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元スレ勇者「ハーレム言うなよマジで」戦士「5だぞっ!」

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1 :





前スレ
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2 = 1 :





~あらすじ~


タイトル詐欺になりました




3 = 1 :




-幕間-


【敵バラモスを想起せよ】


4 = 1 :



騎士団長「事態は深刻です」




――ランシール・中央神殿――


 -世界首脳会議・会場-



「何か事態に悪化するような事態が?」

騎士団長「いえ、特にそういうわけではありません」

騎士団長「ただ、無さ過ぎるのです……進展があまりに無い」


騎士団長「賢者ガルナの末裔が魔族にかどわかされてからもうじき一年経ちます」


騎士団長「しかし彼女の行方どころか、オーブの一つも発見されておりません」


騎士団長「聖地アリアハンの王の失権は未だ続いておりますし、国連勇者の行方不明者も出ています」


騎士団長「このままでは我々人類が魔族に大きな遅れをとってしまうのでは、と思いまして」



-国連の勇者席-


ポルトガ勇者(……よく言うぜ)

イシス勇者「……」

エジンベア勇者「ふぁーあ……」

ムオル勇者「……」

ジパング勇者「……それでー?どうしたんじゃよそれが」


騎士団長「ですから、こちらも……失礼、“サマンオサ”も色々と積極的に体制を変えて取り組まなければならないと考えております」

騎士団長「……エジンベア大臣」

エジンベア大臣「はっ」

ガタッ

エジンベア大臣「えー、では少々お時間を頂きまして……支援物資の計画案を」


……。…。


ポルトガ勇者(……まるであいつがサマンオサの……いや)

ポルトガ勇者(サマンオサが軍備拡大で現状世界一の強大国家になった今、まるであいつが国連の仕切り役だ)

ポルトガ勇者(着実にまずい方向へむかってやがるぜ……)


エジンベア大臣「……――と、そこでポルトガ領の国連港を経由します」

騎士団長「では、その際は物資補給の支援を。ポルトガ王。お願い申し上げます」

ポルトガ王「……わかり申した」

イシス勇者(……毎回毎回、あれじゃポルトガが本当に奴隷だ)

5 = 1 :


スッ


ロマリア王「……少しよろしい感じ?」


騎士団長「?はい、どうされました?」

ロマリア王「エジンベアの物資の流通資料を見せていただいてもよろしい感じ?」

騎士団長「……」

エジンベア大臣「……」

ロマリア王「いやー、ちょっと失念しちゃった系の出来事あった系でー」

ロマリア王「このままじゃうちの大臣が四足歩行の生き物になってしまう……」

ロマリア大臣「なんねえよお前ほんとあのこういう場でやめて」

ロマリア大臣「……しかし、私からもお願いします」

ロマリア大臣「サマンオサへの麦の輸出と、春種の事で少々考えたいことが」

騎士団長「……」

ニコ

騎士団長「どうぞどうぞ。エジンベア大臣」

エジンベア大臣「……は」

すっ

ロマリア王「テンキューテンキュー……キスする……?ミラクルキッス欲しい……?」

エジンベア大臣「や、やめて下されロマリア王様やめて下され」

パラッ

ロマリア王「そんじゃ大臣全部覚えておくんじゃ」

ロマリア大臣「全投げっすかアンタ本当最低だな!!」

ロマリア王「だってぇー、お前記憶力いいしー。頭いいシー」

騎士団長「はぁ……」

騎士団長(どうにも苦手ですね……ロマリアの人間は)

エジンベア大臣「ですのでポルトガ大臣様、そちらの財務大臣に……」

……。…。

ロマリア大臣「あーもう、恥かきましたよ」

ロマリア王「全部覚えたら色々あげちゃうぞ☆爪とか☆」

ロマリア大臣「きめえよ」

パラッ

ロマリア大臣「……ちょっと静かにしててください」

ロマリア王「全部覚えろ」ボソ

ロマリア大臣「……はい」ボソ

ロマリア王「特に……鉄の欄」ボソ

ロマリア大臣「…………仰せのままに」ボソ

6 = 1 :

