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    元スレ上条「教育実習?」

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    751 :

    乙。

    >>750
    いや、エイワスとかいうチートがいるでしょ。

    752 :

    >>751
    仲の人が江言わすと同等またはそれ以上だろうからもうひっちゃかめっちゃかだよ
    いつかエイワスと上条さんが戦う日が来るのだろうか

    753 :

    >>752
    触れた瞬間きえるんじゃね?

    754 :

    >>1です。後編に入る前に少し取り巻きのことも書かせて頂きます。

    今回の決闘編では、自分なりに削板軍覇という男としっかり向き合えた気がします。
    では投下。

    755 = 754 :

    ーーー校舎ーーーーーーーーーーーー
    美琴「当麻っ!」バッ


    上条当麻が吹き飛ばされた瞬間、美琴は訳も分からず外へ飛び出した。校舎3階からの大ジャンプ。
    しかし美琴は磁力線を自分とグラウンド前にある金属ネットの間に形成し、磁力を調整しながら軽やかに網に乗り移った。
    張り付いた場所が2階の高さだったので、彼女は迷わずネットを蹴って地面へ着地した。


    美琴「いやっ!とうまっ!」タッタッタ

    美琴(もうこれ以上、アイツが傷つくところなんか見たくない!)


    これまでだって、ボロボロになってまで戦ってきた彼だ。今回だって再び立ち上がれば、またボロボロになるまで戦うに違いない。
    そんな姿、もう見たくはない。自分の――好きな人が傷つくところなど。


    ??「待てよ、お嬢さん」ファサァ

    美琴「!? アンタは…」ギロッ

    ??「おいおい、そんなに凄むなよ」

    美琴「…どういうつもりよ」ビリビリッ


    グラウンドに進入する寸前で、美琴の進路は白い翼で塞がれてしまっていた。ご存じ垣根帝督の能力だ。
    美琴が身体中から電撃を発生されても、その白には通用しない。


    垣根「いやよぉ、このままだとテメェがあの中に突っ込んでいきそうだったからな」

    美琴「始めからそのつもりよ!邪魔しないで!」

    垣根「ったく、分かってねえな。…おい心理掌握、テメェもだ」

    心理「くっ…!」キュイーン

    垣根「効かねえっての」カキーン


    走って校庭まで辿りついた心理掌握も、行く手を阻む垣根に対して精神面から干渉しようとしたが無駄だった。
    動かない上条当麻と動かざる垣根帝督。2人とも、己の無力さをまざまざと見せつけられる形になった。

    756 = 754 :

    美琴「なんで!?どうして止めるのよ!」グスッ

    心理「上条さんが、上条さんがぁ…!」ウルッ


    翼に行く手を阻まれ、自分の能力も通用しない。もうただの女子中学生となった2人には、泣いて少年に抵抗するしかない。
    しかし垣根は表情一つ変えない。むしろ呆れたようにため息をついた。


    垣根「これだからお嬢様は…」

    美琴「何がよ!」

    心理「もう、もう戦う必要なんて…」ウルウル

    垣根「まったくよぉ。要するになぁ…」


    垣根「男同士の戦いに、女が割って入るんじゃねえ、ってことだ」

    美心「「…」」

    垣根「ここでお前らが上条のところへ行っても、アイツは喜ばねえ」

    垣根「同情じゃあな、男は救われねえんだよコラ」


    少年の言うことが、正しかった。2人とも俯いて奥歯を噛みしめるしかなかった。
    それでも、到底納得できはしない。例え間違いだとしても、感情が抑えられそうもない。


    美琴「で、でもぉ」

    心理「だからと言って…!」

    垣根「それにな…」

    美心「「?」」


    垣根「まだ、負けたわけじゃないだろうが」

    757 = 754 :

    ーーーグラウンドーーーーーーーーーーーー
    削板「ふむ!いい戦いだった」ザッ


    勝敗は決した。そう確信した削板軍覇は一言でこの数分の出来事の感想を述べた。
    おそらく今までの戦いの中でも指折りの良い根性を見た。が、それでも自分の根性には敵わなったようだ。


    削板「さあ、帰ろうか!」クルッ


    踵を返して黄泉川たちのいる場外を目指す削板。その瞳には何の迷いもなかった。
    ――が、瞳は突然揺らぎだす。おかしい。確かに倒したはずなのに。相手は動きもしないのに。それなのに、


    どうして、後ろから来る違和感が拭えないのだ?


