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    元スレ八幡「やはり俺の世にも奇妙な物語は間違っている」

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    1 :


    キーンコーンカーンコーン

    いつも通り学校が終わり、義務を終えた生徒達はそれぞれ帰り支度を始めたり、部活動へと向かったりする。

    八幡「さて、部室に向かうとするか」

    八幡「ん……あれは……」

    リア充「ちょっと○○く~ん。こんなとこでくっつかないでよ~」

    リア充「いいだろ~? どうせ誰も見てないんだし~」

    リア充「でも~」

    ちょっと? 俺ここにいるんですけど? ステルスヒッキー効果高すぎだろ。

    八幡「けっ……」

    八幡「リア充、爆発しろ」

    リア充「あれ? なんか踏んだような……」

    リア充「カチカチ言うんだけど~?」

    ドカーンッッ!!!

    八幡「!?!?」

    SSWiki :http://ss.vip2ch.com/jmp/1408285329

    2 :

    あ…ありのまま今、起こった事を話すぜ!

    俺は今目の前のリア充に対して爆発しろと思った!

    そしたら爆発した!

    な…何を言っているのかわからねーと思うが 

    未来予知だとか超能力だとか

    そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ

    もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…

    ……おっと、現実逃避をしていた。

    何が起こったかを整理しよう。

    部室へ向かう途中、イチャイチャしているリア充を見つけた。

    俺はそいつらに対して爆発しろと、呟いた。

    爆発した。

    なんだこれ、わけがわからん

    3 = 2 :

    八幡「こういう時はどうすんだっけ……!? 110番? 119?」アタフタ

    ポチッ

    八幡「ん、今変な音が……」

    チッチッチッチッ……ゴビョウマエ

    八幡「」

    ドカーンッッ!!!

    4 = 2 :

    テッテッテレレーテレレーテレレー

    テッテッテレレーテーンテレーン

    タモリ「人を呪わば穴二つ、という言葉があります」

    タモリ「他人への呪いは必ず自分に返ってくるという意味で有名ですが」

    タモリ「誰かへの呪いの言葉が飛び回る現代は、呪いが呪いを生むループに陥っているのかもしれません」

    タモリ「おや、ここにいくつか穴がありますねぇ……」

    タモリ「今宵、奇妙な世界に迷い込む少年は、何の呪いが返ってきたのでしょうか……?」

    テレレッテッテレレーテッテッ

    テレテッテッテッテッテレレレレーレー

    テッテッテレレーテレレーテレレ

    テーンテレレレレレン

    5 :

    イマキヨさんで地雷踏みまくる相模

    6 = 2 :

    現実でファンタスティックな事は起こらない。

    異次元の世界から美少女がやって来て世界を救って欲しいと言われる事なんてないし

    偶然作り出してしまったタイムマシンで、タイムリープを繰り返すなんて事もない。

    突然特集能力に目覚めたりはしないし

    名前を書けば人が死ぬノートは落ちて来ない

    俺はそんなどこまでも現実的な世界に生きているが、それを嘆いちゃいない。

    むしろ大歓迎。

    この平穏なボッチ生活こそが最高なのだ。

    万一、何か漫画で起きるような大事件があったって、俺はどうせ名前すら貰えないモブキャラあたりだろう。

    いや、そもそも登場するのかどうかすら怪しい……やだ、俺の存在感薄すぎ……!

    7 = 2 :

    雪乃「そろそろ時間ね」

    八幡「おう、じゃあ俺は帰るな」

    雪乃「ええ、私は鍵を平塚先生に返しに行ってくるわ」

    結衣「ゆきのん! 私は下駄箱で待ってるね!」

    雪乃「えっ、由比ヶ浜さん、別に先に帰っててもいいのよ?」

    結衣「いいの! 今日はゆきのんと一緒に帰りたいんだー!」

    いつも通り仲の良いことで。お邪魔虫はそそくさ退散するとしますか。

    八幡「じゃあな」

    結衣「うん、ヒッキーまた明日ね!」

    八幡「おう」

    ガララーピシャッ

    8 = 2 :

