元スレ勇者「ハーレム言うなよ!絶対言うなよ!」武道家「4よっ!」
SS+覧 / PC版 /みんなの評価 : ☆
1 :
このSSはドラクエ3をベースにした半分オリジナルのSSです。
独自解釈だらけです。更新が恐ろしく遅いです。
SSWiki :http://ss.vip2ch.com/jmp/1391439700
2 = 1 :
●主要キャラ紹介
・勇者
主人公。
・女勇者
主人公の義妹。勇者。オルテガの娘。
・戦士
主人公の幼馴染。戦士職。男勝り。
・武道家
主人公の幼馴染。武道家職。勝ち気。
・魔法使い
主人公の幼馴染。魔法使い職。いつもふわふわ。
3 = 1 :
・僧侶
主人公の幼馴染。僧侶職。ハーフエルフ。
・商人
主人公の幼馴染。商人職。倹約家。
・盗賊
主人公の幼馴染。盗賊職。カンダタの娘。
・遊び人
主人公の幼馴染。遊び人職。真面目。
4 = 1 :
~あらすじ~
勇者は豚箱行きになりました
5 = 1 :
-幕間-
【Wish You Were Here】
6 = 1 :
――――――――――――
――――――――――――
…………
『……思い出しては駄目よ』
『思い出しても、何にもならないわ』
『無駄よ、そんな行為』
『報われるだなんて、そんなの誰が決めたのかしらね』
『忘れられて報われる事もあるんじゃないかしら』
『……』
『……無駄でしょうね』
『きっと、こうやって言っても……どんな事を言っても貴方はきっと聞かないわ』
『ずっと、そうだったもの』
『…………』
『……』
『不機嫌、なのかしらね』
『自分でも分からないわ』
『昔から、貴方を見ているとこういう気持ちになる事があったの』
『……貴方は、正しいつもりでも』
『周りの人間の尺度では、それは正しくない事にもなり得る』
『…………』
『……』
『貴方は、馬鹿よ』
7 = 1 :
『……でも、全てが愛おしく感じるわ』
『…………』
『ほら』
『夜が来る』
『あなたの知っている夜ではないわ』
『感覚に黒い帳が降りていくの』
『……』
『慣れないわ、これ、ばっかりは』
『…………』
『……さよなら』
『さよなら』
『さよなら』
『さよなら』
『さよなら』
『さよなら』
『……あと何回言えばいいのかしら』
『あと何回言えば、終わるのかしら』
『あと何回言えば……貴方は』
『私を、忘れてくれるのかしら』
『……』
『黒い帳が降りてくる』
『貴方の頭上にも、私にも』
『……振り返っては駄目よ』
『“それ”は、足元に、背後に、多分』
『手探りで……貴方を』
『……気をつけて』
『気をつけて、愛しい貴方』
『気をつけて』
『気をつけて』
…………
……
…
・
8 = 1 :
―ポルトガ城―
「……」スタスタ
ガチャッ
―謁見の間―
スタスタ
「失礼します。やはりもう起きておられましたか」
大臣「……!」
ポルトガ王「……どうなされましたかな」
「いえ、伝達などが完了致しましたので、その報告をと」
ポルトガ王「……そうですかな」
大臣「……」
「ああ、少々兵をお借りしてよろしいでしょうか?」
大臣「構いませんが……どうかなされましたか?」
