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    元スレ咲「リンシャンロンパ」 洋榎「希望の雀卓と絶望の高校生雀士」

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    651 = 644 :


    透華「……何か反論はありまして?」

    葉子「どーなんだ、おい!」

    「……」 ギリッ

    「ないわ……」

    「言いがかりを謝る、ごめん」 ギリッ

    那岐「謝る表情じゃないよーな……」

    智葉「だが、己の意見に執着し、場を乱されるよりはいい」

    葉子「おい、今こっち見たか!?」

    「でも、じゃあ密室の謎はどーなんのよ」

    「他にもう、密室を作る方法なんてないわよ!」

    (そう……)

    (この場にいる人に、もう密室を作ることは出来ない)

    (つまり、密室を作ったのは――――)



    ・被害者である愛宕洋榎
    ・人を操る念能力者であるシャルナーク
    ・超常現象である太古のアースパワーだべ!

    652 :

    アースパワーか

    653 = 644 :


    ・被害者である愛宕洋榎



    (これだ……!)

    「やっぱり……密室は洋榎先輩が作ったんじゃないかな……」

    那岐「はぁ?」

    葉子「だよな! やっぱ自殺だよ自殺!!」

    葉子「もうそれっきゃねーって!」

    「……洋榎先輩は……」

    「犯人を、庇ったんじゃないでしょうか」

    ちゃちゃのん「え……?」

    胡桃「犯人を……庇う……?」

    「はい」

    「きっと洋榎先輩だって生きたかったでしょうし、恨まなかったわけじゃないとは思います」

    「でも――」

    「刺されてしまったら、もう助からない」

    透華「確かに……現時点で怪我の治療は不可能な状況ですわね」

    「だから――せめて、犯人だけでも、助けようとしたんじゃないでしょうか」

    「このままただ死ねば、犯人も結局脱出できない可能性がある」

    「でも――」

    「ここで自分が密室を作り、自殺以外ないと見せかけることができれば、犯人だけでも家に帰れる」

    「そう思ったんじゃないでしょうか」

    654 :

    よかった…かじゅに会うために殺人に手を染めるモモはいなかったんやな

    655 = 644 :


    やえ「……いや、それはないんじゃないか?」

    「……え?」

    竜華「確かに、洋榎はお人好しなとこがある」

    竜華「更に言うと、あれでいてケッコー計算できるオンナや」

    竜華「せやから、自分は助からないからせめて――ってなるのは分かるんや」

    竜華「けど……」

    「それは同時に、他の皆の死を意味する……」

    透華「実際、今すでに、クロ以外の全員が窮地に立たされてますわ」

    竜華「あの計算高い洋榎が、そこまでするか?」

    「そこまでする相手だったってことじゃないですか?」

    「確かあのへんの人達と特別仲良しでしたよね」

    ちゃちゃのん「し、親友だなんて、そんな……さ、さすがにまだそこまでじゃ……///」 テレテレ

    葉子「何でちょっと嬉しそうなんだよ……!」

    「それは、関係ないと思います」

    「ささのん先輩や胡桃先輩だから特別扱いしたんじゃないかと……」

    胡桃「……」

    「だって、そもそも、洋榎先輩は――」



    ・学級裁判のことを忘れるほどの超高校級のアホだった
    ・学級裁判の存在を知らなかった
    ・私の恋人だから

    656 = 644 :


    ・学級裁判の存在を知らなかった



    (これだ――!)

    「だって、そもそお洋榎先輩は、学級裁判の存在を知らなかったんですよ」

    「……確かにそうね」

    智葉「学級裁判の存在が知らされたのは、愛宕洋榎の死体を発見した後」

    智葉「愛宕洋榎の認識に、クロを外せば全員死ぬ、というものはなかっただろうな」

    胡桃「じゃあ、やっぱり洋榎は――」

    透華「クロを庇って密室を作った……ということで、間違いないでしょうね」

    竜華「確かにそれなら、ナイフの持ち方がおかしかったのも納得できる」

    竜華「射出して刺された後、現場に残されたかした柄を、自殺に見せるため持ったってことやろ」

    「まあ、スイッチの位置まで気を回しとる余裕はなくてもおかしくないんと違います~?」

    やえ「決まりだな……」

    657 = 644 :


