元スレ勇者「ハーレム言うなって」魔法使い「2だよっ!」
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551 :
イシス勇者もここまで無理にヒロインたちを奪おうとしているんだから
明かされてない理由が何かあるんだろうな
552 :
ドラクエやったことないけどこのスレは面白い
553 :
>>549
知的で人徳もあるイシス勇者がなぜかそういう思考をしている、ということも考えてみると今後が楽しみになるんじゃないかな?
かく言う自分もイシス勇者にはかなりいらっときてるが
554 :
勇者も男の人に乱暴されかけてなかったか…?
555 :
乙
盛り上がってまいりました
556 :
憲兵とイシス勇者は…
憲兵がやられるな
557 :
勇者早く強くなってくれ!
558 :
――――――――――――
パラパラ……
勇者「武道家!!武道家!!」
シーン……
女勇者「大変だ……!!」
イシス僧侶「2人とも落ちちゃうなんて……!!」
勇者「早く行かなきゃ!!」
バッ!
遊び人「あっ!!勇者ちゃん!!」
ガシッ
勇者「!!?」
イシス戦士「待て」
勇者「イシス戦士さん!!?どうして止めるんですか!!早く行かなきゃ――――……」
イシス戦士「落ち着け!!!!!!」
勇者「!!」ビクッ!!
イシス戦士「…………」
スタスタ……
スッ
イシス戦士「…………」
コンコン
<コォン……コォン……
イシス戦士「…………やはり、深い」
559 = 1 :
勇者「だったら早く行かなきゃ!!!!」
イシス戦士「落ち着けと言っている」
女勇者「そうだよお義兄ちゃん!イシス戦士ちゃんの言うとおり落ち着いて!!」
魔法使い「そんなにせいちゃだめだよっ!」
勇者「っ…………ご、ごめん……」
イシス戦士「……どうやらイシス勇者様と武道家は地下に落ちたようだ」
戦士「地下…………か」
イシス戦士「……その落下した先で気を失っている可能性もある」
イシス戦士「今お前がここで飛び降りれば、二人の上に落ちてしまい怪我を負わせてしまう恐れもある」
勇者「!!」
イシス戦士「…………だが、地下はどうやら意図的に作られたものだ」
イシス戦士「他にも地下に通じる道があるはずだ。それを探そう」
勇者「…………そうだね。ごめん、取り乱しちゃって」
イシス戦士「構わん。私も心中穏やかではない」
イシス魔法使い「とにかく今は地下への道を探しましょう」
…………
……
…
・
560 = 1 :
―――――――――――
スタスタ……
武道家「…………」
イシス勇者「…………武道家さん、あまり先に進むと、また――――……」
武道家「うるさいって言ってるのよ……着いてくるな」
イシス勇者「ここで一人になっては危険です……お願いします」
武道家「私を無理矢理愛人にしようなんて言ってるバカに誰がホイホイ着いていくのよ」
イシス勇者「…………」
武道家「…………私はアンタとは別に出口を探すわ。じゃあね」
スタスタ……
イシス勇者「…………すみませんでした」
ピタッ
武道家「え?」
イシス勇者「……貴女を仲間にするのは諦めます」
武道家「!!」
イシス勇者「すみません、どうしても仲間になって欲しかったために手荒な真似をしすぎました……」
イシス勇者「元来、僕はそういう他人への采配が出来ないと皆にも叱られるのですが……」
イシス勇者「どうやら今回も盲目になりすぎて貴女を深く傷つけてしまったみたいだ」
ザッ
武道家「!!」
イシス勇者「…………本当に、申し訳ありませんでした」
561 = 1 :
武道家「ちょ、ちょっと……王族の人間が跪いて庶民に謝ってんじゃないわよ」
イシス勇者「いえ、謝らせて下さい。もう貴女を…………貴女方を無理にパーティに誘い込んだりしません」
武道家「わ、分かったから。分かったから立ちなさいよ……」
イシス勇者「はい…………すみません」
武道家「…………」
武道家(どうしたのコイツ…………いきなり謝るなんて)
武道家(まさか、罠?いや、でも本当に落ち込んでるみたい…………)
イシス勇者「…………ただ、黄金の爪は貴女にプレゼントさせて欲しい」
武道家「え?」
イシス勇者「黄金の爪は相当強力な武器と聴きます。あれがあれば貴女の、いえ貴女方の旅の強い味方になるでしょう」
イシス勇者「…………それを、どうか貴女に身に着けて欲しいのです」
武道家「…………何をたくらんでるワケ?」
イシス勇者「…………何も企んでなどいません」
スタスタ……
イシス勇者「ただ…………その代わりと言うのもなんですが…………これだけはお願いしたい」
ピタッ
イシス勇者「…………勇者君には、旅をやめさせて下さい」
562 = 1 :
武道家「…………!!!?」
イシス勇者「……これだけは、どうしても譲れないのです」
武道家「は……?いや、どうして……?」
武道家(コイツの目的は私達で、勇者に旅をやめさせるってのは私達を手に入れるためには邪魔だったからってだけじゃなかったの?)
