元スレたしかあったジャンル「ベトナム帰還兵」
新ジャンル覧 / PC版 /みんなの評価 : ○
601 = 597 :
女「案ずるな…臆病なのはお前じゃない、私だ…そして私は今…自分の臆病さに心底感謝してる…」
男「…女さんが…?」
女「あぁ…私の運命を『私達』の運命にせずに済んだのだからな…」
男「ッ!?」
女「もっともこの仮定は…フフ…己の自意識過剰か、願望とも言うべきものか知れんが…」
男(わ、私達の…運命…それってやっぱり…)
女「とにかく、だ…私には倒すべき敵がいて、越えるべき障害がある…変化の時は来た……」
男(いっ、いや…でも…敵、障害…?)
女「ステップに生きる者なら誰もが覚悟している…『時』だ」
男(もしかして呼び出したのは、俺に助けを求めようとしてで……)
女「だから焦る必要なんて何も無いし…急いた所でどうにかなる様なモンでもない…」
男(だけど敵ったって…畑部さんなら一応戦わないって決めたハズだし…食糧だって上げてる…)
女「ならば答えは一つ」
男(一体、女さんは何と…)
女「ヤツ等を殺し…幾冬を乗り越えられるだけの力を得た時…」
女「この話の続きをしよう」
602 = 597 :
男「女さん…俺、言ったよね…」
女「男、これは悩みじゃない。深刻でもなければ、異常な問題でもない」
男「……」
女「ただ話の続きをするためにも…男の力を借りないで、こなす必要のある問題があるってだけだ」
男「ソレは…下手したら、死んだりするような問題…じゃないの?」
女「さぁ、どうだか?そもそも命に関わらない様な問題等、我々の生活には無いしな…」
男「だ、だったら!!」
女「――男ッ!!」
男「…っ」ビクッ
女「これは私の問題だ、そして避けられない問題だ。分かってくれ」
男「そんな事言ったって……」
女「それにこう言っちゃなんだが…お前の性格上…私なんかを心配し始めたらキリがないぞ?」
男「ぐ…」
女「分かってて、ここまで言ってしまった私も、私だが……」
男「し、心配な要素が多すぎるんだよ…女さんには…」
女「フフ、その上我侭だな…私の事は知っておいて欲しい…だが心配はするな、助けようともするな、と…」
男「ホントだよ…どうしてくれんの、このモヤモヤ……」
女「何、今はそんなでも…きっと直ぐに、心配損したと思うに違いない…私の物言いは大袈裟からな…」
男「……」
女「明日からも私は、またお前に迷惑をかける…覚悟しろよ?」
男「ちゃんと…迷惑かけ続けてよ…」
女「うむ!!任せろっ!!」
603 = 597 :
女「でも私は男の方こそ心配だ」
男「女さんに言われたくは無いけど…どこが?」
女「その…男は時々…脂肪の塊に弱い気がする…目線的にというか…」
男「し、脂肪の塊…?」
女「お前に限って無いとは思うが…もしそんなモンにコロッと騙されでもしたら大変だぞ?」
男「はぁ」
女「分かってるのか?無駄に…大きいって事は垂れやすいって事だ…動くのにも邪魔だろうし……」
男「……」
女「き、きっと感覚だって…鈍いんだ…///」
男「相変わらず、話が見えないんだけど…」
女「形が、大事なんだからな…ああゆうのは…」
男「っていうか俺、脂っこいの苦手だよ…?」
女「だ、だから!!料理の話じゃ……む」
男「?」
女「そういえば男…」
男「うん」
女「やっぱり料理は…びっくりだったのか…?」
男「え゙っ…な、何で?」ギクッ
女「さっき言ってたではないか、料理とかびっくりするけどって」
男「う、あ…いや…えと…」
女「今は…私とお前しか居ないんだから…正直に言ってくれていいんだぞ…」
男「ア、アレは…」
女「……」ジイィ
男「美味しくてびっくり、的な…」
女「……」ジイィ
男「――帰るか」スタスタ
女「コラ」
604 = 597 :
ゲル
女「~~~♪」
女父「……」キュッ、キュッ
女(フフ、今日は色々な事があったな…)ニコニコ
女(男には…怪我させたり…心配させたりしてしまったが……)
女(料理対決には勝ったし…)
『美味しくてびっくり、的な…』
女(ま、まぁ正直色々疑問点はあるが……)
女(でも…)
『うん、ソレ込みで俺は…女さんと仲良くなれて良かった、ホントにそう思ってる』
女「~~~~~ッ///!!」ゴロゴロ
女父「…楽しそうだな」
女「っ…ぅぇ…へ?」ピタッ
女父「……」
女「…そ、そう見えますか///?」
女父「誰がどう見てもな」
女母「ええ」
女父「何か、良い事でもあったのか…?」
女「あ、いや…」
女父「……」
女「…特に」シュン…
長くてスマンw誰かいるかな?
605 = 597 :
女父「娘よ」
女「はい」
女父「最近やたら略奪品の中に、虫ケラ共の女物の服があるのだが……」
女「っ…そ、そうですか?」ドキッ
女父「そうだろ」ズラッ…
女母「……」
女「コ、コレは…交易に使えるかなと…それに生地が薄くて丈夫なのもありますし…布としても……」
女父「とても丈夫そうには見えんが…」ペラッ
女「う…い、いや…でも…」
女母「フフ、案外良いモンですよ?着心地もすべすべしてて…確かに戦とかには向いてませんけど…」コトッ
女父「ならコレは何だ?」グビッ
女「ッ…!!」(男からもらったスカート!!?)