エジンベア大臣「それと……皆さん御存知かと思われますが、近頃海賊の被害が相次いでおります」

エジンベア大臣「なので、物資を奪われぬように警備を固めるようにお願いします」

騎士団長「そうですね、先月だけでも国連の船七隻が被害に遭いました」

騎士団長「各国の貿易船は十分お気をつけて下さい」

騎士団長「では、何か他に論のある方おられますか?」

ランシール神官「……では、私も少々時間を頂こう」

騎士団長「どうぞどうぞ」

ランシール神官「有難く」

スクッ…

ランシール神官「……先ほど騎士団長殿が仰ったとおり、今は窮地。我々は何か手をうたねばなりません」

ランシール神官「そこで……」チラッ


ジパング勇者「……」


ランシール神官「……」


騎士団長「……」


ランシール神官「……――人類の切り札を一つ、出さねばばるまいと考えております」



ザワッ

「……人類の……」

「切り札……?」



ランシール神官「皆さんは我らが敵。バラモスをご存知だと思われる」


ランシール神官「そう。魔王だ。……我々が倒さねばならない相手」


ランシール神官「今は奴に対抗する術は無い。情報も少なすぎる……そう」


ランシール神官「我々はバラモスについてもっと色んな事を知るべきである」


ランシール神官「……イシス女王様」


イシス「は、はいっ!!?」ビクッ


ランシール神官「貴女様にお願いしたい事があります」


イシス「……お願いしたい、事?」

イシス側近「それは一体」


ランシール神官「……バラモスについて、我々人類は何も知らない」


ランシール神官「しかし、ただ一人……ただ一人だけ」

7 = 1 :






ランシール神官「バラモスと対峙し、生きて帰った男が居る」




8 = 1 :




第七章


9 = 1 :


――どこかの海域・船上――



ざぁーん… ざぁーん…


ミャー ミャー




戦士「……」グデー


魔法使い「……」グデー



「「……」」


戦士「なあ魔法使い……なんか見えたか」

魔法使い「なんにもみえないよぉ」

戦士「そっか……」

魔法使い「ねーねー戦士。なにかつれた?」

戦士「……アタシの竿、引いてるように見えるか?」

魔法使い「……釣れないねえ」

戦士「釣れないな……」


「「暇だねぇ……」」


ポルトガ姫「……今日も二人は相変わらずっすね」

武道家「私もあいつらの事言えないんだけどね……」

僧侶「ポルトガ姫ちゃん、航路は順調ですか?」

ポルトガ姫「まあ、風があまりないんで停滞気味っす」

武道家「……舵とってないしね」

盗賊「……」

ポルトガ姫「……盗賊ちゃん」

盗賊「……」

ポルトガ姫「盗賊ちゃん」

盗賊「……はっ、な、何?……」

ポルトガ姫「本が逆さですよ」

盗賊「……あ……」


ポルトガ姫(ポルトガを出発してそろそろ一年すぎるんすけど)


ポルトガ姫(みんな本調子には戻らないみたいっす)

10 = 1 :


魔法使い「……しりとりする?」


戦士「……りんご」


武道家「いい天気ね……」


僧侶「……お祈りしていようかな……」


盗賊「……」




ポルトガ姫「……」

ポルトガ姫(この人らにとって、仲間が欠けるってのは相当な致命傷みたいっすね……)


魔法使い「ごはん」


戦士「しりとり終了じゃん……」



ポルトガ姫(しかし覇気無さすぎっす)



ヒョイッ


遊び人「呼んだ?」


ポルトガ姫「あ、遊び人ちゃん」


魔法使い「よんでないよ?」

遊び人「でも今ごはんって」

戦士「ああ、しりとりだよ」

遊び人「あ、そうなの。てっきり催促かと思った」

遊び人「でもお昼ご飯できたからみんな食べよ?」

戦士「食べる!!」

魔法使い「やったぁ」

ポルトガ姫(ごはん好きすぎっすねこの人ら)

ポルトガ姫「でも私も好きっす!!!ごはん!!!!」

遊び人「いきなりの告白された」

遊び人「それじゃ、ちょっと待っててね。すぐに」






ドオオオン!!!!!





「「「「!!!!?」」」」

11 = 1 :


ガタッ!!

