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    元スレ京太郎「新入部員が」ムロ「私だけ!?」

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    みんなの評価 : ★★★×6
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    651 :

    こんばんわ

    無理してお酒飲んでも良い事なんてないですよ
    ここはノンアルのビールでカクテルなんていかがですか?
    ビールとジンジャーエールで作るシャンディガフとかどうでしょう

    熊倉先生の育成方針は臨海女子と反対な感じのつもりです
    さらっと国の育成事業~とか言ってるけど、まぁ、咲世界ならあるよねきっと

    >>637
    まちがい
    雅枝「ムロの能力口止めしなくて。まだ1年生であんま知られてないしょうに」
    ただしい
    雅枝「ムロの能力口止めしなくて。まだ1年生であんま知られてないでしょうに」

    投下します。今回で大阪編ラストです

    652 = 1 :

    京太郎「えーと、ここかな?」

    ムロ「洋榎さんから教えてもらったお店、どんなんでしょうね」

    まこ「楽しみじゃのう……お、ここか」

    トシ「お好み焼き屋さんだね」

    ガララッ


     「いらっしゃいませ! 何名様です……ああーっ!?」


    ムロ「えっなになに?」

    まこ「あれ、アンタ……」

    京太郎「あっこの人」


    「清澄の次鋒さんやないですか!」



    大阪 昼 お好み焼き屋『上重』


    恭子「なんやなんや?」

    由子「どしたんー?」

    まこ「こりゃ懐かしい顔が揃っとるのぅ」

    恭子「ああっ!」

    由子「染谷さんなのよー!?」

    653 = 1 :

    恭子「洋榎が清澄の麻雀部と打ってくるっては聞いとったけど、こんな所で会うとはなぁ」

    由子「ビックリなのよー」

    まこ「わしも驚いたわ、看板に上重って書いとったけぇまさかとは思っとったが」

    恭子「そんで、彼女が今年の長野代表……」

    ムロ「室橋裕子です」

    由子「1年なのに凄いのよー」

    まこ「一応コッチも代表じゃ」

    京太郎「2年の須賀京太郎です」

    由子「男子も凄いんやね」

    恭子「ああ、去年の中継で見切れてた子か」

    京太郎「はは、背が高いもんで……」


    「はい、お冷です」

    トシ「ありがとう」

    由子「ちょっと聞いてー、1年で県代表やって!」

    「へえ、それは凄いですねぇ!」

    恭子「漫ちゃんも個人で代表やろ」

    「まぁそうですけど」

    恭子「相手を褒めつつも自分も代表ですけどーみたいな」

    「ち、ちゃいますよ! 1年で代表なれるんって凄いなーって」

    由子「3年やったら代表なれるんは当たり前ですよーみたいな」

    「ち、ちゃいますよ! 3年でも凄いですよ!」

    654 = 1 :

    由子「自分で自分の事凄いですーとか、なかなか言えへんよ?」

    「や、それは……!」

    恭子「ええやんええやん! もっと自信持っていき!」

    由子「そうよー。なりたくてもなれへん人もいっぱいおるんやから」

    恭子「せや、もっと胸張り」

    「そう……ですよね! うん、うちは凄いんや!」

    恭子「そか、それよりうちのミックスまだ?」

    由子「私のもよー」

    「は、はいっ! 今持ってきます!」


    京太郎「いじり慣れてるなぁ」

    恭子「最上級生なってもあんな感じらしいわ」

    まこ「下級生に好かれとる証拠じゃろ、上級生をいじれるなんて普通できんよ。なぁ?」

    ムロ「ソウデスネ」

    京太郎「うそつけこら」


    まこ「ククク……じゃけぇ好かれとるんじゃろ」

    ムロ「むぅ」

    京太郎「もっと尊敬というかさぁ。ホラ、あるだろ? おまえ先輩にお茶汲みさせたりするし」

    ムロ「うちは人数少ないからやれる人がやればいいんじゃないですか? 助け合いの精神ですよ」

    京太郎「物は言いようだな」

    655 = 1 :