    葉子「それは分かったけどさ……」

    葉子「ぶっちゃけ、犯人の手がかり0じゃない?」

    「いや……あるはずよ」

    桃子「え……?」

    「さっき自分で言ってたじゃない」

    「……返り血、ですか」

    「そう」

    「犯人が誰であれ、返り血のついた服は処分しなきゃならない」

    「だから、わざわざ鍵まで渡したんでしょ」

    誓子「あ、そうか、部屋を見て回った調査報告だよね!」

    「……っていっても、何もなかったですよ?」

    「……」

    「は……!?」

    葉子「いや、さすがに何か見つかったら報告してるっつーの!」

    「トリックに使う“何か”を見つけられそうな人員を置いておくべきだったわね……」

    葉子「んだとコラ!!」

    誓子「血のついたものは勿論……」

    誓子「濡れたものも何もなかったわ」

    「……ってことは、処分の方法は2つだけですよね」

    やえ「ランドリーか――トラッシュルーム、だな」

    竜華「洋榎が密室作ったんなら、犯人はそこに居続ける必要もない」

    竜華「証拠隠滅は出来るもんな」

    透華「つまり――」

    透華「トラッシュルームかランドリーかはわかりませんが……」

    透華「返り血のついた服を処分できた人間こそ、クロというわけですわね――!」

    658 = 644 :

    ちょっと休憩です、申し訳ない。
    さすがにいい加減犯人特定しやすくなりすぎてるので、次の投下でクロ指名までは行きたいと思います。

    659 :

    乙。
    ランドリー……あっ(察し)

    660 = 644 :

    途中ちょっと何も言わず休憩挟む可能性ありますが、とりあえずクロ指名まで行きたいので再開します。

    661 = 644 :


    「ほんなら、ランドリーかトラッシュルームかってことやけどー……」

    竜華「印象だけで言うなら、トラッシュルームの方が証拠隠滅に使われてそうやな」

    「その心は?」

    竜華「現場からトラッシュルームまでは、角を1回曲がるだけや」

    竜華「それに引き換え、ランドリーは階段登って更に角を曲がらなアカン」

    竜華「誰かに遭遇するリスクは高い」

    竜華「それに、ランドリーやと“モノ”が残るから衣類しか洗えへんけど……」

    竜華「トラッシュルームやったら、返り血塞ぐのに別の何か使った場合、そいつを処分できるからな」

    やえ「衝動殺人ならともかく、確かに計画殺人ならトラッシュルームの方が濃厚かもしれないな」

    やえ「実際服に返り血を浴びてその場で着替えるよりも、すぐ脱げるようシーツでも被ってやった方が手早く出来るだろうし……」

    「シーツとかやったら、確かにランドリーで洗うよりは、トラッシュルームやろなあ~」

    葉子「……ん?」

    葉子「んんんんん?」

    「どうしたんですか」

    葉子「分かった、分かったぞ犯人が!」

    華菜「またロクでもない推理じゃないだろーなー」

    葉子「うっさいな!」

    葉子「へっへっへ、いいから聞きなって」

    「……」

    (確かに、何かロクでもない意見が出る気はするけど……)

    (こうやって議論して可能性を潰していくことで、全体像が見えるかもしれない)

    (いずれにせよ、返り血の問題はあるんだもん)

    (まずはここの議論で、気になることがあったらドンドン意見していかなきゃ)

    662 = 644 :


    葉子「私にはわかったんだよね」

    葉子「トラッシュルームの鉄格子を開けなきゃ、焼却炉には近づけねーし……」

    葉子「焼却炉のスイッチも押せねーはずだよな?」

    「まあ、そりゃ確かに」

    葉子「そんで、そのトラッシュルームの鍵は……」

    葉子「掃除当番が持ってんだったよなぁ……!」

    葉子「つまり、犯人は掃除当番って事になるよなぁ!?」

    「な、なるほど……!」

    那岐「分かっていた、私は分かっていたゾ!」

    那岐「……で、掃除当番って誰だっけ?」

    美子「確か……」 チラ

    「……え!?」

    透華「鍵は、狩宿巴に渡してありますわ」

    竜華「それも、確か自ら志願したとかちゃうかったっけ?」

    「ちょ、わ、私は……!」

    (本当に……掃除当番が犯人なのかな……)

