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元スレ勇者「ハーレム言うなって」魔法使い「2だよっ!」

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751 = 1 :

ピタッ

勇者「…………」

イシス勇者「よ……よくもっ……!!」

勇者「……今立ってるのはどっちだ」

イシス勇者「……え……?」

勇者「今、元気なのは、誰だ」

勇者「殴ったのはどっちだ。殴られても、やり返す体力も無いのはどっちだ」

イシス勇者「…………」

勇者「…………今」

勇者「今、少しでも二人を守る事ができる可能性を持ってるのは!!どっちだ!!!!言ってみろ!!!!」

イシス勇者「っ!!」ビクッ!!

勇者「どっちが頑固だ!どっちが命知らずだ!!!!」

勇者「二人はこのままだったら100%死んでしまう!!」

勇者「今二人を救えるのは、可能性は低いかもしれないけどここでは僕しかいない!!」

勇者「だったら!!少ない可能性に縋れよ!!!!」

イシス勇者「…………っ」

勇者「旅を続けてたらこんな風に、闇の力ではない何かで命を落としそうになる場面には何度も遭遇するだろう!?」

勇者「だけど、そんな場面でも僕が色んな人から存命を望まれてるから僕だけは何が何でも生かす!?」

勇者「旅を遊びだと思ってるのはそっちだ!!!!馬鹿にするなよ!!!!!」

イシス勇者「…………!!!!」

勇者「…………」

勇者「……イシス勇者君」

勇者「例え僕がどんなに弱くても……いつか少しでも役にたつ日が来るかもしれない」

勇者「…………その時、少しでも役に……」

勇者「…………皆を守れる、そんな事だってあると思うんだ」

752 = 1 :

イシス勇者「だけど……君は……!!」

勇者「…………確かに、僕は…………弱い」

勇者「でも…………僕は、色んな理由で、好奇心以外の理由でも旅を続けなくちゃならない」

勇者「誰になんと言われようと……………………」


――――――――――――
――――――――――――


町人『今度旅に出るのは、勇者君の方なんだってね』ヒソヒソ

町人2『正直、期待できないわねぇ』ハァ

………………………………

兵士『まだ俺が旅に出たほうが成果を残せそうだけどな』クスクス

兵士2『だよな。王様もあんな能無しに金つぎこむつもりかなぁ』

兵士3『おいやめとけ。聴こえるぞ?“勇者様”に』

………………………………

――――――――――――
――――――――――――


勇者「誰に、責められようと…………」

勇者「僕は、旅をやめる事なんて、できない」


――――――――――――
――――――――――――


町娘『旅行気分なのかしらね?どうせ旅に出るとか言って王様からお金を貰ったらどっかに逃げるんじゃない?』

若者『ははは!有り得るな!!どうせアイツ遊びのつもりなんだろうし』

若者2『あー良いご身分だよなー。オルテガ様の義理の息子とか言えばコネで王様に取り入れられるんだからなぁ』

町娘2『まぁまぁ、オルテガ様の実の娘の女勇者様に期待しようよ』

………………………………

兵士団長『…………結局お前は弱いままか』

兵士団長『それはそれでいいが…………王の言いつけはちゃんと守れ』

兵士団長『死ぬのなら…………』

兵士団長『せいぜい、少しでも役に立ってからにしろよ』

………………………………

753 = 1 :

『……――――と、いう事だ』

『…………すまんな』

『本来ならば…………お前は…………お前では…………旅など』

『…………いや、なんでもない』

『……た、旅立ちまでは、まだ半年ある』

『その間、鍛錬にはげむが良い』

………………………………

『何故お前が生きているんだ!!!!』

『なんで使えもしないお前が…………!!!!』

『なんで…………!!!!……なんで…………!!!!』

『お前が、お前が死ねばよかった!!!!お前が死ねばよかったんだ!!!!』

『あの人の代わりに!!!!』

『お前が死ねばよかったんだ!!!!』

………………………………

――――――――――――
――――――――――――


勇者「こんな僕を憎む人はいるだろう」

勇者「…………恨む人も、沢山……いるだろう」

勇者「……………………」

勇者「……………………だけど」

勇者「だけど」

勇者「…………だけど!」

勇者「……――――それでも、僕は!!」

754 = 1 :

――――――――――――
――――――――――――



『勇者』

『私は、貴方を知ってる』

『貴方は、強いわ』

『……貴方は、私がお世辞言ってるように見えるの?』

『…………』

『……確かに、貴方は戦闘には長けていない』

『確かに、貴方は魔法が使えない』

『…………』

『でもね』

『…………どんなに、剣が達者でも』

『…………どんなに、魔法が達者でも』

『それだけじゃ、守れない物は…………沢山、あるの』

『…………珍しい?私がこんな事言うのが?』

『でも、本当の事よ』

『私は、いつも真実しか言わないわ』

『…………』

『貴方には』

『貴方にしか守れない物が、沢山ある』

『私は、貴方の強さを知ってる』

『…………だから安心しなさい』

『貴方の本当にすべき事をやりなさい』

『貴方は貴方の守れる物を守りなさい』

『……………………』

ニコ……

『…………大丈夫』

『勇者なら、大丈夫』

『一人じゃないから』

『私も、貴方を守るから』

――――――――――――
――――――――――――

755 = 1 :

勇者「僕は!!いろんな人のために!!」

勇者「僕の背中を押してくれた人のために!!」

勇者「僕に何かを託した人達のために!!」

勇者「…………」

勇者「……………………そして」

勇者「……死んでしまった人達のために」

勇者「僕は行かなきゃいけない」

勇者「…………行かなきゃいけないんだ」

イシス勇者「…………!」

武道家「…………」

勇者「…………ごめん」

勇者「…………」

勇者「…………だから、こんな時くらいは……役に立たせてくれよ」

勇者「僕は、人形じゃない」

勇者「僕の意思で動きたいんだ」

勇者「僕は…………今」

勇者「君たち2人を、守りたいんだ」

イシス勇者「…………」

勇者「…………」

イシス勇者「…………でも……」

イシス勇者「でも…………僕は……その」

イシス勇者「君を…………君みたいな……」

勇者「…………イシス勇者君」

勇者「君が男の人を嫌ってるのも知ってる」

イシス勇者「!!」

勇者「申し訳ないけど…………その理由も少し聞いた」

イシス勇者「…………そう、ですか…………」

勇者「…………君が、男の人を信用できなくなるのも分かった」

勇者「僕を嫌うのは、それも少しはあるんだろう?」

勇者「…………でもさ」

勇者「僕の事は…………少しだけ、いや、この場だけでもいいから」

勇者「…………少しの間でいいから、信用してくれないかな」

イシス勇者「…………!」

勇者「そりゃ、僕は弱いし、頼りないけどさ」

勇者「……………………僕だけは」

勇者「僕だけは、君を裏切らないって約束するからさ」

勇者「…………他の男の人達の分も」

勇者「君を守るって…………誓うからさ…………」

勇者「…………絶対に」

756 = 1 :