武道家(でも、私達は諦めて、「勇者の旅はやめさせたい」?)
イシス勇者「…………お願いします」
武道家「ちょ、ちょっと待ってよ…………ちょっと意味が分からないわ」
武道家「アンタの目的は私達じゃなかったの?なんで勇者に旅をやめさせたいわけ?」
武道家「もしかして…………本当の目的はそれだったわけ?」
イシス勇者「いえ、貴女達を仲間にしたいと思ったのは本当です」
イシス勇者「ただ…………貴女達を諦めたとしても、こればかりは譲れない……申し訳ありません」
武道家「…………???」
武道家「ちょっと待って……混乱してきたわ」
武道家(なんで?勇者が旅を止めてコイツにどんなメリットがある?)
武道家(…………名誉を独り占め?いや、イシス勇者はもう十分勇者より名誉を得ている筈……)
武道家(それに、女勇者の旅については何も言ってない…………勇者だけ?なんで?)
イシス勇者「…………行きましょう」
武道家「ちょ、ちょっと待ってよ!」
イシス勇者「はい?どうしましたか?」
武道家「理由を聴かせなさいよ!そうじゃなきゃ納得できるものもできないわ!」
563 = 1 :
イシス勇者「…………」
武道家「勇者が旅を止めて、アンタにはどんなメリットがあるわけ?何が目的なの?」
イシス勇者「…………」
イシス勇者「……本当に申し訳ありません。それも、言う事ができないのです」
武道家「それじゃ納得なんてできるわけないじゃない!」
イシス勇者「…………」
武道家「ちゃんとわけを言いなさいよ!そしてそんなのは本人に――――……」
イシス勇者「でも、実際……貴女も少し思う所があるのではないですか?」
武道家「っ!!!!」
イシス勇者「…………実のところ、勇者君には旅をやめてもらいたいんじゃないのですか」
武道家「そ…………そんな事……!!」
イシス勇者「貴女はどうやら仲間に対してとても思慮深いお人の様だ」
イシス勇者「そんな貴女が…………いつ死んでしまうかわからない、ルビス様の加護も無い勇者君を危険な目に晒しておきたがる筈は無いと思うのですが」
武道家「し…………」
ギュッ
武道家「知ったような口のききかたをしないでっ!!!!」
イシス勇者「……申し訳ありません。口が過ぎました」
武道家「…………し、質問に質問で返さないでっ……まずアンタが質問に答えなさいよ!」
イシス勇者「…………僕の方は、その質問にとある理由で答える事ができないのです」
武道家「そんなのって――――……!!」
564 = 1 :
イシス勇者「…………ある人の」
武道家「え?」
イシス勇者「ある人の…………頼みなのです」
武道家「…………」
武道家(ある人…………?)
