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    元スレ京太郎「新入部員が」ムロ「私だけ!?」

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    みんなの評価 : ★★★×6
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    401 = 1 :

      「ハイ、オッケーでーす。お疲れ様でしたー」


    恒子「んっんー終わったー!」

    健夜「思ってたより早く終わっちゃったね」

    恒子「そうだねー。それでどうする?まだお店も開いてないよね」

    健夜「他の人達もまだだろうし、どこかで暇潰してようか?」

    恒子「それじゃあさ、カラオケでも行かない?」

    健夜「そうだね。それにしてもカラオケなんて久しぶり……あ」


    健夜「……ちょっと待って、赤土さん今来れるって」

    恒子「じゃあ赤土プロとは先に合流しちゃおっか」

    健夜「それじゃメールしとくね……それでどこのカラオケ行く?」

    恒子「駅前のアーケードのでいいんじゃない?」

    健夜「うん、わかった」



    カラオケ店


    健夜「あ、来たね」

    晴絵「どうも、お待たせしました」

    健夜「ううん、別に待ってないですよ」

    恒子「それじゃ先に入っちゃいましょうか。他の人はまだ遅れるみたいですし」

    402 = 1 :

    晴絵「東東京の地区予選はかなり早めに終わったみたいですね」

    健夜「そうですねー、やっぱり臨海女子が頭ひとつ抜けてて……」

    健夜「また大会規則が追加されるんじゃないかぐらいの強さでした」

    晴絵「はは……でも、それはそれでまた躱されそうですけどね」

    健夜「あんまり規則で縛っても他の学校にも影響しますからね」


    恒子「それじゃ行きましょうか、401号室です。あ、ドリバでよかったですか?」

    晴絵「はい、大丈夫です」

    恒子「すこやん、コップ持って?」

    健夜「あ、うん。恒子ちゃん何飲む?」

    恒子「すこやんにおまかせで!」

    健夜「わかった……それじゃあ」


    ピッ


    晴絵(えっ何あの何も書かれてないボタン!?)

    403 = 1 :

    晴絵「あの、なんのボタン押したんですか……?」

    健夜「これ炭酸水ですよ。前に風越のコーチさんが発見したのでやってみたくて」

    晴絵「そうなんですか……でも味しない上にカラオケで炭酸って……」

    健夜「まぁちょっとお返しの意味もあるんですけどね」

    晴絵「お返し?」

    健夜「うん。いつも恒子ちゃんにドリンクバー任せると」


    健夜「なんか変な色になるんです……」

    晴絵(色?)



    401号室


    恒子「それじゃ順番は適当で、先に決まった人から入れていいですよね」

    晴絵「はい。さて、何歌おっかなぁ」

    健夜「カラオケ久しぶりだから……声出るかな?」

    404 = 1 :

    晴絵「お二人はよく行かれるんですか?」

    健夜「そうですね、たまに」

    恒子「赤土プロは?」

    晴絵「プロ入りしてからは全然……阿知賀の監督やってた時は麻雀部の子達と行ったりしてましたけど……」

    晴絵「……」

    恒子「え、なにどうしたんですか!?」

    晴絵「あ、いや、ちょっと……」


    晴絵「その子達と一緒にカラオケ言った時の話なんですが……」




    1年前 阿知賀 カラオケ店


    『あの すばーらしい あーいーをー もういーちーどー』

    穏乃「うわぁ宥さんめっちゃ上手!」

    晴絵「それにしても、よくこんな古い歌知ってたね」

    「ウチの旅館で、たまにお客様にリクエストされて歌う時があるんだ」

    「演歌・歌謡曲からアイドル・アニソンまで、松実姉妹におまかせあれ!」

    405 = 1 :

    「宥姉の声質だと、しっとりとした曲とか合いそうだよね」

    「バラードとかいいと思……」

    「ふぅ……」

    穏乃「宥さん、凄く上手でした!」

    「ありがとう穏乃ちゃん、じゃあ次は玄ちゃんだね」

    「私はコレにするよ!」

    晴絵「おっ、オアシスか。まぁコレも有名だもんね」


    「ハルちゃん」

    「あぁ~ハルエ、あのさ」

    晴絵「ん、なに?」


    「今『オアシス』じゃなくて『オエイシス』って言うんだよ」

    晴絵「え?お、おえ?」

    406 = 1 :

