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    元スレ勇者「仲間TUEEEEEEEEEEEEEE!!」

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    351 :

    ID変わってまったけど>>1
    ここまで

    352 :

    乙です。
    これ大賢者マジか?なんかで復活するのかどうか……てか仲間が本当に集まれるのか疑問になってきたな。

    356 :

    スピードワゴン絶好調

    357 :

    魔獣は全長50m近いから、人間対サイコガンダムやビグザムみたいなもんだな
    勇者の仲間も人間離れした能力だから、ザクやジムくらいの戦力はありそうだけど

    358 :

    (鳴き声)
    いらないだろwwwwww

    359 :

    >>1がノリノリで安心した

    360 :

    トリップとか、つけてらっしゃらないんですか?

    361 :

    それでも僧侶ならなんとかしてくれそう(希望的観測)

    362 :

    ー 翌日。鉄鉱の町、門付近 ー


    勇者「それでは、相棒共々お世話になりました」

    「」バルルルッ


    町長「いえ、お世話になったのはこちらでございます。勇者様がいなかったら、この町は滅んでいたかもしれませんので……」

    兵士A「そうです! あんな化物をよくぞお一人で倒して下さいました! 感謝の言葉もありません!」

    兵士B「この町の者は全員、勇者様から頂いた御恩を忘れません! 改めて、ありがとうございます!」

    勇者「元騎士隊長として当然の事をしただけだよ。それに戦闘になってしまったのは、見つかった俺の責任だからね」

    町長「なんと勇者様らしきお言葉……。功を誇らず恩を売りもしない……。誠に貴方こそが真の勇者様でございます」グスッ

    神父「まったくです。女神様と勇者様に感謝を……」

    363 = 362 :

    勇者「神父様も、どうもありがとうございます。昨日は無理を言って、相棒にまで回復魔法をかけて頂きまして」

    神父「いえ。勇者様の愛馬となれば、それぐらいはお安い御用ですとも。それよりも、体調の方は大丈夫でしょうか?」

    勇者「ええ。おかげさまで。自分でも回復魔法を使いましたし、万全とは言いませんが、傷はもう完治しています」

    神父「ですが、本来ならもう何日か治療を要する怪我です。疲労などは完全に抜けてはいないはずですので……。やはり、もう少しここに滞在した方が良いのではないでしょうか?」

    勇者「生憎、そうもいかないんです。とある約束をしていて、のんびりしていたら、その期日までに間に合わなくなってしまう」

    神父「そうですか……。仕方ありませんね……。ですが、お気をつけて。人馬ともに決して無理をなさらないように」

    勇者「ええ。御心配ありがとうございます」

    神父「……しかし、我々、僧侶以外で回復魔法を使える方がいるとは思いませんでした。やはり、女神様の加護を受けておられる勇者様なのですな」

    勇者「自分でも驚いてます。ですが、自信にもなりました。旅をする上でも役立ちますし、ありがたい事です」

    神父「ええ。貴方にこれまで以上の女神様の加護があらん事を……」

    364 = 362 :

    勇者「それでは、行ってきます。皆さんもお元気で」


    町長「勇者様も、どうか御無事で」

    兵士A「ご武運を!」ビシッ (敬礼)

    兵士B「お祈りしております!」ビシッ (敬礼)

    神父「お気をつけて……」


    勇者「行くぞ、相棒」ヒラリ

    「」ヒヒーン



    兵士A「勇者様の旅立ちだ! 開門! 開門ーっ!!」

    兵士B「鐘を鳴らせー! 勇者様の御無事を祈れーっ!!」


    カラーン、コローン、カラーン、コローン


    ギギギギィィ…… (門が開く)



    勇者「どうもありがとう。いつかまた」

    勇者「さあ、出発だ、相棒!」タンッ

    「」ヒヒーン!



    パカラッ、パカラッ、パカラッ、パカラッ……




    【英雄譚、『伝説の勇者』より、一部抜粋】

    かくして勇者は、鉄鉱の町から旅立つ

    町の危機を未然に防ぎ、更には町の発展に貢献せり

    町の者は勇者が去った後も、こう語る

    彼こそ、魔王を倒す伝説の勇者に相違なしと……

    365 = 362 :

    ー 街道 ー



    勇者「予定より、ずいぶん遅れてしまったからな」

    勇者「途中で休憩を挟みつつも、飛ばしていくぞ、相棒!」タンッ

    「」ブルルルッ!!



