のくす牧場
コンテンツ
牧場内検索
カウンタ
総計:127,062,949人
昨日:no data人
今日:
最近の注目
人気の最安値情報

    元スレ新ジャンル「空中人魚」

    新ジャンル覧 / PC版 /
    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 :
    タグ : 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。
    ←前へ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 / 要望・削除依頼は掲示板へ / 管理情報はtwitter

    951 = 950 :

    「はぁ……なんで私ってこんなにツイてないんだろ……」

    漁師「そげん溜め息ばつかんと。そうじゃ、夜通し起きちょったなら腹も空いとうやろ?」

    「……そう言われれば、お腹ペコペコかも」

    漁師「じゃろう? じゃと思って、今日は握り飯ば作って来たんじゃ」

    「ニギリメシ?」

    漁師「あんたら、穀物は食べたりせんのじゃろ? なら、俺といる間くらい食わせてやりたいち思うてな」

    「なにこれ……真珠貝みたいに真っ白だ。これ、本当に食べれるの?」

    漁師「当然ばい。こん黒かとは海藻を集めて乾かしたもんじゃ。海藻くらいは、人魚でも分かるじゃろ?」

    「へぇ……うわ、見た目に反してなんかベタベタしてる」

    漁師「海水で手も濡れちょるけん、まだマシな方じゃと思うがね」

    「ふーん……」パクッ

    漁師「……どうね?」

    「……うわぁっ、美味しい!!」

    952 = 950 :

    「美味しい、これ美味しいよ漁師さん!!」パクパク

    漁師「ほうかい。どうやらお気にに召してくれたようじゃな」

    「しょっぱいのに甘いのに、噛めば噛むほどいろんな味がしてくる!」

    漁師「あぁ、そげん急いで詰め込むと喉に詰まらすばい」

    「人間ってこんな美味しいもの毎日食べてるの? ズルーい!」パクパク

    漁師「おおう、まさか怒られるとは思ってもみんかった」

    「これが毎日食べられるなら、私は人魚の尊厳をかなぐり捨ててもいい」

    漁師「友さんにそこまで言わすとは、恐るべし握り飯じゃな」

    953 = 950 :

    「けふぅ……ごちそうさま」

    漁師「よか食べっぷりじゃったねぇ。見ちょって惚れ惚れするほどじゃ」

    「……あっ」

    漁師「どうした? 友さん」

    「昨日言ってた私へのアピールって、まさかこれのこと?」

    漁師「んなこたなかばい。そげん物で釣るような真似しても、意味はなか」

    「あぁ危なかった。もし今のニギリメシがアピールの一種だったら、私かなり揺らいでたよ」

    漁師「そんなら俺は、毎日握り飯食べさせてやるけん嫁に来いっち言ってやるばい」

    「う……それ、本当?」

    漁師「友さん、あんた意外と単純じゃな」

    954 = 950 :

    漁師「まぁそれは冗談じゃが、その握り飯はただの俺からの気持ちじゃけん」

    「そんなこと言っても、私は漁師さんに負い目なんか感じませんからねーだ」

    漁師「もちろん、そんなもん感じなくてよかよ。俺はたとえ友さんを

       恋人に出来なくても、この何日か夢のように楽しかったけんね」

    「……あれ、急に遠い目なんかして、どうしたの?」

    漁師「いや……今週末を過ぎれば、また寂しい独身男に戻るかと思うと、切なくなってなぁ」

    「なぁんだ。そんなの、人間の女の子と仲良くなればいいじゃない」

    漁師「友さん。漁師っちゅう仕事は、想像以上に出会いの少ない仕事なんよ」

    「仕事のせいにして出会いを放棄してたら、それこそ寂しい一生を送っちゃうじゃない」

    漁師「……いや、今のは俺の言い方が悪かったな」

    「え?」

    漁師「あのなぁ、俺はどんだけ人間の女の子と接点があっても、やっぱり友さんのこと好きになるち思うんよ」

    「ちょっ、何馬鹿なこと言ってるの」

    漁師「なんせ、一目惚れじゃったからなぁ……あんたを保護した時から、まるで電気ば走ったみたいにビビっと来たんじゃ」

    「そ、そんな……」

    漁師「友さん。俺、やっぱりあんたのこと好いとうと。色々考えたばってん、真っ直ぐに好きち伝えるんが一番のアピールじゃけんな」

    漁師「どうじゃろう、駄目かな?」

    「駄目かなって……昨日同じこと言われて『考えさせて』って言ったばっかりじゃなかったっけ?」

    漁師「そうじゃな。けど、白黒はっきりするまで好きち言い続けるんは俺の自由じゃろ?」

    「う、うーん……」

    955 = 950 :

