元スレ京太郎「新入部員が」ムロ「私だけ!?」
SS+覧 / PC版 /みんなの評価 : ★★★×6
51 = 1 :
>>50
ネイティブだー。ありがとうございます。参考にしますね
方言に馴染みがないと機械翻訳しても、ん?ってなる
博多弁で「無理」→「こまめちゃん」になって誰だよって思いました。これ本当に使うんでしょうか
21時頃に投下予定
風越で麻雀打ったりご飯食べたりする話です
52 = 1 :
久保「それじゃあ、対局が終わったところから昼休みに入れ!」
風越部員's「ありがとうございました」
「ございましたー」
「やっと昼休みだよ」
「腹減ったァ。点棒も減ったァ……」
まこ「お疲れさんでした!」
ムロ「ありがとうございました……ふぅ」
まこ「おう、お疲れさん」
ムロ「あ、はい。お疲れ様です」
トシ「二人とも、昼食は食堂が開いてるからそこで食べる事にするよ」
久保「おい、誰か案内頼む」
風越部員「はい、あ、どうぞこっちです」
トシ「それじゃ行こうか」
ムロ「はい」
久保「牌譜まとめたか?」
未春「はい、今持っていきます」
深堀「これです。こっちが染谷さんでこっちが室橋さんの」
池田「1軍メンバーは集合するし!」
文堂「はい!」
53 = 1 :
食堂 券売機前
ムロ「流石名門風越。食堂のメニューも多いですね」
まこ「関係あるんかい……しかしこがぁ多いと迷っちまうわ」
トシ「うん、ドリンクも充実してるね!」
ムロ「あ、レディースランチ発見」
まこ「ここにもあったんか」
トシ「そういえば、京太郎がよく頼むわね」
ムロ「なんであんなに好きなんでしょうね」
まこ「前聞いたら品数多くて色んなおかずが食べられるからっちゅーとったわ」
まこ「普通の定食じゃ物足りんのじゃろ」
トシ「最近の男の子は皆そうなのかねぇ。男の食事といったら昔は塩っ辛い新巻鮭で白米を沢山食べるって感じだったけど」
まこ「ありゃあ京太郎だけですよ。基本男子でレディースランチ頼んどるのはあいつだけですし」
ムロ「あぁ、フリーパス……」
トシ「フリーパス?」
54 = 1 :
まこ「インターハイ終わった後、学校で祝賀会開いてもろうたんですけど」
まこ「京太郎も雑用やらなんやらでメンバーを支援したって事でレディースランチ専用フリーパスっての贈呈されたんですわ」
ムロ「唯一それを持ってる者が、男子だけどレディースランチを注文できるという須賀先輩以外誰得なチケットです」
トシ「そんなの貰ってたのね。でも、それくらい他の女子に頼んだらいいじゃない」
まこ「前は咲が代わりに買っとったみたいで」
トシ「ああ、なるほどねぇ」
トシ「でもなんだかそれはそれで損してるんじゃないかしら。男の子的に」
まこ「わしもそう思うんけど本人はどうなんじゃろ。ソッチ方面はあんま気にしとらんみたいで」
トシ「男振りはいいんだけどねぇ。気遣いもできるし」
まこ「ムロはどう思うん?」
ムロ「え!?私ですか?え、えーと……」
ムロ「そ、そういうのはまだちょっとわかんないっていうか……」
ムロ「別に。須賀先輩は今のままでいいと思います」
まこ「ほうほう」
トシ「ふーん、これが今流行りの草食系ってやつなのかい」
55 = 1 :
まこ「じゃけどおんし、こないだ……」
ムロ「食券!!」
ムロ「買いましょう、早く」
トシ「ふふ。そうしようか、それじゃあこの話はまた今度ね」
ムロ「ええ~」
まこ「クックック……諦めんさい」
ムロ「ハァ……それにしても」
ムロ「風越って女子高なのになんでわざわざレディースランチなんて置いとくんですかね」
トシ「言われてみれば」
まこ「そうじゃな」
56 = 1 :
ムロ「私はカツカレーうどん定食で」
まこ「わしも無難にカレーにするかのう……ん?」
まこ「なんじゃコレ『ハーフ&ハーフカレー』?」
