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元スレ許嫁「……聞いていない?」
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教室
放課後
男「すやすや……すやすや……」ネムネム
友「よく寝るねえお前も」
男「……ん? んぁ、もう朝か?」フアー
友「もう放課後だよ、何だ疲れてんのか?」
男「いやあ、今日もバイトだからさ。その時間までちょっと仮眠とっておこうと思って」
友「ふうん。もうそろそろだっていうのに随分余裕だな」
男「ん?」
友「テストの点数で勝負してるらしいじゃん」
男「まあな」
友「そんなんで大丈夫なのか?」
男「そこそこ勉強はしているし。そもそも俺のほうがあいつより随分成績良いらしいから、いつも通りで平気だろ」
男(勝利はわが手中に有り。ククク、新しい洗剤を先に買っておくか)ニヤリ
友「へえ~」
男「……? 引っかかる喋り方をするなぁ。どうしたんだ?」
友「いやさあ、委員長に聞いたんだけど……あ、委員長! ちょっとさ、さっきの話」
委員長「? どうしたの? 何かな何かな?」トコトコ
許嫁『いま、ちょっと良いかしら?』
委員長『はい、大丈夫ですよ。何か用かな?』
許嫁『今度のテストのことでちょっと』
委員長『期末のこと?』
許嫁『ええ。以前いた場所とこの学校とで、範囲が異なる箇所があって。それに他にも色々な違いがあるから』
許嫁『そういうことについて色々と教えて欲しいの。あなたが良ければ、なんだけど。その、どう……かしら?』
委員長『もちろんOKです。喜んで!』
委員長「ってね。頼まれたの。彼女、先生方にも熱心に聞きに行ってるみたい」
男「へ、へ~。そうなんだ~」
男(そうか、転校してきたんだ。今までの成績は、単純な学力だけじゃなくて、学校の違いに慣れていないってのもあったのかもしれない)
委員長「それでね。どうしてそんなに頑張っているのって聞いたら」
許嫁『絶対に負けられない戦いがそこにはあるのよ』
委員長「って。何のことかな?」
男(代表選手かあいつは)
男(しかし)
男(あいつは何かを人に訊ねるってことにあまり慣れてないハズ)
男(今回の勝負はそれだけ本気なのか)
男「……」
男(相手はとんでもない負けず嫌い、加えて俺にはバイトという時間的制約もある)
男(俺は負けるなんてこれっぽっちも考えていなかったが……)
『負けたほうは一つ、相手の言うことを何でも聞く』
男(……万が一だ。万が一、負けたらどんな命令をされるのか)
男『ま、まさか俺が負けるなんて……』
許嫁『ふふふ。だから結果は見えてるって言ったのにね。じゃ、私の命令を聞いてもらうわよ』
男『……』ゴクリ
許嫁『あなたはこれから犬よ』
男『……は?』
許嫁『私の前では犬のように振舞うこと、一生ね』
男『お、お前一体何を言って』
許嫁『犬が人様の言葉を使わないで』ビシィッ
男『ひ、ひぃ!』
許嫁『口を開くときは、どうするのかしら?』
男『……わ、わんわん』
許嫁『そう、それで良いわ』
男『……わんわん』
許嫁『ふふふ、似合ってるわよ』
男『わんわん!』ハッハッ
男(……なんて。さすがにここまではしないと思うが)
男(何考えてるか分からないとこあるからな)
男「……」
男(……まずいぞ。これはウカウカしてられんかも)ダラダラ
友「さっきから一人でニヤニヤしたり犬真似したり焦ったり忙しいやつだね」
男(俺も本腰入れないと)
ファミレス
店長「……」
男「うーむ」ヨミヨミ
後輩「うーん……」ヨミヨミ
