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    元スレ京太郎「新入部員が」ムロ「私だけ!?」

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    みんなの評価 : ★★★×6
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    351 = 1 :

    インターハイ長野大会 女子県代表選抜個人戦
    地区予選1日目 北ブロック


    対局室A 第6試合

    東四局:オーラス

    親:龍門渕透華



    透華(龍門渕は団体戦でも個人戦でも優雅に上位入賞いたしますわ、どちらでも全国に行きますわよ!)

    透華(そして……団体・個人でダブル優勝もいただきですわ!)

    透華(でもその前に……)


    佳織「えっと、えっと……」

    透華(去年、このビギナーに嘗めさせられた辛酸を返してさしあげましょうか……!)

    透華(やられたままでは収まりがつきませんわ……やり返す……倍返し、いや100倍返しで!)

    佳織(ふたつずつ……ふたつずつ……)


    透華(といっても、油断はできませんわね……相手を過小評価しない。何が起こるか分からないのが麻雀ですわ)

    佳織「あ……出来ました!リーチします!」

    透華「……!」

    透華(早速来ましたわね!ここはベタオリしておきましょう……それにしても)

    透華(何か……場にもの足りないような……)


    佳織「あ、ツモです!やった!」

    透華「な……!」

    352 = 1 :

    佳織「えと、リーチいっぱつチートイツ……?」

    「そ、それは……!」


    アナ「対局室A、最後に和了ったのは鶴賀学園の妹尾佳織!しかもこれは……」


    東東南南西西北北白白發中中:發


    透華「だ、大七星……」

    「うぅっ」


    アナ「役満ツモ!団体戦に続いてまたもや飛び出したー!」

    アナ「それにしても、これは珍しい役が出ましたね」

    靖子「この大会では字一色扱いだがな」

    靖子「あまりに難易度が高い役だから、ルールによってはダブル役満とするところもあるくらいだ」


    透華「そんな……ありえませんわ……」

    靖子「龍門渕は手痛い失点だな……しかもオーラス」

    靖子「直撃でないとはいえ、これは厳しい。今年も予選突破最有力候補だった……」

    アナ「対局室A第6試合は、鶴賀学園妹尾佳織がトップで終了ー!」




    京太郎「……」

    ムロ「……」

    トシ「すごいもんだねぇ」

    353 = 1 :

      『対局室A第6試合は、鶴賀学園妹尾佳織がトップで終了ー!』


    昼休み 食堂


    京太郎「俺、あんなん初めて見たわ」

    ムロ「うわーキレーだなー」


    アナ『はい、インターハイ県予選女子個人戦の1日目午前の様子をハイライトでご覧いただきました』

    アナ『午後からの試合は○時○○分からの予定となっております。引き続き……』


    京太郎「いやぁ、北ブロックは強敵でしたね」

    ムロ「こーわーいー」


    まこ「ふぅ……この時間帯は混んどるのう、よーやっと買えたわ」

    京太郎「遅かったですね」

    ムロ「おかえりなさい」

    まこ「先に買っといた方がよかったの……それでなんか面白い対局でもあったん?」

    京太郎「1周して逆に笑えそうなのなら」

    まこ「なんじゃそれ」

    354 = 1 :

    京太郎「……それで、妹尾さんがトップで終わりでした」

    まこ「役満出したくらいじゃもう驚かんとは思っとったが……」

    まこ「四暗刻大三元とかじゃのうて字一色で作って和了るとか、やっぱオカシイわ……」

    ムロ「あはは……」

    トシ「でもたまに役満を和了るだけだから、あんまり意識しなくてもいいよ」

    京太郎「役満和了るだけって……」

    トシ「インパクトは強いけど、まぁ当たったら事故みたいなものだからね」

    トシ「こんな短いスパンだとリスクマネジメントも出来ないし」

    トシ「それにムロだったら振り込む事もないだろう?最低でも親っ被りで16000」

    ムロ「十分高いですよ……」



    京太郎「そういえば、今年も活躍してましたね。あの南場の人」

    まこ「ああ、南浦プロのお孫さんな」

    ムロ「東風戦だっていうのに南入するんですよね」

    京太郎「トップが30000点いかないと南入するルールだからな」

    京太郎「それにしても随分点数調整が上手だな、まるで咲みたいだ」

    ムロ「でも能力は南場でのブースト、優希先輩の南場バージョンですよね」

    トシ「うーん、どうもそれだけじゃないみたいよ」

    まこ「他にも何かあるっちゅー事ですか?」

    トシ「他にもって言うか、その南場での能力に関連するんだけど……」

    355 = 1 :