ムロ「何が半々で入ってるんですかね」
トシ「ハーフ&ハーフといえば、そんな名前のカクテルがあるわ」
ムロ「お酒ですか!?」
まこ「いや、流石にアルコールは入っとらんじゃろ……ちょっと買ってみるかいのう」
57 = 1 :
ムロ「わぁ、思ってたよりボリュームあるなコレ」
ムロ「これは……うどんの上にカツが乗りその上にカレーがかかっていて、ご飯と味噌汁が別に付いている!!」
ムロ「うどんと味噌汁で汁物がダブってしまったな。……汁物?うどんって汁物なのか?」
まこ「結構な量じゃな。大丈夫か?」
ムロ「まぁなんとか。それで結局何がハーフ&ハーフなんですか?」
まこ「ああ、食堂のおばちゃんに聞いたところ……」
まこ「カレーとシチューのハーフ&ハーフじゃ」
トシ「それホワイトカレーじゃないのかい?」
まこ「食べてみんと何とも言えん。最低でもカレーじゃし大丈夫じゃろ」
まこ「それより先生の……なんですそれ?」
ムロ「パンと、なんかソースの入った容器に……固形燃料ですか?」
トシ「バーニャ・カウダよ」
まこ「バーニャ?」
ムロ「カウダ?」
58 = 1 :
トシ「チーズフォンデュみたいなものね」
トシ「こうやって(カチッ)火を点けて……ソースがよく温まったところでパンや野菜なんかを付けて食べるの」
ムロ「へぇ、なんかオシャレですねー」
トシ「みんな揃ったところで、頂きましょうか」
ムロまこ「「いただきま~す」」
59 = 1 :
ムロ「まずはうどんから攻めるか」
ムロ(カレーは結構とろみがあるな。カツの上にしっかり乗って、カツを持ち上げるとたっぷり付いてくる)
ムロ(味は結構あっさりしていてピリッと辛い。これならボリュームがあっても食べきれるな)
ムロ(カツの衣はうどんのつゆを吸ってシャクシャクした歯ごたえ。このつゆの濃さとカレーが調度良く合う)
ムロ(カツは豚肉。厚くて食べごたえバツグン!噛むと肉汁が溢れる!)
ムロ(このつゆが甘めなんだよね。上手くバランスとってるな)
ムロ(さて、ご飯にカツを乗っけてみよう。ミニカツカレーだ。やっぱりこれも美味しい)
ムロ(そして味噌汁。具は大根と、三つ葉が多いな。これは予想通りの薄口)
ムロ(そしてこの三つ葉が口の中をサッパリさせてくれる)
ムロ「うん。美味しい」
60 = 1 :
トシ「学食のでも結構イケるもんだねぇ」
ムロ「そうですね」
トシ「野菜は茹でてもらって正解だったね。体があったまるよ」
ムロ「染谷部長は?ハーフ&ハーフってどんな感じですか?」
まこ「そうじゃのう、なんか……」
まこ「ご飯にかけて食べるにはちょっとパンチが足らんというか」
ムロ「ああ……」
まこ「いや、ご飯にシチューかける人もおるっちゅうし、多分この組み合わせにわしが慣れてないだけじゃ。多分」
61 = 1 :
トシ「ハーフ&ハーフってカクテルがあるって、さっき話したじゃない?」
まこ「言ってましたね」
トシ「あれね、普通のビールと黒ビールを1:1の割合で作るカクテルなの」
ムロ「100%ビールじゃないですか」
まこ「わけわからんのう」
トシ「ふふ、アレはアレで美味しいし、色んな組み合わせがあって楽しいのよ」
トシ「ところで、『ギネス』って黒ビールは知っているかしら?」
まこ「まあ、名前くらいは」
ムロ「色んな世界記録を認定するギネスブックの会社ですよね」
トシ「そうそう。それで、そのギネスビールで煮込んで作ったギネスカレーっていうのがあるのよ」
ムロ「ええ~!」
まこ「ビールのカレー!?」
62 = 1 :
トシ「それがコクが出て美味しいっていうのよ。私は食べたこと無いけど」
まこ「えーでもそんなん苦そうじゃけぇ」
トシ「よく隠し味にコーヒーを入れるっていうじゃない、それと同じよ。それにギネスって見た目の割に苦味が無いの」