イシス勇者「…………これ以上は申し訳ありませんが、言えません」
イシス勇者「……行きましょう」
スタスタ……
武道家「…………」
武道家「…………ある人……」
武道家「…………」
武道家(…………まさか……まさか)
武道家(…………いや、でも…………)
イシス勇者「武道家さん、早く行きましょう?」
武道家「…………」
スタスタ……
武道家「…………」
武道家(もし、そうだとしたら…………)
武道家(…………なんて残酷なのよ)
…………
……
…
・
565 = 1 :
――――――――――――
勇者「よし、じゃあまずは複数の手に分かれようと思う」
イシス魔法使い「えぇ。それがいいと思うわ」
戦士「なんでだ?皆で探したほうが早かないか?」
勇者「皆で塊になって行動してたら効率が悪いし、何より今みたいな事があったら全員が同じ窮地に陥っちゃうからね」
戦士「あー」
勇者「それに、何組かは上階を探索していて欲しいんだ」
遊び人「え?なんで?」
勇者「ここは王家のお墓だから、何か王家の遺品を隠すための仕掛けというかそういうものがあってもおかしくないと思うんだ」
イシス僧侶「うん。もしかしたら地下には何か王の遺品を隠していて、上の階にそこに行くための仕掛けがあるかもしれないからね」
勇者「そうだね。それに、一階は見た限り幾つもの辻が集まって出来ているような作りみたいだ」
勇者「これだったら少人数で探してもそんなに時間が掛かるわけではないと思う」
勇者「そして、何より時間の浪費が怖いんだ。砂漠は夜と昼の温度差が凄まじい。早く探索を終えないと皆の命も危うくなってくる」
女勇者「確かに…………それが賢明かもしれないね」
僧侶「でも、どうします?何人行動で動きましょうか?」
勇者「どうやら、さっきから遭遇する魔物を見る限りそんなに強くない様だし、なにより住み着いている数が少ないみたいだ」
勇者「だから、ここは二、三人で行動するのがいいと思う」
イシス戦士「……決まりだな」
魔法使い「だねっ!はやくふたりをたすけださないと!」
勇者「うん。どんな手がかりも見逃さないようにしよう!」
勇者(武道家……イシス勇者君……無事でいてくれよ……!!)
…………
……
…
・
566 = 1 :
――――――――――――
スタスタ……
武道家「…………出口、見当たらないわね……」
イシス勇者「…………武道家さん」
武道家「何よ」
イシス勇者「少し、探し物をしてもよろしいでしょうか」
武道家「は?ここで?」
イシス勇者「はい…………もしかすると、ここにあるかもしれない」
武道家「何バカ言ってんのよ!!こんな所にあるわけ――――……」
ゴツン
武道家「?」
武道家「何かしら、さっきから少し足にゴツゴツと…………」
イシス勇者「あっ!!いけません!!」
ヒョイッ
武道家「…………」
骸骨「」
武道家「に」
にぎゃああああああああああああああああああああ
567 = 1 :
イシス勇者「だ、大丈夫ですか!!?」
武道家「が、がいこ、おば!!お化け!!!!」アワアワ!!
イシス勇者「落ち着いて下さい!これはどうやら昔の従者達の骨です!」
武道家「じゅ、じゅうしゃ……?」
イシス勇者「はい。昔は王が亡くなる際にはその専属の従者達も後を追ったそうです」
イシス勇者「だけれど、同じ墓に入れるわけにもいけないのでピラミッドのどこかに躯を隠されたと聞きましたが…………」
ザッ
イシス勇者「どうやら、ここが…………その隠し場所の様ですね」
武道家「!!!!」
武道家(よく見たら……足元、骸骨とかミイラだらけ…………!!!!)
イシス勇者「僕はある国で黄金の爪の情報を仕入れた時、骸骨やミイラの群の中にその隠し場所はある、と聞きました」
武道家「じゃ、じゃあ早く探すわよ!!ちょっとここは私には色々と無理だわ!!!!」
イシス勇者「あははは、申し訳ありませんね」
イシス勇者「…………」
カツン
イシス勇者(…………おかしい)
イシス勇者(殆どの躯はイシスの従者用の衣服やアクセサリを身に着けたまま死んでいるけど……)
イシス勇者(ところどころに、旅人の様な格好の屍骸もある…………)
イシス勇者(…………何事も無いと良いけれど…………)
568 = 1 :
・
…
……
…………
ゴソゴソ
武道家「うぅ…………」
イシス勇者「武道家さん、休んでいて頂いてもいいんですよ?」
武道家「そういうわけにもいかないわよ…………私も黄金の爪は是非とも欲しいんだから」
