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    元スレ新ジャンル「憑依懇願」

    新ジャンル覧 / PC版 /
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    1 :


     この物語はフィクションであり、作中に登場する人物等の設定は全て架空のものです。
     実在する人物や作者の嗜好その他もろもろとは一切関係ありません。

     あなたの健康と信用を損なうおそれがありますので、作中に描写された内容を実生活へ適用する際には注意しましょう。
     社会のルールとマナーをまもりましょう。

     本編を閲覧し、頭痛、腹痛、悪寒、食欲ならびに性欲の減退、吐き気、鳥肌、めまいなどの症状が現れた場合は直ちに閲覧を中止し、医師に相談するよう作者に勧告してください。

    2 = 1 :

    1.知られざる一面

    『お願い、早く、早くぅ! 欲しいの! それ……ちょうだい、入れて、入れてよぉ!』
     卑猥な懇願が頭の中に響き渡る。
    『ねぇ……意地悪しないで。アタシ我慢できない、ダメなのぉ!』

    (清楚な子だと思っていたが、まさかこんな淫らな奴だったとは)
    『ねぇ……男クンだって辛いんでしょ? 我慢なんてしなくていいよ、アタシの体なんだから、アタシが許すから、
    いい機会なんだから、今後の参考になるから。というかお願いしてるんだからさぁ……』

    3 = 1 :

     今、俺が自分の意志で操っている女体、それは弾力のある棒状の物体を握っていた。
     昂ぶった牡の器官を模した玩具。
     俺が制御を奪ってしまった女体と、その持ち主の人格は、ソレの挿入を激しく求めていた。
    『安心して、もう女の子の初めてはコレで破っちゃってるから痛くないよ。
    だから怖がらなくていいよ』
    「そういう問題じゃねぇ」

     どうしてこんなことになっちまったんだ……。


     時は、一時間ほど遡る。

    4 = 1 :

     最後の作業を実行し、彼女をイメージしたとき、意識が遠のいていった。
     ゆっくりと浮かび上がるように目が覚める……と思いきや、下腹部や股間から激しい疼きを感じるとともに、乳首から電流のような刺激が走った。
     そして頭の中に響き渡る女の戸惑いの声によって急激に覚醒した。

     ぬいぐるみなどのファンシーな品で構成された部屋、そこのベッドの上で、俺はあられもない格好になっていた。
     身につけたセーラー服はブラと共に捲りあげられ、小ぶりな乳房があらわになっている。
     下半身もパンツを下ろして濡れそぼった股間があらわになり、ソコに手を伸ばしていた。

    5 = 1 :

     まあ、女だって年頃の健康な少女であるためごく当たり前のようにアレをするんだろうけど、よりにもよって俺が憑依の呪術を実行したときに致していたとは。
     目の前には不自然に伏せられた写真立てがあった。
     どうやらオカズにしていた人物の写真らしいが、俺が乗り移って不用意に体を動かしたために倒してしまったらしい。
     プライバシーに踏み込むのはまずいので、中の写真を見ないよう注意しながら傍らの卓上に置く。

    6 = 1 :

    『え? え? どういうこと? 体が勝手に動いてる!』
    「あー、えっと、女、聞こえるか?」
    『聞こえるけど、いったい何なのコレ!?』
     独り言のように喋れば意思疎通は可能か。でも傍目にはかなり異様だろうな。
     誰かに聞かれて頭が変になったと思われたらまずいか。

    7 = 1 :

    俺はクラスメイトの男だ。

    ネットをさ迷っていたら憑依の呪術を偶然に見つけ、面白半分で実行してしまった。

    本当にできるなんて思ってもいなかったし、単純に他人の生活を味わえたら面白そうだと思っただけ。

    女をどうこうしようと考えたわけではなかった。

    時間がたてば憑依は自動的に解けるらしい。


     机の上にあったメモ用紙に書き連ねてみた。

    8 = 1 :

    『筆跡、アタシのと全然違う。黒板に書いてた時の男クンのと一緒だ。本当に男クンなんだ。
    こうなってる以上は信じるしかないわね。それで、どうしてアタシなの?』

