私的良スレ書庫
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元スレ許嫁「……聞いていない?」
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段々ギャグにキレが出てきてるのが
ファミレスの流れで笑っちまったよ
ファミレスの流れで笑っちまったよ
教室
ドンッ
許嫁「!」ビクッ
男「てめえいい加減にしろよ!!! ふざけたこと言ってんじゃねーぞ!!」
友「は? 何が? 抜かしたこと言ってるのはオメーのほうだろ? あ?」
許嫁「……」
男「そうやってすぐに上からの目線で話しやがって……!」
友「実際上だからなぁ~?」
男「こ、こいつ!」
許嫁「ね、どうしたのかしら? あの二人……」
委員長「えっあ、えっ?」
委員長「……」
許嫁「どうしたの?」
委員長「ご、ごめんなさい。ちょっと、その。そんなこと聞かれるって、思わなかったから」
許嫁「あれだけ煩いとさすがに気になるの」
委員長「そ、そうね」
許嫁「それに、クラスの一員だったら、平穏のために協力すべきなのでしょう?」
許嫁「……お節介かもしれないけれど」ボソ
委員長「あ……そう、うん。そうよね! ご協力、感謝します」
許嫁「それで、何が起きたのかしら?」
委員長「アレだったら……」
男「だからキノコのが良いっつってんだろうが! あの持ちやすさ、気軽さが良いんだろーが!?」
友「そうやってすぐ目をそらす。人気なのはタケノコ。はっきり分かるんだよね」
男「ぐぬぬ。もう我慢ならん! 表でろや! ここで決着つける!!!!」ダッ
友「上等。どっちが上かその身に叩きこんでやるぜ!!!!」ダッ
クラスメイト「二人もう先生来るよー」
男・友「「はーい」」スチャッ
委員長「いつものことだから」
許嫁「馬鹿ね」
渡り廊下
許嫁「……」キュッキュッキュッ
男「お、今日ここの掃除当番か」
許嫁「そうよ」
男「意外と真面目にやってるんだな。『この私に掃除は不釣り合いだわ』なんて言ってパスするかと思ったのに」
許嫁「……あなた私を何だと思っているの」
男「聞きたいか?」
許嫁「別にいいわ。毒にも薬にもならないでしょうし」
男「そりゃ残念。しかし……なっておらんな」
許嫁「何がよ」
男「掃除だよ、掃除の仕方。ほら見たまえ。ここにもあそこにも汚れが残っている。ただ漫然とモップをかけるだけを掃除とは呼ばんよ」
許嫁「あなた掃除が趣味だとか言ってたかしら」
男「見ちゃおれん。モップちょっと貸してくれ」
許嫁「……」
男「ホラホラホラホラホラァ」
男「ドラララララララララララララァァーッ!」
男「ボラボラボラボラボラボラボラボラボラボラ……」
男「はぁはぁ……ゼェゼェ」
男「ほら……これで……、ハァハァ……、ゼェゼェ……、綺麗にピカピカだ!」
許嫁「あきれた」
許嫁「あなた掃除が趣味だなんて言ってたけど、本当だったのね」
男「以前は好きじゃなかったがな。掃除も熱心にやってみると意外と楽しみがあることに気がついたんだ」
許嫁「ふうん」
男「いかに綺麗に、しかし時間をかけずにできるか。工夫の余地なんていくらでもある」
許嫁「へえ」
男「そして何より綺麗になると気持ちよい。ココロもスッキリするってもんだ」
許嫁「はあ」
男「どうだ、さっきと違って廊下もピカピカだろ? 舐められるくらいだ」
許嫁「……あのね、廊下を舐める馬鹿なんて世界中探してもどこにもいないわよ」
男「ペロリ」
許嫁「……」
男「この味は……Bランチ!?」
許嫁「……さすがに、今のは恐れ入ったわ」
男「はっはっは。ようやく俺の恐ろしさを思い知ったか」
許嫁「馬鹿なこと言っていないで。さっさと口、濯いできなさい」
先輩「おやおやおや? どうしたのかしら?」
男「先輩?」
先輩「やっ元気してたー? お得意の掃除中?」
