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    元スレ京太郎「新入部員が」ムロ「私だけ!?」

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    みんなの評価 : ★★★×6
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    801 = 1 :

    京太郎「やるか!?」

    「やらいでか!」

    「ハイ! 私もヤる!」


    まこ「残り一人、どうする?」

    「私が直々に躾け直してやってもいいが、ここは……」

    「!」ピクン


    ゴゴゴゴ


    「んっん~?」ゾクゾク

    「……なんだと」

    ムロ「っ!?」ゾワッ

    京太郎「え、何?」

    まこ「おぅ?」

    「あっれー、なんでココに居んのー?」


    「テルー」

    802 = 1 :


    ガチャ

     「……」

    「お姉ちゃん!?」

     「咲……」


    京太郎「ええ、照さん!?」

    ムロ(あ、あれが……)

    「お前どうして」

    「……」

    ムロ(宮永先輩のお姉さんで、去年までずっと王位を守り続けていた)


    ムロ(宮永照……!)

    803 = 1 :

    今日はここまで
    ブラインドシューターすみれ(19)に進化しました

    807 :

    乙です
    今日は飯テロ無かった

    809 :


    菫は相手のツモ牌を操作してるのかねぇ

    810 :

    こんばんわ
    春眠を貪ってたら随分と間が空いちゃった

    今回で白糸台編はおしまい
    投下します。長めです

    811 = 1 :

    「お姉ちゃん!?」

    「咲……」

    「なんで居んのー? なんでメガネなのー?」

    「淡……」


    (これは一体……)



    10分前 住宅街


    「この辺のはずなんだけど……」

    「もうそろそろ着いてもいいと思う」


    「なんでちょっとオシャレなお店って住宅街の中にあったりするんだろう?」

    「大通り沿いに出店してくれればわかりやすくていいのに……」

    「でも、そういう所だとお金かかっちゃうんだろうな」


    「だからって一見普通のアパートの一室で開いてるお店はちょっと困る」

    「まったくもって分かりにくい」

    「ただでさえ初めてのお店は困惑したりするのに……」

    812 :

    了解ー

    813 = 1 :

    「部屋の前に行けば看板とかプレートとか掲げてあって分かるけど」

    「2階にあるお店の場合は建物の入り口にも案内ほしいよ」

    「入ってもいい建物なのか迷っちゃう……」

    「だから隠れ家って言うのかな」

    「って、あんまり愚痴ばっか行ってもしょうがないか。ところで……」


    「ここどこ」


    「歩いても歩いても、同じような場所に見える」

    「これだから住宅街は……」

    ゴ

    「似たような区画に、似たような家」

    「そのくせ道は入り組んでて、真っ直ぐ進んでるのにいつの間にか方向が変わってる」

    ゴゴ

    「また同じ色の屋根……」

    「曲がりたくないのに丁字路に突き当たるっ……」

    ゴゴゴ

    814 = 1 :

    「こうなったら」

    ゴゴゴゴ

    「右腕を使わざるを得なっああぁぁ……!?」

    「あ、アレ……あの看板」


    「あの雀荘見た事ある……!」


    「なんで、どうしてこんなところに?」

    「ま、まぁいいや。アウェイはもう疲れた……ホームでゆっくりしたい」

    「足もいい加減に棒になりかけてるし、喉もかわいた……」

    「ついでに何人かトバしてスッキリしよう」

    ガチャ


     「お姉ちゃん!?」


    「咲……」


    (どゆこと)

    815 = 1 :

    雀荘


    (いや、落ち着け。まずは状況の把握)

    (咲と淡はいい。菫は……ひとまず置いといて)

    (隣に居るのは……)


    「京太郎君、久しぶりだね」

    京太郎「はい。お久しぶりです、照さん」

    まこ「なんじゃ、宮永照と面識あったんか?」

    京太郎「ええ、正月に帰省されてたんで、新年の挨拶に咲の家に行ったら……いらっしゃって……それで……」


    京太郎「あ、あぁ、あぁぁぁ……」

    ムロ「せ、先輩!?」

    まこ「ちょ、なにしたんじゃ!?」

    「京ちゃんにちょっと家族麻雀に参加してもらっただけですよ」

    「ナニソレすっごい楽しそう!」

    (心中察するぞ……)


    (そういえば咲が昨日言ってたっけ。あれは染谷まこ、そして先輩呼びしてたのは1年の県代表の子……だと思う)

