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元スレ許嫁「……聞いていない?」
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男「夜分に家に来た見ず知らずの女の子に、玄関先で突然そんなこと言われても……」
許嫁「何も知らないって言うの?」
男「あ、ああ。何も分からない」
許嫁「ふうん、そう。なら、それでもいいわ」
許嫁「……」フゥ
許嫁「……私はあなたの許婚です。いずれ、あなたと結婚することになっています」
男(すっげー嫌そう)
許嫁「婚姻を結ぶ前に、新しい生活に慣れるため、これから一緒に暮らします」
許嫁「だから私はあなたの家に来ました」
許嫁「どう、これで理解できたかしら?」
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男「いやいや、何かの間違いじゃ……そんな話聞いたことがない」
許嫁「あなたがそれを言うの?」
男「え?」
許嫁「まあ、良いわ。理解しなさい」
男「とは言ってもですね、」
許嫁「ぐだぐだ言う前に確認を取ればいいでしょう!」
男(何で俺怒られているんだろう)
男「……分かりました。納得はしてませんが……」
男「ええ。では、何かありましたらまた電話しますので。……、よろしく
お伝えください」ピッ
男「……」
男「はぁー」
男「事実だった」
男「なぜいきなりこんなことに」
許嫁『ちょっと、何をグズグズしているのかしら? 確認は取れたの?』
男「何かの間違いであって欲しかった……」
男「どうやら間違いじゃないらしい」
許嫁「そう。だったらボサっと突っ立ってないでこの荷物を運ぶの手伝いなさい。顔も悪ければ頭も悪い男ね」
男(この女の態度は何か間違ってるだろ……確かに顔は可愛いが)ヨイショ
許嫁「ちょっと。もっと気をつけて運びなさいよ」
男(なんでこんな敵意丸出しなんだよ)ズルズル
許嫁「に、荷物引きずってるわよっ」
男「……財閥の一人娘?」
許嫁「そうよ」
男「どこかで聞いたことのある名だと思ったら」
許嫁「知らなかった?」
男「その財閥はもちろん知ってるが、さすがに一人娘までは……」
許嫁「ふうん、そう」
許嫁「では、あなたは格の違いを知るべきね。そもそも一般庶民が口を聞けること自体畏れ多いことなのよ」
男「すごいな……」
許嫁「呆けてないで。さ、早く部屋に案内なさい」
男(こんなのがご令嬢か……)
男「ここ今は誰も使ってないから」
許嫁「庶民らしく貧素な部屋ね」
男「嫌だったら高級ホテルにでも行きなさいよお嬢様」
許嫁「それができたらそうするわよ。私だって嫌々なんだから」
男「口ではそう言っても、身体のほうはどうかな……?」ガバッ
男「や、やめていきなり何をするのケダモノ! ひ、人を呼ぶわよ」
男「へへへ、ここは俺の城だぜ……呼んだって誰も来やしない」ジュルリ
男「い、いやああああ」キャー
許嫁「……何を一人でぶつぶつ言ってるの?」
男「ちょっと現実逃避」
男「しかし、気にならないのか?」
許嫁「何の話かしら?」
男「いくら俺が外見からも理解できるように、愛と誠に溢れている紳士だとしても、だ」
許嫁「いかにも軟弱かつ頭も弱そうで残念な容姿よ」
男「男の一人暮らしに同棲とは」
許嫁「もしも、よ。もしも私に変な真似をしてみなさい。……叩き潰すから」
男「た、叩き潰す?」
許嫁「死ぬまで人間らしい生活を送れないようにしてあげるわ」
男「……」
男「一つ質問、いいか?」
許嫁「何?」
男「変な真似っていうのを具体的な例を挙げて教え……いえ、なんでもないです、すいません」
男(なんて威圧感……!)