    トシ「きっと東風戦での南入は彼女の能力によるものだと思うわ」

    京太郎「南場で発動するんじゃなくて、南場に持っていく能力もある?」

    トシ「そうだね。ホラ、天江衣の一向聴地獄ってあるじゃない?アレと同じ」

    トシ「海底で和了る為の副次的な効果、一向聴地獄。それが彼女でいう南入する能力なのね」

    まこ「なるほどのぉ~」

    ムロ「自分の本領を発揮するために南入させる……」

    京太郎「つまり元々持っている能力に付随した能力ってわけか」

    トシ「そういう事」


    トシ「能力をいくつも持ってるプレイヤーなんて、滅多にいないからね」

    京太郎「いやいや……」

    まこ「いやいや……」

    ムロ「いやいや……」

    356 = 1 :

    まこ「そろそろ昼休みも終わりじゃな」

    京太郎「頑張って下さい」

    ムロ「行ってきます!」


    トシ「ちょっと待って」

    ムロ「なんですか?」

    京太郎「なんかアドバイスでもし忘れました?」

    トシ「アレ、やっておいた方がいいんじゃない?」

    まこ「おう、アレか」

    ムロ「アレ?」





    京太郎「よーしよしよし、よーしよしよし」

    ムロ「うぅぅ……うあぁ……」


    まこ「よし、ほいじゃ先行ってきますわ」


    トシ「うん、頑張ってね」

    京太郎「いってらっしゃい」

    ムロ「うぅぅ……も、もういいです!十分ですから……!」

    京太郎「そうか?」

    ムロ「はい……あぁ、髪直す時間あるかな……」

    京太郎「じゃあ、俺が直してやるよ」

    357 = 1 :

    ムロ「え?」

    京太郎「櫛くらい持ってるからな、ほらここ座れよ」

    ムロ「ああ、わかりました。それにしても準備がいいというか」

    京太郎「ふふん、デキる男の嗜みってやつさ」

    ムロ「はいはい。ホントに時間無いんで、早くお願いします」

    京太郎「はいはい。かしこまりましたお姫様」



    京太郎「髪、伸びたな」

    ムロ「そうですねぇ」

    京太郎「もっと伸ばすのか?」

    ムロ「まぁ、そのつもりです」

    京太郎「クセもないし、いいんじゃないか?きっと似合うぞ」

    ムロ「に、似合いますかね?」

    京太郎「ああ、サラサラして手触りもいいし」

    ムロ「手触り……あうぅ」

    358 = 1 :

      『まもなく、午後の試合を開始します。各選手は、指定された……』


    ムロ「あ、もう始まっちゃう」

    京太郎「もうちょっと、あと仕上げだから」

    ムロ「早く早く!」

    トシ「ほら、時間無いよ。帰ったらしてもらいなさい」

    ムロ「そうだ」

    京太郎「ん、なに?」


    ムロ「その、櫛、貸してもらえませんか?」

    京太郎「いいぞ。ほらよ」

    ムロ「あ、ありがとうございます!それじゃ行ってきます!」

    京太郎「おお!頑張ってこいよー!」

    トシ「おやおや」


    京太郎「ふぅ、慌ただしくなっちゃったな」

    359 = 1 :

    トシ「それにしても、よく櫛なんて持ってたね」

    京太郎「エチケットですよ。昔から女所帯に居ますから、自然と」

    京太郎「それに、ハギヨシさんからも身だしなみには十分注意するよう言われてますし」

    トシ「あの執事さんだね」

    京太郎「ええ、ホントお世話になってます」


    トシ「それにしても、ムロも櫛の一つや二つ持っててもいいのにね……」

    トシ「ああ、そうだわ。京太郎?」

    京太郎「なんですか」


    トシ「ムロへのご褒美の話だけど……」



    対局室D 第9試合


    ムロ(なんだか謂れの無い事言われてる気がする……)

    ムロ(ヘアブラシくらい持ってるけど、今はバッグの中なだけだし!)