    「じゃあ、ひとまずの折衷案としてこうしましょうよ」

    漁師「なんじゃろう」

    「とりあえず、私たちは友達って関係から始めましょう。そこから進展するか何も無しかは、あなたの技量次第ってことで」

    漁師「ぬぅ……なんか、なし崩しで週末を迎えてしまいそうじゃな」

    「ごめんね。私もあなたは嫌いじゃないし、仲良くなりたいんだけど、まだ恋人までの踏ん切りはつかないのよ」

    漁師「まぁ、若干の進展は見られたことじゃし、良しとするか」

    「ホッ……」

    956 = 950 :

    漁師「なんか、そうと決まると一分一秒も惜しくなってくるな」

    「そりゃ、週末まであと二日しかない訳だし」

    漁師「……よし、決めた。友さん、今からドライブ行かんね?」

    「え? お仕事は?」

    漁師「最近はデカい漁もなかし、一日だけなら休んでも平気じゃろ」

    「……それ、本当に大丈夫なの?」

    漁師「なぁに、残り少ない日数を友さんと楽しく過ごす方が、今の俺にはよっぽど大事じゃけん」

    「漁師さんって、意外に軽いんだね」

    漁師「そうじゃ、握り飯もたくさん作って持っていこう。そしたら友さんも楽しめるじゃろ?」

    「本当!? 行く行く!!」

    漁師「あんたも意外に軽い女の子じゃな」

    958 = 950 :

    「ところで、ドライブってなぁに?」

    漁師「あ、そうか。あんたは人魚じゃけんドライブなんて言葉知らんか」

    漁師「えーっとな……こないだあんたを乗せた軽トラックがあるじゃろ? あれに乗ってどこかへ出かけるのがドライブじゃ」

    「げっ。またあの車に乗るの!?」

    漁師「今度はゆっくり走るし、酔い止めの薬も家にあったはずじゃから持ってくればよか」

    「お出かけは楽しみだけど、あの車かぁ……」

    漁師「……握り飯」

    「!!」

    漁師「友さん、あんた軽い上に単純な女の子なんじゃな」

    「う、うるさいなぁ!」

    漁師「ははは、そいじゃあ漁協に連絡してから準備してくるばい」

    959 = 950 :

    三十分後……

    漁師「お待たせ」

    「あれ? 思ったより早かったね」

    漁師「おう。仕事の方は猛烈な風邪をひいたち嘘ついたら案外すんなり休めたばい」

    「なんか、今さらだけどズルいねぇ」

    漁師「これも俺の迫真の演技と、日頃の勤務態度の賜物じゃな。はっはっはっ」

    「でも、こんな朝早くからどこに出かけるの? まだ日もあける前だけど」

    漁師「俺も起きた時は普通に仕事ば行くつもりじゃったからなぁ。海手側は知り合いに見つかったらヤバかけん、山にでも行こうか」

    「オッケー。それで、漁師さん。例の物は?」

    漁師「ん? あぁ、握り飯もちゃあんと用意しとるばい」

    「やった! じゃあ早く行って早く食べよ?」

    漁師「花より団子とはこのことじゃな。ま、そんなに待ち遠しいなら早く出発しようか」

    「おー!」

    960 = 950 :

    ブロロロ……

    「空き箱被って荷台に乗って~今日はお出かけ日和かな~♪」

    漁師「えらい楽しそうじゃな、友さん」

    「うん。やっぱり自由に動けない分だけ、ストレス溜まってたのかもね」

    漁師「海を自在に泳ぎ空も飛べる人魚も、身動き取れんば陸の魚じゃからね」

    「ね、ところで今はどこに向かってるの?」

    漁師「ん、俺がガキん頃から遊んじょる川に連れてってやろうかと思うてな」

    「川って、鰻とか鮭とかがいるあの川?」

    漁師「今から行く川には鰻も鮭もおらんが、間違いじゃなか。あんたは川も見たことないんじゃなぁ」

    「そうだよ。人魚の住みかは海と空だもの」

    漁師「それなら、滝ば見たら驚くじゃろうねぇ」

    「タキ? 何それ」

    漁師「着くまで秘密じゃ。楽しみに待っちょらんね」

    「……?」

    961 = 950 :

    漁師「着いたよ」

    「おー、ここが山かぁ」

    漁師「どうね、初めての山の感想は」

    「そんなことより、今日は車乗っても気持ち悪くならなかったことの方がすごいと思った」

    漁師「そりゃ、薬飲んで安全運転すればな。……もっとこう、うわぁとかビックリしたぁとかないのか?」

    「木や草がいっぱい。今のところそんだけ」

    漁師「……まぁ、良か。こっから川までは少し歩くけん、下生えで肌ば切らんよう気ぃつけんね」

    「漁師さん。あなた、何かお忘れでない?」ふわり

    漁師「あ、そうか、あんた空を飛べるんじゃったな。なら、張り出した枝の方が危なかね」

    漁師「俺があんたの飛ぶ高さの枝ば折っちゃるけん、なるべくゆっくり後ろばついてこんね」

    「はーい」

    962 = 950 :

