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    元スレ八幡「強くてニューゲーム?」

    SS+覧 / PC版 /
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    みんなの評価 : ★★★×4
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    801 :

    5月22日までに更新がないとアウトになります

    802 :

    マジか
    頼む更新きてくれ

    803 :

    あと4日とちょっとか
    頼む

    804 :

    そろそろ書くかな

    805 :

    どうも、>>1です、申し訳ない

    少し書きます・・・けど
    やっばいな、どこまで書いたか覚えてないや
    とりあえず手探りで

    806 = 805 :

    あ、それと一つ

    もう皆さん完全に気づいてると思うけど、最初はギャグで行こうとしてたけどいつの間にか初期設定の「たまの休息」という
    設定もすっかり忘れてシリアスになってしまったことをお詫びします、そのせいで正直ネタが思い浮かばずにここまでスレを
    無視し続けてしまいました、もうしわけない

    それでは次レスから↓

    807 :

    来るのか…来ないのか…

    808 = 805 :

    ―翌日―

    八幡(修学旅行も二日目である)

    八幡(今回も最初に一日乗車券を購入し、市バスでブイブイ言わせながら大秦映画村へ向かう)

    八幡(目的地に着いた俺たちは、今回も走ってチケットを購入しに行った戸部からブツを受けと…ん?)

    戸部「ホイ、ヒキタニくん……ってあれ?どしたん?そんなボケた顔しちゃってー」

    八幡「いや、別になんでもない」

    戸部「そんなことないでしょー!ヒキタニくん絶対テンション低いわー」

    八幡「そんなことないから。サンキュ」

    戸部「……?」

    八幡(なるほど。葉山の同じシナリオを辿っていたわけではないというセリフは確かなようだ)

    八幡(戸部が走る必要はなく、三浦の計らいで海老名さんと二人ゆっくりと買いに向かっていたようだ)

    三浦「つーかやっば。ここ混みすぎっしょ。何人学生いるわけ?」

    戸部「いやいや!でも夏のコミケの方がよっぽど混んでたべ!」

    三浦「それカンケーないっしょ。ったく」

    八幡(……なる……ほど。あそこに行ったのか)

    八幡(三浦の性格からして、以前にも海老名さんの手伝いをしたことがあったのだろう。それに今回葉山と二人で加わった
       ってところか)

    由比ヶ浜「ヒッキー」

    八幡「え?あぁ、どうした」

    由比ヶ浜「どうしたじゃないでしょ?早くしないとみんな行っちゃうじゃん。はぐれたらヒッキーのせいだかんね!」

    八幡「いや、先に行けばいいだろ」

    由比ヶ浜「それは……ヒッキーがかわいそうだから……。って今の無し!あはは!あたし何言っちゃってんだろ!」

    八幡「お、おう」

    由比ヶ浜「つーか早くしてよね!バカ」

    八幡「……」

    809 :

    生きておったか……

    810 :

    おかえり

    811 = 805 :

    八幡(恐竜ちゃんの池を由比ヶ浜と二人で通り抜け、その先のお化け屋敷で先に行った6人と合流)

    八幡(当然、この中に入るようなのだが)

    八幡(……前回も思っていたんだが、昨日も同じようなところに入らなかったか?君たち暗いところ好き過ぎでしょ)

    八幡(しかし、まぁ矛盾を残すわけにはいかないし、入るとするか)

    八幡(もしかしたら三浦がロリ化したり、川なんとかさんが塩ラーメンになったりするかもしれないしな。それを期待
       するとしよう)

    三浦「はやと~、こわーい」

    八幡(何度も言うが、お前はそういうんじゃなく姉貴肌なキャラの方が間違いなく可愛く見えるぞ)

    葉山「ははっ」

    八幡(葉山の爽やかな笑みを含めた会話をうっすらと耳に入れつつ、俺は一つ重大な考え事をしていた)

    戸塚「はーちまん」

    八幡「ん。どうした?戸塚」

    八幡(それは。一体どうすれば戸塚と一緒にお化け屋敷に入ることができるか、と言うことだ)

