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    元スレ上条「いくぞ、親友!」一方「おォ!!」

    SS+覧 / PC版 /
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    みんなの評価 : ★★
    タグ : - 一方 + - 上条 + - 木原 + - 農業 + 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
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    301 :

    >その時、そちらには特に価値ある情報は流れなかった。

    魔術法則を表す数式が一方通行に流れたことは華麗にスルーしていますな、アレイスター

    302 :

    いや、オマエにはそンな経済的な余裕はねェだろ、と一方通行が言おうとすると、
    インデックスはむーっとさらに不機嫌そうにして、

    「とうま、この服は主の加護を視覚化したもので、
    私は一度だって不便だとか暑苦しいとかあー欝陶しいとか思った事なんてないもん」

    「…………あー、うん」

    正直者と優しい奴は別なンだなァ、とちょっと大人な事実を一方通行は知る。

    つーか、そンな安全ピンまみれで主の加護も何もあンのかよ
    、と言おうとした一方通行だったが、思い留まった。

    ……流石に可哀相だ。

    「それに私はこれでも修業中の身。
    お酒や煙草に、コーヒーやデザートみたいな嗜好品の摂取は禁じられてるんだから」

    「……ふーン、あっそォ。
    じゃあ、仕方ねェなァ。あァ、仕方ねェ。
    行くぞ、上条。せっかくだ、おごってやるよォ」

    一方通行は、意地悪そうな笑みを浮かべるとアイスクリームショップに向かって歩き出す。

    上条も一方通行の意図が分かったらしく、

    「おっ、悪いな、一方通行。
    じゃあインデックス、悪いけど……!?」

    上条は全て言い終わる前に肩を掴まれた。

    恐る恐る、彼が振り返ると。


    303 :

    「た、確かに私は修業中の身であるからして一切の嗜好品の摂取は禁じられてるけど」

    「……じゃあ、ダメじゃねェか」

    「しかしあくまで修業中の身なので完全なる聖人の振る舞いを見せるのはまだまだ難しいの!
    従ってこの場合、誤って口の中にアイスが放り込まれる可能性もなくはないんだよ、二人とも!」

    何か一言言ってやろうかとか思った一方通行だったが。

    「なかなかに素敵な交渉中なんやけどな、ちなみにそこの子は誰なんカミやん、一方?」

    ……無駄に聞き覚えのある、得体の知れないエセ関西弁が聞こえてきた。

    振り返ると、そこには。

    「……オマエ、何してンだ」

    身長百八十センチを超えている、青髪ピアスがニヤニヤして立っていた。

    久しぶりに見るその顔は、相変わらず何を考えているのか分からない。


    304 :

    そんな青髪ピアスは上条を見て、不思議そうな顔をした。

    「あり?どないしたんや、カミやん、ぼーっとしてもうて。
    なんか他人行儀な視線やなぁ、もしかして夏の暑さにやられて記憶でも飛んでんのかいな?」

    「!?」」

    思わず、一方通行まで凍りつく。

    しかし、青髪ピアスは片手をひらひら振って

    「わかっとるて、冗談や。
    記憶喪失なんてモノは不思議系デンパ少女の特権なんよ?」

    青髪ピアスはそのまま上条の肩に腕を回すと、

    「……それでー?カミやん、一方。
    ほんまにこの小っこい子は誰なん?
    まさか、カミやんの従姉妹言う訳ちゃうし。
    だからって、一方のっちゅう感じもせーへんし」

    コイツはいつになっても変わらねェな、と一方通行は思う。

    いちいち内緒話を大声でするところとか。


    305 :

    「……しかしまぁリアル話として、迷子さんの道案内ってトコか?
    学年一位の一方はともかく、英語の成績鎖国状態のカミやんにはしんどいんちゃう?」

    インデックスを見ると『小さい』と言われるのは慣れてるらしく、
    特に怒りもせず、熱気を振り撒く太陽をジトーっと見ている。

    「……けれどお二方、どこでどうあの子と知り合うたか知らんけど、
    ここで安心するのはまだ早いで?
    こちとら十六年に及ぶ信頼と実績の負け犬(モテない)組。
    いくら最近、フラグばっか立てよるカミやんやからって、
    『普通に女の子と出会う』なんてありきたりな事があるはずがあるか、いーやないやろ?」