    (顔は写真でチラっと見ただけだけど、少し印象が違うかな)


    「それで、なんでお前がここに居るんだ?」

    816 = 1 :

    「私は……咲がお世話になった人が来るって聞いたから、私も何か力になれないかと思って」

    「ふぅん? それは随分と殊勝な心掛けだな」

    京太郎「おお!それはありがたいです!」


    「あれ、でも今日は予定あるって言ってなかったっけ? 本屋行くとかなんとか」

    「いや……ああ、アレはもう済んだ。済んだ用事なの」

    「それにしても良くここに居るって分かったね?」

    「それは……」

    「サキなんて、前日に集合場所教えてもまた迷子になっちゃったんだよ」

    「も、もう淡ちゃん!」

    まこ「ホント相変わらずじゃけぇ」

    「染谷先輩まで……」


    「また? それでよく合流できたね」

    「あ、うん。途中で弘世先輩に送ってもらったんだ」

    「ドライブしてたら偶然みつけたんだよ」

    817 = 1 :

    「ドライブ……そうだったんだ」

    (……ドライブ、車、カーナビ、ナビ……)

    (これだ)


    「私は……えと、じ、じーぴーえす? を使って咲の居場所を検索した。ほらあの、スマホのやつ」

    「え、そんな事できるの?」

    「できるっ」

    (たぶん)

    「ほう、照にしては随分と機転がきいてるじゃないか」

    「にしては、は余計」

    (セーフ!)


    「それなら連絡くれればよかったのに。私だって電話に出るくらいできるよ?」

    「サプライズです。……あとプロの威厳的なのとかあるし」

    「ビックリしたー! ねえねえ久しぶりにさ、私と打とうよ!」

    「そうだ、今ちょうど一人メンツが決まらなくて」


    「早速だけどお姉ちゃん入ってくれないかな?」

    818 = 1 :

    東家:須賀京太郎
    南家:宮永照
    西家:宮永咲
    北家:大星淡


    京太郎「おおう……」

    まこ「骨は拾っちゃる、安心せい」

    ムロ「トブなとは言いません。せめて東場くらいは耐えて下さい!」

    京太郎「東場……4回耐えれば……」

    「誰かさんが連荘しそうだけどな」

    まこ「宮永照は最初の局は見に徹するけぇ、少しは生存率も上がるじゃろ」



    東一局
    親:須賀京太郎


    「ツモ。300・500」

    京太郎「話が違う」

    まこ「あっれー」

    「京太郎君の本質は前に打った時見たから」

    まこ「うーん、荒れる前に和了っときたかったの」

    ムロ「唯一のチャンスでしたね……」

    819 = 1 :

    東二局 2本場
    親:宮永照


    「ツモ。1000オールの2本場は1200オール」

    京太郎「ほら、咲か淡どっちでもいいから照さん止めろよ」

    「人任せか!」

    京太郎「オレは振らないようにするだけで精一杯なんだ……!」

    「京ちゃん……もうちょっと頑張ろうよ」

    「3本場」



    東二局 3本場
    親:宮永照


    ムロ(先輩、まだ入れない?)

    京太郎(この配牌がなぁ……照さんにも効果はあるはずなんだけど)

    京太郎(いくら早くても6巡目以降って事はそういう事だろ?)

    京太郎(生牌……誰か鳴いてくれ)


    「カン」

    京太郎(乗ってきた! ……え、カン? 咲?)

    チャッ

    京太郎(大明槓……)

    820 = 1 :

    「……」タンッ

    京太郎(ふぅ……)

    ムロ「ふぅ……」

    「いや、まだだ」

    「ポン」


    まこ「こりゃあ加速の鳴きじゃのうて」

    「カン」チャッ

    ムロ「加槓……!」

    「……」

    「あらぁ」


    「ツモ」


    「嶺上開花のみ。500・1000の3本場は800・1300です」

    京太郎(まぁ、良しとするか)

    821 = 1 :

    東三局
    親:宮永咲


    キイィィ

    京太郎(お……)

    「ほう」

    ムロ(3向聴!)

    まこ(抜けおったわ)

    京太郎(これは大事にしたい。門前で仕上げるか、鳴いてさらに進めるか……)

    京太郎(わかんねぇ……普通に打って凌げる相手か? ……いや)


    京太郎(そんなの関係ない。ここはいつもどおり、この配牌から最善の手牌を構築する)

    京太郎(……和ならそうするだろ?)


