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    元スレ京太郎「新入部員が」ムロ「私だけ!?」

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    みんなの評価 : ★★★×6
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    701 = 1 :

    龍門渕高校 麻雀部部室

    南二局
    親:須賀京太郎


    「……」タンッ

    打:南

    ムロ「ポン」

    (五)六七3445566/南南南

    ムロ(よし、イーペーコー捨てちゃうけどダブ南ゲット。ついでにテンパイ)

    ムロ(ツモ筋に和了牌は無いけど、悪くない待ちだし出和了りに期待)


    「……」

    チャッ パシッ

    ムロ(天江さんもテンパ……イ!?)

    ムロ(3・4・5・6待ちの四面張? コレ……完全に狙ってきてる)

    ムロ(つまり、さっきの南は鳴かされたのか)

    「ふふん」

    ムロ(この形が、ある……)

    XXX3334455XXX

    ムロ(悪い顔してるなぁ……天江さん相手にテンパイ出来たと思ってたらコレとは)

    ムロ「……」

    打:(五)


    ムロ(どうせまた鳴いてコースインするんだ)

    702 = 1 :

    「それチーだ」

    /(五)三四

    (赤五を? まさか純に鳴かせる為に)

    ムロ(……『流れ』か)

    ムロ(私にはよくわからないけど)

    「ツモ。タンヤオ・ドラ・赤1」

    「ぐぬぬ」

    ムロ「はい」



    南三局
    親:室橋裕子


    「ツモ」

    「ぐぬぬ」

    ムロ(さぁ、これで)



    南四局:オーラス
    親:天江衣


    ムロ(引き摺り下ろせ……!)

    京太郎(ムロ……お前)

    703 = 1 :

    「ロン!」

    「ふぅっ!?」

    ムロ「よっし……!」

    京太郎(そんなに罰ゲームがイヤなのか)


    1位 「乗るしかない、この流れに」
    2位 ムロ「大逆転滑りこみセーフ!」
    3位 衣「月が欠けてて力が出ないよぅ……」
    4位 京太郎「地味にラス引いてるしオレ」


    ムロ「イェーイ!」

    「イェー!」

    京太郎「もうやめて下さい! 泣いてる子供もいるんですよ!」

    「子供じゃない! 衣だ!」


    「はいはい、それじゃあ下位の二人は」

    ムロ「バツゲーム!」

    「うぅっ……」

    京太郎「マジか」

    「須賀は炭酸コーヒー」

    京太郎「コーヒーがシュワシュワしてちゃダメでしょ……」

    ムロ「天江さんはこれです」

    「見た目は普通のジュースだな……でも何かヘンなの入ってるんでしょ! 衣は知ってるぞ!」

    704 = 1 :

    透華「そちらの卓も終わりましたのね」

    トシ「お疲れ様」

    まこ「罰ゲームは京太郎と……天江か」

    透華「あら、意外ですわね」

    京太郎「お疲れ様です。そっちも終わりましたか」

    まこ「なんとか上位に入れたわ。ほれ京太郎もグイっといかんか」

    京太郎「そこの二人を見たらとてもいけませんよ……」


    智紀「うす……から……」ズーン

    「ナニコレ……画用紙でも揚げたの……?」ズーン


    京太郎「一体何食べさせたんですか!」

    透華「智紀にはチリペッパーチョコ、一にはポテトチップス」

    透華「ハギヨシが厳選した、輸入菓子の中でもとりわけ微妙な味のモノを用意しましたわ!」

    京太郎「ハギヨシさん……」


    「衣、今すごい顔してるぞ」

    ムロ「やっぱりルートビアはキツイみたいですね」

    「くさ……ケホッ……」ズーン

    705 = 1 :

    まこ「ほれほれ」

    京太郎「わかりましたよ……では、いただきます!」

    ゴクリ

    透華「い、いかがですの……?」

    京太郎「あ、結構イケる」

    まこ「うっそ」

    トシ「コーヒーの炭酸割りは昔の喫茶店のメニューにもあったくらいだしねぇ」


    ムロ「それじゃ罰ゲームにならないじゃないですか」

    京太郎「そんな事言われてもな、ムロも飲むか?」

    ムロ「え、私は……」

    京太郎「ほら、なかなかうまいぞ」

    ムロ「それじゃ……あ! ははーん、なるほど」

    まこ「どしたんじゃ?」

    ムロ「一見普通を装い警戒心を解かせ、私に飲ませる事で道連れにしてやろうという魂胆ですね!」

    京太郎「深読みしすぎ」


    「衣、飲まないんだったらソレ貰っていいかい?」

    「でもコレおいしくないよ?」

    「いいんだ。この際、強烈な味の方が助かる……」

    「そ、それはどういう……」

    706 :

    炭酸コーヒーは上島珈琲店が店舗でやってるのは結構美味しいんですよ!!