    ムロ「先輩のお茶美味しいからしょうがないんです」

    京太郎「開き直ったな……。いや確かにハギヨシさんに師事してるから上手く淹れる自信あるけどね」

    ムロ「ねー」

    京太郎「ねーじゃねぇよ」

    由子「二人とも仲良しさんよー」


    恭子「青春しとんなぁ」


    「はい、お待たせしました。ミックスと豚チーズです」

    恭子「お、待ってたでー」

    由子「それじゃお先すんね」

    京太郎「おおウマそうだ」

    「注文決まりました?」


    トシ「私は豚モダンをお願いしようかね」

    まこ「わし牛スジネギで」

    京太郎「ここは基本の豚玉を」

    ムロ「明太子チーズお願いします」

    「はい、かしこまりました!」

    656 = 1 :

    恭子「ほんなら昨日はずっと打ってたん?」

    京太郎「そうですね。昼食べてから夜まで、6時間くらいかな? あとは宿で牌譜検討したり」

    由子「この辺の雀荘なん?」

    京太郎「雀荘って言うか、カフェです。夜にはバーもやってるお店で……」

    恭子「あそこか! そやったらうちも行きたかったわぁ」

    由子「昨日は部活やったしな」

    恭子「つか、園城寺も清水谷も部活来んと……ま、今はインカレに向けて忙しいけどな」


    ムロ「同じ大学でしたっけ」

    恭子「せや。つっても麻雀部ではあんまし会わへんのよ」

    ムロ「そうなんですか?」

    由子「怜ちゃん休みがちやから。それに竜華ちゃんも付き添いでな」

    ムロ「それで園城寺さん自分で麻雀サークル作ったんですよね」

    恭子「それは聞いてんの」

    ムロ「はい。誘われました」

    657 = 1 :

    ムロ「ついでに免許皆伝もらいました」

    恭子「えっマジで!?」

    由子「すごいのよー!」

    恭子「あんなん出来んのかい……セーラが意地でクリアしとったけど」

    由子「って事はなんか持ってるわけ?」

    ムロ「はい。大体怜ちゃんと同じような能力ですね」

    恭子「なるほどなー。ってかそんなモン持っとったんかい」


    京太郎「染谷部長も惜しかったですよね」

    まこ「半荘2回で3回じゃけぇ、半分しか出せんかったわ」

    由子「それでも十分なのよ……ずっと気になってたんやけど、染谷さんって……」

    まこ「わしか? わしはの……」



    由子「……へぇーそういう事やったんねー」

    恭子「ほんならそっちの須賀にも何かありそうやな……と、その前に」

    クルッパ ジュワー

    京太郎「おお~」

    トシ「上手いもんだね」

    658 = 1 :

    恭子「えへへ……まあこんなもんですよ。大阪の人間やったら必須スキルやで」

    ムロ「私上手くひっくり返せるかな?」

    由子「不安やったら無理せんでもお店の人頼んだらええんよ……ほっ」

    クルッパ ジュワー

    ムロ「そういうものなんですか。それにしてもお上手」

    京太郎「でもオレはあえて挑戦するぜ!」


    「お待たせしました! まず豚モダンと牛スジネギ」

    トシ「豚モダンこっちね」

    まこ「どうも。ほんじゃ、油ひくぞー」

    「そんで豚と明太子チーズです」

    京太郎「ありがとうございます」

    ムロ「まぜまぜ」


    「そしたらどうします? 自分で焼いてみたいですか?」

    トシ「私はお任せしようかね」

    ムロ「私もお任せします」

    まこ「わしは自分でやるけぇ」

    京太郎「オレも自分で焼きます」

    「かしこまりました!」

    659 = 1 :

