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    元スレたしかあったジャンル「ベトナム帰還兵」

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    751 = 750 :

    「分かるだろう男?この弓無くして…古来からの、虫ケラ共に対する我々の軍事的優位は有り得なかった」

    (って事は待てよ…矢尻を丸めてたとはいえ……畑部さんの時は相当加減してた…のかな?)

    「これぞ…我々遊牧民の誇る、最強の兵器の所以なのだ!!」ババーン

    (何だかんだいって、絆創膏で済んだ程度だし…距離も近かったから、急所を外してたとか……)

    「さて…では説明も終えたので、もっかい射ってみましょう」

    「あ、いえ結構ですぅ」

    「大丈夫だ、私が優しく指導してやるっ♪」

    「いえいえ、ホントに」

    「遠慮するな、楽しいぞ?ヒュンバシュッてなった時、すごい気持ちぃーぞ?」

    「いやでも街中じゃ危ないしね、ウン」

    「むむ…!?何と、あんな所に調度良い川原が!!」ビシッ

    「昨日、寝転んだよね。しかも来た道、引き返さなきゃだよね」

    「男ぉぉ~…」グイィ

    「ちょ…まっ…馬の上から服、引っ張ぱんないで!!」ズルズル

    「騎馬戦の時あれだけ狙いが上手かったでは無いかぁ~…後は弦さえ引ければだなぁ~…」グイィィ

    「だ、だってホラ…もう結構暗いし…時計見てって……」ズルズル

    「あっ…うぅ…も、もうこんな時間なのか」

    「ね?だから、そろそろ帰ら――…」

    「むぅ、仕方ないな…」パッ

    「ぐげッ!?」ドサッ

    「すまん…フフ、余り迷惑掛けられなかったな…時が経つのは早い…」

    「いや、充分掛けれてるんじゃないかな…」ズキズキ

    「…そ、そうか?」

    「ま、いつもの調子に戻ってくれて良かったけど…」ボソッ

    「え…」

    「いっ、いや何でも…無い…」

    「……」

    「……そう、だな…男と話すと楽しいから…な」

    「アハハ…な、なんか照れ臭いなぁ…///」

    「……」

    753 :

    キーンコーン

    「あっ…女さん、来てたんだ」

    「おぉ、男。お早う」キュッキュッ

    「ごめん。急に場所変わっちゃってさ、書置きできなかったよ…」

    「なぁに、適当に時間を潰していたから大丈夫だ。フフ、こっちこそ何時もありがとな」ゴチャ

    「う、うん…」(何か迂闊に注意出来なくなったな…しかし態々、馬具を他人の机に……)

    「~~♪」キュッキュッ

    「…あの女さんさ…最近、大体この時間帯に来るけど……やっぱそっちの方、大変だったり?」

    「ん?まだ大丈夫だぞ。無理になりそうなら事前に言うか、きちんと一日丸々休む」キュッキュッ

    「そ、そっか…ならいいんだけど」(あれから一回も休みこそしてないけど…前は、精々遅刻しても二限目とかだったもんなぁ……)

    「私は来たくて来てるのだ。男が気に病むことは無い」キュッキュッ

    「うん…」

    「まったく…そういう男こそ、大丈夫なんだろうな?もうすぐテストだぞ?」ガチャ

    「まさか女さんに、テストの心配されるとは思わなかったな…」

    「何を言う。私は毎回、安定した高得点だ」キュッキュッ

    「テスト前になると必ず抜き身で、職員室回ってるのは……」

    「アレはテスト戦略の一環だ、何なら今度から男の分も頼んどいてやろうか?」ガシャ

    「これ以上、俺の築き上げてきた温厚な生徒像を壊さないで下さい」


    男友(俺の机が、馬具に埋まって見えない…だと?)

    畑部「……」

    >>752いただきいいぃ!!

    754 :