    八幡「さてと」コツコツ

    …マーン

    なんか聞こえたような……いや気のせいだな。

    …チマーン

    うん、気のせい。幻聴だ。

    ハチマーン

    幻聴……だと思いたかった。

    「はぁぁちぃぃぃまあああああああああああああんんん!!!」

    八幡「うっせーよ、材木座」

    材木座「ようやく我に気づいたか! 八幡!!」

    八幡「気づきたくなかったけどな。で、なに?」

    9 :

    ワロタwwww
    そしてトラウマBGMが脳内再生される…

    期待

    10 = 2 :

    材木座「ふふふ……ついに我の新作の…」

    八幡「あっそいや用事あるんだ、帰らねーと」

    材木座「待って! せめて最後まで聞いてっ!」

    八幡「お前キャラブレすぎだろ」

    材木座「ゴラムゴラム。これこそが我の真の姿……剣豪将軍!! 材木座義輝っ!!!」

    八幡「あーそういうのいいから」

    今一瞬後ろから光が見えたが気のせいだなきっと。

    材木座「八幡! 今回は設定集などではない! ちゃんと本編を書いてきたのだ!!」

    八幡「わーったよ。読めばいいんだろ、読めば」

    材木座「うむ! 早く感想を聞かせるがいいっ!!」

    11 = 2 :

    とりあえず書き留めがここまでなので、ここから投稿が遅くなります。
    ごめんなさい。

    12 = 2 :

    今回の材木座の小説は今までのようなファンタジーものではなく、作風を変えてホラーだった。

    しかもなかなか怖い。本当にこいつが書いたのか? コピペかなんかじゃねーの? オボカタなの? STAP細胞はあります。

    八幡「いろいろつっこみたいところはあるが……」

    材木座「うむ、何でも言うがいい」

    八幡「……何で主人公俺なの?」

    13 = 2 :

    材木座「たまにはリアルなのもいいと思ってな。どうだ! 八幡!」

    八幡「リアルなのとリアルの人物を使うのは違うって事をお前には教えなきゃいけないようだな」

    材木座「まあそこはお遊びだ。八幡に見せるために書いたからな! あとで直しておくとも」

    八幡「あっそ。まあそこ以外はなかなかいいんじゃないか?」

    材木座「ほっ本当か!? 八幡!」

    八幡「で、あれなんのパクり?」

    材木座「ぐほぉっ!!」

    空には綺麗な赤いアーチがかかりました。

    14 = 2 :

    八幡「あいつなんだかんだ書く毎に成長してるよな……」

    初めこそ誤字脱字があったり、文法の基礎から崩壊していたが、最近はそれを反省してかまともな文章を書けるようになっている。

    八幡「俺はちょくちょく読んでたからあれだけど、雪ノ下が今の材木座の読んだら驚くだろうな。あいつは最初のあれ以降読んでないし」

    八幡「本当、今日のは俺も驚いた。最後のページなんか鳥肌たったし」

    本人に言うとめんどくさいから言わないが。今回もあくまで批評で、褒めるのはなるだけ控えた。あいつも欲しいのはそういう意見のはずだし、褒めすぎるのもよくない。

    所謂飴と鞭ってやつだ。……鞭が多すぎな気もするが。

    15 :

    八幡「おっそういや教室に教科書忘れてたっけ。明日小テストあるから取りに行かねーと」

    放課後の教室はリア充のたまり場だ。彼らしかいない時にその中に入るのには勇気がいる。ドアとか閉まってる時だと最悪。開ける時に全員一斉にこっち見るのは本当やめて欲しい。ボッチは視線に敏感なの。

    八幡「なんだ、誰もいないのか」

    陽が落ちかけているこの時間帯にも関わらず教室から光は漏れていない。つまり中には誰もいないという事だろう。

    八幡「助かった……」

    目的のブツを手に入れ、すぐに教室を出る。なんか泥棒みたいでやだね!