    パカラッ、パカラッ、パカラッ、パカラッ!!



    一角ウサギA「キュイ!!」

    一角ウサギB「キュキッ!!」

    【一角ウサギA、Bが現れた!】



    勇者「押し通るっ!」ザシュッ、ズバッ

    一角ウサギA「」ドサッ
    一角ウサギB「」ドサッ
    体力:8→0



    四つ目カラス「ガァー! ガァー!」バサッ、バサッ

    【四つ目カラスが現れた!】



    勇者「はっ!」ザシュッ

    四つ目カラス「」ドサッ
    体力:19→0



    パカラッ、パカラッ、パカラッ、パカラッ……


    366 = 362 :

    【古書、『勇者伝記』より一部抜粋】


    その後、勇者は途上で何回か小さな町に立ち寄って宿泊しつつ、通常は六日の道程を四日で駆け抜けた

    この頃には、勇者は自分が勇者である事を秘匿して旅をする様になっていたので、具体的にどこの町に立ち寄ったかまでは不明である

    あるいは、木や枝を使って布を張り、野宿した可能性も否定出来ないが、一人旅の為、恐らくそれは選択しなかったと思われる


    『注釈』
    当時は魔物が至る所に跋扈していた為、旅の途中で野宿する人間はほとんどいなかった
    夜間の方が魔物の動きが活性化するし、暗闇である為、敵に気が付きにくいからというのがその理由となる
    その為、馬で都市と都市とを点々と繋ぎながら旅をするのが一般的だった
    どうしても野宿をする場合は、まず周りに聖水(アイテム)を振り撒き、焚き火をしながら交代で見張りをするのが基本となる


    そして、勇者は生まれ故郷の比較的近くにある大都市、『商業で栄える町』へと辿り着く……

    367 = 362 :

    ー 商業で栄える町 ー


    勇者「さて、宿屋に荷物や鎧とかは全部置いてきたし」

    勇者「少し早いが、軽く酒場に行って英気を養うか」テクテク


    勇者「ここから、俺の生まれ故郷までもう少しだ。明日にはきっと辿り着ける。丁度、約束の日だ」

    勇者「みんな、あの木の下で待っていてくれてるんだろうか……」

    勇者「別に戦士や僧侶とかになってくれなくててもいい。パーティーとか組まなくてもいい。みんなが普通に生活をしてて、元気に暮らしてくれてたらそれでいいんだ」

    勇者「約束を覚えていて、待っていてくれるだけで嬉しいから」

    勇者「ひょっとしたら、もう誰か結婚してるかもな……。結婚してても全然おかしくない歳だしな。もしかしたら子供もいるかもしれない」

    勇者「明日が楽しみのような、誰もいなかったらどうしようみたいな……不思議な感覚だな……」

    勇者「今日は何だか強いお酒が飲みたい。興奮して眠れなくなりそうだし」

    勇者「でも、良い夢が見れそうな、そんな気分だ……」

    勇者「本当に……」

    勇者「明日なんだな……約束の日が」ソッ


    ギィ……

    カランカラーン


    「いらっしゃいませー」

    368 = 362 :

