元スレ武内P「起きたらひどい事になっていました」
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351 = 349 :
未央「だからさ、ああしたいー、とか、こうしたいー、とか」
卯月「そういう、願望みたいなものは無いのかなぁ、って」
武内P「結構、というのは?」
凛「程度を表してるんだよ。結構なレベルの、って意味」
武内P「はぁ……」
武内P「私の、結構なレベルの願望……」
未央・卯月・凛「……」
352 = 349 :
未央「あっ、そうだ。アイドル関係は言わなくていいから」
武内P「何故、でしょうか?」
卯月「どういう答えが返ってくるか、なんとなくわかりますから」
武内P「……」
凛「だから、それ以外を言ってみてよ」
武内P「……」
武内P「アイドルに関する以外の、私の結構な願望……」
未央・卯月・凛「……」
353 = 349 :
武内P「……」
未央「さあさあ、恥ずかしがらずに言ってみなってー!」
武内P「……」
卯月「いくつでも良いですよ! 夢は多いほうが素敵ですし♪」
武内P「……」
凛「ほら、早く言いなよ」
武内P「……」
武内P「無い、ですね」
未央・卯月・凛「!?」
354 = 349 :
未央「な、無いって事は無いんじゃない!?」
武内P「結構なレベル、と限定した場合……思い当たりませんでした」
卯月「じゃ、じゃあ! 結構よりちょっと下レベルなら!?」
武内P「晩御飯は、カレーが良いな……ですかね」
凛「結構のレベルも低すぎる!」
武内P「そ、そうですか? では……ビーフカレー、で」
未央「好きなカレー食べなよ!」
武内P「はい。そうしようと、思います」ニコリ
未央・卯月・凛「良い笑顔!」
355 = 349 :
未央「プロデューサーって、欲は無いの!?」
武内P「いえ、人並みにあると思いますが……」
卯月「その人並みのレベルがおかしいですよ!?」
武内P「私には、人並みの幸せは……難しいかもしれませんね」
凛「そういう事を言ってるんじゃないから!」
武内P「私は、皆さんの笑顔が見られるだけで、十分です」
未央・卯月・凛「……!」ジーン!
未央「……って、なんか感動してる場合じゃないよこれ!」
卯月・凛「!」コクコク
356 = 349 :
未央「えーっと、じゃあほら! 彼女欲しいとかは!?」
武内P「今は、仕事が恋人ですから」
卯月「いつか! 今じゃなくても、いつか欲しいとか!」
武内P「そう、ですね……はい、いつかは」
凛「駄目。なんか、全然欲しそうじゃない」
武内P「……」
未央・卯月・凛「……」
357 = 349 :
未央「結婚! 結婚願望は!?」
武内P「今は、仕事が恋人ですから」
卯月「それは聞きました! お見合いとか、どうです!?」
武内P「そう、ですね……はい、いつかは」
凛「駄目。絶対しない時の言い方してる」
武内P「……」
未央・卯月・凛「……」
358 = 349 :
未央「出世! 今よりも、偉くなりたいとか!」
武内P「それは……考えたこともありませんでした」
卯月「大きなプロジェクトも担当してるし、すぐ出世しそうです!」
武内P「そう、ですね……はい、いつかは」
凛「駄目。私には現場が一番です、って断りそう」
武内P「……」
未央・卯月・凛「……」
359 = 349 :
未央「家が欲しい!」
武内P「帰る機会が、あまり無いので……」
卯月「車が欲しい!」
武内P「私用で使う機会が、あまり無いので……」
凛「休みが欲しい!」
武内P「皆さんの笑顔を見る機会が、減ってしまうので……」
未央・卯月・凛「……!」
武内P「……」
360 = 349 :
未央「御両親に、親孝行!」
武内P「孫の顔を見せるのが、一番の親孝行だと……」
卯月「じゃ、じゃあ、おじいちゃんおばあちゃん孝行!」
武内P「ひ孫の顔を見せるのが、一番の孝行だと……」