    707 = 1 :

    グビグビ

    ダン!

    「湿布だこれ!」

    「だから言ったのに」


    「ふぅ……でも、これで自分が正常な味覚である事が証明されてよかったよ」

    「え?」

    「このポテチ、油っこいのにボサボサするし塩気は少ないし……」

    「食べてくうちに分からなくなってくんだ……」

    「ボクが食べてるものは果たして本当に食べ物なのかって」

    「恐ろしい……」

    智紀「このチョコも負けてない……」

    「と、ともき」


    智紀「チョコにチリペッパーの組み合わせはよくあるけど、コレは駄目な部類」

    智紀「まず基本的に甘さが足りない。ビターとかじゃなくて味が薄い……」

    智紀「そこにピリピリした辛味が来る。じんわりした辛さじゃなくて、ただの刺激が」

    智紀「チョコの薄い甘味に必要性を感じない辛味……その2つは剥離していて混ざる訳でもない」

    智紀「もう何をしたいのか理解できない……何故誕生したのか、何故存在するのか……」


    智紀「私は一体何者なのか……」

    「いけない! ともきーのアイデンティティが崩壊しそうだ!」

    「チョコひとつで!?」

    708 = 1 :

    京太郎「レモンとか入れたら合うかも」

    ムロ「ホントですか?」

    「つまんねーな、これなら国広君特製のタバスコジュースでも用意するんだったぜ」

    京太郎「ジュースにタバスコは……」

    トシ「トマトジュースにならタバスコはアリよ」

    まこ「そうなんですか?」

    トシ「ソースを加えたりパセリを振りかけたりしてね。冷たいトマトスープみたいな感じよ」

    ムロ「そう言われると美味しそうですね」

    京太郎「ちなみにそのタバスコジュースはどうだったんですか?」

    「さぁな、国広君が用意して国広君が飲んだからわかんね」

    京太郎「え」


    まこ「それにしてもよく天江相手に勝ち抜けたのう」

    「室橋が鳴かせてくれたおかげでな」

    まこ「流れってやつか」

    「今夜はそんなに月が満ちてないしな。鳴くだけでよかったぜ」

    「月さえ出ていれば……」

    京太郎「その、流れに乗るってのは鳴く以外にも方法があるんですか?」

    「ああ。といっても、あんま説明すんの得意じゃないし、言葉だと余計わかんなくなりそうだけど」

    「実際に流れを感じる事ができないと乗るのは難しい」

    709 = 1 :

    「いや、乗るだけなら誰にでもできる。須賀も経験あるんじゃないか?」

    「普段通りにしてるのにヤケに調子が良かったりする時とか」

    京太郎「ありますね」

    「ソレだ。で、普通だったら予期しないタイミングでやって来るツキを任意で呼び寄せる事が出来たり、逆に……」

    京太郎「相手のツキを断ったり」

    ムロ「でも、知らずに流れに乗ってるって事は私達にも出来るって事ですよね」

    「出来ない訳じゃないが……例えばオレは目を開けてるけどお前らは目を閉じて綱渡りしてるようなモンだ」

    「ただでさえバランス感覚を要求されるのに目ぇつぶってたら、なぁ?」

    ムロ「そうですか。うーん……そんなうまい話はないかぁ」


    京太郎「思ってたんですけど、それで衣さんの支配を抜けるのってなんでですか?」

    「ん? 単純に運が良けりゃ抜けるだろ」

    ムロ「そういう問題ですか!?」

    「まぁ衣ぐらいだと相当な運量をかき集めないと無理だけどな」


    「それより、須賀こそ衣の支配を受けないのはなんでだ?」

    「なんでだ?」

    ムロ「なんでですか?」

    京太郎「なんでですか? 熊倉先生」

    710 = 1 :

