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    元スレたしかあったジャンル「ベトナム帰還兵」

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    601 = 597 :

    「案ずるな…臆病なのはお前じゃない、私だ…そして私は今…自分の臆病さに心底感謝してる…」

    「…女さんが…?」

    「あぁ…私の運命を『私達』の運命にせずに済んだのだからな…」

    「ッ!?」

    「もっともこの仮定は…フフ…己の自意識過剰か、願望とも言うべきものか知れんが…」

    (わ、私達の…運命…それってやっぱり…)

    「とにかく、だ…私には倒すべき敵がいて、越えるべき障害がある…変化の時は来た……」

    (いっ、いや…でも…敵、障害…?)

    「ステップに生きる者なら誰もが覚悟している…『時』だ」

    (もしかして呼び出したのは、俺に助けを求めようとしてで……)

    「だから焦る必要なんて何も無いし…急いた所でどうにかなる様なモンでもない…」

    (だけど敵ったって…畑部さんなら一応戦わないって決めたハズだし…食糧だって上げてる…)

    「ならば答えは一つ」

    (一体、女さんは何と…)


    「ヤツ等を殺し…幾冬を乗り越えられるだけの力を得た時…」

    「この話の続きをしよう」

    602 = 597 :

    「女さん…俺、言ったよね…」

    「男、これは悩みじゃない。深刻でもなければ、異常な問題でもない」

    「……」

    「ただ話の続きをするためにも…男の力を借りないで、こなす必要のある問題があるってだけだ」

    「ソレは…下手したら、死んだりするような問題…じゃないの?」

    「さぁ、どうだか?そもそも命に関わらない様な問題等、我々の生活には無いしな…」

    「だ、だったら!!」

    「――男ッ!!」

    「…っ」ビクッ

    「これは私の問題だ、そして避けられない問題だ。分かってくれ」

    「そんな事言ったって……」

    「それにこう言っちゃなんだが…お前の性格上…私なんかを心配し始めたらキリがないぞ?」

    「ぐ…」

    「分かってて、ここまで言ってしまった私も、私だが……」

    「し、心配な要素が多すぎるんだよ…女さんには…」

    「フフ、その上我侭だな…私の事は知っておいて欲しい…だが心配はするな、助けようともするな、と…」

    「ホントだよ…どうしてくれんの、このモヤモヤ……」

    「何、今はそんなでも…きっと直ぐに、心配損したと思うに違いない…私の物言いは大袈裟からな…」

    「……」

    「明日からも私は、またお前に迷惑をかける…覚悟しろよ?」

    「ちゃんと…迷惑かけ続けてよ…」

    「うむ!!任せろっ!!」

    603 = 597 :

    「でも私は男の方こそ心配だ」

    「女さんに言われたくは無いけど…どこが?」

    「その…男は時々…脂肪の塊に弱い気がする…目線的にというか…」

    「し、脂肪の塊…?」

    「お前に限って無いとは思うが…もしそんなモンにコロッと騙されでもしたら大変だぞ?」

    「はぁ」

    「分かってるのか?無駄に…大きいって事は垂れやすいって事だ…動くのにも邪魔だろうし……」

    「……」

    「き、きっと感覚だって…鈍いんだ…///」

    「相変わらず、話が見えないんだけど…」

    「形が、大事なんだからな…ああゆうのは…」

    「っていうか俺、脂っこいの苦手だよ…?」

    「だ、だから!!料理の話じゃ……む」

    「?」

    「そういえば男…」

    「うん」

    「やっぱり料理は…びっくりだったのか…?」

    「え゙っ…な、何で?」ギクッ

    「さっき言ってたではないか、料理とかびっくりするけどって」

    「う、あ…いや…えと…」

    「今は…私とお前しか居ないんだから…正直に言ってくれていいんだぞ…」

    「ア、アレは…」

    「……」ジイィ

    「美味しくてびっくり、的な…」

    「……」ジイィ

    「――帰るか」スタスタ

    「コラ」

    604 = 597 :

    ゲル

    「~~~♪」

    「……」キュッ、キュッ

    (フフ、今日は色々な事があったな…)ニコニコ

    (男には…怪我させたり…心配させたりしてしまったが……)

    (料理対決には勝ったし…)

    『美味しくてびっくり、的な…』

    (ま、まぁ正直色々疑問点はあるが……)

    (でも…)

    『うん、ソレ込みで俺は…女さんと仲良くなれて良かった、ホントにそう思ってる』

    「~~~~~ッ///!!」ゴロゴロ

    「…楽しそうだな」

    「っ…ぅぇ…へ?」ピタッ

    「……」

    「…そ、そう見えますか///?」

    「誰がどう見てもな」

    「ええ」

    「何か、良い事でもあったのか…?」

    「あ、いや…」

    「……」

    「…特に」シュン…


    長くてスマンw誰かいるかな?

    605 = 597 :

    「娘よ」

    「はい」

    「最近やたら略奪品の中に、虫ケラ共の女物の服があるのだが……」

    「っ…そ、そうですか?」ドキッ

    「そうだろ」ズラッ…

    「……」

    「コ、コレは…交易に使えるかなと…それに生地が薄くて丈夫なのもありますし…布としても……」

    「とても丈夫そうには見えんが…」ペラッ

    「う…い、いや…でも…」

    「フフ、案外良いモンですよ?着心地もすべすべしてて…確かに戦とかには向いてませんけど…」コトッ

    「ならコレは何だ?」グビッ

    「ッ…!!」(男からもらったスカート!!?)