    ガサガサ……

    「なんか、海と違って山の中ってすごいごちゃごちゃしてるね」

    漁師「まだ朝も早いけん、なおのことそう見えるんじゃろうな」

    「あ……今、あっちの方で鳥が飛んだよ」

    漁師「多分、あれはルリカケスじゃな。ガキの頃はよう見たばってん、最近はあんまり見んようになった」

    「漁師さん、漁師なのに山にも詳しいんだね」

    漁師「元は山側の人間じゃけんな。高校出て働き口なかったけん、町まで下りて漁師になったと」

    「へー、色々大変なんだね」

    漁師「じゃが、今はもちろん漁師の仕事を好いとうとよ」

    「……ん? なんか、あっちから水の音がしない?」

    漁師「さすがは人魚、水音には敏感じゃねぇ。もうそろそろ川に出る頃ばい」

    963 = 950 :

    漁師「ここを抜けると川じゃよ」

    「私、なんかドキドキしてきた……」

    漁師「ははは、そげん緊張せんでも。ほら、見えたじゃろ?」

    「うわ、水だ。水が流れてる」

    漁師「もうちょっと視界が開けたら、滝も見えてくるけんね」

    「そういえば、さっきも言ってたけどそのタキって何なの? 川の仲間みたいなものなの?」

    漁師「今は木に遮られちょるが、音は聞こえてくるじゃろ?」

    「うん、なんかすごいドドドドーって水の音がする」

    漁師「それが滝の音じゃ」

    「滝って、水なのに音がするんだ」

    漁師「そうじゃよ。……あ、見えたばい。友さん、あれが滝じゃ」

    「……おぉっ!?」

    ドドドドドドドド・・・・

    964 = 950 :

    「すごーい!! 水があんなに高いとこから落ちてきてるー!!」

    漁師「どうじゃ、すごいじゃろ? ここは地元の者も知らん、俺だけの秘密の遊び場じゃけんね」

    「ねぇねぇ、ちょっと上まで見てきていい!?」

    漁師「よかけど、はしゃぎ過ぎて怪我ばせんようにな」

    「大丈夫大丈夫!!」

    ふわん、ふわふわ

    「……おぉー。上の方にまた川があって、それが流れて落ちてきてるのかぁー」

    「すごいすごい、こんなすごいもの初めて見たよ!!」

    漁師「そうかい。喜んでもらえたなら、俺も嬉しか」

    965 = 950 :

    「ほぁー……なんか、エチゼンクラゲを生で見た時以来の衝撃だよ」

    漁師「エチゼンクラゲは見たことあるんじゃな」

    「あそこから飛び込んだらどうなるかな?」

    漁師「危ないことはしたらいけんよ」

    「あはは、冗談冗談」

    ザパーンッ

    漁師「あっ……」

    「……ぷはーっ、すごいね。川の水って海の水とは全然違うんだ」

    漁師「気持ちよかね?」

    「うん。海の水ほどまとわりついてくる感じがしないし、水温も冷たくてキリッとしてるし」

    漁師「楽しんじょるなぁ、俺はこの気温じゃ泳げんから羨ましか」

    「へっへ~ん、いいだろ~」

    漁師「ははは……」

    966 = 950 :

    「~♪」スーイ、スイ

    漁師「ストレス、よっぽど溜まってたんじゃな。連れてきて良かったばい」

    「うん、私からもお礼言っとく。ありがとうね漁師さん」

    漁師「そげんこつば言われると、余計に返したくなくなるばい」

    「私も、ここなら毎日でも来たいくらい」

    漁師「ほんなら、俺と一緒に暮らせばよか。ここなら仕事帰りにでも毎日連れてきてやれるし」

    「駄目駄目。私には私の居場所がちゃんとあるんだから」

    漁師「そうかぁ……」

    「そんなに寂しい顔しないで。それより、そろそろご飯にしよ? 私、お腹減ったよ」

    漁師「友さん、朝に握り飯食べたとに、俺より腹減るのが早かね」

    「漁師さんがじっとしてるからでしょ? ね、それより早く、持ってきたニギリメシちょうだい!」

    漁師「しようがなかねぇ。まだ昼飯には早かばってん、友さんの腹の虫には負けたばい」

    967 :

    まさか握り飯がきっかけとは
    友人魚と漁師、いい感じになってきたな

    968 = 950 :

