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    元スレ上条「いくぞ、親友!」一方「おォ!!」

    SS+覧 / PC版 /
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    みんなの評価 : ★★
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    801 :

    5冊立ち読みってつらい……のか?

    802 :

    さすがに図々しいだろww
    俺なら恥ずかしくて無理

    803 :

    ツタヤの貸し本コーナーで立ち読み余裕だけどな

    804 :

    マジこのSSはまって原作読みたくない

    805 :

    立ち読みで読破した漫画いくつあるかな……

    806 :

    ラノベ一冊普通の本屋で立ち読みしたうえに二冊目を取ろうとして
    店員に怒られた俺が通りますよっと。

    807 :

    スレイヤーズ立ち読みで済ませた俺が通りますよ

    流石に若い内だから出来たな

    808 :

    お前らの恥ずかしい過去なんてどうでもいい

    809 :

    どうも、皆様。
    今からおとといの予定だった二回目分を投下します。
    そうとう短いですが、まぁお許しを。

    810 :






    「おっかしいなぁ……」

    八月二十日の朝。

    第七学区の、ある学生寮の一室の前で、
    学生服の少年――上条当麻は首を傾げていた。

    今日、彼は補習の補習(色々な事件があって、補習に参加出来なかった分だ)のため、
    隣人である一方通行にインデックスの面倒を見てもらおうと思っていた。

    しかし――――

    「……アイツ、どこ行っちまったんだ?」

    何度インターホンを押しても、一向に一方通行が出てくる気配はない。

    「とうまとうま、カギは開いてるんだよ」

    そう言ったのは、預かってもらう予定だったインデックスだ。

    確かに、何故かカギは開いていた。

    失礼を承知で、上条はドアを開けてみる事にした。

    ドアを開けて中に入ってみたが、誰もいない。

    「…………」

    「……あくせられーた、どこ行っちゃったんだろうね」

    二人はうーん、と唸ってみる。

    ……まぁ、答えは出ないのだが。


    811 :






    「おっかしいなぁ……」

    八月二十日の朝。

    第七学区の、ある学生寮の一室の前で、
    学生服の少年――上条当麻は首を傾げていた。

    今日、彼は補習の補習(色々な事件があって、補習に参加出来なかった分だ)のため、
    隣人である一方通行にインデックスの面倒を見てもらおうと思っていた。

    しかし――――

    「……アイツ、どこ行っちまったんだ?」

    何度インターホンを押しても、一向に一方通行が出てくる気配はない。

    「とうまとうま、カギは開いてるんだよ」

    そう言ったのは、預かってもらう予定だったインデックスだ。

    確かに、何故かカギは開いていた。

    失礼を承知で、上条はドアを開けてみる事にした。

    ドアを開けて中に入ってみたが、誰もいない。

    「…………」

    「……あくせられーた、どこ行っちゃったんだろうね」

    二人はうーん、と唸ってみる。

    ……まぁ、答えは出ないのだが。


    812 :

    「ま、しょうがねーな。
    インデックス、悪いけど今日は一人で留守番しててくれ。
    後で多分姫神も来るだろうし、昼飯も冷蔵庫に入ってるから」

    とりあえず、上条は薄っぺらい学生鞄を持った。

    「うん、分かった。
    ……それじゃ、行ってらっしゃい!」

    「おう、行ってきます!」

    インデックスに手を振りながら、上条は学校へと走り出す。





    (……にしても、どこ行っちまったんだろうな)

    上条は道を歩きながら考える。

    最後に一方通行を見たのは昨日の花火の時だ。

    確か、『大事な用事』があるとか言ってその後どこかに行ってしまった。

    (『大事な用事』、ね……)

    一体どういう用事なのかは聞いていない。

    聞いてしまえば、それはプライバシーの侵害というヤツになる。

    (……なんか、不安だ)

    ……まぁ、その時の彼の顔はどこか嬉しそうだったし、心配する必要はないんだろうが。


    813 :






