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    元スレ勇者「ハーレム言うなって」魔法使い「2だよっ!」

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    801 = 1 :

    ――――――――――――

    -イシス城・望庭の広場-

    タッタッタッタ……

    イシス勇者「確かこの辺りに…………」

    イシス勇者「!!」


    勇者「…………」


    イシス勇者「いた!!」

    スタスタ……

    イシス勇者(ここに何の用だったんだろう)

    イシス勇者(ここには猫がたくさんいるくらいしか…………ん?)


    勇者「…………おい」

    「…………」



    イシス勇者(勇者君…………猫と話をしてる?)


    勇者「…………お前……」


    イシス勇者(…………意外とメルヘンな性格なのだろうか)

    イシス勇者「…………おーい、勇者く」








    「ぐひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ」






    イシス勇者「っっっ」ゾゾゾゾゾゾッ

    イシス勇者(え……?)

    イシス勇者(何…………あの声…………何だ…………この…………嫌な、気分……っ)

    802 = 1 :

    勇者「…………やっぱり、お前……あの時の…………」

    猫?「なんだ?お前?どうして俺がわかった?」

    猫?「俺はあのオルテガの娘に会いに来たんだがなぁ?どうした?ぐひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ」


    イシス勇者(っ…………!!!!)ゾゾゾゾゾゾッ!!!!!

    イシス勇者(何、この声…………!!!本当にあの猫が…………!!!?とても聴いてられない!!!!こんな、嫌な気分のする声初めてだ!!)


    勇者「…………覚えてないか」

    勇者「…………はは、覚えてないか」

    猫?「誰だ?お前?もしかして前に喰った奴らの一人の仲間か?なぁ?なぁ?」

    勇者「…………」

    猫?「なぁ?もしかして魔王様を邪魔しようとしてる奴の一人か?なぁなぁ?」

    猫?「それとも女勇者の連れか?そうか?何だ?なぁ、なぁ、なぁ、なぁ、なぁ」

    猫?「なぁ、おい、おい、ひははははははは、ぐひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ」

    猫?「それならいいや。なぁ、あいつに伝えろよ、あいつ、女勇者。わかった?あう?」

    猫?「魔王様にたてつくのは止めとけ?なぁ?いや、たてつけ?なぁ?」

    猫?「とりあえず、殺すから、なぁ?覚悟しておけ?なぁ?なぁ?なぁ?」

    猫?「全部殺すからな、何年もかけて、いっぱいな?グひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ」

    勇者「…………させるもんか」

    勇者「させないよ…………絶対だ」

    猫?「なんで?な―――――ん―――――で―――――?な―――――――――――――――ん―――――――――――――――で?」

    猫?「ぐひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ」

    勇者「…………」

    イシス勇者(っっ!!!!)ゾゾゾゾゾゾッ

    イシス勇者(もう、無理だ…………!!!!声聴いてられない…………!!!!)

    イシス勇者(なんで…………勇者君は平気なんだ…………!!!!)

    803 = 1 :








    ゾゾゾゾゾゾゾゾォォッ


    イシス勇者(っ)

    猫?「ひっ」







    勇者「わかるか?」

    勇者「僕も、お前を殺すからだ」

    勇者「お前ら全員、殺すからだよ?」

    勇者「なぁ?わかるか?」

    勇者「殺す」

    勇者「殺すんだ」

    勇者「殺してやる」

    勇者「お前も、お前以外も全部殺す」

    勇者「全部、全部」

    勇者「……殺す」

    804 = 1 :

    猫?「お、前、…………なに?」

    猫?「な―――――――――――――――に―――――――――――――――??」

    猫?「お前知らないよ?お前知らないよ?」

    猫?「俺は、お前を」

    ゾゾゾゾゾゾゾゾォォッ

    猫?「ひっ」


    勇者「僕は知ってるよ?」

    勇者「お前の姿形、声、ぜーんぶ」

    勇者「殺すから」

    勇者「わかる?」

    勇者「何があっても、殺すから」

    勇者「わかるか?お前、わかるのか?」

    勇者「殺すんだ」

    勇者「お前を」

    勇者「僕は」

    勇者「殺す」

    猫?「……………………」

    勇者「…………」

    勇者「消えろ」

    猫?「っ」


    シュンッ…………

    「……………………?にゃぁ…………?」

    勇者「…………」



    イシス勇者「……………………!!!!」ドクン ドクン

    …………
    ……

    805 = 1 :

    ――――――――――――

    -イシス城・二階-

    ガヤガヤ


    子供2「おねぇちゃん!!おねぇちゃん!!」

    僧侶「ふふ、二人とも、お歌を教えてくれて、ありがとうね」ニコッ

    子供「…………えへへ」テレテレ

    イシス戦士「さながら親子だな……」

    イシス「……前は私にべったりだったのに…………」シュン

    イシス魔法使い「まぁまぁ」

    勇者「しかしお義兄ちゃんおそいね?」

    遊び人「呼びに行ってきたこいつらも先に帰ってきちゃうし……」ジロッ

    商人「う……」

    戦士「ご、ごめんな」


    スタスタ

    魔法使い「あっ!!」


    勇者「全くもう…………皆僕を置いていって…………」


    戦士「勇者!」

    盗賊「……ごめんね……」

    僧侶「ご、ごめんなさい!」

    勇者「ははは、いいよいいよ」

    イシス「勇者様!!」

    勇者「はい?」

    806 = 1 :

