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元スレ新ジャンル「空中人魚」

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701 = 698 :

「私もこうして祝ってあげたことだし、後の問題は友のことだけ?」

「そうだね。相変わらず友ちゃんは、男さんに会わないって頑なだし」

「私が行って、無理やり引っ張り出してこようかしら。ぐずぐずしてんじゃねー! つって」

「そんなことしたら、男さんとの関係が修復できなくなっちゃうよ」

「それだって、友が意固地になってるだけでしょ。私の力を持ってすれば、
  会わして話させることぐらい簡単よ?」

「その後が問題なんだってば。姉さんの気持ちはありがたいけど、
  今回だけは、私たちに任せておいて?」

「そうまで言うなら自粛するけど。本当にあと三日で説得できるんでしょうね?」

「無理でもやるしかないの。だって友は、私にとっても男さんにとっても、大事な友達なんだから」

「あっそ。恋人思いなんだか、親友思いなんだかねぇ」

702 = 700 :

703 = 698 :

「ま、私からのお祝いはもうしたし、後はあんたらの好きにしなさい」

「今日はもう寝るわよ。あんたらのイチャっぷり見てたら、なんだか疲れたわ」

「はーい」

「お休み、女」

「お休みなさい、姉さん」

------------------------------------------------------------

そうこうする内に、三日という日にちはあまりにもあっけなく過ぎていった。

女はその間、何度も男と会って話しをするよう掛け合ったが友は応じず、
結局、何の対策も打てないまま、式の当日を迎えた……。

704 :

ついに結婚式か…ドキドキ

705 :

ドキドキ

706 :

ドキドキ

707 :

初夜…!

708 :

あれ?…俺んとこに結婚式の招待状届いてないんだけど…(´・ω・`)

709 :

「女、朝よ。起きなさい」

「ん……ふあぁ」

「なんて顔してるの。今日は大事な日なんじゃないの?」

「あ……そういえば今日は、結婚式だったっけ」

「髪はボサボサで寝癖だらけ、おまけに目やにまでついてるじゃない。
  そんなんじゃ、花嫁として恥ずかしいわ」

「えへへ、すぐに顔と頭を洗ってくるね」

ふわり

「生き生きしてるわねぇ、さすが新妻」

710 = 709 :

----島の水辺

バシャバシャ……

「ふぅ、すっきりした」

「やっほー、花嫁さん」

「あ、友ちゃん……」

「結婚おめでとう。気分はどう?」

「うん、なんかすっごく清々しいよ。生まれ変わったような感じ」

「そう、それなら良かった。まだ私のこと気にして、結婚に気兼ね
  してるんじゃないかって心配したわ」

「そのことなんだけど……やっぱり式が終わったら、男さんには会わなくなるの?」

「うん、そのつもり」

「男さんが会いたいって言っても?」

「そうだよ」

「……考え直して、くれないかなぁ」

「何度も言ったでしょ? そのつもりは全くないって」

「分かってるけど、分かりたくないのよ」

「花嫁は我が儘さんだなぁ、困った困った」

「茶化さないでちゃんと聞いてよ」

711 = 709 :

「私も男さんも、唯一の友達をこんな形で無くしたくないんだよ。なんで分かってくれないの?」

「……そこまで言うなら正直に話すけど、これは、私の贖罪なんだよ」

「贖罪って……友ちゃんは何も悪いことしてないじゃない」

「ううん、違う。そういう意味じゃないの」

「あんたとお兄さんの仲を本気で祝福したかったなら、私には
  自分の気持ちを黙ってるっていう選択肢もあったはずなの」

「けど私は、あんまり二人が仲良くしてたから、最後の最後で我慢出来なくて言っちゃった。
  もう終わったことなのに、未練たらしいったらないよね」

「だからこれは、あんたたちのためじゃなくて、自分のその時の行動が許せないからそうするの。
  甘えちゃった自分への戒めなんだよ」

「友ちゃん……」

「ふふ、ごめんごめん。暗い話しはここまでにして、そろそろ式の準備を始めようよ」

「先にあんたんちで待ってるから。じゃあねー」

ふわふわ

「あっ……行っちゃった」

712 :