    「……ん?アイツは…………」

    もう少しで学校に着くところまで来た上条の前に、見慣れた人物がいた。

    名門である常盤台中学の制服を身に纏うその少女は、後ろ姿でも誰だかはっきり分かる。

    「よう、御坂」

    言ってから上条はちょっぴり後悔した。

    その少女――御坂美琴には、
    あんまり良い思い出(記憶を失っている上条が言うのも何だが)がなかった。

    上条が初めて会った時にいきなり雷撃をかましてきたのだ。

    おまけに、何すんだ、と怒鳴ったら、勝負しろ、とか言われて追いかけ回された。

    その時ばかりは、上条は記憶を失う前の自分を恨めしく思った。

    とにかくそんな訳で上条は一人、逃亡計画を練り始める。

    一方、声を掛けられたビリビリ中学生はと言えば。

    肩をビクリと震わせて、ゆっくりとこっちを振り向いている。

    あれ?と上条は思う。

    いつもならすぐさま振り向いて、『みーつーけーたーわーよー』とか言ってくるのに。


    814 = 809 :

    よく考えれば、今日の彼女は何というかおかしい。

    ふらふらとどこかぎこちない歩き方だったし、先程の反応もいつもとは違う。

    「――――アンタ、か」

    振り向いてそう言った美琴の顔を見て、

    (……何か、あったのかな?)

    上条はそんな事を思った。

    顔色はどこか悪いし、目には大きな大きな隈が出来ている。

    「……お前、大丈夫か?
    顔色がものすごく悪いぞ」

    「………………別に。ちょっと夜更かししちゃっただけよ」

    かなり間を置いて、美琴はそう答えた。

    「ていうか、用はそれだけ?
    だったらとっととどっか行きなさいよ。
    私は今、アンタなんかに構ってる暇はないの」

    言うだけ言って、美琴は走り去ってしまった。

    「あ、おい!」

    何だか心配になった上条は引き止めようとしたが、もう美琴はいなかった。

    「………………何だよ、一体」

    一人、上条は呟く。


    815 = 811 :






    八月十九日の深夜、御坂美琴は常盤台中学の学生寮に向かって走っていた。

    ただひたすら走って、彼女は自分の部屋へと辿り着く。

    部屋の中の同居人は、ぐっすりと眠っていた。

    「………………」

    とりあえず、美琴はシャワーを浴びる事にした。

    一刻も早く、この気持ち悪い汗を流したかったのだ。

    脱衣所で、制服から下着までを剥ぎ取るように脱ぎ捨てる。

    風呂場で熱いお湯を浴びて、少しだけ落ち着いた。

    (あ…………)

    落ち着いた途端、涙が溢れ出た。

    何故かなんて、分からない。

    あの『最強』への恐怖のせいか、
    自分のクローンが死んで悲しいからなのか。

    …………あるいは、そのどちらもか。

    とにかく、美琴は泣き崩れていた。





    「……………………」

    ゆっくりと美琴は立ち上がる。

    風呂場を出た彼女の目には、決意が宿っていた。

    (……何がなんでも、『実験』を止めてみせる)

    何も、あの『最強』に挑むだけが方法ではない。

    そう考えて、彼女はとりあえずベッドに潜り込む。

    まずはどう動くかを決める。

    そして、明日からそれを行動に移す。

    そう決意して、美琴は目を閉じる。

    ――――結局、美琴は一睡もせずに朝日を見た。


    816 = 812 :