    男は慌てて振り返る。今でも対戦相手は倒れて動く気配もない。しかし、彼には感じられる。
    少年から発せられる、自分を圧倒的に超越したプレッシャーを。

    削板(…一体どうしたというのだ?、オレは)


    ーーー場外ーーーーーーーーーーーー
    雲川「…こいつは驚いたけど」

    土御門「どちらにだ?」

    雲川「それはまあ、あちらに決まっているけど?」


    雲川「一体何なんだろうな、あの右手は」

    758 = 754 :

    ーーーグラウンドーーーーーーーーーーーー
    上条(……オレは、負けた、、のか?)


    頬から自分のすべての触覚に衝撃が伝わっていく。これがナンバーセブンかと、変に納得もしてしまう。
    超能力と肉体能力のハイブリット。その恐ろしい力を文字通り身体で味わった上条には、立つ力も、気力さえ消え失せていた。


    上条(ははっ、仕方ねえな。こんな…)


    始めから敵うはずもなかった、とさえ考えてしまう。相手の拳は、上条の心にまで衝撃を与えていたのだ。
    もういい、このまま眠ってしまおう。そう思っているのに。そうしたいと望んでいるのに。意識は徐々に戻り始めていた。


    上条(なんで……どうしてなんだよ…?)


    意識とともに、視界も開けてきた。そこで最初に目に入ってきたものに、上条当麻は驚愕することとなる。


    上条(御坂、心理掌握…!?)


    なぜ2人が外にいる?今はまだ授業中だろう?そんなことが一気に活性化してきた脳内を駆け巡った。
    だが、それ以上に上条の心に響いたのは、


    上条(どうして、2人ともあんな悲しい顔で泣いているんだ?)


    心が痛む。自分も悲しい気持ちになる。今すぐ止めてほしかった。その涙を、見たくなどなかった。
    泣くな。もうやめてくれ。そんな顔をしないでくれ。何度も何度も、心の中で叫ぶ。
    その時、どこからか声が聞こえてきた。


    美琴『ってことで、ちゃんと私の授業も受けてもらうからね!』


    心理『…あっ、おはようございます。上条さん』




    海原『…守ってもらえますか?……御坂さんを』


    海原『いつでもどこでも駆けつけて…。彼女を守ってくれると……約束してくれますか?』



    上条(そうだ。オレには…)


    彼は、守るべきものを持っている。例えどんなことがあっても、守り通したい人がいる。
    そう、ここで倒れている場合ではない。身体に力はなくとも、気力は湧いてきた。まだ、戦える。
    今回の場合、相手は倒すべき対象ではない。憎むべき対象でもない。


    それでも、守るべきものはある。

    759 = 754 :

    上条「…待てよ」

    削板「!? お前…!」


    削板には分からなかった。どうしてまだ立ち上がれるのだ?確かにあの一発で決まったはずだ。
    そんなボロボロの身体で、なぜ立ち上がるのだ?何が彼を突き動かすのだ?


    上条「まだ決着はついてないぜ」

    削板「…ほう」


    この時点まで、削板は理解していなかった。上条当麻の強さというのは、異端の右手でも、自分の特徴を生かした
    戦術でもなかった。上条の真に恐るべきところ。それは、


    何度つぶされても立ち上がる、その精神力にあった。


    そして削板は理解した。彼の根性は、自分が見定めることなど出来ないものだということを。
    しかし、そうなると削板軍覇にとっては嬉しい限りだった。彼は、ついに未知の根性へと辿りつけたからだ。


    削板(はははっ!今生で出会えようとはな。オレは運がいい!!)

    削板「…では、続きを始めるぞ」

    上条「ああ。絶対に勝ってみせる」

    削板「…くくくっ、いい根性だぁーっ!!」ザッ

    上条「おおおおおおおおおおお!!」ザッ


    そして、この世の異端同士の決戦は、もうすぐ終末を迎える。

    760 = 754 :

    今回分は以上です。次回で決着つきます。
    次回投下は今日明日中にはなんとか。いつもレスありがとうございます。
    ではまたノシ

    761 :


    未知の根性ってなんだよwwwwwwwwwwwwwwww

    762 :


    美心で吹いたww

    765 :

    ヤバい上条さんかっこよすぎる

    だが未知の根性で吹いてしまったwww

    766 :

    てめぇ美心のとこわざとやっただろwwww

    767 :

    御坂美心のSS思い出しちまったじゃねえかwwww

    768 :

    上条X美心SSに変わってしまったか・・・。
    外国組み研修とかで出ないかな

    769 = 750 :

    >>764
    某漫画カ○ジのキャラにそっくりやwwwwww

    770 :

    >>765
    忘れるなよ?
    この上条さんは全身ピッチリで股間もっこりなボディスーツ姿だと言う事を

    771 :

    そう言えば、あわきんもそうだけど、滝壺もレベル5候補だよな。
    滝壺が実習来たりはしないのかな?