男「あっ。そうか……ここは否定疑問文だから答え方は逆かあ」
男「こんな初歩的なミスを犯すとは……」
後輩「さりげなく潜んでいると、結構ひっかかっちゃいますよね」
店長「……」
ピヨピヨピヨピヨ(入店音)
男・後輩「「いらっしゃいませー」」
男「恐れ入ります、お客様」
男「当店での飲食以外でのご利用はお断りさせていただいておりまして。お席での勉強はご遠慮願います」
……
店長「……」
男「まあ、ファミレスで勉強したくなる気持ちは分からないでもないけどな」ヨミヨミ
後輩「環境が変えたほうが勉強が捗るような気がしますもんね」ペラペラ
男「けどなあ、本部から駄目ってお達しが来てるからなあ」ヨミヨミ
後輩「いちバイトの身としては従うしかないですしねー」ヨミヨミ
店長「君たち店員が裏で勉強するのはもっと駄目だよぉ!」
男「あ、バレちった」
店長「僕ずっと目の前にいたからね?」
後輩「もー。店長さんたらー。こっそり覗くなんて趣味が悪いですよー」
店長「何だそのノリ。今は暇だからって駄目だよ、そういうことしちゃ」
男「じゃ店長。代わりにテスト休みくださいよ」
店長「うっ」
後輩「学生アルバイトには、そういう配慮あってもいいんじゃないかと思いますよねーフツー」
店長「そ、それは」
男「テストあるって言ってたのに。まさか通常通りのシフト組まれてるなんて、目を疑ったよ」
店長「……あ、あー。じゃあさ。さすがにバックヤードではダメだけど、休憩時間に控え室でなら……」
後輩「えー。それだけですか。ううう。普段からアレコレ理由つけて早出や延長なんてザラ。なのに、あっしらの都合なんて一切構ってくれやしねえ」オイオイ
後輩「あっしらアルバイトだって、人生があるんですぜい。この店のために生きてるわけじゃないんですぜい」オイオイ
店長「そ、その。僕もさ、無理には押し付けてるつもりじゃあないんだけどもさ、なんて言うかさ。特に君たちは何やかやで入ってくれるから甘えちゃうっていうかさ」
後輩「そんなんだからってワシオ店長って陰口言われるんですよ」
店長「え?」
店長「わしお店長? 一体どういう――鷲みたいに猛々しいってことかな?」
後輩「若作りしたいだけのオッサン」
店長「おっふ」
男「こらこら。事実でも言って良いことと悪いことがあるんだよ?」
後輩「すいません、先輩。私、結構はっきり言っちゃうタイプなんです」
店長「う、嘘だよね。皆は僕のこと、そんなふうに言ってないよね?」
後輩「Yes」
店長「イエス? よ、良かったぁ~ビックリしたよぉ~。そんな冗談言っちゃダメだよ~」ホッ
男「えぇっと、否定疑問文に対する、英語の答え方は――」ヨミヨミ
店長「Oh...」
家
男(飯食ってパパッと風呂入って。勉強しないとな)
男「ふいーただいまー疲れたー」
許嫁「あら」
男「お、今夕食取ってるんだ?」
許嫁「ええ。……あなたも食べるのかしら?」
男「ああ。じゃあ、そうしようかな」
許嫁「それじゃ、ご飯よそって上げるわね」
男「え?」
許嫁「何?」
男「いや」
男(何か変だな……優しいというか)
許嫁「はい、どうぞ」
男「あ、ありがと」
許嫁「アルバイト、お疲れかしら?」
男「え、あ、ああ、うん。まあバイトはな、やっぱりちょっと疲れる」
男「店長、テスト期間だからって結局早めに上がらせてくれたんだけど」
許嫁「そ。良かったわね」
男「あ、ああ……」モグモグ
男(何考えてるんだ、こいつ……今日は妙に物腰が柔らかいというか)
男(分からん)
許嫁「おかわり、要るのかしら?」
男「え!?」
許嫁「いいわよ。遠慮しなくて」
男「あ、ああ。じゃあ頼む」
男(変な感じはするが……悪くはない、か?)