    戸塚「八幡は、お化け屋敷とか苦手?」

    八幡「いやぁ、まぁ……」

    八幡(さて、どう答える?戸塚は前回と同じく中の仕掛けをもろともせずにスタスタと歩みを進めるだろう)

    八幡(それならば、いっそ『じつは~、ちょうにがてで~、はちまんまじこわ~い☆』とか言ったほうが手とか引っ張って
       もらえるんじゃないだろうか。いやしかし)

    戸塚「あ、八幡。順番来ちゃったから僕先に行くね?」

    八幡「えっ?」

    川崎「……」

    八幡(とっ……とつかぁ~。そりゃぁないぜぇ~)

    八幡(なんて思ってる間に川崎も先に入っちゃったけど大丈夫なの?)

    由比ヶ浜「ヒッキー、行こ?」

    八幡「……はい」

    由比ヶ浜「……?」

    812 :

    いや乗っ取りやん

    814 = 805 :

    八幡(お化け屋敷を抜け、しばらくぶらつきそろそろ映画村でやることもなくなった頃、葉山一行(俺含む)は仁和寺に
       移動する)

    八幡(前回同様、由比ヶ浜をなんとかかんとか説得してタクシーへ乗り込み、京都市内をリッチ気分で見渡していたとき、
       ふと俺を呼ぶ由比ヶ浜の声が耳に入った)

    由比ヶ浜「ねぇ、ヒッキー」

    八幡「どうした」

    由比ヶ浜「仁和寺ってなに?どんなところなの?」

    八幡「いや、寺って言ってんだからお寺なんだろうよ」

    八幡(まぁ、寺だからと言って総じてお寺であることはないかもしれんがな。弐寺なんて寺もあるし)

    由比ヶ浜「ふーん。ところでさ、ヒッキーたちは昨日の夜は何してたの?」

    八幡「え?あぁ、そうだな」

    戸塚「あ、それ僕も聞きたかったんだよね」

    由比ヶ浜「え?どゆこと~」

    戸塚「八幡昨日ジュース買いに行ったきり帰って来なかったんだよ」

    由比ヶ浜「なにそれ。気になる」

    八幡「えーっとだな、それは……」

    八幡(いいどもり、バックミラー越しに捨てられた子犬のような目でサキサキを見つめると、なにか不穏なものを感じたのか
       すぐにそらされてしまった)

    八幡「あー、月があまりにも綺麗だったんでな。少し散歩を」

    由比ヶ浜「なにそれ。キモ」

    八幡「ぐっ……。いいだろ別に。平安時代の奴らだってそんなこと言って夜な夜な俺と同じ道を歩いていたに違いない。
       いわば一つの京都観光だ。部屋で遊んでたお前らよりよっぽど修学旅行で学を修めてると思うがな」

    由比ヶ浜「また屁理屈を……」

    戸塚「八幡らしいね」

    川崎「どうでもいいけど、そろそろ着くんじゃない」

    由比ヶ浜「あっ、これが仁和寺?」

    815 :

    × × ×

    八幡(そんなこんなで、うっかりてへぺろ坊主で有名な仁和寺に到着した)

    八幡(一通り見回って、怠慢な空気を察した由比ヶ浜が声をかけると一行は龍安寺へと向かう)

    八幡(紅く色づいた葉がヒラヒラと舞い散る中、俺は落ちていく葉の一つをぼんやりと見つめ歩いていた)

    八幡(不意に、先の方で朗らかに談笑する葉山たちが目に入り、その様子をしばらく見ていると、いつの間にか俺の中に
       一つの疑問が生まれていた)

    八幡「……なぜ、今回俺はここにいるんだ?」

    八幡(別に俺は戸部と海老名さんの関係に一つも干渉していないし、それらに関する説明も胎内巡りの時に由比ヶ浜に聞いて
       はぐらかされてるまである)

    八幡(そして、葉山の口から出た、旅行出発前のあの発言。俺に心配して欲しいことってのは一体なんなんだ)

    八幡(そんな考えが一瞬頭の中をはり巡ったが、すぐに我に戻り、俺はすぐ視線のフォーカスを前の葉山たちに合わせた)