    漁師「ほい、握り飯」

    「わぁい♪」

    漁師「しかし、我ながら不恰好な握り飯じゃね」

    「そう? 比較になるほど綺麗なニギリメシ見たことないからわかんないや」パクパク

    漁師「友さんは、握り飯好いとうと?」

    「大好き、今まで食べたものの中で一番好き!!」

    漁師「そうかぁ……。俺は友さんが握り飯を好いとうのと同じくらい、友さんが好きじゃ」

    「ブッ……な、何言ってるのよ!?」

    漁師「本心じゃけん、今さら隠す必要もなかろ?」

    「おかげでニギリメシ吹いちゃったじゃない。あーあ、勿体ない」

    漁師「すまんの。ちょっと突然過ぎたか」

    「人間の男の人って、皆そんな風にストレートに告白するものなの?」

    漁師「いいや、こんな不器用な告白ばするのは俺くらいじゃろう。駆け引きとか苦手じゃし、握り飯にもそれがよう現れちょる」

    969 = 950 :

    「……あのね、漁師さんには話してないけど、私の好きだった男の人もそんな人だったんだよ」

    漁師「そうなんか?」

    「うん。ちゃらんぽらんでヘラヘラしてるくせに、いつもいつも好きだ、

      愛してるなんて言って、ついには私の友達を射止めちゃったの」

    漁師「ふぅん……凄か人じゃねぇ、そん人は。突拍子もないっちゅうか」

    「漁師さんも似たようなものだよ。私、そういうの嫌いじゃないし」

    漁師「なんじゃろうな、人魚に好かれるのはそういう人間なんじゃろうか」

    「逆じゃない? 人魚を好きになるのが、そういう人ばっかりなんだよ」

    漁師「なるほどねぇ……ためになるばい」

    「私も、一つ利口になった気分だよ」

    970 = 950 :

    漁師「しかし、いよいよ友さんも観念して俺のところに来てくれるか」

    「ちょ、なんでそんな話になってるの!?」

    漁師「だって今、『私もそういうの嫌いじゃないし』って。これはつまり俺との関係を好意的に修正してくれるっちことじゃろ?」

    「違う違う、それは単なる言葉の綾で……」

    漁師「分かっちょるよ、全部冗談ばい」

    「あ、なんだ。そうだったの」

    漁師「今は友達でよか。そん代わり、俺も友さんが愛想つかすまでは諦めんけん」

    「それなら私も、構わない」

    漁師「人間じゃったら、そこまで思われると重たいとか言われるとこなんじゃろうな。友さんが人魚で、良かったばい」

    971 :

    漁師「……」

    「……」

    漁師「友さん、もう遊ばんと?」

    「一人ではしゃいでも、あんまり楽しくないし。今は漁師さんの横にいてあげる」

    漁師「あれだけワーキャーしときながら、楽しくないか」

    「うるさいな、これでも漁師さんに気を遣ってあげてるんだからね」

    漁師「そりゃすまん。なら俺も泳ぐことにしようか」

    「本当に風邪ひいても知らないよ? それより、なんか話ししてよ」

    漁師「なんも話すことなんかなかよ」

    「何かあるでしょ。たとえば、この場所に関する思い出とか」

    漁師「思い出なぁ……一人で来ることしかなかったから、あんまりないな」

    「寂しっ! せっかくいい場所なのに、勿体なーい」

    漁師「俺には、友さんと出会えてここに連れてきてあげれたことが、この場所での一番の思い出ばい」

    「またそういう臭い台詞を言う……」

    漁師「でも、本心じゃけん」

    972 :

    漁師押し押しだな、ガンバレ

    973 :

    漁師「俺、友さんと知り合えて良かったばい。友さん、うっかり俺んところに流れてきてくれてありがとな」

    「複雑なお礼の言い方するね。喜んでいいのか悲しんでいいのか」

    漁師「悲しむ必要はなかばい。そういう間抜けなところも可愛かけんね、ははは」

    「人を間抜け呼ばわりとは、いい度胸してるじゃない」

    漁師「人じゃなかよ、人魚じゃよ」

    「あ、それもそっか」

    漁師「その素直な性格も、魅力的じゃ」

    「だから誉めるならちゃんと誉めろと」

    漁師「誉めとるよ。そう聞こえんのは心が曲がってる証拠ばい」

    「むぐ……じゃあ今は素直に受け止めてやろう」

    974 = 973 :

    「あー、でも楽しいな。まさか私の人生で陸に上がれる日がくるなんて」

    漁師「俺も人魚と関わりあいを持つようになるとは思わんかったよ」

    「これで私の夢もかなえば、言うことなしなんだけどなー」

    漁師「夢? 夢っち何ね?」

    「ふふふ、よくぞ聞いてくれました!」

    「私の夢は、好きな人と一緒に散歩すること! それが叶ったら、もう私の人生に悔いはないの」

    漁師「慎ましい夢じゃね。そんなんならすぐにでも叶いそうじゃ」

    「それがそう簡単にはいかないのよ。だって、私達には足がないんだから」

    漁師「そうか……まず歩くっちゅう時点でつまずいてる訳か」

    「そう。だから私の夢も、結局は叶わぬ夢って訳よ」

    漁師「……じゃあ、こういうんはどうじゃ?」

    「こういうのってどういうの?」

    漁師「友さん、こっちおいで」

    「なぁに?」

    漁師「いいから、いいから」

    975 = 973 :