    ムロ(……さて、気をとりなおして)


    ムロ「よろしくお願いします」


    ムロ(目の前の対局に集中する)

    ムロ(今だけは、上じゃなく前を向いていよう)

    ムロ(そうすればいつかきっと……)

    360 = 1 :

    今日はここまで
    PCめっちゃ重かった……

    361 :


    髪をすいてもらうためにあえて持ってこないのかと思ってた

    364 :

    おつー
    永遠の初心者かおりんは健在

    365 :

    おつ

    ムロかわいい

    366 :

    こんばんわ

    サントリーがウイスキーの値上げするとか言ってます
    25%は高すぎるよぉ……
    しかも好きな銘柄のマッカランとかもリストに入っててもうね……

    さてそれでは投下します

    367 = 1 :



    1年前 秋 清澄高校 麻雀部部室


    「それでは、今日はここまでです。お疲れ様でした」

    ムロ「お疲れ様でした」

    マホ「おつかれさまでしたぁ……」

    優希「マホは今日もチョンボ連発だったじぇ!」

    マホ「うぅ……せっかくの休日に和先輩達に教えてもらってるのに……」

    「他の人達の模倣も結構ですけど、まず自分自身の地盤を固めなければ」

    ムロ「マホはすぐ集中力切れちゃうからなぁ」

    優希「まだまだ修行が足りんじぇ!」

    「優希も。南場に入るとすぐに気を抜く、いけませんよ」


    優希「うっ……そ、そうだ!今日モールのタコス屋行かないか?新作出たんだじぇ!」

    「また露骨に話題を逸らして……そんな事では臨海に行っても……」

    マホ「わぁ!タコス食べたいです!」

    優希「そうだろうそうだろう!よし、決定~!」

    「あ、もう……しょうがないですね」

    ムロ「あはは……」

    368 = 1 :

    ショッピングモール内 タコス屋


    優希「到着!だじぇ!」

    マホ「ま、待って下さい~」

    優希「早く早く!美味しいタコスは早いうちに食べるのが鉄則なんだじぇ!」

    「オーダーする速度は関係ありませんから」

    ムロ「何食べよっかなー」


    優希「オススメはこの牛肉とたっぷりのチーズが入ったビーフタコス!」

    優希「辛いのが苦手な人にも美味しく食べれるシンプルながら食べ応えのあるタコスだじぇ!」

    優希「牛肉とガーリックの匂いがたまらないんだじぇ。そこにとろとろアツアツのチーズが……ジュルリ」

    マホ「美味しそうです!マホこれにします!」


    ムロ「私は辛いの好きなんで、何かないですか?」

    優希「うむ、スパイスこそタコスの真骨頂!ムロにお薦めのタコスはコレ!」

    優希「豚肉ソーセージと特製サルサソースのコラボ!チョリソタコス!」

    優希「ただ辛いだけじゃない、ウマ辛ソースとフレッシュトマトで一口、もう一口が止まらない!」

    ムロ「美味しそうですね、私コレ食べよ」


    「私は照り焼きチキンタコスにしますか」

    優希「のどちゃんはいつものだな」

    「それで、優希は?新商品を試すと言ってましたが」

    369 = 1 :

    優希「そうそう、今日私が食べるのは……」


    優希「新商品、とんかつチョコタコス!」

    「チョコ……って、チョコレートですか!?」

    ムロ「ええ?チョコってあの甘いやつですよね……それをタコスに?」

    「とんかつタコスまでは理解できますが……」

    優希「お、知らないのか?チョコ入りとんかつ自体はふつうにあるじょ?」

    「ええ……」

    ムロ「普通……普通ってなんだ?」


    マホ「マホ、テレビであんこかつって見た事あります!」

    「餡子入りのとんかつですか……」

    ムロ「もしかして、とんかつって甘いものと相性良かったりするんですかね」

    「どうなんでしょう……流石にオカルトとは言い切れませんし……」

    ムロ(そこ判断基準がオカルトって……)

    370 = 1 :



    マホ「ハフハフ、ん~チーズが伸びちゃいますぅ!」

    ムロ「んんっあっつ、辛い!でもウマッ」

    「それで、どうですか……?チョコかつの程は」

    優希「モグモグ……んんっコレは!」


    優希「あま~いチョコの中からジューシーな肉の旨味とほどよい塩味がやってきて」

    優希「それらが混ざり合って、コレは……!」

    「ど、どうですか?」

    優希「コレは……え、なんだ?」

    ムロ「美味しくないですか?」

    優希「いや、うまいまずいとかじゃなくて……」

    マホ「?」

    優希「味が新しすぎてアタマが混乱してるじぇ……例えるべきモノが見つからない……」

    「い、一体どんな味なんでしょうか……」

    優希「え?え?なんだこれ……モグモグ……???」

    371 = 1 :