    同じ頃、ある場所にて。

    「……にしても、まぁ」

    男は呆れたように呟く。

    「ちっと頑丈すぎねーか、これ」

    軽く笑って、彼は手の内にあるモノを見る。

    「……ふぅ。そんな事言ってる暇があるなら、
    この状況をさっさとどうにかしてくれないかしら」

    すぐ隣にいる女の声が耳に届く。

    「貴方、一応は元「うるっせーな、これは特別製なんですぅー」

    言いかけた女の言葉を遮るように、男が返す。

    「つーかそういうお前こそ、お友達はどうしたんだよ」

    男の言葉に、女はため息をつく。

    「だから言ったでしょう?
    当分は連絡がつかないって言っちゃったのよ。
    ……当然ながら、ここまで来れるはずもないわね」

    「……チッ。使えねーなァ、オイ」

    男は適当に悪態をつく。

    「……ねぇ」

    「……何だよ、俺は今寝るのに忙しいんだけど」

    「あら、それは失礼」


    817 = 811 :

    女は特に気にする様子もなく、続ける。

    「……あの子、大丈夫かしら」

    「…………」

    男は、少し黙り込む。

    「あの子にとって、私達は信頼出来る存在だった。
    ……今頃、『裏切られた』と思っているのかしらね?」

    「……さぁな」

    男は、一言だけ言った。

    「俺達に出来るのは、とっととこっから出るように策を巡らすだけだ。
    それがあのガキを守る事に繋がるんなら、そんな事考えるのは後だ、後」

    「……たとえ、あの子が今傷ついているとしても?」

    女が言うと、男は不敵な笑みを浮かべた。

    「もう、とっくに覚悟してた事だろ?」

    女も、笑って返す。

    「……そうね、そうだったわ」

    「もう就寝時間ですよ、とミサカはアサルトライフル片手に注意します」

    不意に、そんな声が聞こえた。

    「へいへい、分かってますっつの」

    「悪かったわね、わざわざ」

    二人は適当に返して、黙り込んだ。


    818 = 809 :

    そんな訳で、二回目分でした。
    昨日の分はまた後ほどにでも。
    ……こういうの書いてると楽しいもんですね。
    何て言うか、ノベルゲームの「街」とか「428」とかやってる気分です。
    それでは皆様、次回は一方視点からまたスタートです!

    819 :

    チンチコール!

    うわあああああついにこの展開に

    820 :

    おつ

    天井殴り飛ばしたい…

    821 :

    木原を確保するとはやるな~

    822 = 807 :

    え?どういう展開これ?
    この腹パン先が読めん!

    823 :

    こうなったら浜面に腹パンしようか

    824 :

    きれいな木原くンでいいのか…?乙

    825 :

    みんな、腹パン先は天井だ

    826 :

    >>819
    チンチコールくそ懐かしいぜちくしょう、何で俺は街を売ってしまったんだ…
    あと亀だけど腹パンさん乙ゥ

    827 = 819 :

    >>826
    チンココール

    828 :

    チンチコール!調子に乗ってトリを付けてみる。
    ……上手く出来てっかな。
    また少ないですが、昨日の分を投下していきます。

    829 :






    一方通行は一人、突っ立ていた。

    その場所は、どこだか分からない。

    ただ深くて冷たい、暗闇の中だった。

    (……ここは、どこだ?)

    ポツリ、と心の中で呟く。

    とりあえず歩き出したが、どこまで行っても真っ暗な闇は晴れようとはしない。

    (……何なンだよ……)

    イライラして、思わずその辺を蹴り飛ばした。

    すると、

    「……あン?」

    何もなかったはずなのに、彼の足は何か硬いモノを捉らえていた。

    不思議に思って、見てみる。



    それは、少女の死体だった。



    「……………………ッ!?」

    一方通行は驚きの表情を浮かべる。

    その死体はただの死体などではなく、あまりにも無惨な死に方だった。

    そして、それには見覚えがあった。

    何故ならそれは、昨日自分が殺したクローン少女だったからだ。


    830 = 812 :