    恭子「あ、あっふ……もぐもぐ」

    由子「おいひいのよー」


    「……じゃ、和了まで裏目無しで辿り着けるって事かいな!?」

    ムロ「そうです。でも鳴いてツモ筋がズラされると見えなくなりますけど」

    「いやぁめっちゃ強いやん」

    ムロ「でも、上重さんみたいに特定の牌を集める人とかには対応できませんけどね」

    京太郎「上重さんなら鳴いてもチャンタとか三色狙えるからいいですよね」

    「その分読まれやすいんやけどな」


    「そろそろやな、失礼して……ほいっ」

    クルッパ ジュワー

    「はっ……どや!」

    クルッパ ジュワー

    トシ「いい焼き色」

    ムロ「おお~」

    まこ「流石じゃの。ほれ、京太郎の番……」


    キィィィ


    京太郎「おまかせあれ」

    まこ「便利じゃのうソレ」

    660 = 1 :

    ムロ「え、ここで? ナンデ?」

    トシ「京太郎の食に対する情熱がそうさせるのね」

    ムロ「なんかもっともらしい事言ってるし」

    恭子「こ、これは……!? もぐ」

    由子「竜華ちゃんみたいなカンジなのよー! あむ」

    まこ「食うか喋るかどっちかにしときんさい」


    京太郎「ハッ!」

    クルッパ ジュワー

    ムロ「おっ」

    京太郎「うっし! 100点満点だろこれ!」

    ペシペシ

    恭子「はい減点!」

    京太郎「ええ!?」

    由子「お好み焼きは上から押したらダメなのよー」

    「そうしないと大阪のふんわりしたお好み焼きはできないんです」

    京太郎「そんな……クッ油断したぜ」

    ムロ「ふふ」


    まこ「次はわしじゃな……よっ」

    クルッ ベタン ジュジュー

    まこ「おっとと、ネギが散ってしもうた」

    「ネギ飛びやすいですからね、集めて形整えたら大丈夫ですよ」

    661 = 1 :

    「ではソースと……」

    ジュジュワァー

    京太郎「音ヤベ……!」

    トシ「食欲をそそるねぇ」

    まこ「ええ匂いもしてきたわ」

    「マヨと鰹節と青のりをのっけて……」

    ムロ「おお!」


    「出来上がりました!」


    京太郎「甘いソースの匂い」

    ムロ「格子切り」

    トシ「うん、大阪のお好み焼って感じだね」

    まこ「ほいじゃ、アツアツのうちにいただくとしようかの」

    ムロ「いただきます」


    京太郎「おっでも結構ふわふわしてる。ンマイ!」

    ムロ「チーズとろっとろだ……おっとと」

    662 :

    アツい飯テロ

    663 = 1 :

    京太郎「ヘイヘーイ」
    ムロ「ヘイヘーイ」


    恭子「宮守のメンツ集めて打ってたんですか」

    トシ「エイスリンがちょうど日本に遊びに来ててね、タイミング良く全員集合できたわ」

    まこ「やっぱ実際に相手すると良い経験になるわ」

    由子「私も再戦したかったのよー。それで、どうやった?」

    ムロ「もぐ……んー、宮守の皆さんとは相性悪くて、思うようには打てなかったです」

    「そうなん? なんかイケそうやけど」


    ムロ「まず、小瀬川さんは能力が発動すると和了牌が見えなくなっちゃうんですよね」

    ムロ「エイスリンさんにはこっちより先に和了られちゃうし」

    ムロ「鹿倉さんの当たり牌は見えなくて振り込んじゃうし」

    ムロ「臼沢さんはそうでもなかったですけど」

    ムロ「姉帯さんはどうしようもないし」


    由子「そんでも大したアドバンテージ持っとるんやから、もっと工夫せなアカンよー」

    恭子「せやで。凡人からしたら持っとる武器は唯一、考える事しかないんやから」

    恭子「逆に凡人でも天才でも考える事は出来るんやで」

    ムロ「あはは……洋榎さんには頼りすぎるなって言われました」

    まこ「改めて考えると、能力との付き合い方も難しいもんじゃの」

    664 = 1 :

