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    元スレ灼「個人戦は見学して行くから……」

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    みんなの評価 : ★★★×5
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    401 :

    >>400
    お前も両方見てるのか

    402 :

    >>401
    うわー…ひでえ誤爆
    でも多分ご名答

    403 :

    >>395京ちゃん三枚目だから仕方ないね…

    年内には何とか投下できるようにしたいです。ここは設定的にいつまでも夏なんでクリスマスも年末年始も特別なことはしませんが間に合えば清澄やシノハユ辺りで別に投下するかも

    404 :

    待ってる…

    407 :

    ブツブツとなにやら呟いて自分の世界に入ってしまう癖を持つ輩をイケメン認定する人がいるとは……
    京太郎は愛されてるなぁ(主にこっち側の人間から)

    408 :

    有珠山日和!シノハユ!多忙で落ち込んだテンションを上げるには十分でしたね。今週中に投下目指します。>>396の雑誌ネタを絡めて…取材とかよくわからんのでちょいアレな感じになるかもですが

    慕ちゃんと耕介のあの感じはこっちの妄想とすごく一致しててヤバい。あとハルちゃんがかっこよすぎる。シノハユ楽しすぎる

    409 :

    了解

    410 :

    灼、末原、菫のファッションセンスを何とかするための話し合い

    411 :

    >>410阿知ポで弘世様はファッションセンス以上の何かを失いましたね。おもちとか

    思ってたよりも時間取れない…投下します

    412 = 1 :


    晴絵「雑誌の方からさ、また取材したいって話来てんだけど、どうする?」

    穏乃「インターハイの前に来たところですか?」

    「必要なら……」

    「……私はパスしたいんだけど、めんどいし」

    「松実館の宣伝とかしても平気かなぁ?」

    「やり過ぎなければ、平気なんじゃないかなぁ……?」

    晴絵「まあ、やりたくなければ別に断ってもいいんだけどさ。 一応奈良代表は準決勝進出だって初だったわけだし、私とか和とか……そこら辺もネタとしておいしいと思ってるらしいのよ。 ある程度は有名税というか、そういうもんだと思って割りきってもらえると助かるんだけど……」

    穏乃「私は構いませんよ! 赤土先生や小走さんたちもやってたんですよね?」

    「大丈夫です! 頑張ります!」

    「まあ、少し質問に答えるぐらいなら……」

    「……どする? 嫌なら、なんとかするけど」

    「……ま、いいわよ。 みんなそこそこやる気あるみたいだし」

    晴絵「うん、悪いな。 雑誌社の方に連絡とってくるから、日程決まったらまた伝えるよ」

    413 = 1 :


    「お姉ちゃん! ここでアピールしておけば松実館の売り上げアップ間違いなしだよ!」

    「その、インターハイの取材であって……」

    穏乃「あ、気合入れてみたけどインハイに前来たときは私ほとんどやることなかったんだった!」

    「今回は穏乃も結構いろいろ聞かれると思うよ。 準決で一位抜けしたのもあるし、決勝の大将戦もすごかったから……」

    「……そうね。 しずはけっこう注目されてるんじゃない?」

    穏乃「……憧、大丈夫? それともけっこう本気で取材嫌?」

    「んー……なんというか……ねぇ?」

    「ねぇ? と言われても……」

    「憧ちゃん、あそこの雑誌自体はけっこう読んでたよね? 嫌いってわけじゃないんでしょ?」

    「いや、去年とかはさ? 来年のライバルたちが載ってるんだーって思ったら読んでて楽しかったんだけどさ……」

    「情報収集だーって、いろんな雑誌読んだもんね」

    「……ここ、なんかさ……インハイ参加選手の人気投票とかやってんじゃん? 端から見てる分には楽しいけど……」

    穏乃「麻雀では一位のチャンピオンもそっちだとまた違ったもんね……強ければいいってもんじゃないんだねー」

    「うん、まあ……それでさ」

    「……自分の順位が気に入らな……?」

    「違うっつの!」

    「冗談だってば……」

    「なんか、キモくない? 知らない人たちにそんな、投票されたりなんだりって……」

    「そう? 私は別に、応援してもらえてるんだなって思うけど……」

    「応援してもらえるなら、うれしいよね」

    「むー……こっちは真面目に麻雀やってんのになんかそんな……見世物にされんのとちょっとさー」

    「ん……でもまあ、例えばプロになればそういうのもついて回るよ?」

    「まだ高校生だし……っていうかこれさ……結局見た目の好みじゃないの!? 不快なんだけど!」

    414 = 1 :


    「あー……なるほど」

    穏乃「うーん……でもさ、そこは雑誌の方も商売なんだし、読んでる人もかわいい子の方が好きってなるのは仕方ないんじゃないの?」

    「穏乃ちゃん、そういうところは意外とドライというか、大人というか……」

    「それでも、麻雀の腕だって反映されてるでしょ? 特集とかだって個人戦の有力選手とか……」

    「でもさ、今年のだって例えばチャンピオンより鹿老渡の佐々野さんが大きく取り上げられてたし……なんというか、正当に評価されてない気がする! あ、別に佐々野さんが下手くそとかそういう意味じゃないけどね?」

    穏乃「そういうもんかなぁ……?」

    「うちだってさ! 写真載ってたけどしずと宥姉写ってなかったし! 灼さんも軽く見切れかけてたし! おかしいじゃん!」

    「……それで怒ってるの?」

    穏乃「私は全然気にならなかったけどなあ……むしろそういうのに写るのもなんか恥ずかしいし」

    「憧ちゃん優しいねー」

    「あったかいねー」

    「な、なによ……べ、別に! そういうんじゃないし!」

    415 = 1 :