「いえ、地下にもう一度案内していただこうと思いましてね」
ポルトガ王「!」
大臣「し、しかし」
「おや、この件では全て私に任を委ねていただけるのですよね?」
大臣「……っ、申し訳ございません」
ポルトガ王「……おい」
ポルトガ兵「「はいっ!」」
ポルトガ王「この方をご案内して差し上げろ」
ポルトガ兵「……かしこまりました」
ポルトガ兵2「こちらです」
「感謝いたします。それでは」ニコッ
スタスタ
……
ポルトガ王「……」
大臣「…………王……」
9 = 1 :
―地下―
ガシャッガシャッ
ポルトガ兵「こちらです」
ポルトガ兵2「暗いので足元にお気をつけ下さい」
「それで、どうです?」
ポルトガ兵「依然として全く口を割りません」
ポルトガ兵2「もう丸一日もあのような状態です」
「そうですか」
ポルトガ兵「こちらの牢です」
「……ありがとうございます」
スタスタ
―ポルトガ・地下牢―
ガシャアアン
「……」
スタスタ
「…………」
「こんにちは、ご機嫌いかがですか?」
勇者「……」
騎士団長「……――勇者君」
10 = 1 :
第六章
11 = 1 :
勇者「……ぐ……っ」
騎士団長「……おや?」
勇者「ぎ……」
騎士団長「おやおや、挨拶が聞こえませんね」
クルッ
騎士団長「ねえ?そこの貴方」
ポルトガ兵「え?は、はいっ」
騎士団長「ですよねぇ……寝てるんでしょうか」
騎士団長「じゃあ貴方、起こしてあげてくださいよ」
ポルトガ兵「え?でも、彼は今、起きて――……」
騎士団長「起こしてあげてください」
ポルトガ兵「……」
騎士団長「そうですね……お」
ヒョイ
騎士団長「これは丁度いい」ブンッブンッ
ポルトガ兵「それは……囚人が悪さをした時に使う鉄の棒で」
スッ
騎士団長「……これで、起こしてあげてください」
ポルトガ兵「……っ」
騎士団長「どうしました?早くこれで」
ポルトガ兵「しかしっ!!彼はもう十分怪我を――……」
騎士団長「やりなさい」
ポルトガ兵「……!!」
12 = 1 :
ポルトガ兵「……」
ポルトガ兵「……」
スッ
ポルトガ兵2「お、おいっ……!」
ポルトガ兵「……」ギュッ
スタスタ……
勇者「……ぐっ……」
スタスタ…ザッ
勇者「…………?」
ポルトガ兵「……」
勇者「……な……」
ポルトガ兵「……っ!!!!」
ブンッ!!
ドボォッ!!!!
勇者「……~~~~~~~っ!!!?」
ポルトガ兵「はぁ……はぁ……!」
勇者「おっ、ごぉ……!!!!!!あ"、ぐ」
騎士団長「どうしたんです?続けなさい」
ポルトガ兵2「!?」
ポルトガ兵「し、しかし騎士団長!!彼はもう目覚めています!!!私には――……」
騎士団長「やりなさい」
ポルトガ兵「でも、でも」
騎士団長「今まで築き上げてきた地位が惜しいのなら、続けなさい」
ポルトガ兵「……」
13 = 1 :
騎士団長「貴方の目の前に居るのは魔物ですよ?」
騎士団長「魔物に慈悲なんていりませんよ……さあ」
ポルトガ兵「……」
クルッ
ブンッ!!!
ドカァッ!!!
勇者「ぎっ!!?」
ポルトガ兵「っ!!っ!!」ドカッ!!ドカッ!!
騎士団長「はは、その調子です」
ポルトガ兵「く、そっ……!!」ドカッ!!ドカッ!!