    663 = 644 :


    葉子「観念しろって!」

    葉子「トラッシュルームの鍵は……」

    葉子「《掃除当番が持って》んだったよなぁ!?」

    竜華「確かにそう……」

    竜華「つまり、焼却炉に近づけたのは……」

    「《掃除当番だけ》……?」

    葉子「《焼却炉に近付かなきゃ》証拠隠滅なんて出来やしねー」

    葉子「……つー事は、犯人は掃除当番だ!」

    やえ「それにシーツなら、畳んで血さえ見えなくしておけば……」

    やえ「万が一人に見られても、汚れたから等言い訳が出来るな……」

    「結果的には、目撃証言もなく辿り着いたようですけど~」

    葉子「《無実を証明できるモンが何もない》以上、理論上、掃除当番しか犯人はいねーんだ!」

    664 = 644 :


    《無実を証明できるモンが何もない》 ← 【桧森誓子の証言】



    「それは違うと思います」

    葉子「は?」

    「トラッシュルームは、今回の事件では使われてないはずなんです」

    「……そうですよね、桧森先輩」

    誓子「あ、うん」

    誓子「焼却炉には誰も近づいてなかったよ」

    智葉「そういえばお前は、扉を開けて誰か通らないかを見ていたんだったな……」

    「ですから、今回に関しては、誰にも見つからずにトラッシュルームに入るというのが、そもそも不可能なんですよ」

    葉子「ちっ」

    やえ「と、いうことは……」

    「トラッシュルームよりは考えにくかったんだけど、ランドリーで返り血を洗濯したことになるわね」

    665 :


    透華「そういえば、操作中に稼働している洗濯機がありましたわ」

    透華「それも上下セットで……」

    誓子「なにそれ、めちゃくちゃ怪しいじゃない!」

    「あ、いや、それは……」

    誠子「事件とは無関係なんですよね?」

    やえ「ああ」

    やえ「事件発生後に、新免が放り込んだやつだ」

    やえ「血が付いていないのはちゃんと確認している」

    「なんでまたそんなタイミングで洗濯なんて……」

    那岐「そんなタイミングだからというか、むしろあのタイミングで尿道緩めずいつ緩めるのかというか……」 モヂモヂ

    那岐「と、とにかく!」

    那岐「アレは事件に無関係だ!」

    那岐「証人もいるしな!」

    666 = 665 :


    「証人ね」

    「……そういえば、共犯って可能性はないの?」

    智葉「どうなんだ、モノペン」

    智葉「共犯すれば、共にここから出られるのか?」

    モノペン「いいえ、出られませんよ」

    モノペン「あくまでトドメの一撃を刺して手を汚した人間だけが、クロになります」

    モノペン「勿論出られるのもクロになった一人だけ」

    モノペン「ま、ネトゲとかと一緒ですね」

    モノペン「倒した扱いになるのは、トドメの一撃をさした人だけなんですよ」

    智葉「……だそうだ」

    「手を下してない共犯者がいるなら、今のうち吐いちゃった方がいいよ?」

    那岐「だ、だから違うって!」

    やえ「ああ、私も共犯者ではない」

    「ふむ」

    「まあ自分の命を投げうって守るような相手じゃないし、これは本当かな」

    那岐「おい、失礼だぞ! 小走に謝れ!」

    葉子「お前が言われてるんだよ、多分……!」

    667 = 665 :


    「そうなると、可能性としては――」

    智葉「残りは、洗濯終了していたものだな」

    智葉「これは大量の衣類が入っていた」

    智葉「悪いが改めさせてもらったが――」

    智葉「血のついたものは入っていなかったな」

    「ま、そりゃ洗ったんだからね」

    竜華「確か、その洗濯機を使っていたのって――」

    美子「……ッ」

    「……安河内先輩、ですよね」

    668 = 665 :


    美子「た、確かにアレはそうだけど……」

    美子「で、でも、違――!」

    「口でだけなら何とでも言えるわよ」

    「確か……」

    「《一人でランドリーに居た》のよね」

    「聞くけど、他に誰か来た?」

    美子「そ、それは……」

    竜華「武器庫ン中で洋榎を殺害し……」

    竜華「そこで《犯人は返り血を浴びた》」

    やえ「そしてランドリーに行き、《安河内美子は衣服を洗濯》……」

    やえ「そのまま《自室に戻り、犯行の発覚を待った》」

    誠子「なるほどねぇ」

    誠子「そんで、犯行が発覚した時には、もう血は洗濯機によって洗い流されていた――と」

    669 = 665 :


