元スレ女戦士「元・勇者を探す旅へ」
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151 :
前のSSで戦士だけいない事にずっと疑問を抱いていたけどここで出してくるか。
152 :
155 :
>>153-154
“魔翌力で[田島「チ○コ破裂するっ!」]したい”
って書いてみろ
156 = 155 :
>>155
ごめんw
魔力でオナニー
158 :
黙れ
159 :
ハーレム大嫌い
160 = 148 :
―――雪原
ドラゴン「この者たちを城まで運べ」
魔物「ギー!!」
戦士「城?」
青年「魔王の城です。無論、貴方達も招待します」
戦士「え?!」
青年「こっちに来る前に言ったではないですか。行きましょうって」
戦士「そ、そうでしたか?」
賢者「おぅ、兄ちゃん。俺たちゃぁもう十分だ。兄ちゃんが勇者であることは確認できた。ありがとよ。次は俺たちの番だぜぇ」
青年「おや?そうなのですか?まだ、僕の魅力は1割も発揮されていないはずですが」
魔法使い「夜まで分からないとか言うんでしょ?」
青年「ご明察」
魔法使い「バカ」
戦士「そうです。私は一刻も早く貴方を本国へ連れ帰らねばなりません」
青年「もうハネムーンですか?まいったなぁ」
161 = 148 :
戦士「そうではありません!!最初に言ったはずです。王女が貴方を夫として迎え入れたいと」
青年「待ってください。貴女はもう僕を勇者と認めたわけですか?」
戦士「疑う余地などないでしょう?そもそもドラゴンを呼んだ時点でほぼ決まりでした」
青年「人攫いの犯人と疑っていたのにですか?」
戦士「人攫いなら私が貴方の家に入った時点で攫っているでしょう?」
青年「その考えで至りましたか」
戦士「あの時は混乱していて考えが及びませんでしたが……。疑って申し訳ありません」
青年「いえいえ。いいんですよ」
戦士「ですから、本国へ―――」
魔法使い「待って。そんな話、聞いてないけど?どういうこと?」
青年「言っていませんでしたか?彼女が結婚してほしいと、押しかけ女房的な展開になりまして」
魔法使い「へぇ……?」
戦士「違いますから!!!どうして私が嫁入りに来たってことになるんですかぁ?!」
僧侶「雪ダルマ作ってみたんですけど、お城まで運べますか?」
ドラゴン「溶けないようにすればな」
162 = 148 :
青年「ともかく。まだまだ僕の魅力は伝わっていないはずですし、勇者としての振る舞いもできていません」
戦士「そんなことはありません」
僧侶「そうです。勇者様はご立派ですよ」
青年「いつもありがとうございます。流石はナンバーワン側室。僕のことをよく理解していらっしゃる」
僧侶「そ、そんな……。どうぞ、雪ダルマです」
青年「これはどうも。貴女の肌のように白く美しいですね」
魔法使い「バカにしてない、それ?」
ドラゴン「早くしろ。無駄な時間だ」
青年「ですね。いくぞ!!可愛い側室ちゃんたちぃ!!」
戦士「話が!!!逸れてます!!!!」
賢者「兄ちゃんのペースだな。まだまだ俺たちを引っ張りまわすってか?」
青年「いけませんか?……僕としましても色々とお話を聞きたいのですけどね」
賢者「そうかい……」
戦士「そうはいきません。私にも使命があるのです。貴方には本国へ来ていただきます」
青年「モテる男は辛いですね。さて、どうしましょうか」
163 = 148 :
ドラゴン「できることならこちらを先に処理しておきたい。キマイラの行方を奴から吐かせなければならないからな」
戦士「キマイラ……前魔王でしたね」
青年「ええ。キマイラの捜索が我々の急務ですので。僕個人の急務は貴女を側室に迎え入れることなのですが」
戦士「軟派な男性は好みではありませんから」
青年「元勇者な僕ほど硬派は男がどこにいるのですか。パードゥン?」