    マホ「タコスおいしかったですー」

    ムロ「ごちそうさまでした」

    「ごちそうさまでした」

    優希「うーむ。よくわからなかったじょ……ある意味もう一度食べたい味だじぇ」



    帰り道


    優希「臨海に行く前にチョコかつタコスの謎を解明しなければな」

    ムロ「そう言えば、もうすぐ大会なんですよね。それで良い成績を残したら合格っていう」

    優希「東風戦なら楽勝だじぇ!」

    「油断は禁物ですよ」


    マホ「……優希先輩とこうしてタコスを食べられるのも、あとちょっとしかないんですね」

    ムロ「マホ……」

    優希「そうだなー」

    「でも、これは優希が決めた事ですから……」

    優希「マホ」

    マホ「はい?」

    優希「お前が清澄に入学するとして、私と一緒に一緒に居られるのは1年間だけだじぇ」

    マホ「はい、マホが1年生の時は先輩たちは3年生です」

    372 = 1 :

    優希「その1年間にお前達に伝えられるものは多くない……」

    優希「ならば、私はより大きな存在にならなければいけないのだ……!」

    マホ「優希先輩……!」

    優希「ムロ、マホ……私はいずれ日本……いや、世界の麻雀界で活躍する人間だ」

    「これはまた大きく出ましたね」


    優希「お前達はビッグになった私の背中を見て育つんだじぇ!」

    マホ「はい!」

    優希「そして清澄、いや長野を背負って立つ選手になるんだ!」

    マホ「わかりました!マホ頑張ります!」

    ムロ「気合十分だけど、道のりは遠いなぁ……」

    「二人とも、目標を掲げるのも大事ですが、ちゃんと足元を見ないと転びますよ?」

    優希「ふっふっふ、路傍の石でつまずく私ではないのだよ?のどちゃん」

    「なるほど。わかりました」


    「では明日の練習からは全荘戦をやりましょう」

    優希「え」

    「北場までの道のりは長いですが、優希ならきっと辿り着けるでしょう?」

    373 = 1 :

    ムロ「うわぁ……」

    「もし、もしもですけど、優希がオーラスまで行けなかったら。あぁ、例えばの話ですよ?」

    優希「あ、あ……」

    「今やっているテキストありますね?アレ、最近続編が発売されまして……」

    「その名も『極!手牌構築 コンティニュアム・シフト2』!これを追加しますからね」

    優希「いや、それは無理だじぇ……今やってるのだってまだ……」

    「え?須賀君はもう終わりましたよ?」

    優希「なに!?京太郎のやつ、なかなかやりおるじぇ……」

    「ですから、優希も出来ますよね。ね?」

    優希「ですからの意味がわからないじょ……」


    ムロ「マホも参加させてもらうか?」

    マホ「マホには自分のペースというものがあります……」

    ムロ「もう少し加速したら?」

    374 = 1 :

    ムロ「私も来年は清澄に入るし、もっと頑張らないとな」

    マホ「受験勉強大変そうです」

    ムロ「まあ、それもやんなきゃだけど、やっぱり麻雀やりたいし」

    ムロ「それに、清澄を名乗るからにはね」


    「でも、そんなに力を入れなくてもいいと思いますよ?」

    「清澄は別に強豪校というわけでもありませんし」

    ムロ「いやいや、何と言っても夏の大会で全国2位じゃないですか」

    「それでも、もうメンバーも染谷部長しか居ませんから……」

    ムロ「……それは残念ですけどね」

    「ですから、変にプレッシャーを与えたくはありません」

    ムロ「プレッシャーだなんて……」

    「新しい世代には新しい清澄を作ってもらいたいです」

    ムロ「……意識しますよ。でも、それはプレッシャーとかじゃなくて」


    ムロ「凄い先輩が居たんだって、誇りに思います」

    「ムロ……」

    優希「うむ!それでこそ私達の後輩だじぇ!」

    ムロ「あはは、ありがとうございます」

    375 = 1 :