    「何故こんな戦どころか、乗馬にも使えん様な衣類が、そのままココに残ってる…?」

    「そ、それは…」

    「大事そうに置いてあったから、交易には出さなかったが…何か特別な意味でもあるのか?」

    「とっ…特別な意味は無い…です…けど……」

    「……」

    「じゃあ出して良いんだな」

    「いっ、いえ!!それは…その…っ!!」

    「あなた、ちょっとコッチ手伝ってもらえます?」

    「む、今娘と…」

    「お願いします、私じゃ力が足りなくて…」

    「分かった」ガタッ

    (母上…)

    「……」ニコッ

    606 :

    >>604
    心配するな
    いつも、お前の側にいるぞ

    607 :

    俺もいるでよ!
    女父は亭主関白な感じなんかね

    608 :

    教室


    (女さん遅いなぁ…もしかして…)

    「山田くん、はいますね。女さんは…欠s」

    (昨日の話――)

    オオォォォォ…ドドドドド…

    「ん…地震、ですかね?」

    「男おおおおおぉぉぉッ!!」ガッシャアアアン

    「ッ!?ちっ、ちちちちょっと女さん!!!?」

    「きゃあああ!!」「きょ、教室にそのままッ!?」「ひいいいぃ!!」

    「約束通り迷惑掛けにきたぞおおおぉぉッ!!」

    「あああぁぁぁ!!何、俺のせいなの!?」

    「見てくれコレ!!コレ見てくれ!!」ヒラッ

    「おっ、落ち着いて!!本ッ当に迷惑だから…!!授業中だし……」チラッ…

    「な、ななな…な…」

    「すいません、ホントすいません!!勘弁してやって下さい!!」ペコペコ

    「それよりコレ!!コレ!!」ピョンピョン

    「…コレって…ん?ズボンの上に……」(スカート…)

    「どうだ!?」

    「どうって…」

    「!!」キラキラ

    「か、可愛い…です…」

    「…そ、そうか///」

    「うん…」

    「///」モジモジ

    609 = 608 :

    ザワ…ザワ…

    「ッ…ぁ…」パクパク

    (どうすんだよ、この空気…)

    「男も…中々格好いいぞ…?」

    「そう…ね…」

    「フフフ…///」

    「ど、どうぞおおぉぉ゙…」ムクッ

    「ひッ…」(復活した…)

    「この続きはあぁ゙…外でごゆうぅぅっくりいぃ…楽しんでくださいぃぃ゙……」ガララッ

    「何ッ!!授業受けないでいいのか!?」

    (受ける気はあったんだ…)

    「えぇ、受けないでいい!!受けないでいいですからッ!!」ガシッ

    「ッ!?な、なな何で俺に…」

    「お願いですうぅ゙…少なくとも…少なくとも…私の授業が終わるまではあああ゙ぁ゙ぁ゙……」グイィィ

    「せ、先生も…落ち着いっ…俺は別に…!!」

    「外で遊んでてええええ゙ぇ゙ぇ゙ぇ゙…」グイィィ…

    「わっ、分かりました!!分かりましたから!!出て行きますから!!」

    「おぉ!!やったな、男!!」

    ―――ピシャッン!!

    「うぅ…」(あの優しい先生に…追い…出された…)

    「フフッ、中々話の分かる先生だな♪」

    「ソウデスネ」(絶対欠席だよ、コレ…)

    610 = 608 :

    「寒い…」ブルブル

    「季節的に仕方無いぞ、それは…フェルト着るか?」

    「ありがと…でもこの状況+廊下じゃなかったら、こんな寒くは無かったと思う…」

    「?」

    「ピンと来てよ…」

    「でも確かに今年は…特に、寒いな」

    「そういう事じゃないんだけど…まぁね」

    「……」

    「あ、そういや…畑部さんいなかったな…休みかな?」

    「むっ…気になるのか…」

    「だってさ、あの場にいたらきっと更に大変な事に…」

    「…休み、では無いぞ。多分」

    「え、そうなの?」

    「ヤツにしては少々対応が遅いようだが…」

    「何の対応?」

    「今の季節は少々忙しいんだよ、我々もヤツ等も」

    「あぁ、冬越しか…前も言ってたモンね、女さん」

    「うむ…」(もっとも…)

    「畑部さん達も大変なんだなァ…」

    (あの時とは、大分状況が変わったが……)

    611 = 608 :

    「んぐっ…ん」ゴクゴク

    「……」

    「ぷは…まだ、寒いのか?」

    「ごめん、フェルト貸して貰ってるのに…」

    「多分飲んでないからだな、男も飲め」

    「…校舎内は勘弁して下さい」

    「じっ、じゃあ仕方無いな…」

    「うん…我慢すr」

    「ち、ちょっとソッチに寄ってやる…///」スッ

    「えっ…」

    「だっ、だって寒いんだろ?寄り添うのは、暖を取る一般的な方法だぞ…」

    「そ、そうだろう…けど…」

    「暖かい、か…?」ピトッ

    「あ、うん…///」

    「……///」ギュッ

    (ッ!!コ、コレは…)

    (ぁ…)

    (や、やばい…ただでさえアレなのに…胸が近……)ドキドキ

    (男の…鼓動の音が……///)ドキドキ

    (息子が…)ドキドキ

    「……///」

    (アレ?もしかして当たって…る?)

