元スレ京太郎「新入部員が」ムロ「私だけ!?」
SS+覧 / PC版 /みんなの評価 : ★★★×6
201 = 1 :
煌「……それにしても嬉しいものです」
京太郎「え?」
煌「後輩を、ムロを大切に思ってくれているようで」
京太郎「ああ、そんなの当たり前ですよ。俺の唯一の後輩ですから」
京太郎「人数が少ない分、支えあっていかないと」
煌「私が中学校の時の麻雀部も少人数でしたけど、そんな感じでしたね」
煌「お互いに教えあったり競い合ったり。どっちが大会でいい成績残せるか勝負したりして」
煌「私が3年の時はマホが来てくれて、なんとか団体戦に出場出来たのですばらでした」
京太郎「へぇ、まるでウチみたいですね。ウチも4人しかいなかった所に最後に咲が入部してやっと5人揃ったんですよ」
煌「それはすばら!まぁ、清澄と違って私達は県予選敗退でしたが……」
煌「でも次の年、和が全中王者になりましたけどね」
京太郎「結構話題になってたみたいですね」
煌「はい、派手な和了りはありませんがとても綺麗な打ち筋でプロアマ問わず評価されてました」
煌「それにあの見た目ですから」
京太郎「成程納得」
202 = 1 :
煌「そういえば、和が卒業したあとの高遠原の麻雀部は部員不足で団体戦に出られませんでした」
京太郎「それは……」
煌「ムロやマホには苦労をかけますね。先輩として必要なモノを残さないどころか要らないモノまで残してしまって」
京太郎「……そうだったんですか」
京太郎「でもそれは花田さんのせいではないですし、俺の課題でもあります」
煌「そう言ってくれるのはありがたい事です」
京太郎(俺がムロにしてやれる事か……)
煌「須賀君、改めてムロの事よろしくお願いします」
京太郎「俺が何をしてやれるのかはまだ分かりませんが、お願いされました」
203 = 1 :
京太郎「ところで、花田さんはどうして長野に?」
煌「実は私の先輩がこの近くの温泉旅館の宿泊チケットを手に入れたので観光に来ているんです」
煌「それで私の地元と言う事で観光案内を申し出たという訳なんです」
煌「私もたまには帰郷したかったですし。あ、今は先輩方はショッピングなのでしばらくフリーなんですよ」
京太郎「それは良かった。俺もまだ花田さんとお話していたいですしね」
204 = 1 :
今日はここまで
またすぐ回想入るしもー
208 :
おつー
マホはムロの1コ下だからマホ入学時にはすばら先輩はもう卒業後では?
それに和が入部時点でインターミドルの県予選は終わってて入部する前は3人だったぽいこと言ってるからすばら先輩はおそらく団体戦には出れてないかと
209 :
おつおつ
210 = 1 :
>>208
ご指摘ありがとうございます
ああーやっちゃったんだぜ!
すばムロミカ→和タコin→すばoutマホinですね
すばら先輩はIM個人戦のみ出場と言う事で
あとで修正版書いておきます……やっぱ酒の勢いで書くとダメだね
211 :
前回の投下にボーボいや気のせいか
212 = 1 :
こんばんわ
今日は修正版のみの投下です
>>201はまちがい
↓がただしい
213 = 1 :
煌「……それにしても嬉しいものです」
京太郎「え?」
煌「後輩を、ムロを大切に思ってくれているようで」
京太郎「ああ、そんなの当たり前ですよ。俺の唯一の後輩ですから」
京太郎「人数が少ない分、支えあっていかないと」
煌「私が中学校の時の麻雀部も少人数でしたけど、そんな感じでしたね」
煌「お互いに教えあったり競い合ったり。どっちが大会でいい成績残せるか勝負したりして」
煌「私が3年の時に優希と和が来てくれたのですが、生憎エントリー期限が過ぎてて団体戦は出場できませんでした」
煌「でも次の年にはマホが来てくれたので、なんとか団体戦に出場できたのですばらでしたよ」
京太郎「へぇ、まるでウチみたいですね。ウチも4人しかいなかった所に最後に咲が入部してやっと5人揃ったんですよ」
煌「それはすばら!まぁ、清澄と違って高遠原は県予選敗退でしたが……」
煌「でもその年、和が全中王者になりましたけどね」
京太郎「結構話題になってたみたいですね」
煌「はい、派手な和了りはありませんがとても綺麗な打ち筋でプロアマ問わず評価されてました」
煌「それにあの見た目ですから」
京太郎「成程納得」
214 = 1 :
これであってますよね……?