魔法使い「あんたが硬派ならゴーレムの硬さは豆腐か何かなわけ?」
青年「彼は別格でしょう。比較するだけ無駄です」
戦士「……」
賢者「兄ちゃんの言い分にも一理あらぁな。魔王にもなれる魔物がどこかで虎視眈々と世界征服を狙ってるなら、一大事にもほどがあるぞ」
戦士「分かっています。―――魔王の城で用件が済み次第、我が本国へ来てもらいますから。いいですね?」
青年「ええ。そうしましょう。僕のホームでなら貴女も惚れずにはいられないはずっ」
戦士「……早く行きましょう」
ドラゴン「よし、乗れ」
賢者「うぃー」グビグビ
戦士(いつになったら帰られるのかな……)
164 = 148 :
―――上空
僧侶「雪ダルマが溶けてしまいます」
魔法使い「だから、こんなことで魔力を使えないでしょ?」
僧侶「……」
魔法使い「はいはい……キンキンに冷やせばいいのね……」
僧侶「ありがとうございます!!」
賢者「ねえちゃんが触ってるだけで溶けねえのか?」
魔法使い「はい、そうです。今は人間冷蔵庫なの」
賢者「ならよぉ、この酒を抱いてたら冷酒にできるのかい?やってくれよぉ」
魔法使い「人をなんだと思ってるの!!!」
青年「肉便器」
魔法使い「黙れ!!」
戦士「……っ」
僧侶「どうかされました?」
戦士「え?あ、ああ。古城で少し怪我をしたようで」
165 = 148 :
僧侶「怪我?」
戦士「恐らく、扉を開けようとしたときでしょうね。無駄に力が入っていたから」
僧侶「手を貸してください」
戦士「なんですか?」
僧侶「今、治してあげますね」ギュッ
戦士「な……」
僧侶「どうですか?」
戦士「痛みが引きました……」
僧侶「良かった。怪我をしたらいつでも言ってくださいね」
戦士「本当に触れるだけで治癒ができるのですね」
僧侶「はいっ」
賢者「その体質、治せないのか?」
僧侶「できるのかもしれませんが、今はこの体質に誇りを持っていますので」
戦士「失礼な発言になってしまいますが、それは欠陥なのでは……」
僧侶「でも、この体質のおかげで勇者様と一緒に旅ができましたし、大切なことも学べましたから」
166 = 150 :
僧侶のアホカワっぷりが加速してるww
167 = 148 :
戦士「大切なこと、ですか?」
僧侶「はい。できることは必ずあるということです」
戦士「できること……」
僧侶「勇者様に出会うまで役立たずと切り捨てられてばかりでしたけど、勇者様だけが私たちの力を必要としてくれました。それが本当に嬉しかったんです」
戦士(彼が……)
青年「くっくっく……今はその雪ダルマを持っている所為で何もできまい……」
魔法使い「変なことしたら凍らせるわよ」
青年「最近、貴女のいう変なことのハードルが良い意味で上がってるから、分からないんですよね。素っ裸ぐらいまではセーフですか?」
魔法使い「アンタの頭はアウトね」
戦士(信じられない)
賢者「でもよぉ、必要とされることは時として残酷だぜぇ?」
戦士「え?」
僧侶「それはそうですね。勇者様が『勇者』という肩書きを無くしたのはそのためでもありますし」
戦士「必要とされたくなかったと?」
僧侶「勇者という存在はそれだけ人々にとって大きいものですから」
168 = 148 :
戦士「それは選ばれた者の宿命です。逃げることは許されない」
僧侶「ご、ごめんなさい」
賢者「お嬢ちゃん。この姉ちゃんにいっても仕方ねえことだろ」
戦士「ですが……」
青年「……そろそろ見えてきますよー。魔物の大本山。魔王の城です」
戦士「あれが……」
賢者「おーぅ。すげえじゃねえかよぉ。あそこに踏み込めるたぁ、光栄だねぇ」グビグビ
僧侶「雪ダルマは?」
魔法使い「溶けてないわよ。で、これなに?」
僧侶「お土産です」
魔法使い「誰に?」
僧侶「魔王様に」
魔法使い「あぁ、喜ぶかもね」
戦士(雪ダルマを喜ぶ魔王……?)