    タガ~タンタンタン♪タダダン♪

    ベ畑「モタモタするなァ!!」

    畑部「はッ…はぁッ…!!」ザッザッ…

    弓部「傍から見てると、パレードみたいで楽しそうよね」

    畑部「楽器等の合図にいかに早く、正確に反応できるか。近代以前の戦争は、一見お祭りみたいな雰囲気がありますからね」

    ベ畑「そこォ!!集合が遅い!!最初からやり直せ!!」

    「ひいいいいいいぃぃッ!!」

    弓部「でも実際は…もうかれこれ三時間以上…毎日フル装備で、隊列の移動と転換の繰り返し……ホントよく持つわね、あの子達」

    畑部「持つというか、持たせてるんですけどね。歩兵は耐えるのが仕事です。それに野戦築城班だって大変ですよ?」

    トントン…カンカン…

    弓部「他の生徒に怪しまれない様、狭っ苦しい倉庫の中で…ひたすらバリケードと馬防柵の作成か……弓部で良かったわ、私」

    畑部「一応アレだけは…クロスボウを製作した工作部の人も一部動員してますけどね。進軍ルートの制限は、この戦い一番の鍵ですから」

    弓部「情報漏れは大丈夫でしょうね…?」

    畑部「厳命してあります、機密漏洩は例外無く死刑。それに上の方はこの戦いの意義に対する理解も進んでますし」

    弓部「教育成果って訳ね…あの子達もせめて、三年になってから巻き込まれればこんな受け止め方せずに済んだでしょうに」

    畑部「ま、いざコトが始まれば皆一緒ですよ。誰も実戦経験は無いんです」

    弓部「……」

    新畑「れ、練習おわりましたぁー…きょ、教官がもういいって……」ゼェハァ

    弓部「はい、お疲れ様♪」パサッ

    新畑「あ…ど、どうも…」フキフキ

    畑部「フフ、そろそろ思想教育の時間ですからね。槍隊と楽隊の人達も後、一巡したらやめてもらいましょう」

    弓部「ね、マッサージもしてあげよっか?」ワキワキ

    新畑「手をワキワキさせないで下さい。近づかないで下さい」


    男友(何やってるんだろうあの人達…)

    755 :

    新畑(思想教育、それは部長さんが言うに……女さん達のもたらす害悪と…その根絶される正当性を皆に分かってもらう為の教育)

    畑部「~例えば幼少から騎乗していなくとも、姿勢を安定させる事で、乗馬を飛躍的に容易にした鐙」

    新畑「ふふっ…」

    畑部「例えば長大な射程と火力により、騎兵の白兵効果の減少と、その存在をただのデカい的にまで貶めた火器」

    新畑(いっつも事前に聞いた様な話ばかりだから、この訓練だけは楽勝ですっ!!)

    畑部「我々が誇るこれらの発明一つ一つが…騎馬戦士としての害虫さん達の存在意義を消滅させていったのです」

    新畑「……」

    畑部「では唯一勝っていた軍事的利点までも、我々に凌駕された彼等は……一体何か?」

    新畑(でも…一つだけよく分からないや………)

    畑部「土地の私有を否定し、国民という共通属性を否定し、暴力を崇拝し、数千年前から変わる事の無い停滞した日々を送る……害虫さん達」

    新畑(私と話す時の部長さんは、絶対に女さん達の事を…害虫だから~なんて理由で片付けたりしない……)

    畑部「そう、彼等にはもう…モノホンの害虫程度の価値さえ無いんです……寧ろ、なまじヒト科なだけその罪悪は深い」

    新畑(口は悪いけど…ちゃんと、女さん達がこうせざる終えない事情だって説明してくれて…その上で戦おうって……)

    畑部「その一点にのみ希望を抱き、寛大なる文明人として…我々が何世紀にも渡り行ってきた教化と、慈悲の努力の全てが……矢玉を持って無碍にされ続けたのだから」

    新畑(これが、部長さんの…立場ってヤツなのかもしれないけど……)

    畑部「奴等は、奴等の最後を……自らの手で絞める道を選んだという事です…レミングの様に……」

    新畑(けど、部長さんは…私にだって…本気で女さん達を憎んでるって言うんだ)

    畑部「そして近代国家が誕生し、地上を隙間無く埋め尽くした今……時は来たんです」

    新畑(あんなに色々な事を知ってるのに…あんなに女さんとよく、喧嘩してたのに……)

    畑部「近代国家の原理とは決して相容れる事の出来ない異物、進歩に対する最大の障害として………もはや、我々と奴等の間にかつての様な形の共存は不可能」

    新畑(それでも……)

    畑部「それ故…奴等を駆除し、残された蒙昧の地を文明の光で照らすは、神から与えられた我々の明白なる~」

    弓部「やっぱりアンタにゃ…分からないかしら?」

    新畑「え…」

    弓部「アイツは、いや普通はそう…フフ…誰もシラフじゃあね…」

    新畑「こ、これくらい分かりますよ…失礼な…」ムスッ

    弓部「そっちじゃなくて」

    756 = 755 :

    男友「しっふぁし…」モグモグ

    「んー?」モグモグ

    男友「まーた、畑部さんの手作り弁当かよ。てっきり振られたかと思ったのに」

    「るせぇな…だからコレはお礼だってば…」

    男友「律儀な人だよなぁー」

    「まぁな…」(アレから他の事では一切、話しかけられないけどな…渡したらすぐどっかいっちゃうし…)

    「ふん…」

    ――――ダカタンタンタン♪ピ~ヒャラ♪

    (にしても外、何やってんだ…)

    男友「……後さ…いっつも食べて無いけど…大丈夫なの、あの人?っていうか何で最近ここにいるの?俺、帰っていい?」ヒソヒソ

    「いやいやいや…待ってくれ…一応俺にとっちゃ両方友達なんだし…もう少しお前も仲良くなってくれるとありがたいんだが……」ヒソヒソ

    男友「怖いよ!!屋上の時以来マトモに話してないよ!?今だって、明らかに俺の事邪魔者扱いしてるし!!めっちゃ睨まれてるし!!」ヒソヒソ

    「ゔ~…」グルル…

    「ア、アレはホラ…俺が悪いけどお前もさ…セクハラまがいの事したんだから……」ヒソヒソ

    男友「それ以前だって、一方的に話された事あるだけだよ!!大体女さん、お前以外のヤツと仲良くしようとする気サラサラ無いだろ!?」ヒソヒ

    「ぐ…」(確かに、わざわざ壁を作ってる感じが…今だって威圧してるもんな…)

    「おい、男友」

    男友「ッ…は、はぃ!?」

    「さっきから何を食ってる」

    男友「へ…は、え?コ、コレ?」

    「あぁ、何だソレは」

    男友「イ、イカフライ…ですけど…」

    「いか…ふらい…」

    男友(あれ?もしかしてコレ睨んでた?)

