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    元スレ咲「リンシャンロンパ」 洋榎「希望の雀卓と絶望の高校生雀士」

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    1 :


    このスレッドは、咲-Saki-キャラクターでダンガンロンパをやるスレです。
    全体的に推理部分はガバガバでお送りします。

    ちょこちょこ安価を出す予定ではありますが、
    推理部分がガバガバ仕様なのもあって、学級裁判等は非安価を予定してます。
    人が増えて希望があればもしかしたら安価にするかも、程度で。

    一部オリジナル設定がございますので、苦手な方はご注意ください。

    あと、キャラが死にます。当然ですが死にます。苦手な方はご注意ください。

    SSWiki :http://ss.vip2ch.com/jmp/1459958658

    2 = 1 :


    「…………」

    (大会が終わった)

    (私達清澄高校は、無事に栄冠を掴んだ)

    (その後世界大会もある、だなんて夢みたいな話を聞いて)

    (心を弾ませながら、帰りの電車に乗って)

    (それで、微睡んで――)

    ユサユサ

    「ん……」

    ???「お、よーやっと起きたか」

    「部長……?」

    ???「あー、生憎やったな」

    ???「ウチはアンタんとこの部長と違う」

    洋榎「姫松高校の主将・愛宕洋榎や!」 ドヤドヤーン

    「……」

    「ふえ?」

    3 = 1 :


    ???「あー、もう」

    ???「突然すぎて混乱してるじゃん!」

    洋榎「いや、そない言われても……」

    洋榎「いきなりお通夜みたいな顔の方がアレやん?」

    ???「どれ!」

    洋榎「その、ほら、なんつーか、こう……な?」

    ???「語彙しょぼっ!」

    「え、ええと……」

    ???「あ、ごめん」

    ???「直接会うの、初めてだよね」

    胡桃「加倉胡桃、宮守女子で中堅やってたんだけど……覚えてる?」

    「……ああ!」

    洋榎「まあ、こんだけチマっこくて、そのくせ3年なんて奴、早々忘れられへんわな」 ケラケラ

    胡桃「うるさいそこ!!」

    4 = 1 :


    「え……っと」

    「あれ、ここ……」

    洋榎「まあ、そうなるわな」

    「あ、あれ……?」

    「私、電車で……」

    洋榎「少なくとも、こんなよう分からん場所で目覚めるはずがない……ってとこやろ」

    胡桃「実は私も、何でここに居るのか分からないんだよね」

    洋榎「そんでご多分に漏れずウチも、っちゅーわけや」

    洋榎「ちなみに、ウチらは別の部屋で目覚めてん」

    胡桃「私達が目覚めたのは、倉庫みたいな所だったよ」

    洋榎「何でかウチは棚に寝かせられとったらしく、寝返り打ったら落っこちてな」

    洋榎「全くふざけた話やで」

    胡桃「地面に寝かされて、突然ボディプレスを受けて起こされた私の方が怒りたいからね!」

    「た、大変だったんですね……」 ハハハ・・・

    5 = 1 :


    洋榎「自分はええなあ、テーブルでうつ伏せで寝かせてもろて」

    「いや、でも、ちょっと全身痺れてますし……」

    胡桃「図書室なのかな、ここ」

    洋榎「入り口には資料室って書いてあったで」

    胡桃「あ、そうなんだ」

    胡桃「目ざとく見てるね」

    洋榎「まあ、どこぞの口うるさい委員長さんと違うて、ウチは目線が高いからな」

    胡桃「もう!」

    胡桃「人の身体的特徴を弄るのは最低なんだよ!」

    洋榎「悪い悪い」

    「……」

    洋榎「あ、ちょっと引いとる?」

    「え、あの……」

    「ちょっと……」

    6 = 1 :


    洋榎「自分、えー……」

    洋榎「咲、でええか?」

    洋榎「宮永っちゅーと、どうしてもあの個人戦チャンプを思い出してまうし」

    胡桃「ボッコボコにされてたもんね」

    洋榎「やかましい」

    「え、えーと……」

    「咲、でいいです」

    「周りからも、そう呼ばれることが多いですし……」

    胡桃「あ、じゃあ私もそれでいい?」

    胡桃「こんな状況だし……ちょっとフレンドリーになっておかないと、落ち着かないしさ」

    胡桃「よろしくね、咲ちゃん」

    洋榎「よろー」

    「あ、はい」

    「よろしくお願いします、愛宕先輩、加倉先輩」

    洋榎「あー、ウチのことも洋榎でええで」

    洋榎「絹が入学してから苗字に先輩付けされとらんから、何か違和感すごいわ」

    胡桃「あ、じゃあ私も胡桃でいいよ!」

    胡桃「後輩出来たことないから、何か新鮮」 フフ

    「え、えと、じゃあ、よろしくお願いします、洋榎先輩、胡桃先輩」

    7 = 1 :


    洋榎「んで、ちょっと頭良さ気な咲が加わったことやし、現状がどうなっとるのか話し合いたいとこやけど……」

    胡桃「まだまだ判断材料足りてないし、それに――」

    胡桃「あっちの人達も、起こさないわけにはいかないよね」

    「!?」

    「わ、私以外にも誰かいるんですか!?」

    洋榎「おー、おるでー」

    胡桃「この部屋だけで3人居たよね」

    洋榎「一人は机に寝そべっとって、もう一人は床に寝かされとるわ」

    胡桃「ちょっとした差別めいたものを感じるよね」

    洋榎「テーブルに大の字ってのも、優遇とは言えないアレやけどなあ」

    洋榎「女体盛りみたいやし」

    8 = 1 :