    穏乃「ま、私はあんまり気にしてないし……せっかくいい成績だしたんだしさ、記念だと思って、ね?」

    「……将来プロを目指すとしたら、いい記事書いてもらえれば有利になるかも……記者さんとのコネにもなる?」

    「去年までは晩成の人たちも取材受けてたんだし……」

    「実家の宣伝も……」

    「玄、気持ちはわかるけどほどほどにね……」

    「……そんなにみんなで言わなくても大丈夫だって。 決まったことだしちゃんとやるわよ」

    穏乃「……ねぇねぇ、取材ってどんなこと聞かれるのかな? この前はほとんど玄さんと灼さんにまかせちゃったし、よくわからないんだけど!」

    「えぇ……? どうせたいしたこと聞かれないっしょ。 しずは大将戦のことじゃない?」

    「だれも個人戦エントリーしてないし、そこら辺も聞かれるかも?」

    「個人戦といえば、対戦した視点からの結果予想とか?」

    「さっきの話だと赤土先生や和ちゃんのことも聞かれるんじゃないかな?」

    穏乃「なるほど……わ、私作法とか大丈夫かな? 敬語とかは平気だと思うんですけど……」

    「……とりあえず取材の時は制服着てね」

    穏乃「……はーい」

    「あ! そんなに心配なら、取材とか経験ある人のところに聞きに行けばいいんじゃないかな?」

    穏乃「なるほど! さすが玄さんです! その発想はありませんでした!」

    「えっと、それじゃあ……」

    「とりあえず、近場から……」

    416 = 1 :


    晴絵「へ? 取材とかどうするか?」

    穏乃「あまり経験ないから緊張しちゃって……」

    晴絵「あーそっか……適当でいいんじゃないか? 聞かれたことに普通に答えればいいと思うぞ?」

    「適当ってハルエあんたねぇ……」

    晴絵「あ、いや! 別に雑にやれってことじゃないからな!? んー……私は小学生の時からちょこちょこあったからなぁ……」

    「そうなんですか?」

    晴絵「小四の時はじめて全国大会に出て、その時少し記事になって……インターミドルやインハイまであったからな。 最近は実業団でも打ってたし……まあ、すぐに慣れるよ。 勝ってりゃ機会は増えるしな」

    「さすがハルちゃん……」

    晴絵「おう、まぁな!」

    「あまり、緊張とかしなくてもいいんですかね……?」

    晴絵「いいよいいよ、素直に答えとけば……あ、明らかに言っちゃダメなこととかは言うなよ?」

    「例えばどんなことですか?」

    晴絵「ん? えーと……」

    「赤土監督は優秀な雀士であり指導者でもありましたが、普段はどのような?」

    「プリントは配り忘れるし板書は間違えるし教師としては落第点でーす」

    晴絵「そう! そういうやつ……ってこら! 私そこまで酷くないだろ!?」

    穏乃「……大丈夫です! 赤土先生には本当に助けられました!」

    「対策もたくさん考えてもらって……」

    晴絵「……二人とも少し考えなかったか? まあいいや、心配なら私よりも他の知り合いに聞いてみたらどうだ? 私のインハイも10年前だし、一回しか出てないしな……」

    「そうですか……やっぱり今とは違うんですかね?」

    穏乃「それじゃあ、ちょっと出掛けてきます!」

    417 = 1 :


    やえ「……で、私のとこ来たわけ?」

    穏乃「同郷の先輩ですし、ちょっとアドバイスいただけないかな、って!」

    「こんにちは! お邪魔してすみません……」

    「急にごめ……忙しいよね?」

    やえ「……別に、構わないわよ。 あんたたちが県代表なんだかんね? 変な記事書かれたらこっちだって恥ずかしいの!」

    「……小走さんも素直じゃないですよねぇ」

    「憧ちゃんがそれ言うんだ……」

    やえ「新子も余計なこと言ってんじゃないわよ! ったく……でも、私とあんたらじゃ立場も違うでしょ?」

    「立場、ですか?」

    やえ「まずは、学校ね。 晩成と阿知賀じゃ前提が全然違うでしょ? 例えば、大会前だったら『優勝にかける思いは?』みたいなこと聞かれるわよね? 私だったら晩成の出場歴に対して、未だに県人未踏だった準決勝とか、そういうところに触れるわけだけど……」

    穏乃「うちだと、赤土先生の話とかが出てきましたね」

    やえ「そういうこと。 他にもいろいろ違うでしょ? 団体戦の後だとそこら辺の結果を踏まえて個人戦への意気込みとか、そういう話になるのが定番だったけど……あんたたちは個人戦出てないもんね」

    「は、はい……すみません」

    やえ「あ……べ、別に怒ってないわよ! そんなにびくびくしなくてもいいでしょ!?」

    「ご、ごめんなさぃ……」

    やえ「う……こ、こっちこそ大声だして悪かったわ。 ……その、あとはやっぱり赤土監督とか……長野の原村? WEEKLY麻雀TODAYの記事は読んだけど仲いいんでしょ? そこら辺はやっぱり聞かれると思うわよ。 マスコミってそういうの好きだしね」

    「因縁の対決! みたいなやつですよね……近所だと愛宕さんと江口さんとかもけっこう記事になってましたし」

    やえ「あいつら揃うとうっさいから同卓したくないのよね……ま、打つ分にはいい相手だけど。 ……っていうかどこの取材が来るのよ? 原村の記事書いてたWEEKLY麻雀TODAY?」