イシス勇者「おや、受け取ってもらえますか」
武道家「そりゃあ、私も魔王に立ち向かうために強くなれるなら少しの可能性でも縋りたいからね」
イシス勇者「…………では」
ゴソ……
イシス勇者「…………勇者君の旅は……やめさせて頂けますか」
武道家「…………」
武道家「…………」
ゴソ
武道家「…………わかんない……」
イシス勇者「…………」
武道家「私は…………どうしたいんだろう……」
武道家「…………私は…………」
イシス勇者「…………」
イシス勇者「…………困らせて申し訳ありません」
武道家「…………」
イシス勇者「…………とりあえず」
ゴトォン
イシス勇者「この先で、爪を手に入れてから…………勇者君に話してみますよ」
569 = 1 :
武道家「!!」
タッタッタッ……
武道家「見つけたの!!?」
イシス勇者「正直眉唾モノの情報でもありましたが…………どうやら見付けたようです」
イシス勇者「…………地下の地下への、入り口ですね」
オォォォオォォオオォォ…………
武道家「…………嫌な空気が流れて来るわね」
イシス勇者「武王は地下に物を隠すのが好きと聴いていましたが…………ここまでとは」
武道家「そうなの?」
イシス勇者「ええ。イシス城に祀ってある星降る腕輪も地下に隠してあります」
武道家「難儀な嗜好ね…………」
イシス勇者「それだけ武具の力が強力という事ですよ」
ザッ
イシス勇者「…………それでは、入ってみましょうか」
武道家「……う……うん」
…………
……
…
・
570 = 1 :
スタスタ……
武道家「…………何?なんだか明るいわね……」
イシス勇者「光苔ですね。意図的に壁に植生させているようです」
武道家「あぁ、なるほどね」
イシス勇者「流石にここまでは光は行き届かないですからね。従者達がここを掘る際に作業用に生やしたのでしょう」
武道家「忠義な人達ね…………」
イシス勇者「…………ふふ」
武道家「…………何よ」
イシス勇者「いえ、普通に話して頂けるようになったなと思いまして」
武道家「…………アンタが馬鹿な事諦めたからね」
武道家「ギスギスいつまでひきずってもしょうがないでしょ。状況が状況だし」
イシス勇者「はは、まだいつでも大歓迎なのですがね」
武道家「冗談言うな。ぶっ飛ばすわよ」
イシス勇者「残念です」
スタスタ……
イシス勇者「…………武道家さんは」
武道家「え?」
イシス勇者「武道家さんは…………勇者君が好きなんですか?」
武道家「…………………………………………は?」
571 = 1 :
イシス勇者「いえ、愛人に大変な拒否反応を示しておられますし、勇者君を大切に思われてるみたいなので…………」
武道家「私が?勇者を?」
イシス勇者「はい」
武道家「…………ぷっ」
イシス勇者「?」
武道家「あはははははは!!私が勇者を好き?ないない!!あんなアンポンタン!」
イシス勇者「そ、そうなんですか?」
武道家「そうよ!あんな優柔不断な奴、面倒みるだけで精一杯よ」
イシス勇者「…………では、なぜあんなに……」
武道家「だから…………言ったでしょ?私は皆との今の関係が好きなの」
武道家「幼馴染の皆でつるんでる、この状況が好きなの」
武道家「勇者がいて、戦士がいて、魔法使いがいて、女勇者がいて」
武道家「盗賊がいて、僧侶がいて、商人がいて、遊び人がいて」
武道家「…………そして…………」
武道家「……っ……」
イシス勇者「?」
武道家「…………そこに、私がいる」
武道家「私が欲しいのは、それだけ」
武道家「…………それだけなの」
572 = 1 :
イシス勇者「…………」
武道家「…………私は、それを壊されたくないだけよ」
イシス勇者「…………しかし」
イシス勇者「では…………なぜ僕が勇者君を旅から離脱させる事には……真っ向から否定しないのです?」
武道家「…………」
武道家「…………」
武道家「…………それは…………」
イシス勇者「…………」
武道家「…………」
武道家「…………死なせたく、ないからよ」
イシス勇者「…………」
武道家「……旅を止めても…………いずれは、また会えるわ」
武道家「…………でも」
スタスタ……
武道家「…………死んだら」
武道家「……………………もう、会えないのよ」
573 = 1 :
イシス勇者「…………」
武道家「…………それだけ」
イシス勇者「……そうですか」
ザッ
イシス勇者「!!!!」
武道家「!!!!」
オォォォオォォオオォォ…………!!