    トシ「ごちそうさま。美味しかったわ」

    「ありがとうございました! また大阪来たら寄ってくださいね!」

    京太郎「インターハイ頑張ってください」

    ムロ「頑張ってください!」

    「そっちもな、当たったら手加減せぇへんから!」

    ムロ「望むところです!」

    恭子「二人とも頑張ってやー。大阪以外とやったら応援したるさかい」

    由子「がんばってなー」

    京太郎「はい、ありがとうございます」



    大阪 梅田 夕方


    京太郎「……」

    ムロ「せんぱーい! 早くしないとバス出ちゃいますよ?」

    京太郎「ん? ああ、わりぃ」

    ムロ「何見てるんです? ポスター?」

    京太郎「ゆかた祭だってさ」

    ムロ「ほう、浴衣ですか」

    665 = 1 :

    京太郎「ムロは浴衣持ってる?」

    ムロ「いや、ないです」

    京太郎「そっかぁ……そういや去年は麻雀部の皆で夏祭り行ったんだよな」

    ムロ「ああ、清澄花火大会ですね」

    京太郎「そうそう。確か今年の開催日は来週だったな……」


    まこ「行くんか?」

    京太郎「行きます?」

    ムロ「あ、でも私浴衣持ってないですけど……」

    まこ「浴衣くらい仕立てちゃるわ」

    ムロ「ホントですか!?」

    まこ「そんかわり……作るからにはちゃんと採寸せんとな」ワキワキ

    ムロ「うぅっ……その手つきやめてくださいぃ!?」

    まこ「ふふふ、どんだけ成長しとるか楽しみじゃのう」

    ムロ「やーめーてー!?」



    京太郎「もうすぐ夏か……」

    666 = 1 :

    今日はここまで
    自称凡人な末原先輩ですけど、きっと準決勝では覚醒して無双してるはず

    667 :

    おつ
    ムロの乳成長してるといいね

    668 :

    更新乙!
    お好み焼き自力でひっくり返したこと一度もないぜ

    671 :

    こんばんわ
    S&Bのシナモンと花椒の瓶の色が同じだからちくしょう!
    カフェオレがスパイシーに……

    >>667
    こんだけ食べてりゃ成長してるハズ
    進化予想図イメージすると、ハオっぽい?

    投下します

    672 = 1 :

    清澄高校 麻雀部部室 放課後


    京太郎「うっはぁ……全然風こねーし」

    まこ「窓もドアも全開なんじゃがのう」

    京太郎「あのシーリングファンってもっと早く回んないんですかね?」

    まこ「扇風機じゃあるまいし。ちゅーか頭の上で高速回転されたら、怖い」

    京太郎「ですよねー」


    ムロ「失礼します」

    京太郎「失礼するんやったら帰ってー」

    ムロ「ナンデヤネーン。それにしても今日はあっついですねー」

    まこ「無風状態じゃけえ」

    京太郎「熱気こもるんだよなココ。冬は寒いし……」

    ムロ「あんまり換気できてないですね。もうエアコンつけましょ?」

    まこ「そうじゃのう」

    京太郎「なら閉めるか」

    673 = 1 :

