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    元スレ新ジャンル「囚人二人」

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    1 :

    看守「今日からおまえにはここで暮らしてもらう」

     背中をとん、と押され、女は独房に踏み込んだ。
    直後、背後の扉が、重い音を立てて閉じた。
     外界から、完全に隔絶。その扉を恨めしげににらみ
    つけたところで、金属でできたその扉は開きも溶けも
    砕け散りもしない。しかたなく、壁際に置いてあった
    ベッドに腰かけた。
     看守の足音が遠ざかってゆくのを聞くともなしに
    聞きながら、考える。さあ、何もすることがない。
    これからの退屈を、いったいどうやってしのげば
    いいものやら――

    「お、新入りさんかい?」
    (……え?)
    「そこにいた奴が『連れて』いかれちまってよ。
      退屈してたんだ」
    (どこから……壁? あ、こんなところに
      小さな穴が開いてる……)
    「ま、これからよろしく頼むわ。短い間だが、な」
    (えらく慣れ慣れしい……でもまあ、一人で
      ふさぎ込んでるよりは――)
    「……あれ? 聞こえてねえのか? おーい」
    「聞こえてるよ……これからよろしく、ね」

    2 = 1 :

    「よう。どうだい? ここでの寝ごこちは」
    「もうホント最高。どっかの五つ星ホテルかと
      思っちゃったよ」
    「だろ? むやみやたらに広々としたこの部屋!
      ホントは狭いのに、モノを置かないことで
      広く見せる工夫のタマモノってワケよ」
    「置いてあるものといったらこの固いベッドだけ。
      必要最低限なものだけを置く、機能美に特化した
      すっばらしい部屋だよね」
    「よくわかってるじゃねえか。まったく、舌打ちの
      ひとつもしたところでバチも当たりゃしねえ」
    「それに、これ以上バチの当たりようもない……よね?」
    「俺たちの場合はな。はっは」

    3 :

    こういうのマジでもういいから

    5 = 1 :

    「ここってさ」
    「んー?」
    「夜になったら、けっこう暗いんだね」
    「昼でも暗いだろ?」
    「壁に、風と光を通すための窓があるじゃん」
    「まあ、昼はそこからお日さんが照らしてくれるわな」
    「夜はそういうのなくなるし」
    「お? もしかして、暗いのがニガテなのか?」
    「……うっさい。寝るっ」

    7 :

    独房は一人部屋

    8 :

    書き込めるかテスト

    9 = 1 :

    「よう、見てみろよ。いい月だぜ」
    「窓の外? んー、ここからだと建物に隠れて
      よく見えないや」
    「お、そうか。そいつは残念だな……
      鉄格子越しに見る月なんてオツなモンは、
      ムショ以外じゃそうは見られねえぜ?」
    「乙な物、ねえ。あんたの趣味、よくわかんない」

    10 = 1 :

    「――――ってハナシがあってよ。おかしいだろ?」
    「あっはっは。おかしいおかしい」
    「! おい女、ちっと黙れや」
    「……はぁ? なにをいきなり――」
    「いいから!」
    「ちょっとあんたねえ」

     ……カツン。

    「!」
    (看守の足音!? 近づいてくる……
      まさか、声が聞こえてた……?)

    11 = 1 :

    >>10

     ……カツン、カツン、カツン……

    (通り過ぎた……)
    「……ふう。やっぱマズいんだよな、こうやって
      話すのは。もし聴かれたら、この穴もふさがれ
      ちまう」
    「……ごめん。これからはちょっと声を抑えるね」
    「かまいやしねえ。見回りの時間は決まってる。
      その間だけ気をつければいいさ」
    「うん……」
    「しかし、アレだ。こういうの、ワクワクするだろ?」
    「え?」
    「昔よ、やっただろ。学校の授業中にさ、センコーの
      目ぇ盗んで手紙の交換とかしてよ」
    「ああ……なつかしいね」
    「情報のやりとりが目的じゃなくてよォ。ただ、エラい
      人に隠れてあれやこれやするのが楽しかったんだ」
    「ふふ。あんた、子供みたいなコト言うんだね」
    「大人の男ってのぁな、でっけえ少年なのさ」
    「で、やんちゃが過ぎてここにいるってわけ?」
    「それは言わねえ約束だぜ」