    上条は、使い古されたラブコメみたいな展開にならなくてホッとしているようだが、
    一方通行は逆にものすごく嫌な予感がしてきた。

    そして、それは的中した。

    青髪ピアスは、口を開くと

    「その子、実は女装少年とかってオチないの?女の子にしちゃぺったんこすぎやし」

    と、告げた。


    306 = 299 :

    瞬間、インデックスはブチ切れたらしく、
    にっこり笑顔でガリガリギリギリと奥歯を噛み締めているのが、一方通行には見えた。

    さすがに、男の子疑惑だなんてモノはかけられたことがないらしい。

    上条は、頭を抱えそうになっている。

    「なんや、二人とも。やっぱ女の子なんか?つまらんなー。
    そのフラグ能力をようやく活用するのは結構やけどな、幼女誘拐はあかんでー。
    その蛮勇、下手したらネットの掲示板なんかでお祭り騒ぎが起きてまうかも知らんよ?」

    青髪ピアスは、口ではつまらないとか言っているが、無茶苦茶ニヤついている。

    「ば……っ、ふざけんな!
    誰がそんな真似するかよ!」

    上条が次に言おうとしている事が分かった一方通行は、それを止めようとした。

    しかし、もう遅い。

    「コイツはただの居候です!双方共に合意なのであります軍曹殿!」

    青髪ピアスはそれを聞いて一瞬、凍りついた。


    307 = 299 :

    「……いそうろう?居候やと!?
    テメェ、今女の子のイソーローに向かって『ただの』とか言いやがったかカミやん!
    アンタはお菓子ばっか食い過ぎてお米のありがたみが分からなくなった小学生かーっ!」

    青髪ピアスが怒り狂った様子で、まくし立てる。

    「うるさーい!
    ホントに何にもねーんだから『ただの』以外に表現できるか!
    だいたいコイツのおかげで、
    上条宅のお財布事情がどうなってると思ってんだ!!
    これなら、座敷童子でも転がり込んできた方がよっぽどマシ……?」

    あァーあ、と一方通行は思った。

    どうやら上条も気付いたらしいがもう遅い。

    彼は、ガクガクと震えながらゆっくりと自分の隣を見てみた。

    そこにいたのは。


    308 :








    聖女のように温かい笑みを浮かべながらも、
    青筋を大量に走らせているインデックスがいた。







    309 :

    黙祷

    310 = 308 :

    「とうま」

    インデックスは清々しい笑みを浮かべながら告げる。

    「……何でせうか、しすたーさま」

    大量の冷や汗をかきながら、上条は問う。

    「私はイギリス清教に属する修道女です。
    悔いがあるなら今の内に聞いてあげても良いんだよ?」

    胸の前で十字を切って両手を組みながら、彼女は告げる。

    『オイ、どうすンだ』

    『……どうしましょう』

    上条と一方通行は、互いに目で会話する。

    少しして、突然上条はアイスクリーム屋の入口、自動ドアをビシビシと指差す。

    ……どうやら、アイスでごまかすつもりらしい。

    インデックスはむーっ、とうなりつつも納得することにしたようだ。

    ズカズカと店まで歩いていく。

    ところが、

    『お客様各位
    まことに申し訳ありませんが、店舗改装のため、しばらく休業させていただきます』

    と、いう張り紙がドアにあった。

    「……」

    「……」

    「……」

    「……」

    ゆっくりと、上条とインデックスは顔を見合わす。

    そして、インデックスはにっこりと笑みを浮かべると、上条へと襲い掛かる。


    311 = 294 :