    「ツモ。300・500」

    京太郎「うぅーん……」

    まこ「あー惜しい」

    ムロ「これは和了たかったですね」


    「ん? 京ちゃんのそんなにいい手だったの?」

    「淡、お前の絶対安全圏、破られてたぞ」

    「ええ!?」

    「へー」

    822 = 1 :

    「へーって淡ちゃん、あんまり驚いてないね?」

    「なんかね、京太郎のあのカンジ、そんな気がしてたんだ」

    「でも……」



    東四局
    親:大星淡


    「これならばどうかな!?」

    ギャギャッ

    「リーチ!」

    京太郎(来たなダブルリーチ!)


    「ダブリー掛けか、これだと」

    京太郎「……」

    ムロ(5向聴に戻ってる……)

    まこ(ダブリー掛けじゃと? ダブリーする事でまた支配が強まるような言い方じゃ)


    (どうやらコレは突破できないみたいだね! まぁ京太郎程度じゃ)

    ギギギー

    (私のダブリーは……)

    「あァ?」


    「ッ……!」

    823 = 1 :

    対局結果
    1位 照「これぞ我が必殺の奥義」
    2位 淡「アレ、淡ちゃんのダブリー無双は?」
    3位 咲「さすが宮永プロ、なんてね」
    4位 京太郎「ハコったぁ……」


    「うあ~終わっちゃったぁ!」

    「淡……?」

    「京太郎がトバなかったら私が……んぅ?」

    「奥の手は、あまり簡単に見せびらかさない方がいいよ」

    「うっ」

    (えっお前は?)

    「それに、カドが遠い時に狙うのは危ないって言ったよね?」

    「うぅっ」

    (お前さっきギギギーって……)

    「淡?」


    「だって、久しぶりにテルと打ったからいいとこ見せようとして……」

    「はぁ……もう」

    ナデナデ

    「これから気を付けるようにね?」

    「ほーい」

    824 = 1 :

    京太郎「久々にブッとんだぜぃ……」

    「お疲れ様」

    京太郎「おうお疲れ。いやぁ、咲に大明槓された時はマジでビビったぁ……」


    「あはは、あの牌姿から暗槓だけで和了ろうとすると槓子以外の面子の構築に時間かかっちゃうみたいだし」

    「あの局は出目が7で、先に淡ちゃんが和了っちゃうからね。京ちゃんから鳴いて進めさせてもらったよ」

    京太郎「そうか、オレにしてみれば安く済んでよかったぜ」

    京太郎(相変わらず何言ってんだ……コイツ)


    「では、次は私達だな」

    ムロ「宮永プロ、よろしくお願いします!」

    まこ「ついにわしも覗かれるんかのう。噂の照魔鏡とやらに」


    「あまりプライベートな事までは見ないようにする」

    ムロ「ドコまで覗く気ですか!?」


    「ジョークジョーク、ここはジョークアベニューです」

    「親、お前だ。早く開門しろ」

    825 = 1 :

    20分後


    「ふぅ~む、なるほどなるほど」

    「……ん?」

    「どうかしたの、お姉ちゃん?」

    「えっと、室橋さんの能力。自覚してるのでいいから詳細教えてもらっていいかな?」

    「隠しておきたいだろうし、無理強いはしないけど」

    ムロ「いえ大丈夫です。私も能力に目覚めて日が浅いので、自分でもまだまだ分からない事もあるかと思いますが」

    ムロ「私の能力は……」



    「振り込まないの!? ズッコイ!」

    ムロ「流石にリーチしたら無防備になっちゃいますけどね」

    「しかし、その後は放銃してしまうのか」

    ムロ「振り込んだ次の局は極端に運気が下がってるらしいです。前に井上さんに言われました」

    「あと、和了形が分かるのもいいね。攻守のバランスが」


    京太郎「それで、何か引っかかる事でもあったんですか?」

    「室橋さんの本質と、実際の能力に齟齬がある」

    ムロ「それって、どういう……?」

    826 = 1 :

    「今の姿は本来現れるべき姿ではない」

    ムロ「ええと……え?」

    「何か外部的な影響を受けていて、今のカタチになったと思われる」

    「へー」


    まこ「ウ、ウチの子は大丈夫なんですか!?」

    京太郎「なんか症状が悪化したりとかは!?」

    ムロ「誰がウチの子ですか」

    「落ち着いてください。親御さんは心配されるでしょうが、今すぐ何かあるという訳ではありませんから」

    「なんのコントだこれは」


    「ただ、その外部的影響がこれから無くなったり、変化する可能性は高いです」

    京太郎「もし、その外部的影響がどうこうしたら……?」

    「今の能力は無くなります」

    ムロ「ええええ!?」

    827 = 1 :