女父「何故こんな戦どころか、乗馬にも使えん様な衣類が、そのままココに残ってる…?」
女「そ、それは…」
女父「大事そうに置いてあったから、交易には出さなかったが…何か特別な意味でもあるのか?」
女「とっ…特別な意味は無い…です…けど……」
女母「……」
女父「じゃあ出して良いんだな」
女「いっ、いえ!!それは…その…っ!!」
女母「あなた、ちょっとコッチ手伝ってもらえます?」
女父「む、今娘と…」
女母「お願いします、私じゃ力が足りなくて…」
女父「分かった」ガタッ
女(母上…)
女母「……」ニコッ
606 :
>>604
心配するな
いつも、お前の側にいるぞ
607 :
俺もいるでよ!
女父は亭主関白な感じなんかね
608 :
教室
男(女さん遅いなぁ…もしかして…)
先「山田くん、はいますね。女さんは…欠s」
男(昨日の話――)
オオォォォォ…ドドドドド…
先「ん…地震、ですかね?」
女「男おおおおおぉぉぉッ!!」ガッシャアアアン
男「ッ!?ちっ、ちちちちょっと女さん!!!?」
生「きゃあああ!!」「きょ、教室にそのままッ!?」「ひいいいぃ!!」
女「約束通り迷惑掛けにきたぞおおおぉぉッ!!」
男「あああぁぁぁ!!何、俺のせいなの!?」
女「見てくれコレ!!コレ見てくれ!!」ヒラッ
男「おっ、落ち着いて!!本ッ当に迷惑だから…!!授業中だし……」チラッ…
先「な、ななな…な…」
男「すいません、ホントすいません!!勘弁してやって下さい!!」ペコペコ
女「それよりコレ!!コレ!!」ピョンピョン
男「…コレって…ん?ズボンの上に……」(スカート…)
女「どうだ!?」
男「どうって…」
女「!!」キラキラ
男「か、可愛い…です…」
女「…そ、そうか///」
男「うん…」
女「///」モジモジ
609 = 608 :
ザワ…ザワ…
先「ッ…ぁ…」パクパク
男(どうすんだよ、この空気…)
女「男も…中々格好いいぞ…?」
男「そう…ね…」
女「フフフ…///」
先「ど、どうぞおおぉぉ゙…」ムクッ
男「ひッ…」(復活した…)
先「この続きはあぁ゙…外でごゆうぅぅっくりいぃ…楽しんでくださいぃぃ゙……」ガララッ
女「何ッ!!授業受けないでいいのか!?」
男(受ける気はあったんだ…)
先「えぇ、受けないでいい!!受けないでいいですからッ!!」ガシッ
男「ッ!?な、なな何で俺に…」
先「お願いですうぅ゙…少なくとも…少なくとも…私の授業が終わるまではあああ゙ぁ゙ぁ゙……」グイィィ
男「せ、先生も…落ち着いっ…俺は別に…!!」
先「外で遊んでてええええ゙ぇ゙ぇ゙ぇ゙…」グイィィ…
男「わっ、分かりました!!分かりましたから!!出て行きますから!!」
女「おぉ!!やったな、男!!」
―――ピシャッン!!
男「うぅ…」(あの優しい先生に…追い…出された…)
女「フフッ、中々話の分かる先生だな♪」
男「ソウデスネ」(絶対欠席だよ、コレ…)
610 = 608 :
男「寒い…」ブルブル
女「季節的に仕方無いぞ、それは…フェルト着るか?」
男「ありがと…でもこの状況+廊下じゃなかったら、こんな寒くは無かったと思う…」
女「?」
男「ピンと来てよ…」
女「でも確かに今年は…特に、寒いな」
男「そういう事じゃないんだけど…まぁね」
女「……」
男「あ、そういや…畑部さんいなかったな…休みかな?」
女「むっ…気になるのか…」
男「だってさ、あの場にいたらきっと更に大変な事に…」
女「…休み、では無いぞ。多分」
男「え、そうなの?」
女「ヤツにしては少々対応が遅いようだが…」
男「何の対応?」
女「今の季節は少々忙しいんだよ、我々もヤツ等も」
男「あぁ、冬越しか…前も言ってたモンね、女さん」
女「うむ…」(もっとも…)
男「畑部さん達も大変なんだなァ…」
女(あの時とは、大分状況が変わったが……)
611 = 608 :
女「んぐっ…ん」ゴクゴク
男「……」
女「ぷは…まだ、寒いのか?」
男「ごめん、フェルト貸して貰ってるのに…」
女「多分飲んでないからだな、男も飲め」
男「…校舎内は勘弁して下さい」
女「じっ、じゃあ仕方無いな…」
男「うん…我慢すr」
女「ち、ちょっとソッチに寄ってやる…///」スッ
男「えっ…」
女「だっ、だって寒いんだろ?寄り添うのは、暖を取る一般的な方法だぞ…」
男「そ、そうだろう…けど…」
女「暖かい、か…?」ピトッ
男「あ、うん…///」
女「……///」ギュッ
男(ッ!!コ、コレは…)
女(ぁ…)
男(や、やばい…ただでさえアレなのに…胸が近……)ドキドキ
女(男の…鼓動の音が……///)ドキドキ
男(息子が…)ドキドキ
女「……///」
男(アレ?もしかして当たって…る?)
