私的良スレ書庫
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元スレモバP「新しくアイドルプロダクションを作った」
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言うの忘れてたんですが、私の書くSSは一部にしか需要がないっぽいので、過去作が嫌いだった人は酉見て回避してください
自分はその一部の需要層だが 最初の作品読んだ時は今まで感じたことのない胸の高鳴りを覚えたよ
絶妙な壊れ方だったと思う。
とにかく、楽しみに待ってる
絶妙な壊れ方だったと思う。
とにかく、楽しみに待ってる
「ヤー。髪が伸びて来ました、そろそろ切らないと」
机で事務仕事を淡々とこなしていると、アーニャが前髪を弄りながら唐突にそう告げた。書類からアーニャに視線を移す。出会った時と比べると確かに伸びている。
毎日のように顔を合わせている事もあり、言われるまで気付かなかった。
「俺が切るか? なんてな」
笑いかけながら、九割冗談、一割本気で言ってみる。過去に女の子の髪を切った事が何回もあるのだ。自信は若干ある。
「切ってくれるんですか?」
冗談のつもりだったが、アーニャは真顔で食い付いてくる。その予想外の反応に、動揺してしまう。ただ冗談に乗ってきただけだよな?
「アーニャがいいって言うんなら、切るけど……」
冗談とは告げずに、俺は続けた。心の底ではアーニャの髪に触りたいとでも思っているのだろうか。了承されるわけないというのに。
年頃の女の子が男に髪を触れさせるわけが無い。
「そうですか。では、お願いします、プロデューサー」
予想をあっさり裏切り、アーニャは俺を放心させる一言を放つ。
「は?」
「髪切ってください、私の……」
真っ白で柔らかそうなアーニャの頬に、赤みがさす。
どこかで……どこかで似たような事があった気がした。
『髪……切っていただけませんか?』
――いや、嘘だ。俺ははっきり覚えているじゃないか。思い出したくないだけだ、過去を。
「プロデューサー?」
呼ばれて、はっとする。アーニャが心配そうに俺の目を覗きこんでいた。
「大丈夫ですか? 汗を掻いてますけど」
頬を小さな雫が伝う。確かに、汗だ。
やはり、思い出したくない。昔の事なんて、忘れたい。
「大丈夫だ。それより、やっぱり切るのは無しだ。女の子の髪を男が軽々しく触るべきじゃないしな」
そうだ。女の子の髪を、軽々しく触るべきじゃない。
「……むむ。男に二言はあってはいけませんよ」
「悪かったって、冗談のつもりだったんだ、許してくれ」
可愛らしくむくれるアーニャは、天使の如く愛らしい。さらさらの銀髪も、正直言うと触りたかった。
……プロデューサーがこんなのでどうする。
気を引き締めて、俺は再び仕事に取り掛かった。
「もうすぐレッスンだろ、準備しろよ」
「ダー。分かってますよ……もう、プロデューサーのバカ」
後半は小さい呟きだったけど、しっかり聞こえてるって。バカとは何だ。
女の子って男に髪触られて平気なんだろうか。
代わり映えの無い日常が、暫く続いた。アーニャはいつもと変わらずレッスンを受け、仕事をこなし、学校で勉学に勤しむ。
俺もアーニャの為に外を回り、仕事を取り、そして事務所で書類やらメールやらスケジュールやらを整理する。
だが、今日は少しだけ違う。今日が、例のライブの日だ。
もしかしたら今日を区切りに日常が変わるかもしれない。それくらい大規模なライブだ。
故にライブ自体が初めてのアーニャにとってはプレッシャーと負担がかなりのものだろう。
何か出来る事は無いものか……
「アーニャ、大丈夫か?」
楽屋にて、用意された衣装に着替え、メイクも終わったアーニャに声をかける。いつも通りに見えるが、やはり少なからず緊張はしているのだろう、表情が硬い。
「やはり、少し緊張します」
「ごめんな……俺にはただひたすら応援する事しかできない……」
「ニェート。プロデューサーがいてくれるだけで、心強いです……」
アーニャが、ぎゅっと、左手を胸の前で強く結ぶ。
ほんの少し瞳を濡らして、上目で彼女は俺を見上げる。その表情は、何か言いたげだ。
「プロデューサー……!」