    スタスタ……

    イシス「この度は…………私の弟が、申し訳ありませんでした」

    イシス僧侶「…………本当に、ごめんなさい」

    イシス魔法使い「私たちも知っていて止められなかった…………ごめんなさい」

    イシス戦士「…………すまん」

    ペコリ

    勇者「!!!!ちょ、ちょっと!僕は大丈夫ですから!!頭を上げてください!!!!」

    イシス戦士「そうか?」ヒョイッ

    イシス僧侶「アンタはもうちょっと反省しろっ!!!」

    ベシッ

    イシス戦士「ぐふっ」

    勇者「と、とりあえず本当に大丈夫なんで……」

    武道家「結構困るでしょ、それ。私もさっきやられてどうしようかと思ったわ」

    勇者「武道家…………ほ、本当に困るね。これは」

    勇者「そ、そうだ!イシス勇者君は?イシス勇者君が見当たりませんけど」

    イシス「あれ、そういえばそうですね」

    勇者「さっきまでいたんだけど…………」

    スタスタ……

    イシス勇者「…………」

    イシス僧侶「あ、帰ってきた」

    イシス魔法使い「ちょっと、どこ行ってきたんですか?」

    イシス勇者「…………ちょっとね」

    イシス僧侶「ちょっと何なんですか…………もう」

    807 = 1 :

    勇者「イシス勇者君!!」

    イシス勇者「勇者君」

    スタスタ……

    勇者「君が僕を運んで来てくれたんだって?」

    イシス勇者「うん…………もう大丈夫ですか?」

    勇者「うん。平気だよ。君のお陰で」

    ニコッ

    勇者「ありがとう」

    イシス勇者「…………」

    イシス勇者「ふふ、いえ。お礼を言うのは僕のほうです。僕も君のおかげで……」

    勇者「…………イシス勇者君、それやめない?」

    イシス勇者「えぇっ!!?僕、何か…………」

    勇者「敬語」

    イシス勇者「あ…………」

    勇者「それが癖ならいいんだけど、君さっき喧嘩した時は敬語じゃなかったじゃない」

    勇者「あんな風に喋ろうよ…………友達なんだから!」

    イシス勇者「え…………」

    勇者「?どうしたの?友達は嫌かな」

    イシス勇者「…………あんな酷い事をしたのに……友達になってくれるんですか?」

    勇者「…………ですか?」

    イシス勇者「あ…………く、くれるのかい?」

    ニコッ

    勇者「もちろん!!!!」

    イシス勇者「…………勇者君!!!!」

    ワーワー!!



    イシス僧侶「…………ゆ、勇者君ってあんなに熱い人だったんだね」

    商人「あれは違うんです」

    イシス僧侶「え?」

    商人「…………勇くんは…………男友達、あんまり居なかったんですよ」

    イシス僧侶「…………あ、あぁ…………」

    …………
    ……

    808 = 1 :

    ――――――――――――

    -イシス城・入り口-翌日


    勇者「女王様、この度は本当にありがとうございました」

    一同「「「「ありがとうございました!」」」」

    イシス「いえ、こちらこそ色々とご迷惑をかけて」

    勇者「いえいえ、本当にお世話になりました」

    戦士「そうだよ!すごく楽しかったぜ!」

    イシス「…………あ、あの…………また遊びに来ていただけますか?」

    遊び人「もうこっちからお願いしたいくらいですよ!!」

    魔法使い「またぜったいくるね!!!!」

    盗賊「……その時は、お願いします……」

    イシス「…………ふふ!!絶対、来てくださいね!!」

    ザッ

    イシス勇者「…………姉上」

    イシス「…………イシス勇者も…………行ってしまうのですね」

    イシス勇者「はい…………必ず、また帰ってきます」

    イシス「…………」

    ギュッ

    イシス勇者「あ、姉上!皆の前ですよっ」

    イシス「…………お願いです」

    イシス勇者「…………」

    イシス「…………どうか…………無事で…………」

    イシス勇者「……………………はい」

    ギュッ

    イシス勇者「姉上も…………どうか、ご無事で」

    809 = 1 :

    魔法使い「きょうだいあいというやつだよぉ」ウルウル

    僧侶「うぅ……いいお話です」ウルウル

    イシス僧侶「ほんにのぉ」ウルウル

    武道家「…………」

    クイクイッ

    イシス僧侶「へ?」

    武道家「ねぇ…………」

    イシス僧侶「どうしたの武道家ちゃん」

    武道家「…………野暮だけど…………」

    武道家「まさか、あの姉弟って…………恋愛関係なの?」

    イシス僧侶「ほぇ?」

    武道家「…………だ、だって、なんだかあの二人、家族というか、なんというか…………」

    イシス僧侶「…………うーん……」

    イシス僧侶「……鋭いような鋭くないような…………」ボソリ

    武道家「え?」

    イシス僧侶「あぁ、うん、なんでもないよ。あと恋愛感情なんて全然無いよ。あの二人」

    武道家「そ、そうなの?」

    イシス僧侶「そそ。君だって勇者君とは兄弟みたいなもんだからわかるでしょ?恋愛感情なんて……」

    武道家「な、なんで勇者が出てくるのよっ!!!!////」

    イシス僧侶「えっ」

    武道家「…………ゆ、勇者は、その、違う!!のよ!!////」

    イシス僧侶「……………………ほほーう?」ニヨニヨ

    武道家「何よ!!!!」

    勇者「二人とも!何してるの!?」

    イシス勇者「置いていくよ!!」

    武道家「あ、ご、ごめん!すぐ行くわ!////」

    イシス僧侶「はほ~ん?」

    武道家「その顔やめろ!!!!」

    …………
    ……

    810 = 1 :