    16 = 15 :

    教室を出た瞬間、俺は強い違和感を感じた。

    八幡「静かすぎ……じゃないか……?」

    この階には教室が七つある。そのどこからも電気の光が漏れていないのだ。

    俺はよく部活のあとにこの教室の前を通る。そしていつもいくつかの教室の光がついているのだ。なのに、どこも光っていない。

    どこからも声が聞こえない。

    他の階から少しくらい声が聞こえてもいいはずなのに、それもない。

    八幡「!」

    俺は校庭が見える窓に走った。そこには……

    八幡「なんで……誰もいないんだよ……!?」

    17 = 15 :

    この時間はまだ外の運動部は活動をしているはずだ。なのに誰もいない。

    八幡「どうなってんだ……?」

    しかし気になっていても仕方がない。早く家に帰ってマイプリティーシスターの小町に会いたいしな。

    階段を降りて、下駄箱へ向かう。

    八幡「!?」

    しかし、下駄箱へ向かう道が、机で出来たバリケードのようなもので通れなくなっていた。

    八幡「なんだよ……これ……!」

    しかもいくつも重なって出来ているせいで、ちょっとやそっとじゃ動きそうもない。少なくとも一人では不可能だ。

    八幡「職員室……! 平塚先生に聞けば何かわか……」

    「比企谷くん……」

    18 = 15 :

    八幡「!?」

    雪乃「どうしたのかしら……? まるで幽霊でも見ているかのようよ……?」

    八幡「あっああ……雪ノ下か……。なんだ、驚かせやがって……」

    雪乃「驚き方が尋常じゃなかったわよ、ビビり谷くん……」

    八幡「うっせーな、てかこんなの見ていたら驚くに決まって……」

    ……おかしい。なぜ雪ノ下が今ここにいる?

    俺は材木座の小説を読んでいたせいで、かなりの時間を廊下で過ごしていた。

    ならば今は雪ノ下は既に由比ヶ浜と帰っているはず……。

    八幡「おい、雪ノ下。由比ヶ浜は? 待たせてるんじゃないのか?」

    雪乃「由比ヶ浜さん……? 何の事かしら……?」

    八幡「はっ? さっき一緒に帰るって言ってたろ?」

    雪乃「そんな事……言ってたかしら……? いえ、言ってないわ……」

    八幡「おいおいからかうのもいい加減にしろよ」

    雪乃「ふふふ……比企谷くんはおかしいわね……。その頭の中――」



    雪乃「ミテミタイ」

    19 = 15 :

    雪ノ下はそう言うと、後ろに隠していた右手を俺に見せる。

    その手には、包丁が握られていた。

    八幡「雪ノ下……何を……?」

    雪乃「わからないの? 本当にあなたは低脳ね。その頭の中に脳みそ入っているのかしら?」

    雪乃「……それを確認するのよ」

    雪ノ下はニヤァっと笑うと、包丁を向けて俺に突進し始めた。

    八幡「くっ……!」

    小学校のドッジボールで鍛えた反射能力で間一髪躱す。

    雪乃「どうして、避けるの……?」

    雪ノ下のその目は、イカれていた。

    20 = 15 :

    雪乃「ねぇ、どうして……どうして……」

    八幡「う、うわあああああああ!!!」

    俺は恐怖で逃げ出した。あいつは雪ノ下じゃない。ついさっきまで部室で話していたいつもの雪ノ下じゃない!

    八幡「とりあえず職員室に……!」

    しかし職員室へ行くための道も、さっきと同じように机のバリケードで塞がれている。

    八幡「くそっ! マジかよ!」

    ここで何かが思い当たる。

    俺は似たようなものを見なかったか?

    21 = 15 :

    八幡「もしも……」

    もしもここで生徒会室へ向かう道以外全て塞がれていたなら、俺の仮説は正しいという事になる。

    八幡「やっぱりか……」

    予想通り、他の道は全て塞がれている。

    そうだ……これは……。

    八幡「材木座の小説と、全く同じじゃないか……」

    22 = 15 :

    少し前の話

    八幡「材木座、俺が出てるのは置いといて、なんで雪ノ下たちまで出てくるんだ?」

    材木座「その方が怖いであろう! 気を許せる相手が狂うなど、恐怖であろうが!!」

    八幡「まあそこは認めるが……。俺は良くても、あいつらには風評被害以外の何物でもないぞ」

    材木座「だからあやつらには見せぬ!!」

    八幡「失礼だという自覚はあるのか」

    23 = 15 :

    八幡「あり得ねえ……こんなのあり得ねえぞ……」

    結衣「ヒッキー……」

    すると、生徒会室の中から、カッターナイフを持った由比ヶ浜が現れた。

    八幡「嘘だろ……ここまで同じなのかよぉっ!!」

    ひたすら走って逃げる。同じだ、全く同じだ。

    雪ノ下の次に由比ヶ浜が出てくる。持っている凶器はカッターナイフ……同じじゃないか!

