元スレ八幡「やはり俺の世にも奇妙な物語は間違っている」
SS+覧 / PC版 /みんなの評価 : ★
751 = 747 :
さ
753 :
紗希じゃなくて沙希な
754 :
川なんとかさんのキャラがつかめない……難しい。
>>753
指摘サンクスです。初っ端からミスるとは……。
八幡「ああ、本当にな。こんな真夜中に人を呼ぶなんてまともなやつがする事じゃない」
川崎「それでも取りに行かないといけないから、あのプリント」
八幡「なんの話だ?」
川崎「わかんないの? あの数学のプリントだよ」
八幡「あーそんなのあったな」
何か絶対出さないと進級に関わるとか言ってたな。一枚のプリントにそこまでかけるか、普通?
川崎「今さっき気づいてね、誰か一緒に行く相手を探してたんだ」
八幡「それで、俺が選ばれたと」
川崎「あんたどうせ暇でしょ?」
八幡「……否定はできないな」
755 = 753 :
756 = 15 :
川崎「それに、あんたなら呼んでも申し訳ないとか思わないし」
八幡「酷いな、借りがなかったら帰ってるところだ」
文化祭の時と、生徒会選挙の時。川崎には二度も世話になっている。だから、こんな非常識な頼みも断れなかった。
八幡「てか、お前の弟に頼めばよかったんじゃないか?」
何だっけ、名前。川崎大臣? 絶対投票しねぇ。
川崎「大志は受験生だから。今の時期に迷惑かけらんないし」
八幡「このブラコンめ」
川崎「うるさい、シスコン」
八幡「……不毛だな、とりあえずさっさと取るもん取って帰ろうぜ」
川崎「う、うん」
758 = 753 :
759 = 15 :
八幡「何で一人で来なかったんだ?」
川崎「えっ? えーっと、それは……」
八幡「……怖い、とか?」
川崎「何でそうなるの? 違うし。あんたがいればいざという時に囮にできるでしょ?」
八幡「俺を何だと思ってるの?」
川崎「……えさ?」
八幡「お前はジャングルに行くつもりなのか? 多分夜の学校にライオンはいないぞ?」
川崎「そんなのわかってるよ」
あんたバカなの? と言いたげな目で俺を見る。いやいや、お前の発言がアレだからつっこんだのに。
761 = 15 :
八幡「で、どうやって入るの、入れないの? じゃあ帰るよ?」
川崎「帰ろうとしないで。入る方法はあるから」
ほう、お手並み拝見といこうじゃないか。
ガララ
八幡「!?」
何で窓開いたの!? まさか川崎はメンタリスト!? それ関係ないな。心読んでどうすんだよ。
762 = 760 :
あ
763 = 15 :
川崎「よかった……開いてた……」
ふぅ、と川崎は胸を撫で下ろした。彼女にも確証はなかったらしい。
八幡「何で開いてんだよ、ここ。防犯的に問題ありじゃないか?」
川崎「ここの部活、よく鍵閉め忘れるから……」
何でそんな情報知ってんだ。お前ぼっちじゃなかったのかよ。
765 = 15 :
八幡「……暗いな」
廊下はやはり暗い。月明かりと非常口の緑色の光だけしかなく、それでようやく道が見えるくらいだ。
川崎「…………」プルプル
川崎は足を震わせながらゆっくり歩く。俺が先行するが、いつも通りに歩くと置いて行ってしまうので、歩調は落とす。
八幡「……大丈夫か?」
川崎「べっ別に……怖いわけじゃなくて、寒いだけだから……」
まあ確かに寒いですよね。じゃあ何で俺の上着の裾をつまんでるんですかね?
てか今、俺の怖いかどうかなんて聞いてなかったような……。
八幡「そうか。じゃあさっさと行くぞ」
766 = 753 :
767 = 15 :
川崎「っ!?」
突然、川崎が俺の上着を引っ張った。何だよ、破けちゃうだろ!
八幡「……どうし――」
川崎を見た瞬間、言葉が詰まった。川崎の表情は嘘をついている人間のものではない。だから、本当に恐ろしい何かに気づいてしまったのだと、俺はわかってしまった。
川崎「……足音が」
八幡「えっ?」
768 = 753 :
769 = 15 :
コツーンコツーン。
どこからだろうか。確かに、俺たち以外の誰かの足音が聞こえる。
コツーンコツーン。
その音は段々大きくなる。
川崎「比企谷……」
川崎はつまんでいた上着を離して、そのまま俺の腕にしがみつく。……あの、当たってるんですが……。
770 = 753 :
771 = 15 :
コツーンコツーン。
こんな時間に、校内に誰かがいるわけ、ないのに。
コツーンコツーン。
それなのに、その音は鳴り続ける。
一、夜中の校内に白い服を着た女性が歩き回っている。
八幡「嘘だろ……?」
コツーンコツーン
今日はここまでです。
支援レスありがとうございました。
772 = 753 :
乙
サキサキ可愛いよサキサキ
773 :
乙!