    612 = 608 :

    「……///」ドキドキ

    (女さんの胸が小さくて…ある意味良かっ…たな、ウン…でも)

    (おっ…男おぉぉ…///)ドキドキ

    (だ、だめだ…やっぱりヤバイ…何か思ったより、ちょこんとしてるし…髪も……)

    (何でも良いから何か話してくれぇぇ…でないと心臓がああぁ…///)ドキドキ

    「そ、そっかぁ…」ボソッ

    「…ッ!!」

    「もうすぐ冬かぁ~!!」

    「そっ、そうだな!!冬だな!!やばいな!!」

    「コ、コタツ楽しみだなぁー」

    「うむ!!楽し―――…こたつ?」

    「ん…?あぁ…えっとね…」

    「?」

    「コタツは毛布がかけてあって…中に暖房がある机…みたいなヤツ、かな」

    「机の中に…暖房…」

    「ごめん、中…じゃないな…下に付けてあって…すっごい暖かいんだよ?」

    「も、燃え移らないのか…?机とか毛布に…」

    「移りません…うーん、何て言うか…」

    「???」

    「…よし、じゃあ今度家に来たら見せてあげるよ」

    「!!」パアアァァ

    「どうせそろそろ出すしね」

    「ぜ、絶対だぞ男!?絶対だからなっ!!」

    「ハハ、コタツにそんな期待されても…」

    (男の家!!男の家!!)ワクワク

    (う…何か、自分で言い出しといて不安になって来た…)

    613 = 608 :

    「でな、でな!!それで私はヤツの頚動脈目掛けて――!!」

    「う、うん…」

    キーンコーン

    「ん、チャイムだ。やっとお昼だね」

    「矢を…むぅ…」(これでまたヤツが…)

    畑部「お待たせしました!!お弁当作ってきましたよ!!」

    「は、はァ」(ホントに来てたんだ…)

    「チッ…」

    畑部「あれぇ~?害虫さん、こんなトコにいていいんですかぁ~?」

    「…貴様が言える事か?」

    畑部「フフ、そうですね…でも粗方やるべき事は、やってしまいましたから…」

    「情報の遅さの割りには対応が早いな、虫ケラ」

    畑部「情報が早くても対応の仕様の無い、害虫さんとは逆ですね♪」

    「ぐ…ッ」

    (冬越えに情報も何もあるのかな…)

    畑部「それに…」チラッ

    「……」

    畑部「害虫さんが何といおうと、男君はこっちの世界の人、なんですから……ね、男君?」

    「…へ?あ…うん」

    畑部「フフフ…」

    「ふ、ふん…大体、料理勝負に負けたく癖に何が弁当だ…恥知らずめ」

    畑部「あー、アレですか。アレはむしろ私にとって+です。男君の底なしの優しさが成せる判定でしたので――」

    614 = 608 :

    畑日「――改めて惚れ直しました♪」

    「っ…ほ、惚れって…ハハ…」

    「何度言えば分かる…つまらん冗談はよせと言ったハズだ…」チャッ

    畑部「冗談?マジですよ私、大マジです」

    「!?」

    「……ッ!?き、きさッ!!?」(コイツまさか!?)

    畑部「フフフ…ハルマゲドン、です。もう形振りなんて構ってられません」

    「本気、か…」(ダメだ…)

    畑部「えぇ、今なら害虫さんの気持ちだって、ほんの少しは分かる気がします」

    (ダメだ、ダメだ、ダメだ、ダメだ……)

    畑部「死の中を生き抜いてる虫ケラと、死を目前に捕らえた人間…種族は違おうが、所詮同じ生き物って事です」

    (コイツは違う…コイツは私とは違う……)

    畑部「出来たら私の代では、ごめん被りたかったですけど…こればっかりは仕方無いですもんね」

    (勇気がある、例えそれが蛮勇だとしても…コイツには……)

    畑部「…だから…私も、無茶になります」ニコッ

    「……」ポー

    畑部「さっ、男君!!ボケっとしてないで『二人』で食堂に行きましょう!!」ギュッ

    「…ッ!?あ、え、ちょっ…待っ!!」ズルズル

    「ま、待てッ!!私も行く!!」

    615 = 608 :

    「女さん…」

    畑部「何故ですか?害虫さんはお昼食べないんでしょ?」

    「今の貴様は危…じ、じゃなくて…なんか腹が減ったんだっ!!」

    畑部「一匹で食べたらいかがです?私は何時も通り男君と、二人で食べたいのですが…」

    「きっ、貴様が男と食べなきゃいい話だ!!そしたら私だって一人で食べてやってもいいぞ!?」

    畑部「あ~…もしかして害虫さんって男君の事好きですか?」

    「ッ!!」(コ、コイツうぅぅぅ!!分かってる癖にいぃぃぃッ!!)

    畑部「っていうか、そもそも男君が誰と食べようが男君の勝手、違いますか?」

    「き、貴様はダメなんだ!!」

    畑部「随分理不尽な話ですね、今までは黙認してたのに」

    「だ、だだ黙れ!!黙れ!!黙れッ!!どうしてもというのなら…ッ!!」チャッ

    畑部「あら、何ですかソレは?男君は私達の争いを身を削って止めてくれたんですよ?それなのにそんな理不尽な理由で虫ケラさんは……」

    「もっ、もうどの道…ッ!!」

    畑部「なら射れば良いじゃないですか、私は抵抗しませんよ?」

    「……」

    畑部「何故だか分かります?射れないと思ってるからです」

    「う、うぅ…」タジタジ

    畑部「フフ、だって害虫さんは…男君の事、異性として好き―――」

    「違うッッ!!」

    「っ…」ズキッ

    616 = 608 :

    見てたら支援くれると嬉しいです

    617 :

    しぇーん

    618 :

    「ぁ…」

    畑部「じゃあ放っといて下さい、今はまだ血を流す場面ではありません。さ、行きましょう男…君?」

    「……」

    「……」プルプル

    畑部「お、男君は…私と食べるの嫌…なんですか…?」

    「嫌じゃないけど…」

    畑部「じゃあ行きましょう、早く」

    「っ…ぁ…ぅ…」プルプル

    「…うん…行こうか…」

    畑部「はい!!」

    「!」

    スタスタ……

    「……」ヘタッ…

    「ハハ、ハ…」(何が…)

    (何が臆病でいい、だ……)

    (言った先から…後悔するとはな…)

    (理屈では…分かってる…筈なのに……)

    (いや…理屈と現実を…無理矢理…迎合させてるだけか……?)

