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    元スレ勇者「 最終的に頼りになるのは自分の力だ」 

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    201 : ◆JKtjWo - 2013/01/19(土) 22:09:21.40 ID:N0v+4Jsj0 (+60,+30,+0)




    【 城門 】

    兵士A「あ、お前は!!」

    勇者「えーっと、今度はちゃんと武器と防具をもってます!!はい。」

    兵士B「そういう問題じゃない。
        ちょっとそこの事務室で注意事項を伝えねばならん。
        ついてこい。」

    勇者「い、いやですよ。僕別に悪い事してないです!」

    兵士A「こちらの質疑応答に答えず逃げた時点で、怪しい人間としてマークされてしまうぞ!
        それにもし外に出て、何も知らずに旅して万一大事になってからでは遅いんだ。
        これも職務としてだから悪く思わないでくれ。」

    勇者「うっ…まあそういうことならわかりました。」

    兵士B「よろしい。…いいか?どこの国でもそうそうだがまず武器と防具をしっかりと持たねば魔物にうんぬんかんぬん」



    【 説教は30分続いた。 】





    勇者「 やっと終わった…。気を取り直して修行開始だ!!」




     【 路地裏 】



    勇者「くそ!帰る途中でバブルスライムが大量に出て来るとは想像もつかなかった…!!」

    勇者「う~ん、やっぱり素手だと限界があるのかな…
       剣や弓はリーチあるから、距離も取れるし呪文使えばたくさん倒せるし…」

    勇者「「おおきづち」とか武器持った魔物が出て来て…倒して武器奪って、それで戦って……
       そうすれば結構勝てたりするんだよな。
       でも素手でずっと戦いたいって言って…それで結局死んじゃったら元も子もないしな…」

    勇者「…………」

    勇者「…素手による戦いかー。意外と素手だからこそ何でもつかって戦えるのかな?
       僕何も装備してないし。」

    勇者「……まだ、よくわかんないけど素手の戦いはまだまだ続けよう。
       よし!今日は遅いし早く帰って寝よっと。」


    がさごそ…

    勇者「……そういやバブルスライム倒して大量に手に入れた「どくけし草」…
       明日お金に換えるかな。」


    202 : ◆JKtjWo - 2013/01/19(土) 22:10:06.82 ID:N0v+4Jsj0 (+60,+30,-60)




     【 宿屋 】


    「お母さん!お母さん!!しっかしして!!」

    「……うう」





    勇者「えっ…一体どうしたんですか??」

    「あっお兄さん…!」

    勇者「その人君のお母さん??…すごく顔色悪いじゃないか!
       いったい…その前にベットに運ばないと…!!」

    「へ、部屋はこっち…!」

    203 : ◆JKtjWo - 2013/01/19(土) 22:10:42.06 ID:N0v+4Jsj0 (+60,+30,+0)


     【 勇者は少女の母を寝室に運んだ 】


    勇者「…なるほど、バブルスライムに全身おおわれて体の具合が」

    「うん…1ヶ月前、ちょっと外に果物とか取りに行って襲われて…… 
       スライムまみれになっただけで、大丈夫だと思ったんだけど…」

    勇者「3週間前から具合が急変した?」

    「…うん」

    勇者「お医者さんには見せたの?」

    「…………」

    勇者「……お金、ないの?」

    「…………」ポロポロ…

    勇者「…………」

    「うち、貧乏なんです……ずっと昔から続いてた宿屋なんですけど……  
       お父さんが私の小さい頃に死んじゃって……
       お母さんが1人で頑張って…私も手伝いと化したんですけど……
       だんだんお客さんこなくなちゃって……
       毎日掃除して…ピカピカにしてるのに……」

    勇者「……そっか」

    「お母さんもだんだん具合が悪くなって
       今にも死んじゃいそうで……私もうどうしていいのか……うう」

    勇者「…どくけし草ならたくさん持ってるよ」

    「え?」


    勇者「ほら」

    「…で、でも私お金が」

    勇者「いやいや、いらないよ。
       さ、どくけし草を煎じてお母さんに飲ませよう。」

    「えっ…えっと」




    【 数十分後… 】


    勇者「これで良し。」

    「あ、ありがとうございます…!お兄さん……」ポロポロ

    勇者「いいっていいって、とりあえずどくけし草は
       飲ませたのも含めて9束……」

    勇者「(…これだけ病状が悪化して体力も落ちてるとなるとききにくいかもな…)

    勇者「うーん…量が足りないな。これだと…」

    「えっ…じゃ、じゃあ」

    勇者「…まった。まずは、ホイミ!」

    勇者「気休めだけど、熱とか少しでも下げないとね」

    「あ、あの…」

    勇者「…ちょっとだけ夜更かしして来るよ。 
       朝までには戻るよ」

    「え、お兄さん…!」

    204 : VIPにかわりま - 2013/01/19(土) 22:12:33.36 ID:70kKDyKXo (+33,+29,-5)
    なんとなくこいつのホイミ
    ベホマクラスのの効力ありそう
    205 : VIPにかわりま - 2013/01/19(土) 22:15:39.66 ID:8FfNoIW1o (+32,+29,-6)
    >>204
    魔翌力あんまりないっていう設定があったような希ガス
    206 : ◆JKtjWo - 2013/01/19(土) 22:16:01.37 ID:N0v+4Jsj0 (+60,+30,+0)

    【 夜 】
     
        メラ!

     勇者「たいまつに火をともして、それを3~4本作って…これを地面に突き刺して明かりを作る。」

     勇者「…そうすると、周囲に明かりがあって見渡しやすい」

     勇者「正直、夜の戦闘は初めてだから怖いな。」

     勇者「でもなんとなく行けそうな気がする。素手で度胸が着いたのかもな。」


    勇者「………」

    勇者「………」

    勇者「………」

    勇者「………」


    勇者「…でてこいよ!!ドロドロオバケの貧弱バブルスライム!!
       人を毒でしか苦しめれない卑怯の姑息め!!
       くやしかったら全員でかかってこいよオラ!!
       てめえらなんか素手で充分だ!!床の染みめ!!」

    勇者「………って言葉がわかる分けないか。
       自分で言って恥ずかしい」







    バブルスライムの大群「「ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」


    勇者「……」

    勇者「出やがったな。」

    勇者「最初にメラ!!」 ボッ!