ドラゴン「降下するぞ。しっかりつかまっていろ」
169 = 148 :
―――魔王の城
魔物「グルル……」
戦士「……っ」
青年「大丈夫ですよ。この城にいる魔物は人間に対して友好的ですから」
魔物「ガルルル……」
戦士「睨まれてますけど……」
僧侶「ごめんなさい。目つきが悪いだけなんです」
戦士「殺気が出てますよ」
賢者「気のせいだろぉ」
戦士「そんなバカな?!」
ドラゴン「全員、魔王に挨拶をしていけ。特にお前は3年ぶりだろう?」
青年「ですね。ドラゴちゃんとはよく会っていますが、彼女は外に出ませんからね。会う機会がありませんでした」
ドラゴン「そうだな。連れ出すわけにもいかないからな」
青年「現魔王を連れ出すなんてとんでもない。玉座で堂々としていてもらわなければ」
ドラゴン「堂々とか……そうだな……。少しは威厳を見せて欲しいところだ」
170 = 148 :
―――謁見の間
青年「ただいま戻りましたよ!元勇者が!!」
ハーピー「おお!!」バサッバサッ
青年「ハーピー姉さん。お久しぶりです」
ハーピー「わらわに食われる決心はついたのか?」
青年「いつでもどうぞ」
ハーピー「では、頭から」
ドラゴン「食べるな!!!」ガシッ
ハーピー「は、はなしてたもれぇ……!!」
戦士「な、なんですか……?」
青年「ハーピー姉さんは僕を食べたくて仕方がないんですよ。だから、あまり会いたくはないんですけどね」
戦士「あのハーピー族が魔王なのですか?」
青年「いえいえ。彼女は魔王の側近です。―――向こうの玉座に座っているでしょう?」
青年「玉座に……!?」バッ
「ぁうー……」
171 = 148 :
>>170
青年「玉座に……!?」バッ
↓
戦士「玉座に……!?」バッ
172 = 148 :
僧侶「魔王様、献上品をお持ちしました」テテテッ
ゾンビ「けんじょうひん?」
僧侶「雪ダルマですよ。とっても冷たいんですよ」
ゾンビ「おぉー、ゆきだるまあぃしてるぅ」
戦士「……え?あの……あの子が魔王……ですか?」
青年「はい」
ゾンビ「お?あぁー!!」
青年「ただいま」
ゾンビ「うぅー!!あぃしてるぅー!!」テテテッ
ドラゴン「魔王は座っていろ。何度言えばわかる」
ゾンビ「あぅ」
魔法使い「かわいそうでしょ?」
僧侶「そうですよ、ゴンちゃん」
ドラゴン「しかしだな……。魔王になってから一向に自覚が芽生えていないのだぞ」
戦士「……どうして、この子が魔王に?」
173 = 148 :
賢者「可愛らしいじゃねえかぁ。おぅ」
ゾンビ「ありがと、うー」
賢者「おぅ?」
ゾンビ「あぅ?」
賢者「おぉん?」
ゾンビ「おぉん」
青年「いやぁ、ドラゴちゃんから伝え聞いていた以上に和みますねー、この魔王」
戦士「あの。この子が魔王って嘘ですよね?すぐに倒せそうですが」
青年「倒さないでくださいよ。僕の大事な側室なのですから」
戦士「側室!?」
ハーピー「なんじゃ、何もきいとらんのか?」
戦士「9人ほど側室がいるのは聞きましたけど……」
ハーピー「この男はメスならなんでもいいというておっただろうに」
戦士「でも、これは……」
青年「魔王の側室……。いいじゃないですかぁ」
174 :
ちょっとまて、リビングちゃんかよ!魔王!?
