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元スレ許嫁「……聞いていない?」
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転校生が奪いにくるかと思ったが危ないのは男か
許嫁ねらいじゃないなら問題ないな
許嫁ねらいじゃないなら問題ないな
>>522
な、もしもしだろ?
な、もしもしだろ?
>>525
な、もしもしだろ?
な、もしもしだろ?
>>522
な、エタっただろ?
な、エタっただろ?
>>528
な、もしもしだろ?
な、もしもしだろ?
許嫁「じゃ、帰り道はしっかりガードしなさいよね」
男「……ガード?」
許嫁「あなた言ってたじゃない。私の帰りが心配なんでしょ?」
男「いや。夜遅くなったら、って場合の話だったが」
許嫁「何よ。あなたが心配だって言うから、ガードさせてあげるっていうのに
」
許嫁「だいたいそう言い出したのはあなたじゃなくて?」
男「へーへー。分かりました、お嬢様。ご帰宅までわたくしめが身の回りの安
全を確保させていただきます」
許嫁「ふふふ、よろしい」
許嫁「まったく。心配でたまらないから一緒に帰らせて欲しいって言ってたくせに。素直じゃないわね」
男「堂々と捏造するなよな、本人の前で」
許嫁「あら? 違ったかしら?」
男「お前ねえ……」
男(……)
男(もしかして、さっき何故か機嫌良かったのは)
男(たったこれだけのことで?)
許嫁「じゃ、帰るわよ。私の召し使い」
男「誰がお前の召し使いじゃ」
男(……まったく、こいつは)
男「しかし、面白いヤツだったな。あの転校生」
許嫁「こんな中途な時期に転校だなんて珍しいと思ったけれど」
男「そりゃお前もだったろ。でも、お前と知り合い、しかも同じ社交界の人とはね」
許嫁「正直に言って、驚いたわ」
男「色々話聞いたけど。そっちの世界っていろいろと違うんだろうな。想像も上手くできない」
許嫁「……そう?」
男「誰かと話するのにも、その人以外のことを考えなくちゃいけなさそうだ。大変そうだな」
許嫁「……それは、そうかもしれないわね」
男「特に偏屈でへそ曲がりで口が悪いお嬢様に、俺みたいに心を砕いて接している人がいるんだろうって思うだけで、同情して切なくなるぜ」
許嫁「どこの口がそんなこと言えるのかしら? 始めて会ったときからあなた不遜だったわ。そして今でもね」
男「ちっ。覚えていたか」
許嫁「忘れるわけないでしょ。まったく。……ずっと変なことばっかり言うんだから。あなたって」
許嫁「……ねえ」
男「ん?」
許嫁「あなたはどう思ってるの? ……その、今後の生活について」
男「今後?」
許嫁「その……今のまま行けば。私と似た立場になる」
男「たちば?」
許嫁「その、私の……になるんだから。まだ、先のことなんて分からないけれど。その予定、にはなってる、から」
男(えらい言いにくそうだな)
許嫁「そうしたら、生活は今とは随分変わるだろうし。不自由なことも増えるかもしれない」
男「……」
許嫁「もちろん絶対にありえないわ、私とあなたがなんて。そんなこと」
許嫁「でも、万が一ってこともないことはないわ」
男「どっちだよ」
許嫁「……本当にやりたいことを、興味を持ったことをできないかもしれない。その立場ゆえに」
許嫁「それ以上に。周囲の人が、そういう前提で扱ってくるわ。大きな力を持つ人。機嫌を損ねればどうなるか分からない」
男「……」
許嫁「それが、本人の意思とは関係のないところで決まってしまう」
許嫁「息苦しさを覚えることもあるわ。もちろん、それが全てじゃないけれど……。あなたは、そういう生き方をどう思うのかしら?」
男「……どうかな。なってみないと分かんねーよ。うまく想像すらできないしな」
許嫁「……そ」
男「それに、必ずしも全員そんな態度になるわけじゃない。中には変わったヤツもいるだろ?」
許嫁「……そう、かしら」
男「そんなの気にせず仲良くできる人が、他愛ない話できる人が、多分いるさ。世の中には信じられないくらい人間がいるからな」
男「全く思ってもいないところで、そんな人に出会うこともあるかもしれない」
許嫁「……そう、かもしれないわね」
男「なんてな。大して歳も経験も重ねてない俺が言っても説得力がないかもしれんが」