    (だけど…じ、実際…その通りでは無いか……)グスッ

    (男も…満更じゃなさそうだし……)

    (私には…これくらいしか…出来な…っ…)

    (半端者め…)ポロッ

    (――臆病者め――!!)ポロポロ


    ありがとう…

    619 :

    催促されたら支援なんてしません
    絶対してあげないんだからね!

    620 = 618 :

    食堂

    畑部「はい!!何時ものお礼のお弁当ですッ!!」パカッ

    「そ、その前にちょっと…いいかな…?」

    畑部「好きです」キッパリ

    「…ッ」

    畑部「愛してます」キッパリ

    「……」

    畑部「これで充分、ですよね?返事…聞かせて下さい」ニコッ

    「……」

    (…ん?)

    (おかしい…な…)

    (俺、生まれて初めて告白された…んだよな…多分……)

    (それも巨乳でスタイル抜群、料理は最高、顔も可愛い…理想の…女の子に……)

    (なのに…何でだろう…気分は不思議なくらい落ち着いていて……)

    (思考は次に紡ぐべき言葉を、淡々と探してる…胸の高鳴りすら感じない……)

    (昨日なんて、呼び出されただけで…一杯一杯だったのに……)

    (…今はまるで…秋晴れの空を見上げてる様な……)

    畑部「……」

    (――いや、違う)

    (一つだけ…一つだけ告白された瞬間から…脳裏にチラついて離れないモノがあった……)

    『すっ、すまない……』

    (ソレは何時もと同じに、強引に…無鉄砲に…)

    『男おおおおおぉぉぉッ!!』ドドドドド

    (澄み切った俺の頭に纏わり付いて……)

    畑部「……」

    (俺を…)

    畑部「害…女さん、ですね?」


    >>619べ、別にちっともして欲しく何かない無いもん…むしろもっとしないで欲しいくらいだし…
    そんなんでモチベーション上がったりとか絶対無いんだから!!

    621 = 618 :

    「うん…」

    畑部「あちゃー…ホントに早まっちゃいましたか、私」ポリポリ

    畑部「薄々…分かってる気は、したんですけどね……」

    「……」

    畑部「…女さんの事、好きなんですか?」

    「ごめん、正直…まだよく分からない…」

    畑部「はっきりしないんですね」

    「うん、だけど…」

    畑部「えぇ、分かってます」

    「……」

    畑部「……」

    「……」

    畑部「…男君は少し…強くなりましたね?」

    「…強く?」

    畑部「えぇ、少しだけ」

    「そうかな…」

    畑部「そうですよ、良い事だと…私は思います。それに、その事だけに限ったら嬉しいです」

    畑部「万人に優しい人は、結局誰一人にも…優しくなんて、なれないんですから……」

    「……」

    畑部「でも…その優しさを向ける方向さえ、定まれば…男君は……」

    「……」

    畑部「絶対に、何にも…」

    「……」

    畑部「…もっとも、弱い男君も可愛くて素敵ですけどねっ♪」

    622 = 618 :

    「本当に…ごめん…」

    畑部「なぜ謝るんですか?」

    「だって、畑部さんみたいな人に…」

    畑部「……」

    「俺なんかが…こんな曖昧な理由で……」

    畑部「男君」

    「……」

    畑部「振るのは勝手です。勝手ですけど、舐めてもらうのは困ります」

    畑部「私は男君に惚れたんです。その私の前で自分を卑下するのは、私を卑下するのと同じ事です」

    「畑部…さん…」

    畑部「それに…良いんですか?こんな事で、全て済んだ様な気になってる様ですけど…」

    「え…?」

    畑部「女さんと親しくしすぎて、私達の特質を忘れてやしませんか、と言ってるんです」

    「俺達の…特質……」

    畑部「…執念深さ、ですよ」

    「……」

    畑部「何せ、農耕民という生き物は…」

    畑部「決してその形を失う事の無いモノに、幾世代にも渡って連綿と受け継がれてきたモノに、全面的に依存して生きて行くんですから……」

    「……」

    畑部「だから曖昧な理由、上等!!むしろまだチャンスがあると受け取ってやりましたっ!!」パアァ

    「……」

    畑部「フフッ、こうなったら、もう絶対に死ねません♪」ニコッ

    (俺が…)

    623 = 618 :

    (俺が…泣かせた…)

    畑部「今回はミス!!そう、作戦ミスですから!!やっぱり人間焦っちゃいけないんですっ!!」

    (こうなり得る事を、充分に予想した上で……)

    畑部「生きて、生きて、生き延びて!!何としてもこの冬を乗り越えて…っ!!」

    (自分の意思…というより曖昧な感覚に従った……)

    畑部「今度こそ、ちゃんと作戦を練って、再チャレーンジ!!……ってな、何ですかその顔はぁ」

    (だからこそ…畑部さんのこの姿を前に…何もしようとはしないのだろうし……)

    畑部「男君は何も…っぇ…あ、あれ…?」

    (きっと後悔や…同情さえも…してはならないと思うんだろう……)

    畑部「おかしい…ですね…目にちょっと埃が…っ…入っちゃったみたいで……」

    (目を逸らさず、見届ける…)

    畑部「え…あ、いや大丈夫ですよ?ホントに大丈夫…なんですけど…ハハ……」サッ

    (その必要性への確信だけが……ある)

    畑部「ど、どうなってるんでしょうね…なっ、中々取れないや…アハ…アハハ……」ゴシゴシ

    (これが…)

    畑部「全然、ハハ…取れな…っぅ…」ポロポロ

    (優しさ、なのか…?)