    メラメラメラメラ…

     【 勇者は自分のグローブに火を点けた。」

    勇者「あちち!……せっかく直してもらったのにもったいけど、グローブに火を点けて直接炎を叩き込んでやる!!!」


    勇者「うりやぁぁぁぁぁぁッッッッ!!!!」   ボウン!! ボウン!!




    ドカ!バキ!! ぐっしゃああ!! ぶちゅるうう!!

    ばっしゃあああん!! ゴッ!! ぼぐう!! グシャ!!

    ぼぐ!! ドドド!!


    ぶちゃり!! ぐっっしゃああああ!!!
     
       



    …どが! ばき!!

    ………………………………………………………………
    ……………………………………
    ………………
    ……

    207 : ◆JKtjWo - 2013/01/19(土) 22:16:44.73 ID:N0v+4Jsj0 (+58,+30,+0)


    【 3時間後 】



     少「お母さん、元気になって……お薬、お兄さんが持って来てくれたんだよ?」
     
     少「私ももっと頑張るから…死なないで……」

     

     バタン!!

     勇者「…ただいま!!!」

    「!?…ひっ!!ま、魔物!?」

    勇者「…あ、ごめん。僕だよ、僕。全身スライムまみれだけど」

    「え、おにいさん…??」

    勇者「はいこれ!!! バブルスライムって倒すとどくけし草を落とすんだ!!
       20束くらい持って来たから、このくらいあれば治るはずだよ!!」

    「え…えっ??こ、こんなに毒消し草を……??」

    勇者「うん。あと!この国に来た時に、周辺にすむモンスターを調べたんだけど
       バブルスライムの毒は、どくけし草をつかえば必ず治るんだって!!」

    「っ!!…ホントですか!?」

    勇者「うん、あとさっき言うの忘れてたんだけど、
       バブルスライムの毒で死ぬ事はないんだってさ!ただ吐き気とか頭痛が止まらなくなるんだって。」

    「あっ…お母さんも同じ病気で…」

    勇者「…と、いうわけでこのどくけし草全部あげる!!」

    「あ、ありがとうございます!!お、おにいさん…シャワー浴びますか? 私すぐに…」

    勇者「ご、ごめん!!今急いでるんだ!!
       このままだと……!!」


    兵士A「見つけたぞ!!そこの冒険者!!」

    兵士B「入国指定時間を過ぎた上、スライムまみれとは何事だ!!」

    兵士A「さあこい!!お前がこんな夜中に何をやろうとするかは知らんが
        不法侵入罪に値する!!今すぐ城へ着いてこい!!」

    勇者「わー!わー!ちょっと!!待ってください!!僕は別に…!!」

    兵士B「だいたいお前怪しいぞ。今時武器もつかわないで冒険するとか…
        ここのところそうやって外で戦ってるようだな?
        出入りする旅人からの目撃情報があるぞ??」

    兵士A「魔物を倒してくれるのは結構だがルールは守ってもらわないといかん。」

    勇者「うっ…それは……」

    兵士B「さっさと城に着いてこい!!」

    「ど、どうしよう…!お兄さんもだけどお母さんへの薬も…
       あわわわわ…」


    208 : ◆JKtjWo - 2013/01/19(土) 22:28:34.82 ID:N0v+4Jsj0 (+58,+30,+0)


     【 翌日 】

     【 尋問室 】


    勇者「(檻の中で過ごしたせいか、体が痛い)」

    兵士A「大臣様、国内に不法侵入した旅人を連れて参りました。」

    兵士B「被告の装備品はこちらです。」

    大臣「ごくろう…して不法侵入とは?」

    兵士A「は!昨日の夜、入国指定時刻を過ぎたのにも関わらず
        我々の制止をふりきって門をくぐろうとした事と…」

    兵士B「ここ数日前から、外で魔物狩りをして裏町にコソコソと帰るのが目撃さrております。」

    大臣「なるほど…後者の事はともかく、指定時刻をすぎても入国しようとするのはいかんな。」

    勇者「それは…僕の宿泊してる宿を管理している人の母親が
       バブルスライムの毒に当たっていたので、それを治癒しようとして
       どくけし草を取りに行ったんです。
       バブルスライムをやっつけて拾うために。」

    大臣「ほう…それは本当か?」

    兵士A「はっ 今朝方、被告の宿泊していた場所を調査しました。
        そこで宿を管理している少女が証言と被告の証言した事は一致。
        また病状の母親が一人おりましたので、ただいま少女共々城内で療養させております。」

    勇者「ほんとですってば…」

    兵士B「黙っていろ!今被告人からの言動は認められていない。」

    大臣「……被告から脅されて、あるいは病気にさせられたという事は?」

    勇者「ちょっとそれは言い過ぎなんじゃないんですか!?
       僕は絶対に…」

    兵士B「貴様!黙っていろと言っただろうが!!」

    勇者「うっ…」

    大臣「それで続きの報告を」

    兵士A「 はっ 」

    勇者「(あー…なんでこんな事に)」

    209 : ◆JKtjWo - 2013/01/19(土) 22:29:12.62 ID:N0v+4Jsj0 (+60,+30,+0)



    【 更に翌日 】 留置場 


    兵士A「出ろ。釈放だ」

    勇者「えっ」

    兵士A「釈放だ。」

    勇者「やっっっっったあああああああああああ!!!!」

    兵士A「疑ってすまなかったな…」

    勇者「ほんとですよ…でも僕もごめんなさい……
       母親の方がひどく弱ってたのでちょっと急ぎで…」

    兵士A「そうだったな…あの子の母親だが体調が回復して毒も治癒されたぞ。」

    勇者「やった!!」

    兵士A「それと国王様がお呼びだぞ。」

    勇者「えっ」

    兵士A「お前と話がしてみたいだと。」





     【 国王の間 】

    大臣「先日は無礼を…」

    勇者「い、いえ…気にしてませんから……」

    大臣「…王様がお呼びだ、こちらへ」

    勇者「はい」





    西の王「こんにちは。あなたが素手勇者ね?」

    勇者「は、はい…(あれ?素手ってことも知られてるんだ)」

    西の王「先日はあなたに無礼をかけたことを深くお詫びします…」

    勇者「いやいや!いえ!もう気にしてませんので!はい!大丈夫です!!」

    西の王「しかし、魔物を討伐している上に国民を助けてくれた恩人に法律とはいえ
        尋問などを行ったのです。
        形式上とはいえ、申し訳ありません。」