    『So Sally can wait~』

    『she knows its too late as ウワー オーキナーオパーイ~』

    穏乃「……ん?」

    「穏乃ちゃん?」

    穏乃「いえ……」



    晴絵「え、おえいしす?って……」

    「今はね、oasis は オエイシスって表記・発音されるんだよ」

    晴絵「ナニソレ!?オアシスはオアシスでしょ!?」

    「うーん、そうなんだけどね……」

    「それがネイティブに近い発音らし……」

    晴絵「なんだよソレ……」

    「でも若い人は普通にオエイシスって言ってるよ?」

    晴絵「わか……!?」

    「あ」

    407 = 1 :

    『So Sally can wait~』

    『she knows its too late as うわ~ 大きなオッパイ~』

    穏乃「……んん!?」

    「穏乃ちゃん?」

    穏乃「い、いえ……」



    晴絵「私はまだアラサーじゃない!」

    「いやこそまで言ってないから!」

    「ハルちゃん落ち着いて……ほ、ほら、次ハルちゃんの番だから曲選ばないと」

    晴絵「そ、そうか。そうだね……じゃあ何でいこうかな」


    晴絵「……」


    晴絵「矢井田瞳って知ってる?」

    「え……うーん?」

    晴絵「知らない?ヤイコだよヤイコ!?」

    「あ、aikoじゃなく……?」

    408 = 1 :

    晴絵「じゃ、じゃあ大塚愛は?さくらんぼ!」

    「ああ、それなら知ってるかも」

    晴絵「よし、じゃあ……」

    「ハルちゃんそれ歌うの?」

    晴絵「……やっぱ似合わないかぁ」

    「い、いや別にいいと思……」


    晴絵「倉木とかどう?コナンのOPだし、知ってるでしょ」

    「TRY AGAINよね」

    晴絵「え……Secret of my heartじゃなくて?」

    「え」

    「え」

    晴絵「ナニソレ怖い」





    晴絵「……って事がありまして」

    健夜「ジェネレーションギャップ……!」

    409 = 1 :

    恒子「ま、まぁ一回り違うんですからしょうがないですよ」

    晴絵「そうなんですけどね、でも実際やられると……」

    健夜「それで、何歌ったんですか?」

    晴絵「結局ランキングから歌えるのをいくつか見つけまして」

    晴絵「ここに載っている曲なら若い子でも知ってますしね」


    健夜「なるほど」

    晴絵「小さな恋の歌とか残酷な天使のテーゼとか」

    健夜「ああ、エヴァンゲリオン」

    晴絵「でも、今の子的にはエヴァといえば宇多田ヒカルだそうですよ」

    健夜「え?ヒッキー!?」

    恒子「ブフォッ!」


    健夜「こーこちゃん!?」

    恒子「す、すこやん!イマドキ……今時ヒッキーとか誰も言わないよ!?」

    健夜「え、えぇ!?そうなの?」

    健夜(チラッ)

    晴絵「ええ……あんまり聞かないかなーって」

    410 = 1 :

    健夜「そ、そうなんだ……」

    晴絵「えーと、最近エヴァの劇場版が作られまして、そのテーマソングを担当したらしいんですよ」

    健夜「へぇ……」


    ガチャ


    「どうも~いやぁ遅れちゃってすみません」

    えり「こんばんわ」

    恒子「あ、三尋木プロ」

    晴絵「こんばんわー」

    「んん、この雰囲気なに?わっかんね~」

    恒子「今すこやんがジェネレーションギャップに打ちのめされてたところです!」

    健夜「ち、違うよ!?赤土さんでしょ!?」

    晴絵「うぅっ!」




    「ふ~ん、なるほどねぃ」

    えり「カラオケで年齢差は如実に出ますからね……」

    411 = 1 :

    恒子「三尋木プロはカラオケでなに歌うんですか?」

    「ん~、私は流行唄とか疎いからね。古いよ?みずいろの雨とか歌っちゃうよ~」

    健夜「うわ、それ私のお母さん世代だよ」

    えり「でも意外と似合うと言いますか」

    晴絵「着物ですしね、ビジュアル的にも演歌もいけそうですよね」

    「いやーそう?照れるねぃ」


    「んじゃあ、えりちゃんリクエスト聞いてくれる?」

    えり「何がじゃあなんですか……」

    「これ歌える?」

    えり「あー、まぁメロディはうっすらと覚えてますけど……」

    えり「イントロ聞いたら思い出すかもしれません」

    「オッケー?なら入れるよ」


    晴絵「あ、ヒステリックブルー」

    健夜「なつかしいなー」


    えり『こういう夢ならもういーちーど 逢ーいーたーいー』


    「うはぁ、えりちゃん上手いねー!」

    412 = 1 :