武道家「何の音!?」

戦士「魔物か!?」


タッタッタ


勇者「皆!!なんだい今の音は!?」


盗賊「……女勇者!それが私達にも……」

僧侶「……!あ!あれ見てください!!」

勇者「あれ……?」

ポルトガ姫「…………!!!」

魔法使い「……な」

戦士「なんだ……?あの」



バタバタ…

オォォオォォォ……



戦士「ドクロの旗を掲げた……でかい船は……」


ポルトガ姫(あれは……!!!)




――――――――――



「おかしらぁ!目標の手前に着弾しました!!」


「狙い通りです!!」



「よくやった。すぐに船を寄せな」



「見たところ、数人は武装してるみたいです」


「抵抗する場合はどうしますか?」



「せっかちだね……まずは話をしてからだ」


「……まあ」



しゅらっ

ジャキィッ



「話の内容次第なら、アタイが切り伏せるさ」



12 = 1 :

今日はおしまいです

13 :

こっちも乙

14 :

たくさんおつですー
女海賊さんキタ!

15 :

乙でございます

16 :

乙 待ってた

18 :

おつおつ!!

19 :

まってる

21 :

なんかコメントの雰囲気から自分以外1人くらいしか見てないんじゃないかと思いはじめた
とにかく楽しみにしてるし応援してるので頑張ってくれ

22 :

7バツで見てやっと追い付いたよ
SSと>>1のイラスト楽しみに丸呑みしつつ乙

23 :

ずっと楽しみに読んでるけどあんまレスするの鬱陶しいと思うのでレスしとらんだけ

24 :

1レス付いたらその10倍くらいは見てると思う

25 :

武道家「……いっぱい人が乗ってるみたい」

魔法使い「ねえ、ポルトガ姫……あれって」

ポルトガ姫「……あれは、多分“海賊”っす」

盗賊「……海賊……!!」

ポルトガ姫「しかも相当大きな船っす。鉢合わせちゃうなんて……!!」


ザザ…


僧侶「!!こっちに来ます!」

ポルトガ姫「に、逃げましょう!!流石に分が悪すぎます!!」

遊び人「でも、逃げられるの!?」

勇者「あんなでかい船なら、すぐに追いついて来るんじゃないかい?」

ポルトガ姫「それは……っ」

戦士「ポルトガ姫」

ザッ

戦士「下がってろ」

武道家「ここは私達の専売特許よ」

勇者「迎え撃つ覚悟はある」

ポルトガ姫「はいっ!?」

魔法使い「まかせといてっ!あぶないから船内にいてねっ」

盗賊「……遊び人、お願いね……」

ポルトガ姫「ちょっ、いやいや無謀っすよ!!」

ポルトガ姫「あれは多分最近話題の大海賊っす!みんなみたいな女の子が――……」

ガシッ

遊び人「ポルトガ姫は私と船内!行こ!」

ポルトガ姫「ちょっと!遊び人ちゃん!」

遊び人「安心して。みんな本当に強いんだから」

スタスタ

勇者「……さて」


ザザァ……


勇者「皆、気を引き締めて」

26 = 1 :



ガタァン


「渡り橋かかりました!!」

「おかしら!準備OKです!!」


「よし!乗り込みな!!」


「「「「応っ!!!!!」」」」



ザカザカザカザカザカザカ!!!!!


ズザァッ!!!!


海賊手下達「「「「……」」」」



武道家「……」


戦士「……」


魔法使い「……」


盗賊「……」


僧侶「……」


勇者「……」

勇者(囲まれた……か)

勇者「さて……何の用だい?」


海賊手下「大人しくしろ」

海賊手下2「動いたり大声出さなけりゃ何もしねえ」 

27 = 1 :

勇者「君らは私達が大人しくないように見えるのかい?」


海賊手下「……」

海賊手下(ただの小娘達じゃねえな、肝が据わりすぎてる)


勇者「私の問いに答えてもらえるかい?何の用か聞いているんだ」

勇者「君らの頭を出してもらおうか」



「……偉く肝の据わったヤツだね」



海賊手下「おかしら!」


戦士「え?……は?」

武道家「えっ」


スタスタ…

「あたいらにここまでびびらなかった奴は初めてだ」


魔法使い「お、おかしら?」

僧侶「って」

盗賊(……この人が……?)