    ー 酒場 ー


    店主「いらっしゃい。ご注文は?」

    勇者「ウイスキーを。あと、オススメ料理を幾つか。予算は銅貨10枚以内で」

    店主「あいよ。にしても、お客さん、その注文の仕方ずいぶん手慣れてる感じがするね。旅の人かい? それも結構、旅慣れてる方でしょ? 賞金稼ぎか何か?」

    勇者「まあ、そんなところかな」

    店主「そう。なら、懸賞金がついてる魔物の情報はいる? こっちは銅貨2枚で教えるけど」

    勇者「いや、それはいいよ。それより、何か日持ちしそうでかさばらない食材を沢山包んでくれないかな。こっちは銀貨1枚出すから」

    店主「そりゃありがたいね。にしても、銀貨1枚分ってやけに気前がいいじゃん、結構な量になるし。そんなに長旅になるの?」

    勇者「いや、昔の馴染みや知り合いにお裾分けしたいんだ。これから生まれ故郷に戻るものだから」

    店主「ああ、なるほどね。お土産か。それじゃ、保存のきく干し肉とかがいいかな。それでいいかい?」

    勇者「いいよ。よろしく」

    店主「はいよ。おーい、キッチン。オーダーだよ。パンと特製ビーフシチュー、あと鴨のソテー。それから、干し肉を銀貨1枚分包んでおいて」


    「へーい!」


    店主「あとウイスキーだったね。割るかい?」

    勇者「いや、ロックでいいよ」

    店主「それじゃあ、グラス」トポトポ、トンッ

    勇者「ありがとう」

    369 = 362 :

    ー 食事中 ー


    店主「ところで、あんた、旅してるんなら、その途中とかで聞いた何か面白そうな噂や情報とかないかい? ネタによっては値段をつけるよ」

    勇者「生憎、売れる情報は特にはないね」

    店主「そうかい、残念だね。まあいいさ、ならあんた自身の事を聞いてもいいかい? さっき言ってた故郷ってのはどこなんだい?」

    勇者「ここから少しいったところにある、『山奥の村』だよ。道は険しいし、きちんとした道になってないしで、ろくに都会との行き来がない田舎だけどね。でも、とてもいいところだった」

    店主「……『山奥の村』……なのかい」

    勇者「?」

    店主「あんた……ひょっとして、かなり子供の時にあの村から外に出てきたんじゃない?」

    勇者「そうだね。もう十五年も前の話になるから」

    店主「やっぱりか……」ハァ

    勇者「……何か、まずかったりするのか?」

    店主「……まあ、どうせわかっちまう事か。それに言っておかないと駄目だしね……」

    勇者「……どういう事だよ」

    店主「先に言っておくけど、あんたにとっちゃかなりきつい言葉になると思う。悪い事は言わないけど、『山奥の村』に行くのは諦めなよ」

    勇者「え……?」

    370 = 362 :

    店主「もう十年ぐらい昔の事になるんだけどね……」

    店主「その頃から、あの山に奇妙な魔物が色々出没する様になったんだよ……」

    店主「最初はそういう魔物を見たって話が少なかったから、そんなに噂にはならなかったし、特に誰も気にはしなかったんだ」

    店主「だけど、段々と。年数を重ねるごとに少しずつ。その『見た』って目撃談がどんどん増えていってね」

    店主「しかも、どれもここらじゃ見かけない、見た事自体ないって魔物ばかりだったんだよ。それこそ、本や図鑑にも載ってない様な魔物がうじゃうじゃと」

    店主「今じゃあそこの山に行くって人は誰もいないよ。気味悪がって近寄らないし、危険だからね。今じゃあの山は、奇妙な魔物の巣窟と化してるのさ」

    勇者「そんな…………」

    371 = 362 :

    店主「何で、あの山がそんな風になっちまったかなんて誰もわかりゃしないんだけどさ……」

    店主「例えば、あの山のどっかに、空間の歪みがあって、そこから魔物が続々とこっちに来てるんじゃないかとか……」

    店主「もしくは魔王の軍勢が、あそこの山を秘密の軍事拠点にしてるんじゃないかとかね……」

    店主「あと、嘘かホントか知りやしないが、竜まで見たって話もあるぐらいだから」

    店主「竜だよ? 国を簡単に滅亡させちまう様な伝説の化け物だよ」

    店主「その竜が一匹、あの山を気に入って自分のねぐらにしたって噂もあるんだ」

    店主「だから、それにつられて強い魔物たちもあの山に住むようになったんじゃないか……って風にも言われてる。強い魔物は、他の魔物を引き付けるからさ……」


    店主「まあ、どんな理由にしろ……」

    店主「もうあの山は駄目なんだよ。人が入れる様な場所じゃなくなってるから」


    勇者「じゃあ……あの山奥にあった……村は…………」

    372 = 362 :

    店主「……気の毒だけど」

    店主「あの山が魔物の巣窟みたくなってから、もう何年も経ってるからね……」

    店主「……言いたかないけど、今でも無事とは到底思えない」

    店主「村の人達はとうの昔に逃げたか、もしくは……」


    店主「その先は、言わなくてもわかるだろ……?」


    店主「全員、無事に山から避難出来たんじゃないかって信じるしかないよ……」



    勇者「……そんな。……嘘だ」ガタガタ、ガクガク

    373 = 362 :