凛「駄目。親族からも、なんだか諦められてる感じがする」
武内P「……」
未央・卯月・凛「……!」
361 = 349 :
未央「じゃ、じゃあ……アイドル関係以外で、一番の願望は!?」
卯月「それです、未央ちゃん!」
凛「うん、それなら個人的な、一番の願望が聞ける」
武内P「晩御飯は、ビーフカレーが良い、ですね」
卯月「未央ちゃん! 時間を無駄にしないでください!」
凛「見損なったよ、未央。しっかりしてよね」
未央「なんで私が悪い感じになるの!?」
武内P「……」
362 = 349 :
未央「じゃ、じゃあ……お酒!」
武内P「飲みすぎては仕事に差し支えますから、たしなむ程度で……」
卯月「それなら……アイドル関係以外の趣味、とか」
武内P「ありません」
凛「即答しないで。……待って、考えるから」
武内P「あの……あまり、無理はなさらず」
凛「何か……そう、欲しいものとかないの!?」
武内P「欲しいもの……ですか?」
未央・卯月・凛「!」
363 = 349 :
未央「そう! 欲しいもの! それも、結構なレベルの!」
武内P「欲しいもの……」
卯月「アイドル関連は駄目ですからね!?」
武内P「私の、結構なレベルのほしいもの……」
凛「兎に角言ってみて。でないと、先に進めない」
武内P「……平和で、穏やかな日常、ですね」
未央・卯月・凛「そういうのじゃない!」
武内P「……!?」
364 = 349 :
未央「何!? そんなのを欲しがる程の日常なの!?」
武内P「い、いえ……ですが、とても大事な事だと思うのですが」
卯月「それが結構なレベルって、戦場にでも住んでるんですか!?」
武内P「芸能界は、戦場とも言いますし……!」
凛「上手いこと言って、誤魔化さないで」
武内P「しかし……思い当たるものが、平和で、穏やかな日常しか……!」
未央・卯月・凛「……!」
365 = 349 :
未央「大体さ、プロデューサーは欲が無さ過ぎ!」
武内P「……自分では、よくわかりません」
卯月「もっと、素直になってください!」
武内P「素直に……ですか?」
凛「一番ほしいものが平和で穏やかな日常って、おかしいから!」
武内P「……」
未央・卯月・凛「……!」
366 = 349 :
未央「今は悪魔が微笑む時代だよ!? 笑っていこう!?」ニヤァ
武内P「その笑顔は、アイドルのものとしては不適切です!」
卯月「ありますよね? 人には言えない願望とか」
武内P「ありません。私は、プロデューサーですから」
凛「誤魔化さないで。あるでしょ、そういうのの一つや二つ」
未央・卯月・凛「言って」
武内P「……」
武内P「仕事に集中したいので、邪魔しないでください」
おわり
367 = 349 :
>>349レスした後誤字に気付いたので、やり直します
武内P「結婚願望、ですか」
368 = 349 :
武内P「そう、でうね……」
CPアイドル達「……」
武内P「無くは、無いですね」
CPアイドル達「!」
…ガチャッ
武内P「あの……何故、鍵を?」
CPアイドル達「なんとなく」
武内P「……」
369 = 349 :
未央「したいと、思ってるんだ?」
武内P「はい、いずれは」
卯月「お相手は、居るんですか?」
武内P「今は、仕事が恋人ですから」
凛「ふーん。まあ、そうだと思ったけど」
武内P「……?」
CPアイドル達「……」
370 = 349 :
美波「体の相性って、大事ですよね」スルスルッ
武内P「新田さん、服を脱がないでください」
蘭子「我が友よ、その……お嫁さんの実家が、遠くても……?」
武内P「問題無いと、そう思います」
アーニャ「ダヴァイッッ!!」
武内P「何故、両手を広げているのですか、アナスタシアさん?」
武内P「……あの……皆さん……?」
CPアイドル達「……」
371 = 349 :
智絵里「見捨てたりは……」
武内P「私の方が、見捨てられそうかと……」