    恒子「さっすが、声のお仕事してる人は違うなぁ!」

    健夜「こーこちゃんもだよね!?」


    えり『授業よりも 食事よりも もーっと大切ーなコト……!?』


    健夜「あ」

    恒子「あ」

    晴絵「あ」

    「ふふん」


    えり『あ、あたしー うたが好きー!』


    「うっはぁー!えりちゃん大胆ー!」

    晴絵「狙ってましたね、コレ」

    健夜「確実だね」

    「いやぁ照れるねぃ!」

    恒子「きゃー!先輩ダイターン!」

    健夜「のっかってるとあとで怒られるよ……?」

    413 = 1 :

    居酒屋


    えり「さっきは辱めを受けました……」

    「いやぁよかったよ~あははっ」

    健夜「う、うん。歌も凄く上手だったし」

    恒子「そうですよー。それじゃ、飲み物揃いましたね?」

    晴絵「はーい」

    恒子「ではここで小鍛治プロに乾杯の音頭を」

    健夜「えっ!?私……?」

    「おねがいしまーす!」

    健夜「え、えーと……では僭越ながら」


    健夜「今年もインターハイの季節がやってきまして、皆さんも色々忙しくなってくるとは思いますが」

    健夜「プロ麻雀業界におきましては、また続々と有望な新人が入ってきて、まだまだ自分も精進せねばと思う次第でございます」

    恒子「すこやん長いよ」

    健夜「頼んでおいて!?……えー高校生も、もちろん頑張っていますので私達も負けずに頑張りましょう!」

    恒子「やっぱり若い子にキビシイ!」

    健夜「そ、そういうんじゃないよ!もう……それでは、乾杯!」


    「カンパーイ!」

    晴絵「乾杯!」

    えり「乾杯」

    恒子「乾杯!んっんっ……ぷは~!」

    414 = 1 :

    今日はここまで
    プロアナ達の夜は続く……

    哩さんとかお酒強そうですよね
    羊先輩ラム酒出したらどんなリアクションするのか気になる
    今日は黒ビール飲みました。ねむい

    416 :



    カラオケは知ってる歌が合わないとキツい……

    417 :

    乙!
    >>1も豊音の刃牙スレ見てるな!?

    418 :

    こんばんわ
    カラオケ独特の探り合いみたいな空気なんなんでしょ
    自分のイメージを守りつつ相手の知ってそうなアーティストを考慮しつつ……みたいな

    >>399
    まちがい 1日前
    ただしい 2日前
    >>417
    何の事かと思って見に行ったら……モロ被りでしたね!

    投下します。今日は短いです

    419 = 1 :

    居酒屋


    健夜「もう、最初から飛ばし過ぎだよ?」

    恒子「今日も元気だビールがうまい!」

    健夜「こーこちゃんはいつも美味しいんだろうね」


    晴絵「やっぱり三尋木さんは日本酒なんですね」

    「ご期待に添えたちゃったかな?」

    えり「まぁ着物ですからね」

    「いやぁでも今ドラマやってんじゃん。ウイスキーの」

    「大正ロマンって感じでさ、逆に似合うんじゃね?知らんけど」

    晴絵「そう言われるとそんな気もしますね」

    えり「実際、日本酒以外にも色々飲みますからね」

    「そう言えばさぁ、輸入ビールが揃ったいいお店見つけたんだよ、今度行かない?」

    えり「一杯目も空けずにもう次ですか!?」

    420 = 1 :

    晴絵「はは、三尋木さんは明日も解説のお仕事でしょうし、ほどほどに……」

    健夜「咏ちゃんは西東京の解説だっけ。今日の団体戦はどんな感じだった?」

    「んっふ~、やっぱ白糸台は強いねぃ。特に2年のダブルエース!」

    えり「松庵女学院も健闘していたんですけど、及ばずでした」

    晴絵「夏・春のチャンピオンが揃ってますからね……」


    「そういやチャンピオンで思い出したけど、今年本選の解説するらしいよ、宮永照ちゃん」

    恒子「あ、そうなんですか?」

    健夜「プロ1年目から解説のお仕事って凄いよね」

    えり「インターハイのイメージが強いんでしょう。結構オファーあったみたいですよ」

    恒子「インハイと言えばーでしたもんね。それにしても知らなかった……」

    「いやそれね、こないだ照ちゃんに解説の仕方教えてくれって頼まれちゃってさぁ」

    健夜「え、咏ちゃんに!?」

    えり「びっくりですよね」


    「少しくらいわっかんねーくらいが丁度いいんだよ」

    えり「またそんな事……」

    421 = 1 :