男「じゃあ、とりあえず今夜お前はこの部屋で寝るってことで――」
許嫁「ちょっと。お前って呼ばないでよあなた何様なのよ。なれなれしい」
男「……」
男「確かにそうだな、悪かった」
男「お前がそんなこと気にしてるとは思わなかったからさ、お前がそう言うんなら金輪際お前に向かってお前のことお前って言わないよお前には」
許嫁「……」イラッ
男「今6回くらい言ったかな」
許嫁「まったく気に障る人間ね、あなたは」
男「そ、そうかな」///
許嫁「褒めてないっ」
許嫁「……よりにもよって、なんでこんな男と」
男「じゃあ俺は自分の部屋で寝るけど。『変な真似』してくるなよ」
許嫁「……」
男(うおっめっちゃ睨んできた)
男「はぁ」
男(いきなりの展開だな)
男(あの子俺に敵意すら持っているみたいだ)
男(見ず知らずの男の家に泊まるなんてそりゃ嫌に決まってるだろうが)
男(あちらさんも急だったのか?)
男(突然婚約やら同棲やら理不尽もいいところだ)
男(しかし、仕方ないことなのだろうか)
男「……」
男「考えてもしゃーないし、寝よ寝よ」
現状、許嫁もきつめの性格だけどいちいち挑発する男もだいぶ性格悪そう
悪態をつく見ず知らずの人間に対して誠実に対応できる奴なんてよっぽどの聖人か営業中の店員くらいだろ
この手の話って大抵許嫁が無駄に威圧的で男が頭悪くてヘタレなのに、何故か現状を改善しようと考えずに現状維持しようとするよな
チュンチュン
男「んぁ? 朝か……」
男「……あんまり眠れなかったな」
男「学校に行くか」
男「……あのお嬢さまどうすんだろ?」
男「おーい入りますぞ」コンコン
許嫁「むにゃ?」ネムネム
男「俺学校行くけどさ、お前どうするの? って」
許嫁「んー」ネムネム
男「……白か。随分と油断した格好で寝るんだな」
許嫁「んー?」ネムネム
男「つーか起きろよ。いつまで寝てるんだよ」ユサユサ
許嫁「んーんー」ユサユサ
男「起きないとそのおっきいおっぱい触っちゃうぞー」ユサユサ
許嫁「んっ……ん」ユサユサ
男「……」
男「はっ」
男「いかんいかん叩き潰されるところだった」
男「用意したるはこの濡れ濡れタオル」
許嫁「すやすや」ネムネム
男「ていっ」
許嫁「……」ビシャ
男「ククク、眠っているところに冷たいタオルは効くだろう?」
許嫁「……」
男「呼吸もできまい。これで目が覚めぬ奴などおらんだろうて」
許嫁「……」
男「……」
許嫁「……」シーン
男「……アレ?」
許嫁「ふああぁっ!?」
許嫁「わ、え、え、なにごと!? な、なになに」
男(この起こし方は大変危険だな。絶対にしてはいけないぞ)
男「おはようございます、お嬢様」キリッ
許嫁「!?」
許嫁「……おはようってあなたね、何勝手に入ってきてんのよ!?」
男「全然起きてくる気配がなかったからな。こっちはもう家出ないとマズイ時間なんだ」
男(とはいえ少し無遠慮だったかな……ついつい以前のクセが)
男「しかしよく眠ってたな」
許嫁「こんな兎小屋みたいな部屋じゃ窮屈で満足に眠れなかったわね」
男「よだれ垂れてるぜ」
許嫁「っ」ゴシゴシ
男「すまん見間違いだった」
許嫁「……」ワナワナ
男(眉を吊り上げてやがる)
男「まあ、顔でも拭けよこのタオルで」
許嫁「あら……。もうちょっとコレ絞りなさいよね」
男「で、俺は今から学校行くけどお前はどうするのこれから」
許嫁「私も行くわ」
男「え?」
許嫁「あなたと同じクラスに転入したのよ」
男「えー↓」
許嫁「私だって嫌々よ!」
男「制服や教科書なんかは持ってるのか?」
許嫁「全部揃えてあるわ」
男「用意の良いことで」
許嫁「だからすぐに着替えて……」ハッ
男「どうしたんだ、まるで自分のあられもない格好にたった今気がついたような顔をして」
許嫁「……」キッ
男「睨むのはやめてくれ」
男「ならスペアキー玄関に置いとくから戸締りはしてくれ。では拙者はこれにて失礼」ドロン