イシス勇者「…………勇者…………君」

勇者「…………時間が無い」

勇者「僕に…………任せてくれ」

イシス勇者「…………」

ゴソッ

スッ……

イシス勇者「…………これ……」

勇者「…………ありがとう。イシス勇者君」

イシス勇者「…………」

勇者「よしっ。ちょっと頑張ってくるよ」

ザッ

イシス勇者「ゆ、勇者君」

勇者「?」

イシス勇者「…………」

イシス勇者「あ……その………………」

イシス勇者「…………」

イシス勇者「……………………君の事は、気に喰わない…………」

イシス勇者「……………………だけど」

イシス勇者「…………」

イシス勇者「……………………無理は……………………しないでくれよ」

勇者「……………………はは」

勇者「うん!任せて」

ザッ

武道家「…………ちょっと待ちなさいよ!!!!」

勇者「!!」

757 = 1 :

ヨロッ……

武道家「行かせない…………!!!!行かせないわ!!!!」

武道家「私が行く……!!!!貸しなさい!!!!」

勇者「……何言ってるんだよ武道家。そんな状態で」

武道家「もう、薬草飲んだから……大丈夫よ!!」

勇者「まだ完全に効いてないだろ」

武道家「大丈夫って言ってるじゃない!!」

勇者「…………」

武道家「アンタは!!!!危ない目に遭っちゃいけないの!!!!」

武道家「なんで!!!!なんでそんなに変わっちゃうのよ!!!!」

武道家「前は!!そんな勇者じゃなかった!!」

武道家「…………!!!!」

武道家「もう、私は!!」ポロッ

武道家「誰も失わなせないって決めたの!!!!」ポロポロ

武道家「あんな事もうたくさんなのよっ!!!!」ポロポロ……

武道家「アンタが!!!!アンタが辛い思いをするのだって嫌なの!!!!」ポロポロ……!!

武道家「分かってよ……!!分かってよぉ……!!!!」

勇者「武道家……」

武道家「それに…………!!アンタだって言ったじゃない……!!!!」グスッ

武道家「私達が……コイツに着いて行った方がいいかもしれないって…………!!!!」

勇者「…………」

武道家「私達の事!!!!私達の関係ってアンタにとってそんなものなんでしょ!!!?」

武道家「だったら!!!!もういいじゃない!!!!私は――――!!!!」

勇者「武道家!!!!!!!!」

758 = 1 :

ガシィッ!!

武道家「っ!!!」ビクッ

勇者「…………それ、本気で言ってるのか」

武道家「…………っ」グスッ

武道家「だ、だって……!!…………あ、アンタが」

武道家「アンタが!!あんな事言うから…………!!」

武道家「私…………!!私…………!!」ポロポロ……

勇者「……………………はぁ…………」

勇者「…………これは、この場が片付いたら言おうと思ってたんだけど、もう今言うよ」

勇者「今回は僕も悪いけど……武道家は頭に血が上ったら……本当に人の話を最後まで聞かないよね」

武道家「…………え……」

勇者「…………あの時、まだ続きを言おうと思ってたんだ」

武道家「う、嘘っ」

勇者「武道家!」

ギュッ!!

武道家「はいっ!!?」

勇者「確かに!!!!僕は弱い!!!!」

勇者「皆に心配かけてると思うし、足を引っ張ってるのも知ってる!!」

勇者「でも、僕は色んな理由があって旅を止めるわけにはいかない!!」

勇者「…………そして、実質、君達は……イシス勇者君たちに着いて行った方が良いのかも知れないっていうのも本音だ」

武道家「っ」

勇者「でも!!」

勇者「僕は!!皆が心配だ!!」

勇者「皆が離れ離れになって、それぞれ危険な旅をするなんて、考えただけでも嫌だ!!!!」

759 = 1 :

武道家「……勇、者」

勇者「皆が大丈夫か心配しながら冷や冷やして過ごすなんて!!絶対に嫌だ!!!!」

勇者「今みたいに、僕が守れるかもしれない状況に僕が立っていられないなんて!!それで皆が命を落しちゃうなんて考えたくもないんだ!!!!」

勇者「僕が強くなるまで待ってるなんて!!!!絶対に嫌だ!!!!」

勇者「武道家!!」

ギュッ!!

勇者「人は変わる!!変わらなくちゃいけないんだ!!!!」

勇者「立ち止まってたら!!!!誰も守れなくなる!!!!」

勇者「僕は!!!!確かに弱い!!!!」

勇者「でも!!すぐに!!!!絶対強くなってみせる!!!!」

勇者「強くなって強くなって、誰も文句が言えないように!!!!」

勇者「皆を一人で守れるくらいになってみせる!!!!」

勇者「もう、一人で旅しようなんて二度と思わない!!!!」

勇者「だから!!!!だから!!!!」





勇者「僕に!!!!!ついて来い!!!!!!!!!」


760 = 1 :

武道家「…………勇…………者」

勇者「……………………あ、あはは……こう言うと…………恥ずかしいね」

勇者「…………でも…………そ、それが言いたかったんだ」

スッ

武道家「あっ…………」

勇者「…………大丈夫」

ニコッ

勇者「すぐ、戻ってくる。絶対だよ」

クルッ

タッタッタッ……

武道家「…………」

武道家「…………」

武道家(…………あの目…………)

武道家(勇者じゃ…………ないみたい)

武道家(でも…………私は分かる…………)

武道家(……………………あの目は、勇者だ)

武道家(変わったけど、変わってない)

武道家「…………っ」ポロポロ……

武道家(私の知ってる……弱い勇者の…………)

――――――――――――


勇者『はは…………やられちゃった、よ』


――――――――――――

武道家「…………っ……!!」ポロポロ……

武道家(…………勇者の…………)

武道家(…………強い、目だ)

761 = 1 :

――――――――――――

オォォォオォォオオォォ…………

ミイラ「あぁああああああああああ!!!!!」

タッタッタッタ……

ズザァッ!!!!

ミイラ「あぁああああああ?」

勇者「…………」

ミイラAが現れた!!

ミイラBが現れた!!

ミイラCが現れた!!





ミイラΩが現れた!!

勇者「…………お、多いなぁ」

オォォォオォォオオォォ…………

勇者「……通路がぎゅうぎゅう詰めだ」

勇者「…………」

勇者「……」スゥゥゥウゥゥ








勇者「上等だあああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」






ミイラ「えっ」

勇者「あんたたちも腹が立ってるかもしれないけどなぁ!!!!」

勇者「こっちも腹が立ってるんだ!!!!」

ギリィッ!!!!

勇者「武道家を…………!!!!」

勇者「武道家をあんな目に遭わせたのはどこのどいつだぁ!!!!!」

ミイラ「あ?あぁっぁぁあああ?」

ミイラ「えぇえぇっ」

すぅううぅぅぅぅうぅ!!

勇者「もう武道家には指一本触れさせない!!!!」

勇者「かかって来いやあああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」

762 = 1 :

ミイラ「あ、ああああああああああああああ!!!!!」

勇者「ふっ!!!!」

ザシュッ!!

ミイラ「アギャァッ!!」

ドシャァッ!!!!

ミイラを倒した!!

勇者「…………」

勇者(やっぱり、二人とも言ってた通り……一匹自体の力は然程無いんだ)

勇者(僕でも一撃で倒せる…………一番厄介なのは、毒と…………)

ミイラ「ああああああっ!!!!」

勇者「だぁっ!!!!」

ズバァッ!!!!