    八幡「思い出せ……八幡……次は、何だった……?」

    確か主人公は職員室に逃げ込もうとして、そこで平塚先生が出てくるんだ。凶器はなし。だが、鍛え抜かれたその肉体は下手な凶器より強力って設定だったな。材木座よ。なんでここだけ微妙にギャグなんだ?

    八幡「バリケードが……なくなってる……」

    階段まで戻るとさっきまであったはずの職員室への道にあったバリケードが消えていた。

    八幡「机が一つもない……」

    あんなにあった机をこの短時間で運び出すのは実質不可能だ。ボブサップが五人くらいいる。

    24 = 15 :

    平塚「比企谷ぁ……」

    職員室の扉が開き、平塚先生が出てくる。今までの二人と同じように、その目はおかしい。

    八幡「平塚先生……」

    ギュイイイイイイン

    八幡「!?」

    平塚「比企谷ぁ……いつもいつも私の事をバカにしやがって……」

    八幡「えっいや、そういうわけじゃ……」

    平塚「いけない生徒には……特別指導が必要だな……」ギュイイイイイイイインッッ!!

    平塚先生は、なぜかチェーンソーを構えていた。

    25 :

    おもしろい。久しぶりにきたがまさかこんなSSがあるとは思わなかった

    26 = 15 :

    八幡「なんで……ここまで全部同じだったのに……」

    八幡「! まさか……!」

    俺はさっき材木座に平塚先生の凶器なしの部分を指摘した。

    八幡「あいつ……書き替えやがった……!?」

    平塚「ひぃぃぃぃきぃぃぃぃぃがぁぁぁぁぁやぁぁぁああああああああああ!!!」

    八幡「ひぃっ!!!」

    チェーンソーを振り回す平塚先生から俺は逃げる。何であの人あんな重いもの振り回せんの?

    27 = 15 :

    >>25
    お褒めの言葉ありがとうございます!
    眠いから落ちようかと思いましたが、もう少し続けようと思います。

    28 = 15 :

    八幡「あの話のラストって確か……」

    八幡「屋上で追い詰められて、落とされて死ぬんだっけ……」

    八幡「多分このままだと俺も同じ運命辿るよな……」

    普段から漫画とか読んどいてよかった。こういう事態にもすぐ対応できた。まさかこんな風に役に立つとは思わなかったが。

    八幡「しかし平塚先生の行動は変わった。恐らく俺のアドバイスで書き替えたんだ」

    八幡「なら、今からラストを変えてもらえば……?」

    すぐに携帯電話を取り出し、発信履歴を確認。二番目に材木座の文字。日付があの文化祭の日であるが、気にしない。もちろん一番目は小町だ。

    29 :

    見てるぞがんばれ

    30 = 15 :

    トゥルルルルルルルル

    『我だ』

    八幡「もしもし、材木座か? 俺の話を――」

    『我は今電話に出れぬ。ピーという音の後に……』

    八幡「ややこしいんだよちくしょう!!!」

    思わず携帯電話を投げ出したくなる衝動を抑え付ける。今ここでこれが壊れてしまえば俺は確実に死ぬ。

    あいつの事だ。きっとすぐに電話はかかってくる。

    雪乃「比企谷くん……」

    振り向くと包丁を振り上げた雪ノ下の姿があった。

    八幡「そいや、平塚先生の次は雪ノ下だっけ!」

    振り下ろされた包丁を避けると、包丁はそのまま廊下の床に当たって火花が散った。

    ……なんで包丁と廊下で火花が散るんですかね?