    「ええと……」

    洋榎「まあなんにせよ、起こさんわけにはいかんやろな」

    胡桃「残りの二人は、私達も知らない人だったから、とりあえず知ってる顔の咲ちゃんから起こしたんだ」

    洋榎「こんなよく分からん状態で、知らん人間から声かけられたらビビるの間違いないからなあ」

    胡桃「私達は運良く知り合い同士だったからよかったけど……」

    洋榎「……もし知り合い同士同じ部屋に押し込まれとるなら、顔見知りだったりせんかな、と」

    胡桃「あそこのテーブルにいる人なんだけど……」

    胡桃「知り合いだったりしない?」

    「……」

    「え!?」

    「りゅ、龍門渕さん!?」

    洋榎「ふむ、やっぱ知り合いか……」

    10 = 1 :


    洋榎「もう一人の奴はどうや」

    「……」

    「……」

    「……???」

    胡桃「あ、知らない人っぽいね」

    洋榎「んー……」

    洋榎「ちゅーことは、知り合い同士を固めてる、って仮説はアウトか」

    胡桃「その仮説が合ってるからって、何ってわけじゃないけどね」

    洋榎「まあ、そうやけど」

    洋榎「何らかの法則が分かれば、ちょっと落ち着くし、何かに繋がるかもしれへんやん?」

    胡桃「……その前向きさは、嫌いじゃないよ」

    洋榎「もっとオープンに好いてくれてもええんやで」

    胡桃「それは無いかなあ」

    胡桃「……っと、放っておいても、さすがにもうお目覚めみたいだね」

    洋榎「眠っとる奴ら同士が知り合いの可能性もあるし、話聞いてみよか」

    11 = 1 :


    透華「ここは……」

    「ええと……」

    (目覚めた龍門渕さんに、簡単にだけど事の経緯を説明した)

    (……と言っても、ほとんど私達も何も分かっていないし、説明したのもほとんど洋榎先輩だけど)

    透華「なるほど」

    透華「取り急ぎ伝えておくことがあるとすれば、3点」

    透華「まず私に、そこで寝ている少女の心当たりはありません」

    洋榎「うーん、やっぱ外れたかー」

    胡桃「小説とかだと、全員顔見知りとか、こういう展開じゃ珍しくないんだけどね」

    透華「それと、私も貴女がた同様、全国大会を見るためあの会場にいました」

    洋榎「さすがはあの龍門渕高校のエースだけあるな」

    洋榎「来年の対策はバッチリ、ってか」

    胡桃「その龍門渕のエースの顔を知らなかったくせに」

    洋榎「じゃかーしい!」

    洋榎「そういう他校の分析は恭子に任せとったせいで、あんま詳しないねん」

    洋榎「中堅やったら、もっと詳しいねんけどな」

    胡桃「ふーん」

    胡桃「で、3点目は?」

    洋榎「リアクション冷たッ」

    12 = 1 :


    透華「その、何と言いますか……」

    透華「お花を摘みに行きたいのですが、些か単独行動とうのは憚られる状況ですので……」

    洋榎「お花摘みぃ?」

    胡桃「ああ、うん、確かにそうだよね」

    胡桃「とりあえずデリカシーないこの馬鹿は置いていくとして……」

    胡桃「私が付き合うよ」

    透華「いいんですの?」

    胡桃「うん」

    胡桃「それに……」

    胡桃「咲はあんまり方向感覚がないって、久に聞いてるし」

    胡桃「私が付き合うしかないと思うからさ」

    (あ、部長と連絡取ったりしてるんだ……)

    (さすが部長……コミュニケーション能力高いな……)

    13 = 1 :


    洋榎「うへえ」

    洋榎「てことは、まーたウチが知らん人間に状況ザックリ説明すんのか……」

    胡桃「しょうがないでしょ」

    胡桃「……悔しいけど、一番そういうのに長けてるの、洋榎なんだから」

    洋榎「ま、信頼されとるんやと思っとくわ」

    洋榎「……んで、咲はどーする?」

    「ふえ?」

    洋榎「一緒にここで説得に参加してくれたらウチとしては有り難いんやけど」

    胡桃「でもお手洗い行きたいなら、今一緒に済ませてもらう方が助かるよ」

    「私は、ええと……」

    どうする? >>14
    A:洋榎と眠ってる人を起こす
    B:胡桃や透華とお手洗いに行く
    C:胡桃や透華とお手洗いに行くけどはぐれる

    14 :

    A

    16 = 1 :


    「私は……ここで残って洋榎先輩とこの人を起こしてみます」

    「私も……今がどうなっているのか、気になりますから」

    胡桃「そっか」

    胡桃「それじゃ、いこっか」

    透華「え、ええ」

    透華「……」

    胡桃「どうかした?」

    透華「いえ……」

    透華「試合を見ていたので分かってはいましたが……」

    透華「やはり、先輩というのに、少々違和感が……」

    洋榎「ブフォッ」

    胡桃「笑うな、そこ!」

    17 = 1 :