    勇者「は、はあ…」

    勇者「あっ えっと…それでお話とは」

    西の王「はい、またしても先の件のことになりますが
        北の国から来た転属できた兵士が素手勇者さんの事を詳しく聞かせて頂けました。
        なんでも素手で戦う勇敢な若者で北の王にお世話になっている…と」

    勇者「えっホントですか!?北の兵士さんが…」

    西の王「はい、その詳しい事と宿屋の少女さんの話…我が国民からの目撃情報から
        あなた自身の事を知る事が出来ました。」

    勇者「そうだったんですか…」

    西の王「ときに素手で戦っているのは本当でしょうか?
        疑う訳ではないのですが、武器を持って戦うのが当たり前になってる時代ですので
        私も少し興味があるのです。それに北の王と親しいとなれば……。
        もし素手勇者さんがよろしければ私に、旅の事をきかせて貰っても宜しいでしょうか?」
        
    勇者「は、はい!…そうですね。まず僕が素手で戦うようになったのは…」
    210 : ◆JKtjWo - 2013/01/19(土) 22:32:15.58 ID:N0v+4Jsj0 (+60,+30,+0)


    【 城内 】 客室

    勇者「…まさかお詫びと話の礼に、「はやてのリング」を貰えるとは」

    勇者「ていうかこれ国宝とかじゃなくて、国王様が昔冒険でつかったっていうアイテムなんだよな…」


    国王「それをつけると、体の動きが速くなれるんです。
       …逃げたりする時にも便利ですよ♪」

    勇者「逃げたリって、捕まらないようにってか?ははは…」

    勇者「なんか疲れた…眠ろう。」

    勇者「(しかも詫びでここに泊まるよう言われたけど
        正直落ち着かない…キラキラしすぎ!)
       




    【 翌日 】 王の間


    国王「では、あなたの旅に神のご加護を…」

    大臣「南の町は魔法で有名な都市だ。
       色々とおもしろい情報を得られると思うぞ。」

    勇者「はい、ありがとうございます。」

    勇者「…あ、そうだ。聞きたい事があるのですが!」

    国王「なんでしょう?」

    勇者「ここに来る途中、勇者達の討伐部隊を見かけたのですがそれは西の国でも
       討伐部隊を編成してらっしゃると?」

    国王「………」

    勇者「えっと……」

    国王「素手勇者さん」

    勇者「は、はい…!」

    国王「討伐隊は昨日、あなたの話にもありましたように北の国で編成されましたが
       同じように西の国でも編成されています。」

    勇者「はあ…」

    国王「北の王はおっしゃらなかったようですが
       この討伐部隊は、東西南北それぞれの国で編成されました。」

    勇者「そ、そうなんですか??」

    国王「はい。これまで多くの勇者が生まれ、魔物の脅威は徐々にですが減りつつあります。
       しかし、その魔物をとべていると言われる魔王の存在が未だ不明のままです。」

    勇者「…魔王ですか。」

    国王「そもそも魔王という存在がいるのかどうかもわかりません。
       しかし魔物は確かに存在します。」

    国王「この討伐部隊は魔物を討伐して行くと同時に
       魔王の情報を手にするための計画でもあるのです。」

    国王「4つの国から、それぞれの部隊が時計回りに隣国を訪れ
       やがて全ての国の状況を把握、交換する事でより有益な情報を集めるという内容です。」

    勇者「はあ…」

    勇者「…あれ?それって僕に言っても良いんですか??
       試験に落ちたし、何より試験でそのような詳しい説明ではありませんでしたよ!」

    国王「私も、この事はあなたにお伝えする意志は最初ありませんでした。」

    勇者「ならなぜ…」
    211 : ◆JKtjWo - 2013/01/19(土) 22:33:47.22 ID:N0v+4Jsj0 (+60,+30,+0)

    国王「あなたは今、討伐部隊とは逆方向に旅していますよ?」

    勇者「そ、そういえば…」

    国王「そしてあなたは今1人。自由に道を選択していけるのです。
       部隊では規律に縛られることもあるのでしょう。
       それがあなたにはありません。」

    国王「自分の足で、自分の目で、この世界を歩いて行けます。」

    国王「もし故郷に戻る事があれば
       今話して来た事と、アナタ自身が見た内容を北の王に伝えて欲しいのです。」

    勇者「な、なるほど…」

    国王「いきなりの事で申し訳ないですが、あなただからこそ話せる事なのです。」

    勇者「ええ?だって昨日は誤解とはいえ初対面で無実の罪人の人間ですよ?
       そんな急に言われても……」

    国王「あなただからこそ…ですよ。
       素手でここまでやってくるその精神力の強さ。
       そして見ず知らずの他人もケガを惜しまず助けるその姿勢に私は一目おいたのです。」

    勇者「そ、そうなんですか…」

    国王「ですがこれは私個人の身勝手からあなたに言っている事です。
       今の話をナシにしてもらっても構いませんよ?」

    勇者「そうですか(う~ん…そういわれると……あ、でも待てよ?)」

    勇者「…結局のところ僕が自由に旅をして、そこで得た事を北の王様にお伝えするってことなんですよね?」

    国王「はい♪」

    勇者「そういうことでしたら、わかりました。
       僕は僕自身で感じたもの、見たものを王様に伝えます。
       元々僕は自分に満足のいくところまで旅をする予定だったので…」

    国王「素手勇者さん…」

    勇者「では僕は僕の旅を続けます。綺麗な部屋での寝食ありがとうございました。」

    国王「こちらこそ…ではお気をつけて」

    勇者「はい。」





    大臣「…よろしいのですかな?今まで訪れた勇者のように色々教えたのは?
       これで6人目ではないですか。」

    国王「大臣…ことは急をようするのかもしれませんよ?
       それに私が信じた人達に今まで悪人がいましたか?」

    大臣「いえ…あ、でもマナーが悪い人間はおりましたな。」

    国王「そ、それは誤差の範囲です!」

    大臣「まあ良しとしましょう…。あの素手勇者も行方不明にならなければいいのですがね……」

    国王「そういった事も含めて、はやてのリングを渡しました。
       あれは逃げる時には本当に便利です。」
       
    大臣「そうでしたな。しかし、吉と出ますか……あえて目立たぬ者が地に残るか………」

    国王「……近年、各地で行方不明になる勇者が多数。
       その調査も討伐部隊にはありますが、討伐部隊そのものも狙われる可能性も」

    大臣「むう…やはり何者かの存在が裏にあると見て良いでしょう。
       なにせ行方不明になった勇者はいずれも名のある有名な勇者ばかりですからな…」 

    国王「その方々が行方不明になるとなると…」

    大臣「魔王か…それとも災害に巻き込まれたか……強い魔物にやられたか……」

    国王「…全ての勇者に神のご加護をっ」
    212 : ◆JKtjWo - 2013/01/19(土) 22:37:02.11 ID:N0v+4Jsj0 (+60,+30,+0)



