私的良スレ書庫
不明な単語は2ch用語を / 要望・削除依頼は掲示板へ。不適切な画像報告もこちらへどうぞ。 / 管理情報はtwitterでログインするとレス評価できます。 登録ユーザには一部の画像が表示されますので、問題のある画像や記述を含むレスに「禁」ボタンを押してください。
元スレ許嫁「……聞いていない?」
SS+ スレッド一覧へ / SS+ とは? / 携帯版 / dat(gz)で取得 / トップメニューみんなの評価 : ☆
レスフィルター : (試験中)
……
教室
委員長「あ、ちょっといいかな?」
男「はい、喜んでー。どした?」
委員長「うんあのね。文化祭に必要なもの、どこが一番安く売っているかなって調べたいんだ」
男「どれどれ。……結構品数多いな」
委員長「そうなの。たくさんあるし学校の外だから、休日にやる必要があるんだけどね、それで――」
男「俺に? 別に構わないが、何で俺……あ、そっか。バイトで、たまに早くあがるから。こういうところで挽回していかないとってワケね」
委員長「特に誰も気にしていないんだけどね。部活で上がらないといけない人もいるし。だから、できないんだったら無理しなくてもいいんだけど……」
男「いやいや。大丈夫。やるよ。仕事回してくれて、ありがとな」
委員長「あ、ううん。こっちこそだよ。休みの日にお願いして、ごめんね」
委員長「それでね、あの。こ、これって1人でやるのは大変だと思うの」
男「ん? そうだな。他に誰かいたほうがいいかな」
委員長「そ、そうだよね。もしね、良かったらね――」ボソボソ
男「あっそうか、バイトでたまに早く上がってるヤツがもう1人いるね」
委員長「え?」
男「オーケー。提案してみよう」
委員長「え、あ、あの」
許嫁「どうして私が?」
男(言うと思った)
許嫁「せっかくの休日まであなたと顔を合わせたくはないんだけれど?」
男(何を。いっつも合わせてるだろうに)
許嫁「ま、でもクラスのためなら仕方ない――」
委員長「だ、だったら! 私が行こうかな!」
許嫁「えっ?」
男「委員長が?」
委員長「う、うん! 良いよ、私行くよ」
男「いや、でも悪いよ。委員長、普段から色んな仕事頑張ってるのに、休日まで頑張らせるなんて」
委員長「全然大丈夫! それに、私、休日にすること何もないから。だったら、何か用事が入ってたほうが嬉しいよ」
委員長「……それとも、私とじゃ気が進まないかな?」
男「いや。そんなことはないが」
委員長「よ、良かった。じゃあ決まりだ!」
許嫁「……」
男「そういえば、委員長とは去年も一緒に文化祭の買出し行ったな」
委員長「あ。覚えててくれたんだ? そうだね。今年もだね!」
男「去年も去年で色々バタバタしたよな」
委員長「そうだね。なかなか思ってた通りに行かなくて、大変だった」
男「去年も委員長だったもんな委員長って」
委員長「な、何だよーその言い方ー」
許嫁「……」
男「で、お前はどうするんだ?」
許嫁「え?」
男「来る?」
許嫁「……私は」
男「ん?」
許嫁「……。言ったでしょ。休日にまであなたと顔合わせたくないって」
委員長「……」
男(……?)
男「どうした、何か、」
許嫁「他に用がないなら失礼するわね」ツカツカ
男(何だ?)