不意に、アーニャが俺に抱きつく。正面から両腕を背後に回され、しっかりと抱きしめられた。
彼女の柔らかい胸が押し付けられているが、突然の出来事に動揺してそれどころではない。
「どうした? やっぱり、怖いか?」
「怖いです。一杯、一杯人がいて」
ワイシャツに顔を埋めながら、ぼそぼそと、独り言のようにアーニャは呟く。
やっぱり、いきなりこんなに大きなライブは酷だったんだ。俺は、間違ってしまった。アーニャなら行けると勝手に思い込んで、アーニャにこんなに負担を掛けて……
自分の過ちに苦悩していると、アーニャが俺を抱きしめる手に力を込めた。
アーニャの体温に触れて、少しだけ心が安らぐ。
自然と、アーニャを抱きしめる手に力が入ってしまう。
暫くの間、普通ならダメな行為だが、俺とアーニャは抱き合っていた。
恋人同士のような抱擁ではなく、彼女を落ち着かせるためのものだから問題ないと、自分に弁明する。
「プロデューサー、ごめんなさい……もう、大丈夫です」
目を落とすと、アーニャが上目遣いでこちらを見上げていた。
思わず見蕩れてしまうくらい、綺麗で、優しい笑みを、アーニャは浮かべていた。
完全に緊張が解けてはないようだが、色々と吹っ切れたらしい。
元気になってくれて、よかった。
「プロデューサー、貴方がいるから、きっと……ナジェージダ……希望を持てます」
アーニャが、俺の胸に頭を預ける。
「ヤー……今の私は、空の向こうまで届くような歌、歌えると思います」
「あぁ……アーニャならきっと歌える」
アーニャを半年以上見てきた。下手すると、そこら辺の恋人なんかよりも、ずっと長い時間、一緒にいた。
だから、確信が持てる。アーニャなら、出来ると。
一番最初の舞台がこんなにも大きな舞台だと、アーニャからしてみれば全てが初めての事で、負担が大きい事も分かっている。
それでも、アーニャなら出来る気がした。
――アーニャは、輝いているから。
夜空に浮かぶ星なんかよりも、ずっと強く、ずっと明るく。
「ありがとう、プロデューサー。私、できそうです」
アーニャを呼び出しに、スタッフが楽屋に訪れる。抱き合ったままだったので、ノックされた時にお互い慌てて離れた。
「出番だ、行くぞ」
「ダー。がんばります」
舞台へと、アーニャが向う。
「がんばれ、アーニャ」
その堂々とした後ろ姿に、言葉を送る。
アーニャの晴れ姿、見せてくれ。
そして、舞台にアーニャが立った。
たくさんのスポットライトの光が、彼女を照らしだす。後ろの大きなスクリーンには、アーニャの姿が映し出された。
彼女はあまり有名ではないが、観客も新人アイドルを品定めに来ている人が多い。
美しい容姿と神秘的なオーラを持つ彼女の魅力はすぐにライブ会場の人達に伝わり、既に観客席からはたくさんの応援の声と歓声が上がっている。
やがて、観客の喧騒に負けないぐらいの大音量で流れ始める曲。
アーニャは不敵に、楽しそうな表情を浮かべながら、何回も練習したダンスを観客に披露した。
彼女のダンスは、全体的に動きが小さくて軽やかなものであり、決して激しいものではないが、そこそこに難しい振り付けだと聞いていた。だが、彼女は一つもミスをせず、汗を浮かべながらも、動きを鈍らせる事無く、踊る。
そして、前奏が終わり、アーニャは歌いだした。
アーニャのよく通る綺麗な声は、喧騒に包まれるライブ会場によく響き渡った。
本当に楽しそうに微笑みながら、美しい声色の歌声を届けて癒し、踊りで楽しませる。
アーニャは、やはり夜空に浮かぶ星のようだった。贔屓でもなんでもない、絶対にアーニャは他のアイドルなんかよりも、誰よりもずっと輝いている。
広いステージで、たった一人で踊り、歌う。そこに加えてたくさんの観客。精神的負担がどれほどのものか知らないが、彼女は全てを完璧に成し遂げた。
誰もが釘付けになっていた。余所見をする者なんていない。例え他に好きなアイドルがいたとしても、誰もが一度は目を吸い寄せられる、そんな雰囲気と美貌を持つ少女がアーニャだ。
アーニャの初めてのライブは、大成功に終わった。
突如現れた新人は多くの人々の関心を集め、故に色々な所で取り上げられ、一躍人気者となった。
アーニャがたくさんの人に評価されて、凄く嬉しかった。アーニャもとても喜んでいた。
あの再開が無ければ、最高の日だったのだろう。