やっちまったわー。ヤミテンを言い間違えた成香ちゃん並みにやっちまったわー
書き終わってもすぐに投下しないでちゃんと見直したり時間置いて読み直したりした方が良いかも
そう、上等なワインのようにね(キリッ
あ、そういえば今年のボジョレーヌーボーはどうなんでしょうね。自分はキャッチコピー見れば満足です
やっぱりストックあった方が精神衛生的にも良いですね
それではしばらく書き溜めを探す旅に出ます
215 :
乙
書き貯めが早く見つかるように祈ってる
216 :
乙
書き溜めは意外と身近にあるものだ
217 :
こんばんわ
書き溜めを探す旅に出かけたはいいんですが風邪ひいてしまってあんまり探索できませんでした
少し短いですが収穫分、投下します
218 = 1 :
京太郎「それは臭いですねぇ」
煌「いやホント臭くって……おやぁ?」
京太郎「どうかしましたか?」
煌「いえ、どうやらもう買い物は終わったようですね」
姫子「先輩、花田のやつ男の人とおるばってん!?」
哩「ま、まさか彼氏か!?どうすっと、ここは空気読んだほうがよかとか?」
煌「その必要はありませんよ」
哩「花田!」
煌「とりあえずここに居ては他のお客さんの迷惑になります。こちらの席が開いてますので座って下さい」
姫子「ええの?」
煌「多分、お二人が考えているような事はありませんよ」
煌「紹介します。清澄高校の須賀京太郎君です」
京太郎「どうも、須賀京太郎です」
煌「それでこちらが同級生の鶴田姫子と先輩の白水哩さんです」
哩「これはどうも。白水哩です」
姫子「鶴田姫子です。清澄って事は麻雀部?」
京太郎「はい。花田さんの中学の時の後輩が今年清澄に入学したので、その縁で」
219 :
お大事に
220 = 1 :
哩「そういう話やったとね」
姫子「勘違いしてましたね」
煌「ところで、須賀君はお二人の事はご存知でしたか?」
京太郎「はい、もちろん。インターハイでも活躍してた新道寺のダブルエースですよね」
京太郎「白糸台や千里山相手に後半の追い上げは凄かったですよ!」
哩「いやぁ、そう言われると照れるばい」
姫子「あれは先輩が頑張ってくれたおかげで、私はなんもしとらんよ」
哩「何言っとる。姫子の頑張りがあったからやけん」
哩「結局最後は負けてしもうたけど、あそこまで行けたんは姫子のおかげたい」
姫子「先輩……」
哩「姫子……」
京太郎「仲良いんですね、あの二人」
煌「少し良すぎる気もしますが、仲良き事はすばらです」
221 = 1 :
煌「そういえば、準決勝が終わった後に優希が差し入れにタコスを持ってきてくれたんですよ」
京太郎「ああ、そういえば言ってたなぁ。試合の無い日なのにいきなりタコス作れとか言いだして……」
優希『京太郎!タコスだ、タコスを作るんだ!先輩の学校に持っていくから人数分な!』
優希『何?店で買え?ばっかもん!何処の馬の骨ともわからん店のタコスを持っていけるか!』
優希『とにかく頼んだからな!咲ちゃんの着替えが終わったらすぐ行くから早く早く!』
京太郎「とか、軽く無茶ぶりだったけど……」
煌「んん!?という事は、あのタコスは須賀君の手作りですか?」
京太郎「ええ、最初は優希の奴にせがまれて。いつの間にか得意料理になっちゃいました」
哩「え?アレ手作りやったと?」
姫子「ふつーにお店のかと思うてた」
煌「まぁまぁ!それは」
哩「すばら」
煌「すばらです!」