    畑部「いっ…ぁ…」ポロポロ

    (これが…)

    畑部「ぁ…うあっ…うぇっ…」ポロポロ

    (…強さ……)

    畑部「うああぁぁ…っ…ぁぁ…あぁ!!」ポロポロ

    「……」

    624 = 618 :

    放課後

    「はぁ…」パカパカ…

    「……」スタスタ

    「あ…」

    「やぁ…」

    「お、おぉ…」(虫ケラが一緒じゃない!!)

    「……」

    (うぅ…でもこの反応は……)

    (この顔が…)

    「…な、なァ男…その…今日一緒に帰らないか?」

    「いや今日はちょっと…一人で……」(この声が…告白された時によぎったんだよな…)

    「そっ、そうか…」(やっぱり…)

    「……」

    「そう…だよな……」シュン…

    「……」

    「じゃあ…」パカパカ…

    「…やっぱり…一緒に帰ろっか?」

    「ッ!!」パアァァ

    「ゆっくり頼むよ?」(何故だろう…)
       
    「ま、任せてくれッ!!全力でゆっくりしてやる!!」
        
    「ハハ…」(放って…置けないんだよな……)

    625 :

    マスター、わっふr……支援を一つもらおうか

    626 :

    パカパカ

    (むぅ、男のヤツ…)チラッ

    「……」

    (さっきからずっとコレだ…話しかけても生返事だし……)

    (俺は女さんの事…)

    「……」

    (ま、まさか…)サアァ…

    (飽くまで…友達として好き、なんだよな…?)

    (いっ…いやでも…あんな事言ってくれたんだ!!そんな筈ないっ!!)ブンブン!!

    (だって女さんは、異性として見た時…)

    (信じるぞ…今だってこうやって…一緒に帰ってるんだ……)

    (粗暴だし、不潔だし、酒飲みだし、料理マズいし、ちょっとお馬鹿だし…)

    (だとしたら…やはり虫ケラと昼休みに話した事と関係が…?)

    (今日のヤツの雰囲気じゃ…下手したら……)

    (オマケに貧乳…)

    (ぐ…き、聞きたい…猛烈に聞きたいが…何と言って聞けば……)

    (確かに顔は…ちょっとカワイイけど……)

    (そ、それに…思いたくも無いが…仮にそうゆう類の話が、本当にあったとして……)

    (幾ら何でも…それ以外のマイナスポイントが多すぎるよ……)

    (私が男に尋ねても…期待してる様な返答は…絶対返って来ないだろう……)

    (殆ど…俺の理想の対極じゃないか……)

    (もっとも…そこで返ってくる様なヤツなら最初から……好)

    (なのに…)チラッ

    「///」

    (何で…こんな…)


    >>625支援サンクスコ!
    もしや、紳士の方から?wwwもし、そうだったらあっちも放置ぎみですいませぬ

    627 = 625 :

    おはようごぜいます(^ω^)
    紳士の方は見てないな……

    でも正直最近こっちの更新が多くてうれしーです

    628 = 626 :

    「……」ソワソワ

    「……」

    (よ、よしっ!!)

    「……」

    「男…なんだか…さっきから元気が無い様な気がするが、大丈夫か?」

    「あぁ、別に…大丈夫、何とも無いよ」

    「そうか…」(男…)

    「うん」

    「なら…良いんだが…」(何故、こっちを向いてくれないんだ…)

    「……」

    (そんなに俯いて…一体…)

    「ハァ…」

    「……」

    (もう…理由なんてどうでもいい…)

    (私に出来るのは……)

    「……」

    (私が知っていて、男に出来るのは……)

    「ホラ」キュポッ

    「…ん?別に今は寒くないよ…?」

    「力士も太い草につまずく。こうゆう時は飲んで、歌え、それに限る」

    「ハハ…何、カラオケでも行きたいの…?」(励まそうと…してくれてる…?)

    「コホン、では恥ずかしながら一曲」(からおけ?)

    「えっ」


    >>627更新また遅くなるかもですが勘弁をww

    629 :

    今ここまで読んだ。面白かった。
    >>1頑張れ。超応援してる。

    630 :

    また一人、新たな>>1のファンが生まれた……

    631 :

    (綺麗な歌、だな……)

    「~♪」

    (どこか…哀愁を帯びたような…っていうか女さん普通に歌上手い…)

    ザワ…ザワ…

    (嗚呼、これで周りの視線さえ無ければ……)

    「…ど、どうだった///?」

    「すごく良かったよ。歌、上手なんだね」

    「そ、そうか!!まァこれは私の十八番だからな///!!」

    「コレは…何て歌なの…?」

    「草原の歌、だな…文字通り草原を讃えてる…オルティンドーという我々の間に先祖から伝わる民謡だ」

    「へぇ…民謡かぁ…」

    「うむ、楽器が無いのが残念だが……」

    「……」

    「……」

    「……」

    「男、我々はな…」

    「…う、うん?」

    「辛いこと悲しいことがあった時、草原の中でコイツを大声で歌うんだ…もちろん飲りながら……」

    「……」

    「そうするとな、胸がスッとして…楽になるんだ…まるで自分が大地に溶けていくような…そんな気持ちになる」

    「何があったかなんて…聞くつもりはない…私自身、聞かれるのを好むタイプじゃないしな……」

    「……

    「だけど男が悲しんでる姿は見たくない…だから……」

    「女さん…」

    「お前も歌え、なんでもいいから歌って飲るんだ」

    頑張る!!めっちゃ頑張るから!!

    632 = 631 :

    「ココ、住宅地なんだけど……」

    「…な?」

    「なって言われましても…」

    「私は男の歌、聞いてみたいぞ?」ニコッ

    「で、でも…あんまり最近の歌とか知らないし……」

    「よっ!!ダサい!!ダサいな男っ!!」

    「…ダサいは、褒め言葉じゃないよ?」

    「!!」ワクワク

    「ハァ…分かったよ…じゃあ」

    ――スゥ

    「ぅぇをむぅいて…」

    「声が小さい!恥ずかしがるな男ォ!!」ドンッ

    「ぐふぇっ!!な、何を…」

    「こういうのは全力で歌ってこそ意味があるんだ!!そんなんじゃ家畜も集まらんぞッ!!?」

    「ぅう…上をむうういて…」(家畜…?)