かな子「甘い物、好きですよね―?」
武内P「はい。食には関心があります」
杏「家事とかさ、分担するのが良いよねー」
武内P「それに関しては、はい、問題ないと思います」
CPアイドル達「……」
武内P「……?」
372 = 349 :
きらり「Pちゃんは~、おっきぃ子はダメダメ……?」
武内P「いえ、特に気にはしません」
莉嘉「はーい! 歳の差とか、オッケーなカンジ?☆」
武内P「はい、お相手の方が気にしないようでしたら」
みりあ「ねえねえ、子供はいっぱいがいい?」
武内P「それは、話し合いで決めるでしょうね」
CPアイドル達「……」
武内P「……」
373 = 349 :
みく「ネコチャンを飼ったりは、どう思うにゃ?」
武内P「そうですね、それも、良いと思います」
李衣菜「ギターの練習とかしても、大丈夫ですか?」
武内P「そういう趣味がおありでしたら、防音室も検討します」
CPアイドル達「……!」
武内P「あの……皆さん?」
ドンドンッ! ドンドンッ!
武内P「!?」
374 = 349 :
ドンドンッ! ドンドンッ!
武内P「鍵がかかっていて、入れないようですが……」
未央「入れない? 何のこと?」
武内P「物凄い勢いでドアが叩かれていますよ!?」
卯月「そうですか? 私、何も聞こえないですよ?」
武内P「!?」
ドンドンッ! ドンドンッ!
「カリスマ―!★ カリスマ―!★」
凛「うぶっふ! 鳴き声じゃないんだから……!」
武内P「やはり、聞こえていますよね!?」
375 :
ドンドンッ! ドンドンッ!
「あー、アタシ結婚願望チョーあるわー!★ つれーわー!★」
美波「でも、プロデューサーさんも結婚願望あったんですね」
武内P「それは、まあ……あの、開けてあげては……」
ドンドンッ! ドンドンッ!
「こう見えて、家事とか得意だし★ カリスマ主婦とか、良くない?★」
蘭子「封印を解いてはならない!」
武内P「ですが、あの……ドアが壊れてしまいそうで……」
「あの……混ぜて?」
アーニャ「ズヴィズダ、無くなりました。もう、大丈夫です」
武内P「そう……ですか」
376 = 375 :
武内P「しかし……何故、私の結婚願望の話を?」
コンコン
智絵里「その……な、なんとなくです……///」
武内P「はぁ……なんとなく、ですか」
コンコン
かな子「和食って、結構お砂糖使うんですよねー」
武内P「……そうですね。気をつけないと、いけないと思います」
コンコン
杏「杏、ゴハンはテキトーでいいよー」
武内P「いえ、栄養バランスを考え、しっかりと食事は……」
コンコン
武内P「あの……開けてあげませんか!?」
CPアイドル達「……」フルフル
377 = 375 :
きらり「うゅ……やっぱり、美嘉ちゃんみたいな子が良いにぃ……?」
武内P「いえ、諸星さんも、魅力的な方だと思います」
コンコン
莉嘉「あっ、でもそれだと、お義兄ちゃん☆ ってPくんの事呼べるねっ☆」
武内P「あの……何の、話でしょうか?」
コンコン
みりあ「あのねあのね、そういうプレイでも、みりあは平気だよ?」
武内P「あの! 本当に何の話をしているんですか!?」
コンコンコンコンコンコンコン
武内P「皆さん、開けてあげましょう!?」
CPアイドル達「……」フルフル
378 = 375 :
武内P「ですが、あまりに不憫すぎます!」
コンコンコンコンコンコンコンコン
みく「Pチャン、ネコチャンの名前はどういう風にきめる?」
武内P「大事な家族の一員ですから、慎重に……スルーですか!?」
コンコンコンコンコンコンコンコン
李衣菜「友達とか呼んでも、良いですか!?」
武内P「その時は、おもてなしをしないといけませんね……あの、ですから!」
コンコンコンコンコンコンコンコン
武内P「っ……! 今、開けますから!」
CPアイドル達「!?」
379 = 375 :
ガチャリ!