許嫁「ま、待ちなさい」
男「何だよ? まだ何かあんのか?」
許嫁「あなたと一緒に行くわ」
男「何お前俺のこと好きなの?」
許嫁「違う。学校の場所まだよく分からないのよ」
男「タクシーの運転手さんに頼めばいいだろ」
許嫁「……お金持ってないのよ」
男「何お前んちの財閥破綻したの?」
許嫁「破綻してるのはあなたの頭でしょう。そうじゃなくて、私個人が今持ってないのよ」
男(面倒な女だ……これは遅刻かな)
男「分かったよ、じゃあ待っててやるから40秒で支度しな」
許嫁「……」
男「……?」
許嫁「あ、あなたがそこにいるとベッドから出られないでしょう」
許嫁「そのくらい気がつきなさいよこの馬鹿」
男「HAHAHA、大した下着でもないくせに」
許嫁「っ! みっ見たのねっ!? こ、この変態っ……出ていきなさいっ」
男「やーいやーいお前の婚約者ヘーンタイ!」バタン
許嫁「何なのよあの男は……」
昼 食堂
友「この時期に転校生なんて驚いたが」
男「……」パクパク
友「あの自己紹介も驚いた。『短い間と思いますのでお気になさらず』」
男「……」モグモグ
友「初めは凄まじく可愛い子が来たもんだと思ったが、安易に近寄れない雰囲気」
男「……」チューチュー
友「恒例の質問タイムも始まらず、気をきかした委員長が話しかけるもまるで素っ気なし」
男「……」ゴックン
友「クラスも萎縮しちゃって妙な雰囲気に」
男「簡潔な説明ありがとう、クラスメイトである我が友人男性よ」
友「それで、どういうことだよ?」
男「何が?」
友「何か知ってんだろ、あの子のこと」
男「どうしてそう思うんよ?」
友「揃って遅刻してきて全く関係ないとは言えませんよ、旦那?」
男「べ、べ別にアイツとは何でもないんだから! 偶々一緒になっただけなんだから、勘違いしないでよねっ」
友「……」
男「……」
友「い、許婚のお嬢様あ!? しかも同棲だとお!?」
男「大きな声出すなよ、お前だから教えるんだ」
友「そ、そうか。あんまり他人に言うことでもないね」
男「頼むぜ」
友「はー。しっかしホントに許嫁だなんてあるんだ。すげーな」
男「俺も何をされたのかわからなかった……頭がどうにかなりそうだった……」
友「そこまで恐ろしいものなのか」
男「お嬢様も俺のこと嫌っているみたいだしな」
友「友好的ではないのは見ていてなんとなく分かった」
男「まったく厄介なことになってしまったぜ」
友「おいあれ。噂をすれば、そのお嬢様が食堂にお越しになってるよ」
男「おや、そうだね」
友「何かうろうろしてるけど」
男「きっと庶民の食事風景が珍しいんだろう」
友「取り方分からなくて困ってんじゃない?」
男「貧祖な食事内容をあざ笑ってるんじゃないかなあ」
友「いやあれはどう見ても困惑してると思うね」
男「それは大変そうだね」
友「あのさあ、お前――」
男「俺には関係ないだろー? 面倒なんだよ。いちいち突っかかってくるし。向こうさんも嫌がってるみたいだし」
男「それに、俺からしてみるといきなり押しかけてきた他人だ。ウチの家に」
友「……それは、そうなのかもしれないが」
友「言っても許婚ってことになってるんだろ? 一応かもしれないが、将来の夫婦だ。だったら……」
男「あくまでもカタチだけ。それに、そこまで言うんだったらキミが助け舟を出せばいいんじゃあないかな」
友「俺はただのクラスメイトだし……それに」
男「?」
友「見ろよあの……周囲に張り巡らされた、あなたたち近寄らないでよねフィールド。俺なんかじゃとても太刀打ちできない」
男「俺の許婚は、15年ぶりに人類を襲う謎の生命体か何かか」
友「お前ならできる。接点はあるんだし。それにこのままじゃ昼飯抜きになるぞ、あの子。いいのか?」
男「……。分かったよ、もう。ったくしかたねえなあ」ガタッ
男「ようよう」
許嫁「……何よ」