175 = 148 :
ドラゴン「それよりも奴はどうした?」
ハーピー「拷問室に連行した。土塊が見張りをしておる」
ドラゴン「一緒に来るか?」
青年「ええ。聞きたいことは山ほどあるので」
ハーピー「わらわも行こう」
ゾンビ「いくー」
ドラゴン「魔王は?」
ゾンビ「イスへ」
ドラゴン「それでいい」
ゾンビ「あぅ」
戦士「待ってください!!私も行きます!!前魔王の行方は気になりますから!!」
魔法使い「それじゃあ、私たちはここで待たせて貰いましょうか。すぐに他の地域へ行かなきゃならないだろうし」
僧侶「そうですね。一緒に遊びましょうか?」
ゾンビ「うー!!」
賢者「おれぁ、酒が欲しいなぁ。酒、あるかい?」
176 = 148 :
―――廊下
青年「尋問なんて見ていてもつまらないですよ?彼女たちと談話をしていたほうがいいのでは?」
戦士「兵士として魔王の情報は耳に入れておくべきです」
青年「真面目ですね。そんな君が大好きだ」
戦士「質問があるのですが」
青年「何でも聞いてください。ちなみに僕の好きな料理は女体盛りです」
戦士「あのリビングデットが魔王とはどういうことですか?」
ドラゴン「何か問題でもあるのか?」
戦士「それほどの実力者だと?」
ハーピー「いいや。あの者に魔王の器などありはせん。見ればわかるであろう?」
戦士「なら、どうして魔王の椅子に?」
ドラゴン「それは―――」
青年「民主主義に則って、人気投票を行ったんですよ」
戦士「人気投票?」
青年「ええ。この城にいる魔物の中で一番の人気者を選び、その者を魔王にしようと決めたのです。結果、あの子になった。それだけの話です」
177 = 148 :
ドラゴン「端的に言えばそうなるがな」
戦士「馬鹿げている……」
ハーピー「わらわもそう思う」
青年「ダブルスコアで負けたことまだ根に持っているのですか?」
ハーピー「彼奴はどんなやつにでも『あいしてる』と言いふらしておったではないか!!あんなもの人気が出て当然であろうに!!!」
ドラゴン「お前も投票日前に様々な魔物を誘惑していたのは知っているぞ?」
ハーピー「……」
青年「ハーピー姉さん……。僕と言うものがありながら……」
ハーピー「ええい!!そもそも、何故ドラゴン様まで負けたのに悔しくないのかえ?!」
ドラゴン「俺は魔王の側近で構わない」
ハーピー「……」
青年「僕が愛してあげますよ。悲しまないでください」
ハーピー「ならば、はよ、くわせぇ。お前で腹を満たしたいわ」
戦士(駄目だ……。知れば知るほどこの人が分からなくなる……。魔王を決めることにも関与しているなんて……)
ドラゴン「地下に向かうぞ。足下に注意しろ」
178 :
―――地下 牢獄
ゴーレム「……」
青年「お疲れ様です」
ゴーレム「うム……」
戦士(大きい……)
ゴーレム「な、ンだ……にンゲん……」
戦士「いえ、なんでも……」
青年「レムくんは人見知りなんで気にしないでくださいね」
戦士「人見知り……?」
ゴーレム「……」
ハーピー「さてと、尋問を始めるとしようか」
吸血鬼「我輩は何も知らないと何度言えばわかるのですか?」
ドラゴン「何も知らないということはないだろう?お前は外で活動していたのだからな」
吸血鬼「ふん……」
ハーピー「おぬし、その態度では後悔するぞ?」
179 = 178 :
戦士(キマイラ……。前魔王か。あのリビングデッド族よりは確実に強いんだろうな)
青年「キマイラの居場所、知っているんですよね?」
吸血鬼「そこのゴーレム殿はキマイラ様の共鳴者でしょう?そちらを尋問すればいいのでは?」
ゴーレム「……」
ドラゴン「残念だが、こやつはキマイラに見捨てられたときにこちら側についた。もう関係はない」
吸血鬼「さて、それはどうでしょうかねぇ……?」
ハーピー「何がいいたい?」
吸血鬼「あの腑抜けた魔王に不満を持っている者は多いということですよ」
戦士(そうだよね。あんな何も分かってない無邪気な子が王だなんて、不満がでないほうがおかしいし)
青年「彼女のおかげで不毛な争いがなくなったのも確かです」
吸血鬼「支配者を皆の偶像にしたことで、住み分けをはっきりさせただけではないのですか?―――貴様たちの温い考えに賛同する者とそうでない者を明確にしただけだ!!」
戦士(そんな意図が?)