    八幡「……?あれ」

    八幡(由比ヶ浜がいない)

    由比ヶ浜「ヒッキー」

    八幡「お、おう」

    八幡(消えたと思っていた由比ヶ浜は、俺の横に並び、ゆっくりとした俺の歩調に歩幅をあわせて俯いていた)

    八幡(つーか、なんか今日こんなんばっかじゃないか?後ろに下がるといつの間にか由比ヶ浜が隣に……。ホラー?(すっ
       とぼけ))

    由比ヶ浜「なんでこんな後ろにいるの?」

    八幡「愚問だな。逆に問いたい。俺がグループから一線を引かずに接していたことがあったのか?と」

    由比ヶ浜「またそんなことばっかり言って……」

    八幡「冗談だ。八幡式のジョークだ。別に理由があるわけじゃない。ただここにいるだけだ」

    由比ヶ浜「ふーん。そっか」

    八幡(そう言うと、由比ヶ浜は薄く笑みを浮かべてまた俯いた)

    八幡「……そうか」

    由比ヶ浜「……?なにが?」

    八幡「あぁ、いや、なんでもない」

    八幡(少しだが、葉山の企みが見えた気がするな……)

    816 = 815 :

    八幡(仁和寺から10分ほど歩いたところで、目的地の龍安寺に到着した)

    八幡(今回こそは石庭の石を15個全て数えたいと思い立つ所存でありける拙者の元へ、聞き覚えのある声が届いた)

    雪ノ下「あら、奇遇ね」

    八幡「おう」

    八幡(声の正体は雪ノ下だった。前回と同じく彼女はおとなしそうな感じの女の子の一団を連れていた。実際連れていたのか   どうかはわからんが、まぁ傍から見ればそう見えるのだから仕方がない)

    八幡(というか、こいつが誰かに連れられることなんてあるのか?)

    雪ノ下「あなた一人なの?」

    八幡「いや、あっちの方に由比ヶ浜たちも」

    雪ノ下「そう、珍しく一人ではないのね」

    八幡(そう言い放つ雪ノ下の顔は笑みに満ち満ちていた。皮肉か?皮肉だな)

    八幡「そうだな。全く珍しいこともあったもんだ」

    雪ノ下「その顔やめてもらえるかしら。ひどく不愉快だわ」

    八幡(対抗して、満面の暗黒微笑をお見舞いしたが、どうやら雪ノ下には効き目がないらしかった)

    由比ヶ浜「あ、ゆきのん」

    雪ノ下「あら、こんにちわ。由比ヶ浜さん」

    由比ヶ浜「ゆきのんも来てたんだ」

    雪ノ下「えぇ」

    由比ヶ浜「ゆきのん今大丈夫?もしよかったらちょっとお話しようよ」

    雪ノ下「いいわ、少し待っててちょうだい」

    八幡(そう言うと、雪ノ下は同じグループのメンバーへ少し離脱するという旨を伝えにいった)

    八幡(しかし、今回は依頼が入っていない以上、十中八九普通の世間話を展開するだろう。そこに俺は必要ないのは目に見え
       てるしな。先に行くとするか)

    八幡(思い立った俺は、雪ノ下が戻ってきたタイミングで入れ替わりにその場から退散することにした)

    八幡(二人に別れを告げ、どこというあてもなくぶらついたあと、結局入口付近でじっと待つという結論に至った)

    八幡「……結局、15個数えられなかったな」

    817 = 815 :

    ちょっと休憩する

    間違いなく本人だから安心してくんなはれ

    818 = 815 :

    再会しまう

    819 :

    違ってたら申し訳ないんだがアマガミのやつも書いてた?

    820 :

    >>818
    だ、誰とだあッ!?