男(……しかし、違和感は拭えない)マジマジ
許嫁「? どうかしたのかしら?」
男「いや、別に」
許嫁「そう。はい、どうぞ」
男(け、結構よそって来たなあ)
男(まあ腹減ってたし、このくらいならまだ入るからいいかあ)モグモグ
許嫁「……」ジー
男「ふぅ、ごちそうさま」
男(ついつい、よそってくれるからお腹一杯になっちゃったなあ)
男(……何だか眠くなってきた……)
許嫁「眠そうね、もう寝たら?」
男「……そうだな、でも。何かすることがあったような――」
男「ハッ!?」
男(し、しまった!)
男「妙に優しげだと思ったら、コレが目的か?!」
許嫁「……何の話かしら? さっぱり分からないわね」ツーン
男「満腹にさせて、勉強のやる気を削ぐとは! おのれ、謀ったな!」
許嫁「何言ってるのかしら。よく分からないわね」ツーン
許嫁「やる気は私の問題じゃないわ。あなたの問題でしょう」
男「くっ」
許嫁「でも、私はあなたにもう眠ることを勧めるわ。あなたいつも放課後眠そうにしているから。もっと睡眠とったほうがいいんじゃないかって思うもの」
男「そう思い通りになると思うなよ、今夜俺は勉強するんだ……!」
許嫁「人の好意を悪く受け取るなんて、あなたって悲しいひとね」
男「ぐっこいつ……」
男(く、くそ……俺はこのあと勉強するんだ……)
男(だけど、まぶたが重くなってきて……)
男「いや、駄目だ。苦しいときこそ頑張るときだ」キリッ
男「よしっ……大丈夫だ、いけるっ」
男「パパッとシャワー浴びたら、そのままテスト勉強だ!」
男「絶対睡魔なんかに負けたりしない!!」
男(睡魔には勝てなかったよ…)オヤスミー
……
試験日
男(あれから頑張って勉強はしてきたが、はたして十分だと言えるのか)
男(あいつの出来にもよるが……)
許嫁「……」
男(いや、ここからの数日間。俺は自分のベストを尽くすだけだ)
男「よし、行くぞっ」
初日
男「シゴロ賽でゾロ目が出る確率……約11%っ……!」
男「萌えるもの。濡れた西瓜に映った幼女。(現代語訳)」
男「YES I AM!」バーン
男「え!!おなじ値段でステーキを!?(問題)」
二日目
男「金剛! 扶桑! 伊勢! 長門! 大和!」
男「自己増殖・自己再生・自己進化の能力を持つ金属細胞!」
男「首に視神経!」
男「本当に裏切ったんですか!(和訳)」
三日目
男「扇からビーム!」
男「レベルを上げて殴ればいい(物理)」
男「何が始まるんです? 第三次大戦だ!(和訳)」
男「……」
男(何か変な問題多いな)
男(ここまでは予想以上に順調だ! 残すは現代文……)
男(正直に言えば、俺は得意じゃない。読書が趣味なだけあって、あいつは得意と聞いた)
男(だが、ここまででリ-ドできているはずだ)
男(たとえ現代文で負けても)
男(ここで大きなミスさえしなければ……余裕で勝てるだろう)
現代文
男「……ん?」
男(現代文のこの例題は……前に一緒に観た映画の、原作?)
男(……こんなとこからも問題出すのか、ウチの教師は)
男(しかし、これはチャンス!)
男(あらすじを初めから知っている分、楽に答えられる!)
男(もちろんそれはあいつも同じ条件だが……これは俺の苦手科目。底上げできるのは有利!)
男「ククク」
男(取ったな、この勝負!)ニヤリ
……
男「……」ヨミヨミ
男「えっ」
男(あ、マジかー。これ映画じゃ端折られていたけど、そっか。そんな設定あったんだ)
男(ん?)
男(ってことは待てよ、主人公の台詞ってまた違う意味が……)
男(だとすると終盤のあの屋上での会話って)
男「マジか」ボソ
男(そういうことだったかー。あの二人変だったもんなー)
男「……」ヨミヨミ
……
男「ふぅ」
男(映画だけじゃ分からないことあったな。あとで読むか……ん?)