    772 :

    >>1です。少し遅れてしまいました。
    まずは誤字訂正。
    >>755 電撃を発生されても→電撃を発生させても
    >>757 敵わなったようだ→敵わなかったようだ

    それで、話題の美心ですが、SS初心者の>>1は素で知りませんでした。別にわざとではないです。
    という訳でググって御坂美心SS読みました。…やっぱり美琴は可愛いのが1番ですな。でもすごい面白かった。
    そして>>764さんAAありがとうございます。頂けて素直に嬉しいです。

    >>768 逆は考えてた。

    >>771 『実習では』来ません。


    では投下。あとわかってるとは思うけど、未知の根性はわざとだから。

    773 = 772 :


    同時に駆け出した2人は、衝突する寸前に構えていた拳をほぼ同じタイミングで放った。
    空が唸り、地が震える。それは、上条当麻の執念の証か。それとも削板軍覇の根性の現れか。


    上条「ぐわっ!」

    削板「ぬぅ!?」


    互いに来た道を戻るような軌道で飛ばされていった。片方は軽くステップをとるように、もう片方は強風に薙ぎ払われるかのように。
    後者は膝をつき上体が崩れかかっていたが、それでもまた立ち上がった。


    削板(今のやられ方は…)


    ここで削板は、さっき感じた違和感の正体を少しだけ垣間見た。
    上条が何度も何度も立ち上がることができる理由が分かってきたのだ。


    削板(オレが殴った瞬間、自ら後ろに向かって跳んだ…?)

    削板(それで、衝撃を逃がしたというのか!)


    何かの古武術でそういう技があるのを何処かで聞いたことがある。彼は、無意識にそんな高度な技を繰り出したのか?
    それとも意識的に出したのか?タイミング的に、コンマ数秒の世界だというのに。


    削板(驚異的な右手、恐ろしく切れる勘、戦闘経験から来る戦術)

    削板(そして不屈の根性だと!?なんという男だ!)

    上条「どうした熱血バカ!もう限界か!?」

    削板「お前とて同じだろう!?」


    そして両者ともに互いを称賛するように不敵に笑った。

    774 = 772 :

    削板「はははっ!いいぞ!もっとだ、上条当麻ァ!」シュタッ


    一蹴りで20m以上後ろに下がった削板。決して逃げる姿勢ではない。その表情からは闘志は一切消えていない。


    削板「さて、オレの全力を見せてやるぜ!」グッ


    男が握り拳を作ると、ただでさえ奇妙な雰囲気がさらに乱れてきた。目がさらに厳しさを増す。
    恐らく強烈な技を繰り出してくるのだろう。


    上条「…来るっ!」

    削板「すごいパーンチ」ゴウン

    上条「はっ!?」パキーン


    なんだか気の抜けた掛け声だと思ったら、今まで以上の衝撃が上条を襲ってきた。彼は迷いなく右手を前へ掲げた。
    次の相手の動きは、既に分かり切っていたものだった。


    削板「うおおおおおおおおお!!」ダッ

    上条「くそおおおおおおおお!!」グッ


    自分が放った『念動砲弾』が消滅したことを確認した削板が、相手の左側面からの攻撃を目指し音速超えの動きで上条に迫る。
    対する上条は、横方向に対して警戒していたため、左方向に現れた削板に拳を構えて突っ込んでいく。
    一見読みが当たった上条の勝ちかと思われた。が、


    削板「むぅ!」フッ

    上条「なにっ!?」


    上条の右ストレートが届く前に、削板が忽然と姿を消した。この状況だと、真っ先に考えられる道は…


    上条「上か!?」バッ


    しかし、目に映るのは遥か高くに浮かぶ入道雲だけだった。跳んだではないのか?