    【 古びた宿 】


    「ほんとうに…ほんとうになんと感謝すれば良いのか」

    勇者「よかった、体調が良くなってなによりだよ。」

    「お兄さん…兵士さんから聞いたけど勇者様だったなんて…
       あ、ありがとうございます……///私、これからもお母さんと一緒に頑張ります!!」

    「娘から宿に泊まる日数を聞きましたが
        お城で過ごした時間を抜くので、その分ゆっくりしていってください。」

    勇者「え、そんな…悪いですよ。
       なんならお金を…」

    「い、いいんです…!お金よりも勇者様に泊まってもらえた方が良いです!」

    勇者「え、そうかな…//」

    「はい!」

    「勇者様からのホイミとどくけし草、お医者さんからの治療でもうばっちり働けるわ。  
        今日はたんまりとごちそうするわ。」

    「お、おかあさん!それは嬉しいけど、絶対無理しちゃダメだからね!!
       私も手伝う!!」

    「あらまあ…♪」

    勇者「(むう…結構ここに滞在することになるな。
        いや、別に焦る必要も無いか。まだ見てないお店もあるし、明日色々回って行こう。)」

    勇者「(あーでもなー、体動かしたい!!
        外でケガしたら迷惑かけるし、筋トレにしておこう!)」


     【 勇者はその夜、おいしい御馳走を頂いた。 】


    213 : ◆JKtjWo - 2013/01/19(土) 22:38:52.97 ID:N0v+4Jsj0 (+60,+30,+0)



    【 西の国 】 宿屋


    勇者「なんか今日は賑やかになってるね。町の方が。」

    「確か今日から1週間はトーナメントがあるんですよ。」

    勇者「トーナメント?」

    「はい、優勝者に賞金と豪華賞品っていう大会です。」

    勇者「それで賑やかなのか。」

    「はい!この国の名物みたいなモノでその周はすごいたくさん人が来るんです。

    勇者「(ちょっと見に行ってみようかな…)」






    【 大会広場 】


    勇者「すげえ…どこもかしかも、強そうな人で人でいっぱいだ。」

    受付「おや、君も参加するのかい?」

    勇者「いや、ちょいと下見でまだ決めてないです。」

    受付「おーそうかい!ならこのパンフレットで
       どのトーナメントがあるのか見てくれ!!」

    勇者「なになに…?「剣」「斧」「ハンマー」「フリー」のトーナメントか……」

    受付「どうするどうする?
       ちなみに、殺しとかはないから安心してよ!!
       もしそうなったら、牢屋行きだからね!」

    勇者「…ほかにルールは?」

    受付「場外に落ちる!リタイア宣言!!
       んで、殺したりしたら失格!!
       …まあ今まで殺してリタイアした人はいないよ!!
       あくまでパフォーマンスね!!」

    勇者「(ちょっと試してみようかな…)」

    勇者「あ、あと、装備とかのルールは?」

    受付「そこは何でもアリ!!
       知っての通りここは武器などで活気のある町だからね!!
       色んなのつけて戦った方がお客さんもよろこぶんだよ!」

    勇者「(「はやてのリング」オッケーか…)」

    勇者「…じゃあ参加しますね。」

    受付「オッケー!!じゃあどのトーナメント!?
       背中に剣もってるし、「剣」でいっちゃう!?」

    勇者「フリーで行きます。…それに僕の武器は素手です!」


    214 : ◆JKtjWo - 2013/01/19(土) 22:39:29.96 ID:N0v+4Jsj0 (+60,+30,+0)




    【 予選会場 】 フリー

    審判「ここはフリーの予選トーナメント会場よ!
       くじの番号にかかれた順に戦って行って
       最期に勝ち残った8組の人達が本戦にいくわ!!」

    審判「ちなみにルールは受付の人に聞いたかしら!?」
       殺したりしたら失格!!場外、リタイアでもね!!」

    勇者「え、ええ。知ってます。」

    審判「そして、3回勝てば本戦出場よ!頑張って!!」

    審判「はい!あなたはGの27番目ね!!
       もう26番目の人がいるから、さっさと戦ってね!」
       
    勇者「は、はい。」

    審判A「両選手揃ったので、試合開始!!」



    26番「おう、待ってたぜ。…なんだガキか。」

    勇者「ガキでもいいじゃないですか。
       (すごい強面の人だ…)」

    26番(剣)「へっ…って、おいおい!前武器は無いのか?」

    勇者「武器?僕は素手で挑むんです。」

    26番(剣)「はははは!こりゃおもしろい事を言うぜ!!
           …ならこの勝負は楽勝だぜ!!」 シュバッッ!!

    勇者「(…むっ 遅いな。)」 ヒュン!

    26番(剣)「な!?は、はやい…!?」


      ド ゴ ン!!



    26番「」


    審判「26番の人は場外アウトね!!
       おめでとう!27番!!」

    勇者「一応勇者って名前があるんですけど…まあいいか」


     「すげー、あいつ素手でサーベル相手に勝ったぜ」

     「まぐれまぐれ、相手の選手が弱かったんだよ。」

     「今時素手かー、やっぱまぐれじゃね?」


    勇者「(むっ…そんなに素手がおかしいのか。
        なんかこのまま本戦にいってやろうかな…)」

    215 : ◆JKtjWo - 2013/01/19(土) 22:40:54.41 ID:N0v+4Jsj0 (+60,+30,-211)




    審判「2回戦開始ね!!」

    棍棒「ひゅー、兄ちゃん素手で挑むとは度胸あるねー」

    勇者「自分はずっと素手でやって来たので…」

    棍棒「ひゅー、言うねー。けど俺の棍棒の前じゃ
       どんなやつでm…


     ば ち ょ ん !!!