    821 = 815 :

    × × ×

    八幡(合流したその後、俺たちは宿へ戻ることにした。本日の予定はこれで全て終了したしな)

    八幡(結局また戸塚と一緒に風呂に入ることはできず、内風呂で入浴を済ませた。クソッ、一体俺がなにをしたと言うんだ)

    八幡(今回は別にサンデーGXを買いに行く必要はなかったのだが、やることがないのは相変わらずだった)

    八幡(手持ち無沙汰が俺を襲い、あえなくそれに撃退された俺は、そいつらを追い払うべく今日も下の自販機までジュースを
       買いに行くことにした)

    八幡(マックスコーヒーがないことに悪態をつきながら(二回目)よくわからないコーヒーを購入し、近くのベンチに腰をお   ろして一服していると、通路の向こうから高圧的な声がかかってきた)

    三浦「ヒキオじゃん」

    八幡「うす」

    八幡(前回は海老名さんのことで叱咤を受けてしまったが、今回は別になにも心配することはない。もし彼女が何かの話題を
       振ってくるのなら、それに乗るのも悪くわないだろう。そう思ってしまった)

    三浦「あんたさー、一体なにしてるわけ?」

    八幡「……は?」

    八幡(おかしい。なぜ前回と変わらないセリフなんだ?俺がなにかしたのか?)

    八幡(一抹の驚きを隠せず、少々視線を逸らすと立て続けに三浦が言葉を投げかける)

    三浦「あんま結衣のこと困らせんの、やめてくれる?」

    八幡(由比ヶ浜?由比ヶ浜がなんだって?)

    八幡「いや、困らせるというのは」

    三浦「あんだけ結衣が」

    由比ヶ浜「ストーップ!優美子!ちょっストップ!」

    三浦「ちょ、結衣。いきなりなにすんの」

    由比ヶ浜「………」

    八幡(いきなりボヨヨヨーンと現れた由比ヶ浜は、ゴニョゴニョと三浦に何かを言っていた)

    三浦「……わかった。わかったよ」

    由比ヶ浜「ごめんね、優美子」

    三浦「別にいいって。あーし関係ないし」

    由比ヶ浜「うん」

    八幡(なに、俺はどうすればいいの)

    822 = 815 :

    今日はここまでにする、よんでくれた人ありがとう

    >>819
    書いてたっていうとVIPのほうかしら、それとも現行のやつ?
    どちらにせよそれは僕です、向こうも止めちゃって申し訳ない

    なんとか頑張って書けるようにするから、気長に待っててください

    それじゃあおつかれちゃーん

    823 :

    おつ

    824 :

    また2ヶ月はやめてくれよ

    825 = 819 :

    >>822
    乙です
    なんか急かしたみたいでごめん

    826 :

    なるほどな。葉山さんはどうしてもガハマさんを八幡とくっつけたい訳だ
    自分のライバルを減らす為なのかそれとも友人(仮)の為なのか

    829 :

    長文を改行入れず文章をぶつ切りにする特徴まさに>>1
    乙!よくぞ帰ってきてくれた

    830 :

    >>822
    乙です
    もう少しで二ヶ月なのでアマガミクロスの方にもレスお願いします

    831 :

    乙!
    欲を言うならもうちょっと更新頻度上げて欲しいかなー

    832 :

    弐寺wwwwwwwwww音ゲーマーか……

    833 :

    >>811
    ×もろともせず
    ○ものともせず

    836 :

    まってる

    838 :

    待っとるぜよ

    841 :

    7月フゥー

    842 :

    こんばんわ、>>1です

    少し書くよ

    843 :

    待ってたよー!

    844 = 842 :

    八幡(だが、眼前でもじもじと指をいじる由比ヶ浜が次に繰り出そうとする行動を、俺はきっとわかっている)

    八幡(俯く彼女のその姿は、奇しくも夏休みのあの日と重なって見えた)

    八幡(時折こちらを見上げる由比ヶ浜を見ていると、どうしようもなく自分が嫌いになっていくのはなぜだろうか)

    八幡(それは、きっと俺が。比企谷八幡が由比ヶ浜結衣という女の子を好きだからだ)

    八幡(文化祭のあの日。生クリームのついていないハニートーストを食べながら聞いた由比ヶ浜のあの言葉)

    八幡(途中まで口にして、それでもその言葉を飲み込んだあの優しさを。俺はこのまま放置していいのだろうか)

    八幡(もちろんノーだ。論外。わかってんだろ、いい加減)