    晴絵「実は私も……」

    恒子「お!?」

    健夜「え、赤土さんも?」

    晴絵「はい、地元のローカル局なんですけどね」

    「へぇ、そりゃめでたいねぃ。ささ、どうぞどうぞ」

    晴絵「お、ありがとうございます。おっとっと……」

    えり「おめでとうございます。そういえば、阿知賀は今年はどうでした?」

    晴絵「それも無事、地区予選突破しました!」

    恒子「わー!おめでとうございます!ささ、どうぞどうぞ」

    「あ、こっち残り使いきってくんない?」

    ガチャガチャッ

    晴絵「どうもどうも……って溢れちゃいますよ!」

    えり「そんな我先に注ごうとしなくても……」

    健夜「ちょっとこーこちゃん!?……でも本当すごいですよね」


    晴絵「ヱビスとヱビスのカクテルでちょっと贅沢なヱビスに……」

    「こっちのビン空になっちゃった」

    恒子「最初に2本頼んでおいて良かったですね」

    健夜「それカクテルって言わないよ」

    422 = 1 :

    恒子「店員さん呼んで少し片づけてもらいましょうか」

    「ついでにつまみ追加しようぜぃ」

    えり「メニューどうぞ」


    恒子「すこやん何飲む?」

    健夜「なにしよっかなぁ……じゃあカシス・オレンジで」

    恒子「女子か!」

    健夜「女子だよ!?」

    恒子「アラサーか!」

    健夜「アラフォーだよ!!」


    健夜「……あ、違う!」

    店員「あの、空いた皿お下げします……」


    健夜「ああぁぁすいません、お願いします……!」

    「ついでに注文いいですかー?」


    健夜「もぉぉぉぉぉ……」

    晴絵「……どうぞ。お豆腐とアボカドのサラダ、美味しいですよ?」

    423 = 1 :

    健夜「こーこちゃんのせいだよ!」

    恒子「引っかかったすこやんが悪い」


    えり「それにしても阿知賀も強いですね。流石昨年のファイナリスト」

    晴絵「子供たちが頑張ったおかげですよ」

    晴絵「それに地元が盛り上げてくれましたしね。今年は個人戦にも参加するみたいです」

    「ほほう、それは楽しみだねぃ」


    晴絵「実は、阿知賀の予選突破は私もさっき知ったんですけどね」

    晴絵「教え子がメールで送ってくれて、あった、コレ皆の写真」

    恒子「おお!」

    えり「へぇ、メンバーの顔ぶれは去年とあまり変わってませんね」

    「あはは、ドラゴンロードちゃんのこのドヤ顔!」

    健夜「そうだね、去年は3年生が一人だけだったし……あれ?」



    健夜「なんでこの子が?」

    晴絵「ああ、今年阿知賀に転校してきたんです」

    「ふぅん、そうなんだ」

    424 = 1 :

    駅前


    健夜「それじゃ今日はこれで解散と言う事で」

    「ほーい!」

    晴絵「お疲れ様でした。気を付けて帰って下さいね」

    えり「はい、それでは。ほら三尋木プロ行きますよ」

    「はっはっは~!」

    えり「では、お疲れ様でした」

    「じゃあねぃ~」

    恒子「お疲れ様でーす」

    赤土「それじゃ、私ホテルこの近くなんで」

    健夜「はい、お疲れ様でした」



    恒子の部屋


    恒子「すこやん、お風呂入らなくていいの?」

    健夜「うん、眠いし朝に入るよ」

    健夜「それじゃ、おやすみ」

    恒子「おやすみー」


    健夜「……」

    恒子「……」


    ピピピ


    恒子「あ、バッテリー切れか」

    健夜「もう!寝顔は撮っちゃ駄目って言ったよね!?」

    425 :

    ん、和は阿知賀行ったぽいな?