許嫁「ふふ。そうね。でも、もしかしたら」
許嫁「互いの立場なんて全く気にしない」
許嫁「そんな小憎らしくて斜に構えたような雰囲気を持ってるちょっと腹立たしい男に出会うこともあるかもしれないわね」
男(……。もしもの話だよなコレ)
男「ま。この先どうなるかなんて、分かんねーけどな」
許嫁「それはもちろん当たり前のことよ。今のはもしもの話をしただけよ」
男「ああ」
許嫁「……でも。あなたは嫌な訳じゃ、ないのね」
……
家
許嫁「はい」ポン
男「え? 何これ……お金?」
男(しかもこれ結構あるぞ)
許嫁「アルバイトの給料出たのよ。だから食費」
男「食費って……別に俺は足りているが」
許嫁「あなた私の分の食費負担していること多いでしょう? 料理の食材もあなたが受け持ってるの知ってるし。それに生活用品もね」
許嫁「そのお金、あなたも貰っているものだと思ってたけど、そういう訳でもないみたいだから」
許嫁「どうしたの。受け取らない理由があって?」
男「……いや。まさか、このためにバイトはじめたのか?」
許嫁「働いたこと無かったからやってみたい、っていう理由もあったけど」
許嫁「よく分からないけど、あなたは自分で働いて自分で使う分のお金を払っているんでしょう?」
許嫁「なのに私は父親から送ってもらったお金を、はいどうぞって渡すのは違う気がしたのよ」
男「……別に俺は、確固たる信念があってそうしているわけじゃない。ただ……」
許嫁「……」
男「……」
許嫁「ま、あなたがどう思おうが良いわ。これは私の気持ちの問題だから。それでも受け取れないかしら?」
男「……分かったよ。頂いておく。ただ多過ぎる。毎日フランス料理でも食べる気か」
許嫁「こんなんじゃ前菜も食べられないわよ。何言ってるのよ」
男「マジすか」
男「家計簿つけてるから、二人で共有するものはきっちり折半しよう。残りは好きにしろよ」
許嫁「そう言われても。私は他のもののお金はちゃんと貰っているし、それを使うつもりだから、必要ないんだけど?」
男「そうか。……だったらさ」
男「プレゼントなんて買ってもいいんじゃないか?」
許嫁「? プレゼント?」
男「例えば、普段は伝える機会がないけれど感謝してる相手とかに」
許嫁「……何あなた。もしかして要求してる訳?」
男「ちげーよ。お前の親のことだよ」
許嫁「あ……」
男「お前もたまに連絡とっているとはいえ、今は別々に暮らしているんだし」
許嫁「……」
男「この状況にどういう理由でなったのかは知らないが。話を聞く限り、お前の親も手放しで喜んでいるわけじゃないみたいだ」
男「こうせざるを得ないからって感じなんだろ?」
許嫁「……そうね」
男「そんなときに初めてのバイトの給料で、何かプレゼントしてあげれば少しは安心するんじゃないか。こっちの生活もそれなりに悪くないって」
許嫁「……」
男「しかもそれが、我が儘で世間知らずな、とてもバイトなんて考えられないハコ入りお嬢様からだったら効果はばつぐんだ!」
許嫁「一言余計」
男「って。お前が今の状況をどう思っているか勝手に――」
許嫁「悪くないって言ったはずよ」
男「そうか」
許嫁「だけど、そうね。そうしてみようかしら。……たまにはあなたも良いことを言うわね」
男「なにを。俺はいつでも良いことを言う。干した布団の良い匂いはダニの死骸と聞くことがあるが、実はそうでもないらしいぞ」
許嫁「どうでも良いことね」
今日は以上です。短くてすいません。
ギリギリまで伸ばして本当に申し訳ありません…
なんとなくですが、終わりのカタチがようやく見えてきましたので、今後は更新のスパンを短く出来る、と思います。
最悪でもエタることだけは回避するつもりです。。
次の更新は今週末までには……(希望)
重ね重ね、ここまで更新が伸びて申し訳ありませんでした。では。
ギリギリまで伸ばして本当に申し訳ありません…
なんとなくですが、終わりのカタチがようやく見えてきましたので、今後は更新のスパンを短く出来る、と思います。
最悪でもエタることだけは回避するつもりです。。
次の更新は今週末までには……(希望)
重ね重ね、ここまで更新が伸びて申し訳ありませんでした。では。
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