    洋榎「ま、騒がしいのもおらんくなったし」

    洋榎「いっちょ冷静に起こしたりますか」

    「あはは……」

    (洋榎先輩にそれが出来るのかは分からないけれど……)

    (でも、あんまり騒がない方がいいのは確かだよね……)

    (知ってる人がいるおかげでパニックにはならずに済んでるけど……)

    (これって、多分、拉致だし……)

    (これが小説なら、このままで終わるはずがない)

    (例えばスプラッター小説なら、殺人鬼とかが建物に居るはず)

    (そう考えると仲間は多い方がいいし、騒がない方がいい……よね)

    (なんて……本の読みすぎかなあ)

    18 = 1 :


    洋榎「あ、起きた」

    ???「!?」

    ???「……!?」 キョロキョロ

    洋榎「まあそうなるわな」

    「えと……お、落ち着いてください」

    「私達も、貴女と一緒で、知らない間にここにいて……」

    ???「え???」

    洋榎「あー、まあ、あれや」

    洋榎「とりあえず自己紹介しとくわ」

    洋榎「ウチは愛宕洋榎」

    洋榎「姫松高校っちゅーとこで、麻雀部主将をやっとる」

    洋榎「怪しいモンでは決してないで」

    「あ、私は咲です」

    「宮永咲」

    「清澄高校の麻雀部で、その、大将をしています」

    ???「清澄……」

    「?」

    ???「ん、ああ……えと……」

    「上柿恵です……千曲東って学校で、麻雀部に、所属してます」 ギッヒ

    19 = 1 :


    「千曲東……」

    「どこかで聞いたことがあるような……」

    「あー……」

    「一応、長野の学校ですからねえ」

    「清澄とは、一応あたってますし……」

    「え!?」

    「そ、そうだったんですか……」

    「ご、ごめんなさい……」

    「あー……まあ、清澄はたくさんのとこと戦ってるし、忘れられてもしょうがないっすわ」

    「まあ、大将のこと覚えてもらってないのは、ちょっと悲しいですけど……」

    「うう、ごめんなさい……」

    洋榎「……ふむ」

    洋榎「長野の学校の麻雀部、か……」

    20 = 1 :


    「どうかしたんですか?」

    洋榎「いや、お手上げや。さっぱり分からん」

    洋榎「少なくとも、千曲東は、ここ数年でも全国じゃ名前聞かん学校や」

    「ま、風越がいますからね」 ギッヒ

    洋榎「てことは、全国クラスの雀士だけ隔離しとるってわけじゃあないらしいな」

    「え、ちょ……」

    「……ああ、いいっすよ。自分がそんな上等なモンじゃないって自覚はありますから」

    洋榎「ふーん……しかしそうなると……」

    洋榎「咲が案外キーマンなのかもしれないな」

    「私が……?」

    洋榎「今んとこ、全部自分が戦った学校の人間なんやろ?」

    洋榎「この拉致面子に何か意図がある場合、その中心人物は自分なのかもしれん」

    「そんな……」

    「……」

    「どうでもいいですけど、女性でもキーマン、なんですかね」

    洋榎「あー、確かに。マンっておかしいかも知れへんな」

    洋榎「じゃあアレか、女の子っぽく最後に子をつけて、キーマンk」

    胡桃「それまで!!」

    21 = 1 :


    胡桃「全く、何くだらないこと言ってるの」

    洋榎「おう、おかえりんこー」

    洋榎「……って、なんか増えとらん?」

    ???「うわ! マジで宮永もいるし!!」

    「え!?」

    「い、池田先輩!?」

    華菜「龍門渕もいるし、これで鶴賀もいたら長野の決勝校が揃うなー」

    透華「揃ってほしくはありませんけどね」

    洋榎「ていうか、自分らどこに……」

    胡桃「それがトイレの個室で爆睡してて……」

    華菜「思い出すだけで忌々しいし!」

    華菜「何で華菜ちゃんがトイレで起きなきゃいけないんだよ~~~~!!」

    「あ、あはは……」

    22 = 1 :


    ???「いやいや、個室なだけマシっすわ」

    ???「こっちゃ便所の床だよ床」

    洋榎「あー、自己紹介一応しとこか」

    洋榎「ウチは――」

    ???「あー、知ってる知ってる」

    ???「さすがに有名人だし」

    ???「つーわけで、知られてなさそーだから自己紹介しとこっかな」

    花子「浅見花子。越谷女子、3年。よろしくー」

    「……あ、えっと、宮永咲。清澄高校1年です」

    花子「あー、知ってる知ってる。さすがに団体戦優勝校は知ってるって」 ケラケラ

    洋榎「……ふむ」

    洋榎「越谷は……清澄と対戦しとらんかったよな?」

    透華「ええ、そのはずですわ」

    洋榎「うーん、個人的な面識もなさそうやし、咲がキーマンってのもハズレっぽいなこりゃ」

    胡桃「ま、そう簡単に法則なんて見つからないよ」

    胡桃「そんなの無いかもしれないし」

    23 = 1 :