    426 = 1 :

    今日はここまで

    お酒を飲む機会も多くなると思いますが、皆さんほどほどに
    お酒を飲む機械になってはいけません

    429 :


    まさかジェネレーションギャップが偶然だったとは

    >>425
    だねぃ

    430 :

    てっきり東京だと思ってたわ

    431 :

    おつ

    432 :

    こんばんわ
    クリスマスと言えば、コンビニで一人でケーキ買ったんですが店員さんが気を利かせてフォーク2つ付けてくれたという思い出があります
    わざわざ予備を付けてくれるなんて優しい店員さんだなぁと思いました

    投下します。長めです

    433 = 1 :

    地区代表選出インタビュー
    第72回全国高等学校麻雀選手権大会
    長野地区代表 女子個人戦第2位
    清澄高校1年 室橋裕子


    記者:まずは全国出場おめでとうございます。

    室橋裕子(以下ムロ):ありがとうございます。

    記者:今の心境を聞かせて下さい。

    ムロ:あの日の事を思うと今でもドキドキします。まだ少し実感はありませんけどトロフィーや写真を見ると本当にやったんだなって思います。

    記者:周囲の反応はどうでした?

    ムロ:クラスの皆や今は遠くに居る先輩方からも電話もらったりお祝いしてくれました。

    記者:先輩というのは元清澄高校の片岡優希さんや原村和さんですね。

    ムロ:はい。中学時代からの先輩後輩の仲なんですけど(大会の)次の日には電話もらってとても嬉しかったです。

    記者:お二人とも全中王者や東風王者といったタイトルをお持ちですが、やはりその影響は受けたのでしょうか?

    ムロ:そうですね、最初は雲の上の存在の様に思ってましたけど私がまだ中学生の頃たまに清澄にお邪魔しに行く事があったんですよ。

    記者:それはインターハイの終わった後に?

    ムロ:はい、秋頃ですね。それでまた一緒に練習していくうちに、私もこの人に追いつきたいなと思うようになりました。

    記者:全国準優勝のメンバーと練習していたんですね。

    ムロ:はい。自分にとって凄く貴重な時間でした。

    434 = 1 :

    記者:その時の練習風景というのはどんな感じでした?

    ムロ:うーん、正直練習よりもおしゃべりの方が多かったですね。なんせ雀卓が一つしかないんで(笑)

    記者:そうなんですよね、意外でした(笑)

    ムロ:須賀先輩や優希先輩は問題集を解いたりしてましたね。それでノルマが終わったら卓に入るという感じで。

    記者:他のメンバーはどういった方が居たんでしょうか?

    ムロ:基本的に私、和先輩、染谷部長、それと私の後輩のマホが卓に入ってて他の二人はテキスト。

    記者:本当に少人数ですね。

    ムロ:たまに竹井先輩が来るんですけど、ゲストを連れてくる時もありました。

    記者:そうなんですか?ゲストというのは……。

    ムロ:当時の風越のキャプテンさんとかですね。逆にこちらが出向くときもあります、龍門渕とか。

    記者:他校との交流が深いんですね。

    ムロ:そうですね。人数が少ないので他所にお邪魔して練習する事が多いです。

    記者:清澄だけだと部員は3人しか居ませんからね。普段はどのように練習を?

    ムロ:顧問の熊倉先生を交えて打っています。指導してもらう時には先生が後ろについて他の誰かが二家やって……と言う感じです。

    435 = 1 :

    記者:あまり良い練習環境とは言えませんが、それでも結果を出せたのは何故だと思いますか?

    ムロ:熱心に指導してくれた先生や先輩方のおかげです。あと目標を持って諦めない事だと思います。

    記者:ありがとうございます。それでは全国大会に向けての抱負を教えてください。

    ムロ:代表に選ばれたからには良い成績を収めたいですし、応援してくれている人達の為にも頑張りたいと思います。


    記者(?):ありがとうございました。ところでコレご覧になられましたか?

    記者:大会の次の日の新聞ですね。

    ムロ:う……ご覧になりましたけど……。

    記者(?):インハイの記事が大きく取り上げられていますが……お、室橋さんの写真も載っていますね。

    ムロ:そーですね……。

    記者(?):よっぽど嬉しかったんですね、もう涙ボッロボロ出てますよ?

    ムロ:それ皆にも言われましたよ……ムロ泣きすぎだじぇ!って。

    記者(?);ちなみにネット版だと無駄に高い解像度で閲覧できます。

    ムロ:うっそおぉぉ……マジですか……あ、それで和先輩なんか笑い堪えてる感じだったんだ……。

    436 = 1 :

    清澄高校 麻雀部部室


    京太郎「世界中に泣き顔晒した訳ですが、それについてどう思いますか?」

    ムロ「そうですね、まず目の前のニヤケ面して煽ってくる先輩をなんとかしたいですね……!」

    ムロ「仲間が増えたのがそんなに嬉しいですか?」

    久美子「あはは……ウチの記事ではちゃんとした写真使うからね?」

    ムロ「ホント願いします……」

    まこ「まぁ鼻水は出とらんかったしセーフじゃ」

    ムロ「セーフかなぁ?」


    トシ「愛嬌あっていいじゃない」

    ムロ「イヤですよぅ……もっとこう、南浦さんみたいにキリッとしてたいです!」

    京太郎「ふふふ……もう遅い」

    ムロ「まぁダル顔ピースで1面飾った先輩には負けますけどね」

    京太郎「ぐぬぬ……」

    437 = 1 :