    「……」ジイィィ

    男友「あの…食べます?」

    「いらん」

    男友「えぇ…いや、ガン見されながら言われても……」

    「た、食べてみたら?」

    757 = 755 :

    「美味しいよイカフライ?俺も好きだし」ニコッ

    「む…お、男がそこまでいうなら…仕方ないな…少しだけだぞ?」ガシッ

    男友(そこまで言って無いんですけど。少しっていうか、三つ鷲づかみにしてるんですけど。三分の一なんですけど)

    「……」モグモグ

    男友「…美味しいですか?」

    「ふむ…まぁまぁだな」ガシッ

    男友(まぁまぁで追加…)

    「……」モグモグ

    男友「…気に入った?」ヒソッ

    「みたいだな」

    「ひはし…変わっは肉らなコレは…豚は鳥?いふぁ、前に男から貰っのはほんな……」ボロボロ

    「女さん、これは肉というか…イカだよ」

    男友(良く聞き取れるなオイ)

    「いふぁ…?」ボロボロ

    男友(あぁ、俺の机が……)

    「あー、イカってのは海に棲んでる――」

    「ぶふッ!!」

    男友「うわー、何かイカフライが戻ってきたー」

    「なっ、なな…な…!!」プルプル

    「お、女さん…?」

    男友「勘弁して下さい、お願いします。勘弁して下さい」

    「…う、海って…水、だよな?…お前…そんなに貧しかったのか?」

    男友「へ…水?」

    「こんな…水の中に棲んでるモノを食べる程、暮らしに困ってたのか?」

    男友「困ってないけど…普通に食べてる…え、何で哀れっぽい目?」

    「はー…」

    男友「え、女さん達は…魚とか食べ…ない?」

    「いや…た、確かにチンギスは幼少の頃、貧窮の余り川から魚を取って食っていたというが…これは……」

    男友「川とかあるなら…普通に獲ったりすれば…」

    「そ、そもそも…獲り方もさばき方も分からん…滅多に見ないし…まさか、虫ケラ共は日常的に魚を?」

    758 = 755 :

    男友「うん、まぁ…かなり…」

    「何と酔狂な…貴様等なら、他にも山程食材があるだろうに……」

    男友「あるけど…結構獲れるし、基本的なメニューだよ…魚は」

    「そ、そうなのか…?というかまず魚にイカだとか、種類があるのも凄いな…」

    男友「いや、だからイカは魚じゃ」

    「しかし…なんというかこう……」

    男友「ん?」

    「意外と…悪くは無かったな…」ジュル

    男友「そ、そう」(イカフライどんだけー…)

    「……」

    「あっ…」

    (お?)

    「……ありがと…な///」

    (おぉっ!!いいぞ!!いいぞコレ!!)

    「ふんっ…」プイッ

    男友「え、何?もっかい言って、聞こえない」

    「人の話は聞いてろッ!!」バキィッ

    男友「かひッ!!」

    「ったく、痴れ者が…」ブツブツ

    「……何でそう、すぐ調子に乗るんだ…お前は」

    男友「いやね、仮にもメインデッシュだったもんでね」ムクッ

    「うおっ、復活はや…」

    男友「耐性が出来たというか、手加減があったというか」

    「良く分からんが、良かったな」

    (…成る程、魚か)

    「今度から獲ってみたら?俺も獲り方とか良く分からないけど、女さんなら狩りとかしてるんだしコツ掴めば簡単じゃないかな」

    「っ…わ、わわ私が虫ケラの真似事なんかしてたまるか!!」ギクッ

    男友「でも美味しかった、違いますか?」ズイッ

    「お前…」

    759 = 755 :