    「来たよ」

    漁師「うん、ほいじゃあ……」

    ザバァッ

    「うわぁっ!!」

    漁師「じっとしよらんね。あんまり動くと抱えばならんち」

    「な、何するのよ! ビックリするじゃない!!」

    漁師「何って、俺が友さんを抱きかかえて歩けば、一緒に散歩出来るがね」

    「そんなことして恥ずかしくないの!?」

    漁師「じぇーんじぇん。そもそもここには誰も来よらんばい」

    「嫌だよ、私が恥ずかしいよ。下ろしてよ」

    漁師「嫌じゃ」

    「なんでよー!!」

    漁師「友さんの夢は俺が叶えちゃるけん。そげん照れんでよか」

    976 = 973 :

    「うぅ、恥ずかしいよぅ……」

    漁師「さ、友さん。そいじゃあ一緒に散策しようか」

    「私、重くない? 重かったらすぐに下ろしていいよ?」

    漁師「ははは、友さんも女の子なんじゃねぇ。気にせんでも、冬場の寒ブリに比べたら軽いもんばい」

    「……」

    漁師「そげん力ば入れんと、リラックスリラックス」

    「……ねぇ、これって、お姫様抱っこって言うんだよね?」

    漁師「そうじゃな」

    「……なんか、すごく変な気分」

    漁師「じきに慣れるけん、我慢し」

    977 = 973 :

    「ねぇ、もう散歩はしなくていいから、このままお姫様抱っこ続けててよ」

    漁師「立ちっぱなしでか? それは歩くよりキツかかもしれんなぁ」

    「じゃあ座ってもいいから。とにかく、このままでいて?」

    漁師「ん、分かった。しかし、そんなにこれが気にいったね?」

    「だって、心臓の音が聞こえそうなくらい体が密着してるし、顔だってこんなに近い」

    漁師「本当じゃな、改めて見ると俺はとんでもないことばしちょるな」

    「自覚なしにこういうこと出来るのってある意味すごいよ」

    漁師「本心を言えば、下心ありありだったんじゃがな」

    「そうだったの?」

    漁師「じゃが、友さんも気に入ってくれたなら満足じゃ」

    「下心あるなら下ろしてもらおうかな……」

    漁師「駄目」

    978 :

    友ちゃんを引き付けるって下心か

    素直だな漁師

    979 :

    「……」

    漁師「どうね、夢ば叶った気分は」

    「うん、悪くない。悪くないけど……」

    漁師「なんね、なんか不満があると?」

    「私、人の好きなようにされるのって、あんまり好きじゃないんだよね」

    漁師「え?」

    「という訳で、戦線離脱!!」ふわり

    漁師「あっ……」

    「私のこと捕まえられたら、付き合うの考えてあげてもいいよ」

    漁師「な、なんち?」

    「じゃ、そういうことで。車まで競争ね!!」ヒュンッ

    漁師「あ、こら。友さん、友さん!!」タッ

    980 = 979 :

    「到着~」

    漁師「ハァ、ハァ……ゼェ、ゼェ……」

    「残念ながら今回のチャレンジは失敗でーす。漁師さん、またの挑戦をお待ちしてます」

    漁師「そらぁ、空飛ばれたら追いつけるはずなかばい……ゼェゼェ」

    「ふふん、でも勝負は私の勝ちね」

    漁師「あぁ、そうじゃな。けど俺は、まだ諦めんばい」

    「……ふふ」

    漁師「な、何が可笑しかとね……」

    「あはははっ、冗談だよ冗談。空飛ぶ人魚と早さで競争して勝てるはずないじゃん」

    漁師「それはそうじゃが……冗談って友さん」

    「私の冗談を真に受けて、がっくりしてる漁師さんが可笑しかったのよ」

    漁師「あんた、性格悪かね」

    「ふふ……」

    981 = 979 :

    「ね、漁師さん。さっきのやつ、ここでもう一回やってよ」

    漁師「さっきのやつ?」

    「あの、私を抱き抱えたあのやり方よ」

    漁師「あぁ、お姫様抱っこか。しかし、この藪の中でやるんか?」

    「いいじゃない。どうせ誰も来ないんでしょ?」

    漁師「友さんが良ければ、俺は構わんが……」

    「じゃ、お願い」

    漁師「ん。分かった」ヒョイッ

    「ふぅ……やっぱりいいなぁ、これ」

    漁師「俺で良かったらいつでも抱えてあげるばい」

    「ありがとう。じゃあそのお礼に、私からも一つプレゼントをあげる」

    漁師「プレゼント? なんね、それ」

    「プレゼントっていうか、約束かな」

    982 = 979 :