    それは、どうせなら異性のほうが面白そうだと思って、そのとき何となく思い浮かんだのがお前の顔だったんだ。

    『何となく?』

    ああ。席近かったから、なんだかんだで顔見ること多かったからさ。

    『……そっか』

     女の人格はそこで沈黙した。

    (妙な目的ではないことがわかってどうにか安心してくれたかな)

    9 = 1 :

     今は家に自分ひとりしかいないので筆談はしなくてもよいとのこと。
     粘液で濡れた指を拭き清め、彼女の指南で着衣の乱れを直したわけだが、厄介な問題があった。

     ブラつけ直すとき『どうせ小さいわよ』などと拗ねられてしまった……いや、それどころじゃなかった。
     不可抗力とはいえ乙女の恥ずかしい状況に思い切り踏み込んでしまったことへの謝罪を彼女は受け入れてくれた。
     迂闊な行動でトラブル起こすのはまずいので憑依が解けるまで静かにしていよう、という提案も受け入れてくれた。
     そして、宿題で分からないところがあると言うのでお詫びにそこを教えてやろうという運びになり机に向かったわけだが……。


    ウズウズウズ……


     昂ぶった彼女の体が、それを許してくれなかった。

    10 = 1 :

    「う~、女、この感覚って、その……」
     身をよじり、太ももをすり合わせながら問う。
    『……多分、男クンが考えてることで正解だと思う』

     憑依したときから続く下腹部や股間の疼き。
     きちんとブラをつけたにもかかわらず、かすかな振動で擦れ、快感を拾いあげる乳首。
     きちんと拭いたのに、またもぬめってきた股間。

     女に悪いからと気にしないようにしていたが、彼女が先に音を上げた。
    『憑依が解けるまで我慢できない~。お願い、シちゃって!』
    「ちょ、おま」

     体の疼きが彼女の理性を溶かしてしまい、乙女の大事な部分を俺に任すのを通り越してはっきりと要求してきた。

    12 = 1 :

     俺としては倫理的にも男としても問題がありすぎるので拒否していたのだが、体と彼女自身の懇願に根負けし、本やビデオなどで得た知識を参考に行為を再開した。
     だが、精神が男であり他人の体であるため思い切った行為はできず、俺も彼女ももどかしい。
     痺れを切らした女は着衣を直したときと同様に、どうすればいいかを具体的に指南してきた。

     俺が憑依してしまったとき、不用意に体を動かしてしまった結果、写真立てと同様にベッドから落とした物体。
     彼女に配慮し、ノーコメントを貫き一旦は机の引出しにしまったソレを大事な部分に挿入しろという。

    13 = 1 :

    『つ……通販で思い切って買っちゃってさ。もうコレなしじゃダメなんだ、アタシ』

     俺が行った外部だけをイジる方法は昂ぶらせるだけで、コレで体内を刺激しないと達することができず、苦痛になるだけだという。
     実際俺も辛い。

    『というかさ、散々自分で焦らして、昂ぶらせて、これから入れようとしてたときなのよ、男クンが乗り移ってきたのは』
    「さ……さいですか……」


     こうして今に至る。

    14 = 1 :

    >>11
    すみません、定義、まだよくわかってなかった。
    ひょっとして板違い?

    15 :

    >>14
    続けろ、いや続けてくださいお願いします

    16 = 1 :

     今や色情狂と化した女は、コレしか頭にないらしい。
     頭の中では卑猥な言葉が響き渡る。
     結局根負けし、女の子の部分にコレを当てた。
     彼女の指南に従い、入れ方を工夫しゆっくりと押し込んでゆく。
     勝手に妙な声が漏れた。
     女の言うとおり初めての痛みなんてなく、まだ玩具のスイッチは入れていないのに、体内を押し広げ満たす感覚がただひたすらに気持ちよかった。

    >>15
    お言葉に甘えさえていただきます。

    17 = 1 :