    洋榎「とりあえず、これでここに……」

    洋榎「ひーふーみーよー……7人おるんか」

    透華「結構な人数ですわね」

    胡桃「でも……多分、これで全員ではないよ」

    洋榎「?」

    洋榎「いやいや、これB級映画やったら、この人数居ったら十二分やで?」

    透華「これは映画ではありませんわよ」

    「でも……これだけの人数を拉致するだけで、十分大掛かりですし……」

    「更に拉致されてるって考える方が難しいんじゃ」

    透華「私達も、俄には信じられませんわ」

    透華「ただ……」

    胡桃「ここのトイレ、ものすごく大きかったんだ」

    華菜「サービスエリアを思い出すでかさだったな」

    胡桃「個室だけで10個はあったよ」

    洋榎「……なるほど」

    洋榎「7人しか居らんなら、10個も個室は要らん、か」

    24 = 1 :


    「元からそういう建物に、この7人だけ拉致されたって可能性は……」

    胡桃「勿論あるけど……」

    透華「この建物……不思議なことに、窓がどこにも見当たりません」

    花子「おお、言われてみれば……」

    華菜「……窓がない建物って……あんまりないよーな」

    胡桃「うん」

    胡桃「だから、窓があると不都合な何か……」

    胡桃「例えば今みたいなことのために、作られた施設かもしれないなって」

    透華「それに……まだ廊下の向こうにいくつも部屋がありましたわ」

    透華「そちらにも、誰かが居ると考えるのが自然かと」

    洋榎「ふむ……」

    洋榎「ま、考えとってもしゃーない」

    洋榎「とりあえず、他の部屋とやらに行っとくか」

    洋榎「道中軽く自己紹介でえやろ」

    洋榎「……今後何人もこんな感じで拾うなら、多分何度も自己紹介することになるしな」

    華菜「あとで纏めてやってもいい気がしてきたな―」

    「まあまあ、相手のことを多少なりとも知れると、不安は安らぐものですし」

    25 = 1 :


    <廊下>

    「廊下……」

    花子「トイレはあっち、そこの角を曲がった所の左手にあったよ」

    透華「その奥は……シャッターが閉まっていましたわ」

    洋榎「ふうん……開くんかな」

    胡桃「待ってる間にちょっと開けようとしたけど……当然開かなかったよ」

    「壊すのは……」

    胡桃「多分ムリ」

    胡桃「っていうか、ここまでした犯人が易易と壊させてくれるとは思えない」

    「ですよね……」

    「小説とかでも、こういう場合、無理に壊すと良くないことが起こりますし……」

    洋榎「まずは普通に探索して人見つける方が良さそうやな」

    26 = 1 :


    華菜「お、あっちにドアがあるし」

    洋榎「あー」

    洋榎「あれはウチらがおった倉庫やな」

    「倉庫……」

    洋榎「日用品とか、簡単な雑貨が置いてあったわ」

    透華「日用品、ですか……」

    「お手洗いがあることといい、ちょっと不思議ですよね……」

    花子「え、何が?」

    「その、例えばホラー小説とかでよくある展開だと、食料もトイレもないじゃないですか」

    花子「いやー、まあ、読まないから分かんないんだけど」

    「……」

    透華「食料も、お手洗いもしっかり用意されている」

    透華「お手洗いに関しては、ウォシュレットまで付いてましたわ」

    洋榎「拉致の割には好待遇、やな」

    胡桃「無理矢理殺人鬼とかモンスターと戦わせられる、って感じの待遇じゃないよね」

    洋榎「モンスターて(笑)」

    胡桃「ば、馬鹿にしないでよ!さすがにそんなこと本気で思ったわけじゃ……///」

    洋榎「あーはいはいw」

    胡桃「もう!!」

    27 = 1 :


    花子「……あの廊下の真ん中にデカデカとある、めっちゃ目立つ扉は?」

    華菜「ホテルとか結婚式場で見るような豪華な扉だなー」

    洋榎「あそこはまだ行っとらん」

    洋榎「……露骨に目立っとるから、後回しにしようかと思っとってんけど……」

    透華「ふむ……」

    透華「ですが、あれだけ大きければ、気になるというのが人間心理」

    透華「すでに目覚めた者が、あそこに集まっている可能性はありますわね」

    「確かに……」

    「気になって開けて、そこに誰か一人でもいたら、そのまま中に入っちゃいますよね」

    胡桃「もしくは逃げるか……だろうけど」

    花子「逃げてどうなる問題でもないっしょ」

    「最終的には誰かに声をかけざるを得ない……ってことですね」

    華菜「んじゃ、とりあえず開けてみるし」 ギギーッ

    洋榎「おおっ、いきなり開けるんか……」

    胡桃「……洋榎、あんなキャラしてるくせに案外ビビリだよね」 ププ

    洋榎「ああ!?」

    洋榎「う、ウチは慎重なだけや!」

    胡桃「はいはい。ほら、行くよ」

    28 = 1 :


    「…………うわあ」

    (それは――予想以上の光景)

    (大きなホールと、いくつもの雀卓)

    (そして――)