    まこ「熊倉先生は会議で部活には出れんそうじゃ」

    京太郎「あらら」

    ムロ「どうします?」

    京太郎「うーん……こういう時こそ基礎練習だな」

    ムロ「テキストでもするんですか」

    京太郎「いっつもそれだと飽きるし……そうだ、理牌読みの練習でもするか」

    まこ「ほんじゃ、わしはネト麻でデジタるかの。今日は徹頭徹尾、基本的にじゃ」


    京太郎「まこっち」

    ムロ「まこっち」

    まこ「そがぁオカルトありえんけえ」


    京太郎「ゾーンに入っていない時の理牌読みの精度を上げておきたいな」

    ムロ「久々ですね、この訓練」

    京太郎「そうだな。個人戦だと序盤でつまずく事が多かったし、そんな長く集中できないって分かったから」

    京太郎「普通の状態でも全国プレイヤーに通用する力をつけたい」

    ムロ「無理でしょ」

    京太郎「素直だよね……せめて放銃率は下げたいと思う、切実に」

    674 = 1 :

    ムロ「デジタル打ちしてると必然的に上がりますよね」

    ムロ「セオリーを超えた打ち筋するなら+αがないと」

    京太郎「勝負勘とか経験則とか……オレには無いモノだな」


    ムロ「視点移動を読むのはシラフじゃ無理なんでしたっけ」

    京太郎「視線読みは集中力と眼精疲労のせめぎ合いでさ」

    ムロ「あんまり無茶しないでくださいよ? 福路先輩だってここぞって時にしか使わないんですから」

    京太郎「あの人は開眼してなくても強いけどな。でもオレは……」

    ムロ「先輩も強くなったと思いますよ」

    京太郎「そうかな。ムロが言うんだったら、そうかもな」


    京太郎「片目の福路先輩でゾーンに入ったオレと同等くらいか」

    ムロ「そうでs……いや、ソレ盛ってません?」

    京太郎「……ちょっと」


    京太郎「まだ集中力が安定しなかった時はよくコレしてたよな」

    ムロ「理牌読みですか? そうですね……」

    675 = 1 :

    1年前 秋 清澄高校 麻雀部部室


    「それでは、今日の特別ゲストは風越女子高校麻雀部元キャプテンの福路美穂子さんの登場でーす」

    美穂子「こんにちは。今日はよろしくお願いします」

    京太郎「よろしくお願いしま―す」

    優希「おお! 福路先輩だじぇ!」


    ムロ「お久しぶりです。以前、合宿所でお会いしましたよね」

    美穂子「久しぶりね室橋さん、マホちゃんも元気だった?」

    マホ「はい! マホはいつでも元気です!」

    美穂子「それと、コレお土産。よかったら食べてください」

    「ありがとうございます。わざわざすみません」

    まこ「あとで茶でも淹れるか」


    「それで、最近もてあまし気味の須賀君?」

    京太郎「変な言い方やめてください」

    「せっかく人並み以上の集中力を発揮できるというのに、十分に活用できていないんじゃないかしら?」

    優希「そうなのか?」

    京太郎「んーまぁな。上手くゾーンに入ったとしてもやる事がないっていうか……」

    京太郎「相手のツモる動きとか打牌がスローに見えるけど、だから何?って感じだし」

    676 = 1 :

    「……もったいないわ」

    京太郎「え?」

    美穂子「もったいないですね」

    京太郎「福路さんまで……一体なんですか」

    「いい、須賀君? 確かに麻雀では手牌や相手の河を見て取捨選択するけど……」

    「判断材料はそれだけでいいのかしら?」

    京太郎「えーと、点数状況とか」

    「それも大事だけど、意識するのはまずオーラス前でいいわ」

    京太郎「じゃあ、今日は何を」


    「相手を見るのよ」


    京太郎「相手を見る?」

    「そこで、須賀君には美穂子がやってる事をしてもらうわ!」

    美穂子「そういう事で、よろしくね」

    677 = 1 :