勇者「あ、があぁぁぁぁっ……!!!!」
騎士団長「素晴らしい、これで彼も自分の正体を明かす気にもなるでしょう」
「とんだ悪趣味ですこと」
ポルトガ兵「!?」ピタッ
ポルトガ兵2「!」
騎士団長「……ああ、これはこれは」
スタスタ……
ランシール勇者「あまり感心できない尋問ですわね?」
ポルトガ勇者「うわぁ、えっげつねぇのなー」
エジンベア勇者「しかし血生臭いねぇ……僕ここ嫌いだなァ」
イシス勇者「……」
騎士団長「勇者の皆さん、おはようございます」
14 = 1 :
ポルトガ勇者「おい、お前らもう上戻ってろ」
ポルトガ兵「お、王子!」
ポルトガ兵2「ありがとうございます!」
ポルトガ勇者「王子って呼ぶなって……じゃあな」
タッタッタ
ポルトガ勇者「……ったく、うちのモン使って拷問させてんじゃねーよ」
騎士団長「拷問のつもりでは無かったのですがね」
ポルトガ勇者「けっ、よく言うぜ」
ランシール勇者「それで、どうですの?彼」
騎士団長「ああ、ずっとだんまりですよ」
勇者「……」
ランシール勇者「あらら、一晩たっただけで随分な有様ですわね」
エジンベア勇者「ははは、ボロ雑巾みたいになってるけど生きてるのかい?」
ポルトガ勇者「ん?ってうええ、マジかよ。あいつ手の爪剥がされてやがる」
ランシール勇者「……本当にいい趣味してますわね」
騎士団長「ああ、あれですか。あれをやった時は流石に自供するかと思ったんですがね」
騎士団長「……おや?剥がし残しがありますね」
スタスタ
ランシール勇者「……?ちょっと騎士団長」
エジンベア勇者「えぇ!?ここでやるのかい?ちょっと待ってくれないかぁい?朝食前なんだよ?」
15 = 1 :
スタスタ
グイッ
勇者「っ……!!」
騎士団長「あと一枚だけですから……まぁ」
ベリッ…
勇者「ッッッ……!!!!」
騎士団長「見ていてくださ」
ガシッ
騎士団長「……何です?」
勇者「……っ……?」
ポルトガ勇者「もうやめろよ」ググ
騎士団長「……」
パッ
騎士団長「……何故です?」
ポルトガ勇者「何故です?じゃねえよ、単純に気分悪いんだよそういう拷問は」
騎士団長「この件での責任者は私となっておりますが」
ポルトガ勇者「いやわかってるけどなんか胸糞わりいんだって!やめてくんね!?」
騎士団長「しかし、未だ彼はあの件について有力な――……」
ポルトガ勇者「後で俺がやっとくから!俺が死なない程度にやっておくって!」
<ワーワー
ランシール勇者「まーた始まりましたわね」
エジンベア勇者「あの二人、本当に相容れないよねえ」
ポルトガ勇者「コイツが魔物だっつってもよぉ、ここまで何も吐かなかったんだろ?」
ポルトガ勇者「だったらこの方法続けても何にもならねぇって!」
騎士団長「……まあ、いいでしょう」
16 = 1 :
クルッ
騎士団長「さて……ん?」
イシス勇者「……」
騎士団長「イシス勇者さん……どうかされました?」
イシス勇者「いえ、何も」
騎士団長「……ああ、そういえば貴方、彼と少し前に知り合っていたのでしたか」
イシス勇者「……」
騎士団長「なんです?彼に同情でもしているのですか?」
イシス勇者「……違いますよ」
クルッ
スタスタ
イシス勇者「ボクは……魔物がこの世で一番憎いんです」
イシス勇者「…………それには、例外などありません」
エジンベア勇者「おい、どこ行くんだい?」
イシス勇者「気分が悪い……先に戻ります」
スタスタ……
騎士団長「……ふふ、勇者の皆さんも気難しい方が多い」
ポルトガ勇者「お前が言うなっての!」
ランシール勇者「ポルトガ勇者、今はこの方が上官ですのよ?」
騎士団長「いいんですよ……おや?スー勇者さんとムオル勇者さんは?」
17 = 1 :
ランシール勇者「スー勇者はまだおねむですわ」
ポルトガ勇者「こんな早朝に起きるなんて、あのチビには無理だろ。仕方ねえよ」
エジンベア勇者「起きていたとしてもこんな血生臭い所には連れて来れないねぇ」ファサッ
騎士団長「ではムオル勇者さんは……」
ランシール勇者「……あの娘の監視をしています」
ポルトガ勇者「あいつは手が付けられねぇと思ったけど……ムオル勇者なら安心だな」
エジンベア勇者「あんなに麗しい女性なのに……棘は研ぎ澄まされていた……しかしそれもまたいい……」
騎士団長「……そうですか」
騎士団長「それでは私達も向かいましょうか」
ランシール勇者「ええ、そのために騎士団長を呼びに来たのです」
ポルトガ勇者「さっさと行っちまおうぜ」