姫子「すばらやね」
哩「……しいな!」
京太郎(白水さんちょっと照れてる)
222 = 1 :
京太郎「お口に合えばよかったんですけど」
姫子「いやホントうまかったよ。お店で出てきてもおかしくなかレベルよ」
哩「ああ、アレはどきゃんでん美味かった。でも、それ以上に嬉しかったと……」
哩「あん時は試合に負けて、もう今までの努力とかなんも無くなっち思うとったばってん」
哩「そこに花田が差し入れ持ってきて、聞けば後輩が持ってきた言うて」
哩「そいで、後輩が持ってきてくれたモノを花田が受け取って、それをまた私が受け取って……」
哩「こうして繋がっていく思うたら、なんかまた先に進める気がしたんよ」
煌「すばら……!白水先輩……すばらです……!」
姫子「先輩!私も……私も先輩から……!」
哩「ああ……姫子!」
姫子「先輩……!」
京太郎「喜んでいただけたようでなによりです」
223 = 1 :
清澄高校 麻雀部部室
京太郎「……って事があったんだばい」
ムロ「へぇ、そうだったんですかばい」
ガチャ
まこ「おるかー」
京太郎「おるよー」
まこ「熊倉先生は会議で遅れるっちゅーとったわ」
ムロ「そうなんですか、始まるまで時間空きましたね。あ、お茶淹れますね」
まこ「頼むわ。で、なに話しとったん?」
京太郎「昨日、新道寺の人達に会ったんですよ」
まこ「新道寺って九州の学校じゃろ?」
京太郎「はい、学校関係でなくてあくまでプライベートです」
京太郎「ほら、ムロ達の中学の先輩だった花田煌さんっていたじゃないですか」
まこ「ああ、あの人か」
京太郎「それと白水哩さんと鶴田姫子さん」
まこ「インハイで副将と大将しとった二人じゃな」
224 = 1 :
京太郎「で、少し話したあと半荘1回だけ打ってもらったんですけど」
京太郎「結果から言うと白水さん・鶴田さん・俺・花田さんの順で、負けちゃいました……」
まこ「そういやあの二人の牌譜はちっとばかし特殊じゃったのう」
京太郎「最初は鶴田さん警戒で回し打ちしてたんですよ」
京太郎「あの人すごい高火力プレイヤーじゃないですか。でも、俺と打った時はそうでもなかったですけど」
京太郎「それで警戒してたらその隙に白水さんに和了られて……」
まこ「ああ、そりゃ惜しかったのう。つか知らんかったんか」
京太郎「え?」
まこ「ほんに警戒すべきは白水哩じゃ」
225 = 1 :
まこ「二人の牌譜を比べてみりゃ分かるんじゃが」
まこ「例えば白水が東一局で和了ると……」
京太郎「……そうだったんですか!」
まこ「ま、全部が全部そうなるっちゅー訳でもないがの。概ねこの通りの能力じゃろ」
京太郎「ああ、そうか!だから副将のポジションに白水さんがいたのか」
まこ「じゃろうな」
ムロ「私は知ってましたけどね~、お茶どうぞ」
まこ「お、すまんの」
京太郎「なんでムロが知ってんの?」
ムロ「花田先輩の居る学校って事で興味あって。調べてたら染谷部長に教えてもらったんです」
まこ「白水の牌譜は個人戦の為に集めとったからの」
京太郎「それいつ?」
ムロ「去年の秋ごろ」
京太郎「知らなかったの俺だけかよ!」
226 = 1 :
京太郎「ところで、最近雑誌とかテレビ見てるとインターハイ特集とか始まってますね」
まこ「そういやウチには取材来んかったの。去年は来とったが……まぁアレは和が居たからじゃが」
京太郎「インターミドルチャンピオンでしたからね」