~そして数時間後、いつもの岩場で~

「~♪」

「お、お兄さん。お早いお着きだねー」

「うぉお、友人魚wwwwwwwwwwww」

「うわっ、それ何? 何時ものヨレヨレ洋服はどうしたの?」

「そりゃ結婚式ですからwwwwwwww俺だってタキシードくらい借りて着ますよwwwwwwwwww」

「似合ってるよ、お兄さん」

「あんがとwwwwwところで女は?wwwwwww」

「うふふ、呼んでるわよ女」

「……」ふわん

「うはwwwwwwお前、どうしたんだそのヴェールwwwwwwwwwwww」

「姉さんからもらったんです……似合いますか?」

「すげぇ綺麗wwwwww惚れ直したwwwwwwwww」

「でしょー? 私もお化粧してあげる時びっくりしたんだから!」

「化粧ってwwwwww人魚に化粧品なんかあるのかよwwwwwwwww」

「海草や色貝を使って、色々できるんですよ」

「さぁ、女も照れてないで、早くお兄さんの隣にお行きなさいな」

「あ、うん……」

714 = 712 :

「じゃあ、主役がそろったところでぼちぼち始めますか」

「えぇっwwwwww出席者少なっwwwwwwwww」

「姉さんが、男さんに関係した人を連れてくるって言ってたんですけど……」

「まだ来ないね。時間かかってるのかな?」

「おいおいwwwww俺でさえ人間側の来賓者wwwww探して来たっていうのによwwwwwwwwwww」

「え?」

「おーいwwwwwそろそろ出てこいよwwwwwww」

質屋「……」ひょこっ

「あー、あなたは!!」

「誰、その人?」

「俺のマブダチだよwwwwwwな?wwwwww」

「え、えぇまぁ……」

「嘘つきにも程があります!」

「……なんのこっちゃ?」

715 = 712 :

「この人は、これこれこういう人で……」

「じゃあ、彼は私たち人魚の敵じゃない。そんな人を結婚式に呼んだら駄目だよ」

「私だって、来たくて来た訳じゃありませんよ」

「だってさぁwwwww結婚式には司会進行が必要じゃんwwwwwww」

「だからこいつにwwwwwwその役をやって貰おうと思ってwwww連れてきたwwwwwwwwww」

「私はそれで別に良いけど」

「姉さんたちが来たら何て言うか……」

「なぁにwwwwいくら義姉ちゃんでもwwwwめでたい席で事を荒げたりはしないさwwwwwwww(多分)」

「だと、良いんですけどね」

「帰りたい……」

716 = 712 :

「おーい」

「あ、噂をすれば」

「今日のお客さん、連れてきたわよ」

モブ「ちわーっす。姉さんに呼ばれてきたよー」

「引き出物は出るんでしょうね?」

「おにいたん、ひさしぶりー」

「おぉwwww懐かしい面々が勢揃いしたなwwwwwwww」

「これで全員かしら? なら、早く始めましょう」

「まぁ待ってくれ義姉ちゃんwwwwwwその前にwwwww
  本日の司会進行を紹介したいんだけどwwwwwwwwwww」

「あんたがやるんじゃないの?」

「新郎が司会兼任してどうすんのwwwwwまぁとりあえず見てやってwwwwww」

「……?」

「おーいwwwwww質屋ーwwwwwwwww」

「質屋……?」

「……どうも」

「ッッ!?」

719 :

質屋wwここにきてw

720 :

「あんた、よくここにその面出せたわね」

「わ、私だって来たくて来た訳じゃないんですってばぁ……」

モブ「何々、こいつなんか問題あるの?」

「こいつは、私と妹を売り飛ばそうとした人間なのよ」

「じゃあここに呼んじゃ駄目じゃない」

「けどさwwwww俺、人間の知り合い借金のせいで全くいないのよwwwwwww」

「だからwwww司会頼める奴がこいつしかいなかったんだわwwwwwwww」

「だったら、人魚の方から呼べばいいじゃない! 何を考えてるの、あなた?」

「あぁぁ、予想通りの展開に……」

「お兄さん、どう取りなすのかしらね」

721 = 720 :