ズザッ



海賊「あたいがこいつらの頭領さ。ちょいとお邪魔するよ」



――船内扉の陰――


遊び人「女の人ぉ……!?」

ポルトガ姫「みたいっすね……」

28 = 1 :

勇者「……なんの用かな」

海賊「はっ!本当に肝が御行儀の良い事だよ!」

海賊「端的に言うけど、アンタらこれ、なんの船だい?」

勇者「……」

海賊「……答えたくないのかい」

勇者「……ただの旅船だけど?」

海賊「……」

勇者「……」

海賊「…………嘘だね」

海賊「嘘をついてる目だ、それは」


戦士(なんだこいつ……)

武道家(何が目的なの……?)


海賊「でも質問が悪かったね、じゃあもう率直に聞くよ」



海賊「アンタら、国連の関係者?」


戦士「っ!?」

武道家「……」

魔法使い(なんでかいぞくがそんなことを……)

僧侶(どうしましょう……関係、ないというか)

盗賊(……間接的には関係してるというか……)


勇者「……」

海賊「……」

勇者「……関係、無いとは言い切れない。けど」


ギッ


勇者「国連は、私達の敵だよ」


海賊「……!」


ポルトガ姫「……っ」ドキドキ

遊び人「……」


ジャキッ

海賊「そうかい。邪魔して悪かったね」


ポルトガ姫「へっ?」


海賊「アンタら!!引き揚げだよ!!」

「「「応っ!!!!」」」


ポルトガ姫「えっ、えぇぇえ!!?そんなあっさり……!!?」

29 = 1 :



ザカザカ!!


海賊「早く乗り込みな!すぐに出るよ!」

戦士「おいおい」

海賊「ん?なにさ」

戦士「お前ら、本当に何が目的だったんだよ」

武道家「やけにあっさり引き揚げるわね」

勇者「……略奪目的じゃなかったのかい?」

海賊「はっ、あたいらにはあたいらで事情があるのさ」


「おかしら!!全員乗り込みました!」


海賊「それじゃ、あたいも行くよ。悪かったね」

スタ…

勇者「……本当に変な人だね」


ピタ


盗賊手下達「「「あ」」」


海賊「……」

クルッ

海賊「……変?」

スタスタ

ザッ


海賊「……」


勇者「……」


海賊「アンタ、あたいが変って言った?」

海賊「アンタもあれか?」

海賊「……女のあたいが、海賊やってるのが変だと思うタチかい」

海賊「女のあたいが海賊のお頭だなんて、おかしいかい?」


「あっちゃあ……」

「おかしらのスイッチ入っちゃったよ」


ポルトガ姫(な、なんか女勇者ちゃんがあの海賊女の逆鱗に触れちゃったみたいっすね……)ビクビク

ポルトガ姫(女勇者ちゃん、なんとか上手いこと取り繕ってくだ)




勇者「ああ、変さ。とてもね」




ポルトガ姫「ブフンッ」

30 = 1 :



海賊「……」


「「「「「(おかしらを刺激しやがった――!!!!!)」」」」」


勇者「それが何か?」

海賊「……そうかい」

勇者「というか、ちょっと違うな」

海賊「え?」


勇者「女だからとかそういうんじゃない」


勇者「海賊やってる事が、変なんだよ」


海賊「……」


勇者「女だからって、何をやっても関係ないさ。私達も女だけどいろんなことが出来る」

勇者「でも、海賊をやってる貴女を、私はまともだとは絶対に思わない」


海賊「……」


勇者「……」


「「「「……」」」」


遊び人「わー……女勇者らしい回答ですこと」

ポルトガ姫「言ってる場合っすかぁ!!!せっかく海賊たちが大人しく引き揚げようとしてたのに逆に怒らせ――……」


海賊「……ぷっ」


ポルトガ姫「えっ?」



海賊「あっはっはっはっはっは!!!」


海賊「あ、アンタっ、面白い奴だね!あっはっはっはっは!!!」



ポルトガ姫「えぇ……?めっちゃ笑ってるんすけど……」

31 = 1 :

海賊「ずいぶんはっきりと言ってくれるじゃないの。ぷふっ、あはははっ!」


ポルトガ姫「めっちゃニコニコしてるんすけど……なんすかアレ――……」

ゴトン

ポルトガ姫「ん?」

遊び人「今……何か揺れた?」


―――――――――


戦士「お?」

魔法使い「なんか、いま」

僧侶「変な揺れが」

武道家「……下」

僧侶「え?」

武道家「…………――下に、何か居る」


―――――――――


海賊手下「ん……?」

海賊手下2「おい、見ろ」


ズズ…


海賊手下2「船の下……影が」

海賊手下「……――っ!!!?」

ダッ!!