    「うっ…そ、それは…」

    男友「ホラ、恥ずかしくないから。そこは素直に認めよう?ウン」

    「うむ。美味しかった、美味しかったから―――」

    男友「そう。最初からね、そうやって素直に言ってくれればね」

    「明日から毎日イカフライ獲って来い」

    男友「こっ…ってえええぇ!?獲ってくる!!?イカフライを!!?」

    「結構獲れるのだろう?私には魚を獲るなどど、虫ケラじみた行為は出来んが…貢物を食うのは別だ。何、今日くらいの量で構わん」

    男友「ちょ、ちょっと待っ…確かにイカフライ大好きだけど…流石に毎日は……」

    「頼むぞ、イカフライ」ポンッ

    「ぷっ…wwイカwフラwwww」

    男友「あれ…?もしかして俺の名前、イカフライになってる?」

    「そういやイカフライ、お前数学得意だろ?数学初日らしいし、今日の放課後でも教えてくれよ」

    男友「えっ…やめて、ホントに定着しそう」

    「む…やはり苦戦してるではないか男。何も私に頼ってくれれば、数学なんて…」

    「女さんが『自力で教えてくれる』教科なら頼みます」

    「ふむ…そうだな、今回の世界史ならば…色々教えられる思うが?」

    「あぁ、確かに今回の範囲は……よし…世界史ならイカフライが苦手だし、帰りに三人でやろう」

    男友「ねぇ、ちょっと自然に使わないで」

    「チッ…何だ、コイツが苦手なのか…」ジロッ

    男友「……」

    「もっと勉強しろよ、イカフライ」

    男友「……」


    ―――校庭

    畑部「良いですかー。今日が期日なので、ちゃんと書いてくださいねー♪」

    新畑(まさかこの歳で……)カキカキ

    畑部「はい、皆さん!!ネガティブにならない!!飽くまでコレはもしもの時の為のモノですから!!」

    畑&音(本当に…遺書を書く事になるなんて………)ズーン

    760 :

    イカアレルギーの俺が支援

    761 :

    男友「~でここを二乗して終わりと。どうだ?分かったか?」

    「んぐっ…んぐっ…」

    「成る程、そういう事か。しっかしお前、ホント数学だけは得意っつーか…」

    「ふぅ…」

    「教え方も分かりやすいし、頼りになるよなぁー…」

    「……」ピキッ

    男友「へへっ、こう見えても俺ぁ数検二級だぜ?恐れ入ったk」

    「……調子に乗るなよイカフライ、数学以外は全部男のが上だろうが」ボソッ

    男友「すいません…」(うぅ、さっきから男に感心されるたびにコレだ……)

    「んじゃ、キリの良い所まで教わったし。そろそろ…」

    男友「世界史、か…まぁ確かに苦手だけど…」チラッ

    「はぁ~?世界史だァ…?貴様、頭いいんだろォ?男に頼りにしてもらってたしなぁ…?んぐっ…んっ…んんっ…」

    男友「……」

    「ぷふぃ~…そんなイカフライ様なら…げふっ…私に頼まずとも、世界史ていど楽勝じゃないのかぁ?あぁ~ん?」ボタボタ

    男友「い、いやそんな事は…ちょ、お酒零れてる…」

    「けッ…イカフライの分際で、良い気になりおって…たまたま男の苦手科目が得意科目だっただけではないか…」グチグチ

    男友「な、なぁ絶対コレ逆効果だろ?どんどん反応キツくなってる気が…」

    「気のせいだろ、イカフライ」(飲んでんなー…)

    男友「お前もか畜生」

    「でも…俺も折角だから女さんに教えてほしかったんだけど……女さんが嫌ならしょうがな――」

    「っぷは!!よし。くれぐれも男の足だけは引っ張るなよ、イカフライ」

    「おぉ、ありがとう。女さん」

    「フフッ…良いって事だ。なんせ男・の・頼みだからな♪」

    「ハハ…///」

    男友「すいません、生まれてきてすいません」

    「ふん…貴様も害虫共のお仲間にしてはまぁ、殊勝な心がけだ。特別に私の杯を注ぐ名誉をくれてやろう。注ぐが良い」

    男友「アリガトウゴザイマス、ウマレテキテスイマセン」トクトク

    (ま、まぁ何はともあれ…なんとか仲良く(?)はやってけそうな感じだよな、ウン…)

    「あ、あのぅ…と、図書室でお酒はちょっとぉぉ~…」ブルブル

    762 :

    イカフライかわいそすぎだろwww
    まぁ農民派だし仕方ないのか…

    763 :

    イカフライの扱いw

    764 :

    新畑「……」

    畑部「なーに黄昏てるんですか、新畑さんっ」ポンッ

    新畑「あ、部長さん…」

    畑部「今日はもう解散して良いんですよ。それとも、何か考え事ですか?」

    新畑「まぁ…」

    畑部「フフッ、やっぱり。思教の時もボーっとしてましたもんね」

    新畑「あ、ぅ…す、すいません…」ペコッ

    畑部「良いんですよ、新畑さんなら。普通以上の負担を私の我侭で負わされるてるんですから」

    新畑「そ、そんなこと…訓練だって他人より少ないんだし…むしろ……」

    畑部「……とにかく新畑さんは私の助手です。害虫関連の疑問なら、私に遠慮なく聞いてやって下さい」

    新畑「でも大した事じゃ」

    畑部「私は聞いて欲しいんですよ、新畑さん。聞く聞かないは貴方の自由ですけど…言わばソレが、助手である貴方の仕事とでも思ってくれれば」

    新畑「う…は、はぃ」(何で、この人は私なんかを助手にして…)

    畑部「えぇ」

    新畑「それじゃ…あの…」(何で…女さん達をあれほどまでに……)