    京太郎「なんてこった……!」

    まこ「せっかくオカルト使えるようになったっちゅーに……」

    ムロ「そ、そんなぁ……」

    「無くなるはちょっと誤解を生む発言だった。オカルト自体は無くなりはしない」


    「能力が変化する。でも本質は変わらないから、たぶん危険牌の見極めとかは引き続き使用できる、と思う」

    ムロ「本当ですか先生!」

    「多分ね。それで……コホン、えーと……」

    ムロ「どうしました?」

    「いや、診断終わったし……ほら、あるんじゃないかなぁって」


    京太郎「どうぞ、お納め下さい」

    ムロ「あ、ちょ!? それ調布のパルコで買ったやつ!」

    「わるいね」


    京太郎「いいだろ、元々は咲達に渡すつもりだったんだし」

    「京ちゃん、お姉ちゃんの前でお菓子出すなんて……!?」

    ムロ「そっちのカステラは自分用のって言ったじゃないですかぁ……」

    京太郎「そうだっけ?」

    「じー」

    ムロ「うぅ……」


    ムロ「お納め下さい」

    「それを聞きたかった!」

    828 = 1 :

    「ちょっと、お姉ちゃん? ソレ元々私達にくれるって言ってたよね? 聞いてたよね?」

    「マジでホント手加減してよテル……」

    「もらったのは私」

    「受け取ったのは、でしょ!?」


    ムロ「なんか揉めてますね」

    京太郎(揉めるのは淡くらいだけどな……)

    「個数で分けられるのならよかったんだが。ケーキみたいな切り分けるようなのだと」

    「アイツ、そういう時は自分で切り分けると言って聞かないんだ……」


    誠子『宮永先輩! コレおかしいでしょ!?』

    『おい、なんで私の分にはイチゴのってないんだ!?』

    尭深『薄い……ペラペラ……』

    『テルー! 270度は取り過ぎだよ! もうほぼ1ホールじゃん!?』

    『誤差ってレベルじゃないよっ!』


    「はぁ……」

    京太郎「よくわかりませんが、大変だったようですね」

    まこ「カットされとるのがあったから、それにしときゃよかったかの」

    829 = 1 :

    「これは白糸台高校麻雀部が、責任を持って預かります!」

    「絶対行くから。明日も休みだし」

    「お姉ちゃん、卒業してからもちょくちょく来るよね。食べに」

    「都内有数のお茶とお菓子を満喫できる場所だもん」

    「いい加減、後輩の世話になるのはやめたらどうだ?」

    「お菓子と麻雀の指導。正当な対価、win-win、フェアトレード」

    「ここぞとばかりにそれっぽい言葉を並べ立てる」


    「あ、そうだ照」

    「なに?」

    「私の能力について、説明をしてくれないか?」

    「は?」


    京太郎「さっき本人に聞いたんですけど、能力発動中は無になってるそうなんで……」

    「しょうがない。対局中は頭空っぽの菫に変わりまして、説明いたします」

    「オイ」

    830 = 1 :

    「菫の能力は、待ちを相手の牌に絞る事ができる」

    「具体的にはツモ牌に変化を与える」

    京太郎「待ちを寄せる為に有効牌を引き入れるって事ですか」

    「そう」

    ムロ「手牌が良くなるのはわかりました。でも……」

    京太郎「和了牌は相手から出るわけですよね。リーチしてない状態でも直撃させるっていうのは……」

    まこ「数ある選択肢の中からその一つを、相手に選ばせてるわけじゃ」

    「どういう事なの? お姉ちゃん」

    「それは」


    「菫はモテるから」

    「……はぁ!?」


    「まぁ確かに。弘世様ってば、それはそれはおモテになる」

    「な、何を言ってるんだ照!?」

    「本当の事」


    「ファンクラブって本当に存在するんだね、私ビックリしたよ」

    京太郎「マジかよスゲェな弘世様」

    「キャー、弘世様ー!」

    831 = 1 :

    「茶化すな! で、それが一体何だって言うんだ」

    ムロ(モテるのは否定しないんだ……)