    さて、しばらくして。

    上条達は安っぽいファーストフード店に来ていた。

    シェイクと冷房の効いた店内で、インデックスを妥協させようと、上条は考えたのだ。

    しかし、午後の店内はかなりの満員状態だった。

    むっすー、と黙り込むインデックスの両手には、
    計三つのシェイクが載ったトレイがある。

    そンなにアイス食いたかったのかよ、とツッコんでやろうかと一方通行は考えたが、止めた。

    彼女は今、かなりご立腹らしかったからだ。

    下手に何か言うと、上条にまた襲い掛かりそうだ。

    「……とうま。
    私はぜがひでも座って一休みしたい」

    インデックスが感情を思わせない、無機質な声で呟くと
    上条は、はいーっ!と返事して、ダッシュで床掃除をしている店員さんの元へ行く。


    312 = 308 :

    「あのー。座りたいのでしたら、相席しかないですよ」

    と、そこへ別の店員さんが来て、窓際の席を指差す。

    その先には、何故か巫女さんが突っ伏して眠っていた。

    (なンだ、ありゃ……)

    一方通行は思わず愕然とする。

    何というか、かなり怪しい。

    しかし、インデックスと青髪ピアスは特に気にせず、座った。

    インデックスは上機嫌でシェイクを飲んでいたし、
    青髪ピアスはシスターと巫女さんの組み合わせが素敵なのか、目を輝かせている。

    (……まァ、いいか)

    一方通行は、そんな結論を下すとその席に近付いていく。

    適当に、先に座っている二人を奥に押しやって座る。

    上条もこちらを見ると、恐る恐る近付いてきた。

    目の前の、正体不明な居眠り巫女さんを警戒しているらしい。

    すると、ピクリとその巫女さんの肩が動き出す。

    「く、――――」

    「あン?」

    巫女さんの口が動く。

    一体どうしたのだろうか。

    一方通行と上条は、じっと巫女さんの言葉を待つ。

    そして、ゆっくりと彼女はもう一度口を開いて一言、

    「――――食い倒れた」

    と、告げた。


    313 = 295 :

    と、今回はこれにて終了。
    はたして、この巫女さんの正体は!?
    そしてステイルの言う吸血殺しとは!?
    ……次回をお楽しみに。

    それはそうと、これを書いてる途中で、
    もしインデックスが上条さんとは出会わず、
    青ピ(レベル5)と出会ったら……みたいなSSを読みたくなってしまいました。
    1はこれで手一杯なんで、誰か書k……書いて下さい。
    それでは、皆様。また、三日後に。

    314 :

    乙乙
    三日後に会おう

    315 :


    出番あるとはな

    316 = 286 :

    ふむ、興味深い
    何もない空間に巫女を幻視するとは

    317 = 309 :

    おつおつ
    巫女なんていたんだなぁ…

    318 :

    この巫女って、オリキャラ?

    319 :

    あまり特徴的なモブを出すなよ?

    320 :

    お前ら酷いなww

    俺はちゃんと当社比一・五倍乳揺れさんを覚えている(キリッ

    321 :

    面白い乙
    この巫女さんは原作にもでてるぞ

    322 :

    >>321
    ネ、ネタにマジr…いやこれは釣り針…クマ(AAry

    323 :

     とうとうこの姫様の登場か
    乙です!また三日後に!

    324 :

    ぐっじょぶだにゃー

    325 :

    巫女キャラなんて。記憶にない。

    326 :

    お前らいくら二巻が禁書一番の駄作だとしても、姫なんとかさんが一発ヒロイン程度の活躍で漫画版からは活躍すら除外されてるとしてもひどいなwwww

    327 :

    ネタにしてもここまでくどいと見るに耐えない

    328 :

    じゃあ見なきゃいいのに

    329 :

    糞レスしといて嫌なら見るなとか真性のバカか

    330 :

    >>327>>326のことではないのか

    331 :

    ちゃんと次スレ貼ってくれよ!