    勇者「王都にいた時も……そんな噂……入って来なかったのに……」

    勇者「みんなが……。みんなが……」

    勇者「隣のおじさんも……優しかった村長も……」

    勇者「それに、大事な仲間たちが……!」

    勇者「もうあそこにいないなんて、そんな事……!」

    勇者「またあの木の下で会おうって! そう約束したのに……!!」


    店主「……気持ちはわかるけどね」

    店主「でも、事実なんだよ。認めないと……」

    店主「ここから王都まではかなり離れてるし、そもそも魔物たちも年単位でゆるやかに増えていったからね。噂があんたの耳まで届かなかったか、もしくは噂にすらなってなかったって可能性はあるよ」

    店主「あの村は、山奥にあって、元から孤立してた村だったらしいし……。あの山自体、鉄だとか魔石とかが採れるって訳でもなかったし……」

    店主「それに、あの山から魔物は出て来ようとはしないからね……。自分から行かない限りは、被害が出ないんだよ。だから、そんなに目立つ噂にもならなかったろうし……」

    店主「あんたが知らなくても、そんなに不思議じゃないんだ。それに、知ってたとしても……」

    店主「あんたに何か出来た訳じゃないだろ? ……結局、どうしようもない事だったんだよ」



    勇者「でもっ!! だけどっ!!」

    374 = 362 :

    店主「やめとくれよ。そんな大きな声を出さないで。他のお客さんもいるんだし」

    勇者「ぐっ……!」ウルッ


    ザワザワ……


    店主「あー、大丈夫。この人、ちょっと悪酔いしちゃってるみたいでね。それだけだよ。平気だから」

    店主「気にせずみんな飲んどくれ。この人はあたしがなだめとくからさ」


    ガヤガヤ……


    店主「……さてと」

    勇者「うぅっ……!」グビッ

    店主「やっぱりね……。やけ酒は体に悪いよ」

    勇者「違う。そんなはずはない……! あの村がもう無くなってるなんて、そんなはずが……!」

    勇者「みんなだって、きっと絶対に生きてるに決まってる……!!」グビッ

    店主「……」ハァ

    375 = 362 :

    店主「何も、生きちゃいないなんて言ってないよ。確かにみんな、どっかで生きてるのかもしんないさ」

    店主「でもさ。村だけはもう無くなってるんだよ。確認した訳じゃないけど、これだけは確かだよ」

    店主「疑ってるのなら、他の人にも聞いてみなよ。この町に住んでる人間なら誰もがそう答えるはずだからさ」

    店主「繰り返すけど、あの山は、もう近付いちゃいけない山になっちまってんだ。今は恐ろしい魔物の巣窟なんだよ」

    店主「あんたの故郷が無くなったから、辛いのはわかるよ。仲の良かった人が、全員亡くなってるかもしれないって知って、かなりショックだったってのもわかるよ」

    店主「でも、そういう事もあるんだよ。そこは認めないと。こんな御時世なんだから、仕方ないんだよ」


    勇者「ぅっ……!! うぅぅ……!!」ポロポロ


    店主「……干し肉はキャンセルにしとくけど……構わないよね?」

    勇者「ぐっ!」グビッ

    店主「うん……。代わりにしこたま飲んできな。酒は涙を全部流させてくれるからさ」


    勇者「ぅぁっ……! うぁぁっ……!!」ポロポロ

    376 = 362 :