    八幡(……青春とは、なんと残酷なのだろう。一人の少女の運命を俺一人に託すだなんて荷が重すぎるのにも程が
       ある)

    八幡(いつか俺はこの瞬間を嘘だ、悪だなどと揶揄したが、まさかそのステージに立つことになるとは夢にも思ってなかったよ)

    八幡(もし、本当に嘘なら俺はどう答えるのが正解なのだろうか。そして悪になるためにはどう接するのが正しいのだろうか)

    八幡(簡単だ。俺らしくなければいい。まるで俺らしくなくて、かっこよくなくて、それでいて今までのどの瞬間よりも優しく
       なればいいのだ)

    八幡「由比ヶ浜」

    由比ヶ浜「なに?ヒッキー」

    八幡(少し肩を揺らした由比ヶ浜がいつもの笑顔を俺に向ける)

    八幡「俺はあの時、人と関わらなすぎたから、好きだ、嫌いだなんてのがわからないと言ったな」

    由比ヶ浜「……うん」

    八幡「それがどうだ。今の俺は。関わりを持つ人間の数が、両の手じゃ数えられなくなっちまったよ」

    由比ヶ浜「ふふっ。ずいぶん、たくさん増えたね」

    (優しい女の子は嫌いだ)

    八幡「きっと、充分なんだ。もう俺の気持ちを計るには」

    (優しい女の子は嫌いだ)

    由比ヶ浜「……」

    八幡「その、なんだ」

    八幡(言葉にならなかった。御託や屁理屈は散々出てくるこの口には、嘘を吐き出す力を持ち合わせていないようだった)

    由比ヶ浜「どうして、泣いているの?」

    845 :

    まってた まってた

    846 = 842 :

    八幡「は?」

    八幡(気づくと視界が濡れていた。その理由は、俺にはわからなかった。わからなかったが、不意に留美の顔が脳裏に浮かびあがり
       、そしてこう思った)

    八幡(『見つけたんだ。留美。本当にそう思えるやつを』と)

    (優しい女の子は嫌いだ)

    由比ヶ浜「ヒッキー……?」

    八幡「俺は、お前が好きなんだって。わかったんだよ」

    八幡(言った刹那、由比ヶ浜の顔は笑顔から真顔に変わり、それからすぐに泣き顔へ変わっていった)

    八幡(彼女の瞳から流れる嘘を、俺は見ていることができなくなり天井を仰いだ。一体、彼女は今どんな顔をしているだろうか。情け
       ない俺を見て、いつものような呆れ顔をしているのだろうか。それともあの優しい笑顔でいてくれているのだろうか)

    八幡(気持ちを強引に押し沈め、俺は彼女と向き合った。すると彼女は)

    由比ヶ浜「こんなところでさ……。ヒッキー、サイテー」

    八幡(言葉とは裏腹に、由比ヶ浜の表情は見たことのない『嘘』に包まれていた)

    八幡「待たせて、悪かったな」

    由比ヶ浜「うん。そうだね、ずっと待ってたんだから」

    八幡(次の瞬間、由比ヶ浜は俺の元へ駆け寄り、そして頭をあずけてきた。抱きしめてやれたら、どれだけかっこよかっただろうな。
       俺にはそれができなかった。だからその代わりに小町にやってやるように、頭に手をおいてやることにしたのだが)

    由比ヶ浜「……ちょっと、髪型崩れちゃうでしょ。バカ」

    八幡「んぐ……」

    八幡(しょ、しょうがないでしょうが。俺こう言うのわかんないんだから)

    八幡(誰にいうわけでもない言い訳を心の中でつぶやくと、俺は由比ヶ浜の肩に手をおいた、そして)

    八幡「ほ……ほら、こんなところで誰かに見られたら、その、恥ずかしいだろうが」

    八幡(彼女を優しく離した。いや、だってほら。本当に恥ずかしかったから)

    由比ヶ浜「ヒッキーさ。どこまでヘタレなの」

    八幡「慎重だと言ってくれ」

    八幡(得意の屁理屈も今回ばかりは仕事をしてくれない。言われるがまま、その言葉を聞き入れることにするなんて俺史上でもなかなか
       ないぞ)