    「そんなもんじゃないだろぉ!!男の力はあああぁぁッ!!しっかりしろおおおぉぉ!!」バンッ

    「っが…歩こおおおおぉぉ!!」(ヤバい…相当酔い回って来てるな…俺……)

    「おぉッ!!その歌なら私も知ってるぞ!!よし、一緒に歌ってやる!!!」

    男友(絡まれたく無いから、遠巻きに見てたがあいつ等…)ソ~

    「涙が~こぼれないように~思い出す春の日~♪」

    男友(通学路で飲酒、乗馬、合唱なんでもあり…っていうか早くいってくれよぉぉ…!!帰れねぇだろうがあぁぁ!!)

    633 = 631 :

    「っ…次は何歌う?」ゼェゼェ

    「も、もういいや…喉が…」(意外と懐メロ知ってるんだ…)

    「そっ、そうか…どうだ…悲しい気持ちなんて吹っ飛んだだろ…?」ゼェゼェ

    「ていうか喉痛くてよく分かんないや…ハハハ……」ゼェゼェ

    「フフ、草原でやるともっと…気持ちがいいんだけどな…」

    「ちょ、ちょっと降りて休まない…?」ゼェゼェ

    「いいぞ、私も流石に…少し疲れた……」

    川原

    「女さん、ありがとう…確かに…気持ちが少し晴れたよ…」

    「『悩みがあったら遠慮せずに相談してくれよ?』」

    「ぷっww何その声マネ、全然似て無いしwww」

    「む…これでも上手い方なんだぞ、こうゆうの」

    「歌は上手かったよ、声凄く綺麗だった」

    「ぅ…こ、こッ恥ずかしい事言うな…馬鹿者…///」

    「ハハハ…」

    「まったく…///」

    「はぁー…面白かった」

    「…もう…大丈夫か?」

    「うん、大丈夫…なんとなく…答えが出そうだし……」

    「フフ、そうか…」

    「ありがとね」

    「なぁ、男」

    「ん?」

    「ここの草は…長いな…」ファサッ

    「え…そんな長い?」

    「あぁ、コッチに生えてる草はコレの半分も無いし…もっと痩せてる…潤いだって……」

    「でも…家畜達は、ソレを食べて生きてるんでしょ…?」

    「他の地域の草食獣じゃ、殆ど見向きもしないような代物らしいがな…」

    「ココは水辺だから、きっと栄養あるんだろうね…」

    「うむ…」バサッ

    634 :

    「なぁ男、こうやって仰向けに寝転がってるとな…建物やら何やら、煩わしいものが何も見えない……」

    「うん…」

    「視界にあるのは蒼い空に、白い雲、風に揺られて靡く…長くて力強い草だけ……」

    「……」

    「背に感じるのは…ひんやりとした…豊かな土の水水しい感触……」

    「……」

    「まるで、祖父が話してくれた…在りし日の草原みたいだ……」

    「確かに、町の中には見えないね。意外と静かだし…」

    「あぁ、近くだと…男の声位しか聞こえてこないぞ…?」ゴロッ

    「道路も離れてるから、誰も来ないんだよ。この辺」(あ、こっち向いた…)

    「う、うむ…そうだな…」(って事は、誰もいない草原で…)

    「……」

    (男と…二人っきり…///?)ドキドキ

    「ねぇ、女さんってさ…」

    「……///」

    「女さん?」(聞いて…無いな…何か顔も赤いし…)

    「い、いかん…な…」

    「ん?」

    「何だか少し…眠たくなってきた…疲れたのか、酔いが回ったのか知らんが…フフ……」

    「大丈夫?女さんが、そんなになる何て珍しいね」(何だ、眠たかったんだ…)

    「うむ、珍しい…実に珍しいぞ…力も入りそうに無い…だから……」

    「あー、引っ張ってあげようか?」

    「なら…奪…できちゃうかもな…」ボソボソ

    「…え?ごめん、何て?」

    「だ、だから…今なら、だな…私も力が入らないし……」

    「うん」

    「男が…その気になったら、簡単に…り、りゃ……」

    「?」

    「りゃくd―――ッ」ハッ

    635 = 634 :

    「…ぅ…ぁい///」カアァァ

    「お、女さん?」

    「いっ、今のは…失言…だった…忘れてくれぇ///」プルプル

    「失言って…りゃ?」

    「うああああぁぁ!!いいから忘れろおぉぉぉ…ッ///!!」ゴロッ

    「ッ…う、うん!!」

    (糞ッ!!まだっ…!!まだ焦ってるのか…私は…!!)

    (な、何だったんだ今の…完全に反対向いちゃったし……)

    (大体、前も失敗した作戦を繰り返すとは!!幾らヤツがあんな出方して来たからって……!!)

    (めっちゃ悶えてるし…お)

    「……」ピタッ

    (止まった…)

    (でも…)

    (や、やはり私には…魅力が無い…のか?)

    (だって仮にも…同年代の男女が…こんな場所で二人っきり…なんだぞ…?)

