄ちゃんの株が上がってるのはよく分かるが、これから兄ちゃんが戦う相手の殆どは人間だ。それを忘れるな」

    579 = 573 :

    戦士「……っ」

    賢者「すまねえな。説教臭くなってよぉ。死ねとはいったけど、お嬢ちゃんには生き抜いて欲しい。まだ、死ぬには若すぎるしなぁ」

    戦士「わかっています。彼は言いました。側室の敵は斬ると。強く断言してくれました」

    賢者「そうだ。兄ちゃんは容赦しないだろうぜ。本当に敵ならな」

    戦士「……」

    賢者「さてと、酔いがさめちまったなぁ……一杯煽ってねるか」グビグビ

    戦士「あの」

    賢者「……ん?」

    戦士「私に何ができるのかわかりませんが、戦います。彼らと共に」

    賢者「……最後に一つだけいいか?」

    戦士「なんですか?」

    賢者「兄ちゃんはすげえ男だ。青臭けぇけど、やるときはやる男だ。だから……期待だけはしてやるな」

    戦士「え……」

    賢者「兄ちゃんでも救えないものはあるんだからよ。結果で落胆するぐらいなら最初から憎んでてやってくれ。そのほうが楽だ。……おやすみ、お嬢ちゃん」

    戦士(そうか……。私は期待していたんだ。多くの魔物を従え、多くの仲間に頼られて好かれている彼に……。彼なら義父さんぐらい救えるだろうって……)

    580 = 573 :

    戦士「……」

    青年「どうかされましたか?」

    戦士「え?……いえ、別に」

    青年「僕の帰りを待っていてくれたんですか?側室度が2ポイント上がりました。やったね」

    戦士「彼女は?」

    青年「随分前に部屋に戻ったはずですが。見ませんでしたか?」

    戦士「ここで話をしていたので……」

    青年「そうですか」

    戦士「あの」

    青年「おやすみのキスですか?」

    戦士「貴方のこと教えてくれませんか?」

    青年「いいでしょう。まずは下半身の王者度から」カチャカチャ

    戦士「……話、聞いてしまいました。過去に見殺しにした人がいると」

    青年「やっぱり、貴女でしたか。もう一人は側室1号ですね?匂いでわかりましたよ」

    戦士「それが貴方の汚点なら、聞かせてもらえませんか?」

    581 = 573 :

    青年「何故ですか?」

    戦士「貴方を嫌いになっておこうと思いまして……」

    青年「今もそれほど好きではないでしょう?」

    戦士「そうですけど……。その好きと信用は別物ですから」

    青年「面白くないですし、そこまで僕を嫌いになれるようなエピソードではないですよ」

    戦士「それでも」

    青年「僕が住んでいた小さな村に魔物が攻めてきました。そのとき憧れていた女性と親友と一緒に逃げ出し、途中、その女性が足を怪我して動けなくなったんです」

    戦士「それで、その女性を……?」

    青年「すぐ傍まで魔物は来ていましたからね。あの場で回復を待っていたら三人とも食われていました」

    戦士「なるほど……」

    青年「ほら、白けました。どうしてくれるんですかねぇ?これはもう、ベッドで運動会ですかぁ?あーはん?」

    戦士「確かに嫌いになれるほどではないですね。戦時中ならよくある話です」

    青年「……確かに」

    戦士「つまらない時間をとらせてしまい、申し訳ありませんでした。おやすみなさい」

    青年「もしかして、10年前に貴女の村で起こったことを聞いたんですか?」

    582 = 573 :

    戦士「ええ。話してくれました」

    青年「僕のことは?」

    戦士「は?」

    青年「僕のことは何も言っていませんでしたか?」

    戦士「な、なにを……」

    青年「貴女の姉を見殺しにしたのはこの僕だと、言っていませんでしたか?」

    戦士「……!!」

    青年「そうですか。意外と口が―――」

    戦士「あなたは……!!ずっと隠して……わたしに……!!」

    青年「貴女には姉さんの面影しかない。初めて会ったときから、貴女とは同郷だと気付いていました」

    戦士「姉さんを……知っているの……?」

    青年「貴女の家族を殺した勇者はずっと傍にいたんですよ」

    戦士「……」

    青年「……僕の汚点は貴女の姉を置き去りにしたことです」

    戦士「どうして……なにも……言って……くれないの……」

    583 = 573 :

    青年「正直に言いましょう。情報が欲しかったからです」

    戦士「情報……」

    青年「そう。貴女が仕えていた王女の」

    戦士「……」

    青年「真実を語れば貴方は僕の元の去る。だから言わなかった。それだけの話です」

    戦士「……そうですか」

    青年「ええ、そうです」

    戦士「やはり、私は貴方のことを好きになれそうにありません」

    青年「それは無理ですね。貴方は僕の側室ですし」

    戦士「……初恋の女性に似ているからそういうのでしょう?」

    青年「手厳しいですね」

    戦士「……もう休みます。それでは」

    青年「ええ。おやすみなさい」

    青年「……これでいい」

    青年「でも、絶対に死なせない……。絶対に……」

    585 :

    さて正妻は誰になるのか
    側室からの繰り上がりはないよな

    587 :

    おつ?

    大分確信に迫ってきたね

    588 :

    そう繋がって来たか
    ますます目が離せなくなってきたな

    589 :

    勇者が言ってるのが事実かそれとも嘘か今の状態だと微妙だな

    590 :

    三人の因縁が深過ぎるぅ!
    勇者の時の賢者、勇者になる前の元・勇者、勇者を恨むことになる戦士、
    それぞれの心の傷が、全てその時の事件によるものだったとは・・・。
    なんだか凄い。

    591 :

    展開が熱い
    続きが楽しみ

    592 :

    おつつ
    勇者か賢者のどちらかが嘘吐いてるんじゃないの?

    593 :

    このまま戦士ちゃんが10番目の側室になったら因縁が深すぎて
    不公平な感じにならないかな?本妻ならまだしも。

    594 :

    戦士の記憶が時の流れで真実とズレてきてるのかもよ

    595 :

    エロフに告白について鏡向けながら小一時間問い詰めるしかねぇな!

    596 = 574 :

    >>595
    俺も混ぜてくれ

    597 :

    勇者側室の素直さ 勝手に私がランキング(戦士除く)
    1位.ゾンビ
    2位.キラーマジンガ(任務として真意を隠すことがある)
    3位.僧侶(周りに気を使って本意でない行動をとる時がある)
    4位.姫(公の場では自分を押し殺している所がある)
    5位.キャプテン(結構バレバレだが、カッコ悪く見られないように見栄を張る)
    6位.エルフ(それなりに本心を隠すが、ストレートな言動も見られる)
    7位.ドラゴン(特にキラーマジンガに対しての態度が裏腹)
    8位.魔法使い(順位とは相対的なものなので…)

    5~9位辺り.ハーピー(欲望に正直な感じ。素直なような、そうでないような…)

    598 :

    そう云うのは見てるこっちが恥ずかしくなるので止めてください

    599 :

    俺に大ダメージ

    600 :

    書いてる本人でもないのになにやってんだ……


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