    332 :

    >>326だけでなく姫神ネタ全般だろうな

    333 :

    まあ はぶられてる奴なんて大量にいるしな

    334 :

    >>4

    335 :

    何か一方さんが普通に馴染んでるから
    ifストーリーとしても面白い

    336 :

    >>334
    誤爆かww

    337 :

    どうも、1です。
    深夜に投下します。
    皆様、どうぞお待ちを。

    338 :

    ヘタ錬さんのご冥福を

    339 :

    「深夜」それはお前らが活発に動き始める時間

    340 :

    腹パン言おうとしたら投下か

    341 :

    腹パン

    342 :

    どうも、1です。
    今から投下します。
    今回はキリのいいとこまで、と思ったらそうとう短くなりました。
    それでは、どうぞ。

    343 :

    「…………はァ?」

    しばらくして、一方通行の口をようやく突いて出て来たのは、そんな言葉だった。

    すると巫女さんはもう一度、口を開く。

    「食い倒れた」

    (オーケー。
    落ち着け、一方通行)

    一方通行は、現在の状況をまとめにかかる。

    ファーストフード店の二階、窓際の一角にある、四人掛けテーブルの禁煙席。

    その片方の席に、一方通行とインデックス、青髪ピアスが無理矢理座っている。

    上条の方は、そんな三人の近くに立っている。

    そこまでは何でもない。

    ……問題はその先だ。

    何故、こんなお店とは無縁そうな、『和』の雰囲気を纏った巫女さんがいるのか。

    おまけに、何故テーブルに突っ伏して、訳の分からない事を抜かしてくるのか。

    一方通行にはさっぱり分からない。

    その巫女さんは、見たところ上条や自分と同い年ぐらいで、
    ごく一般的な巫女装束に腰まである黒髪をしている。

    よく神社とかで見る、典型的な巫女さんだった。


    344 :

    とりあえず、一方通行は上条を見る。

    面倒事には彼が一番適しているからだ。

    インデックスと青髪ピアスもそう思ったらしく、上条をじっと見ている。

    「……な、何だよ?」

    視線に気付いた上条は、戸惑いの表情でこっちを見て聞いてきた。

    「……ほらカミやん。
    話しかけられたんやから、答えたらなあかんよ!」

    「……そうだよ、とうま。
    見た目で引いちゃダメかも。
    神の教えに従いあらゆる人に救いの手を差し延べるんだよ。アーメン」

    「……まァ、つまりだ。
    どォにかしやがれ、親友」

    「な!?……ふざけんなよ!!
    ここは公平にジャンケンだろ?
    ってかインデックス、テメェ神妙な顔で十字切ってんじゃねえ!」

    そんな訳で四人はジャンケンをした。

    結果は言わずもがな、という奴だ。


    345 = 344 :

    「……あのー、もしもし?」

    一人だけ、チョキを出して負けた上条が、巫女さんに声を掛ける。

    声を掛けられた巫女さんは、肩をピクリと動かす。

    「あ、えっと……食い倒れたって何ざましょ?」

    とりあえずは、当たり障りのない会話をしようとしているらしい。

    たしかに、そもそも食い倒れたというのは巫女さんから出た言葉なのだ。

    何か聞いて欲しいに違いない。

    「一個五十八円のハンバーガー。
    お徳用の無料(クーポン)券がたくさんあったから」

    「うんうん」

    ゆっくりと語り出す巫女さんに、上条は適当な相槌を打つ。

    「とりあえず三十個ほど頼んでみたり」

    「お徳すぎだ馬鹿」

    上条がそう答えると、巫女さんはピクリとも動かなくなってしまった。

    無言だからこその哀愁を、その背中から感じられた。

    気まずい空気が流れ出した。

    一方通行達は非難の視線を上条にぶつける。


    346 :

    「……えーっと、今のは違うんだ。
    『馬鹿だ、しかし何故そんな事を?』って繋げるつもりでだな?
    決して悪意ある台詞じゃ……ええーい!業務連絡!
    そこの三人、後で顔貸せ!ていうか、そんな目でこっちを見るなーっ!!」

    上条はその視線を受けて、空気をどうにかしようとしたが、上手くはいかなかった。

    「やけぐい」

    唐突に巫女さんがそんな事を言った。

    「はァ?」

    今度は、一方通行も会話に挑戦してみる。

    「帰りの電車賃。四百円が。必要」

    「……で?それがどォしてやけぐいに繋がンだよ?」

    「全財産。三百円」

    「……えっと、その心は?」

    「買い過ぎ。無計画」

    「……」

    「だから。やけぐい」

    (コイツ、馬鹿なのか?)