    ムロ「できれば、もっと指導してほしかったですけど……」

    「そうですね、私も色々と伝え足りません」

    優希「今更言っても仕方ないじぇ」

    優希「それに、私にはやるべき事があるからな。後ろ振り向く暇なんて無いんだじぇ!」


    「優希のそういうところ、ちょっとだけ尊敬します」

    優希「ちょっと?ちょっとだけなのか~?」

    「ドヤ顔で近づかないでください」


    ムロ「でも、本当すごいですよ。優希先輩は」

    ムロ「どんな時でも前向きでいられて」

    優希「ふふん、そうだろうそうだろう。でもムロ、それはな……」



    優希「私には、背中を押してくれる人達がいるんだじぇ」



    優希「だから、私は前を向いていられるんだ」

    優希「ムロもきっといつか、そんな人達に巡り会えるじぇ」







    ムロ(そう、言っていたっけ……)

    ムロ(あれは、去年の秋頃だったかな……)

    376 = 1 :

    インターハイ長野大会 女子県代表選抜個人戦
    地区予選2日目


    対局室B 第10試合(最終戦)


    南4局:オーラス

    ムロ(あの時は気軽に言えたけど、やっぱり清澄の名前は重いよ)

    ムロ(そして今、潰されそうに……)


    東家:染谷まこ 28200
    南家:深堀純代 18800
    西家:室橋裕子 24000
    北家:国広一  29000



    ムロ(なんとかテンパイできた。でも)

    ムロ(和了形を感じないから、この局は和了れないな……)

    ムロ(現在3位、トップの国広さんが放銃してもプラスにはなれない……)



    まこ(さて、この試合……)

    まこ「チー」

    まこ(わしが1位抜けしたとしても、総合で上位に入るのは厳しいかの……)

    まこ(まったく、高火力プレイヤーが多くて困ったもんだわ)


    まこ(一緒に全国に……か)

    377 = 1 :

    まこ(すまんの。自分で言っといて、そりゃちっとばかし無理っぽいわ)

    まこ(それでも今、わしに出来ることは……)

    まこ(……ムロ、そこにわしは行けんようじゃ。そん変わりお前は)


    ムロ(染谷部長が海底牌を……これで終局か……)

    まこ「……」


    タンッ


    ムロ「……!」


    ムロ「ロ、ロン!……タンヤオ・ホーテイ・ドラ・赤1……」

    ムロ「5200です……」



    アナ「ただいま対局室Bの試合が終了しました」

    アナ「最後に和了ったのは清澄高校1年、室橋裕子!」

    アナ「まさに大逆転!この和了で見事1位で終わりました」

    アナ「放銃したのは同じく清澄高校の染谷まこ。これは……」

    靖子「……場に五筒は3枚出ていたから安牌だと思って、最後の最後に油断したな」

    靖子「しかし、赤ウーしか持ってなかったとは……龍門渕の国広は残念だったな」

    アナ「なるほど。さて、今全ての対局が終了した模様です。さぁ、全国にいくのは一体……」


    靖子「ふぅ……」

    靖子(……まったく、しょうがないやつだ。献身的にも程がある)

    378 = 1 :

    まこ「ほれ、いつまで突っ立っとんじゃ。はよ戻るぞ」

    ムロ「染谷部長……」

    ムロ「……私……あの、一緒に全国に……」

    まこ「ああ……そりゃちぃっと厳しいみたいだわ」

    まこ「なんとか圏内までは行けたんじゃがの、思うとるより上手くいかんかったわ」

    ムロ「……」

    まこ「でも、お前なら上に行けるけぇ」

    ムロ「……」

    まこ「ほれ、ともあれ結果発表見んとな、はよ行くぞ」

    ムロ「はい……」



    エントランス ロビー


    京太郎「おかえり。よく頑張ったな」

    ムロ「ありがとうございます……」

    まこ「まったく、さっきからこんな調子じゃ」

    京太郎「ムロ、あんまり気にすんなよ」

    まこ「そうじゃよ」

    ムロ「でも……」

    379 = 1 :