転校生はヘイト集めるライバル嫌な奴だと思ってたら
家族のためにお菓子作りとか…
天然イケメン良い奴じゃん
家族のためにお菓子作りとか…
天然イケメン良い奴じゃん
ファミレス
許嫁『……』
男(ったく。何だ、黙りこくって)
男(さっきからずっとこの調子だ)
男(仕事は真面目にしてるみたいだが……)
許嫁『……』
男(怒ってる、のか? それとも……)
男「……わからん」
男(普段はずけずけ言ってくるくせに)
店長「……どしたの?」
男「何がです?」
後輩「空気がへびぃじゃありません?」
男「そう思う?」
後輩「ええ。まるで、全員願いで生き返ったと思ってたらツーノ長老の村の人だけが見当たらなくて、原因はその場にいたと気がついたときみたいな」
男「不思議な例え方をするね。いつも通りだよ? ……俺はな」
後輩「……そーですかね?」
男「? 俺は別に普通だろ?」
後輩「ふっふっふー」
男「何じゃあ、その意味深な笑みは」
後輩「先輩って分かりやすいようでいて分かりにくいようでいて、意外と分かりやすいのです」
男「分かりにくいセリフだ」
後輩「一見無愛想ですが――」
男「え、そんな風に見える?」
後輩「実は他の人のこと、とても気にかけてるのです。お世話をするのが好きなのです」
男「い、いや。そんなことはないぞ。俺は極悪非道唯我独尊傲慢無礼な人間として有名だ」
男「皆で頼んだからあげにも有無を言わさずレモンをかけてやるぜ、へへへ」
店長「やることがちっちゃいなあ」
男(だいたい今日だって、これは気にかけるというより気に障るってヤツだな)
男(何なんだ、急によそよそしい態度取り始めて……)
男(……ん?)
許嫁『……』
男(こっちを伺っているような……)
許嫁『……』フイッ
男(あ、露骨に顔背けやがった……あんにゃろう)
後輩「……先輩いつも通りですか?」
男「む」
後輩「ふふふ。先輩優しいですもんね」
男「……少し買いかぶりすぎだよ。そのうち値崩れ起こしても知らないぞ」
後輩「実を言うと、初めはそこまで高くなかったですけどね?」
男「なぬ!」
後輩「覚えてますか? 私の受験のときのこと」
男「そりゃもちろん」
後輩「あのときはまだ、先輩のことよく知らなかったですし。スッゲー怖そうな人、だなんてちょと思ってたんですけど」
男(……あの頃はな)
後輩「この店に受験票忘れて泣きそうだったんです。電話したら、すぐに届けてくれる、って。その怖そうな人が」
店長「僕も驚いたよ。君のことはクールな子なんだな、って思ってたから。即店を飛び出てった」
男「いや。あれは代わり映えのしないファミレスの仕事に飽いて、これ幸いと出て行っただけで……」
後輩「息を切らせたまま励ましてくれたこと、私は忘れません。あのとき先輩価はストップ高を記録したのです」
男「……優しいって訳じゃないよ。きっと、誰にでもそうしたとは思わないし」
後輩「……! そ、それはつまり、私は特別な扱いであるってことでいいんですか?」
男「え? あ、あーっと」
店長「わ、私は? 私が困ってるときには君は助けてくれるのかな!?」ワクワク
男「は?」
許嫁「取り込み中のところ、悪いのだけれど」
男「!」
許嫁「……お会計、来られるわ。私は、お皿を下げてるから……」
後輩「あ! お、お客様! ありがとうございます!」タタタ
許嫁「お願いするわね」
男(店長いつの間にか消えてる……)
男「悪い、気がつかなかったよ」
許嫁「そ……」スタスタ
男「む」
男(……普段だったら嫌味の一つも言いそうなものだが)
許嫁「……」スタスタ
男(ったく。何だって言うんだよ)
家
男「ただいまー」
男(さて。帰宅はしてるみたいだが)
男「……」
男(一人で考えても答えが出ないな)
男(話、聞いてみるか)
許嫁の部屋
男「おーい。元気ィ?」コンコン
『……』
男(無視かい)
男「ちょいと話があるんだけども、出てきてくれないか」コンコン
『……』
男「よし、沈黙は肯定と見なして入ることにする! そうしよう!」
許嫁『……、何かしら」ガラガラ
男「何だ、居たのか? 居なかったら勝手に入ろうと思ってたのに」
許嫁「……そう」
男(やっぱり反応が悪いな)
許嫁「何かしら、話は?」
男「あー……。いや。その、どうしたんだ、今日は?」
許嫁「……突然、何の話?」
男「ちょっと様子が変だったからさ」
許嫁「そう?」
男「体調でも悪いのか?」
許嫁「いいえ。そんなことはないわ」
男(まあ、体調が悪いようには見えないな)
許嫁「私は何も問題ない。話はそれだけかしら?」
男「……」
許嫁「何か言いたそうね」
男「それは、そっちのことじゃないのか?」
許嫁「え?」
男「言いにくいことでもあるのか?」
許嫁「あなたに対して? 何言ってるのかしら? そんなもの、何もないわ」
男「本当に?」
許嫁「……ないわよ。しつこいわね」ボソ
男(何だか今日はいつもに増して言葉にトゲがある……俺の気のせいだろうか)
男「分かった。じゃあ何もないならそれでいい」
男「だけどさ、だったらその態度やめろよな」
許嫁「態度?」
男「ああ。その、俺を――……」
許嫁「……? 何かしら?」
男(おいおい、俺は今何を言おうとした?)