    ――――――――――――

    -アッサラーム-


    ドサッ

    勇者「ふう…………着いた」

    勇者「やっぱり砂漠は歩きなれないね……」

    戦士「できればもう歩きたくないな……」

    イシス勇者「あはは、やっぱりそういうものかな」

    勇者「そうだよ…………イシス勇者君たちも今日はこの街に泊まるの?」

    イシス勇者「うん。この街を今回の帰省の拠点に決めた時から、宿を今日までとってしまってるからね」

    勇者「じゃあ今日は一緒なんだね!」

    イシス勇者「そうだよ、一緒にいれるんだ!一緒に息抜きでもしようよ!!」



    戦士「…………なぁ」

    商人「…………なんですか」

    戦士「…………今さらだけど、勇者って、ホ」

    商人「…………違う、と、おも、い、ます、がね」

    盗賊「……違うよ!前憲兵に襲われたとき、必死で、抵抗してたし……」

    商人「…………まぁ、そう考えましょう」



    勇者「ようし、そうなったら一緒に特訓しようよ!!!!」

    イシス勇者「えっ」

    勇者「君の剣術と魔法、少しでいいから教えて!!」

    イシス勇者「いや、あの、息抜きってもっと、その」

    勇者「早速街外れに行こう!!!!」

    ガシッ

    ダッ!!

    イシス勇者「え?あ、勇者君!!」

    <ウワァァァァァ

    ズルズル


    …………

    戦士「…………」

    盗賊「…………」

    商人「安心しましょう。二人とも。彼は、ぼっちじゃなくなったのが嬉しいんですよ」

    イシス僧侶「イシス勇者様がナチュラルに拉致られた…………」

    …………
    ……

    811 = 1 :


    ――――――――――――

    -アッサラーム・宿・ロビー- 夜


    スタスタ……

    勇者「いたた……やっぱり強いなぁ」

    イシス勇者「君は弱いなぁ」

    勇者「ぐぬぬぬぬぬ」ギリギリギリギリ

    イシス勇者「あはは、冗談だよ」

    アハハハハ


    魔法使い「…………ぬぐぅ、なんだか……ゆーしゃをとられたきぶんだよぉ」

    僧侶「しょうがないですよ。勇者くん、男の子の友達三人くらいしかいなかったし……」

    イシス僧侶「しかし、本当に仲良くなったねぇ」

    イシス魔法使い「一昨日までが嘘みたいね……。このお茶凄く美味しい」

    盗賊「……今日手に入った、茶葉だよ……」

    遊び人「私達もたいがいだけどね……」

    スタスタ……

    勇者「あれ、皆ここにいたんだ」

    商人「そうですよホモA」

    勇者「えっ」

    魔法使い「わー!!!!ゆ、ゆーしゃ、まだへやで荷解きしてないでしょ?やってきなよ!」

    勇者「え?あ……うん。そだね」

    スタスタ……

    イシス僧侶「イシス勇者様もだいぶ汚れてますね?お風呂入ったらどうですか?」

    イシス勇者「うん、そうしようかな」

    イシス僧侶「お供しますね!」

    スタスタ……

    勇者「イシス勇者君が入ったなら私達もしばらく入れないね」

    武道家「私ちょっと部屋にいるわ」

    盗賊「……おやすみ……」

    武道家「寝ないわよ」

    戦士「私達はどうする?街をぶらぶらしてみるか?」

    イシス魔法使い「あら、トランプがあるけど、やらない?」

    商人「おぉ、いいですね!受けて立ちますよ!」





    店主(ここ数日見ない間になんか異常に仲良くなってる…………)


    …………
    ……

    812 = 1 :

    -宿・勇者の部屋-

    ドサッ

    勇者「ふぅ……」

    勇者「……疲れたな」

    勇者「…………」



    ――――――――――――

    猫?『魔王様に―――――……』

    ――――――――――――


    勇者「…………」

    勇者「…………」

    勇者「…………」

    勇者「…………はぁ」

    勇者(…………風呂にでも行くか)

    スタスタ……

    …………
    ……




    ……
    …………


    スタスタ……

    勇者「あれ、そういえば混浴って言ってたよな」

    勇者「今は誰か入ってるのかな……」

    スタスタ……

    戦士「あれ?勇者」

    勇者「あ、戦士。どうしたの?」

    戦士「んー、なんかトランプ大会始まったからさ。私は苦手だし退散だ」

    勇者「ははは、戦士苦手だもんね」

    戦士「勇者は何してたんだ?」

    813 = 1 :

    勇者「僕は……そうだ、今お風呂誰か入ってる?」

    戦士「あぁ、イシス勇者が入ってるぞ」

    勇者「お、それなら大丈夫かな」

    戦士「なんだー。風呂か」

    戦士(……ん?風呂?)

    戦士(確か…………この前、ここの風呂で、勇者と……)

    戦士「…………」

    戦士「…………////」カァァァァァァ……

    勇者「?どうしたの…………」

    ポカッ!!