    ムロ「私のせいで染谷部長が……」

    トシ「いいや、それは違うよ」

    まこ「もともとあの時点で見込み無かったんじゃ」

    まこ「そん変わり、結果的にムロがトップになれた……ええ事よ」

    トシ「あんたが悪く思う必要ないんだからね」

    ムロ「でも……」

    京太郎「あ、結果出ました!」


    まこ「今更何言うても仕方のない事じゃけぇ」



    アナ「さぁ、結果が出ました!全国行きのチケットを手にしたのは、この3人!」

    アナ「まずは第3位!風越学園3年、池田華菜!」


    池田「にゃああああああぁぁぁぁっ!!」

    未春「やったね!華菜ちゃん!」

    文堂「おめでとうございます!」


    アナ「団体戦では惜しくも敗れたものの、個人戦では名門の意地を見せました!」

    靖子「池田は風越のコーチのお気に入りだからな」

    久保「お気に入りじゃねーし!」

    380 = 1 :

    アナ「そして第2位!清澄高校1年、室橋裕子!」


    ムロ「!!」

    京太郎「やったな!」

    トシ「おめでとう!」


    まこ「これから大変じゃぞ?やらんといけん事が沢山じゃ」


    アナ「清澄高校は個人戦のみの参加でしたが、去年の全国準優勝校は伊達ではありません!」

    アナ「ちなみに、男子個人戦でも2年の須賀選手が全国出場を決めています」

    靖子「この学校は少人数ながら地力がある。実力を伸ばすのは設備等の環境だけではないという事だ」


    アナ「最後はこの人……第1位!平滝高校2年、南浦数絵!」


    ムロ「あ……」

    アナ「去年のコクマや春の大会でも活躍した南浦選手ですが、見事1位通過で全国出場!」

    アナ「夏の大会での活躍に期待が高まります!」

    靖子「後半の爆発力は凄いからな。それを生かして頑張ってほしい」


    アナ「以上、3名が全国の舞台への切符を手にしました!」

    381 = 1 :

    まこ「じゃけぇ、お前は」

    ムロ「うぅ……あっ……」

    まこ「顔上げて、前だけ向いとりゃええんじゃ」

    ムロ「あ……くっ……うあぁ……!」

    まこ「夏までは長いがの、後ろ振り向く暇なんて無いけぇ」

    ムロ「ああぁあぁっ……!」


    トシ「ほらほら、涙拭いて。これから表彰式だよ」

    京太郎「あーあ、鼻水まで……えーと、ティッシュは……」

    まこ「くくっひどい顔じゃのう」

    ムロ「ふわあぁぁ……ぐしゅ……うぅ……」

    京太郎「はい、ちーん」

    ムロ「ぶぅぅぅっ!……あうぅ……」


    まこ「はよ行かんと遅れるぞ!」


    グイッ


    ムロ「うわわ……!」


      『でも、本当すごいですよ。優希先輩はどんな時でも前向きでいられて』

      『ふふん、そうだろう。でもムロ、それはな……』


    ムロ「あっ……」



      『私には、背中を押してくれる人達がいるからなんだじぇ』

      『だから、私は前を向いていられるんだ』

    382 = 1 :

    ムロ(私にも……)


      『ムロもきっといつか、そんな人に巡り会えるじぇ』


    ムロ「あ、うぅ……ふぅわあぁぁぁん……!」

    京太郎「うお、また泣きだした!?」


    まこ「ほれ、行くぞ行くぞ!」

    ムロ「わぁっ」

    まこ「動かんのなら無理にでも連れてくけぇの!」

    ムロ「だ、大丈夫です!大丈夫ですから!」


    京太郎「おーい、こっちこっち!」

    まこ「京太郎が先に行っとるぞ?」

    ムロ「は、はーい!」


    トシ「ほら、みんな待ってるよ?」

    ムロ「い、今行きまーす!」

    まこ「ムロ」

    ムロ「え?」





    まこ「全国出場おめでとさん!」

    ムロ「はい……!ありがとうございます」

    ムロ「私、染谷部長の分も全国で……」

    まこ「おう」


    ムロ「全国で、麻雀打ってきますからね!」

    383 = 1 :

    今日はここまで

    とんかつにチョコは、ご飯のおかずとしては、ちょっとミスマッチかと思いますが
    お酒のおつまみには良いと思います

    384 :


    柿の種チョコなんてのもあったなあ…

    385 :



    とりのからあげでもチョコソースとかあるぐらいだしね
    しかし衣は今年も出なかったのかな、もんぶちから0というのはちと違和感あったけど

    386 :

    差し込みは物議をかもしそうだけど、自分が目なしになったらそれしかやることないもんな

    387 :


    チョコソースとかいうものなのだろうか……
    甘くしなけりゃ料理にも使えるのか?