    12 :

    かまわん続けろ

    13 = 1 :

    「よう。今日は空が高えなあ」
    「そうだねー……いい天気」
    「こんな日にゃあ、軽くそこいらをぶらぶらしてえもんだ」
    「またアンタは。無理だってわかってるくせにさ」
    「ないものねだりってのは、してみるもんだ。
      もしかしたら、欲しいモンが手に入るかもしれねえぜ?」
    「だからあんたはコドモだってのよ」
    「うっせ。そういうてめえはいくつなんだよ」
    「レディに歳を訊くもんじゃないわ」
    「レディ、ねえ」
    「レディ、よ」
    「ふ~~~ん」
    「…………」
    「ふ~~~~~~ん」
    「……21、よ」
    「ふは! 俺の方がみっつも上だ!
      ガキはどっちだってんだよ、はっは!」
    「……だからあんたはコドモだってのよ……」

    14 = 1 :

    「よう。あんた、お里はどこだい?」
    「故郷、か。捨てたよ、そんなもの」
    「なんだ。帰る場所、ねえのか」
    「あったとしても、もう帰れないじゃない」
    「……そうだな。そうだったな」
    「そういうあんたは、どうなのさ」
    「俺かい? 俺も捨てたよ、そんなもん」
    「だろうねえ。じゃなきゃ、今ごろこんなところに
      いたりはしない」
    「はっは。違いねえ」

    15 = 1 :

    「よう。起きてるかい?」
    「……いちお。なんか用?」
    「いいや、なんにも。ここでしなきゃならねえことなんて
      なにもねえのに、用なんかあるわけねえだろ?」
    「ごもっとも。で? だったらなんで話しかけてくるわけ?」
    「冷たいねえ。することもなにもねえんだ、構ってほしいのさ」
    「子供みたいなコト言わないの。今は眠いからさ、明日にして
      くんない?」
    「今がいい」
    「後がいい」
    「今がいい」
    「…………」
    「おーい。なんだよ寝ちまったのか?
      おきろーおきろーおーきーろー」
    「ああもううるさい! 看守が来る!
      ったくもーしょーがないなあっ」
    「へへ」

    16 = 1 :

    「しかし驚いたぜ。隣に、女の子が入ってくるなんてな」
    「なによ。べつに珍しいもんじゃないでしょ。女が犯罪を
      起こすなんて」
    「たしかに珍しくねえ。だが、『ここ』は違う」
    「どういう意味?」
    「わかってんだろ。ここがどこだか」
    「……危険度最高クラスの犯罪者が集まる刑務所。
      極めて大きな罪を犯し、終身刑以上の罰が言い渡された
      者を収容する」
    「そしてこのエリアの独房には――」
    「死刑判決を受けた者だけが収容される」
    「…………」
    「…………」
    「珍しいんだ。ここでは、な」


    「……それが、どうかしたの?」
    「いや。べつにどうもしねえさ。
      ただ、なにをやってここに来たのかが、気になった」
    「話さないと、夜も眠れない?」
    「いいや。そういうわけじゃねえ」
    「だったら、いいじゃない。そんなこと、どうでも」
    「そうか……そうだな。
      まあ、気が向いたら話してくれや。
      傷をなめあうのも、悪かぁねえぜ」
    「……そ」

    18 = 1 :

    「いやしかし腹が減った。ここの暮らしには
      だいぶ慣れたが、メシの量が少ねえのだけはいただけねえな」
    「身体を動かすこともないし、十分じゃないの?」
    「てめえと一緒にすんじゃねえっての。こっちは大の男だぜ?」
    「あっそ。じゃあ――わたしの分、わけてあげようか?」
    「マジか!
      と言いてえが、こんなに小さい穴じゃあな。水くらいしか通らねえ」
    「噛み砕いた後なら通るけど」
    「ペンギンじゃあるめえし。いらね」
    「あーあ。人の親切を無為にするなんてねー」
    「てめえ無理だってわかってて言ってるだろ」