男「ええ」
許嫁「……」
先輩「ムムッ? 彼女は? あんまし見ない顔だねえ」
男「クラスメイトです。まだ転校してきたばかりで、右も左も上下関係も分かってませんが」
許嫁「一言多いのよ」
先輩「へえー」マジマジ
許嫁「?」
先輩「何だか随分と仲よさそうじゃない? キミと」
許嫁「っ」
先輩「もしかして、二人は特別な関係だったり?」
許嫁「……そんなことはありません。私は失礼します。あとはお二人でごゆっくりどうぞ」スタスタ
先輩「ありゃりゃ?」
先輩「ごめんなさい。どうしてか怒らせちゃったみたいね」
男「……難儀な性格でして」
先輩「ナンギ?」
男「ええ。俺も人のこと言えたものじゃないですけどね」
先輩「ふうん、ナンギねえ」
男「ところで、ここには何か用事で?」
先輩「ふっふー。何を隠そう隠そう、隠れたキミを探していたのだー」
男「俺をですか?」
先輩「キミです、キミなのです。――キミを、借りに来た」キリッ
男「?」
男「ういしょっと――っとと」ヨイショ
先輩「ゴメンね~。私一人じゃさ、これチョッち重くてさ」
男「何かと思ったら物運びくらい。全然構わないですよ、任せてください」
先輩「さっすが頼りになっる~」
男「でも、わざわざ俺を探さなくても。先輩でしたら手伝ってくれる人なん
ていくらでもいるでしょうに」
先輩「? そうかしら?」
男(周囲の視線を必要以上に感じるのは、気のせいではあるまい)
男(……先輩人気あるらしいからなあ)
空き教室
先輩「こっちこっち。ここに置いてもらえるかな?」
男「はい――っしょと。……これでいいです?」
先輩「うん、助かったよ。困ってたらキミの顔が浮かんでさ、思い切って頼んで良かった。アリガトね」
男「こんなことで良ければ、いつでも手伝いますよ」
先輩「ふふっ。キミって優しいんだ」
男「ところでさっきから気になっていたんですが、この部屋って何の部屋です? それに今の荷物は……」
先輩「ふふふ~。さっすが良いところに気がつくわね!」
男「ちょ、諜報部?」
先輩「そう! 学校内に隠されている秘密や陰謀を暴いていくのが主な活動内容よ!」
男「陰謀って……この学校にそんなものあったんですか」
先輩「ふふ……この話はね、学校の中でも知っている人以外は誰も知らないんだけど」
男「そりゃ知らない人は知らないでしょう」
先輩「実はこの学校はね、とある権力者によってとある目的のために作られたと言う話があったりなかったりするのじゃ」
男「随分曖昧だなあ」
先輩「それだけじゃないわ。その陰謀のために、いろんな組織からエージェントが送り込まれているって話よ」
男「エージェントて」
先輩「それを聞いた私は思いついちゃった、ってワケだ。この空き部屋を拠点とした新しい部活を作ろうってね」
男「で、実際は何をするんです?」
先輩「えーと……」
男「……」
先輩「まあ……放課後だらだらしたり、喋ったり……するの?」
男「俺に聞かないでくださいよ」
先輩「みゃあみゃあ。何か楽しそうじゃない? そういうの?」
男「うーん、分からないでもないですけどね。けど、よく下りましたね? 許可」
先輩「え? ……えへへへへへ」
男(許可とってないのか)
先輩「ま、この学校生徒たちの自主行動に寛容だからね、大丈夫、ダイジョーブ!」ブイッ
先輩「ね、どうどう?」
男「? 何がです?」
先輩「キミも諜報員になってみないかい!?」
男「え?」
先輩「もちろんキミさえ良ければなんだけど。今私しかいないからね、ココ」
先輩「キミなら優秀な諜報員になれそうな気がするニュ。それに今なら入部特典ついてるぞ!」
男「入部特典?」
先輩「なんと今、入部すると先輩スーパーポイントをもれなく66兆2000億ポインツプレゼントッ!」
男「66兆2000億!? 国家予算と同じ額じゃぞい!!」
先輩「さらに! 諜報員証は先輩私服バージョン!!」