    洋榎「ひーふーみー……」

    洋榎「めっちゃ居るな」

    華菜「うおっ、全自動卓があるし!」 ポチー

    「うわ、いきなり押すんですか」

    華菜「やっぱり雀士としては、牌の音で精神を……」

    華菜「って、あれ?」

    ???「ああ、それ、何か動かないみたいだよ」

    ???「他の卓も、うんともすんとも言わなかったし」

    華菜「お前は……」

    「白糸台の失点しまくってた人……ですよね」

    誠子「あはは……一応、亦野誠子って名前があるんだけどな……」

    29 = 1 :


    胡桃「えーっと……」

    誠子「ああ、生憎ここにいる皆、状況は分かってないよ」

    誠子「……どちらかというと、混乱していて、あんまり相互で話し合ったりもしてないし」

    誠子「むしろ、よくそんなに和気藹々だったね」

    洋榎「まあ、ウチらは顔見知りがおったからなあ」

    胡桃「それより、あれは……」

    誠子「ああ、あのスクリーン?」

    誠子「来た時からずっとああなんだよね」

    「……」

    「ええと、『全員揃ったら、説明会を始めます』……?」

    誠子「そう」

    誠子「何らかの説明が、ここでされるっぽいんだ」

    誠子「だから出て行くわけにもいかなくてさ」

    30 = 1 :


    ガチャッ

    ???「ははは、ほら見ろ、やっぱり誰かがこのドアに入ったと言った通りだったじゃないか」

    ???「まーなー」

    ???「まあ、体温感知できるから、人がここに集まっとるのは知ってたんやけどね」

    洋榎「お……」

    洋榎「清水谷竜華か……」

    竜華「ん?」

    竜華「ああ、姫松の」

    洋榎「見れば見るほどオールスターになっとるな」

    洋榎「荒川に辻垣内もおるようやしな」

    洋榎「さすがに二人とも神妙な顔しとるし、話しかけられへんけど」

    胡桃「そっちの人は……」

    ???「ふっ……」

    那岐「私の名は新免那岐」

    那岐「これは愛刀のムラマサ」

    那岐「雀士としての、そして剣士としての私の相棒だ」

    「え、ええと……」

    竜華「ああ、気にせんでええで

    竜華「ずっとこんな調子やし、カッコつけしいのアホの子や、多分」」

    31 = 1 :


    那岐「な、失礼な!」

    那岐「私はこれでも幼い頃からきっちりとスポーツチャンバラをだな……」

    ピンポンパンポーン

    竜華「チャイム……?」

    那岐「な、何だ……?」

    胡桃「ツッコミ損ねた……」

    胡桃「けど、それより……」

    BOM!!

    華菜「うわ!?」

    洋榎「な、なんや!?」

    「ステージに煙幕……!?」

    ???「いやっほーーーーう!」 ピョイーーーン

    洋榎「ゲエーーーーッ、のぶ代ボイス!!」

    胡桃「今の小学生はもう知らないらしいよ」

    32 = 1 :


    花子「なに、あれ……」

    「あれ……エトペン?」

    ???「ぶっぶー!」

    ???「そこの角持ち女子高生、惜しいけどハズレだよ!」

    ???「ぼくはモノペン」

    モノペン「この合宿の、監督者なのだーーー!」 ガオー

    「が、合宿……?」

    洋榎「監督者ァ?」

    モノペン「うぷぷぷぷ」

    モノペン「そうです」

    モノペン「皆さんの共通点、もうお気づきだよね」

    モノペン「ここに居る皆さんは、将来有望な高校生雀士の皆さん」

    モノペン「そしてこれは、超高校級の雀士を育成するための、強化合宿なのです!!」

    33 = 1 :


    ???「はぁ!? ふざけたこと言ってんじゃねーよ!」

    ???「大体なんで私らが強化合宿なんて受けなきゃならねーんだ!」

    花子「つーか、これ拉致じゃんか!」

    モノペン「はいそうです」

    モノペン「僕は謙虚で正直者なので、大人しく認めます」

    モノペン「皆さんは、全国大会の会場に居て、なおかつ合宿に招待しやすかった人達です」

    モノペン「なので、中には、君みたいなミソッカスが混じっちゃうこともあるけど、しょうがないよね」

    ???「み、ミソッカスだぁ~~~?」

    モノペン「門松葉子さん。県大会一回戦で敗退。本人の成績も散々」

    モノペン「誰が見てもミソッカスだよね」

    葉子「ぐっ……!」

    「あ、あはは……あたしも人のこと言えないか……」

    モノペン「それでも、そんなミソッカスでも超高校級になれる!」

    モノペン「これが、その夢のような強化合宿なのです!!」

    34 :

    黒幕の和を淫ピにしたら徹底的に叩くからな?