ドシャァッ!!!!

ミイラを倒した!!

ミイラ「「「「ああああああああああああああああああああああああ」」」」

勇者「…………数、か」

勇者(…………考えろ、勇者)

勇者(奴らは、王の遺産を奪われて怒っている従者の屍骸…………言わばミイラ)

勇者(……ミイラ、ミイラ………………)

勇者(…………以前、文献で読んだことがある)

勇者(腐敗を防ぐため臓器を全て抜いた後に、水分を奪って乾燥させる保存法を行った死体…………それがミイラ)

勇者(その死体には型崩れや虫食いを防ぐために厳重に包帯を巻く…………か)

勇者(こいつらの包帯はそのためのもの…………)

勇者「…………」

勇者「まさか」

スッ

ミイラの残骸「」

勇者「…………」

勇者(…………やっぱり。軽い)

勇者(全ての臓器と水分が奪われてるんだ。体重の殆どを失っているようなもの)

763 = 1 :

勇者「…………」

勇者「…………ごめんなさい。後で必ず返します」

ゴソゴソ……

ミイラ「あぁぁあぁぁあぁぁぁああぁぁぁあ!!!!!!」

勇者「!!!!うりゃっ!!」

ザンッ!!!!

ミイラ「ゴエェェエッ!!!!」

ドサァッ

ミイラを倒した!!

勇者「君の分も…………ごめんなさい。すぐ返しに来ます」

ゴソゴソ……

勇者「…………よし。やっぱり相当な長さになったな」

勇者(この、三人のミイラから拝借した包帯を…………)

ぎゅっ

勇者(繋げて……)

ズザァッ

勇者(…………ミイラ達から少し距離を…………このくらいでいいか)

勇者(そして、包帯の片方の端を…………)チラッ

勇者(…………この果物ナイフで)

ザンッ!!

勇者(左の壁に留める)

勇者(そしてもう一方の端と)

ガバッ

勇者(マントの端を、体を包むように左手で持って……)

ズザッ

勇者(右の壁に、体を寄せる!!)

ミイラ「あぁあああああああああああぁああああああああああ!!!!」

勇者(そして…………ミイラの群れが、近づくのを待って)

勇者(…………)

ミイラ「あああああああああああああああぁぁぁぁあああぁぁぁぁああああ!!!!!!」

勇者(ここだっ!!!!)

764 = 1 :

ジャキッ!!!

勇者(剣を右手で前に構え!!)

ダッ!!!!

勇者(突撃!!!!!!!)

勇者「だああああああああああああああ!!!!!!!」


ミイラ「ああああああああああああああ!!!!!!」

ガバッ!!!!

ミイラ「ああああああああ!!!?」

ダダダダダダダ!!!!

勇者「うおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」

ドサドサドサドサァッ!!!!!

勇者(やっぱり!!!!体重が軽いから包帯に引っかかってドミノ倒しのようにどんどん倒れていく!!!!)

ミイラ「「「ああああああああああああああ!!!!!!」」」

ドサドサドサドサァッ!!!!!

勇者「よし!!この調子で!!」

ピンッ!!

勇者「!!」

勇者(包帯が尽きた!!いや、でも大分距離は稼げたぞ!!)

ガバァッ!!

勇者(マントで体を庇いながら体勢を下げて!!!!)

勇者「りゃああああああああああああああああああああああ!!!!!!」

勇者(剣を横にして、ミイラ達の足に引っ掛けるようにして進む!!!!!)

ミイラ「「「ああああああああああああああああああああああ!!!!!」」」

ドシャドシャドシャドシャ!!!!

勇者(どうやらさっきの三体の攻撃モーションから考えるに、ミイラの攻撃方法は毒を塗った歯と手によるものが殆どだ!!)

勇者(軽い自体をしっかり支えるため、足による攻撃は無い!!)

勇者(だから、こういう風に足をなぎ倒すようにしゃがんで攻撃すれば責めも守りも同時に叶う!!)

勇者「っっっだあああああ!!!!!!」


ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ!!!!!!!!!!


ミイラ「「「ああああああああああああああ!!!!!」」」

ドシャァッ!!!!

パラパラ……

勇者「はぁっ!!はぁっ!!」

勇者「よし!!ミイラの群が途切れたぞ!!」

勇者(次またミイラの群に遭遇したらまた同じ手だ!!!!)

勇者「ははは……!!!!」

勇者「我ながら!!!!すごいセコい!!!!」どぎゃーん

…………
……

765 = 1 :

ドガァァァァ……


イシス勇者「…………何か、凄い音が聞こえてきますね」

武道家「…………」

イシス勇者「…………」

武道家「…………」

イシス勇者「…………完全ではないですが……段々、手足の痺れが治まってきました」

イシス勇者「……エルフの薬草って、凄いんですね」

スクッ

イシス勇者「……………………僕は行きます……」

イシス勇者「…………彼の所に、行かないと…………」

イシス勇者「………………あんな事言ってたけど…………やはり、不安です……」

イシス勇者「……死なれたら、オルテガ様に…………顔向けもできませんしね」

武道家「…………ねぇ」

イシス勇者「はい?」

武道家「アンタ…………魔物を強く憎んでる人間を、仲間にしたかったんだよね」

イシス勇者「…………はい」

武道家「それだったらさ、私達の中で…………一番の適任者は、アイツよ?」

イシス勇者「…………え?」

武道家「…………私達、全員魔物の事憎んでるけどさ」

武道家「多分、アイツが…………一番魔物を憎んでる」

武道家「それこそ、私達の理解が及ばないくらいまで」

イシス勇者「…………」

武道家「…………そして、さっきアンタが言ってた、勇者が努力してないって事」

武道家「……あれも間違ってるわ」

イシス勇者「…………」

武道家「…………多分、私達の中で、一番血反吐を吐くような思いをして、努力してるのはアイツ」

武道家「……………………他の誰に言っても信じないけれどね…………」

武道家「私達幼馴染は…………全員知ってるわ」

武道家「アイツは………………………………本当は凄い奴だって」

武道家「……………………分かってたんだけどな」

武道家「………………………………いつの間にか、自分の偏見ばっかで…………」

武道家「ちゃんと…………アイツを見てあげてなかったのね…………」

武道家「勇者が強くなってく事…………認めてあげなかったのは……」

ポロッ

武道家「一番、自分に捉われて、変わってたのは、私だったんだ……」ポロポロ……

766 = 1 :

イシス勇者「……………………」

武道家「…………」ポロポロ

グシッ

武道家「…………っ…………」

武道家「…………はぁ…………」

イシス勇者「…………僕は」

イシス勇者「僕も……………………色々見えてなかった…………みたいですね」

イシス勇者「……………………」

イシス勇者「…………彼の」

イシス勇者「彼のところに行って、謝らないといけません」

イシス勇者「…………」

イシス勇者「み、認めたわけじゃ…………ない、です、けど」

イシス勇者「…………でも、行かなきゃ」

武道家「…………」

スクッ

武道家「…………私もよ!」

武道家「アイツのとこに行かなきゃ!」

武道家「…………仲間だもん!!」

…………
……


767 = 1 :

――――――――――――

オォォォオォォオオォォ…………

勇者「はぁ…………はぁ…………」

勇者「ここが二人の言ってた地下への道か…………」

チラッ

オォォォオォォオオォォ……

ミイラ「「「「あぁあぁぁぁぁあああぁ!!」」」」

勇者「…………っ」

勇者(やっぱり地下にもいっぱいミイラがいるな……)

アァァァアア……

勇者「!!!!」

クルッ!!