    「いや……大会前に注目選手とか抜き出して、ランキングとかとる……」

    やえ「……ああ、あそこね」

    418 = 1 :


    「……嫌そうな顔しますね?」

    やえ「あんま好きじゃないのよ。 こっちは真面目に麻雀やってんのに……人気投票とかなめてんの? って話! 結局アイドル作りたいだけで麻雀の腕を評価してるわけじゃないのよ!」

    穏乃「……憧と同じこと言ってる」

    「ふん……やっぱりそういうことなんじゃないの?」

    やえ「……とは言っても、ひとつの指標になるのは確かなのよね……プロ雀士だって実力があるのは大前提だけど、集客率も求められるわけだし……」

    「……順位を取れればプロ入りで有利?」

    やえ「多少はそういうとこもあると思うわよ? そういうとこだけ考えるなら赤土監督のこと絡めていい話な感じで作ってもいいんじゃない? 私はそういうの好きじゃないけど」

    「……やらないよ。 ハルちゃんのこと変に書かれるのも嫌だし……」

    やえ「ま、私も素直に答えるのが一番だと思うけどね……あ、あとプライベートなことも少し聞かれるかもだけど嫌なら答えなくてもいいからね!」

    穏乃「プライベートなこと?」

    やえ「普段何してるとか……仕方ないんだけど、麻雀の話しなさいっての!」

    「ほんとですよね! 麻雀やってんのはそんな話するためじゃないっつーの!」

    「普段は実家のお手伝いしてます、って言うのはアリだよね?」

    「本当のことだしいいんじゃない?」

    「……ちょっとさりげない宣伝するために話詰めとこうか」

    「うん、こう……実家の手伝いをしながら頑張る系女子として……」

    やえ「……実家が商売してるとそんなもんなの?」

    「え、はい……まあ……」

    やえ「……ま、いいんじゃないの? そういうつもりなら名前売るには絶好の機会でもあるんだし……」

    419 = 1 :


    やえ「あ、それにあんたたちは公式戦出場経験あんのも新子だけでしょ? インハイはそういうの多いけどチームでとなるとそんなにないしなにか言われんじゃない?」

    穏乃「それも赤土先生のお陰ですね!」

    「やったー! ハルちゃんかっこいー!」

    やえ「……たまにあんたがわかんなくなるわ……やっぱり凄いわね、阿知賀のレジェンド」

    「ハルエ、その呼ばれ方はもう流石に……って感じみたいですけど……」

    「このままプロになったりしたら一生言われるんだろうねー」

    「玄も麻雀続けると言われ続けるよ。 ドラゴンロード……」

    「それは……ちょっぴり恥ずかしいなぁ」

    「松実館継ぐならあんま関係ないっしょ」

    穏乃「それに大丈夫ですよ! かっこいいですから!」

    「えへへ……そうかな?」

    やえ「……まあ、あんたがいいなら別にいいけど……阿知賀は若いチームだし、今後は取材とかの機会も増えていくでしょうから少しずつ慣れてけばいいんじゃない? 来年はうちがインハイ出るけどね」

    「……来年も、負けないよ」

    穏乃「県大会はとりあえず晩成、って状況は変えてみせますから!」

    やえ「ふふ……県大会は抜けて当然の晩成だからね。 プレッシャーってのは元からあったけど、あんたたちが出てきたお陰で今まで以上に部の気が引き締まって来たからね……そこは感謝してなくもないわよ」

    「ライバルがいた方が力も入りますからね。 うちのが格下とはいえ、切磋琢磨していける関係にはなりたいんで」

    やえ「そのあんたたちが全国決勝まで行ってんだから、こっちだって負けてらんないわよ。 私自身はもうあんたらと公式戦で打つ機会がないのは残念だけど、個人戦はあんたらに恥ずかしくない結果を出して見せるから期待してなさいよね!」

    「応援してます」

    「頑張ってください!」

    420 = 1 :


    ――――――

    穏乃「って話をしてきてね? やっぱり小走さんは頼りになるなー……さすがは晩成の部長って感じ?」

    優希「なるほど……それで、のどちゃんのところに?」

    「そ、小走さんが知り合いなら聞いてきたら? って……和ってインターミドルのチャンピオンだし、けっこう経験あるでしょ?」

    「ええ、まあ……でも私はあまりそういうのは意識したことありませんからアドバイスできるかと言うと……」

    「そうなの?」

    「いつも聞かれたことに答えているだけですし……」

    「へぇ……でも、なんだか和ちゃんっぽいかな」

    「……部長だと、話すこともあったんじゃないですか?」

    「うちはもともと和が名前売れてるからねー……取材はほとんど和に来てたから」

    まこ「それに、意外と緊張しいじゃからのう……たいしたこと喋れてなかったわ」

    「ちょっと、余計なこと言わないでよ!」

    「それは……ほんとに意外ですねぇ」

    「雑誌の取材とかはじめてだったんだもん……」

    まこ「県大会後は、咲んとこにも来とったな」

    「……天江さんを倒して、注目された?」

    優希「咲ちゃん全然話せてなかったけどな! それにしても私のところにほとんど来なかったのは解せぬ事態だが……」

    穏乃「……そういえば、宮永さんは?」

    「須賀くんと外出してるんです。 咲さんが本を買いに行きたいと言っていたので……」

    まこ「一人で行かせると帰ってこれなくなるんでな」

    「ああ……」

    「一緒に行かなかったんだ?」

    「なんでも、龍門渕さんが用事があるとおっしゃっていたので……」

    透華「失礼いたしますわ!」

    優希「噂をすれば、だじぇ」

    421 = 1 :