    京太郎「はぁ……最初は可愛げがあったのに入部して2ヶ月たった今では……」

    ムロ「先輩がおちょくるからですよ」

    久美子「へぇ、室橋さんが清澄に来た頃ってどんな感じだったの?」

    京太郎「そうですねぇ……」



    1年前 初秋 清澄高校 麻雀部部室


    京太郎「ようこそ。清澄高校麻雀部へ」

    ムロ「あ、お、お邪魔しまs
    優希「おお!よく来たなお前たち!」

    京太郎「うおっいきなり突進してくんじゃねぇ!」

    マホ「来ちゃいましたー」

    まこ「おっ来たのう、未来の麻雀部員」


    「いらっしゃい。ムロ、マホちゃん」


    「紹介します。高遠原の後輩の……」

    ムロ「む、室橋裕子です。3年です」

    マホ「2年の夢乃マホです!」

    京太郎「清澄高校1年の須賀京太郎だ、よろしくな」

    438 = 1 :

    京太郎「俺以外は皆知ってたのか」

    まこ「インハイ前の四校合同合宿にも来とったからのう」

    京太郎「ああ、俺は行けなかったもんな……」

    「し、仕方ありませんよ……」


    マホ「うわぁ、すごく広いです。マホびっくりしました!」

    ムロ「教会みたい……。ステンドグラス綺麗……」

    優希「ふふん。そうだろうそうだろう」

    京太郎「なんでお前が自慢げなんだ」

    「でも自慢したくなる気持ちもわかります。きっと他の学校にはないでしょうし」

    「あったとしても、そういう場所で麻雀はしないと思いますし」

    まこ「ほんにキリスト教の学校でもないのに不思議じゃのう」

    優希「清澄七不思議だな!」

    マホ「ええ!?」

    京太郎「なんか一気に怪しいスポットになったぞ」

    439 = 1 :

    マホ「ここで皆さん、いつも麻雀を打ってるんですね」

    ムロ「卓が1台だけ……ホント最小限の設備ですね」

    優希「雀卓の性能の違いが戦力の決定的な差ではないんだじぇ!」

    まこ「そりゃそうじゃ」

    「基本的にはそうですね。そこのPCでネト麻をする事もあります」

    京太郎「ちなみに合宿の時は宿泊施設までその自動卓とPCを持ってったんだ」


    京太郎「俺が」


    優希「流石使える犬だじぇ!」

    ムロ「え、これを?」

    京太郎「ああ」

    まこ「いやぁホンマに感謝しとるわー」

    440 = 1 :

    京太郎「四校合同の時は龍門渕さんトコで用意してくれたんだけど……」

    京太郎「まさか東京にまで持ってくとは」


    京太郎「持たされるとは」


    ムロ「それはそれは」

    マホ「御苦労さまですー」

    京太郎「本当にな」

    優希「よし、それなら私がねぎらってやるじぇ!京太郎、口を開けろ!」

    京太郎「は?なnコポォ!」

    優希「褒美のタコスだじょ」

    「ちょ、ちょっと優希……」

    マホ「タコスぢからです!」

    ムロ「いやいや」

    441 = 1 :

    京太郎「褒美って、コレ俺が作ったやつだろ」

    ムロ「須賀先輩って料理出来るんですか?」

    京太郎「まぁな。最初はコイツがねだるからタコス作ってやって、そこから色々とな」

    優希「タコスに関しては免許皆伝の腕前だじぇ!」

    まこ「タコス以外の料理もなかなかでの、わしの店でも出したいくらいじゃ」

    「もしかしたら、この中では一番料理が上手かもしれませんね」


    マホ「須賀先輩すごいです!マホは全然お料理できないです!」

    「そんなに堂々と……」

    京太郎「いや、ホントそんなでもないぞ?」

    ムロ「なにか上達する秘訣とかあるんですか?」

    京太郎「うーん、俺自身はそんなこと考えた事ないな……やっぱり教えてくれる先生が良いからかな」

    ムロ「先生?」

    京太郎「ああ。実は龍門渕さんとこの執事の人に教わってるんだよ」

    京太郎「あの人なんでもできるんだ」

    マホ「マホ知ってます!黒くて背の高い人です!」

    京太郎「ハギヨシさんっていう人なんだけど、教え方も上手くてな」

    「私のエトペンも直してもらいました。本当に感謝してます」

    442 = 1 :