    削板「こちらだ」フッ

    上条「またっ…!?」


    愛と根性のヲトコは、上条が呟いた通りにまた左側に現れた。この状況は、覚えている。
    振り払った黄色。消した青。そして、残された赤。――未だに頬から広がる痛み。
    この時、上条当麻は決闘中で初めて『怖かった』。

    775 = 772 :

    削板「ふんっ!!」ブオーン

    上条「おおおおおおおおお!!」ガバッ


    男が放ったフックを、上条は軸足を右足で引っかけてわざと倒れこむ格好をすることで何とか躱した。
    間一髪の対応に、冷や汗がドッと出てくる。だが、倒れてもただでは起き上がらない。


    上条「沈めぇぇぇぇぇ!!」ガッ

    削板「ぬおっ!」バターン


    倒れた直後に上条が放った左キックが、削板の脛にクリーンヒットした。あの音速オーバー状態では、肉体強化も併せて
    使用されていたはずなので全く効かないだろうが、上条は攻撃直後という、最も隙の出来やすいタイミングで攻撃をした。
    しかも今回は決めにきた一撃。より大きなモーションにはより大きなタイムラグが生じる。


    上条「っし!」タッタッタ

    削板「…くっ!」ムネン


    カウンターが怖い上条は距離をとり、削板は自らの未熟さに頭を抱えた。
    ここまでの戦闘のあまりのレベルに、ギャラリーは押し黙るのみ。現状、恐ろしいほどに学校内は閑散としていた。


    削板「くそっ、一本取られた!」

    上条「オレなんか一本取られた上に判定負けだ。気にするな」

    削板「はははっ、そうだったな!」


    だが何と言うか、戦いのレベルの高さに比べ、頭のレベルは互いに著しく低いのも事実だった。

    776 = 772 :

    上条「…そろそろ、決着がつきそうだな」

    削板「ああ。お前はもう限界などとっくに超えているだろう!」

    上条「アンタだって、なかなかボロボロじゃねえかよ」


    上条はスーツのおかげか、ボディに目立った外傷は見られない。ただ殴られた頬のアザが痛々しく、右手首が所々皮が剥げていた。
    削板は根性のおかげか、外傷はほとんどない。だが一度生身で音速オーバーを体験し、さらに身体を酷使しすぎでボロボロだった。
    2人とも同じくらい重症だった。だが、


    上条「グハッ」ザッ

    削板「ほら、限界だ。今のうちにやめておけ。弱った男と戦おうとは思わん!」

    上条「誰がっ…!」


    先に膝をついたのは上条当麻。一発の重さがここにきて大きなダメージとなっていたのだ。
    もうダメなのか…。そう観衆が思い始めた頃、


    美琴「とうまぁー!頑張れ!!」

    心理「とうまさぁーん!負けないでぇ!!」


    声が、グラウンドに響いた。上条は思わず遥か右の遠くの方にいる2人を見た。そこでは、涙が乾いた少女たちが声を張り上げていた。
    いや、彼女だけではない。隣りのクラスメイトたちも、自分の名前を呼んでいる。


    青ピ「カミやーん!頑張るんやでぇー!!」

    吹寄「上条当麻!負けたらタダじゃおかないわよ!」

    姫神「k…。g……」←声が小さくて聞き取れない

    土御門「カミやーん!畳み掛けろぉー!!」

    雲川「面白いならどっちが勝ってもいいけど?」

    土御門「空気読め!」

    777 = 772 :

    上条「皆…」

    削板「ほう!お前は愛されているな!!」

    上条「愛…」

    削板「そうだ!だが、こうなればこちらとしても手は抜けん!」

    削板「手加減は一番の無礼だからな!これがオレなりの愛だ!!」


    腕組みを崩さない状態で、削板が告げた。彼らしい、正々堂々とした態度だった。


    削板「しかしこれではオレが敵役だな!困ったな!」ハッハッハ

    ??「そんなことないです!!」

    削板「む?」

    男>1「師匠は敵役ではありません!正義の味方、我らが味方です!」

    男>2「助太刀できぬのは無念ですが、これも師匠の為!」

    男>3「師匠!!貴方は己の信じるものを信じて戦ってください!我らがどこまでも追いかけます!」


    削板が振り返ると、2年7組の生徒たちが窓からこれでもかと顔を出して応援をしていた。


    削板「お前ら…」グスッ

    削板「どうやら、オレにも負けられぬ理由があるらしいな」グイッ

    削板「――決着つけるぞ」

    上条「ああ」


    ついに学園都市史上に残る決闘は、終幕を迎える。

    778 = 772 :