ムロ「ああ、他にもカレーにチョコとか入れるって聞いたことあります」
トシ「あとビール酵母で肉が柔らかくなるっていう効果もあって一石二鳥よ」
まこ「へぇ」
ムロ「ビールって凄い」
トシ「こんな話してたらなんだか飲みたくなってきたね……」
まこ「いや駄目じゃろ」
63 = 1 :
トシ「それで、どうだった?これだけの大人数相手に対局するのは」
ムロ「最初は、緊張してちょっと調子出ませんでした……」
まこ「まぁ最初じゃけえ無理もないの」
ムロ「やっぱり強豪校って違いますね。なんか、みんな相手を倒すぞって気持ちが前面に出てるっていうか」
トシ「風越は校内ランキングの順位が重要視されるからねぇ」
トシ「大人数を抱える学校に特有の競争心を煽って選手を鍛える方針だから、勝ちに貪欲なんだよ」
ムロ「でも少し面食らっただけで、決して気持ちで負けてる訳じゃないですからね!」
トシ「そうそう、その調子だよ」
64 = 1 :
まこ「今頃吉留さん達はムロの牌譜でも見て研究しとるじゃろうな」
ムロ「な、なんか複雑な気分ですね……。自分のデータを見られたり対策取られたりするのって」
まこ「もう明日には風越の麻雀部員総勢90人にムロの牌譜が見られるんじゃよ?」
ムロ「うう……!なんかムズムズしてきました」
トシ「全国行ったらもっと多くの人に見られるよ?確か高校生の競技人口は1万人だったかしら」
ムロ「うああ……!」
まこ「しかもテレビ中継もされるしのう」
トシ「視聴率40%!」
ムロ「う、うわあああああああああ!!」
ムロ「って、なんでそんなプレッシャー与えてくるんですか!?」
トシ「ちょっとした悪乗りよ。特に理由はないわ」
ムロ「えぇ……」
まこ「すまんすまん。でも、そんな深く考えんでもいいぞ?」
まこ「どうせ対局するんは自分と目の前の3人しかおらんのじゃけぇ」
65 = 1 :
まこ「そんでそれを何回か繰り返すだけじゃ」
ムロ「はぁ……気軽に言いますね」
まこ「ああ、あんまり気負い過ぎると潰れちまうけぇの。それで全力が出せんかったら本末転倒もいいとこじゃ」
まこ「期待を一身に受けて臨むのもええがの。結局、人が持てるもんなんて限られちょる」
まこ「アレもコレも持ってこうとせず、最後に一番大事なもんを持っとったら、それでええんよ」
トシ「まずムロはプレッシャーに慣れなきゃね。午後からの課題は自分の一番最適な状態を探す事」
ムロ「最適な状態……」
トシ「緊張しすぎるのもいけないけどね、適度な緊張状態は脳を活性化されるから」
まこ「緊張感を楽しめればベストじゃな」
ムロ「ベスト……須賀先輩みたいにですか?」
まこ「そうじゃな。そこいくと京太郎はその分野の極致に片足突っ込んどるの」
66 = 1 :
トシ「ムロはムロのいいようにしなさい」
トシ「世の中には一切プレッシャーを感じるどころかやる気さえ見えないような状態で打つ人間も居るんだから」
まこ「ハハハ……」
トシ「それじゃ、そろそろ時間だし戻ろうかね」
まこ「もうそんな時間か」
トシ「あ、そうそう。きっともうレギュラーに近いメンバーはすでに牌譜を読み込んでるだろうから」
トシ「そこのところちょっと意識してみなさい」
ムロ「は、はい」
まこ「早速緊張しとるのう、じゃが安心せい」
まこ「お前さんの打ち筋なんて分かったところで、まず対策は取れんけぇ」
トシ「二人ともそこが強みだね」
67 = 1 :
久保「よーし、片づけ全部終わったな!?全員集合!!」
久保「今日はお越し下さって本当にありがとうございました」
トシ「こちらこそ。こんな大人数相手に打てる事なんてまずないからね」
ムロ「本当にいい経験になりました!」
まこ「大会まであんまり時間も無いですが、お互い悔いを残さなんよう頑張りましょう」
池田「ウニャアー!今年は絶対龍門渕倒して全国行くし!個人戦でもな!」