忘れていた、ライブにはあのプロダクションも参加していた事に。
気付かなかった、あのアイドル達が、参加していた事に。
「プロデューサー?」
一仕事終えたアーニャに飲み物を持って行こうと、自販機にお金を入れていたら、プロデューサーと呼ばれた。
声は女性のもので、明らかに俺に向けられている。今この場には俺しかいないのだ。
だが……人違いな筈だ。アーニャの声ではないのだから。
「返事くらいしたらどうなのかしら? プロデューサー」
この声を、知っている。アーニャにも劣らない、透き通った綺麗な声の主を、知っている。
小銭を自販機に入れようとしたまま、固まった。
恐る恐る、声をかけてきた女性へと視線を移す。
そこに立っていたのは――
「……久しぶりだな、千秋」
「久しぶりね、プロデューサー」
――黒川千秋。
ライブ衣装だと思われる黒いドレスに身を包んだ、長い艶やかな黒髪と端整な顔立ちの、やや長身の女性。
過去に俺がプロデュースしていたアイドルだ。
「私の出番はずっと先よ……だから、今貴方とお話がしたいわ。ついてきて」
放心している俺の手を掴んだかと思うと、強引に引っ張る。俺は抵抗せずに、彼女に大人しくついて行った。
千秋の楽屋へと、二人で入る。アーニャの楽屋と似たような部屋だ。
千秋は背もたれの無い椅子を指差し、座って、と促す。その椅子に座ると、千秋は唐突に俺の膝の上に乗っかった。
「おい、千秋……!」
「別にいいでしょう? 昔はよくこうしていたんだから」
言葉に詰まる。確かに、過去にはよく、恋人のように寄り添っていた事があった。
「貴方も私の髪に顔を埋めていいのよ? 遠慮なんてしなくていいわ」
「遠慮する。そして離れてくれ、流石にまずい」
昔のような過ちは犯さない。アイドルからの好意は、絶たなければいけない。
「嫌よ」
きっぱりと、千秋がそう告げた。千秋は、根は悪くないが、昔からよく我が侭を言っていた子だ。そして、俺はその我が侭をよっぽど無茶なものでは無い限り、聞いてあげてた。
だが、今回ばかりは、その我が侭を聞けない。俺は千秋を押し退けて強引に立ち上がる。
「話しは何だ?」
なるべく早くアーニャの元へ帰りたかった。
「一年振りの再会なのに、どうしてそんなに冷たいの?」
彼女が肩を震わせ、俯き、悲しそうにそう言った。
「もう二度と、あんな事が起きないように……な」
千秋を見て、一年前の出来事を思い出す。思い出したくも無い、過去を。アーニャのステージに立つ姿を思い出して、必死に過去を振り払う。
――でも、無駄だ。一度思い出してしまうと、もう止められない。
「千秋……傷は?」
そう聞くと、千秋はいきなり衣装を脱ぎ始め、下着姿を俺に晒した。
呆気に取られている俺に、彼女が近づく。
鎖骨の横と肩、左の二の腕に大きな傷跡が残っていた。これでは、水着になる仕事や、露出の多い服は着れない。
「プロデューサー。私、この傷が大嫌いよ」
「あぁ……」
忌々しそうに、彼女が告げる。
俺は彼女の傷跡を見て、思わず涙を零してしまう。理由は分からない。色々な事が浮かんでは消えて、何が理由で涙が出たのか自分でも分からない。
「俺が……いなければ……」
千秋がこんなに苦しい思いをしているのは、俺のせいだ。
みっともなくて、情けないのも分かっているが、涙は止め処なく流れ続けた。
「ねぇ、プロデューサー? 貴方がこの傷にキスをしてくれたら、私、この傷を好きになれると思うの」
だから、と彼女は続ける。
「この傷に、キスをしてくれないかしら?」
そんな事……
「お願い、プロデューサー。触れる程度で、いいの」
普段の強気な態度からは想像できない弱々しい千秋を見て、心が揺らぐ。
おぼつかない足取りで千秋に近づき、華奢な体躯に手を伸ばす。
そして、彼女の両肩を掴んだ。
「あぅ……プロデューサー」
彼女が頬を桜色に染め、恥ずかしそうに視線を逸らした。
鎖骨の横と肩に刻まれた大きな傷跡に、顔を近づける。
少し触れるだけだったが、俺は確かに彼女の傷跡にキスをした。
鎖骨の横にある傷跡に口付けをし、次いで肩の傷跡に口付けをする。その後、左の二の腕の傷跡にも口付けを終えて、何故か荒い息をつく千秋から離れた。
「ごめんな……」
「ふふっ。何で謝るの? 私はとっても嬉しかったわ。ありがとう、プロデューサー」