    京太郎「福路さんがしている事ってなんですか?」

    美穂子「それこそ相手を見る事ね。具体的には、理牌のクセを読んでどの牌が集まっているかとか」

    マホ「そんな事が分かるんですかー!?」

    「マホちゃんも手出しの牌を覚えれば分かりますよ」

    美穂子「高い精度で見抜くには相手の視点移動を確認するのも重要ね」

    ムロ「なるほど、目の動きを読むのか……って無理ですよそんなの!」

    京太郎「わかりました、やってみます」

    ムロ「できるんですか!?」


    京太郎「さぁな。でも、視線を読むのは得意なんだ」

    京太郎「ハンドボールだと一瞬の間にどう動くか判断しなきゃいけないから」

    「以前、試合の様子を動画サイトで見ましたが、もの凄くパス回しが細かいんですよね」

    優希「ジャンプシュート決める時とか、空中ですごい動いてるしな」

    京太郎「あれはもうフェイントの掛け合いだよな。選手の一挙手一投足の動きを判断しないといけないし」

    京太郎「それで特に視線を見極めるのが大事なんだ」

    ムロ「へぇ、凄いんですね」

    京太郎「視線でフェイント掛けるとか普通にあるしな」

    678 = 1 :

    「これはなかなか素質ありそうね」

    美穂子「そうみたいね。それじゃあまずは理牌の見極めから始めましょう」


    チャッチャッ

    美穂子「はい、それでは配牌が終わりました。これから理牌をするわけだけど……」

    美穂子「そうね、まずは手出しの牌に注目しましょう。1・9牌を覚えてね」

    京太郎「1・9牌ですか?」

    美穂子「そこから数牌のグループの場所が大体わかるわよね?」

    京太郎「そうか、その隣の牌は別のグループというわけですね」

    美穂子「はいその通りです。こんな感じで手出しの牌を見ていって推理していくの」

    美穂子「鳴いてくれたらもっと分かりやすいわね」


    美穂子「あと端の牌なんか安牌を見抜くのには重要よ」

    美穂子「さて。もし、向かって右端から四萬が出たら?」

    京太郎「最低でも一~三は無いから、一萬・二萬は安牌ですね」

    美穂子「正解です。それから、牌の上下も気にしてね?」

    京太郎「上下ですか?」

    美穂子「そう。例えば、一筒とかはひっくり返す必要の無いデザインでしょう」

    京太郎「なるほど、言われてみれば」

    679 = 1 :

    美穂子「まずはこの辺から始めていきましょう」

    京太郎「わかりました」

    「そっちに手積みの牌があるからそれ使って練習してね」


    優希「よーし福路先輩! 私と勝負するじぇ!」

    美穂子「あらあら。それじゃあ須賀君、後は頑張ってね」

    京太郎「はい、ありがとうございます」

    「私も卓に入るわ。今日はずっと理牌もしないで盲牌して打とうかしら」

    まこ「そんなら打牌の時に申告でもするか?」

    「いいわね。あ、そういえば向こうにサングラスがあったハズ」

    優希「絶対途中で飽きるじぇ……」


    「さぁここはどの牌を切るべきでしょうか」

    マホ「えっと……」チラ

    「私を見ても答えは出ませんよ?」

    マホ「うぅ……」

    京太郎「和とマホはネト麻か。それじゃムロ付き合ってくれ」

    ムロ「はい」

    680 = 1 :

    京太郎「二人麻雀しつつ、相手の手牌を読むぞ」

    ムロ「相手の河は読まないで打った方が分かりやすいですかね」

    京太郎「そうだな、まずは真っ直ぐテンパイ目指していこう」


    京太郎「まずは字牌の整理だな」

    ムロ「先輩は字牌の切り方ってどうしてます?」

    京太郎「オレは場風→三元→客風→自風かな」

    ムロ「デジタルですね」

    京太郎「すっかり教則本のやり方に染まってしまったよ。ムロは?」

    ムロ「私は客風→場風→三元→自風です。ちょっと期待しちゃいます」



    京太郎「もしかして三色作ってる?」

    ムロ「……それ河見て言ってません?」

    京太郎「アハハそんな……えっと、萬子が3つに筒子が6つだろ……」

    ムロ「お、正解です。それから?」

    京太郎「索子2つと字牌が2つ。234の三色」

    ムロ「んー、惜しいです!」

    京太郎「マジか!?」

    681 = 1 :