ムロ「和先輩は今でも雑誌でよく見ますけど」
まこ「あの『のどっち』じゃけぇ、ファンも多いんじゃろ」
ムロ「そういえば大会終わって、なんかのインタビューでバレてましたね」
京太郎「ネット上で伝説とまで言われた謎の麻雀プレイヤー……」
まこ「なんと、その正体は元インターミドルチャンピオンで現役JKの爆乳(Kカップ)美少女だった……!」
ムロ「なんでちょっといかがわしい言い方するんですか」
まこ「そりゃあ騒がれるじゃろうて」
京太郎「しかも、のどバレしてから企業から広告に起用したいとかラブコールが殺到したらしい」
京太郎「実際……ホレ、Weekly麻雀TODAYの最新号。の裏表紙見てみ」
ムロ「某有名エナジードリンクの広告ですね……和先輩がコスプレしてます」
まこ「こりゃまるでリアルのどっちじゃのう。コピーの『翼を授ける』……ってまんまじゃな」
京太郎「でもこれで結構売り上げも伸びたそうで」
ムロ「ん、キャンペーン実施中?抽選で原村和のサイン入り千点棒当たる……」
まこ「ほっそいのう!」
京太郎「コレのサイン絶対『は ら む ら の ど か』ってなってますよ」
227 = 1 :
まこ「ふんふん。白糸台、千里山……春季大会で好成績残した学校が中心に組まれとるの」
京太郎「やっぱり名門ですね。去年活躍した3年生も強かったですけど、今年のメンバーも強そうです」
ムロ「選手の層が厚いのは流石ですよ」
京太郎「そういえば春季大会、咲は惜しかったなぁ」
まこ「大星が稼ぎまくっとったからのう」
ムロ「宮永先輩も凄かったですけどね」
京太郎「あの決勝だけで何回カンしたんだっていう……」
ムロ「符数がおかしい事になってましたね……」
京太郎「でも本人はそれほど悔しがってはなかったですけど」
京太郎「むしろ……」
咲『これで現チャンピオンは淡ちゃんになったから、インタビューは全部そっち行くよね』
京太郎「とか言ってました」
まこ「はは……緊張しぃは相変わらずか」
ムロ「有名人は大変ですね」
228 = 1 :
ガチャ
トシ「遅くなってすまないね」
ムロ「あ、お疲れ様です」
まこ「おう、やっと打てるのう」
トシ「ちょっと待って。まず話しておきたい事があるのよ」
京太郎「話ですか?」
トシ「うん。それで、今度の県予選なんだけどね。私らは個人戦だけの出場だけど」
トシ「団体戦も観に行く事になったからね」
まこ「お、そうですか。わし的に最新の対局を生で観れるのはありがたいわ」
ムロ「対策が捗ります」
トシ「あと、大会のルールだけど、麻雀のルールは去年と変わりないんだけどその他色々規則が変わってて」
トシ「女子は団体戦から始めるけど、今年から男子は個人戦を先に行うことになったわ」
京太郎「ええ!マジですか!?」
トシ「マジよ大マジ。いきなりだから気を引き締めていきなさいよ」
まこ「大会前に有名どころの牌譜研究せんとな」
ムロ「頑張って下さい先輩。私達は女子の団体戦観てますけど」
京太郎「クッ……薄情者め」
トシ「とまぁ、とりあえずのところはこんな感じだね」
トシ「全国行きが決まったらまた色々とスケジュール組まなきゃだね」
ムロ「気ィはや……」
229 = 1 :
今日はここまで
佐賀弁相変わらず難しいばい
>>219
なかに肌着着てからセーター着るより素肌にセーターの方が暖かくね?ってなったのがいけなかったのか……
230 :
乙
素肌にセーターってチクチクしね?