「まぁまぁ義姉ちゃんwwwwwwもちつけwwwwwww」

「落ち着いてられないわ。こっちにとっちゃ死活問題なんだから」

「せっかくの祝いの席なんだからwwwwちょっとくらい見逃して
  くれても良いじゃないwwwwww」

「そういう問題じゃないって……」

「おにいたん、結婚式まだー?」

「ほらwwww幼女人魚も待ち望んでるしwwwww細かいことは
  結婚式の後で話し合おうぜwwwwwwww」

「それって、結婚式が終わったら殺される可能性が……」

「俺が間に入ってやるからwwwwwお前は司会業に専念しろwwwwwwwww」

「さぁwwwww義姉ちゃんも質屋も仲良く手を取ってwwwwwwww
  俺と女を祝ってくれよwwwwwwwwww」

「なんかうやむやにされそうだけど……まぁいいわ、終わるまで保留にしといてあげる」

「良かった、姉さんも納得してくれたみたい」

「質屋さんには、死亡フラグが立ったけどね」

722 :

早く終われ

723 = 720 :

「えー、それでは私のせいでいざこざありましたが、只今から、男さんと女さんの
  結婚式を取り始めたいと思います」

「まずは、新郎の挨拶からです。皆さんご清聴を」

「はいよwwwwwwwwww」スクッ

「まずは関係者の方々wwww俺らのために貴重な時間を割いて
  来てくれてありがとうwwwwwwwwww」

「中には半ば強制されて来た奴もいるんだろうけどwwwwww
  お礼は分け隔てなくさせてもらうぜwwwwwww」

モブ「まぁね、その辺は否定しないけど」

「義理よ、義理」

「義理でも嬉しいぜwwwwww俺、友達いないからさwwwwwwwww」

724 = 720 :

「ここに来た人魚らはwwwww俺と女の馴れ初めなんか知らないだろうけどwwwwwwwww」

「ぶっちゃけた話しwwwww俺、女との関係に運命感じちゃってますwwwwwwww」

「へぇ、そこまで言う」

「聞いてるこっちが恥ずかしいわ」

「だからさwwwww俺はこいつとなにがなんでも幸せになるしwwwww
  幸せへの障害があったら何があっても乗り越えるぜwwwwwwwwww」

「俺が誓えるのは今はそれだけだwwwww女は、それで満足か?wwwwwwww」

「はい、私も、あなたと一生を添い遂げます」

「サンキューwwwwwやる気出たwwwwwww」

725 :

なんという男らしい挨拶wwwwww
いや男が男らしいという意味じゃなくてwww

726 :

「まwwwwwそういう訳だからwwww人魚の皆さんは努々
  女の心配などなさらぬようwwwwwwww」

「むしろあんたが心配だから」

「あ、それちょっと分かるかも」

「ちょwwwwwヒドスwwwwwwwwwww」

「以上で挨拶は終わりですか? それなら次に行きますよ」

「なんか投げやりな司会者ね」

「えー、それでは続きまして、女さんよりお姉様へ感謝の言葉があるそうです」

「えっ?」

「女さん、前へどうぞ」

「はい」

「ちょ、ちょっと。こんなことまでするの?」

「何言ってんすかwwwwwww人間の世界では常識っすよwwwwwwwww」

「お姉さん、珍しく照れてるんだね」

「照れてない!」

「クスクス……姉さん、そんなに照れなくて良いから、ちゃんと聞いてね」

「ふんっ……」

727 :

>>1
見てるよ~

728 :

「姉さん、最初に一言言っておくね」

「何よ」

「私と男さんの結婚に賛成してくれて、ありがとう」

「もう何回も聞いたわよ。そう度々お礼されても、ありがたみなんか感じないわ」

「そうかもね。でも、姉さんが承諾してくれなかったら、今日ここで
  こうして式なんか挙げてなかったのも事実だもの」

「ふん、で?」

「私も最初こそ、姉さんが憎くてたまらなかったけど、男さんや
  友ちゃんのおかげで、今日のこの日を迎えることが出来ました」

「そんなの、当人たちに言いなさい。私には関係ないわ」

「そうだね。男さんと友ちゃんもありがとう」

「いやぁ、私はお兄さんに会ってなかったらお姉さん派だったし」

「俺はお前に会いたい一心でやっただけだけどなwwwwwwwwww」

729 = 728 :