    「衣も来たぞ! 咲はいないのか?」

    まこ「すまんのう、外出中じゃ」

    「いらっしゃい」

    「邪魔するぜ……お、阿知賀のメンバーもいんのか」

    「こんにちはー」

    優希「今日はどうしたんですか?」

    透華「大切な用事がございまして……」

    「……外した方がいいですか?」

    智紀「……そんなに深刻にとらなくていい」

    「どっちかと言うとくだらない用事だから……」

    透華「原村和!」

    「は、はいっ!」

    透華「勝負ですわ!」

    穏乃「勝負ですか!」

    「あーはいはい、いつものやつね」

    優希「いつものやつだじぇ」

    「な?」

    「……暇なんだね」

    智紀「うん」

    422 = 1 :


    透華「ふっ、今日はひと味違いましてよ? 今日はバスケットボールで勝負ですわ!」

    「バスケ……ですか?」

    「衣がやりたいって言うからさ」

    智紀「ちょっとやってみようかという話になり……」

    「ののかと遊びに来たんだ!」

    「そうですか……しかしその、やったことがないのですが」

    透華「お気になさらず! 私も未経験でしてよ!」

    「わりぃな、こういうやつなんだよ」

    優希「とりあえずやってみるか!」

    穏乃「私もいいですか? 最近麻雀漬けで運動不足気味で……」

    透華「構いませんわ。 さぁ、近くの公園にゴールが設置されているのを確認済みですわ! 行きますわよ!」

    「か、構いませんがルールの方が……」

    「行く途中で教えてやるよ。 つーか透華もルール知らねぇし」

    「……よくそれで勝負しに行く流れになりましたね」

    智紀「原村さんと遊びたいだけだから」

    「透華も衣も原村さん大好きだからねー」

    「仲よしですよねえ」

    透華「智紀、一! 何を言ってますの!? 私、原村和のことなど別に好きじゃないですからねっ!」

    「……今日はこの手のパターンよく見ますね」

    「流行ってるのかなぁ……」

    423 = 1 :


    「っていうか大丈夫だった? ボクたち急に来ちゃったし、なにかお話し中だったんじゃない?」

    穏乃「今度、雑誌の取材が来るんですよ……あまり慣れてないからどんな感じなのかなって……」

    透華「そんなの、簡単なことではないですか」

    穏乃「え?」

    透華「世の中目立ってナンボでしてよ! なにを聞かれても堂々と返せばよろしい! 来年は団体戦と個人戦の両方で優勝する、ぐらい言ってしまいなさい!」

    穏乃「おお……龍門渕さんカッコいい……!」

    透華「ふっ、褒めてもたいしたものは出ませんわよ? ハギヨシ、皆さんになにかお飲み物を……」

    ハギヨシ「かしこまりました、お嬢様」

    「あ、萩原さん……」

    まこ「……もはやどこから出てきたのか、とかも気にならなくなったのう」

    「慣れって怖いですね……」

    透華「それでは、目立つための方法を私が道中教授して差し上げます! 皆さん、出発しますわよ!」

    「……あ、私たちも行く流れ?」

    智紀「無理にとは言わないけど……」

    「んー……今日はパス! まこー、腰揉んでー」

    まこ「あんたは年寄りか……ほいじゃあそこに横になってな」

    優希「私は行くじょ! のどちゃんを一人で戦わせるわけにはいかんからな!」

    「心強いです、ゆーき!」

    「とーかには衣がついているぞ!」

    透華「私たちの力を合わせれば敗北などあり得ませんわ!」

    穏乃「おお……熱血スポーツ物の空気!」

    「とりあえずルール覚えるところからだけどね」

    424 = 1 :


    ―――――――

    「にしても、どうして急にバスケなんですか?」

    「この前話したときに、バスケは身長を伸ばすのにいいって話が出たでしょ?」

    「それで天江さんが? 身長なんてそんなに気にしなくても……」

    智紀「例えば、ここに胸を大きくする方法が……」

    「憧ちゃん! ちょっと試してみようよ!! 大きくなったら触らせてよ!!」

    「大きなお世話よ!! アホ玄!!」

    智紀「まあそういうことで」

    「なんか違う気もするけど……」



    「智紀、ちょっと端末貸してくれ!
    口で言ってもあんま伝わんねぇ…… 」

    透華「純の説明が分かりにくいんです!」

    穏乃「細かいところはやりながら覚えればいいんですよ!」

    「それにしてもけっこう大きいんですね、ボール……」

    優希「最初からボールを二個抱えてるのどちゃんは少し不利かも……」

    透華「くっ……勝ったと思わないことです! 勝負はこれからですわよ!?」

    「二人ともどこ見て言ってるんですか!」

    智紀「……わかった。 今行く」

    「あれですよね? なんか、ダブルドリブルとか、トラベリングとか、そういう……」

    「うん、まぁ……とりあえずみんなで遊べりゃいいんだよな?」

    「それはそうだが、背が伸びなきゃダメだ!」

    「無茶いうなよ……」



    「お父さん役も大変だなぁ」

    「……ね、国広さん」

    「なぁに?」

    「さっき、龍門渕さんが言ってたことだけど……去年、あんな感じだったの?」

    「ああ、取材の話?」

    「ん」

    「そうだなぁ……」

    425 = 1 :


    「長野は去年まで風越が五連覇中だったし、龍門渕も去年までのメンバーが一人もいない状態での優勝だったから県内でもすごく注目されてたんだよ」

    「うちが晩成を倒したのと似たような状況だったんですね」

    「そう。 だから取材とかもけっこう来てさ……透華はもともと目立ちたがり屋だし、派手なのが好きだから、大きなこといっぱい言ってたよ」

    「ビッグマウス?」

    「そうだね。 それでも透華は口にしたら大抵のことはやり遂げるし、そのための努力も惜しまないからボクたちみんなついていくんだけど。 ……まあ、去年は結局負けちゃったけどね」