    トシ「あれも流れの一種だと思うわ」

    ムロ「ほうほう」

    トシ「ただ、作用は真逆ね。運気を集めたりするんじゃなくて流れに左右されなくなる」

    トシ「それで相手の能力も効かなくなるわ。もちろん絶対じゃないし限界はあるけど」

    京太郎「満月に近い状態だとテンパイできなくなるしなぁ」

    まこ「じゃが集中するだけでそんな効果が付くとはのう」

    トシ「運気のベクトルが極端に自分自身に向いているからでしょうね。それに、ただの集中じゃないわ」

    ムロ「流れとか運気とかって、結局なんなんですか?」

    トシ「さぁ? 分からないわ。だからオカルトって呼ばれるのかもしれないわね」


    1時間後

    透華「牌譜の検討もこんなもんですわね」

    「そろそろ休憩にしない?」

    透華「それもそうですわね。ハギヨシ」

    ハギヨシ「は、ただいま用意いたします」

    京太郎「オレも手伝います。また色々教えてください」

    ハギヨシ「かしこまりました。では参りましょう」

    京太郎「はい」


    まこ「ふぅ~。とりあえずお疲れさん」

    「お疲れ様。あれ、衣は?」

    透華「またどこかに行ってますわ」

    711 = 1 :

    「しっかし、最近あっちぃよな。すっかり夏って感じだ」

    まこ「そうじゃのう。ウチでもアイスコーヒーの注文が多くなってきたわ」

    トシ「でも、冷やし過ぎは注意だよ」

    ムロ「まったくもって」

    智紀「冷房で思っているより身体は冷えてる」


    透華「夏服はコーデに悩みますわね」

    「そうだよねー」

    まこ「……」

    「……」

    透華「今年は少しカジュアルな感じで攻めてみましょうかしら。スニーカーとか履いて」

    「いいんじゃない? ラフなファッションも似合うと思うよ」

    ムロ「……」

    智紀「……」


    「なに?」

    「いや」

    智紀「どうかそのまま、まっすぐな一でいてほしい」

    712 = 1 :

    ムロ「そ、そういえば、沢村さんのストール素敵ですね」

    智紀「ありがとう。肩を出すような服だと、冷えて肩こりがひどくなる」

    まこ「肩がこるのは他にも理由ありそうじゃがな」


    ムロ「井上さんはシンプルにポロシャツなんですね」

    「あんま着飾んのもらしくねーし、1枚でキメられるのがいい」

    透華「ワイルドですわ」

    「硬派だよね」

    智紀「女受け良さそう」

    「ありがとよ。なんか他意が見え隠れしてるが……」


    まこ「夏服といえば、こないだムロに浴衣を仕立ててやったんじゃ」

    ムロ「先週、花火大会があったので行って来たんですよ」

    「へぇ、浴衣か。風流で良いね」

    トシ「そういえばそんな事言ってたわね。浴衣の柄はどんなのだい?」

    ムロ「黒地にあやめの柄です」

    透華「うん、室橋さんにぴったりですわね」

    「いいんじゃないか」

    ムロ「えへへ、ありがとうございます」

    713 = 1 :

    「花火大会たのしかった?」

    ムロ「ん、ええ、まぁ。楽しかったですよ?」

    「なんか釈然としない良い方だな」

    トシ「何かあったの?」

    ムロ「あったというか、なかったというか……」

    智紀「気になる」

    透華「ハッキリしませんわね! もう全部喋ってしまいなさい!」



    京太郎「お待たせしましたー」

    ムロ「……」

    透華「来ましたわね」

    「御苦労だったな、まあ座れよ」

    京太郎「はぁ。え、なにこの雰囲気?」

    「ちょーっと須賀君に聞きたい事あってさ」

    京太郎「なんですか?」


    透華「貴方、室橋さんを袖にしたというのは本当ですの?」

    京太郎「……」

    ムロ「……」


    ムロ(え、なにこの公開処刑……)

    714 = 1 :

    今日はここまで
    輸入菓子は当たり外れ多い……

    715 :

    乙、まさか実体験か…

    718 :

    乙。美味い菓子は大体味の方向性が決まってるけど不味いのは色んな可能性があるから楽しいよね

    719 :