>一、夜中の校内に白い服を着た女性が歩き回っている。
まさか・・・ね
774 :
乙
らき☆すたクロスって見たら八幡「こっちは平和だな・・・」思い出した
775 :
こんばんは。
作者です。
今日も23時頃に投下を始められるよう頑張ります。
>>345の通り連投ができないので、支援レスよろしくです。
>>774
それのことです(笑)
面白くて好き
あと、これが最後の話と言ったな。あれは嘘だ。
この話の後にもう一話だけ書かせてください。
777 = 15 :
川崎「ど……どうする……?」
八幡「……隠れよう。もしもこんな時間に俺たちの他に誰かがいたとしたら、不審者の可能性が高い」
冷静に考えれば、そうだ。少し恐怖で頭がどうかしていた。
川崎「でも……七不思議が……」
あ、お前も知ってたのね、あれ。
八幡「あんなもん信じてんの?」
川崎「べ、別に信じてなんかいないけど……!」
八幡「だろ? 俺も信じてないし、幽霊とかよりも本物の人間の方がよっぽど怖い」
もしも変質者の類いだったら川崎が危ない。今は身を隠して、音の正体を突き止めるべきだろう。
778 = 753 :
779 = 15 :
コツーンコツーン。
八幡「もうそこまで来てる。とりあえずそこに入るぞ」ヒソヒソ
川崎「えっちょ、比企谷ムグゥ」
声を出させないために口を塞ぎ、そのまま近くの教室に入った。
八幡「……ふぅ」
川崎「……ぷはぁっ。いきなり何を……」
八幡「シッ」
口に人差し指を当て静かにしろと合図する。いや、俺の口にだよ? こいつの口にじゃないよ?
コツーンコツーン。
780 = 753 :
781 = 15 :
コツーンコツーン。
足音はどんどん大きくなる。心臓の鼓動の早さがそれに比例するように上がる。さっきのところにいたら、きっと音の主に見つかっていただろう。
コツーンコツーン。
足音は教室の前まで来た。壁の向こうには、この音の主がいる。怖い。
??「……い」
八幡・川崎「?」
??「なんで……こんな夜中に校内の見回りなどしなければいけないんだ……。本当に若手は辛いな……若手だからな……」
八幡・川崎「…………」
??「まあどうせ家にいても一人だし、変わらないかな……」
??「はぁ……結婚したい……」
コツーンコツーン。
足音は遠のいていった。
782 = 753 :
783 = 15 :
川崎「比企谷、今のって……」
八幡「よせ、みなまで言うな。いいか、俺たちは何も聞かなかった。行き遅れのアラサーの愚痴なんて聞かなかったんだ。いいな?」
川崎「あんたが全部言っちゃったじゃん……」
八幡「いや、俺は何も言っていない。何も言っていないんだ。……くぅっ!」
何だろう、胸が痛む。
本当にもう、早く誰か貰ってやれよ……! 可哀想すぎるだろ……!
784 = 753 :
786 :
八幡「……行ったな」
もう足音は聞こえない。方向的にももう出て問題ないはずだ。
ガララ
八幡「さてと、あの人がいて直接行く道は使えないから、遠回りするぞ」
川崎「そうだね。今あの人に見つかりたくないし……」
俺は直で見たら泣いちゃう自信がある。
テクテク
八幡「…………」
川崎「…………」
ガララ
八幡「!?」
787 :
788 = 15 :
俺と川崎のすぐ横の教室の扉が突然開いた。
川崎「……比企谷、あたしを驚かして楽しい?」
八幡「いや、今の俺じゃねーし」
川崎「なら、何で……」
次の瞬間、教室の中から何かが飛び出した。
カランカララン
川崎「ひぃ!」
廊下に響く金属音。しかしその音はどこか鈍い。
そしてまた俺の腕に川崎がしがみつく。だから当たってるんだってばよ。
八幡「……何だこれ?」
789 = 787 :
790 = 15 :
二、夜、教室の前を歩くと、窓や扉から何かが飛び出してくる。
八幡「これは……!」
この暗闇でもわかる細長い黒と茶色の芸術的フォルム!
八幡「マッ缶じゃねぇか!!」
しかもこの寒い季節にホット! 八幡的にポイント高い!!
八幡「でもなんでマッ缶なんか飛び出してきたんだ?」
川崎「ひ……ひきが……っ!」
八幡「どうした、川崎……」
そこには想像を絶する光景が広がっていた。
ありとあらゆるところから何十本もの手が生えてきて、川崎の身体を教室内に押し込もうとしていた。
791 = 787 :
792 = 15 :
川崎の表情は恐怖と不快感で歪んでいる。
川崎「……っ! たすけ……」
八幡「川崎!!」
俺は川崎の腕を掴んでいる腕を引き離そうと、その手首を握った。その腕はあまりにも冷たく、人の手の形はしているが、生気が感じられない。
ガシッ!
それに動揺していると、今度はどこから現れたのか、別の手が俺の右足を掴んだ。
793 = 787 :
795 = 15 :
八幡「くっ……!」
布越しに伝わる冷たい感触が気持ち悪く、背筋がぞわぞわする。このままだと二人とも教室に押し込まれる。
八幡「誰の腕だか知らんが……」
掴まれていない方の足で思いっきり足元の手を踏む。その瞬間、掴んでいる力が弱まり足から手は離れた。
同時に川崎を襲っていた手の力も弱まる。今だ。
八幡「川崎!!!」
俺はそう叫んで川崎の手を握り走り出した。
796 = 787 :
797 = 15 :
八幡「はぁ……はぁ……」
川崎「ふぅ……」
逃げている最中は他の教室からも手が飛び出してきた。それから避けるために、俺たちは教室のない渡り廊下まで逃げた。
八幡「なんだよ……あれ……!」
川崎「七不思議の二つ目……?」
八幡「嘘だろ……ただの見間違いの類いじゃなかったのか……?」
俺は非科学的な物は信じない。幽霊なんているわけがないし、妖怪が助けてなんてくれない。
しかし俺は確かに見た。確かに触れた。
人間ではあり得ない程冷たくなった腕を。
798 = 787 :
799 = 15 :
川崎「……ところでさ」
八幡「あ?」
川崎「その……」
川崎はモジモジしながら俺に目を合わせようとしない。どうかしたのだろうか。
川崎「……手」
八幡「えっ?」
逃げた時から俺と川崎の手はつなぎっぱなしだった。
800 = 787 :
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