    「それでも、天江さんが同時に三校トバしたり、準決勝で敗退したのに歴代最多得点でMVPでしたよね?」

    「まあ、かなり派手に目立ったよね……今年雪辱して優勝のつもりだったんだけど……まあやられたらやられたで、前向きに努力できるのも透華のいいところだよ」

    「べた惚れですねぇ」

    「へへ……まあね。 まあ透華はそんな感じだけど、透華と鷺森さんだと同じ部長でもやっぱり違うからね。 参考になるのかな?」

    「ん……ありがと、参考になった。私はたぶんやらないけど……」

    「あはは、だよねー」

    「私は、来年こそは先鋒としてしっかり稼げるように頑張るよ!」

    「うん、そういう意気込みを出してく感じでいいんじゃないかな」

    「頑張って、玄ちゃん!」

    「頼りにしてる」

    「おまかせあれ!」

    426 = 1 :


    透華「……ああ、見えてきましたわ。 あそこの公園です」

    優希「よしっ! 一番乗りはもらったじぇ!」

    穏乃「あっ! 負けないよ優希!」

    「むっ! 衣も行くぞ!」

    透華「勝負事なら敗北の二文字はあり得ませんわ! 純、行きなさい!」

    「オレが走るのかよ!? くそっ……!」

    「まったく、しずも優希も子どもなんだから……」

    「うわ、みんな足速いなぁ」

    智紀「同時に走り出したのに置いてかれる衣……かわいい」

    「ほんと天江さんかわいい……ウサギドラちゃんに並ぶレベル……」

    「……灼さんの感性ってやっぱりちょっとわかんない」

    「……追い付けませんし、のんびりでいいですよね? ルールも覚えないと……」

    「難しそう……私は見学でいいかなぁ」

    「穏乃ちゃんもやるみたいだし、私は少しやってみようかなぁ……」

    427 = 1 :


    穏乃「いぇいっ! 一番乗りっ! ……あ」

    セーラ「お、高鴨! また会ったな!」

    竜華「穏乃ちゃんや! よくよく縁があるなぁ」

    穏乃「千里山のみなさん! こんにちは! 」

    優希「むぅ……まさか私がスピードで負けるとは……お? えっと、たしか大阪の……」

    「あ、長野の一年エース……」

    「めっちゃおいしそうにタコス食べる子や」

    浩子「清澄の片岡ですね。 どうも、北大阪の千里山です」

    優希「これはどうもご丁寧に……」

    「純! なにをやってるんだ! 透華に申し訳がたたんぞ!」

    「お前を抱えてるから遅れたんだよ!……お」

    セーラ「ん? 天江衣と……」


    「千里山の男女!」
    セーラ「龍門渕の男女!」


    「オレは女だ!」
    セーラ「俺は女や!」


    「……息ぴったりですね」

    竜華「早速仲よくなったみたいやなー」

    「あれは仲いいんか?」

    浩子「清水谷部長の目ってわりと節穴ですよね」

    428 = 1 :


    「……なんだよ、個人戦あるんじゃねぇのか? 練習もしないで余裕だな? 準決敗退のわりにはよ」

    セーラ「うちらかて息抜きに散歩ぐらいするわ。そっちこそ東京まで観光か? 県大会で敗退したやつらは暇そうで羨ましいわ」

    「あ?」

    セーラ「なんや? やんのか?」

    竜華「セーラ楽しそうやなー」

    「いやいやいやいや! 一触即発ですやん!」

    「いくらセーラでも大会中に問題起こしたりせぇへんよ」

    「……去年は千里山とは結局当たらずじまいだったからな……ここで決着つけてやる」

    セーラ「はっ! お前らが臨海にやられたんが当たらんかった原因やろ……まあええわ。 去年のオーダーなら先鋒やったんも俺やからな……叩き潰してやるわ!」

    「よし……バスケで勝負だ!」

    セーラ「なんでやねん! 麻雀やないんか!!」

    「いや、オレらバスケしに来たから……」

    セーラ「じゃあみんなちょっと手ぇ貸してや」

    「あれ? やっぱり仲いい? ……別に構いませんけど」

    「ウチ、病弱やから……」

    竜華「私ルールよくわからんし……」

    浩子「スポーツは守備範囲の外ですわ」

    セーラ「ええ……じゃあ高鴨こっちチームな! 3on3や!」

    穏乃「あ、はい!」

    「ちょ、待てよ!それってこっちオレとタコス娘と衣ってことか!?」

    優希「こら、ノッポ! どういう意味だ!?」

    「そのまんまの意味だよ! そもそも衣だってルールわかってんのか!?」

    「バスケをすると背が伸びる!」

    「それはルールじゃねぇよ!」

    429 = 1 :