    乙。グレートバリューの菓子やらジュースは総じて地雷

    720 :

    エスニック系のお菓子も楽しいよ、おいで!
    インドのお菓子でカリっていうパイ菓子がおいしいんだけどなかなか置いてあるとこがない

    721 :

    フライド画用紙食べてみたいな

    722 :

    画用紙か画鋲って読んでて揚げた画鋲とか色んな意味でやべぇって思ってた

    723 :

    こんばんわ
    暖かくなってきたかなーと思ったら一気に気温下げる地球規模のフェイントやめてください

    >>722
    それは普通にやべぇ
    でも一ちゃんなら食べた画鋲がおもむろにポッケから出てくる気がします

    投下します

    724 = 1 :

    京太郎「え、なになに?」

    透華「お二人の問題ですからあまり深くは口出しいたしませんが……」

    「もうしてるけどな」

    「ボクらも共犯だけどね」

    透華「その、あんまりではありませんの!?」

    京太郎「すみません、状況説明を……」

    まこ「あー、先週の花火大会の話じゃ」

    智紀「須賀君が室橋さんの告白を断ったって聞いた」

    京太郎「ムロがそう言ってたんですか?」

    ムロ「いや、私は……」

    透華「こっちは理由を聞きませんと納得できませんわよ!?」

    ムロ「私は……」

    透華「さぁ観念してお話しなさい!」

    ムロ「話を……」

    京太郎「ええと、じゃあ最初から説明させてもらいますね」

    ムロ「あの……」

    「ごめんね、止まらなくて」

    智紀「諦めて。もう一から聞かせた方が早い」

    725 = 1 :

    一週間前 夜 河川敷


    ムロ「お待たせしました、先輩」

    まこ「すまんすまん、少し着付けに手間取ったわ」

    ムロ「……どうですか?」

    京太郎「待った甲斐はあったよ。似合ってるぞ」

    ムロ「えへへ、そうですかー」


    京太郎「……で、どんな塩梅でした?」

    まこ「……全体的に膨らんでてハリがあった。絶賛成長中じゃ」

    京太郎「ふぅ~む、なるほどなるほど」

    ムロ「?」


    京太郎「ちゃんと髪形もセットしてきたんだな」


    ムロ「そんなに長くないから、あんまりアレンジできないですけど」

    まこ「後ろをアップにして巻いてみただけじゃけぇ。でも結構イメージ変わっちょるわ」

    京太郎「うん、新鮮でいい感じ」

    ムロ「あ、ありがとうございます。先輩も、似合ってますよ浴衣」

    京太郎「サンキュ。たまに着るといいな、気が引き締まる」


    まこ「花火までまだ時間あるし、屋台でも見るか」

    京太郎「そうですね」

    726 = 1 :

    京太郎「そういや、去年はタコスの屋台なんてあったな」

    ムロ「タコスですか、優希先輩が喜びそう」

    京太郎「実際食いついてたぜ、すげぇ勢いで」

    まこ「まずはグルっと屋台見てみるか」


    ムロ「色んな屋台ありますね」

    まこ「焼きそば、チョコバナナ、アメリカンドッグ……定番は一通り揃っとるわ」

    京太郎「これぞお祭りって感じですね、ラインナップも……値段も」

    まこ「そこは目ぇつむりんさい」

    ムロ「あ、あった! ありましたよタコス」

    京太郎「今年も出店してたか」

    まこ「まぁまだ急いで買わんでもええじゃろ」

    ムロ「まずは端の方まで一通り見てみますか」

    京太郎「そうだな。お、お好み焼き」


    ムロ「大阪を思い出しますね」

    京太郎「オレは上重さんのお好み焼きを食べてしまったから、もう普通のお好み焼きは食べられない身体になってしまったんだ」

    まこ「確かにアレはこの辺じゃ食えんからのう」

    ムロ「今でも脳内再生余裕です」

    京太郎「まだ思いだせるうちはなぁ……」

    まこ「祭りの出店にあのレベルを要求する方が間違ってるがな」

    京太郎「ですよねー」

    ムロ「それじゃ他の見てみますか」

    727 = 1 :

