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    元スレ勇者「仲間TUEEEEEEEEEEEEEE!!」

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    151 = 147 :

    魔軍師「そもそも異界から帰って来れるという保証がございません」

    魔軍師「扉を開けたはいいが、帰りは開かない、となればこちらには二度と戻ってこれないのですぞ」

    魔王「だからこそ、余が行くのだろう。世界広しと言えど、時空魔法を使えるのは余だけだ。いざとなれば時空に穴をこじ開けて帰って来れる」

    魔王「代償として恐らく寿命を百年ほど失うだろうがな。禁術に手を出してそれで済めばもうけものだ」

    魔軍師「……いくら魔王様の寿命が長いとは言え、命を縮める様な魔法は。リスクが高すぎます……」

    魔軍師「どうか思いとどまって頂けないでしょうか? 今の状況はそれほど厳しい訳ではありません。そこまでリスクを背負って異界へと行くメリットは……」

    魔王「……魔軍師」

    魔軍師「はい」

    魔王「勘違いするな。余はただテーブルについて料理が出てくるのを待つだけの客ではないぞ。獲物は自ら狩りに行く」

    魔王「メリットなど二の次だ。余は王である前に征服者なのだ。わかったら、これ以上は口を挟むな」

    魔軍師「……左様ですか。承知しました……」

    152 = 147 :

    魔軍師「ならば、せめて供には側近をお連れ下さい。あやつは守りに秀で、忠誠心が厚き者。必ずや魔王様の良き盾となりましょう」

    魔王「ああ、余もあやつを連れていくつもりでいた。心配には及ばぬ」

    魔軍師「はっ。ならば、先程の命令にあった新兵どもに指示を与えた後、異界行きの儀式の準備を整えさせます」

    魔王「うむ」

    魔軍師「それでは、私はこれで」ペコリ


    魔軍師「」スタスタ

    ガチャッ、バタンッ……


    魔王「異界か……。久々に腕が鳴るな……」

    魔王「ふっ、ふふはははははっ。これはこれで心踊るというものだ」

    魔王「この一策で、一気に竜王との片をつけてやろうではないか。首を洗って待っていろ、竜王!」

    154 = 147 :

    魔軍師「お前たちはこれから南に向かって進み、妖魔の森を抜けて、人間どもを全滅させてもらう」

    魔軍師「人間の国は五国あるから、それぞれが一国ずつ担当せよ」

    魔軍師「手を抜かず、必ずや全滅させる事だ。一人も生かしておくな」


    雷獣「GYAOOOOOOOOOON!!」

    ビリビリ…… (大気の震え)


    魔軍師「なお、わかってるとは思うが、妖魔の森を横断する時は必ず西側を通る様に。東側は竜の支配下だからな。もしも遭遇したら、今のお前たちの実力じゃ瞬殺されるだろう」

    闇死霊「……理解」


    魔軍師「では行け。一週間もあれば足りるはずだ。それまでに任務をこなして帰って来るように」


    闇死霊「……はっ」フワッ (暗黒の霧となって移動)

    焔鳥「SIGYAAAAAA!!!」バッサ、バッサ (全長41メートル)

    クラーケン「URYYYYYYY!!!」ウネウネ (全長39メートル)

    琥珀蝶「…………」バサバサ、バサバサ (全長34メートル)

    雷獣「GAOOOOOOO!!!」ダダッ (全長52メートル)

    155 :

    インフレがひどい

    156 = 147 :

    ー 北の国、北東部、小さな村 ー


    大賢者「流石にここまで来ると寒いな……。手が凍りそうだ」ハァ…… (息を吹きかける)

    大賢者「防寒着もきちんと買っていかないとまずいな……。食料の前にそっちから先に行くか……」テクテク


    占い師「ふぇっふぇっふぇっ。そこのマントをかぶったお兄さんや」


    大賢者「?」

    占い師「そう、そこのあんたじゃよ。他にはいないじゃろうに」

    大賢者「……僕に何の用かな、お婆さん?」

    占い師「あんた、普通の人とはどこか雰囲気が違うからね。悪い意味で言ってるんじゃないよ、オーラを感じるんだよ」

    占い師「袖すり合うも多生の縁って言うじゃないか。興味がわいたから、ちょいとタダで占ってやるよ」

    大賢者「占いですか……」

    157 :

    どうすりゃいいんだ…

    158 = 137 :

    敵強すぎだろ。
    こりゃあ商人のアイテムに期待だな。

    159 = 147 :

    大賢者「すみませんが、遠慮しときます。それ、よくある手ですよね? そう言ってろくでもない予言をして、その後、この御利益の高いお守りを買えば回避出来る……って言ってくるつもりなんでしょう?」

    大賢者「一種の詐欺です。その手に乗る気はないですよ」ニコッ

    占い師「あらまあ、なんちゅう事を言うんだかね、このボウズは。人が善意で占ってやろうって言ってんのにさ」

    占い師「ほんと、最近の若いもんはすーぐにこれだ。人の好意を平気で踏みにじって、更には小賢しい事を言って逆に得意気なツラしてさ。まったく、嫌な世の中になったもんだね」