青年「誤解ですよ。皆、おっかない上司には嫌気が差していただけでしょう?」
吸血鬼「ドラゴン様を支持していた者は納得したのですか?していないでしょう?その者たちはどうなりましたか、ドラゴン様?」
ドラゴン「中にはこの城を去った者もいるな」
180 = 178 :
吸血鬼「ふふ……。そうでしょう。あのような小娘に魔王は似つかわしくない。誰もがそう思うはずです」
戦士(この人は悪戯に被害を拡大させただけなんじゃ……)
青年「だからこそ、皆は魔王を頼らず、自分の意思で歩み始めている」
吸血鬼「なに……?」
ドラゴン「僻地にて魔物の集落を作っている者もいる。我々のやり方に不満があるなら去れ。人間の領域を荒らさないのならば追う事などしない」
吸血鬼「何を……。人間が我々の領地を奪っているこの状況でそのような世迷いごとを!!」
青年「元々は魔物と人間は互いの領域に踏み込もうとはしなかった。あるべき姿に戻してなにが悪いのですか?」
吸血鬼「エルフの一件が全てでしょう?人間は力を手にすればまた我らを襲う。魔物が全ての悪ですからね。そうでしょう?!お嬢さん!?」
戦士「……!」
青年「彼女は関係ない」
吸血鬼「古城で我輩に放った言葉、忘れたとはいわせませんよ?あれが人間の総意!!!そうでしょう?!」
戦士「……」
ハーピー「ええい。話をこじらせるな。おぬしはキマイラの居場所を吐けばよい」
吸血鬼「知りません」
青年「強情ですね……。なら、こちらも最終手段です」
181 = 178 :
吸血鬼「最終手段?」
青年「レムくん!!」
ゴーレム「……」
青年「やっておしまい」
ゴーレム「うム」
吸血鬼「な、なにを……!?」
ゴーレム「カタたたキ……ヲ……する……」
吸血鬼「か、肩たたき!?」
ゴーレム「アンしんシろ……タだノ……マッサーじダ……」
吸血鬼「やめてくださいぃぃ!!!」
ゴーレム「フんっ」ゴンッ
吸血鬼「アァァァ!!!!」
ゴーレム「ふンッ」ゴンッ
吸血鬼「ギャァァ!!!」
ハーピー「ほら、知っていることを吐け。出なければ、死ぬぞ?」
182 :
レムくんエグいwwww
183 = 178 :
吸血鬼「いいます!!いいますからぁ!!!肩たたきをやめてくださいぃぃ!!!」
ハーピー「そうそう。素直が一番」
戦士「むごい……」
青年「僕もこんなことはしたくないのですが」
ドラゴン「ただのマッサージだ。気に病むことなど何もない」
ハーピー「それで、何を知っておる?」
吸血鬼「キ、キマイラ様のことは本当に知らないのです……ただ、ここよりはるか南の大地にある遺跡でキマイラ様を見たと……我輩の同胞が……言っていました……」
青年「南の大地……遺跡……」
ドラゴン「遺跡があると言えば、砂の国だな」
青年「砂漠地帯か……。そこには何かあるのですか?」
ドラゴン「前々代の魔王様が最も警戒していた地域だな。真実を映し出す鏡があるらしい」
青年「鏡ですか?」
ドラゴン「どのようなまやかしも打ち破る鏡が眠っているといっていたな」
青年「そうか。前々代の魔王が勇者に追い詰められたとき、広域に幻覚を見せる魔法を施し、勇者を海の藻屑にしたとありましたね。そのためにその鏡を警戒していたのでしょう」
戦士「あの。今からそこへ行く気ではないですよね?」
184 = 178 :
青年「行く気ですよ?」
戦士「それは困ります」
青年「魔王と肩を並べる魔物がいるかもしれないのですよ?」
戦士「それは……」
ドラゴン「構わん。先にその王女とやらに会って来たらどうだ?」
青年「良いのですか?」
ドラゴン「現地の調査のために暫くは時間が掛かるだろう。乗り込んだ先が爆心地だったら困るからな」
青年「そうですね。キマイラが居座っていたら、大きな戦闘になりかねませんし……」
ドラゴン「調査はこちらに任せろ。お前は客の声に応えてやればいい」
青年「そうですね。いつまでもお待たせするわけにも行きませんし。とはいえ……」
戦士「なんですか?」
青年「どうですか?貴女から見て、僕は勇者ですか?」キリッ