男(俺を避けるような態度?)
男(俺は避けられたくないと思ってるのか? こいつに……)
男「……」
男(俺もよく分からなくなってきた……俺はこいつに何を求めているのか)
男(それに)
男(何で自分が……こんなに不愉快な気持ちになってるのか)
男(……思いがけず)
男「……」
許嫁「何よ。言いかけて途中で」
男「いや、なんていうか……いつものお前らしくないって思う」
許嫁「……私らしくない、ですって? 何よ、私らしいって」
許嫁「あなたが私の何を知っているって言うの?」
男「それは……」
許嫁「もしかして、あなた。私が何を考えてるのかわかってるつもり?」
男「……わかんねーよ。わかんねーから聞いてんだろ?」
許嫁「聞けば何でも答えてくれるとでも思ってるの?!」
男「そういう訳じゃ……」
許嫁「私だって! 私だってよく……こんな、自分がこんなに――」
男(こんなに……何だ?)
許嫁「……っ」
男「……?」
許嫁「……だいたい。あなたこそ、何のつもりなのかしら?」
男「え?」
許嫁「どういう立場で、無神経に踏み込んでくるの?」
男(無神経に踏み込んで……)
男「立場って。その、俺たちは曲がりなりにも、これまで一緒に暮らしてきたんだから――」
許嫁「私とあなたは仕方ない事情でこういう状況になっただけでしょう」
男「それはそうだが……」
許嫁「なのに、何なの? あなた」
許嫁「随分と人のことに立ち入るような真似して」
男「いや、俺はそんな……」
許嫁「何なのかしら、偉そうに」
男「お前ね……」
許嫁「そう、そうなのね。分かったわ」
男「?」
許嫁「あなた……もしかして、」
許嫁「『家族ごっこ』でもしたいのかしら?」
男「え……」
男「……?」
男(今、なんて言った……?)
許嫁「少し一緒の時間を過ごしたくらいで」
許嫁「私と特別な関係にでもなったと勘違いしたのかしら?」
男(家族、ごっこ……?)
男(家族ごっこ……なんて。俺は、そんな……)
許嫁「残念ね。私にとって、あなたなんて、どうでも――」
男「……本気で」
許嫁「っ」
男「本気で、そう……思ったのか?」
許嫁「!?」
男「――」
許嫁「な、何よ? そんな顔をして」
許嫁「何かしら。何よ。何か、本当のこと言われて、気に障ったのかしら?」
男「……」
許嫁「何? どうしたの? 何か、反論あれば言いなさいよ」
許嫁「違う? 私たちは結局お互い我慢するだけの関係だった」
許嫁「それだけ、それ以上の関係でもなかった。違うの!?」
前へ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 次へ / 要望・削除依頼は掲示板へ / 管理情報はtwitterで / SS+ スレッド一覧へ
みんなの評価 : ☆類似してるかもしれないスレッド
- 妹「……」兄「なんすか?」 (900) - [53%] - 2014/3/2 12:15 ★
- 提督「バンドがしたぁい!」 (985) - [48%] - 2018/10/15 2:47
- 提督「姉上はもういない」 (205) - [46%] - 2015/5/30 9:00 ☆
- 士郎「……俺は、偽物なんだ」 (208) - [45%] - 2018/7/25 16:15 ○
- 提督「母上がお越しになる?」 (199) - [45%] - 2015/5/26 8:45 ☆
- モバP「陰毛が生えない?」 (182) - [44%] - 2014/8/28 16:45 ☆
トップメニューへ / →のくす牧場書庫について