    畑部「はいっ♪」ニコッ

    新畑「…っ」

    畑部「ん、どうしました?」

    新畑「……」

    畑部「新畑さん?」

    新畑「えと…その…き、起源を…」

    畑部「起源?害虫さん達の、ですか?」

    新畑「は、はいっ…私、その、実は何で女さん達がこういう暮らしをする様になったか知りたくて……」

    畑部「それなら思教で教えたと思うんですけど…」

    新畑「そ、そうじゃなくて!!」

    新畑「ちゃんと、知りたいんです。女さん達について」

    765 :

    畑部「……」

    新畑「何でああいう暮らしをしてるのか…その、私に教えてくれてる時みたいに…ちゃんと」

    畑部「フフッ…ちゃんとですか?」

    新畑「う…い、いえ、ちゃんとというか…」

    畑部「新畑さん、答える用意はあります。だけど私は……この戦争に関わる直接的な事情は、新入生の中で…全て新畑さんにだけは包み隠さず伝えました」

    新畑「は、はい。ありがとうございます…」

    畑部「新畑さんの知識は現状の把握には、もはや何の問題も無いレベルです。一介の兵卒として見た時は、知りすぎてる位……それでも尚」

    畑部「新畑さんはこれから戦う相手について知りたい、と?戦術とか組織構成とかじゃなく…そんな余分な事まで…?」

    新畑「はい」コクッ

    畑部「何故…」

    新畑「だって、部長さんも言ってたじゃないですか。避けられないなら、やっぱり…せめて納得はしたいです」

    畑部「……知るだけで納得出来るなら、なぜ私はこんなモノを?更に重荷を増やすだけ、意味の無い事だとは考えないんですか?」ギラッ…

    新畑「わ、私は別にそうは考えません。どんな事でも…女さん達について知って、それで何か感じて……その感じたままの気持ちを抱いて戦う」

    畑部「……」

    新畑「それがきっと…」

    新畑「きっと私に出来る…女さん達に対する最低限の責務と最大限の納得、だと…そう考えてますから」

    畑部「ッ…!!」


    「えー。ではまず、貴様等には我々の社会構成の単位から学んでもらおう」

    「おぉー」パチパチ

    男友「あの…それより、イル・ハン国の初代h」

    「殺すぞイカフライ。良いか?当然ながら我々のもっとも小さな社会的単位は、一つのゲルに同居する家族だ」

    男友「うぅ…」(さっきからずっと質問してるのに…)

    「これらの家族は通常、『共通の先祖を持つと信じられてる』他の家族と共に一つの遊牧集団を作って共に遊牧する」

    「うんうん」カキカキ

    「この遊牧集団が我々の最も基本的な単位である『氏族』で、ソレを構成する家族数は数家族の場合もあれば、三十から五十家族という大所帯の場合もある」

    「女さんの所は?」

    「三十ちょい、だな。多分」

    「そんないた様には見えなかったけど…」

    「全員かなり広範囲に分散してるからな、貴様等から見たら大した数に見えなくとも仕方あるまい」

    766 = 765 :

    畑部「貴方は、本当に……」

    新畑「?」キョトン

    畑部「こんな…可愛い顔して……」

    新畑「ぅ…」

    畑部「……」

    新畑「ま、またそうゆうコト言って…からかわないで下さいっ…///」

    畑部「……フフ、分かりました。起源…ですね」


    「で、氏族が他の氏族と合わさって、一つのより大きな遊牧集団を形成したモンを『部族』と呼ぶ。どうしたイカフライ、鉛筆が止まってるぞ?」

    男友「うぅ…こんな事より早く教科書の問題を…」カキカキ…ブツブツ…

    「そして更にこれらの部族が、他の諸部族と連合しより大きな単位を構成した場合、コレを『部族連合体』あるいは『国家』と呼ぶのだ」

    「え、国家…?部族が集まったのが?」

    「そうだ、国家だ。我々の言葉ではウルス。ただし虫ケラ共のソレと違う『遊牧国家』だが」

    男友「遊牧国家…」

    「うむ。貴様がバカの一つ覚えで言っていたイル・ハン国もそうした遊牧国家の一つだぞ」

    男友「せめて『様な』ってつけて…んで、ソレは俺達の言う国家とどう違うの?」

    「様々な違いがあるが…まず今いった様な氏族、部族をその構成要素とするピラミッド状の政治的統一体という所が挙げられるな」

    「血縁共同体が中心なんだ…」カキカキ

    「また、この統一体は外の部族や部族連合体を柔軟に吸収、屈服させる事で急速に支配地域を拡大していくってトコにも特徴がある」

    「あー…モンゴル帝国とか?」

    「あぁ。あのスピーディーな領土拡大は馬の力だけじゃない、次々とあらゆる部族を台風の目の様に引き込んでいった結果だ」

    「へぇぇ…」カキカキ

    「次に指導者の選出の仕方も特徴的だ。これは『クリルタイ』という国会において選出される。クリルタイは他にも君主の交代や、戦争などの様々な国家事項を多数決で決定する」