武内P「鍵を開けたので、もうドアを叩くのはおやめ――」
ガチャッ
楓「おはようございま――」
武内P「……」
バタンッ…ガチャリ!
武内P「誰も、居ませんでした」
CPアイドル達「……」
コンコンコンコンコンコンコンコン
「ドアがおーぷんしなくて、もぉーぷんぷんです」
武内P「帰ってください! お願いしますから!」
380 = 375 :
武内P「あの……何故、皆さんそこまで……!?」
CPアイドル達「……」
武内P「私に結婚願望があるのが、皆さんに関係があるとは……」
CPアイドル達「……」
ちひろ「優良物件なんです」
武内P「……千川さん?」
CPアイドル達「……」コクコク
武内P「……皆さん?」
381 = 375 :
ちひろ「プロデューサーさんは、自分がどう思われると考えてますか?」
武内P「その……女性から見て、でしょうか?」
ちひろ「はい」
武内P「……仕事人間の、つまらない男、かと」
CPアイドル達「そんな事ありません!」
武内P「!?」
ちひろ「そんな事ないですよ、プロデューサーさん」
武内P「……そう、でしょうか」
382 = 375 :
未央「プロデューサー、一生懸命でカッコイイよ!」
武内P「それは……必死なだけです」
卯月「頑張ってる姿を見て、こっちも頑張らなきゃ、って!」
武内P「それは……皆さん自身の、力です」
凛「目を離さないでくれるって、言ったよね」
武内P「それは……はい、確かにお約束しました」
美波「夜も、とっても頑張ってくれそうです♡」
武内P「それは……はい、私に出来る限り――」
CPアイドル達「……///」
武内P「――いえ! あの、何を言わせるんですか!?」
383 = 375 :
蘭子「言の葉を理解する、魂の同胞!」
武内P「それは……はい、とても大事で、必要でしたので」
アーニャ「ハラショー! ロシア語も、その調子です!」
武内P「それは……待ってください、あの、そこまでは!?」
智絵里「浮気しなさそうで……もう、会話の無い食卓は……」
武内P「それは……あの、何と言って良いか、わかりません」
杏「五分だ五分だと言うけどさ、キューイチでやってくれそうだよね~」
武内P「それは……して、しまいそうです」
かな子「ケーキ美味しい~♪」
武内P「好きなだけ食べていて欲しいと、そう思います」
384 = 375 :
きらり「Pちゃんおっきぃから、きらりも普通の女の子みたいだにぃ~☆」
武内P「それは……他にも、背の高い男性はいます」
莉嘉「Pくん、なんだかんだでチョー優しいもん!☆」
武内P「それは……そう、でしょうか?」
みりあ「うんうん! あのねあのね、それって、とっても素敵だと思うな~!」
武内P「それは……いえ、それこそ、大勢居ると思います」
みく「違うにゃ! ストライキしたみく達を許すなんて、普通は出来ないよ!」
武内P「それは……仏の顔も三度まで、と言いますから」
みく「待って、あと二回何かやったらまずいの!?」
武内P「……」
385 = 375 :
李衣菜「何にせよ、プロデューサーはロックなんですよ!」
武内P「それは……自分では、よくわかりません」
ちひろ「アイドルの子達を見てばっかりですからね」
武内P「……千川さん?」
ちひろ「もっと、自分にも目を向けたら良いと思いますよ」
CPアイドル達「……」ウンウン
武内P「皆さん……」
386 = 375 :
ちひろ「そんな、自分に目を向けないプロデューサーさんだからこそ……」
武内P「千川さん」
ちひろ「滅茶苦茶お金溜め込んでそうだな、って思うんです」
武内P「千川さん?」
CPアイドル達「……」ウンウン