    (別にそっ、そうゆう事にはならずとも…普通なら…素振りくらいは見せてくれる方が…自然じゃないか……)

    (それに私達…あの時よりは親しく…あぁぅ、ダメだ…)

    (決めただろ…同じだ…この先を乗り越えなければ…結局何も……)

    (何も…)

    「……」

    (急に大人しくなったな…)

    636 = 634 :

    「……」ポン

    (ん?手だけこっちに…)

    「あー今年の冬は寒いなぁー。ちょー寒いなー(棒)」

    「ち、ちょー…?」(清清しいくらいの棒読みだな、オイ…)  

    「私としたことが冷えてしまったようだー…おっ、主に…そのー…」ゴニョゴニョ
      
    「……」

    「手とか…だなー…///」

    ―――ギュッ

    「暖かい?」

    「…ん///」ギュウ

    「そっ、そう…」(握り返してくれた…)

    (や、やた…男の手だぁ…)ギュウゥゥ

    「ッ…ちょ、ちょっと女さん…力」

    「あ、う…す、すまん…痛かったか?」パッ

    「いや大丈夫だけど、そんな強く握らなくてもw」

    「///」

    637 = 634 :

    「…前は気付かなかったけど…女さんって意外と手小さいんだね」(綺麗な手だ…)

    「そ、そうか?」

    「うん」(一見、傷や肉刺だらけで…無骨で野暮ったいけど…ちゃんと触れてみたら……)

    「お、男の手こそ…意外と…大きいな///」

    「手だけやたら、でかいんだよねww」(柔らかくて、細くて…何時までも握っていたい様な…女の子の手…)

    「何を言う!!男は器もでっかいぞ!!」

    「ハハ…」

    「むしろ全部でかい!!きっとアレもでかい!!」

    「ハ…アレ?」

    「…ぅ…な、何でもない…また失言だ///」

    「変なのww」(そっか…)

    (くぅぅ…何故私は…下ネタをサラッと言う勇気だけはあるのだ……///)

    (女さん自身なんだ…この手は……)


    (答えが、出た…)

    638 = 634 :

    パカパカ

    「フフッ…」

    「ん?どうしたの急に?」

    「いや…自分の往生際の悪さについ、な」(今は…)

    「?」

    「何、こっちの話だ…ありがとう、今日も楽しかったぞ?」(これで充分…)

    「こちらこそ…あ、ここまでだ。じゃあ」

    「うむ♪」

    「また、明日」

    ――秋営地

    (…まさか…冬に感謝する日が来ようとはな……)

    (今日は…男にくっ付けたうえ…手まで…フフフ///)

    (男の手…暖かかったな…///)パラッ

    「……」

    遊一同「……」

    「ぁ…」

    「随分…楽しそうだな?」

    「い、いえ…父上その…コレは?」

    「マジャーニ族が連中と合流した」

    「ッ!?む、むむ無血でですか!?」

    「あぁ」

    「そんな…」

    「これで…連中に立ちはだかる主な遊牧勢力の脅威は消えた…」

    「我々を…残して?」

    「そういう事だ」

    639 = 634 :

    「フフ…あの童がココまでになるとは……」

    遊伝「しゅ、首領!!」パラッ

    「何だ?」

    遊伝「バートルとトグリルがいません…」

    遊一同「何、またか…!?」「追って殺すか…!?」「いやしかし…!!」ザワザワ

    「放っておけ」

    「しかし父上、これ以上の戦力低下は…」

    「何、戦場で背後から射られるよりかマシだ」ガタッ

    「……」

    「誉れある狼の子等よ、我等が待ちに待ったチンギスの再来だ」

    遊一同「……………」

    「最早去りたいなら止めはせん…止められる力も無いしな……」

    遊一同「お、おい…聞いたか?」「本気か…?」「だがこうなった以上は…」ザワザワ

    「……」チャキッ…

    「……」サッ

    「父上…」

    遊一同「俺は去る…」「こっちもだ…」「悪ぃな…だが…」ゾロゾロ…

    「あぁ、責める道理も無い。当然の判断だ」

    誰かー

    640 :

    見てますよ

    641 :

    「……」

    「さて…残ったのはこれだけか、うむ。思ったとおりの面子だ」

    「へへ…異常な連中ってか?」

    「あぁ、異常だ。俺が貴様等なら、残りはしない。例え義兄弟でもな」

    「よく言うぜ」「いやお前は異常だろww」「待て、待て。俺は分け前が増えるから残ったまでだぞ?」ワイワイ

    「ハッハッハッ…」

    「父上、さっきの様な事はもう…下手をすれば……」ヒソヒソ

    「だからこそ、だ。現状で最も考えられる直接的脅威は暗殺、反乱では無い」

    「……」

    「コイツ等のいる場で、主導権を握った上で、事を進める必要があった。無論、その場で殺す事も考えたが…」

    ワイワイ…ガヤガヤ…

    (冷静な、判断だ…)

    「今は慎重に限る。万に一つ、一人でも味方を失うのは惜しい」

    (それも空恐ろしい位の……)

    「後は、お前さえ帰って来るのを待って始めれば…どんな愚か者にも、行きがけの駄賃で獲れる首では無いという事位は理解できる」

    (昨日まで一緒に暮らしてきた人間を、生と死の秤に掛ける…この様子じゃ……)

    「しかし肝が冷えたぜ」「まったくだ」「行き成りあんな事、言い出すんだもんなww」ワイワイ

    「ハッハッ…思いつきに付き合わせて、悪かったな」

    (計画の露呈を避け、娘である私のみならず、味方と目された人間にすら…事前に話はしなかったのだろう…)

    「~~~~~」

    (父上、貴方に焦りは…)

    「娘よ、今がどういう状況か分かってるよな…?」

    「は、はいっ…」ビクッ

    「…なら、いいんだが」グビッ

    「……」

    「ふぅ…さて、貴様等。どうせやるしか無いんだ、この頭数で出来る事を考えよう」

    「おぉッ!!」ワアァァァ

    (…釘を…刺された?)