男「……アレ?」
男(おかしいな、時間が……あと……少ししか……)
男「……」
男(し、しまったああああああああああああ)
男(小説読むだけに熱中しすぎたああああああああ)
男(問題まるまる残ってるううううう)
男(あああああん時間よ止まれええええええ)アセアセ
キーンコーンカーンコーン
男「……」
友「はー。やっと終わった、終わった。これで待ち望んだ夏休みだぜー」
男「……」
友「お、それで。どうだった、お前のほうは。成績の感触は、どうよ?」
男「……」
友「……そう、か」
許嫁「何呆けてるのよ」
男「っおぉ」ビクッ
男「な、何だ? 何か用か?」
許嫁「どうだったのかしら、あなたのほうは」
男「……ま、まあ全然余裕だね。勝利を確信している」
許嫁「あら、そう。……私も同じよ、完璧だったわ」
許嫁「私が負けるはずなんてないもの」
男「そ、そうか」
許嫁「結果が楽しみね」
男「あ、ああ。そうだな」
許嫁「声が震えていないかしら?」
男「い、いや。そんなことはないぞ。余裕のよっちゃんイカだ。ワハハハハ」
許嫁「もちろん忘れてないわよね? あの決め事」
男「も、もちろんだ。『負けたほうは一つ、相手の言うことにできるだけ従う』だったよね?」
許嫁「違うわ。『何でも聞く』よ」
男「そ、そう言えばそうだったかな」
許嫁「随分と焦ってない?」
男「や、そんなことはありませんですよ」
許嫁「そう? ま、今からそのときを楽しみにしているといいわ」
男「……わ、わんわん」
許嫁「……何言ってるの?」
数日後
家
男(返ってきたが……俺の成績は、ほぼ予想通り)
男(勉強の甲斐もあってなかなかに良い成績)
男(だが……)
現代文「」シーン
男「なんてこったい」
男「いや」
男「まだだ、まだ分からんよ」
男「たまたま一つしくじっただけ、他の科目で充分カバーできている」
男「勝負は総合点だ。案外あっさり勝ってるかもしれんぞ」
男「よし、何だかそんな気がしてきた。いける、勝てるはずだっ」
許嫁「……一人でぶつぶつ。結果を晒す準備はできたのかしら?」
男「ああ」
許嫁「あなたが負けを悟ったときの顔が楽しみだわ」
男「その言葉そっくりリボンでもつけて返してやるぜ」
許嫁「!?」
男「ば、馬鹿な……!」
許嫁「同点……」
男(げ、現代文を残して同点だと?)
男(馬鹿な、ぶっちゃけありえない!!)
男(ここで大きなリードを取る予定のはずが、マジ意味わかんない)
男(くそ、こいつの実力を侮っていた!)
許嫁「……」ムゥ
男(残るは現代文のみ、だが)
現代文「」シーン
男(ほとんど息をしていないっ……! 負ける、このままだと負けてしまう)
男(考えろ……ここから、逆転する方法はないかっ……)
男(例えば)
男『許嫁よよくぞわしを倒した。しかし光ある限り闇もまたある。』
男『わしには見えるのだ。再び闇から何者かが現れよう』
男『だがその時はお前は年老いて生きてはいまい。わはははは…。ぐふっ。』 ゴゴゴゴゴ
男(このままフェードアウト……)
許嫁「どうしたの、早く晒しなさいよね」
男(そんなのが通じる相手じゃないなコレ)
男「ええい、ままよ!」バーン
男「……え?」
許嫁「……」
男「か、勝ってる……?」
許嫁「……」
男「うそ。ほんの僅かの差だけど……勝ってる……」
許嫁「……、仕方ないわね」ボソ
男(とても低いレベルの勝負だが)
男「信じられん。どうしたんだ、現代文は得意じゃなかったのか?」
許嫁「そうね、けど」
許嫁「……つい、読みふけっちゃったのよ。何度も読んでるのに……それで、気がついたら」ボソ
男「お前も同じか」
許嫁「え」
男「ま、過程はともかく、勝てばよかろうなのだ」
許嫁「……仕方ないわ、負けは負け。認めるわよ」
男「意外と潔いな」
許嫁「負けを認めるのは敗北者の権利だわ」
男(さすがの性格)
男(危なかったぜ……しかし勝利!)