男「飯食いに来たんだろ?」
許嫁「別に。庶民の食事風景がどんなものか見識を広げにきただけよ」
男「食券システムだから。食券買って、窓口のおばちゃんに渡せばいいから」
許嫁「ふうん、そう」
男(あ、そうか。そういや金持ってないんだったな)
男「ほれ」
許嫁「何よこれ」
男「これは千円紙幣と言ってだな、何とこれ一枚で千円分の買い物ができるスゴイヤツだぜ」
許嫁「馬鹿にしてるの?」
男「お金、持ってないんだろ?」
許嫁「……」
男「腹減ってんだろ。朝も食べなかったし」
許嫁「何よ、だいじょう……」キュルルル
男「……」
許嫁「大丈夫よ」
男(ここまで意地張れるのも凄いな)
男「そうそう、そこの札INって書いてるところに真っ直ぐにだな」
許嫁「わ、分かってるわよ! 指図しないで」
男「心は歪んでいてもお札は真っ直ぐにってな!」
許嫁「……」イラッ
男「ここはオーソドックスにAランチがいいんじゃないかな」
許嫁「……」ポチッ
男(悪名高きBランチを選びやがった……ったく天邪鬼め)
許嫁「……」キョロキョロ
友「あ、席ならここ空いてますよ、ここココ。ほら、他は空いてないですし」
男「物好きな……」ボソ
許嫁「……」
許嫁「……」ストン
友「俺は、こいつの友人で。あなたとも同じクラスメイトでもある……ってBランチ!?」
許嫁「?」
男「俺はAランチを勧めたんだが」
許嫁「……」パクパク
許嫁「……うっ」
男「信じられないくらい不味いんだよなBランチ」
友「まったりとしていてそれでいてコクもあるマズさが絶えず襲いかかってくるんだ……」
男「これからは人の忠告に少しは耳を貸した方が良いと思うぞ。食べられそうにないんなら残せばいい。あとの処理はこいつがするから」
友「何で俺?」
許嫁「……別に悪くないわ、この料理。あなたの顔と性格と能力を乗算したより十分良いわ」
男「あーそうかい。なるほど、その口の悪さにちょうど合ったんだろう」
友「な、なんだか空気が悪いなあ」
許嫁「……」
男(よく食べたな)
男(しばらく朝食なんて取っていなかったから気が回らなかったが)
男(こいつはいつも朝食の習慣はあったんだろう)
男(それに昨晩も大してメシ食ってなかったのかもしれん)
男(金も持たずに来るくらいだしな)
男(腹減ってるならそう言えばいいものを……こいつ意地でも俺に弱音をはきたくないのか)
許嫁「……」
男(ったく……何でこんな気分にさせられなきゃいけないんだよ)
許嫁「……ゴチソウサマ」ボソ
男「声ちっちぇー」
男「食器の返却はあちらですの」
許嫁「言われなくても分かるわよ」ガタッ
男「あっそう。ところでさ、今日の帰りなんだけど……」
許嫁「今朝道は覚えたから結構よっ」スタスタ
男「……」
友「……」
男「とまあ、こんな関係なんだけど」
友「な、なかなかこう……強烈だね」
男「実は俺に惚れてて、あれは照れの裏返しなんだよ」
男「と言えるほどの逞しい想像力が欲しい。そういうものに私はなりたい」
>>男「やーいやーいお前の婚約者ヘーンタイ!」バタン
許嫁を馬鹿にしてるようで実は自分を落としている
すごいテクニックだ
許嫁を馬鹿にしてるようで実は自分を落としている
すごいテクニックだ
放課後
許嫁「……」
男(スペアキーは持たせたし大丈夫だろ。険悪な関係だが変な真似はしないと思いたい)
男「っと。今日は早いんだった」
男「おう、お先~」
友「ん? 珍しく眠っていないと思ったら今日はバイトか」
男「人がいっつも寝てるような言いがかりはやめなさいよ」
友「え……?」
男「きょとんとするなきょとんと」
友「さて。友達が小銭稼ぎに励んでいる間に、自分は課金の力だけに頼ったランク上げに励むか」
男「その発言で俺の中の友人ランクぐいぐい下げてるよ」
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