    19 :

    まちがえた

    20 = 19 :

    >>19をまちがえた
    ごめんなさい

    21 :

    紫煙

    23 = 8 :

    「今日も誰かに尾けられてる気が…」





    「男君男君男君男君男君ハァハァ」








    スト「ストーカーしてる女ちゃん可愛ええええええ」

    24 = 8 :

    スレタテミスの誤爆より恥ずかしい物は無い
    支援

    25 = 1 :

    「しかしまあ顔も知らねえ男に対して
      噛み砕いたモノをくれてやるたあ、な」
    「べつにいーじゃない。現にこうやって
      壁で仕切られてるわけだし、襲われることは
      ないでしょ」
    「いやまあそうなんだがな」
    「むしろ互いに顔が見えないからこそできることも
      あるってもんでしょ」
    「それもそうだ。だがな女よ、その気になれば
      俺はその穴からそっちを覗きこむこともできるんだぜ?」
    「あっそ。するの? あんたが?」
    「……いや。隣にいる女性がどんな容姿なのか、わからない
      からこその楽しみもあるしな」
    「そう言うと思った。あんたはそーいうヤツよ」
    「想像は自由だと言ってくれ」
    「はいはい。ホント、子供みたいなんだから」

    28 = 1 :

    「この穴ってさ」
    「ん?」
    「あんたが開けたの?」
    「……ああ。最後はな」
    「最後は?」
    「俺がここに来た時には、もうかなり深い穴が
      壁に開いてた。たぶん……俺の前にここにいた奴が、
      ちょっとずつ掘っていったんだと思う。
      いや、何人もの手で、カンナでやるみてえに削っていったのかもな。
      きっと寂しかったんだろうなあ。ここでたった一人で
      息をしてるのが」
    「…………」
    「で、俺がそれに気づいて、メシのたびにスプーンの柄で突ついたんだ。
      2週間くらい経ったころかな。いきなり、スプーンが向こうに
      突き抜けた」
    「晴れて、開通ってワケだね」
    「ああ。ほんの1センチやそこらの穴だがな。
      驚いてたぜ。そりゃそうだろうな、いきなり壁からスプーンが
      生えてくるんだ。
      そこからは……そうだな。おまえが今いる部屋にいた奴と、
      くだらねえ話に花を咲かせたもんだ」
    「……仲良く、してたんだ」
    「まあな。看守を除けば話ができるたった一人の相手だ、
      いがみあってもしょうがねえ。
      ま、そいつも今となっちゃあ――
      いや、やめとこう。シケた話だ」

    29 = 1 :

    「で?」
    「ん?」
    「そーいうアンタは、いったい何をやったの?」
    「聞きてえか?」
    「まあ、ヒマ潰しのネタ程度には」
    「聞きたくねえのか……」
    「なによ。言いたいの?」
    「……まあ、ヒマ潰しのネタ程度には……」

    30 = 1 :

    「大体よお、何をやったのかって言うけどな」
    「なによ?」
    「世の中には冤罪というものがあってだ」
    「な――まさかあんた」
    「もしかしたら、俺はなにもやってねえのかも
      しれないぜ?」
    「!」
    「とかいう夢を見ることもある」
    「…………
      結局どっちなのさ」
    「どうだかなあ。はっは」

    31 :

    >>23
    スレ立てするときは呼んでくれよ

    32 :

    なんだ終わりか

    33 = 1 :

    「ヒマだね」
    「ああ。ヒマだ」
    「なんでこんなにヒマなの?」
    「することがねえからだ」
    「それってトートロジー」
    「わかってる」
    「なんですることがないの?」
    「それが今の俺たちの仕事だからだ」
    「待つことが仕事ってこと?」
    「ああそうだ。何を待つかって?
      はっは」
    「笑うしかないのもわかるけどさ」

    34 = 1 :

