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元スレモバP「新しくアイドルプロダクションを作った」
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☆
結局、その日はずっと千秋の最後の姿が頭から離れず、仕事がやや手付かずだった。
半日、仕事に付き添って見守っていた智絵里は、どの仕事も滞りなく終わらせ、多少のミスはあれども些細なものばかり。
もう、全て、一人で出来ているのだ。
そこに少し寂しさを感じたが、その成長には素直に感動した。
千秋だって、すぐに彼女と同等になれる。
きっと、なれる……。
結局、その日はずっと千秋の最後の姿が頭から離れず、仕事がやや手付かずだった。
半日、仕事に付き添って見守っていた智絵里は、どの仕事も滞りなく終わらせ、多少のミスはあれども些細なものばかり。
もう、全て、一人で出来ているのだ。
そこに少し寂しさを感じたが、その成長には素直に感動した。
千秋だって、すぐに彼女と同等になれる。
きっと、なれる……。
…………くそっ。
自分がプロデュースしているアイドルの成長を、未来を、俺が止めてどうするんだよ。
だが……俺が今の千秋から離れて、果たして彼女は大丈夫なのだろうか。
いや、自惚れるな。だからと言って俺がずっと傍にいても、彼女のためにはならない。
いつか、時期が来たら千秋の元を去ろう。それが最善の選択で、俺がすべき最後の仕事なのだろう。
そして、その時期はきっと近いんだろうな。
★
夜遅くの公園。ひと気は一切なく、たった一つの街灯だげか寂しげに灯っている。
月明かりさえも分厚い雲に遮られ、辺りは真っ暗だ。雪こそ降ってはいないが、とても出歩こうとは思いたくない寒さだった。
「やっと来たわね」
近づいて来る足音を聞いて、千秋がベンチから立ち上がる。
歩を進めるにつれ、足元からゆっくりと街灯に照らされる少女。
そこにいたのは緒方智絵里だった。二つに結んだ髪を左右に揺らしながら、毅然とした態度で千秋の元へと近づく。
「……こんな夜中に、何の用ですか?」
足を止めず、近づきながら、自分を呼び出した千秋に問う。
夜遅くの公園。ひと気は一切なく、たった一つの街灯だげか寂しげに灯っている。
月明かりさえも分厚い雲に遮られ、辺りは真っ暗だ。雪こそ降ってはいないが、とても出歩こうとは思いたくない寒さだった。
「やっと来たわね」
近づいて来る足音を聞いて、千秋がベンチから立ち上がる。
歩を進めるにつれ、足元からゆっくりと街灯に照らされる少女。
そこにいたのは緒方智絵里だった。二つに結んだ髪を左右に揺らしながら、毅然とした態度で千秋の元へと近づく。
「……こんな夜中に、何の用ですか?」
足を止めず、近づきながら、自分を呼び出した千秋に問う。
「これ以上、私のプロデューサーに関わらないでくれるかしら」
智絵里の質問に対し、有無を言わせない強い口調で千秋は返す。それでも智絵里は怯むことはなかった。
「嫌です……そもそも……Pさんはあなたのものではありません」
そう言って、千秋を睨み付ける。
「どうして……どうして奪おうとするの? 私のたった一人の……理解者を」
「先に奪ったのは……黒川さんです……私から、Pさんを」
「違うわ。プロデューサーは、私の所へ来てくれたの。自分の意志で、私の元へ来てくれたの」
千秋の言葉を聞いて、笑っているようにも、怒っているようにも見える表情を、智絵里はした。
「何が可笑しいのかしら」
その表情を笑っていると受け取った千秋が、苛立ちを込めた声で指摘する。
「Pさんから聞きました。黒川さんを……スカウトした時のこと……他にも、色々。あなたについて……聞きました」
くすり、と智絵里が小さく笑みを零した。
「――別にPさんでいなくても……黒川さんはきっと好きになっていましたよ……自分を助けてくれた、人を」
「……何よ、それ」
何を言われているのか理解できず、千秋は思わず聞き返す。
智絵里は、優しく微笑んだ。