612 = 608 :
女「……///」ドキドキ
男(女さんの胸が小さくて…ある意味良かっ…たな、ウン…でも)
女(おっ…男おぉぉ…///)ドキドキ
男(だ、だめだ…やっぱりヤバイ…何か思ったより、ちょこんとしてるし…髪も……)
女(何でも良いから何か話してくれぇぇ…でないと心臓がああぁ…///)ドキドキ
男「そ、そっかぁ…」ボソッ
女「…ッ!!」
男「もうすぐ冬かぁ~!!」
女「そっ、そうだな!!冬だな!!やばいな!!」
男「コ、コタツ楽しみだなぁー」
女「うむ!!楽し―――…こたつ?」
男「ん…?あぁ…えっとね…」
女「?」
男「コタツは毛布がかけてあって…中に暖房がある机…みたいなヤツ、かな」
女「机の中に…暖房…」
男「ごめん、中…じゃないな…下に付けてあって…すっごい暖かいんだよ?」
女「も、燃え移らないのか…?机とか毛布に…」
男「移りません…うーん、何て言うか…」
女「???」
男「…よし、じゃあ今度家に来たら見せてあげるよ」
女「!!」パアアァァ
男「どうせそろそろ出すしね」
女「ぜ、絶対だぞ男!?絶対だからなっ!!」
男「ハハ、コタツにそんな期待されても…」
女(男の家!!男の家!!)ワクワク
男(う…何か、自分で言い出しといて不安になって来た…)
613 = 608 :
女「でな、でな!!それで私はヤツの頚動脈目掛けて――!!」
男「う、うん…」
キーンコーン
男「ん、チャイムだ。やっとお昼だね」
女「矢を…むぅ…」(これでまたヤツが…)
畑部「お待たせしました!!お弁当作ってきましたよ!!」
男「は、はァ」(ホントに来てたんだ…)
女「チッ…」
畑部「あれぇ~?害虫さん、こんなトコにいていいんですかぁ~?」
女「…貴様が言える事か?」
畑部「フフ、そうですね…でも粗方やるべき事は、やってしまいましたから…」
女「情報の遅さの割りには対応が早いな、虫ケラ」
畑部「情報が早くても対応の仕様の無い、害虫さんとは逆ですね♪」
女「ぐ…ッ」
男(冬越えに情報も何もあるのかな…)
畑部「それに…」チラッ
女「……」
畑部「害虫さんが何といおうと、男君はこっちの世界の人、なんですから……ね、男君?」
男「…へ?あ…うん」
畑部「フフフ…」
女「ふ、ふん…大体、料理勝負に負けたく癖に何が弁当だ…恥知らずめ」
畑部「あー、アレですか。アレはむしろ私にとって+です。男君の底なしの優しさが成せる判定でしたので――」
614 = 608 :
畑日「――改めて惚れ直しました♪」
男「っ…ほ、惚れって…ハハ…」
女「何度言えば分かる…つまらん冗談はよせと言ったハズだ…」チャッ
畑部「冗談?マジですよ私、大マジです」
男「!?」
女「……ッ!?き、きさッ!!?」(コイツまさか!?)
畑部「フフフ…ハルマゲドン、です。もう形振りなんて構ってられません」
女「本気、か…」(ダメだ…)
畑部「えぇ、今なら害虫さんの気持ちだって、ほんの少しは分かる気がします」
女(ダメだ、ダメだ、ダメだ、ダメだ……)
畑部「死の中を生き抜いてる虫ケラと、死を目前に捕らえた人間…種族は違おうが、所詮同じ生き物って事です」
女(コイツは違う…コイツは私とは違う……)
畑部「出来たら私の代では、ごめん被りたかったですけど…こればっかりは仕方無いですもんね」
女(勇気がある、例えそれが蛮勇だとしても…コイツには……)
畑部「…だから…私も、無茶になります」ニコッ
男「……」ポー
畑部「さっ、男君!!ボケっとしてないで『二人』で食堂に行きましょう!!」ギュッ
男「…ッ!?あ、え、ちょっ…待っ!!」ズルズル
女「ま、待てッ!!私も行く!!」
615 = 608 :
男「女さん…」
畑部「何故ですか?害虫さんはお昼食べないんでしょ?」
女「今の貴様は危…じ、じゃなくて…なんか腹が減ったんだっ!!」
畑部「一匹で食べたらいかがです?私は何時も通り男君と、二人で食べたいのですが…」
女「きっ、貴様が男と食べなきゃいい話だ!!そしたら私だって一人で食べてやってもいいぞ!?」
畑部「あ~…もしかして害虫さんって男君の事好きですか?」
女「ッ!!」(コ、コイツうぅぅぅ!!分かってる癖にいぃぃぃッ!!)
畑部「っていうか、そもそも男君が誰と食べようが男君の勝手、違いますか?」
女「き、貴様はダメなんだ!!」
畑部「随分理不尽な話ですね、今までは黙認してたのに」
女「だ、だだ黙れ!!黙れ!!黙れッ!!どうしてもというのなら…ッ!!」チャッ
畑部「あら、何ですかソレは?男君は私達の争いを身を削って止めてくれたんですよ?それなのにそんな理不尽な理由で虫ケラさんは……」
女「もっ、もうどの道…ッ!!」
畑部「なら射れば良いじゃないですか、私は抵抗しませんよ?」
男「……」
畑部「何故だか分かります?射れないと思ってるからです」
女「う、うぅ…」タジタジ
畑部「フフ、だって害虫さんは…男君の事、異性として好き―――」
女「違うッッ!!」
男「っ…」ズキッ
616 = 608 :
見てたら支援くれると嬉しいです
617 :
しぇーん
618 :
女「ぁ…」
畑部「じゃあ放っといて下さい、今はまだ血を流す場面ではありません。さ、行きましょう男…君?」
男「……」
女「……」プルプル
畑部「お、男君は…私と食べるの嫌…なんですか…?」
男「嫌じゃないけど…」
畑部「じゃあ行きましょう、早く」
女「っ…ぁ…ぅ…」プルプル
男「…うん…行こうか…」
畑部「はい!!」
女「!」
スタスタ……
女「……」ヘタッ…
女「ハハ、ハ…」(何が…)
女(何が臆病でいい、だ……)
女(言った先から…後悔するとはな…)
女(理屈では…分かってる…筈なのに……)
女(いや…理屈と現実を…無理矢理…迎合させてるだけか……?)