武道家「…………これは」
イシス勇者「…………どうやら、着いた様ですね」
スタスタ……
武道家「…………」
イシス勇者「…………ここに……祀ってあるのが…………」
武道家「…………」
イシス勇者「…………」
スタスタ……
イシス勇者「…………これか」
ガチャッ
イシス勇者「…………おぉ……!!」
黄金の爪を手に入れた!!
574 = 1 :
イシス勇者「噂は本当だったんだ…………!!」
スタ……
イシス勇者「武道家さん。どうか…………身に着けてみて下さい」
スッ
武道家「…………!」
カチャ
武道家「…………これが」
パァァァ……
武道家「黄金の爪…………!!」
イシス勇者「…………どうですか?」
武道家「…………」
チャッ
武道家「…………ふっ!!」
フォンッ!!
イシス勇者「!!」
武道家「…………!!!!何これ…………!凄く軽い……!!」
イシス勇者「…………どうやら、噂に違わぬ名器だったようですね」
武道家「…………凄い、こんなに凄いものだとは思わなかった」
イシス勇者「良かったです。喜んでもらえたみたいで」
武道家「…………」
カチャ
武道家「…………まだ、貰うって……決めたわけじゃないわ」
575 = 1 :
イシス勇者「いえ、とりあえずそれは貴女に差し上げますよ」
武道家「え…………?いいの…………?」
イシス勇者「はい。どうかそれで―――――……」
ニコ……
イシス勇者「魔物達を……駆逐して下さい」
武道家「…………!」
イシス勇者「魔物達を全て駆逐するにはもっと強い人々が必要だ」
ザッ
イシス勇者「…………僕は、そのためならどんな協力も惜しみません」
武道家「…………アンタ」
イシス勇者「それでは、行きましょうか」
スタスタ…………
武道家「…………」
武道家(…………もしかして…………)
スタスタ……
イシス勇者「さて、次は出口ですね……まぁ黄金の爪よりは楽に見つかるでしょう」
武道家「…………」
スタスタ……
ザッ
イシス勇者「さぁ、ここから早く出てしまいましょう」
武道家「…………」
イシス勇者「……?武道家さん?どうしました?」
武道家「…………アンタさ」
イシス勇者「?」
武道家「…………ううん、やっぱりいいわ」
イシス勇者「そうですか?では、行きましょう」
武道家「…………」
576 = 1 :
カツカツ……
武道家(…………もしかしたら、コイツも――――……)
ザッ
イシス勇者「あぁ、やはり上の階の方が少し明るいですね」
武道家(…………まぁ……いいか)
イシス勇者「それでは、出口ですが……」
「……」
武道家「?何?」
イシス勇者「はい?どうしました?」
武道家「いや、今何か言ったでしょ?」
イシス勇者「いえ?僕は何も――――……」
「…………」
武道家「…………」
イシス勇者「…………」
バッ!!
武道家「…………」
イシス勇者「…………」
シーン……
武道家「…………何……今の呻き声」
イシス勇者「…………魔物……でしょうか」
武道家「それにしては…………何かおかしかったような…………」
577 = 1 :
ボゴッ
イシス勇者・武道家「「!!!!?」」
ボゴッ
ボドォッ
ボゴゴゴッ
イシス勇者「…………!!!!?」
武道家「な…………な…………!!!!」
ミイラの群「「「あぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃ!!!!!!」」」
武道家「な、何よこれぇ!!!!!」
578 = 1 :
イシス勇者「まさか…………!!!!王の呪い…………!!!?」
ガバァッ!!!!
ミイラ「あおぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!」
武道家「ひっ!!!!」
ボッ!!
ミイラ「ぼぁぇっ」
ボドボドッ!!
ミイラを倒した!!
武道家「な、何よ!!何なのよコレ!!!!」
イシス勇者「お、落ち着いて下さい!」
武道家「コレが落ち着けるわけないじゃない!!見なさいよ!!!!」
ミイラの群「「「「「あぁぁぁぁあぁあぁぁあ」」」」」
武道家「何よこの大群!!!!私達、囲まれてんのよ!!!!」
イシス勇者「…………!!!!」
579 = 1 :
バッ
ミイラ「あぁ”ッ!!!!!」
イシス勇者「っ!!…………だぁっ!!!!」
ザンッ!!!!
ボドッ!!
ミイラを倒した!!