    ー 深夜、宿屋 ー



    「あーあ、もう……。世話が焼ける人だねえ、ホント。よいしょっと」


    商人「ん……? あれ、酒場のおかみさんじゃないか。どうしたんだい?」

    店主「なんか、あんたのとこの客らしいからね。完全に潰れちまったから、ここまで引きずってきたんだよ」


    勇者「ぅぅ……」グシュッ


    商人「ああ、この人かい。確かにうちのお客さんだね。顔を覚えてるよ。わざわざすまないね」

    店主「いいよ、別に。普段なら店の外に放置しとくとこなんだけど、ちょっと飲み過ぎた理由が理由だったからね。そのままにしとくにゃ可哀想でさ」

    商人「なんだい、結婚を前にして女にでも逃げられたのかい?」

    店主「それよかもっと可哀想だね……。店に来た時は目を輝かせてたのにさ……。まったく、嫌な世の中だよ、ホントに」

    商人「……なんだか訳ありっぽいね。まあ、聞かなかった事にしとくよ。後はこっちで部屋まで運ぶから安心してくれ」

    店主「ああ、頼んだよ。それじゃあね」


    勇者「何で……こんな事に……」ポロポロ

    377 = 362 :

    ー 同時刻。異界、炎王の城 ー


    炎の魔神「外界より来たりし者よ、滅せよ!!」(全長14メートル)

    【異界の四王・炎】
    『体力 :789万
     攻撃力:438万
     防御力:102万
     魔力 :247万
     素早さ:161万』


    「 灼 熱 流 陣 撃 !!」


    炎が四方八方に踊りながら流星の様に舞う。それは炎と言うよりも、最早マグマに近かったかもしれない。火山が噴火し、溶岩が雨のように降り注ぐ様に似ていた

    逃げようのない全体攻撃。隙間なく、灼熱の炎が襲う

    この二人を


    魔王「ふっ。この程度で最も攻撃に優れた四王の一人だと言われているとはな。期待外れだ。話にならぬ」

    側近「魔王様、ここは私が防ぎます。魔王様はその間に攻撃を」


    側近が腰の刀をすらりと抜き床に突き刺す。それと共に固有の結界技が展開された


    「 絶 対 不 可 侵 領 域 !!」


    側近の周り、半径五メートル。そこに正四角形で展開された闇の鎖が覆う。ありとあらゆる魔法・物理干渉を受け付けない完璧な防御結界
    多大な魔力を消費し、使用中は自身が何も行動が出来なくなるが、それはあくまで使用者のみの話である


    側近「魔王様、お願い致します」

    魔王「うむ」


    闇の鎖に阻まれ、次々と落ちては消滅していく灼熱。その炎に彩られた景色の中で、魔王はそっと右手をかざした

    その手に、はっきりと目で見える程の膨大で純度の濃い魔力が集約されていき……


    「 魔 装 弾 !!」


    放たれた。魔法ではなく、魔力そのものを撃ち放つ、魔王オリジナルの技
    夜空に光を放つかの様に、その暗黒の魔力は空間を切り裂いていく。そして!


    炎の魔神「グあガあアアぁギぁあアアあアあっっ!!!」

    ダメージ、631万! ×7撃(total4417万ダメ)

    残り体力:789万→0



    魔王「他愛ない。拍子抜けだな」

    側近「いかにも」


    崩れ落ちていく炎の魔神を眺めながら、魔王は不敵な笑みを浮かべた。それは勝者のみが許される笑みであり、そしてこの魔王にはその姿があまりにも似合っていた

    378 = 362 :

    魔王「さて、炎の魔神とやら」スタスタ

    炎の魔神「ヴ……あ……」(炎で出来た体が少しずつ崩れ消えていく)