女(だけど…じ、実際…その通りでは無いか……)グスッ
女(男も…満更じゃなさそうだし……)
女(私には…これくらいしか…出来な…っ…)
女(半端者め…)ポロッ
女(――臆病者め――!!)ポロポロ
ありがとう…
619 :
催促されたら支援なんてしません
絶対してあげないんだからね!
620 = 618 :
食堂
畑部「はい!!何時ものお礼のお弁当ですッ!!」パカッ
男「そ、その前にちょっと…いいかな…?」
畑部「好きです」キッパリ
男「…ッ」
畑部「愛してます」キッパリ
男「……」
畑部「これで充分、ですよね?返事…聞かせて下さい」ニコッ
男「……」
男(…ん?)
男(おかしい…な…)
男(俺、生まれて初めて告白された…んだよな…多分……)
男(それも巨乳でスタイル抜群、料理は最高、顔も可愛い…理想の…女の子に……)
男(なのに…何でだろう…気分は不思議なくらい落ち着いていて……)
男(思考は次に紡ぐべき言葉を、淡々と探してる…胸の高鳴りすら感じない……)
男(昨日なんて、呼び出されただけで…一杯一杯だったのに……)
男(…今はまるで…秋晴れの空を見上げてる様な……)
畑部「……」
男(――いや、違う)
男(一つだけ…一つだけ告白された瞬間から…脳裏にチラついて離れないモノがあった……)
『すっ、すまない……』
男(ソレは何時もと同じに、強引に…無鉄砲に…)
『男おおおおおぉぉぉッ!!』ドドドドド
男(澄み切った俺の頭に纏わり付いて……)
畑部「……」
男(俺を…)
畑部「害…女さん、ですね?」
>>619べ、別にちっともして欲しく何かない無いもん…むしろもっとしないで欲しいくらいだし…
そんなんでモチベーション上がったりとか絶対無いんだから!!
621 = 618 :
男「うん…」
畑部「あちゃー…ホントに早まっちゃいましたか、私」ポリポリ
畑部「薄々…分かってる気は、したんですけどね……」
男「……」
畑部「…女さんの事、好きなんですか?」
男「ごめん、正直…まだよく分からない…」
畑部「はっきりしないんですね」
男「うん、だけど…」
畑部「えぇ、分かってます」
男「……」
畑部「……」
男「……」
畑部「…男君は少し…強くなりましたね?」
男「…強く?」
畑部「えぇ、少しだけ」
男「そうかな…」
畑部「そうですよ、良い事だと…私は思います。それに、その事だけに限ったら嬉しいです」
畑部「万人に優しい人は、結局誰一人にも…優しくなんて、なれないんですから……」
男「……」
畑部「でも…その優しさを向ける方向さえ、定まれば…男君は……」
男「……」
畑部「絶対に、何にも…」
男「……」
畑部「…もっとも、弱い男君も可愛くて素敵ですけどねっ♪」
622 = 618 :
男「本当に…ごめん…」
畑部「なぜ謝るんですか?」
男「だって、畑部さんみたいな人に…」
畑部「……」
男「俺なんかが…こんな曖昧な理由で……」
畑部「男君」
男「……」
畑部「振るのは勝手です。勝手ですけど、舐めてもらうのは困ります」
畑部「私は男君に惚れたんです。その私の前で自分を卑下するのは、私を卑下するのと同じ事です」
男「畑部…さん…」
畑部「それに…良いんですか?こんな事で、全て済んだ様な気になってる様ですけど…」
男「え…?」
畑部「女さんと親しくしすぎて、私達の特質を忘れてやしませんか、と言ってるんです」
男「俺達の…特質……」
畑部「…執念深さ、ですよ」
男「……」
畑部「何せ、農耕民という生き物は…」
畑部「決してその形を失う事の無いモノに、幾世代にも渡って連綿と受け継がれてきたモノに、全面的に依存して生きて行くんですから……」
男「……」
畑部「だから曖昧な理由、上等!!むしろまだチャンスがあると受け取ってやりましたっ!!」パアァ
男「……」
畑部「フフッ、こうなったら、もう絶対に死ねません♪」ニコッ
男(俺が…)
623 = 618 :
男(俺が…泣かせた…)
畑部「今回はミス!!そう、作戦ミスですから!!やっぱり人間焦っちゃいけないんですっ!!」
男(こうなり得る事を、充分に予想した上で……)
畑部「生きて、生きて、生き延びて!!何としてもこの冬を乗り越えて…っ!!」
男(自分の意思…というより曖昧な感覚に従った……)
畑部「今度こそ、ちゃんと作戦を練って、再チャレーンジ!!……ってな、何ですかその顔はぁ」
男(だからこそ…畑部さんのこの姿を前に…何もしようとはしないのだろうし……)
畑部「男君は何も…っぇ…あ、あれ…?」
男(きっと後悔や…同情さえも…してはならないと思うんだろう……)
畑部「おかしい…ですね…目にちょっと埃が…っ…入っちゃったみたいで……」
男(目を逸らさず、見届ける…)
畑部「え…あ、いや大丈夫ですよ?ホントに大丈夫…なんですけど…ハハ……」サッ
男(その必要性への確信だけが……ある)
畑部「ど、どうなってるんでしょうね…なっ、中々取れないや…アハ…アハハ……」ゴシゴシ
男(これが…)
畑部「全然、ハハ…取れな…っぅ…」ポロポロ
男(優しさ、なのか…?)