「今思うと、姉さんが障害になってくれなかったら、ここまで
  男さんとの仲も深くならなかったかもしれない」

「私ゃ噛ませ犬か。もっと良い言い方ないの?」

「ごめん。でもそれだけ姉さんは、私達にとって無類の強敵だったから」

「そうそう、お姉さんったら頑固で意地っ張りで、全然素直じゃないんだから」

「そこ、うるさいわよ」

「その代わり、私は私達の壁になってくれた姉さんの分まで、
  目一杯幸せになることを約束します」

「あんたそれ、皮肉にも聞こえるわよ?」

「えっ……そんなつもりはなかったんだけど……」

「ふふっ、分かってるわよ。ちょっとからかっただけ」

「そこまで言うなら、私に言えることは何もないわ。好きなだけ、幸せにおなりなさい」

「はい」

「イイハナシダナーwwwwwwwwwwwwwww」

「台無しになるから、あんたは黙ってな」

730 = 728 :

「以上で、私のスピーチは終わりです。皆、聞いてくれてありがとう」ペコリ

「はい、皆さん花嫁に盛大な拍手をお願いします」

----パチパチパチ

「よっwwwwお疲れさんwwwwwww」

「すごく緊張しました。あんな風に人前で、姉さんと話したの初めてです」ふわり

「そりゃそうだwwwww人魚がスピーチする機会なんてwwww
  そうそう無いだろうからなwwwwwwww」

「それでは、新婦のお色直しの時間の間、昼食の時間とさせていただきます。
  皆様、しばしのご歓談をお楽しみ下さい」

「司会もwwwwwだいぶ手慣れてきたなwwwww質屋wwwww」

「本当は帰りたいという気持ちは、変わってませんがね……」

「さぁ、昼飯だwwwwwマックでフィレオフィッシュ買い占めて来たからwwwwww
  みんなで食おうぜwwwwwww」

----ガヤガヤ

731 = 728 :

しもた、新郎新婦の挨拶しかしてないのにお色直しのタイミングが早すぎたwwwwww

昼食のみで脳内変換してくれ

732 :

マックで調達すんなwww

733 = 728 :

「なぁにこれ、どんな食べ物なの?」

モブ「うわっ! なんかベタベタしてるよ……?」

「おいしー」モグモグ

「子供は猜疑心がなくていいわね……」

「何をビビってるの、毒って訳でもないんだから早く食べなさい」

「あ、でもこれ幼女ちゃんの言う通り意外と美味しい」パクパク

----わいわい、ざわざわ

「女、女wwwwwwwwww」チョイチョイ

「はい、なんですか?」

「飯明けでwwwwwww昨日打ち合わせした作戦を発動するからwwww
  準備ヨロwwwwwwwwww」

「あっ、はい。例のあれですね、分かりました」

734 = 728 :

「えー、では……モグモグ、皆さんお食事も終わりましたようなので……クチャクチャ、
  式の方を進めさせていただきたいと思います」

「質屋wwwww食べながら司会すんなwwwwwwwww」

「全員に配ったりするのに手間取って、自分で食べる暇がなかったんですよ……」

「自重しろwwwwwww我慢我慢wwwwwwwwww」

「チェッ……あ、すみません。では引き続き、ブーケトスを行いたいと思います」

モブ「ブーケトス?」

「今から説明するからwwwwwwwwww」

736 :

年増人魚が草生やしてるw

737 :

「ブーケトスってのはなwwwwwwこうやって花束をなげてwwwwそれを
  キャッチした奴が次に結婚できるっていうおまじないだよwwwwwwwwww」

「人間ってそんなことまでするの? 人魚以上に迷信深いわね」

「まぁまぁ、楽しそうだから良いじゃないですか」

「ぜったいわたしがとるー!」

「やる気満々だな、幼女人魚wwwwwwwwww」

「ところで、その花束とやらは?」

「心配しなくても、ちゃーんと用意してるぜwwww質屋、準備をwwwwww」

「あ、はい」

ごそごそ

「じゃーんwwwww薔薇の薔薇百本詰めktkrwwwwwwww」

「へー、すごぉい」

モブ「うわぁ、あんたに沢山のお花見たことないよ」

「あんたにしては、なかなかセンスの良いチョイスだったわね」

「だろ?wwwww鱗の金の最後の使い道だぜwwwwwwwwwヒャッホゥ!」

738 = 737 :