    ムロ「字牌無いですよ」

    京太郎「じゃあ配牌時から字牌なかったんだ」

    ムロ「はい、九索の暗刻落としでアタマにしました」

    京太郎「やられた……じゃあ三色・ピンフか」

    ムロ「まだ2向聴ですけどね。三色つくかなー」

    京太郎「鳴いてもいいんだぜ?」

    ムロ「それはちょっとヒント出し過ぎじゃないですか?」


    京太郎「手ぇ伸びねー」

    ムロ「リーチです。テンパイ即リー」

    京太郎「きたな」

    ムロ「さて、和了牌はなんでしょうか?」

    京太郎「んん……い、一・四筒」

    ムロ「ロン」

    京太郎「ちょっ……!?」

    ムロ「ふふふ。正解はー」

    二三四②③④2234999

    ムロ「二・五索でした」

    京太郎「全然違うし! 九索重なってたのか……」

    682 = 1 :

    京太郎「結構当たってると思ったんだけどな」

    ムロ「途中まではよかったですけどね」

    京太郎「まだまだ始まったばっかだ! もう1回」

    ムロ「はい」



    京太郎「ムロって冷え症?」

    ムロ「そうですけど、いきなりなんです?」

    京太郎「洗牌してる時に指ぶつかって冷たかったから」

    ムロ「すみません」

    京太郎「いや謝る事じゃない、変な事聞いて悪かった」

    ムロ「別にかまいませんよ。1年中、夏でも冷たくて困ってます」

    京太郎「女の人に多いって聞くけど、大変そうだな」

    ムロ「今の時期スーパーとかコンビニの冷房が強い場所は長居できないです」

    京太郎「あれは効き過ぎ。汗かいてると余計冷えちゃうんだよな」


    京太郎「んで、出る時ダルぅーってなる」

    ムロ「なりますねー」

    683 = 1 :

    京太郎「……正解率低いなぁ」

    ムロ「先輩って今年の春から麻雀始めたんでしたっけ」

    京太郎「ああ、麻雀歴5ヶ月の初心者です」

    ムロ「その割には読めてると思いますよ」

    京太郎「ありがとな、でも大会では実力が全てだから」

    ムロ「中学校ではハンドボールを?」

    京太郎「そうそう」

    ムロ「それはまたどうして麻雀部に」


    京太郎「この辺の高校でハンドボールするとなると選択肢が限られるんだよ」

    京太郎「どうせやるなら強い学校行きたいけど、その強豪校には通学に1時間もかかる」

    京太郎「地元離れてまでやりたいかって言われると、ちょっとそこまでは……」

    ムロ「それで麻雀?」

    京太郎「本当は適当に運動部にでも入ろうかと思ってたんだけど」

    京太郎「どうせなら新しい事やってみようと思って」

    684 = 1 :

    京太郎「人数少なくてゆったりできる思ったらインターミドルチャンピオンとか居るし」

    ムロ「あはは、それはビックリしますね」

    京太郎「団体戦のメンバー足りないからって咲連れてきたらめっちゃ強いし」

    ムロ「宮永先輩って最初から麻雀部ではなかったんですか」

    京太郎「アイツが入部したのは5月だったかな。オレが引っ張ってきたんだ、いっつも本読んでるし」

    京太郎「そしたら県予選突破。全国でも大活躍」

    ムロ「すごかったですよね……」


    京太郎「随分と遠い存在になっちまったなぁ」

    ムロ「……」

    京太郎「なにしてもどんくさいと思ってたけど、あんな取り柄があるとは知らなかったぜ」

    ムロ「インハイチャンピオンですからね……」

    京太郎「練習すればするほどわかるんだ、レベルの違いってやつが」

    ムロ「ホント、すごいですよね……」

    京太郎「なんか取り残された気分」

    ムロ「……」


    京太郎「そんな凄い奴らからバトン受け取っちまったんだ」

    ムロ「バトン……?」

    685 = 1 :