    上条が右手を、削板が左手を握りしめる。そのまま2人は睨み合う。この一撃で決める、とでも言うかのように。
    先に、左手が始まりを告げた。


    削板「うおおおおお!!すごいパーンチ」グイーン

    上条「はあああああああ!!」パキーン


    『念動砲撃』。遠距離に衝撃を飛ばすこの技は例えレベル5でも苦戦を強いられるだろう。だが上条当麻には効かない。
    右手に触れただけで衝撃ごと能力が消されてしまう。しかし、これはあくまで牽制だ。
    本命は次だと、上条も分かっていた。


    削板「ぬおおおおおおおおおおおおおお!!」ゴゴゴゴゴ

    上条「があああああああああああああああ!!」


    衝撃を飛ばすどころの騒ぎではなかった。本命の技は、遠距離から上条ごと掴みにかかってきた。
    しかも絶大な量の能力がつぎ込まれているようで、力のありかに右手で触れても全く消えない。


    上条(くそっ!相性の悪いタイプか!?)


    2人の間にあるグラウンドの土が説明不可能な力に巻き込まれ、砂と化して巻き上げられていた。
    もしこの力が自分に当たったら…と思うと恐ろしい気持ちになっていく。


    削板「はああああああああああああああ!!」ゴゴゴゴゴ

    上条「くそおおおおおおおおおおおおおおおお!!」


    得体のしれない力が風のうねりのように具現化していき、目に見える恐怖となっていた。
    一瞬でも気を抜けば、それこそ身体がバラバラにされるような気がした。強い。とんでもない破壊力を秘めているのだろう。
    今度は、右手を左手で支えながら削板の巨大な攻撃に耐えていると、ふと上条の頭にある考えが思い浮かんできた。


    確かこの男、遠距離で得体のしれない能力を使うのが得意ではなかったか?


    そして、男は突如姿を消した。

    779 :

    >>777は第七位編になったか

    780 = 772 :

    もう上条には相手の動き、考えを読むなんてことは出来なかった。一瞬でも脳に意識を回したら、
    そのまま自分の意識の方が無くなってしまうだろう。しかし、敵は迫ってくる。
    何処から来る?上か、後ろか、右か、左か。もう何も考えられない。
    自分はこのような化物じみた攻撃に対処できるのだろうか。こんな、見えない相手に。


    だが、答えに迷う必要はなかった。


    上条当麻には確信があった。自分の判断を信じて、右手で食い止めていた力の塊を掴んで、ひねった。すると、


    削板「ぬわっ!?」ズバゴーン


    削板軍覇は、自分の作り出した得体のしれない能力によって吹き飛ばされ、宙に浮かんだ後、50mもバウンドしてようやく止まった。
    男は全身ズタズタで倒れながらも、まだ意識はあった。青空を見上げて、手足を思い切って投げ出していた。
    しばらく動かなかったが、のちに力を振り絞るかのように叫び声をあげた。


    削板「……どう…して、、オレの動きが…分かったんだ?」

    上条「決まってんだろ」


    まだ地上に立ち続けている上条当麻は、至極当たり前のことのように告げる。


    上条「あの状況なら、技は右からしか使えないだろ」

    781 = 772 :

    今日分は以上です。上条さんはソギーを真芯で捉えたようです。
    戦闘描写は結構難しい…。でも珍しい組み合わせで書けたのでよかったです。
    次回は3日中にはどうにか。レスありがとうございます。
    ちょっと風呂入ってくる。

    ではまたノシ

    782 :

    乙!