    魔王「余は強い者が好きだ。そして、余は今、この異界にて余に従う者を集めている」

    魔王「余と比べれば話にならぬが、お前の強さは異界においても、余の軍においても上位に位置するだろう。魔将軍クラスかそれ以上の力は持っていると見た」

    魔王「故に、お前に人生を選ばせてやろう。余の軍門に下ると言うならば、その燃え付きようとしている命、拾ってやる。我が魔力を与え、その体を修復してやろうではないか」

    魔王「返答を聞くぞ。心して答えよ。どうする?」


    炎の魔神「フッ……下らヌッ……」ボロッ……

    炎の魔神「既に一度……拾っタ命ダ……。二度も拾う気は……ナい……」ボロッ、ズササッ……


    魔王「ほう。それは、どういう意味だ?」


    炎の魔神「ククッ……我らハ四王などト……呼ばれテイるガ……」ボロッ、グシャッ……

    炎の魔神「元はソの四王全員が……こノ異界の覇権ヲ争って対立してイた四人の王ダった……」ボロッ、ボロッ……

    炎の魔神「とコロがある日……我ら全員ガ一人の者にヨって倒さレたのだ……」ボロッ……

    炎の魔神「今ではそやツが真の王だト……誰もが認めテイる……」グラッ……


    魔王「つまり、この世界の魔王という訳か。そして、お前たちが四天王という事だな」


    炎の魔神「ククッ……。その通りダ……。そして……我は四王の中デモ最弱……」ボロッ、ボロッ……

    炎の魔神「我に勝ッた程度……大しタ事ではなイ……。他の三王ヲ倒し……まシてや真ノ魔王を倒す事ナど……貴様らニハ絶対不可能ダ……。ククくクッ……」ボロッ、ズサッ……


    側近「同じ台詞を他の三王も吐いていたがな」


    炎の魔神「!? まさカ……既に他ノ三王全員を……!!」グラッ……


    魔王「そう。お前で最後だ。残りは真の魔王一人という事になる。だが、この様子ではどうせそやつも大した腕ではあるまい」


    炎の魔神「ア……ガがグアあぁぁ…………」グシャッ……

    379 = 362 :

    魔王「……逝ったか。しかし、どいつもこいつも服従よりは死を選ぶとはな。目的は達成出来ぬが、見上げたやつらだと誉めるべきか」

    側近「ええ。気骨のある武人ばかりでした」

    魔王「だが、手ぶらで帰る訳にもいくまい。せめて、この世界の魔王ぐらいは傘下に置きたいものだな」

    側近「はい。さすれば、この異界に住むその他大勢の魔獣たちも大人しく従いましょう」

    魔王「うむ。では、行くとするか。確か、中央の巨大な塔に住んでいるとの事だったな。一応、休みを取って、そこに向かうのは明日にしておくか」

    側近「はい。まだまだ魔力は残っておりますが、念には念をという事で……。その方が私も良いかと思います」

    【魔王の片腕】
    『体力 :530万
     攻撃力:218万
     防御力:681万
     魔力 :497万
     素早さ:405万』


    魔王「では、行くか。飛翔魔法!」フワッ……

    【史上最強の魔王】
    『体力 :999万
     攻撃力:999万
     防御力:999万
     魔力 :999万
     素早さ:999万』



    魔王と側近の体が浮かび上がり、彼ら二人は城の窓から暗黒の空の彼方へと飛び去って行った

    「明日には、この異界をも制覇してくれようぞ!! 」

    その言葉を中空に残して……

    380 = 362 :

    ここまで

    381 :


    驚きのインフレっぷり

    382 :

    インフレし過ぎて魔王TUEEEEEEE

    384 :

    勇者が王道の旅やってるはずなのにすべてが茶番という

    385 :

    勇者の仲間は化け物が住むようになって強くなったのかな?

    386 :

    英雄譚があるってことは...
    そういうことかもしれない

    387 :

    乙乙

    388 :

    将来は平和になってるぽいし勇者覚醒あるぞ

    389 :

    乙!
    ここまで差が有ると女神の加護(チート)が無いと倒せないんじゃないですかね?

    390 :

    倒さなくていいんじゃないかな
    竜が勝手になんとかしてくれるor竜に働きかけてなんとかしてもらおう

    391 :

    乙!
    いきなり桁が違ってワロタw

    392 :

    999とか雑魚かよwwwwww(万とか見てないし見えてないし…)

    393 :

    そもそも数値の基準値が違うのかもしれないし…

    394 :

    >>378
    >炎の魔神「ククッ……。その通りダ……。そして……我は四王の中デモ最弱……」ボロッ、ボロッ……


    自分で言うのかよwwww

    395 :

    魔王さんカンストしてるじゃないですかヤダー……してるよね?