    『そこ、その辺りがとくによく感じるの。そこでクイってしてみて?』
    「こ、こう? うぁああ!?」

     下腹部からはそれまで小波のような快感が全身に広がっていたが、今発生した波はさながら津波のようだった。

    『これからね、スイッチを……あれ?』
    「」

     頭が真っ白になり何も考えられない。

    『ちょ、ちょっと、まだアタシ満足してないの、これから更に色々しないと』
    「」
    『気絶しちゃったの? 体のコントロール奪ったまま』
    「」
    『そんな、このまま放っとかれるの!? 勘弁してよ~!』
    「」
    『お願い起きて! もっとして、もっと、もっと~!』

    18 = 1 :

     翌日、どの面下げて女に会えばいいのか答えが出ないまま登校した。
     教室に入ると、あいつは俺の顔を見て赤面し、俯く。理性は戻っているようだ。

    (さてどうしたものか……って)

     女は、突然に俺の手を掴み引っ張っていった。
     階段を上り詰め、屋上に出るドアの前で静止。
     確かに人通りがあまりないから込み入った話をするにはうってつけだろう。
     要求してきたのは女。
     とはいえ実際問題として俺がとんでもないことをしてしまったのだ、きちんと謝らねば。

    19 = 1 :

    「男クン……アレ、憑依、またできる?」
    「……へ?」
    「あ、あのね、自分の自由にできないもどかしさや体が勝手に動いて自分自身の手で色々されちゃうのが、その……すごく新鮮でドキドキしたの」

     手を口元に当て恥じらいながら凄いことを言い放つ。

    「……へ?」
    「今夜も準備して待ってるからさ、ねぇ……アタシの中に来て? アタシを奪って、お願い」

     俺の手を取って真剣に見つめ、ものすごいお願いをしてきた。

    20 = 1 :

    「……へ?」
    「それとさ、写真立てをどけるとき見ないようにしてたけど、それって、アタシのプライバシーに気を使ってくれたんだよね? でも、そんなことしなくても良かったんだ」
    「……へ?」
    「あの写真立てに入ってたのはね、実は男クンの写真だったんだ。この意味、わかるよね?」

     女の顔が急接近し、唇に温かく柔らかい湿った感覚が伝わった。
     そして女はパタパタと走り去る。

    「……えっと、ソレ、どういうこと?」

    21 :

    猿避け

    22 = 1 :

    ちょいとメシ喰ってきます

    23 :

    もしかして 新ジャンル「微妙に前向き」 の人?

    24 = 15 :

    もしかして新ジャンル「カラス」の人か?

    25 :

    うわ

    26 = 1 :

    復帰。

    >>23>>24
    そのどれでもないです。
    Vipで新ジャンルとして書いたのはこれが初めて。

    27 = 1 :

    2.ぬかみそテクニック

     女からのとんでもない告白で脳がフリーズし、再起動したときにはもう放課後。
     女と話し合おうにも俺は掃除当番。そしてあいつは速攻で帰宅していた。

     そんなわけで全力疾走で帰宅するなり、俺は憑依の呪術を実行していた。
     女の顔を強くイメージする。
     別に女体の快感が病みつきになったわけではない。
     ……。
     病みつきになったわけではない。断じて。

    28 = 1 :

     女が戦闘態勢を整える前に速やかに体を占拠して指揮権を奪い、性欲に理性を溶かされることのない状況で対話を開始する。
     電話番号を知らない俺が彼女と話すには、もうこれしかなかった。
     俺のことを好いてくれてるようだが、そういう問題抜きにしても放ってはおけない。
     憑依した張本人である俺が言うのもなんだが、深い信頼関係を構築してるわけでもない男に文字通り自分の体を任せてしまうなんてどうかしている。
     彼女を説き伏せ、恥じらいと慎みを身につけてもらわねばならない。
     告白を受け入れるかどうかは、まあそれからってことで。

    29 = 1 :