    男友「ふーん、民主主義的だな…」

    「…だがココで重要なのはこのクリルタイで選ばれる指導者は、その『遊牧国家形成に当たり中核となった特定の一氏族』から出され、他の氏族からは原則不可能ってトコだ」

    「例えば突厥の場合は阿史那氏、ウイグルの場合はヤグラカル氏……」

    男友「え…な、なんで?一番有能だったら良いんじゃ…?」

    「その特定氏族内で、という条件付きでな。コレは当然の事だ。氏族を基本単位としてる我々が、自らの氏族の支配的権威を確保しようとしたに過ぎないし…」

    「勿論その権威は実際的な力で…遊牧国家の中核をなした氏族のみが築き挙げるモノ。貴様等と違い、名誉だけの権威はあり得ん」

    「原則って事は例外も?」

    767 :

    「原則って事は例外も?」

    「うむ、他の氏族から選出されるケースもあるにはあるが…例えば自らの素性を隠してヤグラカル氏と自称したり…力ある者も形式として、名門氏族を名乗る」

    「だから原則的には何も変わらんって事だ」

    「そしてこのクリルタイに参加出来る者もまた、指導者を選出する特定氏族の成員達の他には『遊牧貴族』に限られている」

    「ええっ…遊牧民にも貴族なんているの?」(女さんの話聞いてたらそういうのいなそうな感じだったのに…)

    「フフ…コイツも貴様等の貴族とは違うがな。『多数の一般遊牧民を支配下に持つ者、遊牧部族の支配者』それが遊牧貴族だ」

    「そっか…これも実力の伴った支配者なんだ…」

    「これで分かっただろう。多数の氏族から構成される『部族』その部族の長である『遊牧貴族』そして複数の部族の連合体である『遊牧国家』」

    「指導者は『特定の氏族』から選ばれ、国会はその氏族と遊牧貴族だけが参加する。これが遊牧国家の階層構造だ」

    男友「思ったよりややこしいね…」

    「そうか?単純だぞ。例えば具体例としてはウイグル遊牧国家は『アフシ』や『スクト』や『フン』等の九つの部族が連合していて…その中に『ウイグル』部族がいるんだ」

    「『ウイグル』部族を構成するのは、指導者を選出する『ヤグルラカル』氏を筆頭にこれまた九つの氏族」

    「このウイグル部族が先に上げた諸部族と連合した結果が『ウイグル遊牧国家』で『連合体の外に存在した他の部族や部族連合体』を支配する事によって成立していた」

    「よってこのウイグル遊牧国家の国会に参加出来るのは、ウイグル部族を始めとする、九つの『支配部族』の支配者である遊牧貴族達……どうだ、単純だろう?」

    男友「うん」

    「う、うん…」(やべ、途中書いてて聞き逃した…)

    「まったく、これだからイカフライは……」

    男友「えっ、今のこっち?逆じゃね?」

    「ハァ…」

    男友「ねぇ、止めて。お手上げのポーズ取らないで。憐れみの目で見ないで」


    畑部「人類の生産形態の発展として狩猟から、農耕へというのは良く知られているところですが…では遊牧はという生産形態はどの段階から確率されたのか?」

    畑部「狩猟から、それとも農耕から…?大きく分けて二つの説があります。いずれも中央アジアの草原地帯を舞台に数千年前には存在していたと」

    新畑(へぇ…やっぱり古いんだ……)

    畑部「一つは狩猟社会起源説、狩猟民の間から遊牧民が発生したと考え。二つ目の説は逆に農耕社会起源説、農耕民の間から遊牧民が発生したと考えます」

    新畑「ふむふむ」

    畑部「ところで新畑さん、遊牧の成立に必要不可欠だと言われている三つの技術を知ってますか?」

    新畑「…へ?う、う~ん…お、お乳しぼりとか?」

    畑部「あっ、凄い!!正解です、新畑さん!!」

    新畑「えへへ…///」ポリポリ

    768 :

    新畑さんと畑部さんがお乳しぼりあえばいいのに

    769 = 767 :

    畑部「搾乳の技術は害虫さん達にとって有限な肉塊から、無限の食品を生産する事を可能にしますからね♪」

    新畑「でも…後の二つは?」(に、肉塊って…)

    畑部「去勢と、騎馬の技術です」

    新畑「え……きょ、去勢って…あの?」

    畑部「そうです。おちんちんもぎ取っちゃうアレです」

    新畑「あ、ぅ…///」(そんな言い方しなくても…)

    畑部「良いですか。去勢の技術は、オス同士が多数群れの中にいる事により発生する闘争を制限し、安定した群れとして人間が支配する事が可能にします」クスクス

    畑部「そして騎乗の技術はそうやって、闘争を制限し増えていった家畜達と放牧範囲の拡大に人間の機動力を対応させられる様にするんです」

    新畑「な、なるほど…だから必要なんだ…」

    畑部「では本題に戻って、二つの説ですが…これは、これら三つの技術をどういった過程で手に入れたかという推測でもあります。まず第一の狩猟社会起源説では……」

    畑部「森林で狩猟生活を送っていた人々が、その周囲の草原で群れを成す有蹄類の動物に目を付けた」

    畑部「始めはこれらの動物の後に従ってく形で彼等と関係を持ち始めたんですが、やがてこれらの人々は搾乳、去勢、騎馬の技術を獲得」

    新畑(やっぱり、違う……)