    35 = 1 :


    那岐「あの~……ちなみに拒否権は……」

    モノペン「当然、ありません」

    那岐「デスヨネー……」

    モノペン「君達には、ここで、共同生活を送ってもらいます」

    モノペン「倉庫には生活必需品が揃ってますし、お手洗いもちゃんとピカピカです」

    華菜「いやいや、雑貨がいくら充実してても、衣食住がなきゃ人は生きていけないし!」

    モノペン「のーぷろぶれーむ!」

    モノペン「あとでシャッターを開けておくから、2階に上がってみてください」

    モノペン「2階はそれぞれの個室となっていて、ホテルばりの快適な空間をご用意してまーす」

    モノペン「全く至れり尽くせりだよね~」

    洋榎「おいおいおいおい正気かおい」

    胡桃「随分物が充実してるとは思ったけど……」

    透華「ここで過ごせ、なんて馬鹿なことを言われるなんて思ってもみませんでしたわ」

    華菜「っていうか、さすがに家族や部活の皆が心配してるはずだし!」

    モノペン「ああ、そのへんも心配しなくていいよ」

    モノペン「根回しは完璧だからね、うぷぷぷぷ」

    華菜「……ッ」 ゾッ

    竜華「ハッタリ……やと思いたいけど……」

    洋榎「ハッタリと決めつけて無理に動きたくはないな……」

    洋榎「最悪マジでそれが出来る組織やった場合、絹……残してきた家族に迷惑がかかるかもしれへん」

    36 = 1 :


    モノペン「ちなみに、食事に関しても心配ありません」

    モノペン「知ってる人もいると思いますが、ちゃんと厨房があります」

    洋榎「そーなん?」

    竜華「ああ、ここ出て左に行ったらあったわ」

    (私達がいた資料室や、洋榎先輩のいた倉庫とは逆方向か……)

    モノペン「そこにある食材は、なんと自由に使って構いません!」

    モノペン「勿論、お値段はタダ!」

    モノペン「大盤振る舞いだよね~~すごいよね~~~~」

    華菜「食材って何があるんだろ、高いのとかあるのかな」

    葉子「いやいやそーいう場合じゃないっしょ」

    「でも、日持ちするかってのは大事なよーな……」

    モノペン「心配ご無用!」

    モノペン「ちゃんと食材は毎日新鮮なものにしています」

    花子「毎日……?」

    誠子「ってことは……え!? 誰かが補充しにここ来るの!?」

    モノペン「はい、そーです」

    モノペン「さすがに自動で補充されるほど近未来ではないのです」 トホホホホ

    モノペン「なので、補充作業のため、夜10時から朝7時までの間は、食堂及び厨房へのへの立ち入りを禁止します!」

    洋榎「結構長いな……」

    華菜「朝とか夜にお腹減ったらきつそうだし」

    モノペン「そこは心配ご無用」

    モノペン「カップラーメンでよければ、倉庫にいっぱい眠ってます」

    モノペン「談話室にティファールがあるので、そこで食べることが可能です」

    モノペン「勿論……深夜や早朝に出歩く勇気があれば、ですが」 ウププププ

    「……?」

    37 = 1 :


    洋榎「はいはーい」

    モノペン「元気がいいですね。はい愛宕洋榎くん」

    洋榎「ちなみに……」

    洋榎「ルールに反してその時間帯に厨房居ったらどうなるん?」

    竜華「……!」

    「そ、それ、聞くんですね……」

    (確かに……避けては通れない疑問……)

    (でも……)

    (“かもしれない”で済んでた嫌な予感が、確定してしまうかも……!)

    モノペン「ん~、賢明な皆さんなら分かっていると思いますが……」

    モノペン「ルールを破る悪い子には、おしおきが待ってます」

    華菜「お仕置き……?」

    那岐「おしりペンペンとかじゃ……なさそうだな……」

    花子「おしりペンペンて」

    那岐「な、なんだその目は。我が家では中学生になるまではそれが罰だったぞ」

    葉子「うわっ、思ったより長かった。引くわー。それアンタの親父ロリコンとかなんじゃないの」

    那岐「なっ、おま、お父様を馬鹿に――」

    モノペン「はいはい脱線しないの」

    モノペン「人の話はちゃんと聞きましょうって、習わなかった?」

    モノペン「おしおきって言うのはねぇ――」

    洋榎「……」

    胡桃「……」 ゴクリ

    (お願いします……どうか……)

    モノペン「処刑――――ってことだよ」

    「…………っ!」

    38 = 1 :


    那岐「しょ、処刑……!?」

    華菜「は、はは……じょ、冗談きついし!」

    モノペン「冗談で君達を拉致してきたと思う?」

    「うっ……」

    ???「……殺してももみ消す自信はある、ってことね」

    モノペン「はい、新子憧さん大正解!」

    モノペン「理解力は超高校級の雀士になるための必須要素」

    モノペン「理解の早い生徒を持って、うう、ぼくは嬉しいよ」

    「……そりゃどーも」 ハァ

    洋榎「仮にハッタリだとしても……」

    胡桃「試すわけにはいかない、よね……」

    「うう……」

    「やっぱり……そうなるよね……」

    (こんなことなら、もっとこういう系統の小説読んでおけばよかったよぉ……)

    39 = 1 :


    ???「…………」 スッ

    モノペン「はい、辻垣内智葉さん」

    智葉「合宿と言っていたが……」

    智葉「スケジュールなんかは決められているのか?」

    モノペン「はい、いい質問ですねえ」

    モノペン「この合宿は、非常に自由度が高くなっております!」

    モノペン「なんと、昼の1時から夕方の4時までの3時間、このお部屋で麻雀をしてもらえればオッケーなのです!」

    華菜「え、緩っ」

    透華「……それで本当に強化合宿になるんですの……?」

    モノペン「更にぃ……」

    モノペン「色々不便が生じるでしょうから、その麻雀も3日に1回参加すればオーケーとします!」

    花子「ますます意味ねー……」

    葉子「ほんとに強化合宿なわけ?」

    40 = 1 :