    「……この人殺し」

    不意にそんな声が聞こえる。

    思わず声のした方を振り向くが、そこには誰もいない。

    「君は結局、変われなかったのよ」

    「テメェは変わらず、ただの殺人鬼なんだよ」

    「信じて。いたのに」

    「あくせられーたなんて、大っ嫌い」

    「返してよ……私の大事な妹を…………」

    「………………テメェは最低のクズ野郎だ」

    声だけが、ただ聞こえる。

    見えない何かは一方通行を取り囲み、様々な言葉の暴力をしてくる。

    一方通行はしゃがみ込んで、耳を押さえた。

    「……違う、俺は」

    「何が違うってンだよ、一方通行?」

    「…………ッ!?」

    振り向けば、そこには自分が立っていた。

    「オマエは昔っから、たくさン人を殺したじゃねェか。
    何を今更、否定なンざしてンだよ。
    何ですかァ?まさか、今からやり直せるなンて思ってンじゃあねェよなァ?」

    『そいつ』は、引き裂いたような笑みを浮かべた。

    「…………ちが、う」

    必死に否定しようとしても、それ以上言葉が出てこない。

    「ハッ、なーにが違うンだよォ」

    そんな彼を、『そいつ』はくだらないと笑う。

    (違う、違うンだよ。
    違う違う違う違う違う違う違う違う違う
    チガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウチガウ
    ちがうちがうちがうちがうちがうちがうちがうちがう、ちがう……ッ!!)

    一方通行は、雨に打たれる子犬のように震え出した。

    カツっと革靴の足音が背後から聞こえる。

    振り向けば、そこには片目しかない顔の少女が立っていた。

    「あ な た の せ い だ」

    彼女は無表情で、淡々と告げた。

    瞬間、一方通行の意識は、そこで途切れた。


    831 = 812 :

    ――――どこからか、雀の鳴き声が聞こえる。

    「…………ン」

    一方通行はゆっくりと顔を上げる。

    もう、朝日は昇っている。

    (……寝てた、か)

    少しだけ、頭がしゃきっとしない。

    何か、酷い夢を見た気がした。

    その目には、涙がある。

    ぼーっとした頭で、ケータイを引っ張り出す。

    時間はすでに昼だった。

    (…………)

    一方通行はのろのろと立ち上がる。

    「……………………飯」

    一言、呟いた。





    そんな訳で、一方通行はある大通りを歩いていた。

    周りには学生達がわんさかいて、ちょっとわずらわしい。

    結局、これからどうするか、全く決まっていない。

    (……このまま逃げちまうか)

    そんな事を、思った。

    この街を出てしまえば、『実験』も中止になるのではないか?

    (……いや、そンなのありえねェ)

    おそらく逃げたところで、捕まるだけだ。


    832 :






    しばらくして、一方通行はあるファミレスの前まで来た。

    とりあえず、何か食べよう。

    そう考えて店に入ろうとする彼だったが――――

    「……っ!!
    あれは…………」

    思わずその足を止めた。

    彼の目の前には、常盤台中学の制服を着た少女がいて、熱心に何かを見ていた。

    頭に軍用ゴーグルを装着しているその少女は、一方通行に気付くと、

    「おやこんにちは、とミサカは一方通行に挨拶します」

    そう、昨日出会ったクローン――妹達がそこにいた。





    「……オマエ、一体何してンだよ」

    しばらく呆然としていた彼の口から出たのは、そんな言葉だった。

    「ふむ、研修ですが、とミサカは冷静に答えます。
    ちなみにミサカの検体番号(シリアルナンバー)は07777号です、とミサカは追加します」

    そいつは、無表情でそう言った。


    833 :






    「ファミリーレストランというものは初めてです、とミサカは感嘆とします」

    あの後、一方通行は御坂妹(検体番号とやらで呼ぶ気にはならなかった)を
    誘ってファミレスに入った。

    ……色々と聞きたい事があったのだ。

    二人はとりあえず奥側の、あまり外から見られない席に座った。

    「何を頼みましょうか、とミサカはメニューを開きながらワクワクします」

    そう言っているが、彼女は変わらず無表情だった。

    「……ふン、こンなモンはな。
    冷凍レトルトフリーズドライのオンパレードなンだよ」

    一方通行は冷たい声でそっけなく告げる。

    「そうだとしても、誰かと食べる料理というものは感覚が違うと言いますよ、と
    ミサカは一方通行に学習装置(テスタメント)から得た、ちょっとした精神論を述べます」