    畑部「ついに動物の群れをほぼ完全に支配する事に成功し、ここに狩猟社会とは異質な遊牧社会が成立した。という風に説明されてます」

    新畑「へぇ、動物に人間がくっ付いてったんですねー」(私にこうして話してくれる部長さんは…思教の時とは……)

    畑部「フフ…確かにユニークな発想ですが、生物学的な立場からすると例証にとぼしいみたいです。現在最も説得力が、あるのはもう一方の説ですね。つまり…」

    新畑「…農耕民から?」

    畑部「えぇ。この説では西アジア南部のオアシス地帯で狩猟民が農耕技術を身に付け、定住を始めたが、時たまオアシス周囲の動物も殺して食糧として利用していた。と」

    畑部「そのうち若干数をオアシスに連れ込み飼育を開始。ところがオアシスの人口が増加し始めると動物に対する需要が増大し、より多くの動物が必要となってくる」

    畑部「そこで乳製品を確保する為、牧畜技術の発明が行われたが、それでも増加する人口に加えオアシスは多数の動物を飼育するには狭すぎた…」

    畑部「やがてオアシス内で動物を飼育していた人々は、ついに周辺の牧草を求めて再び草原へと出て行く事を決意。この過程で去勢、騎乗の技術を獲得……」

    新畑(再び…出て行った…)

    畑部「ここに動物との生活を専門とする人々による、遊牧社会が成立した――って風な説明がなされています」

    新畑「……」

    畑部「またオアシスとは別に灌漑が始まる事によって、農耕と牧畜が分離したとも考えられますねー」

    新畑「灌漑とも、関係があるんですか…?」

    畑部「はい。雨水に頼っていた頃の農耕なら連作が効かない為、定住しても五年ないし十年程で移住します。しかし泉や川を水源とした場合は違う、一年間に何毛作も出来る」

    畑部「この段階で分離が起きたと言われています。なぜなら雨水に頼る農耕と違い、灌漑農耕はそこを草原で無くしてしまいますから、必然的に分離せざる負えなかった…と」

    畑部「ま、どちらにせよ害虫さん達は…一度はその膝を土に埋めておきながら……農耕を捨てたって事です」

    新畑「……やっぱり…農耕より、牧畜の方が良いと思ったんでしょうか?」

    770 = 767 :

    畑部「さあて、フフ…昔の害虫さん達の気持ちなんて分かりようもありませんが…私が思うに……」

    畑部「彼等は敗者なんですよ♪」

    新畑「…っ」

    畑部「農耕の発達による人口圧力に負け、より劣った生産手段を取らざる負えなかった敗者……良かれと思ってその道を選んだ訳じゃない」

    畑部「だってフフッ…不自然じゃないですか?動物を狩るんじゃなくて、支配して暮らすんですよ?まるで弱者の必死の知恵」

    新畑(違う…)

    畑部「遊牧の方が優れてるなんていうのは、害虫さん達の負け惜しみで…逃げ込んだ先の僻地で育まれた屈折したプライド…慈悲を素直に受け取ろうともしない」

    新畑(また…また、あの部長さんだ…口調は落ち着いてるけど…)

    畑部「獣と暮らし、己自身が獣と化した刹那的な思考の中で…恵みを乞わず、虚勢だけを張って……」

    新畑(さっきまでの…部長さんじゃ…)

    畑部「だからこそ彼等は……有史以来、今より草原がずっと広大だった頃から常に…一度は袂を分かった筈の農耕地帯に引き寄せられ、侵入し続けて来た」

    畑部「それこそ虫ケラが光に吸い寄せられる様に…」

    新畑「…部長、さん」

    新畑「太古の昔から…ずぅ~っと」

    新畑「部長さんは、ホントに…」

    畑部「憎んでますよ?」ニコッ

    新畑「ぁ…」

    畑部「私は、ヤツ等を、憎んでます」

    新畑「あぁ…」

    畑部「もちろん――私自身の純然たる意思で」


    「あれ?」

    「ん、どうした男。何でも聞いていいぞ?遠慮するな」

    男友(うぅ…俺の質問は散々スルーした癖に…)

    「さっきまでの話だと…限られたメンバーとは言え国家の重要事項は国会で決められるみたいだし…じゃあ指導者は何するの?」

    「流石は男…うむ、非常に良い質問だ♪」

    男友「うひょー、男サイコー」

    「ぶち殺すぞイカフライ。良いか?私達の指導者は、絶対的存在ではなく契約的要素が強い。きちんと権利と義務が定められてる」

    男友「……」

    「そもそもだな。部族が連合し国家を作ってるという時点で、我々にとって危機による利害の一致や、結集した力で狙うべき獲物が迫ってるという事だ」

    教科書的でごめんよ、遊牧民の特徴を物語中に出来るだけ多くつめこもうとした結果です

    771 :

    (そっか…女さん達は…普段は強力な権力なんて、俺達と違って求めてないんだ)