彼女が再度衣装を着ながら、そう言う。
何で、笑えるんだ……アイドルじゃなくても、傷が残るなんて嫌だろうに。
ましてや、その原因である俺に対して、どうしてそんな幸せそうな表情を見せる。
千秋は、やはり何も変わっていない。
「二人は、どうしてる?」
気になって、聞いた。
「二人は貴方の事なんて忘れて新しいプロデューサーと仲良くやってるみたいよ。ふふっ……がっかりした?」
意地の悪そうな表情を浮かべ、問いかけてくる。少しだけ、寂しい気持ちはあった。
「別に」
「私は、変わってないわよ……私には貴方以外、考えられない。一年間、ずっと貴方の事だけを考えて生きてきた」
変わって欲しくないという気持ちも、心のどこかにはある。
でも――
千秋は変わるべきだって、思う。
本来の姿に、戻って欲しい……その方が、きっと幸せになれる。
「それじゃ、連絡先を交換しましょう? プロデューサー」
「ダメだ」
きっぱりと断る。このままじゃ、いつまで経っても彼女は変われない。
「傷跡、もっと愛してくれないと嫌よ」
間髪入れずに、彼女がそう告げた。その言葉は、的確に胸の傷を抉る。
傷跡が何だ、そんなもの……
――ダメだ……傷跡を出されてしまっては、千秋の願いを、断れない。
彼女の傷跡には、負い目がある。
千秋を傷つけた償いは、しなくてはならないのだ。一度逃げているのだから、なおさら。
結局、千秋と連絡先を交換した。
……彼女を傷つけてしまった責任を、今度こそ果たさなくてはならないのだ、逃げるわけには行かない。
今度は、逃げない。
サイレントヒルのBGM聞いてたら眠くなってきたし、キリがいいのでそろそろ寝ます。
後日、千秋に呼び出された俺は、二人で人気のない公園のベンチに座り、話していた。
千秋は変装し、じっくり見ても千秋だと分かる人間はいないだろうが、だからと言って絶対安全というわけでもない。正直二人きりで会うのは避けたかった。
「本当に、あの二人は薄情よ。貴方がいなくなって数週間経てば元通り、今では新しいプロデューサーに好意を寄せているわ」
「……あいつらも、何も変わっていないのか」
女は恋愛しないと死ぬ病気にでもかかっているのか。
「でも、前も言ったけど、私は無理よ。私には貴方しかいないもの」
「千秋の気持ちは嬉しいよ……でもな……」
千秋は、アイドルだ。アイドルじゃなければ、どんなによかった事か。
「分かってるわよ。最初からいい答えなんて期待してないわ」
拗ねたような口調で彼女はそう言う。
「でも、傷跡は愛して欲しいの」
千秋がおもむろに上着を脱ぎ捨て、下着姿を空の下に晒した。
人気が無いからと言って、こんな事して言い訳がない。
「ちょっと、やめろ千秋」
「じゃあ、早く終わらせましょう? 終わらない限りずっとこのままよ」
慌てて止めさせようとするも、半ば以上分かっていた事だが。あっさりと拒否される。
俺の口から異様な呻きが漏れた。仕方ない、彼女の言うように終わらせよう……素早く。
千秋の長身の割りにほっそりとした肩を抱き、痛々しく残る傷跡に軽く唇を押し当てる。
千秋と言えば、うっとりとした表情をしながら、俺の頭の後ろに腕を回して抱え込む始末。昔はクールだったのに、何故こうなってしまったのだろうか……今も、テレビとかでは変わらずクールではあるのだが。
「ねぇ、舐めて?」
「は?」
不意に、彼女が変な事を言う。
「ただのキスでは満足できなくなってしまったわ……だから、舐めて欲しいの」
「…………」
俺は本当に千秋を変えられるのだろうか。
やはり、俺達は出会うべきではなかったのだ。
頬を紅潮させ、傷跡を舐めるように催促してくる彼女を見て、そう思った。
……だが、何を言ったって過ちはなくならないし、現状も変わらない。
抵抗を諦め、彼女の願いを聞き入れる事にする。
傷跡に再度顔を近づけ、舐めた。短い時間で、丁寧に、傷跡を舌でなぞる。
「あっ……んん……」
千秋が小さな声で喘ぎ、俺を抱える手に力を込めた。顔が固定されて動かせない。早く終わらせたいのに。
「千秋、離して」
「ご、ごめんなさい……気持ちよくて……」
全身性感体か何かなのか、千秋は。
解放された俺は、さっさと残りの傷跡を舐めて、彼女の要求を満たす。