    勇者「あいたぁっ!!!!」

    戦士「ゆ、勇者のばかぁっ!!スケベ!!」

    タッタッタッタ……

    勇者「え?なに?なんなの?え?」

    814 = 1 :

    -宿・風呂の前・廊下-


    イシス僧侶「…………ふぁぁ……」

    イシス僧侶「ふぅ……」

    イシス僧侶「…………」

    イシス僧侶「っ」ブルッ

    イシス僧侶(おトイレ…………)

    イシス僧侶「…………」キョロキョロ

    イシス僧侶「…………」

    イシス僧侶(少しくらい離れても、大丈夫だよね)

    スタスタ……


    …………


    スタスタ……

    勇者「あぁ、ここだここだ」

    ガラガラ……

    ピシャンッ

    …………

    スタスタ……

    イシス僧侶「よし、見張り再会だぜぇ」

    815 = 1 :

    ――――――――――――


    ピチョン……

    ザプッ

    イシス勇者「…………ふぅぅ…………」

    イシス勇者「……あぁ…………気持ちいい…………」

    イシス勇者「…………」

    イシス勇者(今日一日、勇者君の動きを見てたけど…………)

    イシス勇者(あれは、なんて言えばいいんだろう)

    イシス勇者(なんらかの……妙な違和感を感じる)

    イシス勇者(なんて言うのか…………)

    イシス勇者「…………」

    イシス勇者「……“まるで最初から強くなる事を許されていない”様な…………」ボソ


    ガラッ!!

    イシス勇者「え」


    ペタペタ


    勇者「イシス勇者君?入ってるの?」


    イシス勇者「え?勇者、くん、え?」

    勇者「あぁ、そこにいたんだ」

    イシス勇者「え、どうし、て?あの、イシス僧侶、は?」

    勇者「え?イシス僧侶さん?彼女は女だから一緒じゃまずいよ?」

    816 = 1 :

    イシス勇者「…………い、いや!なんでも、なんでもないんだ!!」

    勇者「おぉ、気持ちよさそうだね。湯船。前は僕入れなかったからなぁ」

    勇者「何で入れなかったんだっけ?…………まぁいいや」

    スタスタ……

    勇者「よいしょっと、おお。石鹸もなんだか変な色だ……」

    イシス勇者「…………そ、そうか、な」

    勇者「ちょっと待っててね。体洗っちゃうから。そしたらのんびり話でもしようよ」

    イシス勇者「…………」

    イシス勇者「……うん、そう…………だね」


    ザパァン

    勇者「~♪」

    イシス勇者「…………意外と、筋肉、あるんだね」

    勇者「そうかな?」

    イシス勇者「そうだよ」

    勇者「でも弱いからね。イシス勇者君みたいに強ければいいんだけど」

    イシス勇者「…………僕も、力は、そんなに、無いから」

    勇者「ははは、またまた」

    ザパァッ

    勇者「ぷはっ……」

    スクッ

    勇者「よし、お待たせ……………………イシス勇者君?」

    イシス勇者「ん」

    勇者「どうして壁を見てるの?」

    イシス勇者「…………いい壁じゃないか」

    勇者「そうかな」

    817 = 1 :

    ザプッ……

    勇者「ふぅ…………あぁ、気持ちいいね」

    イシス勇者「そうだね」

    勇者「…………まだ壁見てるの?」

    イシス勇者「いい壁じゃないか」

    勇者「…………どれどれ」

    勇者「言われてみれば…………きめ細かい、のかな?」

    イシス勇者「きめ細かいね」

    勇者「そして……うん、なんというか繊細かつ重厚かな」

    イシス勇者「繊細かつ重厚だね」

    勇者「それでいて冷静かつ大胆だ」

    イシス勇者「冷静かつ大胆だね」

    勇者「…………」

    イシス勇者「いい壁だね」

    勇者(どうしたんだろう…………イシス勇者君)

    勇者(…………あ!!!!)

    勇者(そういえば、イシス勇者君は男の人苦手だったんじゃないか!!!!)

    勇者「ご、ごめん!!僕、もうあがるね!!!!」

    ザパッ

    イシス勇者「え!!!?ま、待って!!!!」

    勇者「え!!?」

    イシス勇者「も、もうちょっと、その…………話したい、かな」

    勇者「…………」

    勇者(僕を気遣って…………いい人だなぁ)ジーン

    勇者(ここは、楽しい会話をしてなんとしても男に良い印象を与えないと!)

    818 = 1 :

    ピチョン……

    勇者「しかし、今日も疲れたね」

    イシス勇者「……そうだね」

    勇者「…………」

    イシス勇者「…………」

    勇者「疲れたときには…………あれだね」

    イシス勇者「…………あれ?」

    勇者「あれだよ…………ホラ」

    イシス勇者「…………」

    勇者「……………………寝ると気持ちいいよね」

    イシス勇者「…………?……う、うん」

    勇者「…………」

    イシス勇者「…………」

    勇者「…………」

    勇者(死にたい)

    819 = 1 :

    勇者(なんて話術が下手なんだ僕は!!!!せっかくできた男の友達なのにこれじゃ嫌われちゃう!!僕はどうすれば!!!!)