「分かりませんか? 公園で黄昏ているところを、偶然スカウトされて、親を説得してもらって、プロデュースされて……例えそれがPさんではない他の誰かでも……あなたは好きになっていました」
言い聞かせるように、智絵里は断言した。きっとあなたは好きになっていました、と。
頭を押さえ、千秋は首を振った。
「そんなこと、ある筈がないわ。私はプロデューサーが、プロデューサーだけが好きなの」
「そうですか? かっこいい人が黒川さんの悩みを聞いて、親を説得しに行くだけでも……黒川さんはその人が好きになりそうな気がしますけど」
「やめて」
「別に、普通の人でも、プロデューサーをやっていなくても、助けてくれれば……誰でも好きになっちゃいますよね、黒川さんの境遇なら」
「やめてっていっているでしょッ!!」
叫びにも悲鳴にも聞こえる声で、智絵里の言葉を強引に止める。
「例え、平行世界があって、他の世界の私がプロデューサーではない誰かに助けられて、その誰かを好きになっていようと、関係ないわ。私は、プロデューサーを愛しているの。何も……他には何も関係ないッ!!」
びしっ、と智絵里を指差し、千秋は言葉を続ける。
「……あなたはどうなのかしら? 果たして本当に自分がプロデューサーだけを好きになるって言う自信でもあるのかしら?」
「ありますよ……私がPさんだけを好きになる、自信……」
いつも、何をやってもダメだった私を見て、私のプロデューサーになる人は次々と担当アイドルを私から変えていった。
「見てくれはいいが、他はダメだな」
「モデルすらもまともにこなせないのか、お前は」
「お前のせいで仕事が進まないし、俺が怒られるし、最悪だ」
「どうして、何をやっても出来ないんだ?」
「お前は正直に言って、アイドル向いていない」
自分に原因があるとはいえ、今まで担当プロデューサーになった人達は心無い言葉を私へぶつけた。
たまに根気よく私に付き合ってくれた人もいたけれど、伸びない私を見て諦めた。
私を変えてくれたのは、Pさんだけ。
どんなにダメでも、見捨てなかったのも、Pさんだけ
私のことを本当に理解してくれるのも、Pさんだけ。
Pさんは私を安心させてくれて、私の心にずっと寄り添ってくれる、最愛の人。
だから私も、Pさんに寄り添う。生涯、ずっと、永遠に。
「黒川さんとは、違う……私は、Pさんのことを本気で愛している」
「私だって、プロデューサーのことを、愛している」
対抗するかのように、千秋は強く言葉を返した。
「あなたのそれは……愛とは呼べません。黒川さんは……Pさんを本当に想ってはいません」
「いい加減にしてッ!!」
どこからともなく、千秋はナイフを取り出した。それは街灯の光を反射し、白く光る。
智絵里はそれを見ても、顔色一つ変えなかった。
やっぱりこれ書いてたのはちっひーだったか
みくにゃんのファンやめます
みくにゃんのファンやめます
「それを……どうするんですか? 私を……刺すの? ……本当に、あなたは……Pさんを困らせてばかり……まるで、昔の私のよう……」
「私は、プロデューサーを愛している。その想いは、誰にも否定させたりはしないわ」
「Pさんを困らせてばかりで……それが本当に愛だと思っているんですか?」
首を傾げながら、智絵里は問う。
千秋は、智絵里に向けていたナイフを下ろした。瞳には光も力もない。
「――もう……いいわ……これ以上、話しても、無駄だと分かったもの」
「あの……今度から、Pさんを困らせるのは……やめてください」
智絵里の言葉は、千秋には届いていなかった。
「話し合いで解決しようとしたのが間違いだったのよ……最初から、こうすればよかった」
暗い瞳を智絵里に向ける。嫌な気配を察したのか、智絵里が僅かに身構えた。
「あなたは、私達の邪魔なの……だから……消えてッ!!」
千秋はナイフを振りかぶり、一気に智絵里との距離を詰める。そして、彼女の喉元目掛けて勢いよくナイフを振り下ろした。
迷いはない。このまま行けば、ナイフの刃は間違いなく智絵里の喉を切り裂くだろう。
「消えるのは……あなたです」
智絵里は、千秋のナイフを持つ手を掴んだかと思うと、素早く右手に持ったスタンガンを押し当てた。