    >>640サンクス!!誰か見てるって分かるとやっぱ安心しまふ

    642 = 641 :

    (今、この場に残ってるのは…父上と個人的に極めて親しい数人と……)

    「―ココに到達するまでに連中の兵力は――」「進軍ルートは全てステップ地帯――」「――実戦力は―マジャーニを含め――」

    (父上と同じ、特別な『事情』で連中の陣営に加われない者達だけ……)

    「――すでにクンバ峠にまで――」「いっそ暗殺を――」「―交渉の余地は――」

    (結束は固くとも…大量の離脱者は、残された時間を更に短くした……)

    「おい」

    「ハッ」

    「明日だ…」

    「分かりました。今宵の内に準備を」

    (…躊躇ってはいられない……)

    男家

    「ねぇ、ちょっと弟!!アレ見た!?アレ!?」

    「う、うわ!!何だよ、姉ちゃん!?ノックくらい――!!」

    「見て無いのかよ!!好いから、外見てみ!!外!!」

    「も~何だよ…そのテンション…」ガラッ

    「ホラ!!」

    「あ…」

    「すごい数の流れ星でしょ!?こんなの初めて!!」

    「ホントだ…すごい…」

    「ね!?何か起きるのかしら!?」

    「ハハ、何かって別に――」ハッ

    『星が流れた…きっと誰かが……』

    (死…)

    「綺麗ね~…きっと良い事があるに違いないわ、フフ♪」

    「……」

    643 :

    大丈夫!
    ちゃんと見ているから安心して投下してくれ

    644 :

    俺がチェックする頃には投下が終わっている……
    俺も見てるぞ!ちくしょう!

    645 :

    「準備完了しました…」

    「よし、出発するぞ」パカッ

    「……」

    「どうした?何か問題でもあるのか…?」パカパカ

    「アタマン…先の凶兆は……」

    「構うな、時間の無駄だ。出来る限り急がねばならん」パカパカ

    「大量の離脱者、ですか…」

    「あぁ、接触する可能性が高い。それに奴の父バルラスが護衛を連れ、現在の野営地を発ってもう四日。これ以上待つのは危険だ」パカパカ

    「しかし…」

    「刃を交えないで済む可能性だってある、何を……」ピタッ

    「………………………………」シーン

    「……畑部の件、か」

    「今度ばかりは…慈悲は通りません……」

    「ハァ…」(コイツ等まで…)

    「相手が相手です…隙を見せれば我々が喰われ―――!!」

    「言葉でッ!!」

    「……っ」

    「言葉で、信用を勝ち取る程難しい事は無い…特に我々の関係においては尚更……違うか?」

    「……」

    「だから今一度アタマンの権限を持って命令する、私に続け」

    「………………………………」

    「さすれば見せてやる、私が何一つ変わって無いという事……」

    「私が正しく父ジャムイルの子――」スラッ…

    「!!」


    「―――アタマンの女だという事をッッ!!全隊早駆け!!命令不服従はヤサに照らし厳罰に処する!!」

    「おおおおおおおおおぉぉぉぉッッッ!!!!」ヒヒイィィィィン!!


    >>644すまんwww更新が遅いモンで…見てくれてホントさんくす!!

    646 :

    大丈夫!
    いくら遅れてもずっと待ってるぜ!

    647 :

    学校

    (うーん…この時間になってもいない…また遅刻かなァ…でも)

    男友「よっ」ポンッ

    「ッ!!…ってお前か」クルッ

    男友「何だよそのリアクション、人がせっかく久しぶりにコッチから話しかけてやったのに」

    「別に話しかけりゃいいだろ」

    男友「いいだろってお前、あの二人が常にどっちか周りにいるだろが。もうあんな目ゴメンだからな」

    「あー…すまん…」

    男友「で、あれから女さんとは何か進んだのか?畑部さんに浮気してないだろな?」

    「だーかーらー俺達はそういうんじゃないし、付き合ってもない」

    男友「…の割りには女さんが居なくて随分寂しそうだがwww」

    「だ、だってお前…今日四時間なんだぞ?女さんは、遅刻はしても毎日ちゃんと来てたのに…」

    男友「ありゃ、そういやそうだな。まァどうせもうすぐ来んだろ」

    「……」

    男友「心配でたまりませんかwww?」

    「るせ」

    畑部「男君」スッ…

    「ッ!?」ビクッ

    男友「あー…じゃな」(何キョドってんだコイツ?)

    畑部「その必要はありませんよ、男友君。ハイ、お礼のお弁当です」コトッ

    「ど、ども…」

    畑部「私は用事があるのでコレで」ガラッ

    「……」


    頑張る!!何か無駄に当初の予定より長くなっちゃったけど!!見てる人いたら
    支援くれると嬉しいです

    648 :

    649 = 646 :

    650 = 647 :

    男友「ねぇ、喧嘩!!喧嘩したの!?それとも振られた!!?」

    「してないから…っていうか何で、お前そんな嬉しそうなんだよ…」

    男友「全ッ然嬉しく無いッす!!」パアアァァ

    「……」

    ・・・・

    新畑「う~今日も寒いなぁ…」トコトコ

    新畑「あ…」(部長さん達だ…倉庫から何か出してる…)

    畑部『~~~~』

    『~~~~』

    新畑「部長さぁ~ん、手伝いましょうかー♪」

    畑部&畑「ッ…」

    新畑「部長さん?」

    「……あ゙?」ギロッ

    新畑「ひッ…」

    畑部&畑「……………………………」シーン…

    新畑「あ、あの…私…その…」オロオロ

    畑部「ハァ…」

    新部「ご…ごめんなさい…すぐ行きますんで……」ペコペコ

    畑部「…待ってください」

    新畑「あぅ…」ビクッ

    畑部「まぁ、どうせ教えるつもりでしたし…仕方無いですね…」

    新畑「ごめんなさい…」

    畑部「謝らなくて良いですよ、取り合えずコレ…出すの手伝ってもらえます?」ニコッ

    新畑「はい…」


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