    「それが菫の人間性というか、そういう気質があるの」

    「人を惹きつける性質が麻雀にも表れている」


    京太郎「咲なんかは牌に愛されてる、なんて聞きますけど、それとは違うんですか?」

    「それは、特定の牌を引き寄せる子達とは方向性が違う」

    「場の支配とか、山に影響を与えるんじゃなくて人間そのものに影響を与える」

    「へぇ、菫すっごいね!」

    「そ、そうか?」

    ムロ「人に影響与えるなんて、そんなオカルト……」

    京太郎「オカルト発揮するやつが言うかソレ」


    「そもそも、いわゆるオカルトというのは麻雀に限った話じゃない」

    「それが、たまたま麻雀のプレイに表れているというだけ」

    「じゃあ、麻雀以外にもオカルトを発揮できる人が居るんだ」

    「よく周りを見渡したら思い当たるかもね」

    832 = 1 :

    まこ「あー言われてみりゃあ、そういうヤツおるわ」

    ムロ「ええ? 本当にそんな人……」

    ムロ「あっ」

    京太郎「ムロ?」


      『ロン。5200っす』

      『いいんすか、それ……ドラっすよ?』

      『ロンっす』


    ムロ「あ、あぁ、あぁぁぁ……」

    京太郎「ど、どうした!? 急にカタカタして」

    まこ「どうやら開けちゃイカン蓋を開いたようじゃな……」


    「そんなこんなで、菫は相手から当たり牌を引き出す事ができる」

    京太郎「ふむふむ。でも、当たる時と外れる時がありますよね、それは何が違うんでしょう?」

    「ただ単に危険牌だった、意識的に菫の狙い撃ちを警戒していた……もしくは」


    「なにかがスイッチになっていた、とか」

    ムロ「スイッチ?」

    「なにか、特定の動作が合図になって無意識への影響が阻害されている……のかもしれない」

    「なるほど。ああ、それならさっき教えてもらったぞ」

    833 = 1 :

    「え?」

    「どうやら、射貫く時に右手がわずかに動いてしまうようだ」

    「そうだったんだ」

    京太郎「逆にあの時は、目を伏せていたのに驚いて警戒が解けてたのかな」


    「私でもそんなに細かいところは気付かなかった。どうして分かったの?」

    まこ「それも聞いた話での。阿知賀の、去年監督しとった赤土さんが調べて判明したそうじゃ」

    「赤土プロ……。やっぱりあの人の情報収集力はすごいな」



    京太郎「今日はありがとうございました」

    「いえいえ、こちらも良いものを頂いて……」

    「テルのじゃないからね!」

    「渋谷先輩に切り分けてもらうからね!」


    ムロ「能力の事、教えてくださってありがとうございました」

    「教えてよかったのかな」

    ムロ「まぁ……診断結果にはビックリしましたけど、何も知らないよりはいいと思うので」

    「そう。インターハイ頑張ってね」

    ムロ「はい!」

    834 = 1 :

    「私も頑張るからね! テルー!」

    「うん」

    「私も。団体戦ではお姉ちゃんのポジションを受け継いだんだから」

    「お姉ちゃんに負けないくらい活躍するよ!」

    「うん」

    「個人戦でも活躍しちゃうよ! なんたって私は……」


    「宮永照の後継者だもんね!」
    「ちょっと待って」


    「ん~?」

    「それは昔の話でしょ?」

    「なにがぁ?」

    「その、宮永照の後継者って言うの」

    「咲……? 淡……?」


    京太郎「おや? ふたりのようすが……」

    835 = 1 :

    「やっぱり実の妹である私にこそ、ふさわしいんじゃないかな?」

    「何言ってんの? テルの後継者って言われてるのは私。それも去年からね」

    「去年まで、でしょ? 今年は私が白糸台で同じ先鋒なんだから、これもう私以外いないと思うな」

    「はぁ?」

    「なに?」


    「……」


    「……どうしよう、菫」

    「私に聞くな」

    「お姉ちゃん! 聞いてよ、淡ちゃんが!」

    「テルー! サキが!」

    「え、えぇ……そんなの、ソレ言ったのマスコミだし」

    「仮にもお前の後継者なんだ。お前が決めてやったらどうだ?」


    「妹の私だよね!?」

    「あ、そ、そうかな……?」

    「カンケー無いね! エースの私が継ぐの! ね?」

    「……そう、かな?」

    「おい、照……」


    「こ、こういうのは部長が決めた方がいいと思う……! え、えーと……」

    836 = 1 :