231 :
乙
素肌セーターとか毛がチクチクして痛いだろうに……
232 :
乙乙なのよー
233 :
そのチクチクが癖になっちゃったんだよきっと
ちなみにセーターは肌着の上から着た方があったかくなるぞ
234 :
こんばんわ
セーターチクチクませんよ?けっこう着古してるものだからですかね?ちなみにアクリル100%
セーターといえば、なんかの本で
「1週間くらい着っぱなしで、毛玉もいっぱい付いてドーナツのカスや芝生の芝もくっついててイイ感じ」
みたいな事が書いてあって、流石に洗濯しろよ!って思ったもんですが
一方でこんな風に気兼ねなく服を着たり道具を使うのには憧れてしまいます
今日の投下分は長めです。まったり落としていきます
235 :
期待待ち(裸靴下ネクタイ)
236 = 1 :
1年前 初秋 清澄高校 応接間
まこ「おお、来たか」
優希「染谷先輩」
まこ「なんでもあんたにお客さんが来とるそうじゃ」
優希「私に客?それは染谷先輩にも関係ある話なのか?」
まこ「関係大アリじゃ、なんせ……」
「お待たせしました」
まこ「いえ」
アレクサンドラ「はじめまして。私、臨海女子高校麻雀部の監督やってます、アレクサンドラ・ヴィンドハイムと言います」
まこ「どうもご丁寧に。清澄高校麻雀部部長代行の染谷まこです」
優希「……」
まこ「……?ほれ、あんたも挨拶せんか」
237 = 1 :
優希「ハ、ハローエブリワン!」
アレクサンドラ「ああ、うんオハヨウ」
まこ「なに緊張しとるんじゃ」
優希「イエス!アイムファイン!」
アレクサンドラ「うん、元気なのはわかるよ」
まこ「落ち着けっちゅーに」
まこ「すみません……」
アレクサンドラ「いや、私の方こそ急に来ちゃってごめんなさいね」
優希「アイム、かた、片岡優希です!」
まこ「やっと言えたの」
アレクサンドラ「自己紹介ありがとう。それで、今日来たのは他でもなく片岡さんに用があっての事なの」
優希「私に?」
アレクサンドラ「そ。アナタ1年生なのにインターハイで凄く活躍したじゃない?」
優希「ふふん、自分で言うのもなんですが……活躍しました!」
まこ「臆面もなく」
アレクサンドラ「それでさ、来年はウチで活躍してみない?」
優希「……へ?」
まこ「……」
238 = 1 :
アレクサンドラ「単刀直入に言うけどね片岡さん、今日はアナタをスカウトしに来たの」
優希「スカウト……」
アレクサンドラ「うん。ウチの方針と大会のレギュレーション知ってる?」
アレクサンドラ「ウチのスポンサー的には世界で活躍してるプレイヤーで固めたい」
アレクサンドラ「でも大会規則的に先鋒は日本人でなくてはいけない。それが今年はサトハだった」
優希「辻垣内智葉……」
アレクサンドラ「そう、でもサトハは3年。今年で卒業。だから、それで代わりの選手を探してるって訳」
優希「……」
アレクサンドラ「私は片岡さんならサトハの代わりが務まると思っているわ」
239 = 1 :
優希「……それって私じゃないとダメなんですか?」
アレクサンドラ「うーん、正直言うとね。候補に挙がってる子はいくつか居るんよね」
アレクサンドラ「でも1年で候補に挙がってるのは片岡さんだけね」
優希「そうですか……」
アレクサンドラ「私的には片岡さん一押しなんだけどね。で、どうかな?」
優希「……まだわかんないじぇ」
アレクサンドラ「うん。だよね、もちろんすぐに決めろなんて言わないよ」
アレクサンドラ「これ置いてくから読んでよ、学校のパンフレット。あと転入に関しての色々な書類」
アレクサンドラ「寮とか学費とか免除されたりするから、コレは親御さんに見せてね」
優希「あ、どうも」