武内P「皆さん?」
ちひろ「年収、おいくらですか?」
CPアイドル達「……」
武内P「……」
387 = 375 :
武内P「……皆さんの思い、伝わってきました」
CPアイドル達「……」
武内P「確かに、私は今まで自分には目を向けてきませんでした」
ちひろ「貯金、おいくらですか?」
武内P「これからは、身の振り方を考えようと……そう、思いました」
CPアイドル達「はいっ!」
武内P「良い、笑顔です」
武内P「恋人である仕事と、このまま結婚します」
おわり
388 = 375 :
次は、ロボ、SF、魔法少女、VSのどれか書きます
寝ます
おやすみなさい
389 :
乙
カリスマー!★カリスマー!★でふふってなった
390 :
前も書いたけど毎度オチが素晴らしい
391 :
前降りからのオチが毎度きれい
392 :
割合大人なこと言うみりあちゃんに興奮した
393 = 375 :
「魔法少女、マジカルチッヒ♪」
変身後の、決め台詞。
言わなければなんとなく気持ち悪くなっちゃうのよね。
それに……言わないと、怒られちゃうもの。
「魔法少女、プリティーミッシー♪」
専務に。
「アナタのハートに、ログインボーナスっ♪」
「課金もしないと、解散させちゃうんだからっ♪」
二人揃っての、決めポーズがビシリと決まった。
今までは一人でやっていたから綺麗に出来るかわからなかったけど、
こういうのって案外ノリで出来るものなのね。
身長差があるから背中合わせにはしなかったけど、それが良かった。
私がちょっと前、専務がそのすぐ後ろに控える配置。
「さあ、覚悟しなさい! ガシャットモンスター!」
魔法のステッキをビシリと突きつけ、言ってやる。
それにグルルと唸り声をあげて抵抗しようとするガシャットモンスター。
「歯向かうつもりか? 理解出来ないな」
専務が……いや、ミッシーがツインテールを揺らしながら言った。
その姿は正に魔法少女、いや、
「行くわよ、ミッシー!」
「当然だ、チッヒ」
美少女戦士……でもなく、
「三分で片を付ける。私は、あまり気が長い方ではない」
歴戦の勇士。
395 = 375 :
・ ・ ・
「……ふん、他愛ない」
ミッシーがツインテールを一房かき上げ、言った。
ガシャットモンスターは既に元に戻っており、路地裏にポテリと転がっている。
今日のモンスターの元の姿は、ちいさな女の子用の人形。
髪はグシャグシャで、お洋服も汚れてしまっている。
「……」
ミッシーはその人形にツカツカと歩み寄ると、両手で優しく抱き上げた。
その姿は、戦っている時の姿とはまるで別人。
「無様だな。見るに耐えないとはこの事か」
とても乱暴な言い方だけど、私はそれに口を挟まない。
だって、ミッシーは――魔法少女だから。
「キミには、以前よりももっと輝いてもらう。成功は私が保証しよう」
そう言ったミッシーの姿は、自愛に満ちていた。
「うふふ、専務ったら、お優しいんですね♪」
職場では、こんな軽口を言ったら怒られてしまう。
だけど、今の私達は大切なパートナーだ。
「チッヒ。今の私の事は、ミッシーと呼びなさいと言ったでしょう」
「あっ、そうでした……ごめんね、ミッシー」
ついうっかり、専務とよんでしまう事もあるけれど。
舌をペロリと出し、両手を合わせてミッシーに謝る。
「……・!?」
その視線の先に……また、プロデューサーさんが居た。
396 = 375 :
誤)>そう言ったミッシーの姿は、自愛に満ちていた。
正)>そう言ったミッシーの姿は、慈愛に満ちていた。
397 = 375 :
「? どうしたチッヒ、顔色が悪いぞ」
「……!?」
ミッシーに指摘されたが、今はそれどころではない。