    優希「良い師に出会えてよかったな!」

    京太郎「そうだな。料理でも麻雀でも、良い先生に恵まれて俺は幸せだよ」

    優希「え、なんだ急に……そ、そんなにストレートに来られると、流石の私でも照れるじぇ……」

    京太郎「優希以外のな!」

    優希「な、なにーー!!」


    優希「どういう事だキサマッ!」

    京太郎「いや、お前の言ってる意味全然わからんし。東場で風を感じるんだって言われてもわからんし」

    京太郎「タコス食ってもダブリー出来ないし」

    優希「それはお前のタコスぢからが足りないからだ!」

    京太郎「ですってよ、和さん?」


    「……優希?」

    優希「うぇっ……」


    「いつも言っていますけど」

    「そんなものは牌の偏りや偶然が重なったケースです」

    「たまたま東場で調子のいい時のシーンが記憶に強く残ってるだけですから」


    「そんな」

    「オカルト」

    「ありえません」


    優希「うぅ…」

    「全く、あなたは……」

    443 = 1 :

    「あなたはやればできる子なんです」

    「インターハイでもエースポジションの先鋒を任されて、全国の強豪と戦ってきたじゃないですか」

    「1年生でありながら上級生相手に一歩も譲らず、気持ちも負けず」

    「私達を引っ張っていってくれましたね」

    優希「のどちゃん……」

    「最初の合宿ではまともに点数計算もできなかったあなたなのに」

    「今ではすっかり頼もしくなりましたね」

    優希「うぅ……の、のどちゃ……」


    「ですから」

    優希「う?」


    「今日は更に、いつもより上を目指しましょうか」

    優希「ふぇ?」

    「それでは今日はこの『期待値で切れ!超上級向け何切る問題集イグゼクス アクセントコア』を使いましょう」

    優希「げえぇええ!!そ、それは……!」

    「優希はやればできる子ですからね。もっともっと勉強して南場でも集中力が持続できるようになりましょう」

    「大丈夫。優希ならすぐにマスターできます、いやさせますから。うふふ」

    優希「じぇ、じぇ、じぇええぇぇぇぇ!!」

    444 = 1 :

    まこ「ええか、あれが飴と鞭っちゅーやつじゃ」

    京太郎「落として上げて、相手がガードを解いたところにズドンって寸法よ」

    ムロ「勉強になります」

    マホ「ムチ怖いですぅ……」


    京太郎「で、さっきの話に戻るけど、わざわざ自動卓持ってかなくても良かったと思うんだ」

    まこ「それまだ続いとったんかい」

    京太郎「続きます。それがですね、俺、他の学校の人に聞いたんですよ」



    京太郎「自動卓のレンタルってあるって」

    まこ「ああ~」

    マホ「ええ!?」

    ムロ「え、雀卓ってレンタル出来るんですか?」

    京太郎「うん、出来るみたいだ。ってか染谷部長そのリアクションは知ってましたね?」

    まこ「ああいや……言われてみりゃあ、そういえばそんなんあった気がするのう」

    445 = 1 :

    まこ「いやでも、やっぱそれなりにするんじゃないか?」

    京太郎「業者に知り合いが居て、しかも自分で運んで設置したからだいぶ安くなったわーって」

    京太郎「レジェンドが言ってました」

    まこ「レジェンドェ……」


    まこ「阿知賀って、あの人らってやたら高そうなトコに泊まってたじゃろ。ようそんなとこケチるのう」

    京太郎「卓のレンタル料はレジェンドの自腹だったみたいです」

    まこ「ええー」


    晴絵『急にドラゴン復活の儀式で必要になってね。でもこっちも色々入り用があるし困ってたんだけど』

    晴絵『やっぱ持つべきものは人脈だよね!業者に知り合いが居てさー、すっごい安い値段で貸してくれて助かったよ』

    晴絵『実は今度プロ入りするんだけど、そこも知り合いの人が紹介してくれたんだ。ホント、コネって大事だよねー』


    京太郎「って」

    まこ「いやコネを作るのは大事じゃが……なんかイメージ変わったのう」

    ムロ「あの、レジェンドって?」

    京太郎「ああ、阿知賀の監督の赤土晴絵さん。地元だと阿知賀のレジェンドって呼ばれてんだってよ」

    京太郎「インターハイの団体戦終わった時に阿知賀の人達が遊びに来てさ、その時にな」


    ムロ「へぇ」

    446 = 1 :