    ムロ「このあたりはソースの匂いと焼き物の煙で凄い事に……」

    京太郎「顔面にモロに当たって……これはたまらん」

    ムロ「焼きもろこしの匂いが香ばしい」

    まこ「甘じょっぱい。こん煙は焼き鳥のタレか」

    ムロ「そこに颯爽とかき氷の店があるのが憎い配置」

    京太郎「うむ」


    まこ「甘いのもあるぞ」

    ムロ「りんご飴にわたあめ、定番ですね」

    京太郎「むしろ祭りでしか見ないな」

    まこ「そう言えばそうじゃの」


    京太郎「じゃあせっかくだし」

    ムロ「わたあめ買うんですか?」

    京太郎「おう。あ、そうだ……」

    ムロ「どうしました?」

    京太郎「袋の絵、プリティなのとかキュアキュアなのとかあるけど何にする?」

    ムロ「えぇ……別に何でもいいですけど。じゃあスイートで」


    まこ「こっちはなんか珍しいモン売っとるわ」

    京太郎「へぇ、どれどれ?」

    ムロ「ふーん。ソーセージマルメターノ……って、まんまだ」

    728 = 1 :

    京太郎「買っちゃうんですね、マルメターノ」

    まこ「わたあめと並ぶとキャンディに見えんかのう」

    ムロ「随分大きいカラメルですね」

    京太郎「ケチャップに見えるのはストロベリーソースですか?」

    まこ「あーん……ってコレ普通に上から食べたら落っこちそうじゃ」

    ムロ「マルメターノがコボレターノになってしまう」

    まこ「もぐもぐ。あつつ……焼き立てじゃ。んまい」


    京太郎「そろそろいい時間かな」

    まこ「人も増えてきたしの。場所取りしとくか」

    ムロ「あっ、あの辺が空いてますよ!」


    京太郎「シート設置完了!」

    ムロ「ありがとうございます」

    京太郎「携帯の虫よけも」

    まこ「流石じゃの」

    京太郎「ふふん、これくらいどうって事ないですよ」

    729 = 1 :


    『みみななささままたたいいへへんんおおままたたせせ……』

    まこ「お、ついに始まるわ!」

    京太郎「アハハ、反響して何言ってるかわっかんねー!」

    ムロ「ちょっとドキドキしてきました」

    『カカウウンントトダダウウンン……55……44……』


    まこ「3!」


    京太郎「2!」


    ムロ「1!」






    ムロ「わぁ……」


    ドンッ


    まこ「おおー!」

    ドンッ ドンッ パパパンッ

    京太郎「うおぉスッゲー! でっか!」

    ムロ「すご……まぶし……」

    730 = 1 :

    京太郎「キレーだったなぁ」

    ムロ「ホントですね」

    まこ「オープニングじゃけぇ気合入ってたわ」


    京太郎「あー、今日は風吹いてないのか……」

    ムロ「風無い方がいいんじゃないんですか?」

    まこ「あんまし強風じゃと危ないがの。ホレ、これじゃ煙が漂っとるまんまで花火が見えにくいじゃろ」

    ムロ「あ、そうか」

    京太郎「次の打ち上げまで少し時間かかりそうだ。よし、なんか飲み物買ってくるよ」

    ムロ「お願いしまーす」

    京太郎「何がいい?」

    ムロ「先輩にお任せします」

    まこ「わしの分はええから」

    京太郎「そうですか? それじゃ行ってきます」


    まこ「行ったか」

    ムロ「ですね」

    まこ「……あーなんかウチの店がヘルプ呼んどる気がするわー」

    まこ「せっかくの花火大会じゃが手伝いせんとなーしょうがないのー」

    ムロ「棒読みすぎる……なんか、スミマセン」

    731 = 1 :

    まこ「……さて、わしはもう帰るけぇ」

    まこ「がんばれよ」

    ムロ「っ……」コクン


    京太郎「お待たせ。アレ? 染谷部長は?」

    ムロ「い、家のお手伝いとかで、先に帰っちゃいました」

    京太郎「そーなのかー。せっかくの花火大会なのに残念だな」

    ムロ「そうですね……」

    京太郎「じゃ、その分オレ達が楽しむとしますか。はい飲み物」

    ムロ「ありがとうございます」


    ドンッ パパパパッ

    京太郎「おお~キレイだなー」

    ムロ「色んな形がありますね」

    京太郎「好きな形とかある?」

    ムロ「牡丹とかいかにも花火って感じで良いですけど、私はしだれてるのか好きですね」

    京太郎「そうなんだ」

    ムロ「尾を引くのが余韻あって、風流だと思います。先輩は?」

    732 = 1 :