勇者「…………!!!!」

ミイラ「「「ああああああああああああああ!!!!!!」」」

勇者「後ろからも、またミイラが……!!!!」

勇者(…………マントも、もう随分ボロボロだ)

ジャキッ

勇者(………………毒を受けても……)

勇者(しばらくすれば、誰か駆けつけてくれるか…………それに賭けるしかないか?)

ミイラ「あぁああああああああああ!!!!!」

勇者「っ!!!!!」

勇者(考えてる暇は無い!!!!)

勇者「っ…………っしゃあっ!!!!」

ダッ!!




ドガァァァァ!!!!!





勇者「えっ?」ピタッ

ドガァァァァアァァァ!!!!

ミイラ「「「「あぎゃあああああああああああ!!!!」」」」

勇者「…………後ろのミイラが、どんどん倒れて…………」

勇者「っ!!!!まさか!!!!」


ドシャァァッ!!!!

「勇者っ!!」「勇者君!!!!」


勇者「!!イシス勇者君!!武道家!!!!」

768 = 1 :

武道家「大丈夫!!?」

イシス勇者「怪我は無いですか!?」

勇者「二人こそ!!毒は!!?」

武道家「まだ完全に治ったわけじゃないけど……なんとか、動けるわ」

勇者「そっか…………良かったよ!」

勇者「それに、二人もあのミイラの倒し方、思いついたんだ」

イシス勇者「はい。君の通った跡の倒れたミイラ達が足を負傷してるのを見て…………」

勇者「はは、馬鹿正直に戦わずにあのやり方をしないと毒を受けちゃって、それで負けちゃうからね」

勇者「まぁ、セコいやり方だけど…………」

イシス勇者「…………そんな事ありません」

勇者「え?」

イシス勇者「あの切羽詰った状況で、すぐにそんな考えが浮かぶなんて…………僕は全然浮かばなかった」

イシス勇者「まぁ、弱い君だからこそ、思いつく事なんでしょうけど…………ね」

イシス勇者「…………じゅ、十分…………凄いです…………よ?」

勇者「…………」ポカーン

イシス勇者「な、なんですか」

勇者「い、いや、なんでもないよ」

ミイラ「「「「ああああああああああああああ!!!!!!」」」」

勇者「!!」

勇者「…………二人とも、うかうかしてられないみたいだ」

イシス勇者「はいっ」

勇者「早く地下に……」

武道家「…………ゆ、勇者」

勇者「!!」ピタッ

769 = 1 :

勇者「どうしたの?武道家」

武道家「…………」

勇者「…………?」

武道家「あ…………あの…………」

武道家「…………今まで…………ごめん」

勇者「え?」

武道家「……………………」

武道家「…………ア……アンタに」

武道家「アンタについていかせて…………?」

勇者「…………!!!!」

武道家「わ…………私に、アンタを守らせて…………!」

武道家「……そして………………わ」

武道家「……………………私も…………守って…………?」

勇者「…………」

武道家「…………っ…………」

勇者「…………当たり前だよ」

武道家「…………!!」

勇者「武道家……………………これからも、よろしく」ニコッ

武道家「!!!!…………う……」

ニコッ!!

武道家「うんっ!!!!」

770 = 1 :

-ピラミッド・最下層・王の棺への道-


オォォォオォォオオォォオォォォオォォオオォォ……!!!!


ミイラ「「「「あああああああああああああああああああああ!!!!!」」」」


ズザァッ!!

勇者「よし!!!!それじゃ二人とも!!無理はしちゃだめだよ!!!!」

武道家「うん!」

イシス勇者「こっちのセリフですよ……!!」

勇者「よし!!突撃だぁっ!!!!」


ミイラ「があああああああああああっ!!!!!」


武道家「だあぁぁぁぁああぁぁっ!!!!」

イシス勇者「りゃああああああああああああっ!!!!」

勇者「らあああああああああああああああああ!!!!!」


ズガガガガガガガガガガァッ!!!!!!

ミイラ「「「「「あぎゃあああああああああああああああああああ!!!!」」」」」

ドシャドシャドシャドシャドシャドシャドシャドシャ!!!!

ミイラの群を倒した!!

ザンッ!!

勇者「っしゃ!!この調子だ!!」

武道家「気を抜いちゃ駄目!まだ半分も行ってないわ!!」

イシス勇者「ですね……!!それに」チラッ

ボコボコボコボコボコ!!!!

ミイラ「「「「ああああああああああああああああああああああ」」」」

イシス勇者「…………王の棺が近いからか、どうやらミイラの数が多くなってるみたいです」

武道家「……爪を返して欲しいのか、返して欲しくないのかどっちなのよ……」

勇者「盗んだの君達だろ」

イシス勇者・武道家「「…………本当にすみません」」

勇者「とりあえず、早く返しちゃおう」

ミイラ「ああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!」

勇者「っらぁぁっ!!!!」

ザンッ!!!!

ミイラ「ぐぎゃあああっ!!!!」

ドサァッ!!!

勇者「…………王様たちに謝るのは、その後だ!!」

771 = 1 :


ミイラ「「「「があああああああああああああああああああああああ!!!!!」」」」


武道家「だりゃあああああああああああああああああ!!!!」

イシス勇者「っっあああああああああああああああああああ!!!!」

勇者「がああああああああああああああああああ!!!!」


ドガガガガガガガァッ!!


ミイラの群を倒した!!

武道家「はぁっ……はぁ……ゲホッ!!」

勇者「!!武道家!!?大丈夫か!!?」

武道家「ごめん、大丈夫よ……!!少し、さっきの毒に体力を奪われすぎたのね……」

イシス勇者「はぁっ……はぁっ……!!同じく、です」

勇者「無理はしちゃ駄目だよ?」

武道家「はは……アンタこそ、ね」

勇者「うん、分かってる。でも……この調子で行けば……」

ボコッ!!

勇者「…………?」

ボコボコボコボコォッ!!

武道家「…………何」

ボコボコボコボコォッ!!

武道家「…………」


「「「「アァァァァァァァァァ……」」」」


武道家「…………何なの、あのミイラ達……?」

772 = 1 :

「アァァァァァァァァァ…………」

勇者「…………あのミイラ達、様子が変だね」

武道家「ええ…………包帯の色や佇まいが違うわ……」

「アァァァアアァァッ!!!!!」

ヒュンッ!!!!

勇者「っ!!!?」

ガキィッ!!

「アァァァッアアァァッ!!」

勇者「……っ!!」

ギリギリギリギリギリ!!!!

勇者(力もこれまでのミイラ達に比べて段違いだ……!!!!)

勇者「っだぁぁ!!!!」

ガキィン!!!!