     そして暗転していた視界が復活したとき、そこは台所で、俺はエプロンを身につけ、異臭を放つつぼを掻き回していた。
     どうやらコレはヌカミソであり、女は夕食の準備をしていたようだ。
     家ごとに発酵させる菌の種類やバランスは異なるという。これが女の家の香りなんだな。
     こうやってわかり合うのもいいかもしれない。

     まだ夕方なのにおっ始めることはない、という読みは正解。

    30 = 1 :

     ではなかった。

    『男キタ━━━━(゜∀゜)━━━━ッ!!』

     下腹部からは微妙な震動が走り、むず痒いような痺れるような刺激が走った。

    「ひゃわ!? な、なんだこりゃ?」
    『んふふ~♪ 男クンの考えることなんてお見通しよ。
    アタシがアレ始める前に乗り移って主導権握ろうって腹だったんだろうけど、アタシは帰るなりアソコにローター入れて準備してたの』
    「な、何考えてるんだお前?」
    『そりゃ、ナニに決まってるでしょ。女の子に恥ずかしいこと言わせないでよバカっ♪』
    「バカはお前だ……」
    『一緒に楽しもうよ、アタシを可愛がってよ』
    (駄目だこいつ)
    「まだ夕方だってのにお前という奴は……おまけに台所だし」

    31 = 1 :

    『ほらほら、お母さん戻ってきたから平静装わないと』
    「なっ!?」

     母親と思われる女性が台所に入ってきたので慌てて立ち上がると、急な体勢の変化で体内のローターが上下し強烈な快感が生じた。
     だが漏れそうな声を必死に堪える。

    「くっ!?」
    『んっ……! ふふ、よく堪えたね』
    「うう……」

     色々言ってやりたいことがあるのだが、すぐそばで母親も夕食の準備を始めたため、女の言うとおり平静を装うしかない。
     娘が脳内の別人格と会話を始めたら大いに心配するだろう。

     だいいち、今の姿が別人とはいえ人前で悶えるわけにもローターを取り出すわけにもいかない。

    33 = 1 :

    『そうそう、トイレ行ってローター取りだそうなんて考えない方がいいよ。
    ついさっき大きい方も小さい方も済ませたばっかりだから怪しまれるよ?』
    「なっ……!?」
    『なんでお母さんがソレ把握してるかって?
    アタシ、数年前に重い病気して内臓ボロボロになってたことあってさ。
    当然ながら出るものも凄いことになっちゃってて、だからお母さんはトイレの回数とか状態とか神経質なのよ。
    当然ながら、急にアレになったって手もダメだよ。やっぱり心配するからね』
    (自分の母親を人質にするとは何考えてるんだ)

     元気になってよかったねと祝福するべきか、元気の方向性を大きく間違えている点について、お母様と真剣に話し合うべきか。

    『お母さん、男クンにとっては他人だけどさ、親子関係を滅茶苦茶にする暴挙に出られる?』

     お母様、お嬢さんの教育方針についてじっくりと話し合う必要がありそうです。

    34 = 1 :

    『ねぇ、アタシ前々から思ってたんだけどさ……ヌカミソってエロくない?』
     無視。
    『普段は奥様によって薄暗い所に閉じ込められててさ』
     無視だ。
    『いざ表に出されたら中を激しく掻き回されてグチャグチャのヌチャヌチャにされてさ』
     無視だっての。
    『行為の激しさを物語るかぐわしい香りが部屋中に立ち込めてさ』
     無視無視。
    『ナスやキューリを奥まで突っ込まれてさ』
     無視!
    『時には鷹の爪やショウガといった刺激の強いものや釘まで突っ込むマニアックなことされてさ』
     無視無視大行進。
    『そんな状態でしばらく放置されちゃうんだよ?』
     俺を放置してくれ。
    『おまけに、中に突っ込まれたまま長時間放置されて恥ずかしいエキスがたっぷり染み込んだ野菜を、
    家族のみんなに食べられちゃうんだよ? それはそれは美味しそうに』

     ぬか漬けが盛られた皿に伸ばそうとした箸を止める。
     もうコレ食えねーじゃねーか。お前ん家の味、結構美味かったのに。

    35 = 1 :