    棍棒「」


    審判「こ、棍棒選手の場外負け~……」

    勇者「…相手が魔物じゃ、喋ってる暇なんてありませんよ。」



    「おいおい!あのガキメチャクチャ強くねえか!?」

    「なんで素手であんなに人が吹っ飛ぶんだよ!!」

    「ひえー、すげえもんだな!!」




    勇者「(ふ…なんかにやけちゃうな)」




    【 結局、勇者は本戦トーナメントに勝ち進んだ 】


    216 : ◆JKtjWo - 2013/01/19(土) 22:43:00.18 ID:N0v+4Jsj0 (+58,+30,-199)



    【 本戦トーナメント組み合わせ 】


    【 剣士A vs
      剣士B 】


    【 素手勇者 vs
      棍棒勇者 】


    【 斧勇者 vs
      斧使い 】


    【 二刀流
      女の子 】




    審判「それではこれより、フリートーナメントを開催しまーっす!!
       出場選手はご覧の通り!!
       
       なんと今回は素手で挑んでる勇者の方がお見えになってます!!
       皆さん注目してくださいねー!!」


     わー!わー! いいぞー!!  審判ちゃんきゃわWiiねー!!

     結婚してー!!  うおお!!女の子も出場してるぞー!!
     
     素手で挑むとかバカじゃねーの!?1発KO負けに1000G!!

     俺ものった!! 俺もだ!! 
     

    【 控え室 】


    勇者「あんな大声でいわなくてもいいのに…
       緊張して来たじゃん。」


    の子「………」

    勇者「(あの子も出場か…武器は……なし?ぼくと同じ素手…?
        細い体だけど、力とかあるのかな??)」

    の子「…フン」

    勇者「(あっ……そっぽむかれた)」


    217 : ◆JKtjWo - 2013/01/19(土) 22:46:59.37 ID:N0v+4Jsj0 (+60,+30,+0)



     ワーワー!! ワーワー!!


    わあああああああああああ!! 剣士Aが勝ったあああああ!!!




    審判「素手勇者さーん!棍棒勇者さーん!!
       出番ですよー!!」

    棍棒「了解した。」

    勇者「は、はい!」



    おい!こんどは素手ヤローだぜ!!

    ぎゃははははは!いいぞーにーちゃん!!

    やれー!やれー!

    相手は棍棒か!! おもしろい組み合わせだ!!



     【 トーナメント会場 】


    審判「続いて、棍棒勇者さんと素手勇者さんの対決!!
       素手勇者さんは名前の通り、素手でここまで勝ち抜いて来たーーーーーーー!!!
       いったい、この戦いではどんな風に盛り上げてくれるのかーーーーーーーーーー!!


     いいぞーーーー!! マジで素手かよ!!
     棍棒でボコボコにされておわりだな!!www



    勇者「(相手は棍棒……固そうかな??)」

    棍棒「…よろしくね
       君が素手でどう戦うのか見てみたいよ。」

    勇者「ん?…わかった。じゃあ正々堂々とよろしくお願いします。」

    棍棒「こちらこそ」
    218 : ◆JKtjWo - 2013/01/19(土) 22:48:47.45 ID:N0v+4Jsj0 (+60,+30,+0)




    審判「それでは試合始め!!」


    棍棒「うおおおおお!!」 ブオン!!

    勇者「なんの!!」 ブン!!

    棍棒「(…はやい!!あっという間にボクの右側に…!!でも…)」


    審判「おーっと、棍棒選手!!
       振り下ろした棍棒を素早く右に流したアアアアア!!!」


    勇者「う!?」

     【 勇者の顔をかすった 】


    勇者「(あ、あぶなかった…)」

    棍棒「(これもよけた…!?すごい、どんな特訓をしたんだ??」


    棍棒「これなら!!両手で振ると、パワーとスピードもあがる!!」 ダダダッッ!!



    【棍棒勇者はステップをふむと、いきおいかかって両手で棍棒を振り下ろす!!】


    勇者「どりゃあああああああ!!!」


    【 勇者はとっさに、その棍棒めがけて拳をふるった!! 】


    棍棒「!?」


       ばっっっっっこおおおおおおおおおおおおおん!!!!



    棍棒「そ、そんな…!?棍棒が折れた!!?」



     うおおおおおお!! すげー!! あの大きな棍棒を折った!?

     なんつー怪力だ、あの素手勇者は!!



    勇者「お互い素手になったな!!うりゃあああああ!!!」

    棍棒「う…!?(棍棒がなくなった…!!素手では……!!)」



        ど か ん !!!


    棍棒「ぐは!?」



    審判「場外!!棍棒勇者さん、失格!!
       2回戦出場は素手勇者さんに決定!!」



    わー!わー! いいぞー!!
    すげー!! 素手勇者やるじゃん!! 

    まーぐーれ!! まーぐーれ!!
    219 : ◆JKtjWo - 2013/01/19(土) 22:49:16.27 ID:N0v+4Jsj0 (+60,+30,+0)


    棍棒「いてて…」

    勇者「大丈夫??」

    棍棒「まあね。しかし驚いたよ…まさか棍棒を折りに来るとは」

    勇者「咄嗟だったんだよ。」

    棍棒「でもすごいよ。攻撃も1回も当たらなかったし…
       どんな訓練をしたんだい?」

    勇者「うーん…旅に出る前の1年間、素手で毎日スライム達と戦いまくってた。
       スライムって小さいし、すばしっこいから攻撃も当てにくいしさ」

    棍棒「そ、そうなの!?すごいね!!    
       …あっ次の試合もあるし、続きはまた後で聞かせてくれよ!!じゃ!!」

    勇者「うん」





     【 そして、次の試合でも素手勇者は、相手の攻撃をかわしつづけ
       強力な一撃をくらわせた。】


     【 しかし、場外にはならなかったので今度は「ばくれつけん」をおみまいしたところ
       相手がリタイア宣言したので、素手勇者の勝利となった… 】


     【 そして3回戦の相手は… 】



    勇者「次で決勝か…」

    剣士A「素手でそれほどの腕があれば決勝もいけるだろうよ」

    棍棒「頑張ってね!」

    勇者「うん、ありがとう」

    剣士A「(素手であれほどの腕とは…俺も1から修行し直すとしよう)」




    勇者「え…君が相手?」

    の子「何か問題でも…?」

    勇者「いや、別に…(と、いいつつも女の子と戦った事無いし……これは案外ヤバいかも??」

    220 : ◆JKtjWo - 2013/01/19(土) 22:51:06.39 ID:N0v+4Jsj0 (+58,+30,+0)

    勇者「(それに、丸腰…ボクと同じ素手…だよな?)」

    の子「仕掛けてこないならこちらから行きますよ!!」 ボウ!!!