    31 = 15 :

    材木座が書き替えていなければあと残るのは屋上のみ。恐らくそれ以外の道はさっきと同じように通れないだろう。しかし雪ノ下が追ってくるからもう時間稼ぎもできない。

    八幡「早くしろ……材木座……!」

    ポケットに入れた携帯電話に祈る。早くそのバイブよ、鳴れ。

    ブーーン

    八幡「! 来たか!?」

    『Sub:ユカリです☆良かったらお友達に』

    八幡「ならねぇよ!!!」

    何でこのタイミングで迷惑メールなんだよ!! いつも送られてこないのに、何でこういう時に限って来るんだよ! ボッチは基本メール来ないから普段はこういうのでも嬉しいんだぞ! 何で今なんだよ!!

    32 = 15 :

    雪乃「比企谷くん、そこにいるの……?」

    くっ……つっこんだせいで見つかった!

    結衣「ヒッキー……逃げちゃ……いやだよ……?」

    ガハマさん……目が、怖いです……。

    平塚「ひきがギュイイイイイイイインッ!!」

    平塚先生、チェーンソーのせいで何言ってるのかわかりません。

    33 = 15 :

    八幡「早く……材木座……!」

    俺は階段を一段飛ばしで駆け上る。後ろから三人も追って来る。その目はさっきよりもさらに狂っていた。

    平塚先生、だからなんでチェーンソー持ってそのスピードで階段で走れるんですか? バーサーカーですか?

    屋上への扉に思いっきり体当たりすると、壊れた鍵は吹っ飛んで扉は開いた。悪いな、女子たちよ。これじゃあ屋上の鍵直されて、入れなくなっちまうわ。

    八幡「はぁっ……はぁっ……」

    陽は既に沈んでいて、外は真っ暗だった。ぱっと見誰もいない。材木座の小説でも誰かいたりはしなかったはずだ。

    とりあえず物陰に隠れる。広くないここではあまり意味がないが、今は一秒でも多く時間を稼がなければならない。

    34 = 15 :

    雪乃「みーつけた」

    雪ノ下の包丁が脇腹を狙う。

    八幡「!?」

    反射的に避けたが、完全には避けきれずかすってしまった。血で白いシャツが赤く染まる。

    八幡「っ……! いってぇ……っ!!」

    よく大怪我しても漫画とかではピンピン動くシーンあるけど、あれが嘘だってようやくわかったわ。掠っただけでこの痛みだろ? もろに食らったら動けねぇよ。

    結衣「ヒッキー……もう観念しなよ……」

    いつの間にか三人に包囲されて、俺は崖っぷちに立っていた。あと一歩下がれば、落ちる。

    ブーーンブーーン

    八幡「!!!」

    35 = 15 :

    八幡「材木座!!」

    材木座『我だが、どうしたのだ? 時間を置いたおかげで、我の才能に気づいたか?』

    八幡「いいから! 早くさっき書いたやつを消せ! 印刷したやつは破いて、PCとスマホにあるあの小説のデータを消せ!」

    材木座『八幡? 何があったのだ? そんな藪からスティックに』

    八幡「早くしろっ!!! 俺の命がかかってんだっ!!!」

    材木座『わっわかった。消すから消すから』

    八幡「ああ! 紙の方は最後の方から破いてくれ!」

    材木座『了解!!』

    八幡「ありがとな! 愛してるぜ材木座!」

    材木座『おう、我もだ!』

    八幡「うるせぇきめぇ!」

    雪乃「何を茶番を」

    ドンっと雪ノ下は俺の体を強く押す。痛みで力の出ない俺は重力に従い、そのまま落ちていく。

    八幡「ああ、間に合わなかったか……」

    36 :

    隕九※繧九h

    38 = 15 :

    見てる人いるんですね、すごい嬉しいです!
    頑張ります!

    39 = 15 :

    しかしここでまだ諦めるわけにはいかない。ここで諦めるような男だったら、俺は今、ボッチ道を極めていない。

    諦めない心、それが今の俺を生んだのだ。

    八幡「だから……俺は……最後まで……諦めねぇ……!」

    屋上の端を片手で掴む。それから携帯電話をポケットにいれて、もう一方の手を使う。これで数秒は持つ。

    結衣「ヒッキーしぶといね……」

    由比ヶ浜はそう言うと、足で俺の手を踏みつけた。靴のザラザラが俺の手の皮膚を確実に傷つける。

    八幡「くっああああああっ……!!!」

    痛みが着実に俺の精神を削る。

    どうして頑張っているのだろう? こんなに苦しいなら手を離せばいい。それだけでこの手の痛みからも脇腹の痛みからも解放される。

    八幡「もう、いいよな……」

    40 = 36 :