    京太郎「オレは昇ってる途中に小さいのが開いていって、最後に大きいのが咲くやつが好きだな」

    ムロ「へぇ、なんだか通ですね」


    京太郎「オレには小さい花火が大きい花火を上に上に押し上げていってるみたいに見えてさ」

    京太郎「その小さいのがあるから、最後の花火が高く大きく咲けるんだなって思うんだ」

    ムロ「成程……それ素敵です」

    京太郎「なかなか通な見方だろ?」


    京太郎「来週はまた龍門渕さんとこで練習か」

    ムロ「久しぶりですね」

    京太郎「毎週泊まりがけで疲れてないか?」

    ムロ「大丈夫ですよ、心配ご無用。むしろ先輩の方が大丈夫ですか?」

    ムロ「長時間打ってるとだらけるじゃないですか」

    京太郎「これでも元運動部、体力には自信あるから。まァ、らくしょーってことで」

    ムロ「ホントですか? 信じますよ」

    京太郎「おう」


    ムロ「先輩は……無理してませんか?」

    京太郎「え?」

    733 = 1 :

    ムロ「なんだか、先輩はずっと頑張ってて、それは凄いと思いますけど」

    ムロ「たまに、無理してるっていうか、辛そうな感じがして」

    ムロ「毎回長時間ゾーンに入るのだって、それって普通じゃないですし……」

    京太郎「……ムロはホントによく見てるな」

    ムロ「やっぱり……」


    京太郎「でも、無理するくらいが丁度いいんだ」

    ムロ「なんで」

    京太郎「オレみたいな初心者が全国なんて舞台に上がるにはな」

    京太郎「自分以上の自分でないとダメなんだ」

    ムロ「でも、そこまでして……」

    京太郎「うーん、何でかって理由はあるんだけど、言葉にしにくいって言うか……」

    ムロ「清澄だからですか?」

    京太郎「まぁぶっちゃけ、言ってしまえばそうなんだけど……ちょっと違うかな」

    ムロ「?」

    734 = 1 :

    京太郎「結局は自分の為で……」

    京太郎「清澄に居るなら、アイツらと並ぶくらいの……」

    京太郎「じゃないと」

    ムロ「それは……」

    京太郎「わかるだろ? ムロもさ」

    ムロ「……そうですよ、私だって」

    京太郎「だろ? だから、言いっこナシ」

    ムロ「はぁ……」

    京太郎「大丈夫だって。倒れちゃったら元も子もないし」

    ムロ「当たり前です!」


    ムロ「……ねぇ、先輩?」

    京太郎「ん?」

    ムロ「私ね、去年からずっと思ってました」

    ムロ「この人は私と似てるなぁって……」

    735 = 1 :

    ムロ「どこか淋しがりで、ちょっと不器用で、つい我慢しちゃったり」

    京太郎「……」

    ムロ「そんな人ほっとけないです。私、ずっと見てました」

    ムロ「そして、見ているうちに、見てるだけじゃ足りなくなって……」

    ムロ「似てるって思ったら、もっと欲しくなって……」

    京太郎「ムロ……」

    ムロ「ねぇ、先輩」


    ムロ「私のものになってくれませんか」






    京太郎「……悪い……今は、応えられない……」


    ムロ「……」

    736 = 1 :

    京太郎「今、オレってば自分の事で一杯一杯でさ……あんまりムロの事、気にかけてやれないと思うんだ」

    ムロ「私は、それでもかまいませんけど……」

    京太郎「駄目。オレがかまう、それはあまりに誠実じゃないから。それに……」

    ムロ「それに?」

    京太郎「オレが、ムロとそういう関係になったら……」


    京太郎「思いっきり甘えちゃいそうで」

    ムロ「私はそれでもかまいませんけどぉ!?」


    京太郎「いや、この夏は麻雀に集中したいんで……」

    ムロ「それって、私が麻雀に集中してないみたいじゃないですか!」

    京太郎「い、いやそういうつもりじゃないって……」


    ムロ「はぁ……はぁ……っていうか、なんなんですか」

    京太郎「なんなんって」

    ムロ「その、この夏は~って……それじゃ、その、夏、大会終わったら」

    ムロ「その時は……」

    737 = 1 :