    >>386
    むしろ同校で同卓させるルール自体まずい気が
    通しされたらどうすんのよと

    388 :

    こんばんわ
    今日はちょっとだけフォローを

    県予選女子個人戦 結果
    4位 龍門渕透華
    5位 東横桃子
    6位 沢村智紀
    7位 吉留未春
    8位 井上純



    みたいな感じです
    アニメ個人戦の結果を参考にしました

    比べると池田が飛び抜けてますが、所謂3年生ブーストってやつです
    龍門渕メンバーはブースト効果低そうな感じです
    モモは強いし大きいです

    ちょっとだけ投下します

    389 = 1 :

    roof-top


    まこ「はい、お待ちどうさん」

    靖子「お、きたきた」

    「それにしてもよく食べるわね……それに飽きないの?」

    靖子「モグモグ……んっ、いや、全然飽きないな」

    靖子「それにいつもカツ丼食べてるわけじゃないぞ」

    「ヤスコの場合はお昼にカレーライス挟んだからいつもではないって話でしょ?」

    靖子「もぐもぐ……」

    「図星ね」


    「しっかし、見てると私まで小腹空いてくるわ。今さっき食べてたのに」

    靖子「追加で頼んだらどうだ?今日は私がおごってやるぞ」

    「自分の分はタダだものね……まこが可哀そうだわ」

    靖子「なーに、これくらい安いもんだよ」

    「ヤスコが言わないの」

    まこ「ははは……」

    390 = 1 :

    「別に、あれだってまこが差し込んだ証拠なんて無いでしょ?たまたま切った牌が当たっただけって話で」

    靖子「そうだな……」


    靖子「場に3枚出てたラス牌で、その時染谷はラス親で2位」

    靖子「連荘狙いのテンパイにも見える」

    「でしょ?」

    靖子「だがそれで室橋はトップで通過し、結果全国行き」

    靖子「それも同じ学校からの放銃でだ」

    「疑わしいって事?」


    靖子「そうだ、ありゃぶっちゃけグレイゾーンだった」

    靖子「だが麻雀自体、偶然性が非常に高いゲームだからな、ハッキリとした証拠がないと何も言えない」

    「ハッキリとした証拠って?」

    391 = 1 :

    靖子「ガン牌やすり替えとかな」

    靖子「だが、手元のカメラはもちろん表情なんかも映してるからな。まず無理だ」

    「たまに手牌すら見えないアングルとかあるけどね」

    靖子「普通は見えるんだがな……たまに高校生とは思えないのが居るけど」


    靖子「それを別室で監視員が何十人体制で監視している。サマなんてそうそう出来ないさ」

    「うら若き女子高生の顔やパーツを何十人もの大人が……」

    靖子「変な風に言うな、彼らも仕事なんだ」

    靖子「その道のプロが監視してるんだ。まず見逃さないし、やる方もリスクが段違いだ」

    「ふぅん」


    靖子「だがな、グレイゾーンがあるからこそ揉め事も多いんだ」

    靖子「だからさりげなくフォローしてやったんだよ」

    まこ「藤田さんには感謝しとりますよ」


    「まこはアレ当たると思ってやったの?」

    まこ「んー半々じゃな。当たるようにも見えたし、当たらんようにも見えた」

    まこ「わしだって全てがハッキリ見える訳じゃないしの。むしろボンヤリしとるわ」

    392 = 1 :

    「ねぇヤスコ、もしもよ?オカルトで牌の所在が分かる人間が居て……」

    「その人が差し込んだり」

    「またはテレパシーかなんかで通しが出来る人が居たらどうなるの?」


    靖子「どうなるって、反則になるかって事か?」

    「そそ」

    靖子「ならんだろうなぁ」

    「そうなの?」

    靖子「そんなのどうやって証明すりゃいいんだよ」

    「いや、そうなんだけどね……」


    靖子「そんな能力を持った人間が居たとして、まぁその能力ごと本人の実力って評価だろうな」

    靖子「実際、宮永は嶺上牌やらカン材が見えてるようだし」

    「そういえばそうね」

    393 = 1 :