前回は、何も無かったかのように振る舞い、事なきを得た。
だけど、今回は二度目。
それも……私だけでなく、ミッシーの姿も見られた。
「!? まさか、今の戦いで怪我を!?」
ハッキリ言おう。
ミッシーの見た目は、ガチでキツい。
薄桃色に染まったツインテール、可愛らしいフリフリのドレス。
手に持っている魔法のステッキの先端には、大きな星。
それを妙齢の、高身長のきつい顔立ちの女性がしているのだ。
「……!?」
そうですよね、驚いて目を見開きますよね。
今は大分慣れましたけど……私も、最初は驚きました。
「チッヒ、見せてみなさい」
「……」
心配そうに私に歩み寄る専務の背面を指差し、告げた。
「ミッシー、見られてるわ」
「? 何にだ」
ガシャットモンスターは倒したはずだ……と、つぶやきながらミッシーが振り向く。
そして、問題の人物の姿を確認し、全身をビクリと震わせた。
「……」
「……」
「……」
流れる、沈黙。
398 :
中の人は新妻魔女のシャイニールミナスだぞ
399 = 375 :
誰かが、口を開かなければならない。
けれど、誰もが言葉を失っている。
こういう時にパパッと魔法で解決出来れば、と思う。
そんなに便利じゃないんですよ、魔法って。
「……ふむ、見られてしまったか」
ミッシーが、思いの外冷静につぶやく。
さすがの人生経験か、前にもこういった事があったのかしら?
「その……申し訳、ありません」
プロデューサーさんが、理由無く謝罪する。
この人が謝る必要は無いのに、とても綺麗なお辞儀。
その声が少し震えていたのは、気のせいじゃないと思う。
「気にする事はない。だが、私も初めての経験に戸惑っている」
凄いです、専務!
初めて変身中の姿を見られた時の私とは、落ち着き方が違います!
やっぱり、偉くなる人っていうのはこういう所が違うのかしら。
「専務――」
「プリティイイイッ、バインドッ!!」
路地裏に、プリティーとはかけ離れた裂帛の気合が響いた。
「うおおおおっ!?」
ミッシーの魔法のステッキの先端から放たれた光が、
プロデューサーさんの体に絡みつき、その体を拘束する。
突然の事に戸惑い、プロデューサーさんは叫び声を上げるが、
「静かにしなさい。今の私は、何をするかわからない」
顔を真っ赤にし、頬をヒクヒクと引きつらせるミッシーが、
魔法のステッキを首筋に突きつけ、強引に中断させた。
400 = 375 :
・ ・ ・
「……」
専務の執務室。
私達三人は、それぞれが居心地の悪さを感じながら座っていた。
専務は、自分のデスクに。
私とプロデューサーさんは、その前にあるソファーに対面で。
「……」
コチリ、コチリと、部屋に置かれていた時計の針の音が響く。
この空間は、なんというか……とても心臓に悪い。
「……!」
主に、プロデューサーさんの。
「――さて、私の言いたい事は、わかるな?」
専務が、口火を切る。
話をするために、魔法で彼を拘束し、ここまで連れてきたのだ。
「……何の、話でしょうか?」
大根役者にも程がある。
けれど、プロデューサーさんは、専務の望む選択を選んだ。
それに満足したのか、専務は満足そうに頷く。
「よろしい。私がプリティーミッシーだと言う事は、忘れたまえ」
「……プリティーミッシー、ですか?」
「何だ。何か、問題でも?」
「いえ、なんでも……そうですか、プリティーですか……」
プリティーという単語に釈然としなさそうなプロデューサーさんの様子を見て、
「うっふふ!」
私は、笑ってしまった。
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