男「わあい、SSR(スペシャルスーパーレア)だあ」
先輩「ささ、今がチャーンス! ここに名前書くだけでいいのだ! この特典がぜーんぶキミのものに!」
男(とは言え、どうするかな)
男(俺は帰宅部だが……)
先輩「さささ、書くだけなの! 書くだけだから! 痛くないよ!」
男(先輩のことも興味がないわけではない)
男(が……)
男(うーん……)
男「すいません。せっかく誘ってもらったのに悪いんですけど。俺は部活に入る気はないです」
先輩「ん、そうなんだ、残念~」
男「俺アルバイトしてますからね、放課後はそんなに顔出せないと思いますし」
男(それに今はウチにあいつがいて。何やかんややることも増えたしな)
先輩「そっか、そっかー。確かキミって駅前のファミレスで働いているんだよね?」
男「ええ。フロアのほうです」
先輩「じゃあ今度参上して、お店の売上に貢献してあげよう!」
男「ありがとうございます……つってもまあ、俺の時給は変わらないんですけどね」ハハ
先輩「それもそうね。じゃ、もしかしてまた気が変わったりして、この部に入りたくなったらいつでも言ってね」
先輩「キミのこと、いつでも待ってるから」
男「先輩だったら部員なんてすぐ集まると思いますよ」
先輩「私はキミが良かったんだけどねえ……ふっ、今はまだ多くを求めまい」
男「え……」
先輩「へへへ、覚えとけ! 今日のお手伝いのこの借りは、いつか必ず返すぜ!」バイバイ
男「……」バイバイ
男「謎の先輩だな……さて、と」
男(まだ掃除途中だったなあ……俺が最後まで終わらせておくか)
男(あいつ怒って投げ出しちゃったし)
男(俺との仲をからかわれたのが嫌だったんだろうが)
男(許婚の関係を認めたくはないわな)
男「……」テクテク
男(許婚か……、考えてみると良く分からん関係だな)
男(一応話では、今のところ二人は許婚って関係にはなっているが)
男(必ずしも結婚しなければならないっていう訳ではなさそうだ)
男(ってことは、祖父やあいつの家にとって重要なのは)
男(今、俺とあいつが許婚の関係であることか?)
男(うーん)
男「まあいい。やることやろう……あれ? 確かここだったよな?」
男(全部綺麗になってる。それに掃除道具も片づいてて)
男(ピカピカぴかりん!)
男(誰がやったんだ、って一人しかいないか)
男(意外と律儀……いや負けず嫌いなだけか?)
……
台所
男「……」トントントントン
男(今日は俺が料理当番。なのは良いんだが)
『小テスト返すぞー。これ期末の前哨戦だからな。悪かったヤツはしっかり反省しとけよー』
男(……)ピラッ
男「立派な成績ではなかった……」
男「まっずいなあー」コトコトコトコト
男(割と真面目に勉強取り組んでるんだけどな。けどバイトも家事もしてる上に)
男(……厄介事が増えたし)
ガチャリ
男「あ、厄介事が帰ってきた」
男「おう、お帰りー」
許嫁「……うん。あら、今晩は料理作ってるのね」
男「ま、今日はバイトも無かったし。いつも惣菜ってのもな」
許嫁「ふうん。……? これ、今日返ってきた小テスト?」
男「ああ。反省しながら料理してたんだ」
許嫁「あら、この点数……。へえ。意外とあなたって――」
男「あまりにも点数悪かったからさ、本番の期末では頑張んないと」
許嫁「え」
男「学生の本分は勉強だし、こんな成績じゃちょっとな」トントントントン
許嫁「……」
男「お前はどうだったの、小テストの点数」
許嫁「別に? あなたに言うほどでもないわ」
男「何だ言うほどでもない点数って」ジュワージュワー
許嫁「そのままよ。教えるほどでもない」
男「何だ、良くなかったのか」
許嫁「そうは言ってないわ。勘違いしないでよ」
男「……?」
許嫁「な、何よ」
男「はっはーん」ゴリゴリゴリ
男「お前、俺より点数が悪かったんだろ。それを認めたくないと」