「ふふふっ。やっぱり、私には貴方しかいないわね」
クスクスと小さく笑みを零しながら、手を伸ばして俺の手を握る。
暫くの間、俺の手の感触を楽しむように細い指先を動かし、強く握ったり、軽く握ったりするのを繰り返す。
「――もう一度、私の……私だけのプロデューサーになってくれないかしら」
頬を真っ赤に染め、瞳を潤ませて、彼女は言った……もう一度、プロデューサーになってくれと。
「悪いけど……それは無理だ」
今の俺には、アーニャがいるから。
それに、今千秋のプロデューサーになると、また彼女を傷つけてしまう。
彼女が俺を好いている限り、千秋のプロデューサーにはなれない。
「……そう……やっぱりあの女が、私達の邪魔をしているのね……」
聞き取れない声量で何かを呟いたかと思うと、千秋は俯き、口を噤んだ。
俯いているが、彼女の表情は見えた。
背筋がぞっとするような、冷たく、無機質な、能面のような表情に千秋はなっていた。
彼女は瞳に暗い光を宿して、じっと地面を見つめている。
何も変わっていない。
再会した時から、分かっていた事じゃないか……
黒川千秋は、一年以上経っていても、何も変わっていなかった。
乙
いいね、このどろどろした情念が安い病みと違ってぞくぞくくる
いいね、このどろどろした情念が安い病みと違ってぞくぞくくる
情報が少なすぎて本当にその二人がこのPを過去のことって割り切ってるのかすらわからんしな・・・
実は黒川さん同様未練たっぷりで先にPを発見した黒川さんが先手を打ってきた可能性も
実は黒川さん同様未練たっぷりで先にPを発見した黒川さんが先手を打ってきた可能性も
というか何か知らんが大事があってPが抜けたのに数週間でケロッと立ち直ってもう次のPにお熱になってるとか彼女のファンの人なら憤死物じゃないか
言いたくなっちゃう気持ちも分かるけど、考察なんて無粋な真似しなさんな
>>91
楓さん、朝お早いんですね
楓さん、朝お早いんですね
「? ……この栞、確かプロデューサーの」
ふと、アーニャは事務所のソファの近くに落ちている栞に気付き、それを拾い上げた。
四葉のクローバーを押し花にし、それを使った手作りの栞だ。手作りのようではあるが、かなり丁寧に作られている。
アーニャはそれに心当たりがあった。この栞はプロデューサーの物だ。前に見たことがある。
この事務所には基本的にアーニャとプロデューサーしかいない。アーニャの物では無いのなら、必然的にプロデューサーの物だろう。
持ち主が分かったのはいいが、今、プロデューサーは仕事関係で外出しているため、渡せない。
でも、きっと机に置いておけば気付くだろう。そう思ってアーニャは、プロデューサーの机に、拾った栞を置いた。
その時に、ふと気付く。
机には、プロデューサー最近いつも読んでいる本が机に置いてあった。そして、机に置かれたその本にはもう一枚の栞が本に挟まっていたのだ。
――また栞?
アーニャは好奇心からプロデューサーの本を開き、挟まっている栞を見る。
「……?」
本に挟まっていたもう一枚の栞も、四葉のクローバーの押し花栞だった。
拾ったのと比べると、作りやデザインは違う。だが、四葉のクローバーを押し花にし、それを使った手作りの栞だ。
似たような栞が二枚……
プロデューサーは栞を作るのが趣味なのだろうか。
もしそうだとしたら、こっちの本に挟まっているのもプロデューサーの手作り?
もう一枚の栞を見て、プロデューサーが四葉のクローバーを探し回り、それを栞にしている光景を思い浮かべてしまい、アーニャは思わず苦笑してしまう。
プロデューサーには失礼だけど、その姿は少し違和感がある。
アーニャは小さく笑みを零しながら、本を閉じて元の位置に戻した。
何故二枚も似たような栞を持っているのだろう。四葉のクローバーが好きなのだろうか。
そういえば、四葉のクローバーの花言葉って、確か――
――Be Mine
乙
これだけ四つ葉のクローバー強調するってことはやっぱり二人のうちの一人は彼女か
これだけ四つ葉のクローバー強調するってことはやっぱり二人のうちの一人は彼女か
>>99よし、君はまず中一のところから英語を勉強し直そう
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