畑部「いっ…ぁ…」ポロポロ
男(これが…)
畑部「ぁ…うあっ…うぇっ…」ポロポロ
男(…強さ……)
畑部「うああぁぁ…っ…ぁぁ…あぁ!!」ポロポロ
男「……」
624 = 618 :
放課後
女「はぁ…」パカパカ…
男「……」スタスタ
男&女「あ…」
男「やぁ…」
女「お、おぉ…」(虫ケラが一緒じゃない!!)
男「……」
女(うぅ…でもこの反応は……)
男(この顔が…)
女「…な、なァ男…その…今日一緒に帰らないか?」
男「いや今日はちょっと…一人で……」(この声が…告白された時によぎったんだよな…)
女「そっ、そうか…」(やっぱり…)
男「……」
女「そう…だよな……」シュン…
男「……」
女「じゃあ…」パカパカ…
男「…やっぱり…一緒に帰ろっか?」
女「ッ!!」パアァァ
男「ゆっくり頼むよ?」(何故だろう…)
女「ま、任せてくれッ!!全力でゆっくりしてやる!!」
男「ハハ…」(放って…置けないんだよな……)
625 :
マスター、わっふr……支援を一つもらおうか
626 :
パカパカ
女(むぅ、男のヤツ…)チラッ
男「……」
女(さっきからずっとコレだ…話しかけても生返事だし……)
男(俺は女さんの事…)
女「……」
女(ま、まさか…)サアァ…
男(飽くまで…友達として好き、なんだよな…?)
女(いっ…いやでも…あんな事言ってくれたんだ!!そんな筈ないっ!!)ブンブン!!
男(だって女さんは、異性として見た時…)
女(信じるぞ…今だってこうやって…一緒に帰ってるんだ……)
男(粗暴だし、不潔だし、酒飲みだし、料理マズいし、ちょっとお馬鹿だし…)
女(だとしたら…やはり虫ケラと昼休みに話した事と関係が…?)
女(今日のヤツの雰囲気じゃ…下手したら……)
男(オマケに貧乳…)
女(ぐ…き、聞きたい…猛烈に聞きたいが…何と言って聞けば……)
男(確かに顔は…ちょっとカワイイけど……)
女(そ、それに…思いたくも無いが…仮にそうゆう類の話が、本当にあったとして……)
男(幾ら何でも…それ以外のマイナスポイントが多すぎるよ……)
女(私が男に尋ねても…期待してる様な返答は…絶対返って来ないだろう……)
男(殆ど…俺の理想の対極じゃないか……)
女(もっとも…そこで返ってくる様なヤツなら最初から……好)
男(なのに…)チラッ
女「///」
男(何で…こんな…)
>>625支援サンクスコ!
もしや、紳士の方から?wwwもし、そうだったらあっちも放置ぎみですいませぬ
627 = 625 :
おはようごぜいます(^ω^)
紳士の方は見てないな……
でも正直最近こっちの更新が多くてうれしーです
628 = 626 :
女「……」ソワソワ
男「……」
女(よ、よしっ!!)
男「……」
女「男…なんだか…さっきから元気が無い様な気がするが、大丈夫か?」
男「あぁ、別に…大丈夫、何とも無いよ」
女「そうか…」(男…)
男「うん」
女「なら…良いんだが…」(何故、こっちを向いてくれないんだ…)
男「……」
女(そんなに俯いて…一体…)
男「ハァ…」
女「……」
女(もう…理由なんてどうでもいい…)
女(私に出来るのは……)
男「……」
女(私が知っていて、男に出来るのは……)
女「ホラ」キュポッ
男「…ん?別に今は寒くないよ…?」
女「力士も太い草につまずく。こうゆう時は飲んで、歌え、それに限る」
男「ハハ…何、カラオケでも行きたいの…?」(励まそうと…してくれてる…?)
女「コホン、では恥ずかしながら一曲」(からおけ?)
男「えっ」
>>627更新また遅くなるかもですが勘弁をww
629 :
今ここまで読んだ。面白かった。
>>1頑張れ。超応援してる。
630 :
また一人、新たな>>1のファンが生まれた……
631 :
男(綺麗な歌、だな……)
女「~♪」
男(どこか…哀愁を帯びたような…っていうか女さん普通に歌上手い…)
ザワ…ザワ…
男(嗚呼、これで周りの視線さえ無ければ……)
女「…ど、どうだった///?」
男「すごく良かったよ。歌、上手なんだね」
女「そ、そうか!!まァこれは私の十八番だからな///!!」
男「コレは…何て歌なの…?」
女「草原の歌、だな…文字通り草原を讃えてる…オルティンドーという我々の間に先祖から伝わる民謡だ」
男「へぇ…民謡かぁ…」
女「うむ、楽器が無いのが残念だが……」
男「……」
女「……」
男「……」
女「男、我々はな…」
男「…う、うん?」
女「辛いこと悲しいことがあった時、草原の中でコイツを大声で歌うんだ…もちろん飲りながら……」
男「……」
女「そうするとな、胸がスッとして…楽になるんだ…まるで自分が大地に溶けていくような…そんな気持ちになる」
女「何があったかなんて…聞くつもりはない…私自身、聞かれるのを好むタイプじゃないしな……」
男「……
女「だけど男が悲しんでる姿は見たくない…だから……」
男「女さん…」
女「お前も歌え、なんでもいいから歌って飲るんだ」
頑張る!!めっちゃ頑張るから!!
632 = 631 :
男「ココ、住宅地なんだけど……」
女「…な?」
男「なって言われましても…」
女「私は男の歌、聞いてみたいぞ?」ニコッ
男「で、でも…あんまり最近の歌とか知らないし……」
女「よっ!!ダサい!!ダサいな男っ!!」
男「…ダサいは、褒め言葉じゃないよ?」
女「!!」ワクワク
男「ハァ…分かったよ…じゃあ」
――スゥ
男「ぅぇをむぅいて…」
女「声が小さい!恥ずかしがるな男ォ!!」ドンッ
男「ぐふぇっ!!な、何を…」
女「こういうのは全力で歌ってこそ意味があるんだ!!そんなんじゃ家畜も集まらんぞッ!!?」
男「ぅう…上をむうういて…」(家畜…?)