    「つまりオカルトはオッケー。それ以外はイカサマでアウトって事ね」

    靖子「そうだな、おかわり」

    まこ「えっまだ食うんですか?」

    靖子「今日は昼が控えめだったからな」

    「あ、私も注文いいかしら」

    まこ「アンタもかい」

    「そーねー、じゃあシメにサンドウィッチでも頼もうかしら」



    靖子「いやシメにサンドウィッチはないだろ……」

    「ヤスコに言われたくないわよ!?」

    394 = 1 :

    今日はこれだけ
    即興で書いたから変なとこあるかも……
    あとなんか疑問質問ありますかね?ネタバレ無しで

    >>387
    同校同卓禁止は無理でしょうね
    あとチョコは、自分は普通のミルクチョコレート使いました

    395 :

    もんぶちは団体戦メインでブーストって感じなのかなー
    とーかは個人であってもおかしくないとは思うんですが

    396 :

    >>395
    基本デジタル雀士は不遇なので……
    原作と同じ「運の要素が強く」「偶然性が高い」競技ルールなので
    短いスパンだと結果を出しにくい感じです
    やたら打点高い猫とか見えないのとかも居ますし……
    個人戦だと顕著に出てきますね

    一応能力とか原作に沿って書いてるつもりですが
    このSS独自のオカルト設定とかお気に入り補正とかはあります

    397 :

    ???「シメにサンドウィッチはなかとやろ!」

    398 = 1 :

    こんばんわ

    遂にこれから全国編なわけですけど全くプロットというものが出来てません……
    RPGで船とか飛行船とか手に入れて移動範囲広がったぞ!で、何処行けばいいんだ……って感じです

    ちなみに本来ならムロがダントツ1位で予選突破でした
    でもモモがなんかしてなんかギリギリになりました

    投下します。今日は大人組

    399 = 1 :

    1日前 東東京 インターハイ地区予選会場


      『きィまったァァァアァ!!』


    恒子「東東京最強のチームが今ここに誕生だァアア!!」

    健夜「臨海女子は去年はもちろん、今年で16年連続地区代表だってば」

    恒子「しかし、今年も国際色豊かなチームですね!」

    健夜「うん、去年から先鋒に留学生をオーダーできないルールになりましたけど……」

    健夜「それでも、世界で活躍しているプレイヤーが勢ぞろいしていますしね」

    恒子「その唯一の日本人も、なんと去年の京都東風フリースタイルで優勝した……」


    恒子「東風チャンピオン、片岡優希!」


    恒子「その片岡選手が先鋒を務めます!」

    健夜「そうですね。片岡選手は1年前のインターハイでは長野代表の清澄高校からの出場でしたけど」

    健夜「今年は臨海女子での出場ですね」

    恒子「清澄高校といえば去年、無名校ながら準優勝した学校ですね!」


    恒子「そして清澄高校といえば……」


    恒子「インターハイチャンピオン、宮永照!」

    健夜「え?それちが……」

    恒子「……の妹」

    健夜「なんでフェイントかけたの!?」


    恒子「インターハイチャンピオン、宮永咲!」


    恒子「なんとこちら宮永(妹)選手、今年は白糸台高校からの出場!」

    恒子「しかも!姉のポジションを受け継いで先鋒でのオーダー!」

    400 = 1 :

    恒子「もし臨海女子と白糸台が対戦する事になればそれは……!」


    恒子「元同校対決!そして同じチャンピオンとして、真の日本一を決める戦いに!」

    恒子「いやそれとも!また今年も新たなダークホースが現れるのかァアアァ!?」

    健夜「いや、チャンピオンになったのは個人戦の話だから……少し気が早いよ」


    健夜「でも、個人戦でもその二人は予選突破最有力候補ですけどね」

    恒子「ところで、東風フリースタイルといえば……」

    健夜「う、うん」

    恒子「小鍛治プロも、リオデジャネイロ東風フリースタイルで銀メダル獲得という輝かしい経歴をお持ちです」

    健夜「ええ、そうですね」

    恒子「そんな世界レヴェルの東風プレイヤーから片岡選手は一体どのような評価を得ているのか!?」

    健夜「えぇ!?そ、そうですね……」


    健夜「片岡選手の爆発力は東場のみと限定的ですが」

    健夜「その力は、高校生という枠内であればトップレベルだと思います」

    恒子「さっすが小鍛治プロ、日本最強は若い子に相変わらず厳しいですね!」

    健夜「若さは関係ないよ!あと相変わらずって何!?」


    恒子「中継を終わります!」

    健夜「えぇっ!?」


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