    さすがは上条さん……
    スペックが聖人並の軍覇さんに拳一つで勝つとは……

    次も楽しみだぜ。

    783 :



    さあ凱旋だ上条当麻

    784 :

    しかし上条さんが着てるのはピチピチスーツです

    785 :

    戦いの興奮でビッキビキです

    786 :

    前兆の感知をフルに使ってるな

    787 :

    流石上条さんマジパねえ
    しかし…激しい戦闘の中、あのモッコリも上下左右と世話しなく動いてたのだろうか…ゴクリ

    788 :

    吹寄以外のクラスの女子全員にフラグが立ってるっていう原作設定が適応されていたら
    凄い人数の視線がそこに集中してそうだなw

    789 :

    >>1です。レスありがとうございます。
    この回が終わったら通常モードに戻ります。では投下。

    790 = 789 :


    削板「どういう……ことだ…?」

    上条「オレはただ、アンタのことを信じてただけだよ」

    削板「…?」


    最後の攻防で、削板軍覇は躊躇した訳ではなかった。むしろこの決闘でも最高の出来だった。
    それでも、彼の動きは上条当麻には意識しなくとも分かった。
    別に上条の戦術的な読みが優秀だったのではない。原因はもっと根本的なところにあった。


    上条「言ってたよな。『人的被害など出す気は毛頭無い』って」

    削板「お前、まさか…!」

    上条「ああ。そういうことだ」


    上条は相手の戦闘力よりも性格をよく把握していた。改めて考えると、削板は本当に正々堂々と戦っていた。
    例えば、彼は音速の2倍というスピードを出しながらも、相手の後ろに回ることは決してなかった。
    あくまでも真正面から戦いを挑んでいたのだ。

    そして、彼は約束は必ず守り通す。


    上条「アンタの攻撃は威力が大きい。でもその分、コントロールが効かないんだ」

    上条「だから、自然に皆を巻き込まないような動きが生まれるんだよ」


    確か削板軍覇は全力、いやそれ以上の力を尽くして戦った。しかし、無意識下で自らの誓いを破らぬように注意を払っていたのだ。
    最後の一撃を放つ際に上条当麻は、言ってみれば自分だけでなく相手のことも信頼していたのだった。
    完全無欠な力をもっているかと思われた削板は、自らの真っ直ぐすぎる性格に倒れることになった。

    791 = 789 :

    垣根(…甘いな、甘すぎるぜ。第7位よぉ)


    垣根帝督がそう思うのも無理はない。とりわけ彼のように暗部に身を置いてきた者にとっては、削板という男の戦い方は緩すぎた。
    戦いではほんの一瞬の迷いで生死が決まる。そう幼い頃から学んできた少年にとっては納得しがたいものなのだ。
    逆に、暗部を知っているからこその性格なのかもしれないが、詳しい事情など知ったことではない。


    垣根「…オレにとっては、眩しすぎるがな」


    だが、上条当麻はその戦闘スタイルを非難しない。彼の根性というものを、或いはこの男が一番認めていたのかもしれない。
    上条は削板軍覇のことを信じていたからこそ、認めているからこそ、反撃の糸口が掴めたのだった。


    上条「正面から戦えないオレには、こんな勝ち方しかできない」

    削板「…」

    上条「でも、アンタのおかげで大事なことに気づくことができたよ。ありがとな」


    この決闘は、上条当麻にとっては何のメリットもなく始まった。しかし、戦いを通してようやく気づかされるものが彼にもあった。
    彼は『約束』を守りながらも、どこかでその意識が曖昧になっていたところがあった。


    削板(…この男は)


    それは、今まで見たことがないほどの根性だった。守るべき人のために戦う上条と、自分のために戦う自分。
    単純な実力ではなく、もっと大切なところで2人は差がついていたのだ。


    削板(くそっ…未だにオレには…!)


    ただ闘志を燃やしているだけでは届かない。いくら叫んでもそれは上っ面だけでしかない。
    本当の根性というものは、内から湧いてくる愛情を纏うものなのだ。


    削板「…オレは、、まだまだ…根性が足りてねえ」


    彼は愛を理解できても、自身は愛をあまり知らなかった。

    792 = 789 :

    削板(畜生ぉ…。悔しいな…!)


    削板は泣いた。心の中で涙を流した!


    上条「さあもう十分だろ。いい戦いだったぜ」

    削板「そうだな…」


    この時点で戦いは上条当麻の勝利で終了したものと思われた。だが、舞台はまだ終演ではなかった。


    削板(確かに、ここで引く方が男らしいのかもしれない)

    削板(しかし、それでも…!)