女「そんなもんじゃないだろぉ!!男の力はあああぁぁッ!!しっかりしろおおおぉぉ!!」バンッ
男「っが…歩こおおおおぉぉ!!」(ヤバい…相当酔い回って来てるな…俺……)
女「おぉッ!!その歌なら私も知ってるぞ!!よし、一緒に歌ってやる!!!」
男友(絡まれたく無いから、遠巻きに見てたがあいつ等…)ソ~
男&女「涙が~こぼれないように~思い出す春の日~♪」
男友(通学路で飲酒、乗馬、合唱なんでもあり…っていうか早くいってくれよぉぉ…!!帰れねぇだろうがあぁぁ!!)
633 = 631 :
女「っ…次は何歌う?」ゼェゼェ
男「も、もういいや…喉が…」(意外と懐メロ知ってるんだ…)
女「そっ、そうか…どうだ…悲しい気持ちなんて吹っ飛んだだろ…?」ゼェゼェ
男「ていうか喉痛くてよく分かんないや…ハハハ……」ゼェゼェ
女「フフ、草原でやるともっと…気持ちがいいんだけどな…」
男「ちょ、ちょっと降りて休まない…?」ゼェゼェ
女「いいぞ、私も流石に…少し疲れた……」
川原
男「女さん、ありがとう…確かに…気持ちが少し晴れたよ…」
女「『悩みがあったら遠慮せずに相談してくれよ?』」
男「ぷっww何その声マネ、全然似て無いしwww」
女「む…これでも上手い方なんだぞ、こうゆうの」
男「歌は上手かったよ、声凄く綺麗だった」
女「ぅ…こ、こッ恥ずかしい事言うな…馬鹿者…///」
男「ハハハ…」
女「まったく…///」
男「はぁー…面白かった」
女「…もう…大丈夫か?」
男「うん、大丈夫…なんとなく…答えが出そうだし……」
女「フフ、そうか…」
男「ありがとね」
女「なぁ、男」
男「ん?」
女「ここの草は…長いな…」ファサッ
男「え…そんな長い?」
女「あぁ、コッチに生えてる草はコレの半分も無いし…もっと痩せてる…潤いだって……」
男「でも…家畜達は、ソレを食べて生きてるんでしょ…?」
女「他の地域の草食獣じゃ、殆ど見向きもしないような代物らしいがな…」
男「ココは水辺だから、きっと栄養あるんだろうね…」
女「うむ…」バサッ
634 :
女「なぁ男、こうやって仰向けに寝転がってるとな…建物やら何やら、煩わしいものが何も見えない……」
男「うん…」
女「視界にあるのは蒼い空に、白い雲、風に揺られて靡く…長くて力強い草だけ……」
男「……」
女「背に感じるのは…ひんやりとした…豊かな土の水水しい感触……」
男「……」
女「まるで、祖父が話してくれた…在りし日の草原みたいだ……」
男「確かに、町の中には見えないね。意外と静かだし…」
女「あぁ、近くだと…男の声位しか聞こえてこないぞ…?」ゴロッ
男「道路も離れてるから、誰も来ないんだよ。この辺」(あ、こっち向いた…)
女「う、うむ…そうだな…」(って事は、誰もいない草原で…)
男「……」
女(男と…二人っきり…///?)ドキドキ
男「ねぇ、女さんってさ…」
女「……///」
男「女さん?」(聞いて…無いな…何か顔も赤いし…)
女「い、いかん…な…」
男「ん?」
女「何だか少し…眠たくなってきた…疲れたのか、酔いが回ったのか知らんが…フフ……」
男「大丈夫?女さんが、そんなになる何て珍しいね」(何だ、眠たかったんだ…)
女「うむ、珍しい…実に珍しいぞ…力も入りそうに無い…だから……」
男「あー、引っ張ってあげようか?」
女「なら…奪…できちゃうかもな…」ボソボソ
男「…え?ごめん、何て?」
女「だ、だから…今なら、だな…私も力が入らないし……」
男「うん」
女「男が…その気になったら、簡単に…り、りゃ……」
男「?」
女「りゃくd―――ッ」ハッ
635 = 634 :
女「…ぅ…ぁい///」カアァァ
男「お、女さん?」
女「いっ、今のは…失言…だった…忘れてくれぇ///」プルプル
男「失言って…りゃ?」
女「うああああぁぁ!!いいから忘れろおぉぉぉ…ッ///!!」ゴロッ
男「ッ…う、うん!!」
女(糞ッ!!まだっ…!!まだ焦ってるのか…私は…!!)
男(な、何だったんだ今の…完全に反対向いちゃったし……)
女(大体、前も失敗した作戦を繰り返すとは!!幾らヤツがあんな出方して来たからって……!!)
男(めっちゃ悶えてるし…お)
女「……」ピタッ
男(止まった…)
女(でも…)
女(や、やはり私には…魅力が無い…のか?)
女(だって仮にも…同年代の男女が…こんな場所で二人っきり…なんだぞ…?)