勇者「りゃぁぁあっ!!!!」

ズバァッ!!!!

勇者「だぁぁっ!!!!」

ズバァァッ!!!!

「ガァァァアアァ!!!!」

ドシャァッ!!

ミイラ?を倒した!!

武道家「勇者!!大丈夫!?」

勇者「2人とも、気をつけるんだ。コイツらは普通のミイラじゃない!」

武道家「見てて分かったわ。……数は多いわけじゃないけど厄介ね…………」

「「「「「アァアアアアアアアアアアアアアアアアア…………」」」」」

勇者「…………コイツらは、一体……」

イシス勇者「…………そうだ」

勇者「へ?」

武道家「何か心当たりがあるの?」

773 = 1 :

イシス勇者「はい…………昔イシス城の書庫で、ピラミッドについて学んだ時に……」

イシス勇者「…………今まで僕らが戦ってきたミイラ達は、ただの従者達が死蝋化した物でした」

イシス勇者「ですが、あれは恐らく違います。あれは…………前王附属の武官達です」

武道家「御附武官?」

イシス勇者「はい…………分かりやすく言うと、幹部や側近……それも、戦闘に長けた者達」

勇者「…………なるほどね」

イシス勇者「ピラミッド建設の際に先頭を取り仕切っていた者達だったらしいです」

勇者「どうりで包帯も高価な物なワケだ。それに、綺麗に死蝋化してる」

イシス勇者「えぇ。丁重に死蝋処理され、王の近くに埋葬されたと聞きます」

イシス勇者「そして…………王の宝をずっと守り続けている」

イシス勇者「彼らのミイラの事を、下級の従者のミイラと区別するために、こう呼んだそうです」

イシス勇者「…………“マミー”」

勇者「…………マミー」

武道家「はは……名前だけは可愛らしいのね」

マミ「「「「アァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!」」」」

武道家「……………………名前だけは、ね」

774 = 1 :

イシス勇者「とりあえず…………奴等を倒さなければ!」ジャキン!!

ダッ!!

イシス勇者「りゃあああああああっ!!!!」

ズバァァァッ!!!!

マミ「アアアアアアアアアアアアッ!!!!!」

ドシャァッ!!

武道家「ぜあああああああああああっ!!!!」

ゴッシャァッ!!!!

マミ「アアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」

ドシャァッ!!!!

勇者「らああああああああああああああ!!!!」

ズバァァァッ!!!!

マミ「アァァアァアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」

ドシャァッ!!

マミーの群を倒した!!

イシス勇者「よし…………!!倒せない数ではありません!」

勇者「そうだね……でも油断しちゃいけないよ!」

イシス勇者「君こそ、僕達の足を引っ張らないで下さいよ?」

勇者「ははっ!努力するよ……だあぁぁっ!!!!」

ズバァァァッ!!

マミ「ギャアアアアアアッ!!!!」

ドシャァッ!!

武道家「はあっ!!!!!」

ゴシャァァアァッ!!!!

武道家「はぁ……はぁ……」

武道家「…………!!勇者!イシス勇者!アレ!」

イシス勇者「!!よし!段々棺のある部屋が見えました!」

イシス勇者「後は、急いであそこに黄金の爪を戻せば――――……」

ダッ!!



―――――ズキンッ!!


イシス勇者「……――――っ!!」

イシス勇者(……体に、残った毒が……!!)

775 = 1 :

武道家「!!!!イシス勇者!!危ない!!」

イシス勇者「え?」


マミ「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!」

イシス勇者「!!!!」

イシス勇者(三体…………一度に…………)

イシス勇者(し、しまっ…………)

ガバァッ!!!!

イシス勇者「…………―――――――――!!!!」

イシス勇者(よけられ、な……)

武道家「っ!!!!」



ズギャアァッ!!!!



イシス勇者「……――――!!!!」

イシス勇者「…………」

イシス勇者「……?」

イシス勇者(…………え?)


マミ「アァァァァァァァァァ…………!!!!」

マミー2「アァァァアァァァァァァァァァ!!!!」

マミー3「ガアアアアアアアアアアアアア!!!!」


勇者「……ぎ……がはっ…………!!!!!」ギリギリ……!!


イシス勇者「…………ゆ、勇者、くん」

776 = 1 :

勇者「…………っ!!!!」

勇者「がああああああああああああああっ!!!!」

ザンッ!!!! ザァンッ!!!!

ザァァン!!!!

マミ「アギャアアアアッ!!!!」

マミー2「ギアァァアアアアァ!!!!」

マミー3「アギャアアアアアアアアア!!!!」

ドシャァッ!!!!

マミーの群れを倒した!!


武道家「くっ……………………おりゃぁあっ!!!!」

ゴシャァッ!!!!

マミ「アァァァァァァァァァ!!!!」

ドシャァッ!!!!

武道家「勇者ぁっ!!!!」ダッ!!


勇者「かはっ……!!!!」ビチャ……

武道家「勇者!!大丈夫!!?」スタッ

勇者「はは、……大丈夫だよ!これくらいっ」

武道家「大丈夫って……凄い深い傷……!!毒は!!?」

勇者「う、ん。毒は……無いみたいだ……はは」

武道家「よ、良かった…………」

スクッ

武道家「…………」

マミ「アァァァァァァァァァ!!!!」

武道家「…………勇者に何てことしてくれるのよ…………!!」

ダッ!!!!

武道家「だあああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」

ドカァッ!!!!  ズシャァァァアァッ!!!!


勇者「はは…………いづっ!!!!」

イシス勇者「な…………な」

勇者「……だ、から言ったろ?……油断するなって」

イシス勇者「な、なんで…………」

勇者「え……?」

イシス勇者「なんで…………僕を」

777 = 1 :

イシス勇者「なんで僕を助けたんだ…………」

イシス勇者「もし、もし毒があったらどうするつもりだったんだ!!!!」

勇者「…………」

イシス勇者「なんで…………」

イシス勇者「…………なんで…………あんな酷い事した、僕の事を…………」

イシス勇者「君の事…………嫌って、酷い事も……したのに…………!」

勇者「それも、言ったろ?」

イシス勇者「……え……?」

勇者「…………さっき、言ったよ」

イシス勇者「…………」

イシス勇者「…………あ…………」

勇者「…………二回も言うのは…………流石に恥ずかしい、けど」

勇者「……僕は、君を……それほど、嫌いじゃないし……」

勇者「………………」

勇者「…………君は、守るさ」

イシス勇者「……………………」

勇者「………………って、男に言われたら、気持ち悪いか」タハハ

勇者「実質、君を守れる……立場でもないしね」

勇者「…………でもさ」


マミ「アァアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」

マミ「アァアァアアァァアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」

イシス勇者「!!!!」

イシス勇者(次は二体同時に――――……!!)


ゴシャァアッ!!!!

イシス勇者「!!!!」


マミ「ギ…………ガギギ…………!!!!」

マミ「アァアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」

ビチャビチャッ!!

勇者「…………こういう時……っ!!!!」

勇者「僕でも…………少しは…………役に立つんだよ…………っ!!!!」ギリギリ!!

778 = 1 :

イシス勇者「勇者くんっ!!!!」

ズバァッ!!!! ズバァァァッ!!!!