    勇者「えっ!?うおおお!!あちい!!」 ヒュン!

    の子「かわした…よく反応できたわね。」

    勇者「魔法!? 素手じゃないの!?」

    の子「誰がそんな野蛮な方法で戦うのというの?
        ほら、次はどうかしら??」

    の子「ヒャダルコ!!」


     【 勇者に氷の粒が降り注ぐ!! 】


    勇者「うわああ!!!」


    の子「イオ!!」


      どおおおおおん!!


    勇者「うげ!?」



    勇者「はあ…はあ…はあ……」 フラフラ…



    の子「無様ね。どんな人かとおもったけけど、ただの野蛮な小物ね。」

    勇者「な、なんだと!?魔法とか聞いてないぞ!!」

    の子「ふふふ…そういう反応こそ小物よ!!
        審判!!魔法は反則なのかしら!?」

    審判「い、いえ…特に何も……」

    の子「というわけよ…」

    勇者「だからここまで勝ち進んだのか…」

    魔法使い「当たり前じゃない。私は魔法使いなのよ?
         武器を振り回すし可能の無い単細胞の連中に負ける分けないわ。」

    魔法使い「予選でも風の魔法で吹き飛ばして終わりだし。
         あっけにとられてみてる、群衆の顔が笑えるわ。」


    わー!わー!! うるせえぞバカヤロー!!
    ちょっとかわいいからって図に乗るな!!

    バーカ!!バーカ!!! 魔法ばっかで卑怯だぞー!!正々堂々と戦えー!!


    魔法使い「うるさい蠅どもね…」

    勇者「くそ!魔法相手か…
       でも、だからといって諦めるないぞ!!」  ギュン!!

    魔法使い「な!?」

    勇者「魔法はすごくても、肉弾戦はどうなんだ!?」


     【 勇者は一気に魔法使いとの距離を縮めた!! 】

    勇者「せいけんづき!!」


         ド ウ ン  ! ! ! !

    221 : ◆JKtjWo - 2013/01/19(土) 22:52:54.20 ID:N0v+4Jsj0 (+60,+30,-295)


    魔法使い「うっっ!?」 ヨロヨロ…

    【 しかし魔法使いは、すぐに体勢を整えた。 痛みをこらえる表情は無い。 】 

    勇者「手応えなし!?なんで!!」

    魔法使い「…残念。防御魔法をつかったからよ。」

    勇者「なに!?(くっそー…武器ならともかく素手だとなおさら効かないとか!?)」

    魔法使い「私に勝とうなんて、あなたじゃ無理ね!!
         素手などとは笑わせてくれるわ!!」


      【 魔法使いはヒャダルコを唱えた!! 】


    勇者「(無数の氷の粒…!よけきれないし、こうなったら!!)」

    勇者「うおおおおおお!!!ばくれつけん!!ばくれつけん!!ばあああくれつけえええええええん!!!」


     【 はやてのリングの効果で勇者の拳の速度が速くなった!! 】


      ドドドドドドドドドドドドドドドドドドッッ


    魔法使い「うそ!?氷の粒を殴って落とした!」

    勇者「ぜえ…ぜえ……うっ」

    魔法使い「…でも、何発かは喰らってるわね。息切れなんかおこしてそろそろ終わりかしら?」

    勇者「く、くっそ……(離れた相手に素手での飛び道具ワザ……やっぱり無理か!?)」

    魔法使い「さてと…」 フワッ…

    【 魔法使いは空中に浮かんだ 】

    222 : ◆JKtjWo - 2013/01/19(土) 22:53:27.74 ID:N0v+4Jsj0 (+60,+30,+0)



    魔法使い「終わりよ!! メラミ!!」

    勇者「う、うおおわああああああ!!!」


    【 勇者はメラミを撃ち落とそうと、腕を力一杯…横に払った!!!】



        バシィッッッ!! ボウン!!


    勇者「ぜえ…!ぜえ…!い、今のはあぶなかった…!!
       思いっきり腕を振るわなかったら…直撃……!!」

    魔法使い「…ふん、弾きとばすとはなかなかね。  
         でも次で……あら?」

     タラァ…

     
    勇者「……ん?」

    魔法使い「な…なっ…!?」


     【 魔法使いの頬が、少しだけ切れていた。 】

     【 そこから真っ赤な血が滴り落ちる。
       魔法使いは頬に手を添え付いた血を見ると、みるみる血相を変えた!!】


    魔法使い「よ、よくも…!よくも私の顔に…!!き、傷を……誇り高い魔法使いの血を…血を……!」

    勇者「…ん?」

    魔法使い「うわああああ!!よくもおおおおお…!!!
         ライデイン!!!」


     【 突如勇者の頭上に、雷が降り注ぐ!! 】


    勇者「…!?(防御を…!!間に合w…)」


     がっしゃあああああん!!!


    勇者「うぐああああああ!?」


    魔法使い「はあ…はあ……よくも!!汚れた連中がよくも私に……!!」

    勇者「う…っ くっ 」 フラフラ…… バタン

    223 : ◆JKtjWo - 2013/01/19(土) 22:53:59.57 ID:N0v+4Jsj0 (+60,+30,+0)

    魔法使い「は、ははは! もうボロボロじゃない!!
         ざまあないわ!! 」


    おいコラー!! なにやってんだー!!
    てめーは失格だー!!!帰れ!!

    きゃー 素手勇者さーん!!



    魔法使い「ふん!!愚民共が!!何を!!」

    勇者「…うう」

    魔法使い「!!」

     【 勇者はゆっくりと起き上がった 】



    うおお!! 素手勇者!!
    いきてた!!いいぞー!!!

    素手!! 素手!! 素手!!