    396 :

    >>394
    そこんじょそこらの態度だけやたら尊大な噛ませ連中と比べてすごく好感持てたわ

    397 :

    ー 翌日。商業で栄える町、酒場 ー


    カランカラーン


    店主「あら……また来たんだね、あんた」

    勇者「……ああ。昨日は宿まで送ってもらったと聞いたから……。ありがとう」


    店主「なに、構わないよ。それよりも酷い顔してるね。目なんか真っ赤じゃないか」


    勇者「鏡を見て自分でもびっくりしたよ……。本当に酷い顔をしてた」

    店主「うん。……でも、目には光が戻ってきてるね。それだけは救いかな。現実は受け入れたのかい?」

    勇者「それはまだ何とも……」

    店主「そうかい。まあ、いいさ……。昨日の今日でなかなか受け入れられる事じゃないだろうからね」

    勇者「かもね……」

    398 = 397 :

    店主「それで、今日は律儀にお礼に来たのかい。店はまだ開けてないけど、折角だから軽く食べていく? 何か作ってやるよ」

    勇者「いや、ありがたいけど……。それより、上等な酒を皮袋でもらえたら助かるかな」

    店主「呆れたね。昨日あれだけ飲んだのに、まだ飲むつもりかい? 二日酔いになってないぐらいだから、酒は強い方なんだろうけど、流石に体を壊すよ」

    勇者「そうじゃないんだ。俺の分じゃない。村の人達の分だよ。もしも、本当にみんなが亡くなってる様だったら、せめて墓だけでも作って、そこに供えたいから」

    店主「……あんた。まさか、あの山に登ろうなんて考えてるんじゃないだろうね?」

    勇者「色々考えたけど……そうするつもりだよ。やっぱり自分の目で見ないと気が済まないし」

    店主「バカ言ってんじゃないよ。死にに行くようなもんだよ。魔物の巣窟になってるって言っただろ!」

    勇者「腕には多少自信がある。どれだけ魔物がいても、一目見るぐらいならきっと出来る」

    店主「それを驕りって言うんだよ! そう言って二度と帰って来なかったやつがどれだけいると思ってんだい! やめな!」

    勇者「じゃあ、もし全員が生きていたらどうするんだ!」

    店主「!」

    勇者「約束通り、あの木の下で待っていたら! 俺だけが約束を破った事になる! そんな事、俺には出来ない!」

    店主「……アホだね、ホントに」

    399 = 397 :

    店主「呆れたよ……。約束と命、どっちが大事なんだい。第一、その幼馴染み達だって、約束を覚えていたとしても山に登るはずがないよ」

    店主「もしも約束を覚えていたなら、きっとこの町にいるはずだから、ここで探しな! それで見つからなかったら、もう諦めなよ! そういう事だったんだよ!」

    勇者「それでも、自分の目で一目見るまでは、納得出来ない!!」


    店主「とんだバカだね、あんたは」

    勇者「約束を破る訳にもいかない……。例え誰も来なかったとしても、俺は行くから」

    店主「それで、あんたが死んだら、結果的に約束を破る事になるんだよ」

    勇者「死なないよ。必ず生きて帰ってくる」

    店主「だったらもう好きにしな。うちは酒場だからね。バカにつける薬は置いてないよ」

    勇者「ああ……。それと、もしもの時はきっと馬だけこの町に戻ってくるから、その馬を頼む。これ、登録証だから」スッ

    勇者「良い馬だから、大事にしてくれる人に売って欲しい」

    店主「あたしは便利屋かい。少し優しくしてやったからって調子に乗るんじゃないよ! そんなんで手に入れた金なんて誰が使えるもんか!」

    400 = 397 :

    店主「大体ねえ。死ぬ覚悟してまで守る必要のある約束なんてこの世にはないんだよ。とっとと忘れちまいな。それがあんたの為だよ」

    勇者「もう意地だよ。それに、ここで約束を破ったら、俺は一生後悔するだろうから」

    店主「約束守って死ぬより、一生後悔して生きる方が賢い生き方ってもんだよ。どうしてそれがわかんないかね」

    勇者「……さっき言ってた上等な酒、用意してもらえるかな?」

    店主「死ぬつもりなら代わりに有り金置いてきな。死体が持っててもしょうがないだろ。生きて帰ってきたら返してやるよ」

    勇者「有り金は流石に無理だけど……金貨を一枚置いてくよ。だから、馬の事と酒を頼む。戻ってきたらお釣りをもらうから」

    店主「ホント、男ってのはアホな生き物だね! 一度決めたら曲げやしない。ああもう、用意してやるから待ってな。ただし、絶対に戻ってくるんだよ!」ゴソゴソ

    勇者「助かるよ、ありがとう」


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