男「僅かの差だが勝った。ククク、何でも言うことを聞いてもらうぞ」
許嫁「……分かったわ」
男(よし、俺の命令は――)
許嫁「それで? どこへ行けばいいのかしら?」
男「……は?」
許嫁「あなたのことだから、どうせ。また私に付き合って欲しい場所がある、なんて言うんでしょ。あの映画の日みたいに」
男「……へ?」
許嫁「嫌だけど、そういう決め事だったんだから仕方ないわ。例え望んでいないことでも、私は従わなければならない」
男「……ほ?」
許嫁「で、あなたは次にどういう場所についてきて欲しいのかしら? 遊園地?」
男「いや、ちょ、待っ」
許嫁「ちなみに。あまりに変な場所だったら拒否するわよ」
男「いやいやいやいやいやいや」
男「いろいろとおかしい」
許嫁「何がかしら? 何もおかしいことなんてないわ」
男「俺の要求はどこかへ一緒に行きたいってことじゃないぞっ」
許嫁「あなたが気後れするのも分かるわ。あなたみたいな賤しい人が私と一緒だなんて特別なことだものね、それも二度もだなんて」
許嫁「でも、こんなチャンスでもなければ、あの映画の日以来、私と一緒にどこか好きな場所へ行ける機会なんてもうあり得なくてよ」
男「だからそれが違うっつーの! 勘違いするなって。映画のことも、別に俺は一緒に行きたかったワケじゃないからな!」
許嫁「……知ってるわ、ソレ」
男「え?」
許嫁「つんでれ、って言うのよね?」
男「ちがあああああうううううううううううううう」
許嫁「まったく。相変わらず男らしくないわね」
許嫁「私は敗北の事実を受け入れたっていうのに。あなたは事実を受け入れることもできないのね?」
男「だからそれが事実じゃないって言ってるだろおー」
許嫁「でも。今回は、あなたが勝ったんだし、少しくらい好き勝手言うのは見逃してあげるわ」
男「好き勝手言ってるのはお前のほうだろー」
許嫁「けど、調子に乗らないことね。今回は間違いで負けてしまったけど。次、同じようなことがあったら。私が勝つから」
男(次、ねえ……)
自室
男(結局、言うことを何でも聞かせる権利はうやむやになってしまった)
男(まあいいか。そのうちいつか使うこともあるかもしれない)
男(……)
男(そのうちいつか、か)
男(初めはそんなに長く続くものじゃないと思ってた、多分お互いに)
男(気がつけば、『次』とか『そのうちいつか』とか)
男(この生活が普通になりつつあるんだろうか)
男(……あいつはどう思ってるんだろう)
男(今の生活、それに……)
男(……)
男(……あの映画の日、案外あいつも楽しかったのかな?)
今日は以上です。
皆さんのレスありがとうございます。
以前から、随分と更新の間が開いて申し訳ないです。
できるだけ、更新できるよう頑張ります。
皆さんのレスありがとうございます。
以前から、随分と更新の間が開いて申し訳ないです。
できるだけ、更新できるよう頑張ります。
もっと長く続けてもいいのよ
確かに部屋には突撃してほしかったかも
おつ
確かに部屋には突撃してほしかったかも
おつ
……
ファミレス
店長「いや~もうすぐ夏休みだねえ~」
男「ええ。あと終業式までわずかです」
店長「僕としても助かったよ~」
男「?」
店長「夏休みいっぱい働いたらさ、結構な額貯まるよね、いいよね~」
男「え……?」
店長「貯まったお金で何買う? 何買っちゃう? 結構なもの買えるよ~」
男「え、え、え……?」
男(このオッサンはさっきから何を言ってるんだ?)