戦士「この状況下で勇者であることを疑えるはずがないでしょう?」
青年「そういうことではありません。―――貴女から見て、僕は勇者ですかと訊ねたのです」
戦士「ですから、勇者であると私は認めています」
185 = 178 :
青年「僕は勇者だと?」
戦士「そうです」
青年「多くの街を破壊し、殺戮の限りを尽くしてきた魔物と仲良くしているのに、ですか?」
戦士「……!」
青年「そこまで貴女が僕にフォーリンラブだというなら、仕方ないですけどね。よろこんで側室としてお付き合いを」
戦士「勝手に決めないでください!!」
青年「僕が何をしていても勇者だと認めてくれる人は中々いないんですよね。側室ちゃんたちは除いて、ですが」
戦士「個人的な感情は関係ありません。私は王女様に勇者を連れてくるように言われているのですから」
青年「私情は挟まない。ということは、僕が勇者であることに疑問を持っているわけですね?」
戦士「それは……そうですが……」
青年「あぁ!!それは大変だぁ!!!僕ほど勇者力が溢れる男などこの世には存在しないというのに!!!」
戦士「私は認めていますよ!!!」
青年「客観的な答えを出さないでください。僕は貴女に勇者だと認めてもらいたいわけです。それはつまり、僕に惚れたことを意味するので」
戦士「はい!?」
青年「僕を愛していない女性を側室にするわけにはいきませんからね。誰も幸せになりませんから」
186 = 178 :
戦士「側室になんてなりません!!」
青年「そういい続けていた女性も今では立派に僕の側室なんですよね。ふっふっふっふ、つまり、貴女も……」
戦士「勝手に決めるなぁ!!!」
青年「とにかく、これではっきりしましたね。まだ僕は勇者ではないようです」
戦士「貴方、私に認められる気はないって言っていたではないですか?!」
青年「少し違いますね。あのときの返答は「任務のために動いている兵士に認められるつもりはない」という意味です」
戦士「どう違うんですか?!」
青年「僕が認めて欲しいのは、美しい貴女にですから。意味がまるっきり違うでしょう?」
戦士「一緒ですよ!?」
青年「なら、貴女は僕のことが好きなんですかぁ?」
戦士「嫌いです!!」
青年「なら、好きになってくれるまで君の任務は終わらないと思え!!!」
戦士「どうして?!」
青年「僕が君に恋をして、君が僕に恋をするからだぁ!ぬははぁ!!」
ドラゴン「久しぶりに見たな……お前の暴君ぶりを……」
187 = 178 :
>>186
青年「なら、好きになってくれるまで君の任務は終わらないと思え!!!」
↓
青年「なら、好きになるまで君の任務は終わらないと思え!!!」
188 = 178 :
戦士「縄で縛ってでも貴方を連れて行く……!!私の任務の邪魔をしないで!!」
青年「ほう?では、ロウソクの準備をお願いします」
ハーピー「おぬしも好きよなぁ」
戦士「不潔なこと言わないで!!!」
青年「さぁ、あの拷問室をあけろぉ!!俺が縛られるぞぉ!!」
ゴーレム「うム」
戦士「了解しないで!!!」
ゴーレム「……ナに?カタたたき……スる、か……?」
戦士「ぐっ……す、すいません……失礼な口をきいてしまって……」
ドラゴン「不毛な時間だな。俺はキマイラを追うぞ」
青年「砂漠地帯は雪原と同等の危険性があります。彼女らに協力してもらわないといけませんね」
ドラゴン「あいつらも呼び戻すのか?」
青年「キラちゃんはそのまま調査を続行させます。かなり怪しくなってきましたからね」
ドラゴン「そうなのか?」
青年「ええ、とても……」
189 = 178 :
戦士「待ってください。確かにキマイラのことも大事ですが、調査をするというのなら時間に余裕があるはずです。一度、我が本国に寄って下さい」
青年「ですから、それはまだ早いと言っているではないですか」
ドラゴン「言ってやれ。こういう輩は納得しないぞ」
青年「そうですか?」
ドラゴン「それに気になっていることもあるのだろう?」
青年「まぁ、そうですけど」
戦士(何を言っているの?)