許嫁「っ。そ、そうは言っていないわ」
男「動揺してるぞ」ボワワワワワ
許嫁「邪推をしないでくれる? あなたっていつもそうね。以前、私がちょっと体調不良になった時だって、勝手に私が――」
男「フッ、露骨な話題転換に惑わされるものか。今は小テストの点数の話をしている」
許嫁「っ」
男「俺のほうが上だった、そうだな?」
許嫁「いいえ。そんなわけないじゃない。あなたなんかに負けるわけがないもの」
男「じゃあ見せろよ答案」
許嫁「個人情報の取り扱い方も知らないなんて残念な人ね。現代社会の人間とは思えないわ」
男「お前は俺の答案見たじゃねえかよ」オリーブオイルドバババ
許嫁「あなたが見せびらかしたのよ、これでもかとね」
許嫁「私のが見たいからって自分のを見せびらかすなんて。気持ちが悪い人ね」
男「妙な言い方をするんじゃねー!」
許嫁「まったくもう。……これじゃ、ラチがあかないわね」
男「オメーが答案見せれば済む話だっ」
許嫁「あなたがしつこい人ってことは知ってる……仕方ないわ、分かったわよ」
男「? 見せてくれるのか?」キューキュー
男はいったい何を作っているんだ…?
ウェイターだから特殊技能はないはずだよな
ウェイターだから特殊技能はないはずだよな
許嫁「実のところ、これは小テストに過ぎないわ。本番は期末テスト、そうよね?」
男「……まあ」
許嫁「小テストの結果はもちろん私のほうが上だけど、あなたがそれを認められないのなら」
許嫁「期末テストの結果で白黒はっきりつけるってのはどうかしら?」
男「む」
男(詭弁もいいところだが……)
男(誰かと勝負って形にしたほうが勉強も張り合いが出るかもな)
男(……待てよ。良い考えが浮かんだぞ)
男「なかなか面白いな、それ」
許嫁「でしょう? それじゃあ――」
男「だが一つ、付け加えたいことがある」
許嫁「何かしら?」
男「『負けたほうは一つ、相手の言うことを何でも聞く』ってのはどうだ?」
許嫁「!」
男「こっちのほうがより真剣味が増す。お前のほうが俺より上なんだろ? 良い話だと思うがね」
許嫁「……あら、良いのかしら? 結果は既に見えてるっていうのに。気が引けるわ、弱者から搾取するなんて」
男「怖いのか?」カチャカチャ
許嫁「……まさか。いいでしょう、勝負よ」
男(何でも一つ命令ができるなんて、なかなか機転が利いたな、俺)ニヤリ
男(俺が勝った暁には)
男(思う存分……)
男(こいつの部屋の掃除をさせて貰う!)
男(家具の後ろなんてホコリが溜まってそうだしなあ……フフフ)
男(ついでに掃除の助手にこき使ってやる)
男(そのキレイな顔をホコリで汚してやるぜ)
男「ククク……」オイオリーブドバババ
許嫁「何悪い顔してるのよ」
男「勝負は期末テストの総合点。主要五教科だ。保健体育や家庭科は入れない」
許嫁「負けたほうは一つ、相手の言うことを何でも聞く。……聞くだけってのは駄目」
男「答案は実物を晒すこと。それができなければ負けだ」
許嫁「……条件はこれでいいわね?」
男「ああ」
許嫁「あなたと私のどっちが格上だったのか、思い出させてあげるわ」
男「ククク。結果が出たとき、その物言いがどうなるのか楽しみだぜ」
ピロピロピロー(炊飯器)
男「ってところでちょうど夕飯できたぞ。もう食べる?」
許嫁「ん。そうするわ。……いただきます」
男「うぃ。いただきます」
許嫁「? ……これなに?」
男「ああこれ? これは、俺の好きな料理で、へ
レスありがとうございます。
切ったのはその通りです(料理は割とざっくりです)
切ったのはその通りです(料理は割とざっくりです)
良いなあ
お互い惚れる理由が分かるわ(まだそこまでじゃないけど
お互い惚れる理由が分かるわ(まだそこまでじゃないけど
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