    削板「思い半ばで諦めるなど、根性無しのすることだ!!」ダッ


    もう負けていると分かっていても。自分の未熟さなど百も承知でも。

    それでも、諦めたくはなかった。


    削板「ぐおおおおおおおおおおおおおお!!」ダダダダ


    無我夢中だった。自分が能力を使用しているかどうかも分からなかった。
    ただ何も考えずに相手に向かって駆け出していた。攻撃する以外は、何も考えられなかった。


    上条「アイツ…。まだ戦う気なのか!?」グッ

    削板「ぬおおおおおおおおおおおおお!!」ダダダダ

    上条「くそっ!やるしかねえのか!」


    2人とも、最後の力を振り絞った。右拳に全身の力を込める。


    削板「あああああああああああああ!!」

    上条「おおおおおおおおおおおおお!!」

    カキーン!

    ??「そこまでだぜ、テメェら」

    793 = 789 :

    上条当麻と削板軍覇。この学園都市でも他に類を見ない2人の、最後の激突かと思われた。
    しかし、あと数秒で拳が交わるかというその時、

    異能の天使が、舞い降りた。


    削板「何っ…!?」

    垣根「もう勝敗は決まっただろうが。いい加減諦めろ」ファッサァ

    削板「く…そ…!」バタッ


    輝く白い翼に拳を阻まれ、力を使い果たした削板はそのまま気を失った。


    垣根「今のテメェの能力じゃ、翼1枚で事足りるぜ」


    6枚の翼を優雅に羽ばたかせた垣根帝督は、次に止めるべき男の方を見遣った。まずはスピードのある削板を動きを止めて、
    それを見た上条を落ち着かせる予定だったが、


    上条「――いいぜ、それでもてめぇがまだ戦おうって言うんなら…」タッタッタッ

    垣根「あれ?どうして止まらないの上条くん??」

    上条「まずは、そのふざけた幻想をぶち殺す!」パキーン

    垣根「えっ、ちょっ」グワシャ

    ヒューン ズザザザー ピトッ チーン


    興奮した上条の眼中に垣根の姿はなかった。こうして盛大なとばっちりを受けた垣根帝督がきっちりとオチまでつけて、
    決闘はようやく終了した。

    794 = 789 :

    削板「」チーン

    垣根「」シーン

    上条「…あれ??」


    学園都市に7人しかいない超能力者のうち、第7位を撃破し、第2位を一発KOにした上条当麻は、頭に血が上りすぎていて
    状況がいまいち呑み込めていなかった。


    上条「…とりあえず勝ったんだよな、オレ」


    自分に確かめるように呟いたところで、どこからともなく歓声が響いてきた。


    「「「おおおおおおおおおおおおおおおお!!」」」

    上条「うおっ!?な、なんだぁ?」

    黄泉川「この決闘、上条の勝利じゃん!」

    男>1「おおお!!スゲーぞ上条!」

    男>2「カッケー!強えー!」

    男>3「あの第7位に勝ったぜ!」

    「上条くんカッコイイー!」キャー

    「「「やっぱり上条爆発しろ」」」

    上条「手のひらを返した!?」


    青ピ「おほー!カミやんが勝ったでぇ」

    土御門「さすがカミやんだにゃー」

    吹寄「全く、ヒヤヒヤさせられたわね」

    姫神「無事で。何より」

    雲川「ふーん。久々に面白いものが見られたけど」スタスタ

    795 = 789 :

    上条「ふー。死ぬところだったぁー!」

    冗談抜きで危なかった。かつてアックアにボコボコにされたことを彷彿とさせた戦いだった。
    なんて物騒なことを考えていると、遠くから歩いてくる人影が。

    美琴「…」スタスタ

    心理「…」スタスタ

    上条「すいませんっ!ご心配おかけしました!!」フカブカ

    美琴「…」スゥー

    心理「…」スゥー

    上条「……あれ??」


    2人はしかし、なぜか心配だったであろう上条を無視して一直線に垣根のところへ向かった。


    垣根「…どうしたお嬢さんたち?」ヒクヒク

    心理「…」ゴゴゴゴゴ

    美琴「アンタねぇ…」ゴゴゴゴゴ

    垣根「ん?」

    心理「『男同士の戦いに、女が割って入るんじゃねえ』(キリッ」

    垣根「ピクッ」

    美琴「誰がそんな立派なこと言ったのかしらねー?」

    垣根「…」ダラダラ


    垣根「このオレに常識は通用しねえ」キリッ


    美琴「うるせええええええええええええ!!」ゲシゲシ

    心理「おんどりゃああああああああああ!!」ゲシゲシ

    垣根「ごめんなさぁぁぁぁぁぁいっ!!」

    ゲシッゲシッゲシッ イタイ!モウムリデス! JCナメンナゴルァァァァ!