エジンベア勇者「地下の陰気臭さに当てられてまだ当分朝食は食べられそうにないよ……」
スタスタ
ガシャァン
ガチャガチャッ
騎士団長「これでよし、と」
騎士団長「……それでは勇者君」
勇者「…………ぐ……っ……」
騎士団長「また来ますよ……そこで待っていてくださいね」
スタスタ…
騎士団長「…………――懺悔も命乞いも、そこからは届きませんけれど」
18 = 1 :
今日はここまでです
21 :
久しぶりなのにあらすじが大雑把過ぎる。全部見直しちゃったじゃない
23 = 1 :
―ポルトガ城・客室―
ガチャッ
メイド「失礼致します」
カラカラ
コトッ コトッ
メイド「こちら、ご自由に召し上がって下さい」
魔法使い「……ありがとうございます」
武道家「……」
商人「……」
僧侶「……」
戦士「……」
盗賊「……」
メイド「……それでは、失礼します。何かありましたら申し付けて下さい」
武道家「ええ、ありがとうございます」
メイド「では」ペコリ
スタスタ
ガチャッ バタン
24 = 1 :
メイド「……」
スタスタ
メイド「はぁ……」
メイド2「あ、届け終わった?」
メイド「ええ、でも全然。食べる雰囲気じゃなかったわ」
メイド2「大丈夫かしら、昨日からずっとあの調子よね」
メイド「そうね……いつまであんな部屋に閉じ込めておくつもりかしら、王様」
メイド2「仕方ないわよ、王様の意思ではないらしいから」
…………
武道家「……」
商人「……」
戦士「……」
魔法使い「……」
盗賊「……」
僧侶「……」
「……食べないのか?」
戦士「……うるせえ」
武道家「食べられるわけないでしょ……こんな状況で」
「そうか……」
商人「ま、貴方みたいな監視が居なければまだちょっとは違うんですがね」
ムオル勇者「……」
25 = 1 :
ムオル勇者「すまないが席を外す事はできん、お前らが何を起こすか分からないからな」
戦士「わかってるつうの……」
武道家「……仮に」
ムオル勇者「何だ」
武道家「仮に、事を起こしたら……どういう手筈になってるの?」
ムオル勇者「……」
商人「どうするんですか?殺します?」
ムオル勇者「……いや、お前達は手厚く扱うように騎士団長は言った」
魔法使い「……」
僧侶「……」
盗賊「……」
ムオル勇者「ただ、お前達は強い」
チャカッ
ムオル勇者「だから、俺は力尽くで対応しなければならなくなる」
商人「怖いですねえ」
戦士「……でも、こっちは6人も居るんだぜ?お前に」
ムオル勇者「勝てる」
戦士「!」
ムオル勇者「まあ、多少時間は食うだろうが……」
ムオル勇者「それだけだ、容易い」
魔法使い「……」
ムオル勇者「……それに、あまりそういった事は考えないことだ」
ムオル勇者「騎士団長はお前らが事を起こした際に備えて俺に他の命令も与えている」
僧侶「他の……命令?」
ムオル勇者「お前達が、もし脱走を試みようなら……地下の兵に伝達」
ムオル勇者「…………その場合、兵が奴の首を刎ねる」
一同「「「!!!!」」」
26 = 1 :
戦士「お前ッ!!!!!」ガタァン!!!
ガシッ!!
魔法使い「戦士っ!!だめぇっ!!」ギュッ
戦士「離せ魔法使い!!こいつら、こいつら!!!!」ギリッ!!
商人「ちったぁ考えなさい、この脳筋」
武道家「今ここでアンタがこいつに歯向かえば、そうなるって話なのよ」
戦士「……っ!!」
僧侶「……落ち着いて?戦士ちゃん……ね?」
戦士「……」
スタスタ
ドカッ
戦士「……くそっ……!!」
ムオル勇者「……大人しくしている事だ」
武道家「うるさい」
ムオル勇者「……」
武道家「私達だって戦士と同じくらいむかついてんのよ」
武道家「お願いだから、黙ってて」
ムオル勇者「……む」
ガタッ
盗賊「……?……」
ムオル勇者「では、俺はドアの外で監視しておく」
ムオル勇者「変な気は起こすな」
魔法使い「わかってるってば……」
ムオル勇者「窓の下にも監視は居る。逃げ場など無い」
盗賊「……厳重、なんですね……」
ムオル勇者「……それと」
武道家「何よ、まだ何かあるの?」
ムオル勇者「お前達は何か勘違いしているようだが」
ムオル勇者「実質、こちら側が掌握しているのは、勇者だけではない」
一同「「「……!!」」」
ムオル勇者「…………覚えておけ」
キィィ…
バタン
27 = 1 :
―地下牢―
ピチョン…
勇者「……」
勇者「…………ぐ」
勇者「……ん……?」
勇者(……ここ、は……)
ズキィッ!!