    イシス勇者「…………勇者君」

    勇者「は、はふぃっ!!?」

    イシス勇者「…………僕ね、見てしまったんだ」

    勇者「え?」

    イシス勇者「…………イシス城の、望庭の広場で…………君が魔物と対峙してる所」

    勇者「…………!」

    イシス勇者「…………僕はね」

    イシス勇者「アイツの声を聞いた時…………怖くて、息もできなかった」

    イシス勇者「…………でも君は、アイツと……あんなのと、睨み合ってた」

    イシス勇者「…………僕はね、君が弱いとは、もう思えないんだ」

    勇者「…………」

    イシス勇者「君の弱さには…………何か理由があるんじゃないかって…………そう思うんだ」

    勇者「…………」

    勇者「はは…………ありがとう。でも僕は全然――――……」

    イシス勇者「でも、それよりも」フイッ

    勇者「え?」

    勇者(あ、やっとこっち見てくれた)

    イシス勇者「…………僕は、君が怖かった」

    勇者「!!!!」

    820 = 1 :

    イシス勇者「…………君が、あの魔物を追い払う時」

    イシス勇者「魔物へ向けた殺意………………尋常じゃなかった」

    勇者「…………」

    イシス勇者「武道家さんとは、比べ物にならないくらい、凄い殺意だった……」

    勇者「…………はは」

    勇者「ご、ごめん……………………気味、悪いよね、あんな、怒って」

    チャプ……

    イシス勇者「勇者君」

    勇者「えっ?…………ふぇ!!?」

    イシス勇者「…………」

    勇者(ち、近い!!なんか凄く近い!!)

    イシス勇者「…………君は、僕の知らない、とても辛い目に遭ってるんだろうね」

    勇者「…………」

    イシス勇者「普段優しい君が…………あんな風になってしまうくらい…………」

    イシス勇者「悲しい目に…………遭ってるんだろう」

    勇者「…………それを言ったら、君だって」

    イシス勇者「うん…………僕も、両親を魔物に奪われた」

    勇者(…………両親?イシス王って魔物に…………?イシス女王様も辛い目に遭いながら頑張ってるんだなぁ)

    イシス勇者「…………だからさ、僕ら……似たもの同士だよね」

    勇者「ははは、そうかもね」

    イシス勇者「…………こんな僕だから…………君を理解できるって部分もあると思うんだ」

    勇者「…………イシス勇者君?」

    821 = 1 :

    イシス勇者「ねぇ、勇者君…………可愛さ余って憎さなんとやらの逆ってわけじゃないけれど」

    イシス勇者「…………思ったより、僕は君に惹かれてるみたいだよ…………」

    勇者「…………」

    勇者「…………え?」

    勇者「…………」

    勇者「…………あ、そう言ってくれるのは、嬉しいかな、うん」

    勇者(あれ?なんか、なんかヤバイ。とにかくなんかヤバイ。何がヤバイってイシス勇者君の目がヤバイ。怖い。身の危険がヤバイ)

    勇者「あ、そ、そろそろ、あがろうかな」

    イシス勇者「勇者君」ズイッ

    勇者「ふえぇ」

    勇者(近ぇ――――――――――!!!!なんだか凄く近ぇぇぇぇぇぇぇ!!!!)

    勇者「あの、イシス勇者、く」

    イシス勇者「……あ、あのさ……////」






    イシス勇者「僕じゃ…………駄目かな…………////」



    勇者「」

    勇者(駄目だ。多分もう駄目だ。何が駄目って色々と駄目だこりゃ)

    勇者(力でイシス勇者君に勝てるわけないし、そもそも友達に暴力ふるえるわけないし)

    勇者(それに元々女顔のイシス勇者君がなんだか凄く美人に見えてきたりしてもうなんていうか、駄目だこりゃ。だっふんだ)

    ズイッ

    イシス勇者「僕ならさ、君を……理解できるし」

    イシス勇者「君と…………君と共に、戦っていけると思う」

    イシス勇者「…………君、さっき言ったよね?……僕を“守ってやる”って……」

    イシス勇者「そして、言葉通りに、守ってくれたよね?僕を。あんな酷いことしてた僕を……」

    勇者「はい、そうですけど、ね?あの、ねそれは」

    イシス勇者「…………嬉しかった…………////」

    勇者「にゃーん?」

    勇者(何を言ってももう駄目な気がしますさようならたすけて)

    イシス勇者「…………僕、あんな事初めてだったんだ……」

    イシス勇者「オルテガ様に守られて以来…………僕、強くなる事に精一杯で…………」

    イシス勇者「誰かから…………守られるなんて考えたことも無かったし、あの三人にも迷惑がかからないように、守られないように、一人で頑張ってきた……」

    イシス勇者「…………でも…………」

    イシス勇者「でも…………あんな事言われて、そして、守られて…………嬉しくて…………」

    イシス勇者「…………生まれて初めて実感できたんだ」

    イシス勇者「…………女、なんだなぁって」

    勇者「あのですからねそれはなんというかその、あれはえっと」

    勇者「…………………………………………え?」

    ザパァッ

    822 = 1 :


    勇者「」

    イシス勇者「……だ、誰かに見せるなんて……初めてなんだ…………////」

    勇者「…………?」

    イシス勇者「……でも………………は、恥ずか、しいけど」

    イシス勇者「き、君なら、いいよ…………////」

    勇者「?」

    勇者「??」

    イシス勇者「ど、どうしたんだい……?」

    勇者「へ?」

    勇者「え?忘れ物は何ですか?」

    イシス勇者「…………まだ、分からないのかい?」

    イシス勇者「…………手、貸して」

    勇者「え?え?」

    スッ

    ムニュ

    勇者「…………」

    イシス勇者「…………////」

    勇者「……………………君」

    イシス勇者「……………………女、だよ////」

    823 = 1 :


    勇者「うええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!?!!!!!?」

    ザパァッ!!