    「うわ、また人増えてる……」

    透華「あら、あの制服に学ランの……千里山女子ですわね」

    「去年の全国二位でしたか……憧や玄さんが対戦したところですね」

    「お、ちょうどいいじゃないですか! 仲間が来たんなら普通に試合できるやないですか! 勝負や原村!」

    「え? わ、私ですか!?」

    透華「お待ちなさい! 原村和と勝負するのは私が先でしてよ!」

    智紀「原村さんモテモテだね」

    「人気者だね」

    透華「どうしてもというのなら純をバスケで倒してからになさいな!」

    「あんたが戦うんやないんか!?」

    透華「ルールもまだ完璧ではないですし……」

    「なんであんたらバスケしようと思ったん!? 麻雀せぇや!」

    「言われちゃいましたねー」

    「返す言葉もないよねー」

    「泉ちゃんこんにちはー」

    「あ、宥さんこんにちは……やなくて!」

    セーラ「どうなん? みんな運動できんの?」

    透華「これからルールを覚えるので……」

    「少し待っていただかないと……」

    智紀「ルールはともかく運動は……」

    「ボクは大丈夫だけど……」

    「私もいけますよ。 ここ来るまででルールも覚えたんで」

    「えっと、少しやってみたいかなって……」

    「数あわせでいいなら……」

    430 = 1 :


    セーラ「な、高鴨……みんなどんな感じなん?」

    穏乃「国広さんはわからないですけど、憧はけっこう動けますよ。 小学生の頃とか一緒に山を走り回ってましたし……玄さんと灼さんは……平均ぐらいですかね?」

    セーラ「ふーん……よし、とりあえず憧ちゃんこっちな! 高鴨もおるし!」

    「な、おい! きたねぇぞ! 新子はオレんだ! こっち来い!」

    「ふきゅ」

    「おぉ、大胆発言……」

    「国広くんもこっちな! 龍門渕だし!」

    「ん、まあいいけど……」

    セーラ「ちっ! じゃあ玄ちゃんと鷺森はよろしく頼むで!」

    「は、はいっ!」

    「っていうかどういう状況?」

    セーラ「バスケで勝負や!」
    「バスケで勝負だ!」

    「それは知ってた」

    竜華「どーもー! 龍門渕さん、千里山の清水谷です! よろしくなー!」

    透華「はじめまして! 龍門渕透華と愉快な仲間たちですわ!」

    智紀「……愉快な仲間Aです。 いぇーい」

    「愉快な子がおる!」

    浩子「そもそも龍門渕さんが愉快ですよね」

    431 = 1 :


    ――――――

    竜華「へぇ……それでバスケなん?」

    「もともとは雑誌の取材どうしようって話だったんですけど……いつの間にか」

    浩子「聞かれたことだけちゃんと答えておけば大丈夫ですよ」

    「でも気持ちはわかるなぁ……私も名門千里山で三軍からいきなりエースやったし、最初はなに聞かれてるんかもようわからんかったもん」

    竜華「ちょっと自慢入っとるやん」

    透華「せっかくエースになったのですから堂々としてればよかったのでは?」

    浩子「注目度的には阿知賀は高鴨さんですかね? 大将戦は評価されてると思います……宥さん個人の大会成績すごくよかったですけど、プロ入りとか考えないんですか?」

    「私はあまり……家のこともありますし」

    浩子「そうですか……まあ、心配なら私が予想される質問リストアップしてお渡ししますよ」

    「わぁ……ありがとうございます。 そんなこともできちゃうんですね」

    竜華「浩子のデータは完璧やで!」

    智紀「……それじゃあ、私も」

    透華「智紀! やるからにはあちらよりも素晴らしいものを準備なさい!」

    「そんなになんでも対抗しなくても……」



    「っらあ!」

    「おお……ダンクってやつ?」

    「か、かっこいい……」

    「ちょ、あいつでかすぎですって! 身長差どうにもなりませんよ!?」

    「はっ! どうだ!」

    セーラ「ビビんな!あんなん派手なだけや! ……玄ちゃんこっち!」

    「わわっ………えいっ!」

    セーラ「ナイスパス! っだぁ!」

    「スリーポイント!?」

    セーラ「あんなん気にすることないわ……俺がその倍点取ったるで!」

    穏乃「セーラさんカッコいい!」

    「優希! 衣にボールをよこせ! 」

    優希「まかせるじぇ!」

    「あ、おい!」

    「たぁっ!!」

    「へぶぉ!?」

    「顔面セーフか?」

    「それはドッジボールだよ!」

    「ストップストップ! ゲーム止めて!」

    432 = 1 :


    「泉ちゃん大丈夫? 」

    「ティッシュ使ってください……鼻血出てますよ?」

    「あ、ども……」

    「…………ごめんなさい」

    「いや、えっと……その、よくある勘違いですから! 気にしないでください!」

    「いや、そんな勘違いそうは起こらんやろ」

    「悪気はないんだよ……すまねぇな」

    「うちの子が」

    「こどもじゃない!衣だ!」

    「繋げんなよ! 産んでねーよ!」

    「純くんはお父さんだもんね」

    「そこじゃねーよ!」

    「あはは、今ならお母さん枠が空いてるよ、新子さん」

    「ふきゅ」

    竜華「でも純くんめっちゃかっこええやん! あんなん惚れてまうわー! セーラもあれやって見してー」

    セーラ「俺の背じゃダンクは無理やなぁ」

    「2mくらい跳べんの?」

    セーラ「さすがにちょっと難しいわな」

    「……ちょっと?」

    浩子「猿かなんかなんですかね?」

    セーラ「誰が猿や誰が!」

    浩子「その身体能力を褒めてるんですよ」

    セーラ「お、そうか!」

    穏乃「セーラさんのスリーポイントも井上さんのダンクも凄かったです!」

    セーラ「まぁな! ちまちま点取るよりスリー決める方が好きやねん」

    「目立ってナンボらしいからな。 魅せプレイ自体は嫌いじゃねぇし」

    透華「その通り! 純、私にもあれを教えてくださいな!」

    「……とりあえず2m跳べるようになるか、あと20cmほど身長を伸ばしてだな」

    透華「いきなり無茶を言わないでくださいな!」

    「お前がだいぶ無茶言ってんだよ!」

    「透華! バスケをすると身長が伸びるらしいぞ!」

    透華「ではやはりバスケの練習を! 帰ったらバスケ部に殴り込みですわ!」

    智紀「……いちいち他の部活動潰さなくていいと思う」

    「そもそも今の実力じゃ勝てないって」

    433 = 1 :