勇者「ぐぁぅ……!!」
勇者(痛っ……!!そうだ、そうだった……)
勇者(僕は、捕まって、そして……)
勇者「……」
勇者(皆は……皆は、どこだ)
ズリッ……ズリッ……
勇者「ふっ……ふっ……!!」ズリッ ズリッ
勇者「……!」
ポルトガ兵「……」
勇者(見張り……)
勇者「あのっ……」
ポルトガ兵「……」
勇者「すみません……聞いても、いいですか」
ポルトガ兵「……」
勇者「皆は……僕の仲間達は、どこに」
28 = 1 :
ポルトガ兵「……」
勇者「……あの」
ポルトガ兵「……」
勇者「すみませんっ、皆はっ」
ポルトガ兵「……」
勇者「……」
勇者「……すみません」
勇者「皆は……無事ですか」
勇者「それだけ……教えてください」
勇者「皆は、皆は無事ですか……?」
ポルトガ兵「……っ」
スタ
勇者「あっ」
ポルトガ兵「っ……」スタスタ
スタスタ…
勇者「…………」
勇者(行っちゃった……)
勇者「……っ」スゥゥ
勇者「おいっ……みんなっ、いるか……!?」
シーン……
勇者「……」
勇者(よかった……地下牢には、いないみたいだ)
ジャリッ…
勇者(……手錠と、足枷か……)
勇者(手の爪も剥がされてるし……多分、骨も何本か折れてる)
勇者(……)
勇者(今は……待つしかないか)
…………
……
…
・
29 = 1 :
―上階―
見張り兵「ふぁぁ……」
スタスタ
見張り兵「お?」
ポルトガ兵「……お疲れ」スタスタ
見張り兵「おお、どうしたんだ?まだ交代の時間じゃ」
ポルトガ兵「いや、ちょっと、水を飲みにな」
見張り兵「それにしちゃなんか浮かない顔してんな」
ポルトガ兵「……ああ」
「どうかしたのかよ?」
ポルトガ兵「!」
見張り兵「王子!」
ポルトガ勇者「よう、お疲れ」スタスタ
見張り兵「いえね、こいつがなんか浮かない顔してて」
ポルトガ勇者「お?どうかしたのか?」
ポルトガ兵「……」
ポルトガ勇者「……?おい」
ポルトガ兵「……王子、私は……あの少年が魔物には見えません」
ポルトガ勇者・見張り兵「「!」」
ポルトガ兵「何かの間違いではないのでしょうか……」
見張り兵「お前何言ってんだ!!そんなの騎士団長様や勇者様方に聞かれたら」
ポルトガ勇者「うん、俺もそう思う」
見張り兵「ってえぇぇぇ!!?王子、国連の勇者である王子がそんな事言って大丈夫なんですか!?」
ポルトガ勇者「だって本当にそう思うんだもん。お前もアイツが魔物に見えるか?」
見張り兵「う……それは……その」
30 = 1 :
ポルトガ兵「私には、もう、彼の姿が痛々しくてっ……!」
見張り兵「で、でもあいつ、本当にルビス様のご加護なかっただろ!」
見張り兵「拷問で剥がされた爪……試しに城の僧侶様に回復呪文かけてもらったけど何にもならなかったじゃんか!!」
ポルトガ兵「……それは……そうだけど……」
見張り兵「だろ!?そんな人間なんて普通いないんだからさ!!」
ポルトガ勇者「まぁまぁ、喧嘩すんな」
見張り兵「でもこいつがこんな事言ってたら騎士団長様に!」
ポルトガ勇者「あいつは所用があって出かけたよ」
見張り兵「え?所用?」
ポルトガ勇者「ああ、戻ってくるのは明日以降じゃねえかな」
見張り兵「……で、でもだからといって魔物の疑いがある奴の肩を持つ発言なんて……」
ポルトガ兵「だけどっ」
ポルトガ勇者「ストーップ、ストーップ。わかった、わかった」
見張り兵「王子……」
ポルトガ勇者「とりあえず、ポルトガ兵はもう持ち場解除するから、詰所に戻ってろ」
ポルトガ兵「へ……?」