アレクサンドラ「それと、コレ私の名刺。何か気になった事があったら連絡して」
アレクサンドラ「編入試験とか実力テストとか、具体的な話はその後ね」
アレクサンドラ「まずは良く考えてみて」
優希「うん……分かったじぇ」
240 = 1 :
アレクサンドラ「それじゃ、急に来てゴメンナサイね」
まこ「いえ、こちらこそ。たいしてお構いもできませんで」
優希「……」
アレクサンドラ「良い返事を期待してます、片岡さん。それでは失礼します」
優希「どうも……」
まこ「はぁ……で、どうするんじゃ」
優希「わかんないじぇ……」
まこ「とりあえず皆にも話、しとかんといかんのう」
優希「うん。みんな何て言うかな?」
まこ「さぁのう……スマンが先に行っててくれんか。わしちょっと用事あるけえ」
優希「わかったじぇ」
241 = 1 :
生徒議会室
まこ「……ってわけじゃ」
久「そう、優希が臨海にねぇ……」
まこ「正直おったまげたわ」
久「私は今も驚いてるわよ。それにしても、なんでこう立て続けに……」
まこ「まったくじゃ。悪い事は重なるもんじゃのう」
久「アラ?悪い事だって決めつけるのかしら」
まこ「……久は優希が臨海に行くのは賛成か?」
久「私は優希にとって良い事なら賛成よ」
久「まこは反対なの?」
まこ「わしは……なんちゅうか、良いとも悪いとも言えん」
まこ「臨海に行った方が麻雀の腕も上がるとは思うが、あんましあの学校の方針は好かん」
久「1年の優希に目を付けたのも、大方長く先鋒に起用できるからなんでしょうね」
まこ「そういう駒みたいに使うのは好かん」
久「でも、もしプロになりたいって言うならそういう扱いには慣れておいた方がいいわ」
242 = 1 :
まこ「優希はまだ1年じゃ」
久「臨海に行く頃には2年よ」
まこ「……ひさぁ」
久「ふふふ、ごめんなさい。ちょっと意地悪だったわ」
まこ「ったく……」
久「まこ、さみしいんでしょ」
まこ「……そうかもしれん」
まこ「じゃけぇ、わしのワガママで優希の進路の邪魔はできん」
久「少しくらいワガママでも良いと思うわよ?」
まこ「わしのキャラじゃない」
久「キャラって……」
まこ「わしの事はええじゃろ」
久「まこだって部員じゃない」
まこ「もうすぐ部長じゃ」
久「もう」
243 = 1 :
麻雀部部室
まこ「すまんの、遅くなったわ」
和「あ、染谷先輩」
まこ「話、聞いたか?」
和「ええ……」
京太郎「とりあえず座って下さい。今お茶淹れますから」
優希「もぐもぐ」
まこ「何食っとんじゃ?」
和「部活が始まる頃に部長が来て、最近部活に顔出せないからってケーキ持ってきてくれたんです」
まこ「……わしの分は?」
京太郎「ちゃんとありますよ、どうぞ」
まこ「ふぅ、それで優希の事じゃが……」
優希「……もぐ」
まこ「和と京太郎はどう思っとる?」
244 = 1 :
京太郎「そうですね。やっぱり騒がしいのが居なくなると寂しい気もしますけど」
京太郎「こればっかりは優希の判断に任せるしかないかと……」
まこ「うん、わしも同じ考えじゃ。和は?」
和「私は……優希がこれからも麻雀で高みを目指すと言うのであれば、臨海に行くのもアリだと思います」
和「離れ離れになってしまうのはさみしいです。でも」
和「転校しても、また新しい出会いがあると言う事を優希が教えてくれましたから」
優希「のどちゃん……」
和「それに、インターハイで阿知賀の皆さんとも再開できましたし」
和「きっとまた会えますよ」
245 = 1 :
まこ「まぁ、まだ返事するには時間あるけぇ、他の人にも聞いてみんさい」
優希「うん、わかったじぇ」
週末 ファミレス
優希「……と、いう訳なんだじぇ」
睦月「それはスゴイね」
純「へぇ、お前がスカウトされるなんてな」