    京太郎「まあ、実際すごい人なんですけどね……」

    まこ「コネとか使えるのは、そこは本人の人徳あっての事じゃしな」

    京太郎「そういえば部長も結構コネ持ってますよね」

    まこ「ああ、あいつは人を取り込むのが上手いっちゅーか」

    マホ「マホもあんな素敵なお姉さんになってみたいです!」

    ムロ(ムリダナ)

    まこ「……タラシっちゅーか」

    京太郎「身も蓋もない」


    マホ「合宿にお邪魔できたのも竹井先輩のおかげです!」

    まこ「そういやそうじゃった。久が和のインターミドルの時の牌譜を調べてて、そこで見つけたのがマホじゃったな」

    ムロ「へぇ、そこまで調べるものなんですね」

    まこ「普通は調べんよ。じゃがそういうところに何かあると思うのが久らしいというか」

    447 = 1 :

    優希「うじゅじゅあぁ……」

    まこ「だいぶやつれたのう」

    京太郎「おう、お疲れ」

    ムロ「お疲れ様です」

    マホ「おつかれさまですー」

    優希「じょ、じょ、じょ……」

    マホ「じょ?」


    優希「ジョニィが来たなら伝えてほしいじぇ……2時間待ってたと……」

    「よくそんな古い歌知ってますね」


    京太郎「今、お茶淹れてくるから待ってろ」

    ムロ「あ、私も手伝います」

    京太郎「おう、サンキュ。それで何飲みたい?」

    優希「甘~いのがいいじぇ……今、私の脳は糖分を欲している……」

    「私はなんでもいいです」

    まこ「わしもおまかせで」

    マホ「マホもおまかせします」

    京太郎「わかりました」

    448 = 1 :

    京太郎「それじゃコレ使うか」

    ムロ「なんですか?」

    京太郎「キャラメルティー」

    ムロ「キャラメルですか」

    京太郎「といっても、使うのは普通のティーバッグなんだけどな」

    京太郎「茶葉に香りが付いてるんだ」

    ムロ「へぇ」

    京太郎「疲れてる時は甘いものを食べるのもいいけど、嗅覚で甘味を感じるのも大切なんだ」

    ムロ「なるほどそういう事ですか、アロマ的な」

    京太郎「そういう事です、悪いけど牛乳温めておいてくれるか?」

    ムロ「はい」

    京太郎「ちゃんとカップも温めておいてっと」

    ムロ「抜かりないです」

    449 = 1 :

    ムロ「……それにしても手慣れてますね。いつもお茶汲みしてるんですか?」

    京太郎「まあな。それにハギヨシさんから手ほどき受けてるらな」

    ムロ「そうなんですか。でも、これからはお茶淹れる事も少なくなりますね」

    京太郎「え?なんで」

    ムロ「来年、私清澄に行きますから。上級生にお茶を運ばせるわけにはいきませんよ」

    京太郎「別に気にしなくてもいいのに」


    ムロ「だって、次は先輩の番でしょう?」


    京太郎「え?」

    ムロ「他の先輩達が言ってましたよ?今まで雑用させてばっかりだったから、これからは須賀先輩がいっぱい麻雀出来るようにするって」

    京太郎「おお……」

    ムロ「ですからソレ、私にも手伝わせて下さい」

    京太郎「室橋……」

    ムロ「『ムロ』でいいですよ。皆そう呼んでます」

    京太郎「そっか、じゃあ頼むよ。ムロ」

    ムロ「はい、任されました」

    450 = 1 :

    ムロ「お待たせしました」

    まこ「お、すまんのう」

    マホ「わぁ、甘い香りがします」

    「ホントですね。ほら、優希起きなさい」

    優希「んぅ…………クンカクンカ……おおぅ!」

    京太郎「ほら、ミルクと砂糖」

    優希「たっぷりたっぷりだじぇ!」

    京太郎「はいはい」

    「ん、良い香り。ほっとしますね」

    優希「ぷはぁ。ぶっ生き返ったじぇ~」

    マホ「おいしいです!」


    まこ「さて、せっかく来たんじゃ。打ってかんか?」

    京太郎「そうだな、どうだ?」

    ムロ「はいそれではお願いしちゃいます」

    「さ、優希。早速成果を見せてもらいますよ?」

    優希「もうちょっとゆっくりしてたいじぇ……」


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