マミ「「アギャアアアアアアアアア!!!!」」

ドシャドシャ!!!!

マミーの群れを倒した!

勇者「がぁっ……!!!!」

ガクッ

イシス勇者「勇者くん!!」

ガシッ

勇者「っ……あ、ありがと」

勇者「はは……!言ったそばから守られてる、し」ハハハ

イシス勇者「…………!!!!」

ヨロッ

勇者「…………もう、毒は大丈、夫?」

勇者「無理そう、なら、少し休ん、で」

イシス勇者「………が…とう」

勇者「え?」

イシス勇者「…………」

イシス勇者「…………り……がとう」

勇者「!!!!??」ギョッ

イシス勇者「…………っ」

イシス勇者「あり……がとう……!!」

イシス勇者「ご…………」

イシス勇者「ごめん……ごめん……!!!!」

779 = 1 :

勇者「…………イシス勇者君……」

イシス勇者「僕…………僕……」

ギリッ

イシス勇者「…………僕は…………あんな…………」

勇者「…………」

勇者(…………)

勇者「はっ」

勇者(い、意外すぎて意識飛んでた)

イシス勇者「僕はっ…………僕は…………」

勇者「あはは…………全然、いいんだよ……あれくらい」

勇者「…………ただ…………」

ザッ!!

勇者「っ…………だああああああああああっ!!!!」

ザァンッ!!ザァンッ!!

マミ「ギャアアアアアアッ!!!!」

ドシャァッ!!

イシス勇者「!!!!」

イシス勇者(僕の後ろに…………)

イシス勇者(また…………守られたのか…………)

勇者「そういう、話は、あとにしよう」

勇者「…………行こう!イシス勇者君!!」

イシス勇者「…………」

ザッ!!

イシス勇者「…………はい!!」

780 = 1 :

ズガガガガァッ!!

ドシャァッ!

武道家「はぁっ!!はぁっ!!」

武道家「…………」

武道家(もう少しで…………辿り着くのに……!)

マミ「「「アアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」」」

武道家「…………っ」

武道家(この数のマミー達……!)

武道家(今の私の体力じゃ流石に、一気に片付けるのは難しい……)

武道家(どうする…………)

武道家(…………)

ギュッ!!

武道家(…………私が)

武道家(私が突っ込んで…………囮になれば…………!)

マミ「アアアアアアアアアアア!!!!」

武道家「っ!!」

武道家(やるしか無いっ!)

ダッ!!

武道家「えっ?」


勇者「だらああああああああああああああああ!!!!」

武道家「勇者!?」

マミ「アギャァァッ!!」

ズガガガァン!!

勇者「武道家!」

武道家「ゆ、勇者、アンタ!」

勇者「提案が……あるんだ!」

武道家「え?」

勇者「僕が……僕と、イシス勇者くんが、マミーを、食い止めて、道を作る!」

勇者「武道家は、持ち前の速さで、それを掻い潜って…………棺の所に行って」

スッ

勇者「この、黄金の爪を、返してきてくれ……!」

武道家「…………え…………」

781 = 1 :

イシス勇者「僕も、それが良いと判断しました」

武道家「ゆ、勇者が囮に…………?」

勇者「…………武道家」

武道家「…………」

勇者「…………僕には、武道家みたいな素早さは…………無い」

勇者「僕は、僕に……できる事を……やる」

勇者「だから……お願い」

武道家「…………」

勇者「…………」


――――――――――――


武道家『アンタ、馬鹿よ!!!!』


――――――――――――

勇者(…………やっぱり……ダメか)

武道家「…………勇者」

勇者「え?」

武道家「…………黄金の爪、任されたわ」

パシッ

勇者「…………武道家!」

武道家「…………」

武道家「私を…………」

武道家「私を…………ちゃんと…………」

ニコ……

武道家「…………―――――守ってね」

勇者「……っ!」

勇者「あぁっ!任せろ!!」

…………
……


782 = 1 :

――――――――――――

-ピラミッドの入り口・イシスの砂漠-



ジリジリ…


戦士「…………なぁ」

勇者「…………どうしたんだい」

イシス僧侶「…………聞きたいことは分かるよ。戦士ちゃん」

商人「えぇ」

イシス戦士「…………」

僧侶「…………」

盗賊「…………」

イシス魔法使い「…………なんで私達がここにいるか…………よね?」

遊び人「…………それはね」

イシス戦士「…………」プルプル



魔法使い「…………も、もうしわけなひ」



イシス戦士「このアホのせいだ!!!!」

魔法使い「ご、ごめんなさいぃぃい!!」

783 = 1 :

イシス魔法使い「こら、イシス戦士。怒らないの」

勇者「…………」

チラッ

勇者「……私達、あそこから落ちたんだね」



――――――――――――

-ピラミッド・屋上-

ザッ

勇者『…………行き止まりか』

イシス僧侶『と、いうか…………頂上に出ちゃいましたね』

戦士『おおお、高いな』

商人『結局地下への道は何にも無かったですね』

イシス魔法使い『うーん……あの穴に直接飛び込まなければならないのかしら』

盗賊『……かもね……』

イシス戦士『では一階に戻るか?』

僧侶『そうですね……武道家ちゃんとイシス勇者君、大丈夫でしょうか』

遊び人『…………ってかさ』


ぎゅう……

遊び人『みんなで階段昇ってくることなかったんじゃない?』

勇者『た、確かにキツイね…………』

戦士『そんじゃ、戻るか……』



『あ―――――!!!!』

戦士『へ?』

タッタッタッ……

魔法使い『みんなぁ―――――っ!!!!』

ガバァッ!!


一同『『『『『  え  』』』』』

魔法使い『ほぇ』

ヒュゥゥゥゥ……

――――――――――――

勇者「…………なんて間抜けな話だ」

784 = 1 :

魔法使い「ご、ごめんねぇっ」アワアワ

イシス魔法使い「いいのよ、みんな怪我が無かったんだから」

商人「魔法使いちゃんのアホアホ。戦士ちゃんよりアホー」

戦士「おうコラ」

勇者「それより、どうしたんだい?魔法使いちゃん」

僧侶「勇者くんはどうしたんですか?」

魔法使い「あぁっ!!!そ、そうだよ!たいへんなのっ」

盗賊「……お、落ち着いて?……」

遊び人「どうしたの?」

魔法使い「ゆーしゃもちかにおちちゃったの!!」

一同「「「「「っ!!!!」」」」」

僧侶「そ、それはっ!!大丈夫なんですか!!?」

魔法使い「う、うん…………とりあえずは………こえのとどくところにおちたみたいだったし」

商人「何か言ってました!?」

魔法使い「“ドンタコスッ!!!”っていってた……」

戦士「何言ってんだアイツ」

勇者「とりあえず、その穴の所に行こう!!」

イシス僧侶「そ、そうだね!」

785 = 1 :

魔法使い「わ、わたしについてきてね!!」

勇者「ああ!はやく行こ…………」


ゴリゴリッ!!