「それじゃあ女wwwwwwこれをポイッと景気よく投げちくりwwwwwww」

「はい」

「それでは女性の皆さん、一列に並んで下さーい」

「はーい」

「ノリノリなとこ悪いけど、私はやらないわよ」

「私も。今さら結婚とかどうでもいいし」

「まぁまぁwwwww義姉ちゃんも年上人魚さんもwwwwwせっかく
  出席したんだから思い出作りと思ってwwwwwwwww」

「そうだよ。こういう時にノリが悪いと嫌われるよ?」

「そんな風に言うけど、あんたらねぇ……」

「さぁさぁグダグダ言ってないで、並んだ並んだ」

ぐいぐい

「ちょ、ちょっと……もう、仕方ないわねぇ」

739 = 737 :

「それじゃ、いきまーす」

「わくわく」

「はぁ」

「どーでも良いわ」

「よっしゃこーい!」

モブ「意外にドキドキするね」

「3、2、1、えいっ!」

すぽっ

一同「え?」

「あっ!!」

----ばららっ

「ちょwwwww薔薇をばらまいてどうするwwwwwwww」

「ごめんなさい、手が滑って海に……」

「あぁ、そのままにしてたら花が流されていっちゃうよ」

「みんなーwwwww悪いけどブーケトス一端中断wwwww花を拾って集めてくれーwwwwwwww」

----えーっ

「おや、なんだか大変なことになりましたね」

「お前も拾って来るんだよwwwwwwwwww」

ドンッ

「うわわわわっ!?」

どぼーん

740 = 737 :

「……ぷはっ!ハァ、ハァ……」

「あんた、大丈夫?」

「マヌケね、人間」

「ひいぃぃぃぃっ!!」

「何よその、人を不愉快にさすリアクション」

「義姉ちゃんに殺されかけてんだからwwwww当たり前だと思うけどなwwwwwww」

モブ「分かるわ、その気持ち……」

----わいわい、ざわざわ

「やれやれ、女はドジっ娘だね。しょうがないから私も手伝ってやるか」

「あ、友ちゃん」

「ん?」

「友ちゃんは手伝わなくていいから、こっちに来て?」

「なぁに、なんか用?」

「うん。ちょっとね」

「…?」

741 :

「男さん、友ちゃん呼んで来たよー」

「おう、サンキュwwwwwwwwww」

「何? お兄さん。せっかくの式なのに私を呼び出したりして」

「うん、まぁちょっとなwwwwww真面目に語りたいからwww草生やすの一端止めるぜ?wwwwwwww」

「どうぞ」

「ゴホン……じゃあ聞かせてもらうけど」

「女から聞いたんだが、お前この結婚式が終わったら俺に会わなくなるつもりだって本気か?」

「……うん、そのつもり」

「考え直しちゃくれんかな」

「…それは駄目だって」

742 :

おっと…シリアス展開か wktk

743 :

「何でだよ。俺も女も、お前に感謝こそすれそんなこと気にしねーよ」

「お兄さんたちが気にしなくても、私は一生忘れないもん」

「友ちゃん、何度も言うけど、私たちは友ちゃんとの関係を終わらせたくないんだよ」

「お前は俺たちの恩人じゃないか。な? 頼むよこの通り」

「頭を上げてよ。私は、お兄さんや女が思ってるほど良い人魚じゃないんだから」

744 = 743 :