    「私さぁ、ここに来て遊ぶまでは、明後日私を迎えにきてくれる人以外には、深入りしないようにしようと思ってたんだ」

    漁師「うん、それで?」

    「けど、漁師さんがあんまり真面目に迫ってくるもんだから、ちょっと考えを変えてみたの」

    漁師「ふうん、一体何がどう変わったんじゃろうな」

    「あのさ、私は明日までしか漁師さんとこにいない訳じゃん?」

    漁師「そうじゃな」

    「そこで思ったんだけどさ、漁師さんが望むなら、向こうに帰って

      からも、たまには漁師さんとこに遊びに来てあげても、いいよ」

    漁師「え? ちゅうと、それは……」

    「明日までじゃなくて、何度もアピールするチャンスが増えるってことだね」

    漁師「ほ、本当か!?」

    「うん、そうすることに決めた」

    983 = 979 :

    漁師「つまりは、友さんが俺に惚れるまで、俺は何度でもアタックしていい訳じゃな?」

    「うん。私も何だかんだでここが気に入っちゃったし、ニギリメシ美味しかったし」

    漁師「じゃあ、これから友さんが遊びに来るときは、山ほど握り飯ば用意しとくけん」

    「それは嬉しいねぇ。それだけで私、漁師さんに惚れちゃうかも」

    漁師「何ば言いよっとね。俺の魅力は握り飯にも負けよらんばい」

    「ふふふ、そうだね……」

    984 = 979 :

    「よー」

    985 = 979 :

    「よーし、それじゃ帰ろっか!」

    漁師「なんね、まだ昼間じゃが勿体なくなかね?」

    「だって、いっぱい遊んでお腹空いたんだもん」

    漁師「あんなに早くに握り飯ば食べるからばい」

    「いいのいいの、帰ったらまたニギリメシお腹いっぱい食べさせてよ」

    漁師「友さんは色気より食い気じゃな」

    「そうだよ、あんな美味しいもの食べないなんて人生の損失だよ」

    漁師(米、明日まで持つじゃろうか……)

    986 = 979 :

    そして、ついに週末……

    987 = 979 :

    「……」

    漁師「友さん」

    「あ、漁師さん。どうだった?」

    漁師「あん兄さんとは連絡取れたばい。今日の夕方五時ごろには迎えに来るち」

    「そっか、良かった。やっと帰れるんだ」

    漁師「はぁ……しかし、友さんとももうお別れなんじゃなぁ。明日から何を頼りに生きていけばいいか分からんばい」

    「もう、そんなに落ち込まないでよ。場所さえ分かったら遊びに来るって言ったじゃない」

    漁師「そりゃそうじゃが、やっぱり寂しかもんは寂しかよ」

    「ありがとう。私も、漁師さんと離れるのにちょっと未練があるかも」

    漁師「そうかね。……友さん、最後じゃけん少しワガママ言わせてもらってよかね?」

    「なあに?」

    漁師「この間みたいに、友さんをお姫様抱っこで抱えさせてくれんかね」

    「いいよ、それくらい。お安いご用だよ」

    漁師「ありがとう。じゃあ……」

    ヒョイッ

    「ん。これで満足?」

    漁師「おう。悪かばってんしばらくこのままでおらしてくれな」

    「オッケー」

    988 = 979 :

    「ねえ、漁師さん。海入った後の私なんか抱っこしたら磯臭くてべたべたしない?」


    漁師「大丈夫、むしろこのままずっと抱きしめてたいくらいばい」

    「そう……」

    漁師「友さん、俺やっぱり友さんのこと離したくなかよ。それでも帰ってしまうんか?」

    「うん。だって友達もほっとけないし、私自身ふるさとに帰りたいし」

    漁師「そうかぁ……そうじゃよなぁ」

    「心配しなくても、たまに遊びに来るって言ってるじゃん? その時まで我慢我慢」

    漁師「……はぁ」

    「溜め息なんかつかないでよ。笑って送り返して、ね?」

    漁師「友さん……」ぎゅっ

    989 = 979 :

    「何々、どうしたの漁師さん」

    漁師「いや、このまま終わってしまうんが嫌だから抱きしめただけばい」

    「終わりじゃないでしょ? これからが始まり。だからそんなに寂しがらないでよ」

    漁師「……そうじゃな、せめて友さんに釣り合うような男になれるようにならんとな」

    「そうそう、その意気だよ」

    漁師「……あのな、友さん」

    「え? 何、どうかした?」

    漁師「非常に言いにくいことなんじゃが、一つお願いばしてよかね?」

    「内容によるけど、何?」

    漁師「その……しばらく会えなくなるけん、思い出に、き、キスばさせてくれんじゃろうか」

    「え?……ええええ!?」

    漁師「い、嫌ならよかよ! ちゅうか、俺もオッケーがもらえるとは思うちょらんけん…」

    「そ、それオッケーしちゃったらもう恋人も同然じゃん……」

    漁師「……じゃよな」

    990 :