勇者「…………?」

魔法使い「…………なんのおと?」

僧侶「…………あ!!」

イシス魔法使い「どうしたの!?」

僧侶「そ、そこ!!」

商人「そこ?」

僧侶「あの石畳が!!動いてます!!」

遊び人「!!ほんとだっ!!」

戦士「…………まさか!!!!」

ダッ!!


ガシッ!!

戦士「だぁっ!!」

ブンッ!!

ドサァッ!!

「うわぁ!びっくりした!!」

戦士「……!!やっぱり!!」

戦士「武道家!!」

イシス僧侶「イシス勇者様!!!!」

786 = 1 :

ザッ

武道家「みんな!!良かった……やっぱりここが出口だったんだ!」

イシス勇者「皆さんもご無事でしたか!!」

勇者「良かった!!!!無事だったんだね!!」

魔法使い「ゆ、ゆーしゃは!!?」

武道家「あぁ、勇者は……」

ザッ

「…………ごめん、ごめん、包帯返すのに…………手間取ってさ…………あれ?」

魔法使い「!!!!」

盗賊「……勇者!……」

僧侶「勇者くんっ!!」

勇者「なんで…………皆も?」

魔法使い「…………ゆ」

ダッ!!

魔法使い「ゆーしゃぁっ!!」

勇者「わぁっ!!?」

ギュウゥゥゥ

魔法使い「よかった…………よかったよぉ!!!!」

勇者「ちょ、魔法使い…………!!くるしい……!!くるしいって!!」

ムニュムニュ

勇者(胸がっ!!胸があたる!!)

盗賊「……!!……」

僧侶「ま、魔法使いちゃんっ」


グイッ

魔法使い「ふぇ?」

武道家「…………だ、ダメよ」

勇者「武道家……」

武道家「ゆ、勇者は疲れてるんだから…………ぎゅってしちゃダメ」

魔法使い「…………武道家ぁっ!!」

武道家「わぷっ!」

魔法使い「武道家もぶじでよかったよぉー!!」ビエェン

武道家「魔法使い…………」

ムニュムニュ

武道家「…………」

武道家(なんか複雑…………)

787 = 1 :

勇者「ところで、地下で何してたんだい?」

武道家「大変だったわ。色々とね」

イシス勇者「えぇ。ですが、勇者君のおかげで全て助かりました」

チラッ

勇者「――――。――――」

イシス勇者「…………彼は……凄い人ですね」ポーッ

勇者「えっ」

戦士「えっ」

イシス僧侶「ふぇっ」

イシス魔法使い「あら」

イシス戦士「」

イシス勇者「え、え?どうしました?」

勇者「い、いや…………」

戦士「なんでも…………ない、ぞ」

イシス勇者「?」

僧侶「それよりも皆、怪我はありませんか?」

武道家「私は大丈夫よ。それより、勇者を診てあげて」

イシス勇者「僕も勇者君のおかげで怪我はありません。だから勇者君を診てあげて下さい」

勇者(なんだろうこの豹変ぶり…………)

戦士(…………なんか気味が悪いな……)

僧侶「勇者くん大丈夫ですか?」

勇者「え?ああ僕?」

勇者「うん、全然大丈夫だよ。傷は……割と、深い、けど」

勇者「全然…………」

勇者「…………このくらい…………」

勇者「……………………かすり傷…………」

ドサァッ!!

788 = 1 :

僧侶「!!!?勇者くんっ!!!?」

ダッ!!

イシス僧侶「……っ!?」

勇者「はぁっ……!!はぁっ……!!」ゼェゼェ

イシス僧侶「肌が変色してる……まさか、毒!!?」

イシス勇者「!!!!?」

武道家「!!!!」

武道家(やっぱり…………!!!!マミーの体にも、毒が……!!)

武道家(勇者、ずっと我慢してたんだ!!!!)

ダッ!!!!

イシス勇者「勇者くんっ!!!!」

武道家「勇者ぁ!!!!」

ザッ!!

勇者「…………っ…………!!」ハァハァ

武道家「勇者!!しっかり!勇者!!」

イシス勇者「勇者くんっ!!勇者くん!!」

イシス魔法使い「落ち着いて!!多分毒を受けてるわ!!動かしちゃダメ!」

僧侶「毒!!?」

魔法使い「ど、どうすればいいの!!!?」

イシス僧侶「落ち着きなさいっての!!イシスに行けばこの毒の血清が――――……」

…………!!……!!…………!!

勇者「…………っ…………!」ゼェゼェ


―――――――――君は


勇者「……っ…………」ゼェゼェ

勇者(…………あれ)

勇者(あれは…………誰に言われた言葉、だったっけ…………)

…………
……

789 = 1 :

――――――――――――
…………


勇者『ねぇ、サイモンさん』

サイモン『どうしたんだい?勇者君』

勇者『なんで、ぼく、つよくなれないのかな』

サイモン『…………』

勇者『ぼく、これじゃ……とーさんとのやくそく、やぶっちゃう』

勇者『女勇者と、おかーさん…………武道家、戦士、魔法使い』

勇者『まちのひとたち…………ぜーいん、まもれないよ…………』グスッ

サイモン『…………勇者君』

勇者『?』

サイモン『君は、十分強いさ』

サイモン『君は、誰かを守りたくてそんな風に泣いている』

サイモン『さっきみたいに、いじめられても、彼等も守ろうとしている』

サイモン『…………これはね、凄い事なんだ』

勇者『…………でも』

サイモン『その気持ちがあるか無いかだけで…………全ては変わってくる』

サイモン『…………勇者君』

サイモン『君は、強いさ』

サイモン『その気持ちを…………忘れなければ』

サイモン『…………君は、誰よりも強い』

…………
――――――――――――

790 = 1 :


――――――――――――

-イシス城・宿屋-


勇者「…………ん」

勇者(…………夢…………)

勇者(…………ここは…………)

勇者(…………宿屋か)

ムクッ

武道家「あ……起きた?」

勇者「あれ、武道家」

武道家「…………良かった」

勇者「…………あ…………そういえば僕倒れちゃったんだっけ」

武道家「…………勇者」

勇者「え?」

武道家「…………マミーから…………毒受けてたの…………気付いてたんでしょ?」

勇者「!!い、いや、あの時は」

武道家「…………」

勇者「う……………………」

武道家「…………」

ギュッ

勇者「…………へ?…………武道家、手…………」

武道家「…………ばか」

勇者「…………」

武道家「……ばか……」

ギュウウ

武道家「ほんと…………ばか……」

勇者「…………」

ギュッ

勇者「…………ごめん」

791 = 1 :

武道家「…………」

勇者「…………」

武道家「…………」

勇者「…………」

シーン……

勇者「あ、あの」

武道家「…………どうしたの?」

勇者「え、えーと……み……皆が解毒してくれたの?」

武道家「……うーん……」

武道家「…………皆っていうか、イシス勇者が、ね」

勇者「えっ!?」

武道家「意外かもしれないけど…………勇者が倒れたら速攻ルーラでイシスに飛んで、猛ダッシュで医療所にアンタをおぶって走ってったわ」

勇者「そ、そっか…………失礼かもしんないけど、意外だね」

武道家「…………アンタの事、認めたみたいよ」

勇者「…………そか」

勇者「じゃあお礼言わないとね。イシス勇者君は?」

武道家「…………城でお説教中」

勇者「説教?」

武道家「アンタとの賭けが、女王様にバレたみたい」

792 = 1 :

――――――――――――

-イシス城・女王の部屋-

イシス「だから貴方はあれ程人の気持ちは考えなさいと―――――!!!!」ガミガミ

イシス勇者「ごめんなさい……ごめんなさい……!!!!」

――――――――――――


勇者「…………そ、そう」

武道家「まぁ、あの調子なら私達をもう誘って来ないでしょうね」

勇者「はは、そうだね」

勇者「はぁ…………でもピラミッドにも何も無しか…………魔法の鍵はどこに……」

武道家「え?あったわよ?」

勇者「え?」

ゴソゴソ

武道家「はい」

勇者「…………!!!!これは!!」

武道家「うん」

勇者は魔法の鍵を手に入れた!!!!