    イシス勇者「あっ、待ってくれ!!」

    ダキッ

    勇者「ふはんっ」

    勇者「じゃない、は、離して!!!!だ、駄目だよこんなの!!!!////」

    ギュウゥ

    イシス勇者「…………も、もう逃がさないからね……///」

    勇者「ふえぇ」

    勇者「じゃ、ない!!駄目だって!!!!落ち着いて!!!!落ち着いて!!!!ね!!!?////」

    イシス勇者「駄目だ!もう決めたんだ!!武道家さん達は諦めるけど、君は何が何でも手に入れる!!!!」ギュウゥゥゥ!!

    勇者「だ、駄目だって!!!!ほんっっっと―――――に!!!!勘弁!!!!これ以上ここにいたらどうにかなるってばぁ!!!!!」

    イシス勇者「…………」

    勇者「わ、分かってくれた!?」

    イシス勇者「…………ど、どうにかなるのは…………いいけど……優しく……してもらえるかい?////」

    勇者「な――――――――――ん――――――――――で―――――!!!!!??この子なんにもわかってなぁい!!!!!!」

    イシス勇者「ねぇ、いいじゃないか!婚約者なんだし!!」

    勇者「そんな事実無いよぉ!!!!君の強制的な妄想だよ!!!!やめてぇぇぇ!!!!女の子がそんな簡単にはしたないことしたら駄目だってぇぇぇぇぇ!!!!!!」

    イシス勇者「女の子って言ってくれるんだ……♪////勇者君、僕を君の物にして!!!!2人で将来強い勇者を生もうよ!!!!////」

    勇者「何!!!!?なんなのこの超展開!!!!た、たすけてええええええええええええええええ!!!!!!」

    イシス勇者「君は僕が手に入れるんだ!!!!!////」ハァハァ

    勇者「目が血走ってる!!!!この子目が血走ってるよぉぉ!!!!!誰か!!!!!誰かぁぁぁぁぁ!!!!!」

    イシス勇者「大人しくするんだ!!!!叫んでも誰も来ないさ!!!!////」

    勇者「乙女のセリフじゃなぁあぁぁぁぁぁぁぁぁい!!!!!!」

    勇者「い、いやあああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!」

    824 = 1 :


    ガラァッ!!!!

    武道家「覇ッッッッッ!!!!!!!」

    イシス勇者「うわぁっ!!!!」ヒョイッ

    ドギャァァッ!!!!

    勇者「フガジッ」滅ッ

    825 = 1 :

    ――――――――――――

    ボロ……

    店主「ひぐっ…………いい壁だったのに……あんまりだぁっ…………!!!!」ポロポロ……


    …………
    ……







    -イシス勇者の部屋-

    武道家「…………怪しいとは思ってたのよね…………」

    武道家「愛人とか、イシス女王様との事とか……イシス王の子供なら、完璧な金髪碧眼白肌ってのもおかしいし……」

    武道家「極めつけは、男のはずのイシス勇者の風呂に『お供します』って着いていくイシス僧侶」

    イシス勇者「…………」←正座

    イシス僧侶「…………」←正座

    武道家「…………まさか女だったなんてね」

    武道家「風呂場の前でイシス僧侶に色々話聞いてて、勇者の叫び声がするから何かと思えば」

    武道家「…………よもや、勇者が乱暴されかけてたなんて、笑っちゃうわ」

    イシス勇者「ご、ごめんなさい…………途中で自分でもわけがわからなくなって…………///」カァァァl

    イシス勇者「…………でもあの…………」

    武道家「何」

    イシス勇者「勇者君にある意味乱暴したのは、武道家さんじゃ」

    武道家「うるさい。アンタに当てるつもりだったのよ」

    イシス勇者「はい…………」

    イシス勇者(怖い……)


    勇者「」←ベッドの上でぐったり

    武道家(勇者本当にごめん)

    826 = 1 :

    武道家「愛人って設定作って女しか接する事ができないようにしてたり、今になってみれば成る程って感じね」

    武道家「男性禁制のイシス城の三階に普通に居た時点で気付くべきだったのかしら」

    イシス僧侶「どう?まんまとだまされたっしょ!!」

    武道家「うるっさい」

    イシス僧侶「は、はい」

    イシス僧侶(怖ぇ……)

    武道家「…………でも、わかんないのよね」

    イシス勇者「な、何が…………ですか?」

    武道家「なんでそうまでして性別を偽ってたの?」

    イシス勇者「…………」

    イシス僧侶「そ、それはその…………」

    武道家「アンタは黙ってて。私はイシス勇者に聞いてるの」

    イシス僧侶「はひ…………」

    イシス勇者「…………」

    武道家「…………」

    イシス勇者「…………ごめんなさい。言えません」

    武道家「!」

    イシス勇者「…………今ここで全てを話してしまえば」

    イシス勇者「今まで僕を匿ってくれた人達を……裏切ってしまう事になってしまいます……」

    武道家「…………へぇ」

    イシス僧侶「あ、あの!!武道家ちゃん!!むかつくんなら私がサンドバッグになるからだから……!!」

    武道家「了解。私も誰にも言わないわ。勿論他の皆にも。それでオッケー?」

    イシス僧侶「ひいぃお手柔らかに…………へ?」

    イシス勇者「…………え…………」

    827 = 1 :