    京太郎「次は俺の番だからな」


    京太郎「それに、自分自身の為にもこのままじゃいられない」

    京太郎「ずっとモヤモヤしてるんだ」

    ムロ「……」

    京太郎「ほんの数ヶ月前の事なのに、もう夏以前はどういう気持ちで麻雀打ってたのか忘れちまった」

    ムロ「忘れちゃったんですか?」

    京太郎「ホントは何にも考えないで打ってたりして」

    ムロ「もう……」

    京太郎「ちょっと重いけどさ、受け取ったからには情けねートコ見せらんないじゃんやっぱ」

    ムロ「はい」

    京太郎「それに、手伝ってくれる人もいるし」


    まこ「ホレ、お茶はいったからアンタらも休憩しんさい」

    京太郎「あ、はーい」

    ムロ「……でもわかるなぁ」

    686 = 1 :

    京太郎「ほい」

    ムロ「ありがとうございます」

    まこ「そのシナモンロール手作りだそうじゃ」

    京太郎「マジですか!」

    ムロ「お店のみたいだ」


    京太郎「いただきます」
    ムロ「いただきます」


    ムロ「香りいいですね。シナモンと、ブラウンシュガー?」

    京太郎「あ、そうだ。シナモンって冷え症にいいらしいぞ」

    ムロ「へぇ、そうなんですか」

    京太郎「少しはあったまったか?」

    ムロ「そんな食べてすぐには効果出ないと思いますけど……でも」


    ムロ「モヤモヤは少し取れたような気がします」

    687 = 1 :

    現在 放課後 清澄高校 麻雀部部室


    まこ「ほんじゃ今日の部活は終了!」

    京太郎「お疲れ様でした」

    ムロ「お疲れ様でした。今日は早いんですね」

    まこ「熊倉先生もおらんしの。それと、ちょいとムロには付き合ってもらうけえ」

    ムロ「え、なんですか?」

    まこ「ふっふっふ」ワキワキ

    ムロ「う……」

    京太郎「行ってら、期待してるぞ」

    ムロ「先輩がそういうなら……」


    まこ「優しくするけぇ、なんも心配しなさんな」

    ムロ「言い方からして不安なんですけど……」

    京太郎「ドナドナドーナード~ナ~♪」

    ムロ「そのBGMやめてください!」

    688 = 1 :

    今日はここまで
    ちょっとフライング気味だけど、京たんイェイ~

    691 :

    おつー

    >>671
    また参考画像描いてくれてもいいのよ?

    693 :

    見損ねた長髪ムロの参考画像見てみたい

    695 :

    こんばんわ
    体調不良でしばらく書けなさそうです

    お詫びの品

    /nox/remoteimages/6b/06/64107d6a85a98ce689efc090b0f0.jpeg.html
    また横になってる……
    前に描いたやつを手直ししようとしたら物理的にオダブツになったので描き直し

    更にムロ度下がった……ボリューム出し過ぎな気がしますね。指で隠して調整してください
    やっぱりムロは前髪短い方がいいですね
    デコから何か出てる。フェロモンとかマイナスイオンとか

    696 :

    お大事にー

    ムロ可愛いやったー
    アニメ寄りならこの長さになっててもさほど違和感はない気もしつつ
    もう少しぱっつんぽくしたらムロって感じが出るかもしれませんな

    697 :

    お大事にー

    698 :

    絵ありがとうございます!

    体調に気を付けてくださいね
    お大事に

    699 :

    すばらっ!

    700 :

    こんばんわ
    健康状態と執筆速度は比例しないけど、前と同じペースを維持できればと思ってます
    書いてない日でもずっとムロの事を考えてたよ。本編に活かせるか怪しいけど

    では投下します


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