    「そしてその遊牧国家の指導者となると、やはり義務は必然的に軍事的な性質の強いモノになるだろう。遊牧国家において政治と軍事は分離不可」

    男友(物騒な国だな…)

    「では具体的に指導者の義務とは何か?それは戦時においては『外敵に対して軍を率い勝利し、そこで得られた戦利品を公平に分配する事』」

    「平時においては『守るべき規律を定め、部民の平穏を確保し、巻き狩りの獲物を適切に分配する事』等だ…これらの義務が果たされた時」

    「最高の駿馬に最高の女…指導者には、戦争によって得られた『戦利品の最高の部分を第一に取得出来る権利』が保障された」

    「じゃあ義務を守れなかったら…?」(戦争前提の権利…)

    「さっきも言ったように、国会には『指導者の交代を決議出来る権限』もあるからな…ソイツと同じ特定の氏族から、次の指導者を再び国会で選出するまでだ」

    「成る程、そうやって有能な指導者を確保し続けるのか」

    「うむ。その氏族の中で最も戦争に長けた男を、な」

    男友「強ぇ訳だ…」

    「フフ、だが軍事的資質を問われるのは指導者だけじゃないぞ?」

    男友「え…」

    「国家の要となる国軍…これも通常の遊牧国家では遊牧民としての特性を引き継ぎ、氏族、部族がその重要な構成単位となっているからな」

    「えと、どうゆう事?」

    「つまりだ。遊牧国家では指導者の親衛隊を別にすれば、十人隊、百人隊、千人隊、万人隊という『十進法に基づく軍事組織』を所有してる」

    「……そしてこの大小の軍事組織は戦時に当たって特別に組織されたモノではない。こう言えば分かるだろう?」

    男友「あ、兵民一c」

    「平時と組織構成が同じ?」

    「おぉ、やはり男は冴えてるな!!見事だっ♪」

    男友「…ちくしょぅ」

    「そう。これらの『大小の軍事組織はぜんぶ平時における氏族、部族組織そのもの』日常的な社会組織をそのままの形で軍事組織として利用していて……」

    「百人程度の氏族員を持つ氏族の長は、その氏族を率い百人隊を…千人程度の部族員を持つ部族長は、その部族を率い千人隊を構成する」

    「だから平時における氏族長や、部族長は同時に『遊牧国家の軍の大小の単位としての指揮官』達でもあるんだ。コイツらも皆が皆、戦争に長けてなければならない」

    「権力は全て…徹頭徹尾、戦争の上手さにかかってるんだね…」

    「あぁ、それが我々の社会だ」

    男友「……」

    やっと終わったwwwメリクリwwww

    772 = 771 :

    (以前、畑部さんが言ったあの言葉は…)

    『貴様等にとって指導者の一番の資質……殺しが、戦争が上手いからだろ戦争屋?』

    (こういう事だったんだ…)

    「男?」

    (そして女さんは、どれくらいの単位かは良く分からないけど…そんな彼等の指導者……)

    「…お、男?」

    「あ、うん…」

    「だっ、大丈夫か?少し疲れたか?」

    「いや何でもないよ、一瞬ボーっとしちゃって…」

    男友(しかしコイツ等…)

    「そうか…無理はするなよ。一杯飲るか?」キュポッ

    「だ、だから学校ではいいってば…」ヒソヒソ

    男友(ホントに、まだ付き合ってないんだよな?何だよこの愛情オーラは……いや、相当ありがた迷惑っぽくもあるけど)

    男友(それに、俺は畑部さん一筋だから何だっていいが……コイツのどこが、女さん好みなんだ?今までの話聞いたら益々分からなくなった…)

    男友(体はちっこくて細いし……思い当たるふしと言えば確かに、弓は妙に上手かったけど……それ以前から好きだったみたいだし……)

    男友(男の良い所……いやでも…優しさなんて…あんな社会で育った女さんの中で、そんなに強い魅力に成り得r)

    ―――バキィ!!

    男友「ぐおおおぉぉ…て、蹄鉄があぁぁぁ……」ドクドク

    「ボーッとするなイカ野郎!!講義中だぞ!?」

    「おっ、お願いですから…うぅっ…なるべく図書室では静かにってあの人にぃぃ~~…うぇぇぇ…」ビクビク

    「すいません、ごめんさい。分かりましたから泣かないで下さい」

    ・・・・・・

    「~という訳で、今回の試験範囲ではチャガタイ・ハン国やイル・ハン国…」

    男友「ゔぅぅ…」ズキズキ

    「これら教科書に出てくる様々な遊牧国家『ウルス』…コイツを虫ケラ共の持つ確たる領域国家という概念で、理解しようとするのは重大な誤りだ」

    「その証拠に、ウルスは現在のモンゴル語で『国』と訳されるが…中世モンゴルの歴史書である『元朝秘史』の漢訳でも、ウルスを『国』と訳してる場合が多い」

    「ところが箇所によっては、この同じ単語であるウルスを『人衆』と訳してる例も少なくはないのだ。つまり国と人々を表す言葉が同一……これは即ちどういう事か」

    「……」


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