    武道家「何よ。別に誰にばらしたりするもんでもないでしょ」

    武道家「悪い事企んでるわけでもなさそうだし。この話は終了ね」

    イシス勇者「…………」ポカーン

    武道家「…………何よ。不服?」

    イシス勇者「い、いえっ!!!!」

    イシス勇者「ただ、凄く怒ってらっしゃったので……それでいいのかなt」

    武道家「私が怒ってたのはね?」ゴゴゴゴゴゴ

    イシス勇者「ひぃっ!!!!?」ビクーン!!

    イシス僧侶「ふおぉ!!!!?」ビクーン!!

    武道家「アンタが、あれ程言ったのに私の時と同じように強制的に勇者を仲間に引き入れようとしてたところよ…………既成事実作って」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

    武道家「…………色仕掛け…………で…………!!!!!」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

    イシス勇者「」ガタガタガタガタ

    武道家「それに勇者がやめてって言ってるのに無理やりさぁ…………!?」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

    イシス僧侶「ぶ、武道家ちゃん!!!!ごめんなさい!!!!イシス勇者様にはちゃんと私が言い聞かせておきますうううう!!!!」ヒイィイィィ!!

    武道家「アンタは黙ってなさい…………!!!!!」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

    イシス僧侶「ふえぇ」

    イシス僧侶(恋する乙女怖ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!)

    武道家「私は別にそういう感情は持つなとは言わないけど勇者は旅の途中でましてや未成年なんだからそんな恋愛や婚前交渉なんて」

    ガミガミガミガミ……





    そして、夜があけた!

    …………
    ……

    828 = 1 :

    ――――――――――――

    -アッサラーム・入り口- 早朝


    戦士「んー!!昨日は早く寝て今日はすっきり起きられたから気持ちいい!!」

    勇者「あはは、珍しいね」

    戦士「なー!たまにはいいもんだ!」

    僧侶「そういえば勇者くんもなんだか早起きでしたけど」

    勇者「うん…………それが僕昨日いつ寝たのか覚えてないんだ」

    イシス勇者「き、昨日は僕が風呂からあがるときに脱衣所で寝てたから、君の部屋に運んでおいたんだよ!」

    勇者「えっ!!?ほんと!?ごめんね、イシス勇者君!!」

    イシス勇者「いや、全然!!こっちこそごめんなさい!!」

    勇者「えっ?」

    武道家「……」ドスッッ

    イシス勇者「おぐふぅなんでもないです!!」

    勇者「そ、そう?ありがとうね。ところで目の下クマ凄いね」

    イシス勇者「平気です!!おぐふぅいや平気だよ!!」

    戦士「お前ら仲良くなったなぁ」

    遊び人「ふふ、勇者ちゃんもこころなしか嬉しそうだね」

    魔法使い「おとこともだちがふえたからねぇ」


    武道家(男友達じゃなくて)

    イシス僧侶(女友達だけどな!!!!)←クマ凄い

    829 = 1 :

    ザッ

    勇者「それじゃ…………ここでお別れだね」

    イシス勇者「…………うん。君たちは何処へ?」

    勇者「僕達はポルトガに行くんだ。船が欲しくてさ」

    イシス勇者「そうか。僕達はアリアハンの方に行ってみるよ。君たちが開いてくれた旅の扉でね」

    戦士「アリアハン行くのか?なにもないぞ?」

    勇者「そうだね。君たちの得になるものは無いとおもうけど」

    イシス勇者「あはは、いや、ちょっとね」

    イシス勇者「…………探してる人がいるんだ」

    遊び人「その人、見つかるといいね!」

    勇者「君達ならきっと見つかるよ」

    イシス勇者「うん!君達も、船が手に入るといいね!」

    勇者「うん!」

    ザッ

    勇者「それじゃ…………またね!」

    イシス勇者「…………」

    勇者「…………イシス勇者君?」

    イシス勇者「…………ううん」

    イシス勇者「…………またね。勇者君…………絶対、また会おうね」ニコッ

    勇者「あぁ!!絶対に!!」

    イシス勇者「…………うんっ///」

    商人(ホモい……!!)ゾォッ

    イシス僧侶「皆!!楽しかったよ!!」

    イシス魔法使い「次会うなら、平和な世界でゆっくり会いたいわね」

    イシス戦士「世話になったな。世話もしたが」

    イシス僧侶「一言多いっ!!」

    ベシッ

    イシス戦士「なふっ」

    イシス勇者「ご迷惑をおかけしました!!また会いましょう!!皆さん!」

    イシス勇者「そして、また会おうね!勇者君!!」

    勇者「うん!!またねー!!」

    …………
    ……

    830 = 1 :

    ………………………………

    スタスタ……

    イシス僧侶「いい人達だったなぁ……」

    イシス魔法使い「皆面白い子ばかりだったわね」

    イシス戦士「……まぁ、な」

    イシス勇者「…………また、会いたいな」

    イシス勇者(…………でもまぁ…………全てが終われば……)