イシス勇者「武道家さん!!どうやら一個体の力は然程無いようです!!」
武道家「…………」
チラッ
オォォオォォオォ
武道家(戻るにもミイラだらけ…………)
武道家「…………ってことは……!!」
ガバッ
ミイラ「あああああっ」
武道家「覇ァッッ!!!!」
ドボォォォッ!!!!!
ドサッ!!!!
ミイラを倒した!!
ボゴッ
ミイラ「ああぁぁぁぁああぁぁぁぁぁぁ!!!!」
武道家「…………耐久勝負ってわけね…………!!」
イシス勇者「…………そのようです…………!!!!」
…………
……
…
・
580 = 1 :
スタスタ……
魔法使い「ゆーしゃ!!なにかみつけた!!?」
勇者「いや、駄目だ…………怪しそうな所は何もないや」
魔法使い「うぅ――――……あせっちゃいけないのはわかってるんだけど、どうしてもあせっちゃうよぉ」
勇者「だね…………」
勇者(事実あれからしばらく時間が経ってる…………何事も無いといいけど……)
勇者(…………しかも、落ちたのは武道家とイシス勇者君…………)
勇者(不安だ…………喧嘩とかしてないかな…………)
魔法使い「ゆーしゃ?どうしたの?」
勇者「え?あ、いや、なんでもないよ」
勇者「とにかく早く探し出さなきゃね」
魔法使い「うん!そだね!」
勇者「それじゃ次はあっちを―――――……」
ガコォッ
勇者「ぷん?」
ヒュゥゥゥゥ……
魔法使い「ふぇ?」
クルッ
シーン……
魔法使い「…………ゆーしゃ?」
581 = 1 :
――――――――――――
ヒュゥゥゥゥ……
ドッ!!!!
勇者「ドンタコスッ!!!!」
パラパラ……
勇者「おぐぇ…………ぐふぅ…………」
勇者「…………うぇ…………?」
勇者「…………魔法使い?」
シーン……
勇者「…………!!!!」
勇者(そっか……僕も落ちちゃったのか)
スクッ
勇者「ここが……地下か……」
勇者「……っ!」
オォォォオォォオオォォ…………
勇者(…………)
<オーイ
勇者「!」
魔法使い「おーい!!ゆーしゃー!!!!」
勇者「魔法使い!!」
582 = 1 :
魔法使い『ゆーしゃ!だいじょうぶだったんだね!!よかったぁ!』
勇者「あぁ!僕は大丈夫だよ!!それより、僕の事は良いから皆と合流してくれないかな!!」
魔法使い『えぇー!?だめだよぉ!あぶないよ!わたしもいまおりるから…………』
勇者「わ―――――!!!!だめだめだめだめ!!!!降りてきちゃだめ!!!!」
魔法使い『なんでー?』
勇者「ほら、二人とも落ちちゃったら他の皆が心配しちゃうだろ!?だから皆と合流して伝えてくれないかな!!?」
魔法使い『でもぉー!』
勇者「それにここは魔物がいないみたいなんだ!エルフ女王様に貰った薬草もあるし大丈夫だよ!」
魔法使い『うぅ――――……わかった!!むちゃしないでね!すぐいくからね!』
勇者「了解!頼んだよ!」
勇者「…………ふぅ」
勇者「…………危ない危ない」
クルッ
勇者「……こんなの皆には見せられないよ」
オォォォオォォォ…………
勇者「こんな屍骸の山…………」
583 = 1 :
勇者「…………」
勇者(…………でも)
勇者(今武道家はこの地下にいるんだ…………)
勇者(……きっと、怯えているんだろうな)
勇者「…………」
ギュッ
勇者「待ってろよ……」
勇者(ちゃんと会って…………僕の考えを伝えるんだ……)
勇者(無事でいてよ…………)
…………
……
…
・
584 = 1 :
ドサァッ!!!!