    「ハッ。だとしてもよォ、
    オマエは何とも思わねェのかよ」

    「何を、でしょうか?とミサカは尋ね返します」


    834 = 833 :

    一方通行はイライラした様子で答えた。

    「俺がオマエの仲間にした事、
    知らない訳じゃねェンだろ?
    不快に思ったりとか、しねェのかよ」

    「いえそんな事はありません、とミサカは否定します。
    ……そもそも、ミサカ達はあなたに殺されるために
    生み出された『実験動物』ですから、とミサカは諭すように伝えます」

    一方通行は黙りこくる。

    それを見て、彼女はさらに口を開く。

    「ミサカ達が死んだところで、誰も何一つ思いません。
    ミサカ達は単価十八万円の、
    ボタン一つでいくらでも自動生産できる『モノ』なんです、とミサカはさらに説明します」

    御坂妹はそこまで言って、はて?と首を傾げる。

    一方通行は黙って目を閉じている。

    「どうかしましたか、とミサカは「うっせェよ……」……え?」

    「うるせェって言ったンだよ!!」

    一方通行は叫びを上げる。

    周りに客はいないが、店員がびっくりした様子でこちらを見ている。


    835 = 828 :

    「単価十八万?いくらでも自動生成可能?
    そンなこたァ、どォだってイインだよ!!」

    一方通行は、マシンガンを放つみたいに高速で喋る。

    「――――オマエは、ここでこうして俺と話してる
    オマエは、世界にたった一人しかいねェじゃねェかよ!!」

    言うだけ言って、一方通行は口を閉じる。

    そう、先程御坂妹は自分達の事を『実験動物』だと言っていたが、それは違う。

    少なくとも、一方通行はそんな事を認めたくなかった。

    店の前で出会った時の彼女は、世間を知らない小さな子供のように目を輝かせていた。

    そんなの『実験動物』なんかじゃない。

    彼女達はきっとこの先も生きていたら、『個性』を手に入れられる。

    今はまだ、産まれたての赤ん坊のようなものなのだ。

    しかし、

    「…………あなたは優しいんですね、とミサカは目を細めます」

    御坂妹は、そう言われても表情を変えない。

    「でも、そうだとしても『実験』はあります、とミサカは冷静に返します」


    836 = 828 :

    「………………だったら」

    一方通行はゆっくりと口を動かす。

    まるで、一言一言に決意の弾丸を込めるかのように。

    「……だったら!そンなモン、俺が止めてみせる!!
    俺はこンな『実験』、絶対に認めねェ!イイか、絶対だぞ!!」

    一方通行は勢いよく立ち上がる。

    「…………じゃあな。ここの支払いは俺が持ってやる」

    そう言って、手持ちのクレジットカードを机に置いて店を去って行った。





    しばらくして、御坂妹は運ばれて来た料理を食べ始めた。

    (……何故、でしょうか)

    初めて食べる料理は、それなりに美味しい。

    なのに、心は全く浮かなかった。

    (美味しいものを食べたら、
    気分は高揚するはずですが、とミサカ07777号は疑問に思います)

    (それは不思議ですね、とミサカ10552号は同意します)

    妹達は互いの脳波をリンクする事で、お互いに情報を共有している。

    現在は、外部への研修に出た個体達による、外の情報で皆盛り上がっていた。


    837 :

    (こちらミサカ10032号です、とミサカは挨拶します。
    ただいまミサカは『ネコ』なる生き物に接触中です、とミサカはリポートします)

    (それはどんな生き物でしょうか、とミサカ10245号は情報開示を要求します)