    『表面上は平静を装いつつも、少女の囁きは淫靡な想像を喚起し、体は燃え上がるのだった』
    (変なナレーション入れるな)
    『どう? アタシのエロトーク。野菜入れるの想像して興奮した?』
    (してたまるか、エロトークというかただのバカ話だ。給食で牛乳飲んでる奴を笑わせるアホかこいつは)

     でも体は既にスイッチ入ってるわけで、それに引っ張られるように俺も頭はエロモードなわけで、自分で入れる光景をどうしても考えてしまう。

    『こちらスネーク、大佐、性欲をもてあます』
    (今は余計なことを考えるな、女の暴走をくい止める事が先決だ。)

     というわけで俺は、他人とはいえ女の母親を悲しませる暴挙には出られず、必死で平静装いながら母娘として食事してるわけです。
     チキン野郎なんて言わないでくれ。常識人なだけなんだ。

    36 = 1 :

    『ほらほら、アソコのコントロールがお留守になってるよ? 力抜きすぎたらニュルって出ちゃうよ?
    静音仕様とはいえ、体の外に飛び出したら流石にバレちゃうと思うな~♪』
    (……!!)

     下腹部に神経を集中させると、挿入されていたローターはかなり下に移動しているのが感じられた。
     排便を堪える要領で慌てて力を入れ直すと、ふたたび体の奥へと入り込んでいく。
     その結果、うまいこと逃がしていた振動を体がモロに受け止めてしまい、強烈な快感が生じた。
     それを必死に堪えるが、唸り声と共に顔を強張らせ前傾姿勢になるのは抑えきれなかった。

    「くっ……!」

    37 = 1 :

    「……女? あなた……」
    『バレたかな? バレたかな?』
    (わくわくするな変態)
    「あ、あのね、その……」
    「……」
    「え、えっと、その、あの」
    「恋ね?」
    「……え?」
    『あはは、お母さん正解~♪』
    (ハズレだ。こいつは変だ、変態だ)
    「ふふっ。わたしも、女ぐらいの頃はそんな感じで好きな人のことで頭いっぱいになっちゃってて、誰かとお話してても上の空だったし」
    『頭いっぱいというか、占領されちゃってるのよねー』
    (もういい黙れ女)

    38 = 1 :

    「おまけに色々と妄想しちゃって、我に帰ったらあまりの恥ずかしさに突っ伏したり唸ったりしてたわ、懐かしい」シミジミ
    (若さの暴走は血筋なんですか)
    「そんなこんなで、今になって思うと頭抱えてああ~って悶えたくなること色々しちゃってたのよね。
    思春期にはよくあることだから、あまり深刻にならなくていいわ」
    『は~い♪』
    (いや、お前は少し深刻になった方がいい。だれかこの暴走しまくり女にリミッター付けてくれ)
    『ほらほら男クン、またアソコのコントロールがお留守になってるよ?』

     それで慌てて力入れなおしてまた刺激にさらされ、唸り声を漏らして突っ伏す。

    「若いっていいわね」

     温かい目で見守られた。誰か助けて。

    39 = 1 :

     母親は用事で出かけるというので、相変わらず必死で平静を装いながら食事の後片付けを済ませ、送り出す。
     玄関のドアが閉じて足音が遠ざかるまで待ってから、おもむろにスカートをまくり上げた。
     むき出しの下半身、かすかに見える黒い茂みの下方から伸びるコードは、フリルで装飾されたバンドで太ももに固定された小箱へと延びていた。
     ソレが動力源と見抜き、取り付けられたダイヤルに手を伸ばす。
     だが。

    ビィイイイイン!
    「う、うぁあ!?」
    『きゃっ♪』

     どうやらダイヤルひねる方向が逆だったらしく、回転数は最大になってしまった。
     体内で激しく暴れ出したローターによる刺激でのけぞり、へたり込み、妙な声を漏らしながら身もだえする。

    41 = 1 :