    京太郎「その時は、オレから言わせてくれ」


    京太郎「絶対返事するから」

    ムロ「……ソレ、期待していいですか?」

    京太郎「悪いようにはしないよ」

    ムロ「……うぅ」

    京太郎「え」


    ムロ「えぐっ……ふうぅ……」

    京太郎「ちょ」

    ムロ「うあぁ……あぁ……」

    京太郎「えと、な、泣くなよ……ほら、どうした?」

    ムロ「ふわあぁぁ……ぐしゅ……うぅ……」



    京太郎「落ち着いたか?」

    ムロ「……まぁまぁ」

    京太郎「よしよし」

    ムロ「んぅ……」

    738 = 1 :

    ムロ「ちょっと、ホッとしたら、なんか……」

    京太郎「悪い」

    ムロ「謝らないでください……でも、正直、少し不安です」

    京太郎「悪い」

    ムロ「また言った」

    京太郎「申し訳ない」

    ムロ「レパートリーを増やされても」


    ムロ「だから、その、しるしというか……欲しいんですけど」

    京太郎「しるし?」

    ムロ「先輩を予約済みっていうしるし」

    京太郎「えーと、定番だと指輪だったりか……?」

    ムロ「んー、それは返事貰った後で買ってもらいます」

    京太郎「お、ちゃっかりしてる」

    ムロ「だから今日は……そうですね、唐揚げにじゃがバタ。あ、タコスを忘れるトコだった」

    京太郎「食べ物かよ!」

    739 = 1 :

    ムロ「あとクレープと……先輩、前に言ってたじゃないですか」

    ムロ「食事する時は何時何処で誰と食べるのかが大事だって」

    京太郎「言ったような気が」

    ムロ「だからね、一緒に食べましょ?」

    京太郎「……そうだな。カタチじゃない、思い出作りも悪くない」

    ムロ「それで目いっぱい楽しんじゃいましょ?」


    ムロ「今夜の事は絶対に忘れられないくらいに!」





    京太郎「……っていうわけです」

    「んだよ、結局ノロケじゃねぇかよ!」

    智紀「こっちは修羅場を期待していたのに」

    「まぁいいんじゃない? ボクはメロドラマよりもラブコメの方が好きだな」

    京太郎「おうおう、好き勝手言いなさる」


    トシ「でも安心したよ」

    まこ「わしもここまで細かくは聞いとらんかったけぇ」

    透華「これにて一件落着ですわね!」

    京太郎「いや、そもそもコレ立件する事案ではなかったんじゃ……」

    740 = 1 :

    「うむ、仲良きことは美しきことかな」

    透華「あら、衣いらしてましたの」

    「少し夜空を見上げていた。ところで」


    「何故ヒロコは悶えているんだ?」

    ムロ「おああぁぁぁぁ……」


    まこ「そりゃ普通は恥ずかしいじゃろな」

    智紀「告白シーン完全再現」

    「聞いててドキドキしちゃったよ」

    トシ「若いっていいわねぇ」

    京太郎「それで結局、返事は待ってもらう事になりました」

    「そうか、つまり……」


    「キープって事だな」

    京太郎「えっ」


    透華「そう言われると」

    「須賀君サイテー」

    智紀「タラシ」

    京太郎「あっいや……その……」

    ムロ「都合のいい女です」

    京太郎「そういうつもりじゃないから!?」

    741 = 1 :

    今日はここまで
    そろそろ京ムロのギア上げなきゃいけない気がした

    内Pだとキープは大抵0ポイントですよね

    743 :

    乙です

    うむ、いいものだ

    744 :

    おつ
    歯磨き終えた後の食い物描写って懲役何年くらいが適当ですかねえ!?

    746 :

    すばら

    748 :

    おつ

    ムロきゃわわ

    749 :

    これはかわいい

    750 :

    こんばんわ
    今更だけど大掃除しました
    しまってた本とか出てきて手が止まる王道パターンでした

    >>744
    歯磨きは食べる前派ならば何も問題はないです

    投下します。短いです


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