    同時刻 東京湾


    『淡い日に僕らは揺れた~♪ ただ揺れた~そういう気になって~♪ 』

    誠子「……アレ、宮永先輩から。なんだろ?」

    『そう雪になっ――』

    誠子「はい、もしもし……」

    誠子「え、後継者……? はぁ……はい、はい……」


    誠子「……知りませんよそんなの!?」



    「……うん、うん、わかった。じゃあね」

    「どうだった?」

    「本人達で決めてくれって」

    「だろうな」

    「あと、大会前の大事な時期だから、くれぐれも変な事言わないでって……」

    「だろうな」


    「あと、今年のアジは大きいって」

    「ほぅ」

    837 = 1 :

    「お姉ちゃん、聞いてるの?」

    「早く決めちゃってよ、わーたーしーにー!」

    「あ、えっと……」


    「それじゃあ、インターハイで活躍した方……」

    「活躍……うん、わかったよ」

    「ま、待って! それって、どうやって決めるの? 総獲得点数とかじゃないよね?」

    「それじゃ駄目なの?」

    「だって、それじゃ先鋒のサキが有利じゃん!」

    「え、そう?」


    「だってサキが先鋒戦でトバしちゃったら、私の出番無くなっちゃうじゃん!」

    「ああ、そうか」


    「……!」

    「あ、その考えは無かったわーって顔してる……」

    「でもそれは……しょうがないよね!」

    「しょうがなくないし。不公平だし」


    「それでは個人戦の成績で、どうだろう?」

    「個人戦かぁ」

    「別にいいよ、私は」

    838 = 1 :

    「私も個人戦では結構がんばってた方だから、そっちで活躍すればいいんじゃないかな?」

    「てか、手っ取り早く優勝した方がテルの後継者でいいじゃん」

    「そうだね。シンプルでいいね」


    「ふぅ……なんとかまとまった……ね? すみr」


    ブロロン


    「駅まで送ろう」

    まこ「いやぁ、すまんの」

    ムロ「お手数をかけます」

    京太郎「い、いいんですか?」

    「つきあってられん」


    「おぉお、おま……」

    ブロロン

    「ちょ、京ちゃん達行っちゃったの?」

    「またか!?」

    839 = 1 :

    「もう、走る元気残ってないしぃ……」

    「置いてくなんてヒドイよ!」

    「うろたえないで。インハイチャンピオンはうろたえない!」


    「お姉ちゃん……?」

    「対局中は常に冷静な判断が勝敗を左右する」

    「こういう場合は、まず……」


    「こう、するの!」

    バッ


    (テルが右腕を……!?)

    (突き上げた……!?)

    「……!」


    キキー ガチャ バタン


    「前の車を追ってください!」
    「前の車を追ってください!」
    「前の車を追ってください!」

    840 = 1 :

    今日はここまで
    いろいろ詰め込み過ぎた感あるね

    841 :

    トリプルぽんこつ……

    844 :

    乙です
    今日も飯テロ無かったか

    845 :

    おつー
    便利だな照魔鏡
    マホとかおりん診てほしいどんな反応するやら

    846 :

    乙乙

    847 :

    乙!
    サカナクションかwww

    849 :

    こんばんわ

    先日、うつわの本を読んでたら湯町窯っていうのを見つけまして
    湯町ってシノハユで見た事あるって思って調べたらビンゴでした

    島根県松江市にある湯町窯
    そこのカップが、シルエットはポーランドとか東欧にあるような、ぽってりした姿なんですけど
    釉薬の感じとか民藝品っぽさが和って感じで
    なかなか趣があるように思います。思わずポチっちゃった

    それでは投下します

    850 = 1 :

    京太郎「は……」

    ムロ「は……」

    まこ「は……」

    はやり「はや?」


    京太郎「はやりんだー!?」



    夕方 ホテル


    京太郎「えっなんで?」

    ムロ「ほ、本物ですか?」

    はやり「うんうん。モノホンの牌のおねえさん、瑞原はやりでっす!」

    いちご「今時モノホンとかあんまり言わん方がええと思うんよ……」

    ムロ「あ、ちゃちゃのんだ」

    京太郎「なに、なんなの? これから撮影でも始まんの?」

    いちご「撮影は昨日終わったけぇ。ちゃちゃのんまだ少し時差ボケ気味じゃ……」


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