久保「全員、清澄高校の皆さんに、礼!」
「「「ありがとうございました!!」」」
68 = 1 :
夜 駅前
トシ「じゃあね。気を付けて帰るんだよ」
まこ「そいじゃ、また明日の」
ムロ「はい、さようなら」
ムロ(……ふぅ。……ダル)
ムロ(……疲れた)
ムロ(体は疲れてるのに……でも頭は冴えてる……)
ムロ(まだ興奮してるのかな……。あと半荘2、3回は打てる気がする)
ムロ(打たないけど)
69 = 1 :
ムロ(……)
ムロ「あっ……月……」
ムロ「……」
ムロ「……あ、もしもし?須賀先輩ですか?私です。今大丈夫ですか」
ムロ「はい。今終わって帰ってるところです。先輩は?あ、先輩も……はい。今ハギヨシさんの車ですか」
ムロ「はい……はい……そうなんですか?こっちも風越の皆さんすっごく気合入ってて」
ムロ「ええ、そうなんですよ。……はい、でも私も頑張りましたよ!」
「……ええ……だって…………そう……」
「……はい……………それで……ホント……」
「え……それ……すばらです……!」
「……そうい……レディ…………あって……」
70 = 1 :
同時刻 風越女子高校
久保「染谷の牌譜は相変わらずわっかんねなァ」
文堂「まるで相手の手牌が見えてるみたいですよね。鳴いて相手の当たり牌をずらしたり要所を鳴かせたり」
未春「でも実際はその場の情報で対応してるんじゃなく、自分の記憶からイメージを引っ張ってきている……」
深堀「はい」
久保「しかもそのイメージがほぼ全ての局面で良いように適用できるってのが憎らしいな」
久保「ウチも一人くらい中国人留学生でもとりゃ良かったかね」
未春「いや、それはピンポイントすぎます」
池田「まぁ染谷に関しては有効策とれないってそれは分かってましたけどね。で、問題なのが」
池田「コイツ。新顔の室橋裕子」
71 = 1 :
久保「コイツはわかりやすいな」
文堂「異常ですよね、この放銃率の低さと和了率の高さ……。おかしいですよ」
池田「そこは置いといて……」
深堀「置いとくんですか」
池田「問題は結果じゃなくて過程だ。どうやってそんな数字を叩き出したかっていうと……」
未春「実際に打ってみても違和感あったけど……」
久保「コイツ、相手がリーチかけてもなかなかオリねぇのな」
未春「当たり牌持ってても握ったまま手変わりしてきて」
池田「うん。コレ、午後の対局のやつだけど」
久保「ああ、リーチせずに和了重視で打てって言っておいたやつだったな」
池田「はい。他家が速攻3順目テンパイしたけど流局したやつです」
72 = 1 :
久保「ダマでもおかまいなしか。」
池田「それが相手の当たり牌なら孤立するような牌ツモってきても、場に2枚切れの字牌でも絶対捨てません」
文堂「二家リーチしてても振り込まない。こんなの普通出ちゃいますよ」
久保「危険牌をビタ読みしてきやがる」
久保「それでもうひとつ異常なデータがある」
久保「コイツ、テンパイしてもまず即リーはかけねぇ」
池田「でも、たまにリーチをかける時があれば……」
久保「こりゃあまるで……」
73 = 1 :
久保「おい文堂、テメェは対局しててなんか感じ無かったか?」
文堂「いえ、なにか配牌に影響を及ぼしたりとか、ツモ牌が偏ってるとかは無かったと思います」
池田「少なくとも天江衣に似たモノではないか……」
久保「じゃ、今日は解散だ。まずは目の前の団体戦優勝に集中する事。いいな?」
風越部員's「「「はい!!」」」
池田「今年こそ絶対借りは返すし!」
久保「そういや、清澄はなんか研究とかしてたか?」
深堀「いえ、なんかビールの話で盛り上がってました」
久保「は?」
74 = 1 :
今日はここまで
風越編終了
終盤はムロの打ち筋についてでした
麻雀あんまり詳しくないけど、こんな感じで伝わったかな?