793 = 1 :

武道家「上の階を皆が探索してたら見つけたみたい」

武道家「なんでも、僧侶が仕掛けの謎を解いたらしいわよ」

勇者「僧侶が?」

武道家「うん。お城にいる子供達の面倒見てる時にイシス伝承の子守歌を聴いたらしいんだけど」

武道家「それがヒントになってるって気付いて、ぱぱっと解いちゃったんだって」

勇者「そうなんだ…………僧侶とその子供達にもお礼言わなきゃね」

スクッ

武道家「…………大丈夫?歩ける?」

勇者「うん!もう全然平気!皆は城にいるの?」

武道家「えぇ。アンタも呼ばれてるわよ」

勇者「え?僕も?」

武道家「うん。なんでも、迷惑をかけたお詫びに料理をご馳走したいって。イシス勇者が」

勇者「……………………失礼だけどなんか怖いね」

武道家「あはは、それだけ認められたって事よ」

勇者「でも、男性禁制なんじゃ……」

武道家「今日は二階で晩餐するみたい。アンタも、子供達も参加できるようにって」

勇者「!!」

勇者「…………はは、それじゃ。喜んでお呼ばれしようかな」

武道家「うん…………行こうか」

…………
……

794 = 1 :

-イシス・街中-

テクテク

勇者「ふあぁ…………すっかり夕方だね。もう涼しいや」

武道家「そう考えると、意外と時間かからなかったのね。ピラミッド」

勇者「だねぇ」

テクテク……

武道家「…………」

勇者「…………」

テクテク……

勇者「…………武道家?」

武道家「ふぇっ!?」

勇者「どうかした?なんだか元気ないよ?」

武道家「そ、そんな事っ」

勇者「…………」

武道家「…………ないと…………思うけど」

勇者「…………ふふ」

武道家「へ?」

勇者「ははは!うん、大丈夫みたいだね。元気はあるみたいだ。顔見れば分かるよ」

武道家「も…………もう!」

勇者「あはは!!」

スタスタ……

武道家「…………私、ね」

勇者「?」

武道家「…………私、前の、皆でワイワイやってた頃が…………一番好きだったの」

勇者「…………」

795 = 1 :

武道家「…………でも…………私、それが…………変わっちゃってたと思ってた」

武道家「あの時から…………少し、変わっちゃってたと思ってた」

武道家「皆の関係も、…………勇者も」

勇者「…………!」

武道家「…………でも」

クルッ

武道家「…………」

勇者「…………」

サァァァァッ……

武道家「…………違ったんだね」

武道家「勇者は、変わってなかった」

武道家「勇者は、頑張ってたんだね」

武道家「皆を、変わらずに、繋ぎとめようって」

武道家「…………頑張ってたんだ」

武道家「もう、十分…………強かったんだ」

勇者「…………武道家」

スタスタ……

勇者「…………武道家?」

武道家「…………ちょっと、胸…………貸してね」

コツン……

勇者「…………」

武道家「…………」

武道家「ふふ…………知らない間に、胸板も厚くなっちゃって」

勇者「あはは、そりゃあね」

武道家「……………………勇者」

勇者「…………ん?……」

796 = 1 :

武道家「…………」

武道家「…………」

武道家「ありがとう…………」

武道家「…………」

武道家「…………ありがとう…………勇者…………」

勇者「…………」

勇者「…………こちらこそ。いつもありがとう…………武道家」

797 = 1 :




商人「はいカットォォォォォー!!!!」



勇者・武道家「「っ!!!!!????」」


商人「全く……晩餐の準備が整ったから迎えに来て見ればなにを青春してんですかこの畜生どもめ」

武道家「しょ、商人!!!!いたの!!?」

魔法使い「わたしもいるよ!」

武道家「ま、魔法使い!!」

僧侶「…………ぶ、武道家ちゃん……いけませんよ?勇者くんにのっかかったら……」

武道家「僧侶までっ!!!!」

盗賊「……縄……」

武道家「盗賊まで!!って縄!?縄で何するつもりよ!!」

戦士「…………武道家」

武道家「せ、戦士!!」

スタスタ……

戦士「…………」

武道家「……な……何よ」

戦士「…………」

ポンッ

戦士「…………お前、熱でもあるんじゃねぇの?」

798 = 1 :

武道家「~~~~~~~~~っっ//////////」プルプル

戦士「ホラ、顔赤いぞ」

ダッ

戦士「あっ!!」

魔法使い「武道家ぁ!!」

武道家「うるさぁいっ!!!!皆のばかぁっ!!!!あほぉっ!!!!うわあぁぁぁん!!!!/////」タッタッタッ……

戦士「おい、どうした!!ボケにもツッコミにもキレが無いぞ!!やっぱ病気か!!毒の後遺症か!!」

商人「重要参考人が逃げましたよ!!ひっとらえて尋問です!!!!」

僧侶「み、皆足はやい!!」

盗賊「……皆、待って……」

タッタッタッタ……

勇者「ははは…………何やってるんだか」

勇者「…………」

勇者(…………こちらこそ)

勇者(こちらこそ本当に、ありがとう…………武道家)


…………
……

799 = 1 :

-イシス城-

勇者「…………さりげなく皆僕を置いていきやがった」

勇者(まぁ、いいけどさ…………門番にも話は行ってたみたいだし、難なく通れたから……)

スタスタ……

勇者「…………しかし、広いなぁ」

スタスタ……

勇者「それに綺麗だ…………なんだか…………」

勇者「……………………」

コツッ…………

勇者「…………僕一人が、この世界に取り残されたみたいだ…………」

勇者「…………」


ドクン


勇者(あれ…………?)

勇者(なんだろう…………僕…………ここに来たことあったっけ)

勇者「………………?」

勇者「なんだ…………この変な…………既視感…………」







ゾゾゾゾゾゾッ

勇者「っっ」

800 = 1 :

勇者「…………!!!!」

勇者(この気配!!この嫌な感じはっ!!!!)



スタスタ……

イシス勇者(勇者君はまだかな…………)

スタ……

イシス勇者「!」


勇者「…………あっちの方からだ!」


イシス勇者(勇者君だ!!)

イシス勇者「おーい、勇者く…………」

勇者「っ!!」

ダッ!!!!

イシス勇者「ん!?ど、どうしたんだい!!?勇者君!!?」

イシス勇者「おーい!」

タッタッタッ…………


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