海賊手下「おかしらぁッ!!!」

海賊手下「特大の魔物だ!!!この影……」


海賊「でも気に入ったわ。アンタ」



ざぱぁぁあぁあああん!!!!!!!!!!




クラーケン「ゴアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!」




海賊手下「“クラーケン”だッ!!!!!!!!」



海賊「……――名前は?」

32 = 1 :



ヒュンッ!!!

ヒュンッ!!!!




クラーケン「ゴアッ  ギュッ 」



ザザンッッッ!!!!!!!!






勇者「……私は、女勇者」




海賊「……アタイは女海賊」






ドパアアアアアアアアアアアアアン!!!!!



33 = 1 :

戦士「うびゃあああああああ!!!!!」

武道家「ちょっ、つめたああああっ!!!!」

魔法使い「わわわっ」

僧侶「きゃ――っ!!!」



ポルトガ姫「ぎにゃぁ――っ!!!!揺れッ、ゆれぁ――!!」

遊び人「もっ、ほんとっ、女勇者容赦無さすぎ――っ!!!」



海賊手下「うわああぁぁぁぁっ!!!?」

海賊手下2「す、すごすぎるぜ見たかオイ!!!!」

海賊手下3「あのクラーケンが人間二人に……!!!!」

海賊手下4「お頭以外に、あんなに強い人間いたのか……!!」


ザッ

ザァァァン……!!

ザァン…





勇者「……」


海賊「……参ったね」

海賊「こんなに強い奴、男でも見た事ないよ」

海賊「気に入った……」


スタスタ

ガシッ!!


海賊「気に入ったわ!!アンタ!!」

海賊「アンタあたいと海賊やらないかい!!!?」

34 = 1 :

勇者「……さっきまでの私の話聞いてた?」

パシッ

勇者「私は海賊にはならない。他を当たってくれないか」

海賊「あら……つれないねぇ」

海賊「んー、まあいいさ」

クルッ

スタスタ

海賊「女勇者……名前は覚えたからね!」

海賊「あたいの名前も覚えてくれたろ?」

海賊「もしまた会う事があって、その時困ったことがあったら私を頼りな!」


スタッ


海賊「全力で力になったげる!!!」


勇者「頼る事はないさ!」


海賊「へへっ♪ますます気にいった!……さあ」


海賊「野郎共!!!!錨を上げろ!!!出発だよっ!!!」


「「「「応ッッ!!!!」」」」



…………
……




……
…………



ザザァン……

ミャー ミャー


僧侶「……見えなくなっちゃいました」

魔法使い「……いっちゃったねえ」

ポルトガ姫「な、なんか……白昼夢を見てるようだったっす……」

35 = 1 :



勇者「……」


武道家「女勇ー者」

勇者「え?」

コツン

勇者「あてっ、デコピンはやめてよ!」

武道家「あほう!あのイカはもっとまともな倒し方あったでしょうが!!」

戦士「お前にしては珍しく荒っぽい倒し方だったな?」

勇者「いや、それは……」

遊び人「ムキになってるのまるわかりだったよ、女勇者」

勇者「あ、遊び人ちゃん」

遊び人「まだまだよのう?女勇者さーん?」

ぐにー

勇者「あいははは、ひょっほ!ほっへはふはははいへ!」

パッ

勇者「いたた……悪かったよ」

勇者「どうもああいう手前を見ると感情的になっちゃって……まだまだだね私も」

戦士「でもさ……なんか」

魔法使い「どしたの戦士?」

戦士「いや…………なーんか、あいつどっかで見た事ある気がするんだよな」

勇者「え?今の人とかい?」

武道家「気のせいじゃない?流石に縁はないでしょ」

僧侶「あの―……」

勇者「ん?なんだい僧侶ちゃん。何か心当たりが?」

僧侶「ううん、そうじゃないんですけど……」チラッ


盗賊「…………」ズーン…


僧侶「あの、『海賊をやってるのが変』ってくだりから盗賊ちゃんが……」


勇者「わ――――っっ!!!!!ちがうちがうよ盗賊ちゃん!!!!」

盗賊「……あ、ううん……大丈夫だよ……ちゃんとわかってる、から……」

勇者「あれは盗賊ちゃんの事とは全然違くてっ、本当にごめんよ!!!!」

盗賊「……大丈夫だよ……女勇者は優しい子だね……」

勇者「うわぁぁぁそんな哀しい目をしないでおくれよぉぉ!!!!」

36 = 1 :