イシス勇者「……ゼェッ!!……ゼェッ!!」
武道家「……ハァッ……ハァッ!!」
イシス勇者「……何とか……僅かですが……逃げられましたね……」
武道家「……ハァ……ハァ」
チラッ
ミイラの群「「「「あぁぁぁぁあぁあぁぁあ!!!!」」」」
武道家「……ハァ……ハァ…………でも」
イシス勇者「……ゼェ……はい…………ここが……見つかるのも…………時間の問題でしょう……」
イシス勇者「…………どこに……どこにいても追ってくるとは……」
武道家「……ハァ……ハァ…………数が…………数が多すぎるわ……!」
イシス勇者「…………そして…………一番想定外だったのが…………」
イシス勇者「…………ホイミ!!!!」
シーン……
イシス勇者「……呪文が…………使えない事です……!」
585 = 1 :
イシス勇者「…………何か…………特別な……不思議な力が働いているようですね……」
武道家「……それに……なんだか……体がおかしいの……」
武道家「ハァ……ハァ……気分が悪くて…………世界が回ってるみたい…………」
イシス勇者「……ゼェ……ゼェ…………僕もです…………」
イシス勇者「…………どうやら……奴らに…………毒を仕込まれたみたいですね……」
武道家「…………ハァ…………毒?…………ハァ……」
イシス勇者「おそらく…………あれらは……従者達の躯です…………」
イシス勇者「…………死しても尚…………墓を荒す侵入者を殺すために…………体に、毒でも塗っていたのでしょう…………」
イシス勇者「…………毒消し草…………持っていれば…………」
武道家「…………はは…………ここで…………死ぬのかしら」
イシス勇者「……………………ザオリクは…………魔物などの闇の力に奪われた…………命しか…………救えませんからね…………」
イシス勇者「………………これは……人間が作り出した…………毒のようですから…………」
イシス勇者「…………ゼェ…………絶体絶命ですね……」
武道家「はは…………こんな所で……死ぬなんてね…………」
イシス勇者「…………申し訳…………ありません…………僕が…………」
武道家「今更……何言っても…………しょうがないわよ…………」
イシス勇者「…………すみません…………」
武道家「…………」
ギュゥゥ……
イシス勇者「すみません…………すみません…………!!」
586 = 1 :
武道家「…………一つ…………一つだけ……聞かせて…………」
イシス勇者「…………なんでしょう…………」
武道家「…………ゴホッ!!!!」
ビチャッ!!
イシス勇者「武道家、さん!!!!」
武道家「ゼェ…………大丈夫……騒がないで…………」
イシス勇者「…………すみません…………」
武道家「……ハァ……ハァ」
イシス勇者「…………ゼェ…………ゼェ」
武道家「…………アンタに…………」
武道家「……アンタに……勇者の旅を…………」
武道家「アイツに、旅を…………危険な目に遭わせないように…………」
武道家「…………頼んだの……誰…………」
武道家「…………誰よ」
イシス勇者「…………」
武道家「…………」
イシス勇者「…………どうやら……その顔は、もうだいたい検討がついていらっしゃる……みたい、ですね……」
武道家「…………」
イシス勇者「…………はい…………」
イシス勇者「恐らく…………恐らく、貴女がお察しの通り…………」
イシス勇者「僕に…………その願いを託したのは…………」
ギュッ…………
イシス勇者「今は亡き…………オルテガ様です……」
587 = 1 :
今日はおしまいまい
寒いね
絵ですが、近々pixivか何かに登録してまとめようかなとか思ってます
588 :
あぁ……
589 :
乙
オルテガァ………
590 :
絵も楽しみにしてます
591 :
乙
悪い人なんておらんかったんや…
592 :
乙
絵も楽しみにしてます
父ちゃん…
593 :
いや、最初私事8割父ちゃんの頼み2割が
今父ちゃんの頼みに変わっただけだろ…
つまり、最初わ武道家をパーティーに入れたかっただけで所詮後付け
594 :
解せぬ
595 :
乙乙
そうか黄金の爪のフロアって呪文使えないんだっけ
ここ読んでるとドラクエ3やりたくなってくる
596 :
イシス勇者はあっけなく弱い奴がやられるのを見てきたってどっかで書いてあったな。
勇者にも死んでほしくなかったってのは本心だろう。
597 :
これは下げて上げるパターンでいい人そうに見えてるだけ
オルテガの頼みとか前半忘れてたろ
何良い雰囲気作っとるんやイシス勇者め
598 :
武道家入れた事ないから黄金の爪とったことないなー
599 :
流石にここにくるまでに好感度落とし過ぎたなww
600 :
乙
これでようやく予想やら要望やらが減って落ち着いてかけるだろうさ
みんなの評価 : ★★
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