青年「……分かりました。行きましょう。ただし、少し時間を頂きます。それなりに身だしなみも整えなければなりませんので」
戦士「どの程度ですか?」
青年「三日ほど」
戦士「随分と長い身支度ですね」
青年「申し訳ありません。でも、貴女を退屈にはさせませんよ」
戦士「……話は終わりですね。謁見の間に戻ります」
青年「分かりました」
ハーピー「難儀な小娘だな」
190 = 178 :
―――謁見の間
ゾンビ「まおぅ!」
僧侶「ははー」
ゾンビ「まおぅはつよい!」
僧侶「そうですっ!」
魔法使い「長い拷問ね……。あのバンパイア、生きてるかしら?」
戦士「―――生きてますよ」
魔法使い「おかえり。どうだったの?」
戦士「砂漠地帯に行くそうです。そこにキマイラが潜伏している可能性が高いようで」
魔法使い「今度は砂漠地帯か……」
僧侶「帽子が必要ですね。あとサンバイザーも」
魔法使い「また日焼けしちゃうのね……シミになりそう……」
ゾンビ「さばくはあつい!」
僧侶「そうです!!」
戦士「……はぁ」
191 = 178 :
ゾンビ「どうかしたの?」
戦士「いえ……」
魔法使い「あの馬鹿のことなら気にするだけ無駄よ」
戦士「……貴方達は彼を信頼しているのですか?」
魔法使い「ええ。そうよ」
僧侶「はい」
戦士「あんなにも言動が支離滅裂なのにですか?」
魔法使い「そうだけど」
僧侶「あれでも勇者様は筋の通った人ですから」
魔法使い「間違ったところにね」
ゾンビ「スジって?」
僧侶「心のことです」
ゾンビ「うー、わかった」
戦士「側室扱いされているのに、どうしてそこまで……?」
魔法使い「それを言われるとどう答えていいのか分からないのよね……」
192 = 178 :
僧侶「私は勇者様のお傍にいることができれば満足ですから」
魔法使い「そういってるのはアンタだけよ?」
戦士「私には理解できません」
魔法使い「理解はしなくていいわよ。アイツのことなんて誰にも理解できないんだし」
戦士「……そうですか」
僧侶「そんなことないですよ。勇者様はいつだって私たちに愛情を注いでくれていますし」
魔法使い「わざと怪我してアンタの胸とかお尻に触りに行くのが愛情なわけ?」
僧侶「違うんですか?」
魔法使い「3年前から言ってるけど、それはセクハラなのよ?もっと嫌がりなさい」
僧侶「勇者様に触られても不快ではないですし……」
魔法使い「あー、はいはい。ごちそうさま」
戦士「……好きなんですね。あの人のことが」
僧侶「はいっ。大好きです」
魔法使い「なんで、あんなのに惚れたのかわかんないわね……ホント……」
ゾンビ「おにいちゃん、あぃしてるぅ!」
193 = 178 :
戦士「……本当に理解できない」
魔法使い「なに?」
戦士「何でもありません。……あの」
魔法使い「あの酔っ払いなら食堂のほうへ行ったわよ。お酒が欲しいって言って」
戦士「またですか……。食堂まで案内してもらえますか。今後のことを話しておきたいので」
僧侶「わかりました。こちらです」
戦士「ありがとうございます」
ゾンビ「うー……?」
魔法使い「どうしたの?」
ゾンビ「あのひと、こまってた」
魔法使い「そうね」
青年「―――聞きましたよぉ?今、僕のこと好きとか言っていましたねぇ?」
魔法使い「どっから沸いたのよ?!」
青年「ぬほほぉ。貴女からそんな言葉が聞けるとは。もう一回、言ってください。録音して目覚ましにしますから」
魔法使い「い、言うわけ無いでしょ!!!バカ!!!」
194 :
いつになったらドラちゃんの少女スタイルがみれまぅか?
196 :
リビングちゃん参考画像まとめ(微グロ)※皆コスプレ
http://matome.naver.jp/m/odai/2134044746702274501
197 :
>>194
せかいをはんぶんこっ
198 :
まってる
199 :
ほっしゅ
200 :
とりあえず脱いだ
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