    がんばれ八幡

    41 = 15 :

    そう呟くと手から自然に力が抜けていった。あ、もう限界なんだ……。

    八幡「小町、ごめん。兄ちゃん頑張ったけど、ダメだったわ……」

    手が離れた瞬間、脳内にいろんな映像が流れ込んで来る。これが走馬灯ってやつか。

    生まれた頃の俺。そして小町が生まれて、俺の暗黒歴史がよぎる。今思えばあの人生も悪くなかったのかもしれない。

    戸塚の顔が思い浮かぶ。そう言えばずっと天使天使言ってたっけ……。戸塚が本物の天使なら、死ぬのも悪くないかもな……。

    42 = 15 :

    しかしその映像は急に途切れた。目の前には誰かの手。その手が俺には何よりも力強く見えた。

    「比企谷っ! 大丈夫か!?」

    「ヒッキー!? 何でこんな事に……?」

    「由比ヶ浜さん、それは比企谷くんを引き上げてからにしましょう」

    これは、幻か……?

    いつもの声が聞こえる。

    ここは、天国なのか……?

    43 = 15 :

    八幡「いやー、死ぬかと思ったわ」

    平塚「驚いたぞ、比企谷。気づいたら目の前に落ちかけているお前がいたんだからな」

    八幡「流石ですよ、先生は。そこから反応して俺を引き上げるなんて」

    きっと材木座の処理が間に合ったのだ。もう三人ともさっきのような狂気を感じられない。ついでに言うと、凶器も消えていた。狂気が消えたからだろうか?

    八幡「馬鹿力と言いますか……」

    平塚「比企谷ぁ?」

    八幡「何でもありません」

    結衣「でもどうしてヒッキーそんなにボロボロなの? どうして落ちかけてたの?」

    八幡「あーそりゃー俺もわからん。気づいたら落ちてたんだわ」

    彼女たちにこの記憶はないようだ。なら、俺も話を合わせておこう。その方が彼女たちも傷つかず、俺も説明をせずに済む。

    雪乃「本当に?」

    八幡「ああ」

    こうして俺は死なずに済んだのであった。

    44 = 15 :

    次の日 コケコッコー

    八幡「材木座ぁ……!」

    材木座「ひぃっ! はっ八幡! なぜ我を睨む!?」

    八幡「お前のせいで俺は昨日死にかけたんだぞ」

    材木座「はぁっ!? それってどういう」

    八幡「お前の書いた小説の内容が現実でも起こったんだ」

    材木座「八幡……お主も目覚めたか?」

    八幡「うっせぇ! お前みたいな中二病じゃねぇよ!!」

    45 = 36 :

    まだ見てるよ。寝てないよ。

    46 = 15 :

    八幡「ったく……。マジだ。マジの事なんだ。証拠と言うならあれだが」

    俺は昨日の傷跡を見せる。

    八幡「昨日雪ノ下にやられた。お前の小説通りにな」

    材木座「ふむぅ……俄かには信じられ難いが、しかし場所も我の書いたのと一致している……」

    八幡「だからな、お前は少し……」

    ブーーブーー

    八幡「おっ電話だ。珍しいなって小町か」

    材木座「む? むむっ!?」

    47 = 15 :

    >>45
    ありがと
    もうそろそろ終わるよ

    48 = 29 :

    起きてるよこのままがんばれ

    49 = 36 :

    >>47
    《材木座編 》が終わるだけだよね?

    50 = 15 :

    小町『お兄ちゃん』

    八幡「おー小町か。どうした?」

    小町『あのね、お兄ちゃん、これまでいっぱい傷ついたよね』

    八幡「傷ついた?」

    小町『文化祭だったり、奉仕部の活動のせいでお兄ちゃんいっぱい心に傷、負ったよね』

    八幡「バッカ、そんなの対したことねーよ」

    材木座「は……八幡……」

    八幡「うるせーな、今俺は小町と話してんだよ。で、何だよ、小町?」

    小町『お兄ちゃんはいつだってそうやって平気なふりをするよね』


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