女(別にそっ、そうゆう事にはならずとも…普通なら…素振りくらいは見せてくれる方が…自然じゃないか……)
女(それに私達…あの時よりは親しく…あぁぅ、ダメだ…)
女(決めただろ…同じだ…この先を乗り越えなければ…結局何も……)
女(何も…)
女「……」
男(急に大人しくなったな…)
636 = 634 :
女「……」ポン
男(ん?手だけこっちに…)
女「あー今年の冬は寒いなぁー。ちょー寒いなー(棒)」
男「ち、ちょー…?」(清清しいくらいの棒読みだな、オイ…)
女「私としたことが冷えてしまったようだー…おっ、主に…そのー…」ゴニョゴニョ
男「……」
女「手とか…だなー…///」
―――ギュッ
男「暖かい?」
女「…ん///」ギュウ
男「そっ、そう…」(握り返してくれた…)
女(や、やた…男の手だぁ…)ギュウゥゥ
男「ッ…ちょ、ちょっと女さん…力」
女「あ、う…す、すまん…痛かったか?」パッ
男「いや大丈夫だけど、そんな強く握らなくてもw」
女「///」
637 = 634 :
男「…前は気付かなかったけど…女さんって意外と手小さいんだね」(綺麗な手だ…)
女「そ、そうか?」
男「うん」(一見、傷や肉刺だらけで…無骨で野暮ったいけど…ちゃんと触れてみたら……)
女「お、男の手こそ…意外と…大きいな///」
男「手だけやたら、でかいんだよねww」(柔らかくて、細くて…何時までも握っていたい様な…女の子の手…)
女「何を言う!!男は器もでっかいぞ!!」
男「ハハ…」
女「むしろ全部でかい!!きっとアレもでかい!!」
男「ハ…アレ?」
女「…ぅ…な、何でもない…また失言だ///」
男「変なのww」(そっか…)
女(くぅぅ…何故私は…下ネタをサラッと言う勇気だけはあるのだ……///)
男(女さん自身なんだ…この手は……)
男(答えが、出た…)
638 = 634 :
パカパカ
女「フフッ…」
男「ん?どうしたの急に?」
女「いや…自分の往生際の悪さについ、な」(今は…)
男「?」
女「何、こっちの話だ…ありがとう、今日も楽しかったぞ?」(これで充分…)
男「こちらこそ…あ、ここまでだ。じゃあ」
女「うむ♪」
男&女「また、明日」
――秋営地
女(…まさか…冬に感謝する日が来ようとはな……)
女(今日は…男にくっ付けたうえ…手まで…フフフ///)
女(男の手…暖かかったな…///)パラッ
女父「……」
遊一同「……」
女「ぁ…」
女父「随分…楽しそうだな?」
女「い、いえ…父上その…コレは?」
女父「マジャーニ族が連中と合流した」
女「ッ!?む、むむ無血でですか!?」
女父「あぁ」
女「そんな…」
女父「これで…連中に立ちはだかる主な遊牧勢力の脅威は消えた…」
女「我々を…残して?」
女父「そういう事だ」
639 = 634 :
女父「フフ…あの童がココまでになるとは……」
遊伝「しゅ、首領!!」パラッ
女父「何だ?」
遊伝「バートルとトグリルがいません…」
遊一同「何、またか…!?」「追って殺すか…!?」「いやしかし…!!」ザワザワ
女父「放っておけ」
女「しかし父上、これ以上の戦力低下は…」
女父「何、戦場で背後から射られるよりかマシだ」ガタッ
女「……」
女父「誉れある狼の子等よ、我等が待ちに待ったチンギスの再来だ」
遊一同「……………」
女父「最早去りたいなら止めはせん…止められる力も無いしな……」
遊一同「お、おい…聞いたか?」「本気か…?」「だがこうなった以上は…」ザワザワ
女「……」チャキッ…
女父「……」サッ
女「父上…」
遊一同「俺は去る…」「こっちもだ…」「悪ぃな…だが…」ゾロゾロ…
女父「あぁ、責める道理も無い。当然の判断だ」
誰かー
640 :
見てますよ
641 :
女「……」
女父「さて…残ったのはこれだけか、うむ。思ったとおりの面子だ」
遊「へへ…異常な連中ってか?」
女父「あぁ、異常だ。俺が貴様等なら、残りはしない。例え義兄弟でもな」
遊「よく言うぜ」「いやお前は異常だろww」「待て、待て。俺は分け前が増えるから残ったまでだぞ?」ワイワイ
女父「ハッハッハッ…」
女「父上、さっきの様な事はもう…下手をすれば……」ヒソヒソ
女父「だからこそ、だ。現状で最も考えられる直接的脅威は暗殺、反乱では無い」
女「……」
女父「コイツ等のいる場で、主導権を握った上で、事を進める必要があった。無論、その場で殺す事も考えたが…」
ワイワイ…ガヤガヤ…
女(冷静な、判断だ…)
女父「今は慎重に限る。万に一つ、一人でも味方を失うのは惜しい」
女(それも空恐ろしい位の……)
女父「後は、お前さえ帰って来るのを待って始めれば…どんな愚か者にも、行きがけの駄賃で獲れる首では無いという事位は理解できる」
女(昨日まで一緒に暮らしてきた人間を、生と死の秤に掛ける…この様子じゃ……)
遊「しかし肝が冷えたぜ」「まったくだ」「行き成りあんな事、言い出すんだもんなww」ワイワイ
女父「ハッハッ…思いつきに付き合わせて、悪かったな」
女(計画の露呈を避け、娘である私のみならず、味方と目された人間にすら…事前に話はしなかったのだろう…)
女父「~~~~~」
女(父上、貴方に焦りは…)
女父「娘よ、今がどういう状況か分かってるよな…?」
女「は、はいっ…」ビクッ
女父「…なら、いいんだが」グビッ
女「……」
女父「ふぅ…さて、貴様等。どうせやるしか無いんだ、この頭数で出来る事を考えよう」
遊「おぉッ!!」ワアァァァ
女(…釘を…刺された?)