    >>32
    書きためてたのが尽きた。
    ペースがかなり落ちるが、ヒマだったらどうぞ

    35 = 26 :

    迷わず支援

    36 :

    これから読むぜ

    37 :

    「……。(暇だ、あいつ何してんだろうな、ちょい覗いてみるか)」
    ヌッ(互いに合う視線
    「きゃっ!」
    「うおわっ!びびった!なんだよ!なに覗いてんだよ!」
    「そっそっちこそなに覗いてんのよ!」
    「いや、俺はただなにしてるかな~って、オマエは?」
    「…私もアンタがなにしてるかな~って」
    「……。」
    「……。」
    ヌッ
    「目潰し!」
    「痛っ!?」

    38 = 1 :

    「くしゅんっ」
    「お。カゼでも引いたか?
      それとも……いい男でもいるのかい?」
    「心当たりはないね……もうシャバに
      わたしのこと覚えてる人もいないんじゃないかな」
    「えらく寂しいこと言うなぁ」
    「事実だもの。わたしのことウワサしそうなのって……
      この壁のむこうにしかいないよ」
    「おお。なんでおまえのこと考えてるってバレた」
    「くしゅんっ」
    「おおう」

    39 = 1 :

    「へくし」
    「今あんた口で『へくし』って言ったでしょ」
    「へくし」
    「もっとそれっぽく聞こえるように言えばいいのに」
    「いやあ俺もウワサされてんのかねえ。
      俺のことウワサしそうなの、この壁のむこうにしか
      いねえんだけどなあ。あーへくし」
    「こら」
    「ああもしかして今女の頭の中は俺でいっぱい!?
      いやー照れるぜー」
    「…………」
    「へくし」
    「コドモ……いや、もういいや」

    40 = 1 :

    「ねえ男ー」
    「…………」
    「男ー?」
    「…………」
    「あれ? 寝てんのかな……」
    「…………」
    「退屈だから構ってもらおうと思ったのに」
    「…………」
    「ねえ男ー?」
    「…………」
    「……つまんない」
    「そうかそうか。やっぱ女には俺がいねえとなあ」
    「なッ……もしかして今の全部聞いてた!?
      殺す! ぶっ殺すッ!」
    「そんなに怒んなよ。はっは」
    「はっはー、じゃない!」

    42 = 26 :

    私怨

    43 = 1 :

    「わたし今着替えてるけど」
    「おおうッ」
    「よかったらその穴から、どうぞ?」
    「てめッ……想像は自由だってーのに、
      それを阻害しようってのか」
    「そうは言わないけど。
      オンナのカラダを見る機会も、
      もうないんじゃないかなって思ってさ」
    「……想像は自由だ。
      だが妄想はもっと自由だ!」
    「覗かないってはっきり言えばいいのにさ。
      純情だねー……もしかして童貞?」
    「ちがうわ!」

    46 = 44 :

    でけた
    見てるぜ
    頑張ってくれ

    47 = 1 :

    「狭い」
    「そうだね」
    「動かねえ」
    「必要ないし」
    「身体がなまってしょうがねえ」
    「しょうがなくないでしょ。もう、いらないじゃん」
    「……えらく達観してやがんなあ。
      世の中なにが起こるかわかんねえぜ?」
    「そうだね。わかんないね」
    「なんだその反応……じゃあ言い方変えるか?
      世の中なにが起こせるかわかんねえ、ってな」
    「……なにを考えてるの?」
    「さあな。秘密だ……はっは」

    48 = 1 :

    「今夜は冷え込むな」
    「秋だしね。あんた、今からそんなコト言ってて、
      これからの季節大丈夫なの?」
    「さあな。女がこっちに来てあっためてくれたら、
      そんな悩みはねえんだが」
    「あんたがこっち来るなら考えてやってもいいけど」
    「うおマジか! おおりゃあがんばれ俺!
      この穴をくぐれッ!」
    「あ。指が出てきた。
      とうっ」
    「あだっ!? 爪を立てるな!」

    49 = 26 :

    紫煙

    50 = 26 :

    >>1寝たか


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