    (すぐさま感覚共有をしましょう、とミサカ10000号は意見します)

    新しい話題に皆は盛り上がっているが、
    一人だけ彼女は参加する気になれなかった。

    『――――オマエは、ここでこうして俺と話してる
    オマエは、世界にたった一人しかいねェじゃねェかよ!!』

    そんな少年の一言が、どうしてだろうか、深く胸に突き刺さる。

    (……ミサカは、ミサカは一体どうしてしまったんでしょうか?
    とミサカは自分の気持ちを何故か理解出来ない事を不思議に思います)

    彼女は胸に手を当てて考えてみるが、特に解決しなかった。


    838 = 837 :






    一方通行は、ある研究所に向かって走っていた。

    その足取りに、迷いはなかった。

    (ったく……。
    俺は何をビビってたンだか)

    そんな事を、思う。

    そう、自分は怖かった。

    『大切な人』な人達に裏切られたという事実が。

    そして、それに向き合う事が。

    だから、一方通行は御坂妹に聞きたかった。

    ――本当は、皆は統括理事会とかにでも強要されて『実験』をしているのではないか、と。

    でも、もうそんな事はどうでもよかった。

    確かに、自分は裏切られたのだろう。

    だからどォした、と思う。

    大事なのは、そこから自分がどうしたいのかだった。

    (……あァ、そォさ。
    俺は殺しちまった。確かに殺しちまったよ)

    だからと言って、それで残り一万九千九十九人の妹達が殺されていい理由になんてならない。

    綺麗事なのは、分かっている。

    殺してしまった人間が言う事じゃないのも分かっている。

    しかし、だとしても。

    (後でどンなに憎まれよォと、罵られよォと構わねェ)

    だから――――

    (絶対に、守ってみせる)

    一方通行はとにかく走る。

    その目には、意志が宿っていた。


    839 :

    そんな訳で、昨日の分は以上。
    今日の分は……明日に回すね。
    次回は一方視点ではない、とだけ言っておきます。
    ……まぁ、言っても言わなくても変わんないですが。
    それじゃ、皆様。また明日。

    840 = 826 :

    チンチコール!つまり乙

    841 :

    一方さん天井探すときアニメ版だとブサイクに走ってたのに
    コミックス版だと能力使っててメチャクチャカッコいいよな

    842 :

    おつ

    相変わらず良いぜ

    843 :

    てかコイツろくに〆切りも守れないのになんでちょいちょい上から目線なん

    844 :

    なんで存在価値のない>>843が上から目線なん

    845 :

    お前ら喧嘩してると腹パンすっぞ

    846 :

    いい腹パンだ
    感動的だな
    だが無意味だ

    847 :

    >>844

    ほら・・・auさんて学生が多いじゃないですか


    まあオレも携帯だが

    848 :

    やっと追いついた
    このSSは神クラスだ

    849 :

    どうも、皆様。
    今から投下していきたいと思います。
    それでは、どうぞ。

    850 :






    夕方の六時頃。

    上条当麻は、ある学校の校門のあたりで大きく伸びをした。

    「それでは上条ちゃん、気をつけて帰るのですよー」

    「はーい……そんじゃー」

    見送りに来た、見た目十二歳の担任教師に適当に返して、上条はゆったりと歩き出す。





    「……ふわ、あぁぁぁ」

    大きな欠伸が、口から漏れた。

    「あー、これがまだ数日も続くんだよな……不幸だ」

    一人、ぼやく。

    ……何だかむなしい。

    (うん、あれだあれ。
    補習終わったら、海行こう海)

    無理矢理楽しい事を考えてみるが、
    よくよく考えてみれば海に行ったってどうせ今の時期じゃクラゲだらけだ。

    (はぁ……不幸だ)

    上条はがっくりと肩を落とす。





    「……ん?あれ……」

    上条は呆然と立ち尽くす。

    その視線の先には、御坂美琴がしゃがみ込んでいた。



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