    洋榎「……一応、周りに倣って手ぇあげとこか」 スッ

    モノペン「はい、愛宕洋榎くん

    洋榎「3日に1回……って、いつからどうカウントするんや」

    モノペン「そうですねえ……」

    モノペン「そのへんは、ぶっちゃけあんまり決めてませんでした」

    葉子「はぁ!?」

    華菜「いやいや、そこ大事なとこでしょー……」

    モノペン「そうですねー」

    モノペン「じゃあ、『3日連続で麻雀時間に麻雀を打たないとおしおき』、これでいこう」

    花子「そんなテキトーな……」

    華菜「微妙にニュアンスも変わってるし」

    モノペン「うるさいなあ」

    モノペン「ルールっていうのは、細部が順次固められていくものなの!」

    智葉「……そのルールが、途中で変動したりすることはないだろうな」

    モノペン「増えることはあっても、変わることはありません!」

    モノペン「ルールを変えちゃったら、なんでもありになっちゃうからね!」

    モノペン「ルールの中で如何に戦うか……それは麻雀でも合宿でも必要なことなのです」 ウププププ

    41 = 1 :


    竜華「しかし、3日連続でアウトっちゅーことは、2日までは休んでもええんか……」

    洋榎「今日からの3日の内、麻雀を打つのを今日にして……」

    洋榎「その後の3日で打つのを最終日にした場合、このルールではアウトなわけやな」

    洋榎「よう分からんルールやで」

    モノペン「もう! しょうがないでしょ!」

    モノペン「そこに突っ込まれるの、今回が初めてなんだから!」

    「今回“が”……?」

    モノペン「はっ! 言っちゃった!」

    洋榎「おいおい、これまでにもあったっちゅーんか……?」

    胡桃「でも……そんな話、聞いたことないよね……」

    竜華「マジで揉み消すだけの力はある……っちゅーことか……」

    42 = 1 :


    葉子「あのさぁ……」

    モノペン「はい?」

    葉子「合宿しろっつーのは分かったんだけど……」

    葉子「ぶっちゃけ、いつまでやんのこれ?」

    葉子「一応、約束とか予定があるっつーか、なんつーか……」

    モノペン「うぷぷぷぷ」

    モノペン「良い質問ですねえ」

    モノペン「この合宿ですが――」

    「……」 ゴクリ

    モノペン「な、ななななんとぉ!」

    モノペン「期限というものはありませ~~~~ん!」

    「!?」

    モノペン「無料で美味しいものが食べられて、ふかふかのベッドで眠れて」

    モノペン「そのうえ麻雀もたくさん打てる」

    モノペン「そんな夢の様な環境に永遠に身を置けるなんて、幸せすぎて涙が止まらないですよ」 ウッウッウッ

    「…………」

    胡桃「うそ……」

    竜華「くっ……!」

    43 = 1 :


    ???「ふざけないで!!」

    ???「そんなの……さすがに認められるわけないじゃない!」

    モノペン「えーっと、桧森誓子さん」

    モノペン「さすがに……と言うと?」

    誓子「拉致は百歩譲って、まあ貴重な体験くらいで流せなくもなかったけど……」

    誓子「こんなところに一生なんて、絶対に無理!」

    モノペン「最近の若い子は、本当に我儘で我慢というものを知らないなあ……」

    モノペン「でも、そんなどーーーーしても合宿をやめて帰りたい人のために!」

    モノペン「特別にお家に帰る方法をご用意しましたァ!」

    「……ッ」 ゾッ

    (嫌な……予感がする……)

    44 = 1 :







    エトペン「他の合宿参加者を殺すことができれば、その人だけは、特別にお家に返してあげます」






     

    45 = 1 :


    「~~~~ッ!」

    華菜「…………は?」

    花子「いやいやいやいや……え?」

    誓子「殺す……って……」

    洋榎「ちっ……今時バトル・ロワイアルなんて流行らんでホンマ」

    エトペン「ああ、安心していいよ」

    エトペン「バトル・ロワイアルみたいに、全員殺して最後の一人になれ、なんてことは言わないから」

    エトペン「僕は、とっても優しいからね。うぷぷぷぷぷぷ」

    「え?」

    エトペン「たった一人。たった一人でも殺せたら、この合宿を卒業させてあげます!!」

    竜華「ふざけとんのか……!」 ギリッ

    透華「一人であろうと……人なんて殺せるはずがありませんわっ」

    46 = 1 :


    エトペン「勿論、人が死んだら合宿どころじゃないので、お家に帰って貰うというのもありますが……」

    エトペン「一番の理由は、人を殺すことが、雀力上昇に繋がるからなのです!」

    葉子「は、はあ!? 意味わかんねーんだけど!?」

    エトペン「麻雀とは、相手の行動や手を予想し、自分の手を誤魔化し嘘吐き自分が上るゲーム……」

    エトペン「即ち!」

    エトペン「皆を見事騙し切り、殺害という目的を成した者は、雀士として必要な能力が十二分にあるとみなせるのです!」

    花子「ん、んな無茶な……」

    エトペン「でも、そういう無茶から、オカルトというのは始まるのですよ」 ウププププ

    「えー……」

    「まあ、登山してたらって前提もあるし、全否定までは出来ないけど……」

    エトペン「ですから、ちゃんと殺すときはバレないよう工夫してください!」

    エトペン「そこは殺せばいいバトル・ロワイアルとは違うんですよ。うぷぷぷぷぷぷ」

    エトペン「そのためにわざわざ部屋も多くして、隠れたり隠したりしやすくしてあるんですからね!」

    47 = 1 :