盗賊「……でも、私も戦士と同じ……」

勇者「え?」ピタッ

戦士「ん?何が?」

盗賊「……私も、あの人どこかで見た事ある気がする……」

戦士「盗賊もか!?」

武道家「えー?盗賊まで?」

魔法使い「ふたりともみたことあるっていうなら、どこかであってるのかなあ」

盗賊「……うん。たぶん、ずっと昔だと思うんだけど……」

戦士「え?最近じゃないか?」

盗賊「……え?……」

戦士「え?」


戦士・盗賊「「……」」


武道家「……気のせいね。多分」

遊び人「まあ、気のせいでも気のせいじゃなくても、気にしないのが一番よ」

スタスタ

遊び人「みんな、ご飯にしましょ!さっきの揺れから鍋守るの大変だったんだから!」

戦士「それもそうだな!めし!」

魔法使い「そういえばごはんわすれてたよぉ」

武道家「あんな事があれば、そりゃあねぇ」

僧侶「もうおなかペコペコですー」

盗賊「……女勇者、ちゃんと手を洗わなきゃだめだよ?……」

勇者「ああ。分かってる。大丈夫さ」

ポルトガ姫「あ、なんかイカ臭いなと思ってたら女勇者ちゃんすか」

遊び人「その言い方やめてっ」

勇者「ちょっと洗ってくるから、先に食べておいてよ遊び人ちゃん」

遊び人「うん。早く来てね」

37 = 1 :

――――――――――――

――甲板隅・水樽傍――

パシャッ


勇者「……」スンスン

勇者「よし……と」

勇者「さて。行くかな」

スタスタ

勇者「……」

勇者(なんだか嵐のような出来事だった)

勇者(しかし……なんで)



海賊『質問が悪かったね、じゃあもう率直に聞くよ』

海賊『アンタら、国連の関係者?』



勇者(なんであの海賊は国連の船を狙っていたんだろう?)

勇者(そしてなんで国連の関係者じゃない事を知って引き揚げたのか)

勇者「……」

ピタッ

勇者「……」



ザァァン… サパァン…

ミャー ミャー


勇者「……」

勇者(……国連、か)

勇者「……」

勇者「……」

勇者「……」

勇者「……」


勇者(……――お義兄ちゃん)


勇者(今は、どこで、何をしているんだろう……)


…………
……

38 = 1 :

今日はおしまいです

39 :

乙でございます

41 :

女勇者って強いんだ…

42 :


やっぱ更新続くと嬉しいな

43 :

乙乙
イカくさい女勇者か・・・

44 :

最近ハーレム感が足りない…

45 :

百合方向でも良いんだぜ?

46 :

舞ってる

47 :

まさかここまで早く続きが読めるとは思わなかった
ただただ乙

48 :



……
…………


――ムオル地方・街道――


ザッザッザッ



ムオル勇者「……」



ザッザッザッ

ムオル勇者「……」

ザッザッザッ

ムオル勇者「……」

ザッザッザッ

ムオル勇者「……」


ザッザッザッ

ザッ……






ヒョコッ


イシス僧侶「……まだまだ歩いてるみたい」

ポルトガ勇者「おい、イシス勇者。ダーマを発ってからどのくらい経った?」

イシス勇者「もう四日目だね……ムオルってこんなに遠かったんだ……」

イシス魔法使い「ムオル勇者様、ずっと歩きっぱなしよね」

イシス戦士「イシス勇者様、大丈夫ですか?おぶりましょうか?」

イシス勇者「イシス戦士はいつまでも僕を子供扱いして……」

ポルトガ勇者「でもまあ、時々休憩してやがるしこっちも休めて助かるぜ」

イシス勇者「だね……」

ポルトガ勇者「とにかく途中で魔物に絡まれて騒いじまったら気付かれるかもしんねぇ。聖水は切らさないように頼むぜ」

イシス勇者「ああ。分かってる」

49 = 1 :