    上条「…なにあれ?」

    796 = 789 :

    ~3分後~

    垣根「」←愉快なオブジェ

    心理「上条さんっ!」タタタッ

    美琴「アンタ、大丈夫なの!?」タタタッ

    上条「まあ、なんとかな」ニコッ


    垣根帝督を思う存分痛めつけてきた常盤台中学のお嬢様2人は、上条当麻の笑顔を見ると
    ようやく安心したかのようにその表情を崩した。


    美琴「そ、そうなんだ」モジモジ

    心理「ご無事でなによりですわ」フゥー

    上条「全くもってその通りです」アハハ

    美琴「今回も笑い事じゃないわよ」

    上条「すいません御坂先生」ペコリ

    美琴「……まあ、無事ならいいんだけどさ」プイッ

    心理「素直じゃありませんわね」フフッ

    美琴「うっさい!!」

    上条「?」


    少年には何がどうなってなってるかサッパリだったが、とにかく仲が良くて結構だった。


    上条「そういやお前ら、応援のときオレのこと呼び捨てしてなかったか?」

    美心「「!?」」

    上条「別に今の呼び名が呼びにくいんだったら、名前で呼んでくれても…」

    美琴「な、なんで私がアンタなんかを名前で呼ばなきゃいけないのよ!?」

    心理「そそ、そんな失礼なことできませんわ!」

    上条「さいですか…」

    美心(超呼んでみてぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!)

    797 = 789 :

    美琴「ま、まあとにかく無事なんだしさ、皆のところへ戻りましょ」クルッ

    心理「そうですわね。さあ行きましょう、上条さん」クルッ

    上条「ああ。そうだn…」

    美心「「?」」<バターン

    上条「……ありゃ?」チーン


    戦闘でのダメージや疲労が蓄積したのか、突然上条は歩みを始める前に倒れてしまった。
    先に行こうとした2人が慌てて駆け寄ってくる。


    心理「上条さん!!」

    美琴「ちょっと!やっぱりアンタ…!」

    上条「…くそぉ、痛ぇ」

    美琴「どこ?どこが痛いのよ!?」アセアセ

    心理「せめて救急車が来る前に応急処置を…!」アタフタ

    上条「いやその、何と言いますか…」

    美琴「躊躇わないで、はっきり言いなさい!」ズイッ

    心理「今、どこが痛いのですか!?」ズイッ

    上条「うぅぅ…」

    美心「「さあ!!」」


    もう上条当麻に逃げ場はなかった。仕方がないので正直に告げることにした。


    上条「……あそこ」ボソッ


    もう仕方がないのだ。

    798 = 789 :

    美琴「はっ!?どこよあそこって!」

    心理「ちゃんと言ってください!あそこってどこですか!?」

    上条「だーかーらー!あそこだってばア・ソ・コ!!」

    美心「「どこよ!?」」


    ここでようやく、2人の視線が上条の下半身へ向かった。より正確に言えば、現在やたらもっこりしている部位に。
    実はこの男、とっさに攻撃を避ける際に全く受け身をとらずにうつ伏せに倒れたのだった。
    おそらく、その時に見事にクリーンヒットしてしまったのだろう。だがそんなこと2人にはどうでも良かった。


    美心「「…」」

    上条「あのー。ですから早く誰かを呼んでいただけると助かるのですが…」

    美琴「…そうね」ビリビリッ

    心理「…そう致しましょう」ピキピキッ

    上条「あれ?お2人とも、何でしょうかその物騒な雰囲気は??」

    美琴「そう?そうなのー??」ビリビリッ

    心理「先に無礼を詫びましょう」ピキピキッ

    上条「えーと。わたくし上条当麻は、現在ケガで苦しんでるのですが…」

    美心「「どこのケガに苦しんでるんじゃー!」」グワッ

    上条「んぎゃー!ふ、不幸だぁぁぁぁぁぁ!!」


    恋する乙女は複雑なのである。

    799 = 789 :

    今回分は以上です。オチはていとくんに決めてもらいました。
    次回も3日以内には何とか。そもそも上条さんは授業に参加できるのだろうか…。
    ではまたノシ

    800 :

    乙。

    流石ていとくんwwwwww
    しかし、やはり最後はモッコリイベントだったなwwwwww


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