    エトペン「さて、ザックリ説明しましたけど……」

    エトペン「正直、まだまだ説明し足りないんだよね」

    エトペン「でも、君達もう取扱説明書とか読まないしついてない世代でしょ?」

    エトペン「生活してく内にルールは肌で覚えるだろうし……」

    エトペン「分からないことなんかも、おいおい出てくると思います」

    エトペン「でも、安心してください」

    エトペン「何か分からないこととかあったら、ボクを呼んでくれたら駆けつけて質問には答えてあげますからね」

    エトペン「ほーんと、優しい監督者だよね。うぷぷぷぷぷぷ」

    エトペン「あと、超基本的なルールについては、電子手帳の中に入れてあります」

    「電子手帳……?」

    エトペン「各自の部屋の机の上に置いてあるから、戻ったら確認してみてね!」

    エトペン「牌譜なんかも記録できるようになってる、超すぐれものなんだから!」

    48 = 1 :


    エトペン「さて、窓がなくて皆さんには分からないかもしれませんが、実はもう夜なのです」

    葉子「げっ、マジ?」

    那岐「どーりで先程からグーグーお腹が……」

    エトペン「今回は初日なので、特別に食堂に豪華なご飯を用意しています!」 イヤッホーウ

    エトペン「食べながら軽く交流でも深めておきなよ」

    エトペン「そんでもって、ちゃんと立ち入り禁止になる時間――夜時間とでも名付けようかな」

    エトペン「夜時間には各自の部屋に戻るように!」

    エトペン「部屋にはちゃんとネームプレートがついてるからね!」

    エトペン「それじゃ、他に質問ある人がいなければ、僕は帰るとします」

    エトペン「質問ある人~~~~~~!」

    シーン・・・

    エトペン「ん、ないみたいだね」

    エトペン「それじゃ!」

    ボワン

    那岐「き、消えた……」

    「な、なんだったんですかね……」

    洋榎「……」

    洋榎「分からんことが多すぎるわ」

    洋榎「ただ――とりあえず、今日のところは言う通りにするしかないやろ」

    透華「そうですわね」

    透華「とりあえず食堂で食事を取りつつ、改めて自己紹介でもしましょう」

    透華「それで部屋に戻って、電子手帳とやらを確認して――」

    透華「どうするかは、それからですわ」

    49 = 1 :


    <食堂>

    華菜「にゅ、にゅああ~~~~……」

    花子「マジで豪華で美味そうじゃん……!」

    葉子「……ん! 美味いわこれ!」

    「……とりあえず言われたからついてきたけど……」

    「誰が仕切るの?」

    「このまま放っておくと、脳天気な連中が食事にがっついて時間終わりそうだけど」

    洋榎「んー」

    洋榎「仕切るかはともかくとして……」

    洋榎「確かに放置すんのもあれやし、他に先陣切りたい奴もおらんのやったら自己紹介、させてもらうわ」

    洋榎「はいよう聞いたってやー」

    洋榎「ウチは愛宕洋榎」

    洋榎「姫松高校麻雀部主将、中堅レギュラーで個人戦でもインハイ出場」

    洋榎「姫松の大天使洋榎ちゃんとはウチのことやで!」 ドヤドヤーン



    姫松高校・中堅   アタゴ ヒロエ



    胡桃「はいはいうるさいそこ」

    洋榎「華麗に流された!!」

    50 = 1 :


    竜華「ていうか、個人戦の成績とか、そういうの言う必要あったん?」

    洋榎「ん?」

    洋榎「いや、麻雀関係で拉致られたんやったら、情報はあった方がええやろ」

    「……ミソッカス扱いされてる人もいるんだし、成績は無関係なんじゃない?」

    竜華「まあ、ちょっとデリケートな部分でもあるし、さすがにそれを全員に強制するのはデリカシー無いわ」

    洋榎「ぐ、ぐむ~~~」

    透華「こほん」

    透華「私は龍門渕透華」

    透華「龍門渕高校の2年生で、副将を務めておりますわ」

    透華「個人・団体共に全国にすら行けませんでしたが……そんなこと、関係ありません」

    透華「次こそ勝つ」

    透華「そしてそれが可能だと思えるくらい努力していましてよ」

    透華「故に! 終わったものの結果など、今後のことに影響を及ばすでもなし」

    透華「どうでもいいことですわ!」



    龍門渕高校・副将   リュウモンブチ トウカ



    透華「そんなに心配しなくても大丈夫ですわ」

    透華「私はこれでも、不可能と呼ばれることを次々可能にしてきましたし……」

    透華「龍門渕グループも、私が居なくなって捜索しないはずがない」

    透華「そして、これだけの大規模な事件、我が龍門渕グループが調べられないはずがありませんわ!」

    透華「ですから、安心なさい」

    透華「私が、導いてさしあげましてよ!」


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