「私が人魚の島でお兄さんを助けたのは、単なる興味本位だったし」

「お兄さんにフラれた後は、少なからず女のこと憎んだりしたしね」

「だから、私には本当は、お兄さんや女に会わす顔なんかないの。分かってよ」

「友ちゃん……」

「友人魚……」

「そんな憐れむような目で見ないでよ、余計寂しくなっちゃうじゃないのよ」

「ほら、あんまりお姉さんたち待たせても仕方ないし、早くあっちに戻ろ?」

「……うし、そこまで言うなら俺も男だ。納得してやろうじゃんか」

「男さん!? そんなあっさり引いちゃ駄目じゃないですか!」

「たださ、そこまでの覚悟があるなら、あっちに行く前に
  せめて俺からの最後の贈り物、受け取ってくれんかな?」

「贈り物?」

「男さん、そんな物用意してたんですか?」

「あぁ、友に渡そうと思って準備してた」

「なに、何を私に渡したいの」

「大した物じゃないんだがな、これだよ」

745 = 743 :

「これって……」

「黄色い薔薇。ブーケトスに使った奴とは、また別物だぜ?」

「なんか、萎れてくしゃくしゃだね」

「ずっとポケットに入れてたからな。花言葉は友情だ」

「あぁ、だから私に渡したかったのか」

「そうだな。けど、俺がお前に渡したかったのは、友情というよりは友愛かな」

「友愛? 何それ、台詞が臭いよお兄さん」

「自覚はある。だけど本音でもあるんだぞ?」

「……」

746 = 743 :

「友愛ってのは、文字通り友人を愛する心のことだ」

「確かに俺の愛情は女にやっちまってるから、お前に分けてやることはできない」

「けどさ、それはお前にやれる愛情の種類が違うってだけで、お前を愛して
  ないっていうのとはまた違うんだぜ?」

「お兄さん、そんなに愛してる愛してる言ってると、スケコマシみたい」

「茶化さないで聞いてくれよ」

「……うん」

「俺は、お前がいなかったら女とも再会してなかった。お前のことはすっげぇ尊敬してる」

「だからお前が悩んでたら助けてやりたいし、俺たちから離れるなんて言ってほしくない」

「なぁ、友人魚。もっかいだけ言うけどさ、俺らはこれからも、友達として付き合っていけないのかな」

「女にも俺にも、お前が必要なんだよ。頼む」

「……」

747 = 743 :

「それでも私は、あなたには会えない。会いたくないの」

「何でだよ!」

「だってさ、会ったらまた、好きになっちゃいそうなんだもん」

「何ぃ!?」

「友ちゃんッ!?」

「お兄さん、自分で思ってる以上に魅力的なんだよ? そりゃ好きになる人魚の一人や二人いるって」

「でも、私と女は友達だから。だからなるべく未練を残さないように、会わなくなりたいの」

748 = 742 :

(´;ω;`)ウッ…友ちゃん…

749 :

「ね? だから、お兄さんと私はもう会わない方がいいの。自分勝手な理屈だ
  けど、許して?」

「……なんか俺、自分が不甲斐ないわ」

「どうして? お兄さんが気に病む問題じゃないのに」

「だってさ、俺は命の恩人にもう会えないかもしれないんだぜ? 俺がもっと
  ちゃんとしてれば、どうにかなったかもしれないのに……」

「そんな、これはただの私の意地なんだってば。お兄さんは悪くないよ!」

「それでも俺は、説得できなかった自分が情けない……」

「違うって。これは私のワガママなの、お兄さんには関係ない!」

「いや、やっぱり俺はダメな奴だ……」

「もう、違うって言ってるのに!」

「……罪のなすり合いならぬ、罪の被り合い?」

750 = 749 :

「とにかく私はもういいの。悪いのはワガママな私、お兄さんと女は無関係。それでいいじゃない!」

「いい訳ないだろ! 俺は納得してないからな」

「平行線だなぁ……どうすればいいんだろ」

「それはこっちの台詞だっつーの」

「あの……二人とも」

「何? 女」

「あのね、私、ちょっと考えたんだけど。もしかして一番我慢が足りないのって、私じゃないのかなぁ」

「え?」

「何を言ってんだよ。お前が我慢することなんて何もないじゃないか」

「普通に考えたらそうかもしれない。けど男さん、普通の考えで、友ちゃんを説得できると思いますか?」

「う……それは……」

「でしょ? だから私も、友ちゃんのためにちょっとだけ我慢することに決めたんです」

「我慢って、何を我慢する気なの?」

「うん。私、男さんとの結婚を一時取り止めることにする」

二人「はぁっッッ!?」


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