    セーラ「そういや、取材がどうとか聞こえたけど……」

    浩子「バスケしながらよく聞き取れましたね」

    穏乃「今度うちにも来るんです。 どうしようかなって」

    竜華「うちではセーラが一番取材慣れしとるんやない? 去年は二年生エースで注目の的だったんやで!」

    セーラ「でもやっぱり俺と高鴨じゃ違うやろ……うーん、そうやなぁ……」

    「ほら、ここでいいこと言うと株上がるで」

    浩子「江口先輩ならきっといいアドバイスしてくれるんやろなー」

    セーラ「あ、参考にするなら同じぽっと出の1年の方がええんやないか? この前一緒におった白糸台の大星とかチャンピオンと一緒に取材もかなり来とるやろうし!」

    穏乃「なるほど! ちょっと電話して聞いてみます!」

    「ってボケないんかい!」

    竜華「なんで真面目になるん?」

    浩子「がっかりですわ」

    セーラ「真面目に答えてええとこやろ!?」

    優希「本場は厳しいじょ……」

    「私があそこでボケんかったらもう非難轟々ですわ」

    「大変なんだねぇ」

    透華「それでは私たちも……!」

    智紀「ぶっつけで漫才はキツい」

    「そこは張り合わなくていいよ、透華」

    穏乃「あ、もしもし? 大星さん、今大丈夫ですか?」

    「白糸台の大将だったな? 奴もなかなかの奇幻な手合いであったが、人物の方は如何様なんだ?」

    「アホです」

    竜華「めっちゃかわいいで!」

    「アホだけどかわいいですよ」

    「なるほど、よくわかった!」

    「透華に似た感じかな?」

    「あー」

    透華「ちょっと!? 失礼じゃありませんこと!?」

    434 = 1 :


    穏乃「はい、いえ……ありがとうございます! また遊びに来てください! ダメですよ? 練習サボったら……はい、それでは!」

    「あ、大星さんなんだって?」

    穏乃「なんかね、弘世さんと亦野さんに『お前は秘密兵器だからあまり喋るな』って言われてたんだって! さすが王者白糸台って感じ?」

    竜華「へー……そういうのも考えるんやな。 うちの監督はそういうことせーへんけど」

    透華「わざわざ裏側に引っ込むなんてもったいないですわね……」

    「なるほど、理由こそ違えど衣も取材拒否はしていたが……」

    「……ああ、そういう……」

    「……ああ、はい……なるほど……」

    智紀「…………それってアホだから喋らせてもらえなかっ」

    「やめてあげよう」

    カン!


    435 = 1 :

    雑誌の取材までいかなかった。ネタがまとまればいつか…

    日和で公式におバカだとかイタイだとか有珠山は愉快ですね
    年末年始で時間あったら衣主人公に据えたダイ大クロススレ建てたい…時間がない…

    437 :


    セーラは準決でダンクできそうなくらい跳んでたな

    438 :


    穏乃はガチで2mくらいの跳躍力ありそう
    セーラと純君と憧で取材しても面白そうだなw

    439 :

    レジェンドも10年前準決いってなかったっけ?

    440 :

    >>439ごめんなさい書きながらどっかで間違えてそのままミスってましたわ

    441 :

    おっつー。

    ぼけしかいねぇなこいつら。

    442 :

    今更ですがあけましておめでとうございます。年末年始となかなか時間が取れなかったのでこのままのんやり進行で行くと思いますが今後もよろしくお願いします
    次回は咲ちゃん関係で来るかと思います

    443 :

    把握
    ゆっくりでええで~

    444 :

    了解

    445 :

    本編が進むたびにメグがくっそかわいいんだけど失点フラグばかり積み重なって辛い

    投下します

    446 = 1 :


    東京の町並みは、私たちの地元よりもよほど入り組んでいる

    だから見慣れない道に入っていったり、適当に歩いていれば多少は道に迷うということもあるかもしれないけど……

    「うぅ……ここ、どこですか……?」

    「……そこの道、ひとつ隣に入ったところが清澄の宿だと思うんですけど」

    ……東京に来てから一週間以上は経っているだろうに、どうしてこの距離で迷うのだろうか

    「あ、ありがとうございます……助かりました!」

    「……宮永さんって、方向音痴?」

    「ち、違いますよ! 今日はたまたま……ちょっと道を間違えただけというか……」

    ……方向音痴の人ってみんなそういう気がするんだけど

    「……あ、その! 私、灼ちゃんの忘れ物届けようと思って、阿知賀の宿に行こうと思ってたんですけど……一人じゃ……」

    「……やっぱり迷子なんですか?」

    「きょ、今日だけですよ?」

    これ絶対常習犯よね……

    「うーん……案内してあげたいけど、ちょっと今から用事があって……」

    「……そうなんですか」

    あ、そんなシュンとされるとなんか申し訳ないな……

    でも、今日は巴さんと胡桃さんとショッピングの予定だ

    私としてはかなり大切な予定なのでキャンセルはしたくないし……

    447 = 1 :


    「あうぅ……」

    ……あーもう! これほっといたら罪悪感ヤバいんだけど!