    魔法使い「(こいつ…あれだけ魔法を喰らってまだ立つの!?)」

    魔法使い「……………」

    魔法使い「(このままトドメを差したい所だけど、ここで騒ぎを大きくしたら
          名誉が傷つくわね…)」

    魔法使い「……ふん!くだらないわ!!
         さっきの攻撃はどうせまぐれにきまってる。」

    勇者「……くっそ。ダメだもう立てない。」

    魔法使い「……さあ、どうするの?」

    勇者「…はあ。降参、降参するよ。」

    審判「す、素手勇者さんリタイア宣言です!!
       優勝は魔法使いさんに決定!!」

    魔法使い「優勝したら表彰とかもらえるんでしょう?…いらないわ。クスクス
         私にふさわしくないもの…これは当然の結果だから、表彰される意味が分からないわ…」

    勇者「なんて失礼なヤツだ…」

    魔法使い「あら?私の顔に傷をつけ、殺されなかっただけでも…私は慈悲深いと思うけどね?」

    勇者「くそ…」

    魔法使い「さよなら。ここには様子見できてみたけど、やっぱり野蛮でグズな所ね…」


    【 魔法使いはそういうと、彼女の体が宙に浮かんだ。 】


     バシュウウーーーーーーッッッッ!!


    【 そして目にも留まらぬ早さで急上昇し、空の彼方へと消えて行った…」
    224 : ◆JKtjWo - 2013/01/19(土) 22:56:16.87 ID:N0v+4Jsj0 (+60,+30,+0)



    勇者「ぜえ……ぜえ……、くっそ…なんだよ。  
       あの女の子…思いっきり魔法喰らわして来たし…いてえ」


     わー!わー!!

     素手勇者すごいぞー!!見直したー!!

     よく耐えたぞー!!

     お前は頑張った!!おまえがNo.1だ!!



    勇者「ははは…どうも」

    審判「えーーっと……魔法使い選手が表彰を放棄したので
       繰り上げで、素手勇者さんが優勝です!!」


     わーーーーーーーーーーー!! いいぞー!!

     あいつが勝ってもアンタの方にオレは応援するぜ!!

     おめでとー素手勇者さまー!!

     

    勇者「え、ええ??ボクが優勝…??」

    棍棒「やったね!素手勇者君!!
       試合には負けちゃったけど、勝負は君の勝ちだよ!うん!!」

    剣士A「ほれ、ベホイミだ。」


    勇者「あっ ありがとう!」

    剣士A「なに気にするな。」





      【 ハプニングはあったが、フリートーナメントは素手勇者の繰り上げ優勝になった。」

     
      【 素手勇者には賞金5000Gと、せいすい10本、はがねのグローブが送られた 】



     【 この時、その場にいたもの全員が素手勇者に注目しフリートーナメントは終了となった。
       皆、素手勇者と魔法使いの戦いで話が持ち切りだったのだが、

       素手勇者が魔法使いのはなったメラミを弾いた時…、腕を振った方向が
       丁度魔法使いへの直線上だった訳だが、

       その魔法使いの後方にあった、トーナメントの旗が
       ぱっくりと切り裂かれていたと事に気づくのは、トーナメントの期間が終了してからであった。」

    225 : ◆JKtjWo - 2013/01/19(土) 22:56:52.98 ID:N0v+4Jsj0 (+60,+30,-273)









    剣士A「いい試合を見せてもらった。縁があったらまた会おう。」

    棍棒「バイバイ!素手勇者君」

    勇者「うん、二人も頑張って。」




    勇者「そういや、治してもらったグローブ……火付けたり魔法弾いたりしてて、また壊れちゃった。
       このはがねのグローブはすごく丈夫そうだし、こっちに換えるかな。
       治してくれた人には悪いけど…。」


    勇者「それにしても、あの魔法使い…いきなり豹変したけどあれはなんだったんだろう……
       血がどうのこうの言ってたけど、戦ったらケガするのは当たり前じゃないか。」




    勇者「さてと、宿にかえって寝るかな。」



     【 宿に戻ると、優勝の事をきいた少女によって豪華な料理が作られていた。 】







    【 翌日 】

    勇者「…休みはあと数日、もうほとんどこの町でする事は無いし、
       外で修行でもしてみようかな。」





    ぶん! ぶん! ばき!! どが!! ぶちゅん!!


    勇者「…すごい!改めて見ると、腕を振るのが前より早くなった気もするぞ!!
       はやてのリングの効果はスゴいな…」

    勇者「これなら一度に多くの魔物が出ても、苦戦しにくくなるぞ!!」

    勇者「…でもさすがに全体呪文のイオとか覚えようかな??
       うーん…迷う!!」
    226 : VIPにかわりま - 2013/01/19(土) 22:57:33.88 ID:70kKDyKXo (+22,+29,-9)
    次元斬(素手)を身につけたか
    227 : ◆JKtjWo - 2013/01/19(土) 22:58:19.79 ID:N0v+4Jsj0 (+60,+30,+0)



    【 さらに翌日 】

    勇者「明後日には、この国ともお別れか…」

    勇者「ルイーダさん、なにかおもしろい情報とか持ってないかな」




    【 ルイーダの酒場 】

    ルイーダ「あらいらっしゃい♪ ウワサの素手勇者さんね!」

    おー! あいつだ!!
    この前の優勝者!! あれ負けたんじゃなかったっけ?

    負けたけど、おれはアイツが優勝で良いね!!

    かっこよかったぞー!わははは!!

    勇者「あの…なにかおもしろい情報とかってないですか?」

    ルイーダ「おもしろいって言ってもね…
         仲間募集か、ダンジョン捜索とかならあるけど?」

    勇者「ダンジョン捜索ってなんですか?」

    ルイーダ「依頼主からダンジョン捜索の仲間を募集してるのよ。
         中で見つけた珍しいお宝は山分け。」

    勇者「へーおもしろそうですね!」

    ルイーダ「ただ、外の魔物よりも手強い魔物がいるから
         すこし危険になるわ…」

    勇者「ゴクリ…」

    ルイーダ「でも見つけたお宝はホントに綺麗な宝石や
         珍しい武器や防具もあるそうよ?」

    ルイーダ「一応周辺にあるダンジョンのリストあるけど見る?」

    勇者「みます!!」

    ルイーダ「じゃあ、何か食べて行ってね♪
         もちろんドリンクも注文で」

    勇者「お、おう…」

    228 : ◆JKtjWo - 2013/01/19(土) 22:58:52.73 ID:N0v+4Jsj0 (+60,+30,-207)