>>640サンクス!!誰か見てるって分かるとやっぱ安心しまふ
642 = 641 :
女(今、この場に残ってるのは…父上と個人的に極めて親しい数人と……)
遊「―ココに到達するまでに連中の兵力は――」「進軍ルートは全てステップ地帯――」「――実戦力は―マジャーニを含め――」
女(父上と同じ、特別な『事情』で連中の陣営に加われない者達だけ……)
遊「――すでにクンバ峠にまで――」「いっそ暗殺を――」「―交渉の余地は――」
女(結束は固くとも…大量の離脱者は、残された時間を更に短くした……)
女「おい」
遊「ハッ」
女「明日だ…」
遊「分かりました。今宵の内に準備を」
女(…躊躇ってはいられない……)
男家
姉「ねぇ、ちょっと弟!!アレ見た!?アレ!?」
男「う、うわ!!何だよ、姉ちゃん!?ノックくらい――!!」
姉「見て無いのかよ!!好いから、外見てみ!!外!!」
男「も~何だよ…そのテンション…」ガラッ
姉「ホラ!!」
男「あ…」
姉「すごい数の流れ星でしょ!?こんなの初めて!!」
男「ホントだ…すごい…」
姉「ね!?何か起きるのかしら!?」
男「ハハ、何かって別に――」ハッ
『星が流れた…きっと誰かが……』
男(死…)
姉「綺麗ね~…きっと良い事があるに違いないわ、フフ♪」
男「……」
643 :
大丈夫!
ちゃんと見ているから安心して投下してくれ
644 :
俺がチェックする頃には投下が終わっている……
俺も見てるぞ!ちくしょう!
645 :
遊「準備完了しました…」
女「よし、出発するぞ」パカッ
遊「……」
女「どうした?何か問題でもあるのか…?」パカパカ
遊「アタマン…先の凶兆は……」
女「構うな、時間の無駄だ。出来る限り急がねばならん」パカパカ
遊「大量の離脱者、ですか…」
女「あぁ、接触する可能性が高い。それに奴の父バルラスが護衛を連れ、現在の野営地を発ってもう四日。これ以上待つのは危険だ」パカパカ
遊「しかし…」
女「刃を交えないで済む可能性だってある、何を……」ピタッ
遊「………………………………」シーン
女「……畑部の件、か」
遊「今度ばかりは…慈悲は通りません……」
女「ハァ…」(コイツ等まで…)
遊「相手が相手です…隙を見せれば我々が喰われ―――!!」
女「言葉でッ!!」
遊「……っ」
女「言葉で、信用を勝ち取る程難しい事は無い…特に我々の関係においては尚更……違うか?」
遊「……」
女「だから今一度アタマンの権限を持って命令する、私に続け」
遊「………………………………」
女「さすれば見せてやる、私が何一つ変わって無いという事……」
女「私が正しく父ジャムイルの子――」スラッ…
遊「!!」
女「―――アタマンの女だという事をッッ!!全隊早駆け!!命令不服従はヤサに照らし厳罰に処する!!」
遊「おおおおおおおおおぉぉぉぉッッッ!!!!」ヒヒイィィィィン!!
>>644すまんwww更新が遅いモンで…見てくれてホントさんくす!!
646 :
大丈夫!
いくら遅れてもずっと待ってるぜ!
647 :
学校
男(うーん…この時間になってもいない…また遅刻かなァ…でも)
男友「よっ」ポンッ
男「ッ!!…ってお前か」クルッ
男友「何だよそのリアクション、人がせっかく久しぶりにコッチから話しかけてやったのに」
男「別に話しかけりゃいいだろ」
男友「いいだろってお前、あの二人が常にどっちか周りにいるだろが。もうあんな目ゴメンだからな」
男「あー…すまん…」
男友「で、あれから女さんとは何か進んだのか?畑部さんに浮気してないだろな?」
男「だーかーらー俺達はそういうんじゃないし、付き合ってもない」
男友「…の割りには女さんが居なくて随分寂しそうだがwww」
男「だ、だってお前…今日四時間なんだぞ?女さんは、遅刻はしても毎日ちゃんと来てたのに…」
男友「ありゃ、そういやそうだな。まァどうせもうすぐ来んだろ」
男「……」
男友「心配でたまりませんかwww?」
男「るせ」
畑部「男君」スッ…
男「ッ!?」ビクッ
男友「あー…じゃな」(何キョドってんだコイツ?)
畑部「その必要はありませんよ、男友君。ハイ、お礼のお弁当です」コトッ
男「ど、ども…」
畑部「私は用事があるのでコレで」ガラッ
男「……」
頑張る!!何か無駄に当初の予定より長くなっちゃったけど!!見てる人いたら
支援くれると嬉しいです
648 :
支
649 = 646 :
支
650 = 647 :
男友「ねぇ、喧嘩!!喧嘩したの!?それとも振られた!!?」
男「してないから…っていうか何で、お前そんな嬉しそうなんだよ…」
男友「全ッ然嬉しく無いッす!!」パアアァァ
男「……」
・・・・
新畑「う~今日も寒いなぁ…」トコトコ
新畑「あ…」(部長さん達だ…倉庫から何か出してる…)
畑部『~~~~』
畑『~~~~』
新畑「部長さぁ~ん、手伝いましょうかー♪」
畑部&畑「ッ…」
新畑「部長さん?」
畑「……あ゙?」ギロッ
新畑「ひッ…」
畑部&畑「……………………………」シーン…
新畑「あ、あの…私…その…」オロオロ
畑部「ハァ…」
新部「ご…ごめんなさい…すぐ行きますんで……」ペコペコ
畑部「…待ってください」
新畑「あぅ…」ビクッ
畑部「まぁ、どうせ教えるつもりでしたし…仕方無いですね…」
新畑「ごめんなさい…」
畑部「謝らなくて良いですよ、取り合えずコレ…出すの手伝ってもらえます?」ニコッ
新畑「はい…」
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