    漁師「……」

    「……」

    漁師「……変なこと言うて、すまんかったな」

    「いや、いいよ。なんとなく気持ちは分かるし……」

    漁師「……」

    「……」

    漁師「……気まずくさせてしもうたなぁ」

    「……ほっぺた」

    漁師「え」

    「ほっぺたになら、キスさせてあげてもいいよ」

    漁師「えぇ!?」

    「不満があるならさせてあげない」

    漁師「い、いや、充分、充分ばい!」

    「それなら、目を瞑っておくから早くしてよ。恥ずかしいんだから!」

    漁師「な、なんかツンツンしちょるな……申し訳なかばい」

    991 = 990 :

    「ほら、早く済ます!」

    漁師「(これは照れ隠しに怒っちょるところじゃろうか…)それなら、失礼して……」ゴクリ

    「……んっ」

    ―――チュッ

    漁師「……ふぅ、ありがとう友さん。もうよかばい」

    「あぁ、恥ずかしかった。もう変な提案しないでよね」

    漁師「友さんが受け入れてくれてくれたからやっただけばい。そうでなきゃ、とてもこんなことしきらんかったよ」

    「人に責任転嫁しないの。私は最後の思い出にっていうから仕方なくのってあげただけなんだから」

    漁師「友さん。顔真っ赤ばい」

    「うるさい! 漁師さんだって似たような顔色だよ!!」

    992 = 990 :

    あと8レスでまとめられる気がしねえ……
    もし>>1000までに終わらなかったら台詞系総合に続き投下します……

    993 = 990 :

    「もう、漁師さんったら……もうっ」

    漁師「そんなに膨れんと。可愛いか顔が台無しばい」

    「またそんなこと言うし。もう知らないから!」ふわっ

    漁師「あっ、友さん。不用意に空飛んだら人にバレてしまうばい」

    「べーだ。その時はその時だし……」

    ――ドカッ

    「痛っ……え!?」

    「オゥフwwwwwwwいてぇwwwwwwwwww」

    「ちょっ……お兄さん。なんでここにいるの!?」

    「チョイーッスwwwwww友人魚久しぶりwwwwwwww」

    「久しぶり。じゃなくて、質問に答えてよ!」

    「いやぁwwwwww実は友を驚かそうと思って予定より早く出てきたんだけどwwwwww

      なんかお邪魔虫だったみたいだから物陰からこっそり見守ってますたwwwwwwwwwwwww」

    「……ってことは、今までの一連の行動、全部見てたの?」

    「おうよwwwwwちなみに俺んちで漁師の連絡を受けたのは質屋なんだぜwwwww

      面識ないから声質だけじゃ判断出来なかったみたいだなwwwwwww」

    「嘘……あんな恥ずかしい場面、全部見られてたなんて……」

    「そんなに恥ずかしがるなよwwwwwwラブラブちゅっちゅなんて俺と女もよくするしwwwwwww」

    994 = 990 :

    「いやぁwwwwwそれにしても友人魚にあんないい人がいたとはなwwwww」

    「いや、あれはただのお別れの挨拶っていうか……」

    「照れなくてもいいんだぜwwwwそれに嫌いな相手となんかちゅっちゅしないだろwww」

    「それはそうだけど」

    漁師「友さん、何ばしようとね?」

    「チョイーッスwwwwwww」

    「漁師さん、この人が私を迎えに来てくれたお兄さん」

    漁師「え? 電話じゃ夕方に来るはずじゃなかったとね?」

    「それが俺なりのサプライズwwww友をビックリさせるために早めに来たのさwwwwww」

    漁師「は、はぁ……(何じゃこん人は)」

    (呆気に取られてるねぇ、無理もないけど)

    995 = 990 :

    「驚かそうと思ったらお邪魔しちゃったみたいでwwwwサーセンwwww」

    漁師「あ……あんた、今の見ちょったとな?」

    「全部見てたみたいだよ」

    「悪気はなかったwwww反省しているwwwww」

    漁師「俺は別に良かけんが、友さんは……」

    「な、何よ。私だって見られて困るようなことしてた訳じゃないんだから!」

    「まぁまぁお二人さんwwwww喧嘩はなしよwwwwww」

    「仲良きことは美しきかなwwww愛しあう二人はイチャイチャして当然だしwwww」

    「愛しあうって、あのねぇ……」

    漁師「……そうじゃ、俺は友さんのこと好いとうと」

    「お?wwww」

    「ちょっと、何言ってるの?」

    漁師「再確認ばい。俺はあんたが好きじゃ、だからあんたが振り向くまで好きっち言い続けるだけばい」

    「うはwwwww熱烈wwwwwさぁ友人魚、この思いにどう答えるwwww」

    「えぇ~、何この展開……」

    996 :