76 :
乙でした
77 :
乙です
続きに期待
79 :
今の状況になった説明っていつ頃あるんだろうなー
80 :
乙乙
時間指定しておいて狙ったように飯テロww
昼飯直後で助かった
81 :
こんばんわ
寒いですね。今日はウイスキーのお湯割りで温まります
今NHKでマッサンやってますね。その影響でウイスキーブーム来てるみたいです
それはいいんだけど、竹鶴12年もう飲めないのは悲しい……
今回は京太郎のお話。時間軸がちょっと飛んでる気もしますが気にしないでください
24時頃投下予定
以下おまけ
現在公開可能な情報
文堂星夏
風越女子高校 2年
団体戦では先鋒を務める
能力:理牌する事で発動。配牌やツモ牌に対して他プレイヤーの支配を受けているかどうかがわかる
効果範囲は自分のみ。なので他プレイヤーにどんな牌が集まっているのかは察知できない
なお、プロ麻雀せんべいカードには適応されない
文堂「この配牌(アソート)はおかしい!」
82 = 1 :
夕方 駅前
煌「それでは。ムロによろしく言っておいて下さい」
京太郎「はい、花田さんもお元気で」
哩「そいきんた、さいならばい」
京太郎「今日はありがとうございました。鶴田さんも大会頑張って下さい」
姫子「須賀君も。お互い頑張りしゅうよ」
京太郎「はい。それじゃ、俺迎えが来てますからこの辺で」
煌「はい。今日この日の出会いは本当にすばらでした!」
煌「行ってしまいましたね」
姫子「ん?先輩。須賀君の迎えってあのクルマやろか……」
哩「え、まさか。あれってリムジンやろ……始めて見たばってん」
煌「もしかして須賀君のお家ってお金持ちなんでしょうか?」
83 = 1 :
ハギヨシ「お迎えに参りました」
京太郎「どうも、ハギヨシさん。いつもすみません」
ハギヨシ「いえ。ところで、あそこにおられる女性方は」
京太郎「新道寺女子の花田煌さんと鶴田姫子さん、OGの白水哩さんです」
京太郎「なんでも長野に旅行で来たみたいで」
ハギヨシ「なるほど。新道寺女子といえば北九州の強豪校としてその名が知れられていますね」
京太郎「そうですね。噂にたがわぬ強さでした」
京太郎「彼女達みたいな実力者と戦えるなんて……本当、龍門渕さんや天江さんに鍛えてもらったおかげです。感謝してます」
ハギヨシ「そういえば、須賀さんが龍門渕にいらっしゃる様になってからもう半年以上になりますか」
京太郎「そうですね、去年の秋頃からですね。最初は竹井先輩に連れられて……」
84 = 1 :
1年前 清澄高校
京太郎「だはーー!もう無理!」
まこ「お、出来たみたいじゃの」
京太郎「やっと、遂に、終わったー!これでこんな分厚い問題集ともオサラバだぜ」
和「お疲れ様です。それにしても……まだ取り組んでから1時間も経ってませんよ?須賀君は集中力が足りてないですね」
京太郎「そんなこと言われてもなー」
京太郎「もうテキスト飽きたし」
和「基礎知識は身についてるみたいですが、まだまだです。むしろここからですよ」
優希「修行が足りん!出直してこい小僧!」
和「そういう優希も、ケアレスミスが少なくないようですけど?」
優希「げげ!」
85 = 1 :
優希「でも私は東場で稼げるからいいんだじぇ!」
和「何言ってるんですか、たまたまです。いくら東場が調子よくても南場でボロ負けしてしまっては意味がありません」
和「ホラ見てください。さっきの南2局、この手牌からだと……」
まこ「お疲れさん。随分と詰め込んどったようじゃの。ホレお茶」
京太郎「あ、染谷部長どうもです。(ズズッ)……ふぅ。もう詰め込みに詰め込んで頭パンパンですよ」
京太郎「夏休み最終日かってくらいです」
まこ「ハハハ、まぁ和も気張っとるけぇの。女に求められたらそれに応えるのが男じゃろ」