出力を弱めていたためか、気絶まで至らなかった。突然のショックに、千秋は右手からナイフを取りこぼし、体勢を崩してそのまま膝をつく。
ナイフを拾い、蹲る千秋を蹴り倒す。
千秋は悲鳴すらも出すことができず、うめき声を上げるだけだった。
智絵里は彼女に馬乗りになり、容赦なく腕にナイフを突き立てた。赤黒い液体が、湧き出て小さな泉を作る。
目を見開き、涙を零しながら、千秋は声にならない悲鳴を上げた。
それを見ても、智絵里は容赦なく二回、ナイフを突き立てた。
致命傷を外しながら、深い傷を負わせる。
「……もう二度と……Pさんに必要以上に近づくことはやめてください」
智絵里の目には狂気が宿っていた。それを間近で見た千秋は、心の底から恐怖を感じ、身体を震わせる。
ナイフを千秋の体から抜き取り、踵を返す。
街灯の光から離れ、溶け込むように、暗闇の中へと智絵里は消えて行った。
そして、血塗れの千秋だけが、街灯の下に残された。
コートや服はどこもかしこも血だらけで、どこから出血しているのか分からないような状態だった。
千秋は涙を零しながら、体を丸める。
震えながら、必死に自分を強く抱きしめた。
「プロデューサー……私を、愛して……」
零れた涙が、音もなく血と混ざる。
いつの間にか、空からは雪が降ってきていた。
「プロデューサー……」
やがて、千秋の涙は凍てつく。
更新終わり。
長い期間が空いてごめんなさい。
こんなSSでも待ってくれてる人がいて嬉しかったです。
長い期間が空いてごめんなさい。
こんなSSでも待ってくれてる人がいて嬉しかったです。
おっつおっつ
ドキドキが止まらない…黒川さんの運命や如何に…
ドキドキが止まらない…黒川さんの運命や如何に…
乙
自分が知らないところでアイドル同士が刃傷沙汰なんていう事態になってるP(´・ω・)カワイソス
自分が知らないところでアイドル同士が刃傷沙汰なんていう事態になってるP(´・ω・)カワイソス
なんで>>1の名前がちひろになってるんや!
そら(愛するPの為、人を刺す覚悟迄したのに)そう(問題になってPが退職したら)なるで(ヤンデレになるのは仕方ないね★)
★
ある日の朝、千秋が通り魔に襲われたと事務所から連絡を受け、俺は急いで駆け付けた。
薄暗い個室、そこで千秋はベットに横たわっていた。目を閉じて静かに眠る彼女は、造形の花のように、美しかった。
千秋は目を開き、天井から俺へ、ゆっくりと視線を移す。
「千秋……」
「プロデューサー……よかった……もう……会えないかと思った」
そう言って、彼女は涙を零す。
ある日の朝、千秋が通り魔に襲われたと事務所から連絡を受け、俺は急いで駆け付けた。
薄暗い個室、そこで千秋はベットに横たわっていた。目を閉じて静かに眠る彼女は、造形の花のように、美しかった。
千秋は目を開き、天井から俺へ、ゆっくりと視線を移す。
「千秋……」
「プロデューサー……よかった……もう……会えないかと思った」
そう言って、彼女は涙を零す。
「大丈夫……なわけ、ないよな……すまない」
目頭が急に熱くなり、思わず俺まで泣きそうになる。
そんな俺を横目に見ながら、千秋は上体を起こした。痛みに表情を歪ませながら。
「誰が、こんなことを……」
俺は、答えなど期待せずに、ただ、頭の中に浮かんだことをそのまま口に出しただけだ。
答えなんて返って来くるはずない。精々、通り魔の特徴ぐらいだろう。その程度の考えで出た、下手したら嫌なことまで思い出させてしまう浅ましい呟きだった。
だが、結果は違った。
目頭が急に熱くなり、思わず俺まで泣きそうになる。
そんな俺を横目に見ながら、千秋は上体を起こした。痛みに表情を歪ませながら。
「誰が、こんなことを……」
俺は、答えなど期待せずに、ただ、頭の中に浮かんだことをそのまま口に出しただけだ。
答えなんて返って来くるはずない。精々、通り魔の特徴ぐらいだろう。その程度の考えで出た、下手したら嫌なことまで思い出させてしまう浅ましい呟きだった。
だが、結果は違った。
「緒方智絵里」
「え?」
「緒方智絵里よ……私を刺したのは」
俺は耳を疑った。今……千秋は何て言った?