    イシス勇者(婚約者だし………………嫌でも会えるんだ)

    イシス勇者(…………ふふ。この前までは……あんなに嫌だったのになぁ)




    ザッ


    イシス勇者「それじゃ、皆」

    イシス勇者「これからの目的地はアリアハンだ!!」

    イシス勇者「アリアハンを拠点に、聞き込みをしたいと思う!!」

    イシス勇者「三人とも、着いてきてくれ!!」

    三人「「「はいっ!!!!」」」


    イシス勇者「…………今度こそ、捉われている父さんを……」


    ギュッ






    イシス勇者「勇者サイモンを…………探し出すんだ」





    …………

    831 = 1 :

    …………

    勇者「…………見えなくなったね」

    魔法使い「ふふ、たのしいひとたちだったね!!」

    勇者「そうだね。ピラミッドで収穫もあったし」

    盗賊「……良い観光も、できたし……」

    僧侶「目的地も決まってますし」

    商人「面白いものも色々見れましたし」

    遊び人「皆元気だし!」

    戦士「よっしゃ!!次の街に!!」

    一同「「「「しゅっぱつだ―――――!!」」」」

    勇者「あぁ、なんかこれ、戦士にセリフとられた感がなんか凄いね」

    832 = 1 :

    スタスタ……

    魔法使い「ポルトガってどんなとこかなぁ?」

    商人「貿易の街です!!貿易貿易!!」キラキラ

    勇者「趣味丸出しだね…………」

    戦士「美味いもんあるかな?」

    盗賊「……貿易と言えば、海だね……」

    遊び人「海辺の街かぁ。なんだか綺麗そうだね」

    僧侶「きっと綺麗な所ですよ!」

    ワイワイ

    勇者「…………」

    武道家「…………」

    スタスタ……

    武道家「勇ー者」

    勇者「?武道家」

    武道家「なーにニヤニヤしてんのよ」

    勇者「え?ニヤニヤしてた!?」

    武道家「してたしてた。皆を見ながら。あーやらしい」

    勇者「いや、違うんだよ?なんていうか、変な事考えてたわけじゃ……」アタフタ

    武道家「…………ふふっ」

    833 = 1 :

    勇者「?どうしたの?」

    武道家「…………ううん!」


    武道家(…………そうだよね)

    武道家(勇者は…………勇者だもん)

    武道家(昔から……………………変わらずに)

    武道家(皆を、見てくれてる、優しい勇者だもんね)


    勇者「?な、何?まだにやけてる?僕?それとも何かついてる?」アセアセ

    武道家「…………ここ」

    スッ

    勇者「え?」

    武道家「…………動かないでね」

    勇者「ぶ、武道家?」

    武道家「…………」

    スッ……

    勇者「か、顔が、近…………!!!!」

    武道家「…………」

    勇者「…………っ!!!」ギュゥゥ




    ぎゅむっ

    勇者「ふぇ?」

    834 = 1 :

    武道家「ふふふ…………間抜け顔~♪」

    勇者「ひょ……ひょっと武道家…………はな、ふままなひでよ」

    武道家「あははは!!」

    パッ

    勇者「いてて。全く…………武道家は」

    武道家「ふふふ!騙されるアンタもアンタですー」

    勇者「…………」

    勇者「…………ははっ」ニコッ

    武道家「…………なーに笑ってんのよ」

    勇者「それを言ったら武道家もだろ?」

    武道家「…………おあいこ?」

    勇者「…………おあいこ」

    武道家「…………ふふ」

    スタスタ……

    武道家「…………」

    勇者「…………」

    武道家(…………あ)

    ―――――――――勇者は


    勇者「…………」

    武道家(……気付けば、背も凄く伸びてる)


    ―――――――――私の知らないうちに強くなっていく

    835 = 1 :

    勇者「…………ん?武道家?」

    武道家「…………」


    ―――――――――勇者の顔が


    勇者「どうかした?」

    武道家「…………」


    ―――――――――私の知らない顔になっていく


    武道家「…………ゆーうしゃっ」

    勇者「……どうしたの?」


    ―――――――――私は、そんな


    武道家(…………結局)

    武道家(変わったのは…………)


    ―――――――――そんな変わらない勇者が




    ニコッ!!





    武道家「なんでもないっ」











    ―――――大好きなのだ!

    836 = 1 :

    第四章 -完-

    837 = 1 :

    今日はおしまいです

    申し訳ありませんとしか言いようがありません。
    もし、まだお付き合い頂ける方がいらっしゃれば、よろしくお願いします。
    本当にすみません。

    838 = 698 :

    乙。待ってるぜよ

    839 :

    おつぅぅぅぅぅ

    842 :


    待ってた
    相変わらずのハイクオリティだ

    843 :

    気ままにやればいいさー

    844 :

    大義である

    845 :

    おつwwwwwwやっぱりイシス勇者は女だったかwwwwww

    846 = 1 :

    女でした。すみません
    あとこのスレでは番外を少しやって次スレに行きたいと思います

    847 :

    おつ 文量すげえ
    武道家編は前の二人に比べて長かったな
    それだけより愛されているのか

    848 :



    待っていた

    849 :

    あえて言おう!乙であると!

    850 :


    やっぱ女だったか
    伏線はいくつかあったからな~、予想が嫌いみたいだから言わなかったけど
    まぁ、続けてくれるようでなによりだ


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