京太郎「そうなんですけどね。でも流石にこう毎日勉強勉強だとちょっと……」
和「学生の本分は勉強ですよ」
京太郎「そーなんだけどさぁ……。それにしてもなんかこう、工夫というか?」
京太郎「モチベーション維持の為にもさ、なんかないかなって」
まこ「それは大事じゃな」
86 :
和「モチベーションの維持、ですか」
京太郎「うん。マンネリ解消とも言う」
優希「タコス食うかー?」
京太郎「要らん」
優希「要らん?……いらん、イラン!ソーレッ☆ダダダダダダダダ……ココ!イラン!」
和「優希、そこはアゼルバイジャン共和国です」
87 = 1 :
「どうやらお困りのようね」
優希「なに!?」
「お茶やコーヒーを飲むと、その中に含まれているタンニンによって鉄分の吸収が妨げられるの」
「食事中や、食後すぐに飲むのは控えるべきね」
「人それを鉄欠乏性貧血という」
まこ「一応聞いといたる。誰じゃ」
久「お前たちに名乗る名前はない!」
88 = 1 :
京太郎「あ、お疲れ様です竹井先輩」
久「おひさ~。なんか最近頑張ってるみたいじゃない。エライエライ」
まこ「もう生徒会の方はええんか?」
久「ええ、もう引き継ぎも済んだから晴れてお役御免ってわけ」
久「これからしばらくは須賀君の指導に集中できるわ」
京太郎「すいません。わざわざ」
久「ううん。後輩の面倒をみるのは先輩の役目よ。貴方にはなかなかかまってあげれなくて悪かったわ」
京太郎「はは……基本雑用ばっかしてましたからね」
久「それでもずっとこの麻雀部を支えてくれた貴方にせめてもの恩返し。遠慮なんてしないでね?」
京太郎「竹井先輩……」
久「別に受験勉強に飽きて気分転換しに遊びに来た訳じゃないわよ?ホントよ?」
京太郎「ええぇ」
まこ「全く、おんしは……」
89 = 1 :
久「でも須賀君の気持ちもわかるわ」
久「私も参考書の前には30分も居られないもの。なんかイライラするのよねー」
優希「まったくもって!」
京太郎「俺より酷いじゃないですか」
和「それで受験の方は大丈夫なんでしょうか……」
久「やっぱりモチベーションを保つのは大事よね」
京太郎「なんかいい方法とかってあります?」
久「そうねぇ。私がいつもしてるのだと、チェックリストの作成とかかしら」
京太郎「チェックリストですか?そういえば大会の時も色々書いてましたね」
久「ええ。内容は試合に行く前にする事、身だしなみとかバナナを食べるとかだけど」
久「まぁ別になんでもいいのよ」
90 = 1 :
京太郎「そうなんですか?」
久「いきなり『さぁ、勉強するぞ!』って、なかなかそんな気分にならないでしょ?」
久「だからそういう比較的面倒臭いと感じない事からステップアップしていって」
久「やる気を加速させてからの状態で課題に取り組むの。行動を起こした事を目に見える形にするのが重要ね」
京太郎「なるほど。へぇ、そういう事だったんですか!」
まこ「まさかほんに有能な話するとは思わんかったわ」
和「またワイドショーとかテレビで知ったトリビアを披露するものだとばかり……」
久「え、ひどくない?」
91 = 1 :
久「でも1番いいのは環境を変える事ね」
久「ずっと同じ環境や行動してると刺激が足りなくて悪い意味で慣れてきちゃうし」
京太郎「ですね」
優希「私は毎日タコスでも全然飽きないじぇ!」
和「それは栄養面で問題があります」
久「私も学校の図書室で勉強する事が多いわ。自分の部屋だと教科書すら開けないのよね」
京太郎「わかります。俺も自室だとネットやテレビの誘惑があって、なかなか勉強する気になりませんから」
久「あと一人でしてると、どうしてもだらけちゃうわよね」
久「だから最近は美穂子と一緒に、お互いの部屋で勉強してるの」