    よくよく考えたら私が預かっとくとか、次会うときに渡せばいいじゃんとか、いろいろあるんだけど……

    まず、私は宮永さんの所属する清澄には和という親友がいる。 優希だってこの間仲良くなった。 それなのに、同じ一年生の宮永さんだけさん付け+敬語とか……なんか感じ悪くない?

    しずは……なんというか、元気だし敬語も嫌味のない感じでそもそもフレンドリーだけど……

    私は、ちょっとそこら辺の……友達の友達的距離感うまく処理できないというか……中学の時なんかも初瀬に『変な敬語とかやめなよ』ってしょっちゅう言われてた気がするし

    ……昔はそういうのなく自然と友達作ってたのになぁ

    あ、でも和の時はしずが『友達になろうよっ!』なんて言ってたっけ

    ……いやいや、無理! 高校生にもなって? 『宮永さん、友達になってください!』とか無理! 恥ずかしいしなんか友達いない子みたいじゃん!

    っていうか、私はそれほど悪くないわよね!? 宮永さんだって敬語だし! 私だってあっちがタメ口だったら……あ、いや、それでも急にタメ口はやっぱりハードル高い気も……

    「あの、新子さん……?」

    「ふきゅ」

    「ふきゅ?」

    ああぁぁぁもう! 変な声出た! もうっ! もうっ! 恥ずかしいっ!

    ……よし! もう恥かきついでだ、もう宮永さんも誘って連れてっちゃおう! 一緒に買い物でもしてれば仲良くなれるだろうし、とりあえず名前で呼び会えるぐらいの仲までの進展を目指そう!

    「さ、さ、ささ……宮永さん!」

    「は、はいっ!?」

    あ、へたれちゃった……

    「私、これからこっちで知り合った友達とお買い物に行くんです……行くんだけど、それからでよかったら案内しま……するから!」

    「本当ですか? ありがとうございますっ! それじゃあ、ここで待ってるので……」

    「なんでそうなるのよ!?」

    「あう……」

    「あ、ごめんなさい……えっと、だから……よかったら一緒にどう……かな?」

    「え……でも、お邪魔になっちゃうんじゃ……」

    「大丈夫大丈夫! みんないい人だから! 行きましょ!」

    「わわっ」

    448 = 1 :


    ――――――

    「というわけで、清澄の宮永咲ちゃんでーす!」

    「あ、その……どうも……」

    「……こんにちは」

    胡桃「……よ、よろしく」

    あれ? なんか変な感じ……ってこのふたり清澄に負けてインハイ終わったんじゃん! そりゃあ気まずくもなるってーの!

    ああもう私のバカバカ! どうしよう……どうにかしないと……

    「え、えと……清澄の宮永咲です……そちらは、永水女子の次鋒の狩宿さん?」

    「あ、うん……えっと、巴でいいよ。 咲ちゃんって呼んでもいいかな?」

    「あ、はい……よろしくお願いします、巴さん」

    ん?

    「それと、宮守女子の鹿倉胡桃ちゃん」

    胡桃「胡桃ちゃん!? 私3年生だから! 先輩だよ!?」

    「あ……すみません、小さくてかわいらしいからつい……」

    胡桃「ちっちゃいって言わないの!」

    「ご、ごめんなさい……胡桃さん」

    胡桃「よし! それじゃあ私も咲ちゃんって呼ぶからね?」

    あれれ?

    胡桃「なんだか毒気抜かれちゃったよ……咲ちゃん、団体戦で当たった時すっごくヤバげだったし……」

    「あの時は怖かったよねー」

    「そ、そんな、酷いですよぉ……私だってあの試合は……」

    ……なんかすごい打ち解けてんだけど

    「あ、新子さんそういえば……」

    「なんでよ!?」

    「ふぇ!?」

    449 = 1 :


    「な、なにがですか……?」

    「なんで『新子さん』!?」

    「え? ……新子さんですよね?」

    「そりゃ新子さんだけども!」

    「それじゃあ、新子さんじゃないですか」

    「そうなんだけどね!? じゃあ灼さんは!?」

    「え? なんで灼ちゃん?」

    「灼さんは灼ちゃんじゃん!」

    「? だって、灼ちゃんは灼ちゃんですよ?」

    「灼さんは灼ちゃんだけども!」

    胡桃「……憧ちゃん、麻雀は器用なのにね」

    「ふふ……そういうとこ、かわいいと思うけど」

    「ちょっと! ふたりとも笑わないでくださいよ! こっちは真面目なんですから!」

    胡桃「はいはい」

    「ごめんね?」

    450 = 1 :


    「とにかく! もっとこう……あるでしょ!?」

    「え? え?」

    「その……さ、さ……宮永さんはさ?」

    「は、はい」

    「……私に恨みでもあるわけ!?」

    「えぇ!? う、恨みなんて、そんな……」

    「でも、なんか……私にだけ距離あるし!」

    「そ、そんなことないですよぅ……」

    「憧ちゃん、一回落ち着いて? ね?」

    胡桃「……さっきの流れでスッと呼んじゃえばよかったのに」

    「なんかタイミング難しくて……」

    胡桃「いやすごく簡単なタイミングあったと思うんだけど……」

    「もう、照れくさいのはわかるけど咲ちゃんに当たったらダメだよ?」

    「う……ごめんなさい」

    「私に謝っても仕方ないでしょ? はい、頑張って!」

    「あ……う……その、宮永さん?」

    「は、はいぃ……」

    胡桃「あーあ、憧ちゃんがあんまり怒鳴るから怯えてるじゃん」

    「大丈夫だよ、怖くないよー」

    「だから茶化さないで……ってごめん! 私がちょっとから回ってたというか、その……」


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