店長「じゃあ、週6でランチからディナーまでってことでいいかな?」
男「……あぁ?」
店長「こ、こえー……マジこえーよこの子。ちょ、ちょっとした冗談だから、ね?」
男「割と本気だったんでしょう? 人手が足りていないのは相変わらずですし」
店長「う」
店長「じ、実はそうなんだよ……それにランチのフロアの子が一人抜けちゃう予定で……」
男「マジすか」
店長「だから、仕事ができる君が少しでも来てくれれば嬉しい、んだけど……ね……」
男「いや、ですけどね……」
店長「それにね、君がいないと始まらないっていうか、この店」
男「え?」
店長「やっぱりね、君みたいな皆に気が回って全体を意識できる人って貴重なんだ」
男「お前そのやり方二回目やぞ」
店長「どうかな、この夏休み。もちろん週6なんてのは冗談だけれど、予定もない日は来ていただけると助かります……っ」フカブカ
男「……うーん」
男(せっかくの夏休みに働きづめになるのもなあ)
男(しかし最近は、懐が心許ないのも確かだ)
男(やっぱりあいつの分はかなりの負担になってる)
男(まあ、休みの間することも特にないし)
男「仕方ない、分かりましたよ」
店長「ほ、ホントかい? 良いんですか?」
男「ええ。フルで、ってことはしませんけど。できるだけ出るようにしますよ」
店長「良かった、ありがとう助かるよ! お礼に店長スーパーポインツをつけちゃう!」
男「最近そのネタ流行ってるんですか?」
……
男「ま、そういう訳で俺は夏休み中はバイトが多いから」
許嫁「そ」
男「最近懐が寂しくなってきたからな、ここらで少し貯めておきたい」
許嫁「……ひとつ、気になってることがあるのだけど」
男「ん?」
許嫁「あなた結構アルバイト入っているわよね?」
男「ん、まあそうだな。それがどうした?」
許嫁「その割りにはあなた大してお金使っていないように見えるのだけど、どうなの?」
男「まあ、金のかかる趣味は持ってないからな。けど最近野菜とかも高いし、そこまで余裕はないでござる」
許嫁「野菜……あなた、生活費自分のアルバイト代で払っているの?」
男「あ……」
男(やっべ……)
男「しょ、食費とか交通費とかそれくらいだよ。他の光熱費やら何やらは払って貰っているし」
許嫁「あなたって……」
男「あ、ああぁ! もちろんお前のためにって振り込まれてるものに手ぇつけてないぜ。ってかお前にその通帳ごと渡すべきだったよな、悪い悪い」
許嫁「そういうことは心配していないけれど。そう……」
男「もちろん俺に預けて資産運用してほしいって言うんならそれでもいいけどな。時めきファンドのごとく堅実にプラスにしてやるぜ、はっはっは」
許嫁「……そう」
男(何か変なこと考えてそうコイツ……)
男「お、お前はどうするんだ? 夏休み。実家に帰ることはできないのか?」
許嫁「難しいみたいね。聞いてみたけど、こっちにいなさいって」
男「そうか。じゃあ――」
許嫁「ご心配には及びませんわ」
男「え?」
許嫁「夏休みの間にやること、って聞きたいんでしょ? あなたのことだから」
許嫁「大丈夫よ、ちょっと前から考えていることがあるから」
男「そ、そうか。そりゃ良かった」
……
キーンコーンカーンコーン
「じゃ、これで1学期は終わりだが。夏休みハメはずしすぎるなよ。よし、礼」
許嫁「ちょっと聞きたいことがあるのだけど、いいかしら」
男「今眠ることで忙しいんだ、悪いな」
許嫁「今日はアルバイトかしら?」
男「ああ、もう少しだけ眠ったらな」
許嫁「そう」
男「ん、何か用事でもあるのか?」
許嫁「別に」
男(何か言いよどんでいる様な……ま、いいか)
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