    思わずそう思った一方通行だったが、黙っておく事にする。

    「ってか、お前三百円分でも電車乗れば良いじゃん。
    そうすりゃ百円分歩けばいいだけなんだし。
    もっと言うならさ、電車賃ぐらい誰かに借りられないのか?」


    347 :

    上条の提案を聞き、巫女さんは彼をじっと見る。

    「――。それは良い案」

    「何故そこで真っ直ぐこっちを見る?
    ってかテメェ期待の眼差しを向けてくんな!」

    上条は巫女さんから離れるように身をのけ反らす。

    まぁ、彼は今日無駄な出費(インデックスのシェイクとか、参考書とか)が多かったのだ。

    正直な話、これ以上は厳しいところなのだろう。

    それにしても、と一方通行は顔を上げた巫女さんを見る。

    日本人としての白い肌。

    黒い髪と瞳によって、それがよく際立っている。

    眠たそうな瞳には、あまり感情を感じないが、攻撃性は一切ない。

    その巫女さんは、まさに『和服美人』という奴だった。

    一方通行にとっては、どうでもいい事だが。

    「お、おのれカミやん。
    今この場で初めて出会った女の子と、
    ナチュラルに会話しよるなんて……う、うらやましすぎるやろ!そのフラグ能力!!」

    声のした方を見れば、何かわめいている青髪ピアスと、
    黙り込んで上条を睨むインデックスがそこにいた。


    348 = 342 :

    「うっせえ二次元星人(青髪ピアス)!
    業務連絡、テメェは後で体育館裏に集合!
    んでもって、巫女さん(お前)はどうにか残り百円調達して帰れ!以上作戦終了!!」

    「いやいや、待ってーなカミやん!
    そのフラグ能力をぜひとも、僕にくれへんか!!
    ていうか、どないなっとんのや!
    この二週間の内にシスターさんやら巫女さんやら、
    属性強すぎる知り合いを増やすやなんて!
    ……はっ!!まさか、その能力にはまだまだ先があるんか!!」

    何やら訳の分からない事を抜かしている青髪ピアスを、
    一方通行は放っておく事にする。

    正直言って、面倒だ。

    「百円。無理?」

    巫女さんは難しい顔で悩んだ後、顔を上げて上条に尋ねる。

    「無理。貸せないものは貸せない」

    「……」

    巫女さんは少しだけ考えると、

    「……チッ。たかが百円も貸せないなんて」

    と、小声でつぶやいた。

    「……たかが百円も持ってねェのはどこのドイツなンだか」

    適当に一方通行が言うと、

    「うぅ……一方まで何でそんな素の返事ができるんや。
    そないな美人を前にしたら普通ドギマギしてしもて、
    まともな受け答えなんてできひんくなるもんやろーっ!!」

    青髪ピアスが、地獄の底からやって来た悪魔のような声を発してきた。


    349 :

    「……。美人」

    それを聞いた巫女さんは、何かを考えた後、もう一度口を開く。

    「……。美人に免じてあと百円」

    「いやいや、自分の顔を売ってる性悪女は美人なんて呼ばねーよ!
    だいたい、こちとら無駄にシェイク三つも買って余裕がねーんだよ!」

    「……とうま。
    このシェイクがなかったら百円を渡して大団円にできた、と。そう言いたいんだね」

    インデックスは、不機嫌そうにシェイクのストローをかじって、
    巫女さんへと敵意ある視線を向ける。

    「ふん。その緋袴を見る限り、あなた卜部流みたいだけど。
    卜部流の巫女は顔も売るの?『巫女』って平安時代は娼婦の隠語だったらしいけど」

    上条はそれを聞いて吹き出す。

    青髪ピアスは、
    『シスターと巫女さんの東西対決やーっ!!』
    と、ハイになっている。

    一方通行は、どうでもいいと言わんばかりに我関せずを決め込む事にした。

    「私。巫女さんではない」

    「……あン?」

    その言葉に、全員が巫女さんを注視する。

    「えっと、巫女さんじゃないなら、お前一体どこのどなただよ?」

    上条が、全員の代表みたいに聞いてみると、
    彼女はゆっくりと口を開いた。


    350 = 349 :








    「私。魔法使い」








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