    《自室に戻り、犯行の発覚を待った》 ← 【安河内美子の証言】



    「それは違うと思います」

    誠子「え?」

    「安河内先輩は、確かずっとランドリーにいたんですよね」

    美子「……」 コクリ

    「そしてそれは、辻垣内先輩も見ている……」

    智葉「ああ」

    「その時の時間って……」

    智葉「大体12時半ぐらいだな」

    「その時、洗濯機は回ってましたか?」

    智葉「回っていた」

    美子「大体20分くらいから回してたから……」

    「……じゃあ、やっぱり、直接事件に関わってくるわけじゃないんじゃないかと思うんです」

    葉子「はあ? なんで」

    葉子「その前に殺しを済ませてればいいだけの話じゃん」

    「それはありえないんです」

    「だって……」

    (その根拠は――)

    670 = 665 :


    【モノペンファイル】



    (これだ……!)

    「モノペンファイルの、死亡時刻ですよ」

    「確か、前後30分くらいは見とこう~っちゅー話やったな」

    「はい」

    「つまり、どんなに早くても、殺害時刻は12時半」

    「それどころか、洋榎先輩が武器庫の番になるのが12時45分だったことを思うと、犯行はその前後である可能性が高いんです」

    「つまり、あの時点で洗濯機は回せない、と」

    誠子「途中で放り込めばいいんじゃない?」

    智葉「……不可能ではないが……」

    「洋榎先輩が45分に来てすぐ殺されたと考えても、15分は――」

    「40分前にスタートが本当なら、25分も洗濯が進んでます」

    「途中から入れたら、残りの時間分しか洗ってもらえない……」

    「見つかったら終わりな血でべったりの衣服を、そんな中途半端な状態の洗濯機に入れると思いますか?」

    「入れないと思うわ」

    「それやるくらいなら、別の洗濯機に放り込んで、自分は部屋戻ってました、とかした方がウン倍マシ」

    智葉「実際、血を落としきれずにいた場合、他の自分の衣服があった時点でアウトだからな」

    671 = 665 :


    誓子「敢えて困難な道を選んで、自分を容疑者から外したとかは?」

    智葉「ありえなくはない」

    智葉「だが――」

    「考えにくい、わよね」

    智葉「リスクにリターンがあまりにも見合わなすぎる」

    竜華「確かに、結局容疑も完全に晴れるわけと違うしな……」

    智葉「洗濯機の中身は衣服のみだった」

    智葉「つまりどこかで着替え、その衣服を洗濯したことになるが――」

    「あの傷の深さ考えたら、武器庫の密室作れるんは刺された直後くらいやもんなあ~」

    「武器庫の中で着替える時間はない」

    「目撃されるリスクと、その際のどうしようもなさがものすごいのよね……」

    葉子「……ん?」

    葉子「ちょっと待てよ、それじゃあ……!」

    誠子「誰も返り血を処分できなくない……?」

    「……そう」

    「密室を洋榎が作ったと仮定すると、犯人を絞り込めるとしたら、返り血をどうしたか、その一点」

    誠子「どっかに隠してあるとかは?」

    「ないわね」

    「その辺は概ね探したわ」

    「トイレの換気扇とか、犯行現場の近くで、なおかつスタート地点になるような場所には、血が付着したものはなかった」

    「このトリックを崩さない限り――全滅よ、アタシ達」

    誠子「……!」 ゴクリ

    672 = 665 :