見張り兵「で、ですけど奴の見張りは」
ポルトガ勇者「次の尋問がそろそろ始まるから大丈夫だ」
ポルトガ兵「!」
見張り兵「また、尋問……ですか?」
ポルトガ勇者「ああ、ちょっと用意があるから、もう少ししたらだけどな」
ポルトガ兵「えっ」
見張り兵「……って事は、次の尋問は……」
ポルトガ勇者「おう、俺だ」
ポルトガ兵「……っ……」
見張り兵「……そう、なんですか……」
ポルトガ勇者「尋問は手馴れたもんだ。大丈夫」
ニコォ
ポルトガ勇者「俺が洗いざらい、話を聞き出してやるよ」
31 = 1 :
今日はおしまいです
32 :
続き期待してます
34 = 1 :
―ポルトガ城・廊下―
ムオル勇者「……」
ツカツカ…
ランシール勇者「見張り、ご苦労様ですわね」
ムオル勇者「む……ランシール勇者か」
ランシール勇者「彼女たちの調子は如何?」
ムオル勇者「……いたって静かだ」
ランシール勇者「ふふ、よかった」
ムオル勇者「それより、お前」
ランシール勇者「なんですの?」
ムオル勇者「お前は騎士団長と一緒に出発する筈だったろう」
ランシール勇者「ああ、少し遅らせてもらいましたの」
ムオル勇者「他の奴らもか?」
ランシール勇者「いえ、エジンベア勇者とスー勇者はもう同行してますわ」
ムオル勇者「ポルトガ勇者とイシス勇者は」
ランシール勇者「ポルトガ勇者は留守番」
ランシール勇者「イシス勇者は……どうも体調が優れないみたいですわね」
ムオル勇者「……そうか」
ランシール勇者「ま、見張りは貴方がいるから安心ですわね」
ムオル勇者「しかし」
ランシール勇者「まだ何か?」
ムオル勇者「お前はどうして出発を遅らせた?」
ランシール勇者「え?ああ、そうでしたわね」
スタスタ
ザッ
ランシール勇者「……ここに、ちょっと用事があって参りましたの」
35 = 1 :
―客室―
ガチャッ
戦士「!」
武道家「!」
ランシール勇者「あら、皆様ごきげんよう」
魔法使い「……あなたっ……!」
商人「国連の!」
ランシール勇者「そうです。ランシールから参りましたランシール勇者ですわ。お見知りおき下さいな」ニコ
戦士「何しに来たんだよ!」
ランシール勇者「あら、随分嫌われたものですわね」
武道家「……よく言うわよ」
商人「用を早く済ませて出て行きやがって下さい。可能なら解放しやがって下さい」
ランシール勇者「あらら、では単刀直入にいきましょうか」
ランシール勇者「彼について聞きたい事がありますの」
盗賊「……勇者の事ですか?……」
ランシール勇者「ええ……いえ、正しくは彼にまつわる人物のお話」
武道家「話すと思う?」
ランシール勇者「ですからお願いしているんですわ」ニコッ
戦士「却下だそんなん!!」
ランシール勇者「あらあら、取り付く島もない」
36 = 1 :
商人「そりゃそうです。こちらからすれば貴方達が取り付く島もないんですから」
ランシール勇者「そう……じゃあ、もっと質問を具体的にしますわね」
ランシール勇者「賢者ガルナ」
武道家「っ!」
商人「……!」
魔法使い「な……」
ランシール勇者「あの賢者ガルナ様が……少女だったという話は本当ですか?」
戦士「……っ」
僧侶「……」
盗賊「…………」
ランシール勇者「……あなた方」
ランシール勇者「賢者ガルナ様と親交があったというのは本当ですか?」
戦士「……やめろ」
ランシール勇者「…………昨日耳にしたと思いますが」
ランシール勇者「勇者さんが、彼女を殺したというのは本当ですか?」
37 = 1 :
戦士「……――こいつッ!!!!!」ガタッ!!!