和「なんかいいですね。一緒に勉強会って」
久「おかげで前より部屋が綺麗になったわ」
まこ「おい」
92 = 1 :
久「あとよくカフェで勉強してる人とかいるじゃない?」
京太郎「居ますね」
久「あそこも集中するのにいいみたいよ。リラックスするBGMにコーヒーのカフェイン、ケーキの糖分」
久「適度な雑音も、人によっては集中しやすいっていうわ。静かすぎると落ち着かないって言う人多いし」
まこ「ちなみに、BGMを掛ける事で他の客の話声を緩和する効果があるんじゃ」
まこ「詳しい話は忘れちまったがの、まぁ人間の耳の仕組み上そうなるっつーことで」
久「あら、お株とられちゃった」
まこ「これでも一応家が飲食店なんでな」
久「でも1番大きな理由としては、タダじゃないってことね」
久「勉強しにお店に入ったのに、そこでダラダラしてたらもったいないじゃない」
優希「ミスドならカフェオレおかわり無料だじぇ!」
和「優希、まさかとは思いますが……」
93 = 1 :
京太郎「ふんふむ。環境を変える、つまり部室以外で打てばいいのか」
まこ「うちでたまに打っとるがの」
京太郎「でも普通に部活するみたいに長時間占拠するわけにもいきませんよ」
まこ「そりゃまぁそうじゃ」
京太郎「でも常連さんと打つの気分転換になります。実際に打つ雰囲気ってネト麻じゃ無理ですから」
久「やっぱり、リアルで色んな人と打ちたいわよね。うーん……」
和「私達だとプレイスタイルを変更して鳴き重視で麻雀するくらいはできますけど」
94 = 1 :
久「そういえば、須賀君のプレイスタイルって……」
京太郎「和了効率重視のデジタルですね。師匠が根っからのガチデジ派なんで」
和「ガチデジ……」
久「そうね……それじゃあ須賀君のプレイスタイルを模索してみましょうか!」
優希「京太郎の」
京太郎「プレイスタイル?」
久「ええ、世の中には色んな麻雀を打つ人が居るわ。鳴いて速攻を仕掛けたり打点上昇を狙ったり……」
久「デジタルの知識も大事だけど結局は自分の考え、好みによる選択よ」
まこ「麻雀っちゅーのはほんに性格が出るゲームじゃからの」
久「須賀君はなにかしてみたい事とかある?」
京太郎「え、うーん。急に言われても……そうですねぇ」
久「例えば誰誰みたいな打ち手になりたいとか、こんな麻雀してみたいとか」
京太郎「えーと……漠然とですけど、やっぱり咲みたいな特殊な打ち方は憧れるっていうか、やってみたいとは思います」
95 = 1 :
久「じゃあやってみましょうか」
京太郎「え?」
和「そんなオカルト、ありえません」
久「ふふ、言うと思ったわ。こんなのもたまにはいいでしょ?色んな打ち方を経験するのは悪くないわ」
久「それに今回はいつもと違う事をしてマンネリ解消するっていう、いわば息抜きみたいなものだし」
和「まぁ、そういう事なら……」
久「じゃあ決定!今日は須賀君にオカルト能力を開発しましょう!」
京太郎「ええ!?」
優希「おお!なんか面白そうだじぇ!」
まこ「久、マジで言っちょるんか」
久「まあまあ。言ったでしょ?息抜きだって。ほんのレクリエーションよ」
久「それで、もし何かしらの能力を習得できたらラッキーってことで」
まこ「ま、それもそうじゃのう」
96 = 1 :
今日はここまで
本編に回想ぶっこむスタイル(原作リスペクト)
98 :
乙乙
正直思ってたより面白くて楽しみになってる
99 :
おつ
もう咲さんいないのか・・・
100 :
おつおつ
>>99
の割にみんな平然としてるしな…ここから更に人が減るの確定だし、一体何が起きたのか
みんなの評価 : ★★★×6
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