    やえ「何か気付いた者はいないか!?」

    「って言ってもねえ……」

    「トリックに使ったものがある場合、部屋に入れてるだろうし……」

    「部屋を見た人間が、ヒントをくれないことには」

    誓子「うーん……」

    誓子「でもほんとに、これと言ってなかったのよね」

    誓子「各部屋で違うものがあるとしたら、それこそガチャの中身だったり……」

    那岐「分かった!」

    「却下」

    那岐「酷いぞ!」

    やえ「……一応、言うだけ言ってみてくれ」

    那岐「なんだか扱いがドンドン悪くなってる気がするが……」

    那岐「木を隠すなら森の中、サンタさんばりに全身赤い服を着ていれば……!」 ドヤァ

    葉子「……で、誰か今そんな服着てっか?」

    誓子「さっきも誰もいなかったわよね……」

    那岐「……」

    那岐「ほ、ほんとだ! 誰もいない!」 ガーン

    葉子「ほんっっっと馬鹿だなオメーは!!」

    誠子「……あ、そもそもこれってスペツナズナイフだったんだし……」

    誠子「返り血浴びない射程から射出したらいいんじゃない?」

    竜華「なるほど、確かにそれなら返り血は浴びへん……」

    「柄の部分引ったくられたら血ぃつきようやけど……」

    透華「現場に残された柄を拾ったということなら、その問題は解決しますわ」

    「……」

    (……あっ)

    (もしかして――)

    673 = 665 :


    「いや、それはないわ」

    誠子「え?」

    「忘れたの?」

    「刃は、突き上げるように刺さっていた」

    「借りに立ち上がってるとしても、その射線上には床がくる」

    智葉「血は重力に従い落ちる以上、限界まで下がったとしても、返り血は防げまい」

    透華「それでは、一体……」

    那岐「分かったァ!」

    葉子「……」

    「……」

    那岐「無言の圧力やめない?」

    やえ「……仕方ない、聞こうじゃないか」

    那岐「更に扱いが悪化してる気がするが……まあいい」

    那岐「この名推理で汚名返上しようじゃないか!」

    葉子「んで、何だよ」

    那岐「ズバリ、ものすごい機敏な動きで、返り血を全て避けたんだ!」

    やえ「……」

    「……頭いたくなってきたわ」

    那岐「? 大丈夫か?」

    葉子「オメーのせいだよ!」

    智葉「……大体そんなこと、誰に出来ると言うんだ?」

    那岐「いやー、そこまでは分からないが……」

    那岐「多分修行したら誰でも出来るようになるぞ!」

    葉子「出来ねーよ馬鹿!」

    誓子「漫画の見過ぎかしら……」

    那岐「な、なにおう!」

    那岐「じゃ、じゃあ修行して将来出来るようになったら土下座して謝ってもらうからな!」

    葉子「大体今出来てなくちゃ意味ないんだっつーの!」

    那岐「……」

    那岐「た、確かに……!」 ガガーン

    「……ロキソニンが倉庫になかったのが悔やまれるくらい頭痛いわ」

    674 = 665 :


    「……」

    「あの……」

    やえ「ん?」

    「私、分かったかも、しれません……」

    「え?」

    やえ「歯切れが悪いが……言ってみてはもらえないか?」

    葉子「まあ、あの馬鹿より酷い意見ってことはないだろ」

    「ま、的外れでも何かヒントになるかもしれないしね」

    那岐「そう、間違った答えも無駄ではないのだ!」

    葉子「お前は黙ってろ」

    透華「それで――犯人は、どうやって証拠を隠滅したんですの?」

    「……隠滅は、していません」

    「さっき話し合った通り……」

    「トラッシュルームは使われてませんし、ランドリーもほぼほぼ使われてません」

    「ってことは、やっぱりその2つ以外の処分の方法……」

    智葉「もしくは、返り血を浴びない殺害方法がある、ということか」

    「アタシだって検討もついてないってのに……」

    「それで、それはどんな方法なの?」

    675 = 665 :


    「……わかりません」

    「はぁ?」

    「ランドリーもトラッシュルームを使わないで証拠を処分する方法も……」

    「返り血を浴びない殺害方法も……」

    「どっちも、私には浮かびません」

    「そういうのを思いついたら、是非とも言ってほしいし……」

    「私の推理は間違っていると、思わせてほしいかなって……」

    那岐「つまり、血が出ない殺人剣を会得して……」

    葉子「オメーはもう黙ってろマジで!」

    「どういうこと、説明して咲!」

    「……何もしてないんですよ」

    誠子「へ?」

    竜華「どういうことや……?」

    「犯人は、何もしていないんです」

    「返り血対策も、証拠隠滅も」

    誓子「???」

    676 = 665 :