スタスタ


イシス僧侶「でもさあ、本当にムオル勇者様を尾行して勇者くんの居所掴めるのかなぁ」

イシス魔法使い「うーん、勇者くんをどこかに連れて行ったのはあの人だし……手がかりくらいはあるんじゃないかしら」

イシス僧侶「でもでも、何を聞いても教えてくれなかったじゃないさー」

イシス僧侶「『お前たちに教える事では無い』つってー」

ポルトガ勇者「だから跡をつけるしかねえんだ。ちょっとばかし耐えてくんねえかイシス僧侶」 

イシス僧侶「や、まあいいんだけどさ……ただそんな簡単にあのムオル勇者様が隙を見せるかなぁって思って」

イシス勇者「今の所はまだ気付かれてないみたいだから、この調子でいけば大丈夫そうだよ」

ポルトガ勇者「行き着いた先に居ればいいんだけどな。勇者」

イシス魔法使い「そうね……」


スタスタ


ムオル勇者「……」



イシス勇者「……」

イシス勇者(勇者くんがムオル勇者さんに連れられて僕らの前から姿を消したのがおよそ一年前)

イシス勇者(それから何の音沙汰も無いままだったから、流石に痺れを切らしてしまった)

イシス勇者(あの一年前の事件からすぐ、色んな事があった)

イシス勇者(まず、国連の勢力図の変遷)

イシス勇者(サマンオサの重役でもあり、現状アリアハンの実権を握っている騎士団長の持つ力が余りにも膨れ上がってしまった)

イシス勇者(つまり、サマンオサが国連の指揮を執る機会が増えてしまったという事)

イシス勇者(おそらくナジミ様の仰る“魔物”の一人であるのが彼であれば、人間側は大きいハンデを負った)

イシス勇者(次に、国連勇者の席が二人分空いてしまった)

イシス勇者(まず一人がランシール勇者さん)

イシス勇者(あの事件で勇者くんを見逃そうとした彼女は特別騎士……“勇者”の称号、資格を剥奪)

イシス勇者(今はランシールに戻り監視の下で暮らしているらしい)

イシス勇者(そしてもう一人がスー勇者ちゃん)

イシス勇者(彼女はあの事件の直後、すぐに行方不明になってしまった)

イシス勇者(捜索隊も多く組まれたけれど、なんの手がかりもないまま半年が経ち、規定により除名)

イシス勇者(そしてまた半年が経って今に至る)

イシス勇者(一向に……――手がかりは無い)

50 = 1 :

イシス勇者「……」

イシス僧侶「ん?どったのイシス勇者様」


――――――――――


スー勇者『イシスさん!イシスさん!』


――――――――――


イシス勇者「スー勇者ちゃん……無事だといいなぁ……」グスッ

イシス僧侶「泣きなさんなよ」

イシス魔法使い「でも確かに、スー勇者様も心配ねぇ」

イシス僧侶「あの子はみんなのアイドルだったし余計にね」

ポルトガ勇者「あいつがいねえと国連の集まりがギスギスしてたまらねえんだよな……」

ポルトガ勇者「軽口叩くランシール勇者もいねえし……やりにくいったら無いぜ」

イシス戦士「!!皆っ」

イシス僧侶「え?何――……あっ!」



――最果ての村・ムオル――



イシス僧侶「村が見えてきた!!」



―――――――――――



イシス僧侶「……――と喜んだのも束の間」


――ムオルの村近くの運河――


スタスタ


ムオル勇者「……」



イシス僧侶「村には入らんのかいっ!!!」

イシス魔法使い「あれからまたずいぶん歩いたわね……」

イシス戦士「目的は村ではなかったのか……?」

イシス勇者「とりあえず、もうちょっと跡をつけてみよう」

イシス僧侶「今日、朝暗いうちから歩き始めたよね……もう太陽が天辺にあるんですけどぉ……」

イシス戦士「弱音を吐くな」

イシス僧侶「ふぁい……」


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