     ダンジョン捜索

     【 その名はエース・スライム!! 戦闘力はスライムの10倍!! 】


    勇者「エース・スライム!?」

    ルイーダ「いきなり一番危険なリストを見るとは……」

    勇者「マジですか…」

    ルイーダ「ここから南の国に向けて、森があるんだけど
         その森を抜けた近くの洞窟内にいるそうよ。」

    勇者「おお…ちょうど旅の進路側。」

    ルイーダ「なら、その森のダンジョン捜索があるわよ。
         依頼用と、個人用どっちにする?
         って聞くまでもないかな?」

    勇者「個人用でお願いします!」









    勇者「…よしリストは10枚ほど貰った。
       あとは適当に買い物して…」

    勇者「旅にでるから、ゆっくり休もう。」



    【 勇者は残りの宿泊をゆっくり休んだ。】



    229 : VIPにかわりま - 2013/01/19(土) 23:00:25.87 ID:iom4zuRe0 (+27,+29,-3)
    ワンピースのランキャクの腕バージョンか
    230 : ◆JKtjWo - 2013/01/19(土) 23:00:47.35 ID:N0v+4Jsj0 (+60,+30,+0)


    【 古い宿屋 】

    「素手勇者様…これお弁当です。
        旅の合間にどうぞ。」

    勇者「わっ、そんな…すみません。ありがとうございます。」

    「…あの、勇者様」

    勇者「ん?」

    「また…泊まりに来てくれますか?」

    勇者「もちろんだよ。でもちょっと遅くなるかも…
       このまま南と東にいくからね。」

    勇者「丁度一周してからになりそうだよ。」

    「は、はい!私まってます!!
       勇者様が来るころにはこの宿ももっと立派にしてみせます!!」

    勇者「ははは、楽しみだなー!
       じゃ、行ってきます。」




     【 素手勇者はこうして「西の国」へと旅立ちました。
       新しい目標と、まだ見ぬ未開の土地…そして素手戦法の向上に心を振るわせ
       「南の国」…通称「魔法の国」へと向かったのです。 】


     【 そして彼自身も気づかぬうちに、彼のワザは新たな領域へと進もうととしていたのです。 】


     【 …背中のライトセーバーもその白く汚れなき刃を太陽にあて
       素手勇者の旅に光あれ。と、案じているようでした。」



     つづく



    231 : VIPにかわりま - 2013/01/19(土) 23:01:22.03 ID:8FfNoIW1o (+17,+29,-16)
    素手(斬撃)
    232 : VIPにかわりま - 2013/01/19(土) 23:03:35.76 ID:Xk4lX4WAO (+24,+29,-20)
    拳圧によるかまいたちと思ったが違うのだろうか・・・
    233 : VIPにかわりま - 2013/01/19(土) 23:06:08.56 ID:yOTBxT+2o (+19,+29,-16)
    普通に真空波とかじゃないか
    234 : VIPにかわりま - 2013/01/19(土) 23:06:59.07 ID:70kKDyKXo (+27,+29,-23)
    この勇者がグランドクロス修得したら大変なことになりそうだな
    235 : VIPにかわりま - 2013/01/19(土) 23:08:11.96 ID:KK9s43Zeo (+36,+29,-16)
    乙乙!
    今時のドラクエって勇者以外でもライデイン使えるの?
    236 : VIPにかわりま - 2013/01/19(土) 23:08:29.04 ID:iom4zuRe0 (+27,+29,-6)
    ダイの大冒険でこんなキャラいなかったっけ
    237 : VIPにかわりま - 2013/01/19(土) 23:10:44.38 ID:1pRjkvODO (+34,+30,-89)
    響け素手勇者 叩け素手勇者 砕け素手勇者
    噂に聞こえた凄いヤツ キックアタック電光パンチ
    鍛え上げた 不死身の体
    スライム軍団倒すため 燃える拳でぶちのめせ
    ばくれ~つぱ~んち
    格闘人間素手勇者 素手勇者 素手勇者
    238 : ◆JKtjWo - 2013/01/19(土) 23:11:30.69 ID:N0v+4Jsj0 (+64,+29,-39)
    一応出てくる魔物、特技はドラクエ8をベースにしてます。

    >>235
    しかし、このスレでは勇者が何百人も…
    239 : ◆JKtjWo - 2013/01/19(土) 23:13:13.45 ID:N0v+4Jsj0 (+11,-22,-7)
    >>237
    丁度ANIMETALで聞いてた…www
    240 : VIPにかわりま - 2013/01/19(土) 23:20:23.67 ID:KK9s43Zeo (+36,+29,-17)
    >>238
    そっかww
    すでに何百人もライデイン使えるんだな
    241 : VIPにかわりま - 2013/01/19(土) 23:21:23.61 ID:1pRjkvODO (+29,+29,-5)
    >>239
    聞いてたのかよwwwwww
    俺はCSで見てるwwwwww
    242 : VIPにかわりま - 2013/01/19(土) 23:28:19.35 ID:pTMtzhkxo (+24,+29,-21)
    「とべる」はねーよ
    「すべる(統べる」って言いたかったのか?
    243 : VIPにかわりま - 2013/01/19(土) 23:52:01.45 ID:ZzkQcs7IO (+12,+27,-16)
    真空波か
    244 : VIPにかわりま - 2013/01/20(日) 02:00:10.39 ID:FzTMzW6K0 (+29,+29,-24)

    ひのきのぼうを思い出すんだけど、>>1は覚えないですか?
    245 : VIPにかわりま - 2013/01/20(日) 06:30:16.18 ID:Ksxw7tLAO (+18,+25,-3)
    ソニックブームだな
    246 : VIPにかわりま - 2013/01/20(日) 08:03:26.93 ID:6Xa5ssnIO (+5,+20,-3)

    いいね!
    247 : VIPにかわりま - 2013/01/20(日) 11:53:00.48 ID:Ksxw7tLAO (+22,+29,-9)
    何気に天然たらしだよなこの勇者ww
    248 : VIPにかわりま - 2013/01/20(日) 13:49:24.91 ID:v1EPrSe4o (+24,+29,-6)
    たらしって言うかフラグは立てまくってるな
    249 : VIPにかわりま - 2013/01/20(日) 14:08:55.51 ID:dObKp+mzo (+24,+29,-6)
    回収される未来が見えないフラグだけどな
    250 : VIPにかわりま - 2013/01/20(日) 14:09:00.19 ID:wzO73rCQo (+24,+29,-24)
    僧侶、戦士、主人、少女……
    もはや現地妻じゃねーかwwwwwwww
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