「冗談、だよな……?」
千秋は口をきつく結び、真剣な表情で俺を見つめる。とても嘘をついているようには見えなかった。
だけど、信じることもできない。
「真実は変わらない。私を刺したのは、緒方智絵里よ」
「そんな……どうして? どうして、智絵里が、そんなこと」
智絵里に、そんなこと、できるのだろうか。智絵里は、そんなことするのだろうか。別に、智絵里の全てを知った気になっているわけではない……だが、にわかには信じがたい話だった。
――智絵里は、そんなこと、しない。
危うく口にしてしまいそうだった。
「緒方智絵里は、プロデューサーのことが好きだから、こんなことをしたのよ」
「……?」
千秋が、何を言っているのかよく理解できなかった。さっきから頭が回らない。
「緒方智絵里と私はお互いにプロデューサーが好きで、争った。私はそれで傷を負った……それだけなのよ……今回のこの出来事を説明するならば」
言葉は出なかった。
数分間、病室を沈黙が支配する。
「……どうして、警察に言わないんだ?」
ようやく出てきた言葉が、それだった。
「言わないんじゃないの……言えないのよ」
「脅されているのか……?」
智絵里に? 智絵里が本当に、そんなこと、するのか……?
もはや何を考えるべきで、何を信じればいいのか分からなくなってきていた。
「脅されてはいるけれど……緒方智絵里からではないわね。誰から脅されているのかも言ってはいけないことになっているの……ごめんなさい」
「なんだよ……それ……」
千秋は辛そうに、唇を噛み締める。ぎゅっと握り絞めた拳も、震えていた。
俺は、彼女の力になることはできないのか……?
信じ切れていない以上、智絵里を問い詰めるようなことはできない。彼女を脅している人間が誰かも分からない以上、何もできない。
出来ることと言えば、千秋に寄り添うことぐらいだろうか。
「プロデューサー……ごめんなさい……」
千秋はぽつりと、謝罪の言葉を述べた。
「……何に謝っているんだ?」
「体に傷が残ってごめんなさい……でも、私、がんばるから……体に傷があってもいいって思えるぐらい魅力的になるから……プロデューサーに好かれるよう、どりょく、するから……だから……」
――見捨てないで。
そう言って千秋は、顔を両手で覆い、泣き出した。
俺は、静かに椅子から立ち上がる。自分が今どんな表情をしているのか、見てみたい。
「千秋、また来る……とりあえず、今は安静にな……」
「プロデューサー……傍にいて……!」
「ごめん」
千秋の懇願を跳ね除け、俺は病室を出た。
病院を出て車に乗ったところで、堪えきれずに涙が溢れ出てしまう。
体を震わせながら、鼻水を啜りながら、何度も何度も涙を拭いながら、暫くの間、嗚咽を漏らしながら静かに泣き続ける。
「おかしいだろ……」
おかしかった。何もかも。
千秋は、体に傷が残って悲しんでいた。
でも、千秋は傷が残ったこと自体に悲しんでいたのではなかった。
傷が残ったことで俺に見捨てられるのではないかというところに不安を感じて、悲しんでいた。
しかもそれは、アイドルとしてではなく、異性として、だ。
……どうして、こうなったんだろうか。
俺は、何を間違えた?
誰か、教えてくれよ……。
涙が一粒、また落ちた。
じっくりとヤンデレになっていく過程があるから違和感なく楽しめるわ
脅し…?話こんがらがってきた
こっからまた新たな介入があるのか?
こっからまた新たな介入があるのか?
>>499
自分が先に手を出したことが抑止力になってるんじゃない?あまり変に考察してもあれかも知らんが
自分が先に手を出したことが抑止力になってるんじゃない?あまり変に考察してもあれかも知らんが
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