    「……強いて、いうなら」

    「犯人がしたことは――」

    「洋榎先輩の死を、心の底から嘆いたことなんだと思います」

    ちゃちゃのん「…………え?」

    「多分、事故か何かで……命を奪うことになって……」

    智葉「……なるほどな」

    智葉「死体や血に気を取られていなければ、もっと早くに解決できていた、というわけか……」

    誓子「全然わかんないんだけど……」

    智葉「先程の言葉の通りだ」

    智葉「犯人は証拠隠滅もしていなければ、返り血対策もしていなかった」

    誓子「いやいやいやいやいや」

    やえ「それだと返り血を浴びてることになるぞ?」

    竜華「さすがにそんな奴おったら気付くで……」

    「気づかなかったんですよ」

    華菜「ま、まさか……」

    華菜「持ち物を巻き込めるステルス能力で、返り血まで……!?」

    桃子「なっ……!」

    桃子「死体発見直後ならともかく、その後も返り血べったりだったらさすがに存在感出すぎて気付かれるっすよ!」

    677 = 665 :


    「気付かなかったんですよ」

    「その人はずっと返り血を浴びてたのに、誰も」

    葉子「いや、それは無理があんだろ馬鹿剣士並に……!」

    誠子「どんな魔法を使ったっていうんだ……?」

    那岐「太古のアースパワーとかか……?」

    誓子「説明して咲ちゃん!」

    那岐「あ、無視?」

    「……その人は、真剣に洋榎先輩の死を嘆いていた」

    「だから辻垣内先輩も、違和感を感じず窓を覗き込んでしまった」

    「扉にすがりついてるせいで見えない正面部分に、血が付いてるとも知らずに」

    ちゃちゃのん「咲……ちゃん……?」

    「そして心底嘆いていたから、誰も疑わなかった……」

    「その人が駆け寄ることにも、抱きしめてることにも」

    「その時に、べっとりと洋榎先輩の血がついてしまったから……」

    「だから誰も、疑ってなかったんです」

    ちゃちゃのん「何を、言って……」

    「返り血対策が出来なくて、証拠隠滅も出来ない以上……」

    「返り血を浴びている人が、犯人だって分かっていたのに」

    ちゃちゃのん「まさか……」

    「だから……」

    「だから、今もこうして返り血のついた服を着ているのに、誰にも疑われていない……」

    678 = 665 :











    「そうですよね――――胡桃先輩」










     

    679 = 665 :

    きりがいいので寝ます。
    章タイトルつけてなかったけど、次の投下で出来れば章終わるとこまで行きたいと思います。

    680 :

    あぁ……やっぱりか……乙です

    681 :

    えぐいな、乙です。

    682 :

    二次ロンパで事故死はたまに見かけるけど1章でやってくるとは……

    683 :

    こうなると分かっていれば胡桃の好感度上げたのに…

    684 :

    ネキと胡桃の関係好きだったのにこれだもんな…
    仕方ないけど

    686 :

    この感じたまらん
    読んでたらダンガンロンパやりたくなってきた

    687 :

    おつ
    全然わからなかったし、信じたくもなかった

    688 :

    こんな思いをするくらいなら読むべきじゃなかった

    689 :

    てかこれ実質オリロンパじゃね?

    690 :

    >>689
    だからなんだよ

    691 :

    題材が題材だし誰かが泥被るしかないだろ

    692 = 690 :

    泥被るにしてもスレタイの咲&ネキはアカンやろ…

    693 :

    むしろ、スレタイになってるので殺された可能性

    694 = 690 :

    舞園さんパターンか

    695 = 687 :

    ネキはともかく、咲さんは主人公だから死刑台送り担当になるのはしょうがない

    696 :

    死刑台送り担当って苗木じゃなくて江ノ島だと思うんだが、咲ちゃんって盾子ちゃんなの?

    697 = 681 :

    犯人を追い詰める役の意味ではないかと

    698 :

    >>683
    胡桃は割りと選ばれてたイメージだし、これ以上好感度あげてたら咲ちゃんがストレスで死んでしまうのでは

    699 :

    でも考えてみれば、話として盛り上げられるのは胡桃がクロの場合なんだよな……

    700 :

    出来れば1章終わるくらいまで投下したいと思います


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