武道家「ちょっ!戦士ッ!!」ガタッ
ドッ!
戦士「!?」ピタッ
武道家「……え」
僧侶「…………」
ランシール勇者「え……ちょっと、貴女」
僧侶「……」
ランシール勇者「ちょっと、なんで土下座なんて」
僧侶「……ます」フル…
ランシール勇者「えっ?」
僧侶「…………がい、します」フルフル…
ランシール勇者「……」
僧侶「お願い……します」
僧侶「そんな事、二度と……言わないで下さい……!!」
僧侶「お願いです……!!お願いです……!!」
僧侶「お願いします……!!帰って、下さい……!!」
ランシール勇者「……」
魔法使い「……僧侶」
僧侶「……お願いしますっ……!!」
魔法使い「……」
ギュッ
魔法使い「……おねがいします、もう、でていってください」
魔法使い「これいじょう、なにか言われたら……」
38 = 1 :
ランシール勇者「…………」
ザッ
スタスタ
ランシール勇者「……ちょっと、私の質問も性格が悪すぎましたわね」
ランシール勇者「失礼させて頂きますわ」
僧侶「……」
魔法使い「……」
ランシール勇者「……ただ」
スタ
ランシール勇者「これだけは覚えていて欲しいのですが、私は別に意地悪で聞いたわけではありませんわ」
ランシール勇者「ただ、真実を求めているだけですの」
盗賊「……真実?……」
ランシール勇者「ええ、何も私は彼を悪魔に仕立て上げたい訳ではありません」
ランシール勇者「私は知りたいだけです……あの日の真実を」
戦士「あの日の……」
商人「……真実……?」
ランシール勇者「……そのためには、彼が大きな手がかりなんです」
ランシール勇者「さて…………聞きだすつもりが少し喋り過ぎたみたいですわね」
ガチャッ
ランシール勇者「それでは、皆さん。また会いましょう」
バタン
武道家「…………何よ、あの女」
商人「……あの日の、真実……ですか」
39 = 1 :
戦士「何も、全員が全員勇者を貶めようとしてるわけじゃないのか……?」
盗賊「……みたいだね……」
魔法使い「すくなくとも、いまの人みたいなひとたちはいるってことかな」
武道家「だといいけど……」
僧侶「……勇者くん……大丈夫でしょうか」
商人「……」
戦士「…………くそ」
武道家「今……どこにいるのかしら……」
武道家「勇者も……女勇者達も……」
・
…
……
…………
―地下牢―
オオォォオォォォ……
勇者「……」
勇者(床が、冷たい)
勇者(体が、あちこち痛い)
勇者(全然考えが纏まらない)
勇者(……今、僕がすべき事……)
40 = 1 :
勇者「……」
<スタ…
勇者「!」
勇者(……足音)
スタスタ
スタスタスタスタ
スタ… ザッ
ポルトガ勇者「よう」
勇者「……」
ポルトガ勇者「相変わらず時化た面してんなぁ」
勇者「……」
ポルトガ勇者「……またまたお得意のだんまりかよ」
ポルトガ勇者「まぁなんにせよこれから楽しい楽しい尋問の始まりだ」
ポルトガ勇者「…………洗い浚い話してもらうぜ」
41 = 1 :
今日はおしまいです
42 :
おつです!
43 :
おつ
45 :
最近読み始めたんだが、画像がことごとく見れない状態になってるわ
これってうpされてから時間が経ってるからなのかな?
46 :
そら古いのは落ちるやろ
47 :
いやあ
見てみたいなあと思ってしまいまして……
お騒がせしました
48 :
>>1 がいいならクリスマス絵以外は上げれるんだけどね
クリスマスだけ消しちゃった
49 :
画像みせて欲しいです!許可お願いします!
50 = 49 :
画像みたいです!許可お願いします!
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