    「何度も言ってるけど、そんなすぐに結論なんか出せないってば」

    漁師「うん、分かっちょる。だから返事は友さんの好きな時でよか」

    「なんだよwwww冷たいなぁwwwこんなに歓迎してくれてるんだから付き合っちゃえばいいのにwwwww」

    「そんなに簡単じゃないって知ってるでしょ?」

    漁師「それも分かる。やけん、嫌いなら嫌いになってくれて構わんよ」

    「ちゅーまでしてるくせにwwww空気読めwwwwww」

    「それ、お兄さんだけには言われたくない」

    漁師「変わった人じゃな、あんたも」

    「よく言われるwwwwwww」

    997 = 996 :

    「不毛な議論をしてるのもアレだしwwwwもうそろそろ帰りますかwwww」

    「え、ちょ、ちょっと待って。まだ早くない?」

    「何?wwwwまだなんか心残りがあるの?wwwww」

    「帰るの夕方ごろって聞いてたから、いろいろ心の準備が……」

    「残りたきゃここに残ってもいいんだぜ?wwwww女や姉ちゃんにはちゃんと説明しとくからさwwwww」

    「……もうちょっとだけ、時間をくれない?」

    「おう、いいよwwwwじゃあお邪魔虫はあっち行ってるから二人きりで語り合えよwwwww」

    「そういう訳だから、漁師さん、あとちょっと話できる?」

    漁師「え、あ、あぁ……」

    「んじゃ、さっきみたいに喧嘩すんなよーwwww」テクテク

    「相変わらずお気楽なんだから……」

    998 = 996 :

    漁師「それで、話って何じゃろうか」

    「えっと、まぁ別れる前にちょっと言っとこうと思って」

    漁師「何を?」

    「いや、あのね、前からずっと言ってるけど、私は人魚だから人間とはお付き合い出来ないのよ」

    漁師「おう、もう何度も聞かされて耳にタコが出来るほどじゃ」

    「でも、漁師さんと過ごしたこの何日か、夢みたいにすごく楽しかった。そのお礼がしたかったのよ」

    漁師「お礼なんかしなくてよかよ。俺はたまたま網にかかった友さんを助けただけじゃけん」

    「偶然って本当にあるんだね……そうやってたまたま助けてくれた人に一目惚れされちゃうなんて」

    漁師「そうじゃな、俺も友さんと一緒におれて楽しかったばい。出来れば、これから先もずっとそうしたいくらいじゃ」

    「ありがとう、漁師さん。私も漁師さんのこと、好きだよ」

    漁師「……それは友達としてっちゅうことじゃよな」

    「そうだね、今はまだそう」

    999 = 996 :

    漁師「友さん、近いうちにまた必ず遊びに来てくれるんじゃよな?」

    「うん、きっとね」

    漁師「そしたら、握り飯ばたくさん用意して待っちょるけん。友さんが食べきれんくらい用意して待っちょるけん」

    「うん、うん」

    漁師「じゃから、この小汚いおっさんのこと、忘れんでくれよ。俺は友さんがここに来なくなっても、絶対忘れんから」

    「まだお別れもしてないのに、気が早いよ」

    漁師「それもそうじゃ。なんか、友さんがいなくなるち思うたら切なくてなぁ」

    「漁師さんはセンチメンタルだねぇ」クスクス

    漁師「じゃが、最後くらいは笑って送り出してやらんとな。それが男の務めじゃけん」

    「さすが漁師さん。それでこそ男だね!」

    漁師「本当はけっこう無理もしちょるがな」

    1000 = 996 :

    漁師「ほいじゃな、友さん。元気でな」

    「……うん」

    ふわり

    「お?wwwwwなんだwwwwwもうお別れの挨拶は済んだのか?ww」

    「うん、あんまり引きずって未練たらしくするのも嫌だしね」

    「そっかwwwwじゃあもう車出すからwww荷台に乗っとけwwwww」

    「うん……」

    漁師「友さーん、元気でなー!!」

    「うはwwww漁師テラ健気wwwww返事しなくていいのか?wwwwwww」

    「……いいから、早く車出して」

    「おkwwww把握したwwwそれじゃ、俺たちの町へ帰りますかwwwwww」

    「……」

    漁師「…行ってしもうたか……」



    新ジャンル「空中人魚」~完結編へ続く~


    ←前へ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 / 要望・削除依頼は掲示板へ / 管理情報はtwitterで / 新ジャンル一覧へ
    スレッド評価: スレッド評価について
    みんなの評価 :
    タグ : 追加: タグについて ※前スレ・次スレは、スレ番号だけ登録。駄スレにはタグつけず、スレ評価を。荒らしタグにはタグで対抗せず、タグ減点を。

    類似してるかもしれないスレッド


    トップメニューへ / →のくす牧場書庫について