     粘液の分泌が増大するとともに入口より内側の方を反射的に激しく収縮させてしまい、ついにローターは飛び出した。
     200グラムくらいの玉のような赤ちゃんというか本来は赤ちゃんが出てくる穴から飛び出した玉は、自らの振動で床を跳ね回る。
     ガカカカ、ガカカカ! ガガッ、ガガッ、ガッガッガッガッ……と一定のリズムで変化する可愛げのない産声を上げていた。

    『あ、あはは……効いたぞスネーク。こういう不意打ちがあるから憑依されるのはたまらない』
    (この女狐め)
    『ノーパンでいたことに感謝するのね。穿いたままならパンツの中でアレが大暴れして入口付近を刺激し続けて凄いことになってたから』
    「……もういい黙れ」
    『あれ? まだ意識あるんだ。だいぶ女の子の感覚に慣れたみたいね。
    さてどうする? 憑依とけるまでまだ時間あると思うけど。
    ゆっくり話し合う? まだウズウズしてるんだけど我慢できるかな?』
    「……無理だし無駄だろうな。こんな状態で真面目に話しても聞く気ないだろお前」
    『正解。ローターのスイッチは簡単に切れるけどアタシの体のスイッチは一旦入ったらなかなか切れないよ?
    スッキリしたら落ち着くから、それからお話しよ?』
    「なあ、俺が意地でも諭そうとしたらどうする気だ?」
    『焦らしと解釈して、男クンいなくなってから思いっきり楽しむけど?』
    「……じゃあ、そもそも、俺がもうお前に憑依しようとしなかったら?」
    『放置プレイと解釈するに決まってるじゃない』
    (駄目だこいつ)

    42 = 1 :

     そういう方向に向かうんじゃないかと思ったからこそ、無視はできなかったのだ。
     こいつにそういう感情を抱かれた時点で、俺には選択肢などないらしい。
     知らずにいれば平和な人生送れたんだろうな、俺。

    『もちろん、男クンが可愛がってくれるならそれが一番なんだけど』
    「わかったわかった」

     床を拭きローターを回収して女の部屋に向かうと、既に多種多様なブツが陳列されてるわ『歓迎』の垂れ幕かかってるわで準備万端だった。
     呆れつつも体は気分を萎えさせることを許してくれず、仕方なく着衣を脱ぎ棄てまずは乳房を責める。

    『ぐふふ、真面目くさったこと言っても自分の意志でヤる決断するわけだ、淫乱メス豚だな』
    「……無駄にエロいこと言わなくても、もう充分に昂ぶってるから」
    『あはは、そっか……んっ、そ、そこ……あ、ちがう、そこじゃないそこじゃない。
    あ、あれ? これもいいかも。もっと、もっとして、お願い』

    43 = 1 :

     俺なりのやり方に感心したりあれこれ注文付けたりもどかしさに悶えたり意外な発見したり、数々のブツの中でもお勧めのものの紹介をしたりと女のエロ談義が続く。

    『ああ、まだるっこしい。でもこれがいい……やめられない』
    「やめてくれ頼むから」
    『ふふっ、昨日男クンに可愛がってもらった時もまだるっこしかったけど、アレってアタシのこと気遣ってソフトにしてくれてたんだよね?』
    「い、いや、女体の感覚が強烈で俺にはあれ以上耐えられなかったんだ」
    『はいはい、そういうことにしておいてあげる。
    そういう男クンだから今日もお母さん悲しませないよう頑張ってくれたんだよね』
    「お前がやめろよ、悲しませること」
    『だって、もう癖になっちゃったんだもの』
    (本っ当に駄目だこいつ)

    44 = 1 :

    『まあ、その辺はおいといて』
    「置いとくな。お前のそういうところを話し合おうと言っている」
    『と、とにかく! そういう男クンだから好きになったし、体だって任せられたんだ』
    「そりゃどうも。でもさ、やっぱ軽率だぞお前。
    可愛がってやるからさ、満足して落ち着いたらきちんと話し合おう。憑依解けちまったら電話しよう」
    『体持参で直接来ればいいのに。構わないどころか大歓迎よ』
    「ちったぁ構えよ……いくらなんでも部屋に呼ぶのは早すぎないか?」
    『ここまでしといてなに言ってんだか、奥手ね。そんなところがイイんだけど』
    「うう……」