美穂子「しかも臨海女子……」
純「それで?オレらに何を聞きたいんだ?」
優希「私、臨海に行った方がいいのかな……自分じゃよくわかんないから皆の意見が聞きたいんだじぇ」
美穂子「片岡さんは、麻雀がしたいのよね?」
優希「うん」
美穂子「それってプロ麻雀プレイヤーになりたいって事?」
優希「それはまだわかんないじぇ」
246 :
やっぱ臨海だったか
247 = 1 :
美穂子「臨海みたいな有名校に転入するのなら、きっとその先、プロになる選択肢が出てくるわ」
美穂子「多分、そのようなカリキュラムもあると思うし」
睦月「優希ちゃんはプロ入りには興味無いの?」
優希「考えた事もないじぇ。でも、プロみたいな強い人とは戦ってみたくもあるじぇ」
純「ま、今のお前じゃボコられて終わりだな」
優希「そうだな……今の私ではな」
優希「……私は、強くなりたい」
優希「私にもっと力があれば、のどちゃんとも離れ離れにならなくてすんだかもしれない」
優希「そう思うとやり切れないんだじぇ」
睦月「それは、優希ちゃんのせいじゃないよ」
優希「うん、それでも……」
美穂子「片岡さん……」
純「それじゃあ何を迷うんだ?清澄より臨海の方がスキルアップが望めるのは明らかだろ」
優希「それは……」
248 = 1 :
優希「申し訳ないんだじぇ」
優希「ここまで連れてきてくれた部長達を置いて行くのは……」
優希「私が出て行ったら、もう清澄には部長と染谷先輩と京太郎だけ」
優希「いや、部長も来年卒業して居なくなっちゃう。のどちゃんも……」
睦月「うむ、部員不足はウチとしても悩ましい問題だけども」
睦月「私としては、これは残された者の課題だと思うんだ」
睦月「去っていく者がそれほど悩むものじゃないと思うよ」
優希「そうなのか?」
睦月「それにウチも人数ギリギリで、先輩達の引退後にこういう事態になるのは分かってた」
睦月「それでも、先輩が私に部長というバトンを渡してくれたから、私は全力でそれに応えるだけだよ」
249 = 1 :
優希「……」
美穂子「片岡さん、先輩っていうのはね、後輩が成長してくれると嬉しいものなのよ?」
美穂子「だから、申し訳ないとか思わないで。貴方がしたい事をしていいの」
美穂子「きっと清澄の人達もそう思っているはずよ」
純「ウチはそういう先輩後輩の関係ってのはないけどな」
純「ソイツがやりたい事があるってんなら応援するのが友達ってもんだろ」
純「なんて言うかさ、かたすぎんだよ。おまえは」
美穂子「少しは力になれたかしら」
優希「うん」
優希「なんだか自分の進むべき道が見えた気がしたじぇ」
優希「ありがとうだじぇ、福路先輩」
美穂子「ふふ、どういたしまして」
優希「むっきー先輩も」
睦月「うむ」
優希「あとノッポ」
純「おい」
250 = 1 :
長野県内 某蕎麦屋
アレクサンドラ「せっかく長野に来たんだ。ここは入るしかないね」
「いらっしゃいませー。何名様ですか?」
アレクサンドラ「一人で」
「それではこちらの席にどうぞ」
アレクサンドラ「何頼もうかな……。ざるそば、かけそば。ふむ、天丼ねぇ……」
アレクサンドラ「いや、今日は蕎麦に決めたんだ。……セットメニューもあるのか」
アレクサンドラ「ん、季節限定メニュー……」
アレクサンドラ「限定なんて謳い文句につられるなんて日本人みたいだけど……スイマセーン!」
「お待たせしました、秋の天ぷらそばセットです」
アレクサンドラ「お、来たね」
「蕎麦湯の方は店員にお声掛けください」
アレクサンドラ「はい、どうもー」
みんなの評価 : ★★★×6
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