    由比ヶ浜「でもね。ヒッキー」

    八幡「ん?」

    由比ヶ浜「あたしは、好きだよ。そんなヒッキーのこと」



    847 = 842 :

    ちょっと休憩させてください

    848 = 842 :

    再開しまふ

    849 = 842 :

    × × ×

    材木座「八幡。……八幡」

    八幡「ん、どうした。材木座」

    材木座「どうした八幡。先程から鳩がアンチマテリアルライフルを食らったような面をしおって」

    八幡「いや、なんでもない」

    材木座「せっかくの寺町通だぞ。もっと楽しもうではないか!ふぅーははは!」

    八幡「そうだな」

    八幡(ということで修学旅行三日目。俺は材木座と一緒に寺町通に来ていた)

    材木座「なぁ、八幡よ」

    八幡「なんだ」

    材木座「とりあえず、とらのあなに行ってもよいだろうか」

    八幡「好きにしろ」

    八幡(とらのあなは千葉にもあるだろうに)

    八幡(とりあえず俺は、材木座に連れられるままにアーケード街を彷徨っていた)

    八幡(大手のオタクショップは大抵揃っているようだ。材木座は知った名前の看板を見るたびに店の中に突撃していき、
       その度に俺は店の前で待たされることになっていた)

    八幡(というのも、俺は先に寄ったアニメイトで自分の買い物は済ませているし、他に買うものも特になかったからな。
       青い袋に入っているのは青い表紙のガガガ文庫。もはや形式美さえ感じるまである)

    材木座「ふー。疲れた」

    八幡「なんか素に戻ってないか?」

    材木座「うっうおん!素とはなんだ。我の真の姿は百戦錬磨、悪鬼羅刹の猛将軍。剣豪将軍材木座義輝であるぞ!」

    八幡(今日は一段と暑苦しい。街の空気がこいつに力を与えているというのだろうか)

    材木座「ところで八幡」

    八幡「なんだ」

    八幡(なぜか明後日の方向を向いて会話を始める材木座。なんなんだよ。その角度は)

    材木座「我はこれからこの剣で試し切りに向かおうと思っているのだが、お主もどうだ?」

    八幡(そう言って取り出したのは、トレーディングカードゲームのいわゆるデッキだった。試し切りってお前)

    八幡「なんだよ。それ」

    材木座「昨晩暇でしょうがなかったものでな。新しく鍛えたのだよ」

    八幡「知らねぇよ。それに行かない」

    材木座「なぬ?」

    850 = 842 :

    八幡「他の奴からしたら邪魔になるだろうし、そに少し考えたいことがあるんだよ」

    材木座「ふむ。そうか。なら仕方ないな」

    八幡(材木座にしてはずいぶん聞き分けがいいな。なんか最近、こいつ微妙に気を使わせている気がするんだが)

    材木座「それでは各々の戦場の地へ向かうとしよう」

    八幡「おう」

    材木座「サラダバー!」

    八幡(街中ででかい声出すんじゃねぇよ)

    八幡「……どうすっかな」

    八幡(そうつぶやくと、自分の腹が空いていることに気づいた)

    八幡(なにか京都らしものが食べたいと思い立った俺はケータイで『京都 料理』で検索をかける。すると)

    八幡「げっ、高級店ばっかりじゃねぇか」

    八幡(まったく、この街にはリーズナブルという言葉はないのか)

    八幡(とはいえ、ファミレスや牛丼屋に入る気にはなれない。京都最後の食事なのだから、少しくらい贅沢したいもの
       だ)

    八幡(そんなことを考えていると、突然ポケットに入っているケータイ電話は震えだした。ディスプレイを確認すると、そこに
       は知らない番号が記されている)

    八幡「誰だよ」

    八幡(間違え電話の可能性を考慮し、俺は一度目のコールを無視することにした。振動が止まると。少し間を置いてまたケータイ電話
       が震えだす)

    八幡「はい、どちらさまですか」

    八幡(応答すると、相手はふっと爽やかな笑いを漏らした。この声は)

    葉山「やぁ。比企谷くん」


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