     俺が女に憑依してるわけで、体の制御だって奪ってるわけで。
     なのにどうして主導権握られてるんでしょう? 誰か教えて。

    45 = 1 :

    3.HETAREGEAR SOLID

     あれから結局、女が満足するまで致す前に憑依は解けてしまった。
     電話番号聞き出す暇もなく、憑依しなおす気力もないままけだるい週末を過ごし、迎えてしまった月曜日。
     女と改めて話そうと思ったが、皆の前ではなかなか話しかけられない。
     さてどうしたものかと思っていたら……。

    46 = 1 :

    「ねえ男クン、子供のころゾイドって持ってた?」
    「へ? ゾイド? 持ってたけど」
    「どんなの?」
    「あまり小遣いなかったからゼンマイ駆動の安いのばっかりだったけど、昆虫型とか色々持ってた」
    「そっか」
    「女の子が興味持つなんて珍しいな」
    「アタシが入院してた時に同室の男の子がゾイドで遊んでてさ、面白そうだったからアタシも買ってもらったんだ」
    「病院か、アレは接着剤使わないし組んだりバラしたりできるから入院中の暇つぶしにはいいかもな」
    「そうそう、その男の子のゾイドと合体させたりしてた。面白かったなー」
    「どんなの買ってもらった?」
    「トリケラトプスがモデルのマッドサンダー」
    「マッドサンダーか、いいなー。俺も欲しかったけど何しろ高かったからな。
    その代わりというかなんというか、サイ型のブラックライモスが気に入ってたんだが」
    「あはは、ドリル繋がりだね」

    47 = 1 :

     女の子とゾイドで接点を持つとは思ってもいなかった。
     こうやって会話して信頼関係を築き、然るべきタイミングで恥じらいと慎み、さらに男への危機感といったものも身につけてもらう会話をしよう。
     いや、その前に電話番号聞き出そう、清く正しい学生らしい交際をしよう。

     などと考えていたのだが、話をそういう方向に持っていく前に休み時間は終了。
     会話の締めくくりに……。

    「マッドサンダーとかブラックライモスってさ、その手のグッズにありそうな名前じゃない?」
    「その手のグッズ……? お前の頭の中はエロしかないのか」

     駄目だこいつ。

    48 :

    どこが新ジャンルなんだよ

    49 = 1 :

     そんな調子で結局放課後になってしまった。女は俺の呼びかけを無視してバスに駆け込み乗車する。

    「男クン、アタシはマッドサンダーがお気に入りなんだ、今でもね」ニヤリ

     そんな捨て台詞を残して発車した。
     怪しげな笑みが、とてつもなく嫌な予感をさせる。
     そんなわけで俺も速攻で自転車を漕ぎ漕ぎ帰宅し、もう二度とすまいと思っていた憑依の呪術を実行する。
     女の暴挙を止めねばならない。俺の思い出を、少年の憧れの機体を汚される前に。


     そして手遅れだった。

    50 = 1 :

     一旦暗転していた意識が回復すると、右手から何かを落とす感触があった。

    『男キタ━━━━(゜∀゜)━━━━ッ!!』

     横倒しになっていた女の体は下半身が真っ裸。おまけに股間だけではなく尻の穴まで妙にぬるぬるする。
     トドメに左手と両足はベットやテーブルに紐で固定されていた。
     左足は前に、右足は下へまっすぐ突き出すようにして固定され自由に動かせなくなっている。

    「な、ななな!?」
    『あああ、お尻の穴いじめられちゃうよぅ……抵抗できないよう……』
    「……え?」
    『ノリが悪~い! 拘束された状態で沢山の男の人にいじめられちゃうって雰囲気に浸って楽しんでたのよ、一緒に浸ろうよ』
    「楽しみたくない浸りたくない目覚めたくないそんな世界!」

     そのとき、モーター音が迫ってきた。


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