    占い師「ああ、いいさ、いいさ。どこへなりともお行きよ。見所ありそうだと思ったのに、あたしのとんだ勘違いだったよ。ったく」ブツブツ

    大賢者「わかった、わかりましたよ。それならどうぞ、是非お願いします」(苦笑)

    占い師「もう有料だよ。そんでもいいって言うなら占ってやるがね」

    大賢者「ホント、商売上手ですね。わかりました」

    大賢者「はい、これ。銅貨四枚でいいですか? それぐらいが相場ですよね」スッ

    占い師「あたしゃ、当たる事で有名なんだ。銅貨は七枚だよ」

    大賢者「わかりました。じゃあ、もう三枚どうぞ。さ、お願いします」スッ

    占い師「毎度あり。ふぇっふぇっふぇっ」

    大賢者「参るなぁ、本当に……」(苦笑)

    160 :

    たわむれに生かされてるに納得した

    161 = 147 :

    占い師「それじゃあ、お兄さんや。この200枚のカードの中から適当に4枚引いておくれ。それがお兄さんの運命だ」

    占い師「このカードにはあたしの魔力が込められてるからね。純粋に未来だけを導き出す。そこには運や気まぐれが入る要素はないよ」

    占い師「お兄さんが引く4枚は自分で選んだものじゃない。未来が導いた4枚だ。わかったなら、さあ、引いておくれ」スッ


    大賢者「……じゃあ、これと、これと、これと、これ」スッ


    占い師「………………………………」

    大賢者「ん? どうしたの、お婆さん。そんな深刻そうな顔して」

    占い師「…………あんた、これはまずいよ。……だって、あんたが選んだカード…………」ブルブル


    『恐怖』 『死神』 『墓場』 『時計』


    占い師「最後に引いたのが時計ってのが、更にまずいんだよ……。四枚目の時計は、時間の無さの表れだ……」ブルブル

    占い師「あんた……近い内に、何かに巻き込まれて死ぬよ。こんな危ない予言出たの初めてだよ……。どうすればいいかあたしにだってわからないよ……」ブルブル


    大賢者「…………」

    162 = 147 :

    大賢者「えっと……」

    大賢者「それって、やっぱり、僕が最初に言った通りの結果で……」

    大賢者「ああ、結局、僕は騙されちゃったって事か……。参ったなあ、降参です。こういう駆け引きとか自分では得意だと思ってたんだけどな」(苦笑)


    占い師「違う……! 女神様に誓って言えるけど、この予言は本物だよ! あんた、今すぐどっか遠い町にでも行った方がいい!」

    占い師「予定があるんなら、それは全部変更しな! でなきゃ、本当に死ぬよ!!」


    大賢者「わかりました。参考にしておきますね」ニコッ

    占い師「違う! あんた、全然わかってないよ!! 嘘じゃないんだ! 本当なんだよ!」


    大賢者「そう言われましても……」(頬をかく)

    大賢者「生憎、僕は寿命以外では絶対に死なない自信があるんで」ニコッ

    【大賢者】
    『体力 :5254
     攻撃力:  12
     防御力:8296
     魔力 :9999
     素早さ:6238』

    163 = 147 :

    占い師「冗談言ってないで、あたしの忠告をお聞き! ちょっとばかし、腕に自信があったって、それが完璧って訳じゃないんだよ!」

    占い師「世の中にゃ、あんたみたいな若いのが想像も出来ない様な怪物もいるし!!」

    占い師「想像もつかない様な、不運や出来事だってあるんだ!!」

    占い師「黙ってあたしの忠告をお聞きよ!! この跳ねっ返りが!!」


    大賢者「わかりました。心に留めておきますよ」ニコッ

    大賢者「それでは、僕はこれで……」クルッ、スタスタ


    占い師「ちょいとあんた! これからどこ行く気だい!?」


    大賢者「装備を整えて、北に向かいます」スタスタ


    占い師「こっから北って……」

    占い師「あんた、何にもわかってないじゃないか!! そっちには妖魔の森があるんだよ!!」

    占い師「人が生きて帰って来れる場所じゃない!! そんなとこへ、一体、何しに行くんだい!!」


    大賢者「軽く腕試しです。勇者が現れたって話を聞いたのでね」ニコッ

    占い師「!!?」


    大賢者「それでは……」スタスタ


    占い師「この……馬鹿男が……!!!」

    164 = 147 :

    ここまで

    165 :

    想像以上に魔法使いが硬かった

    166 :

    仲間達(あと勇者)のLVが表示されていない、つまり…

    167 = 155 :

    読者「魔物TUEEEEEEEEEEEEEE!!」

    168 = 137 :



    DQとFFかと思ったらディスガイアだった。

    169 = 155 :

    ラストリベリオンか

    170 :

    なんだただのディスガイアか
    ならまだまだ全員雑魚レベルだな(真顔

    171 = 155 :

    勇者だけ出るゲーム間違えたのか

    172 = 130 :

    敵TUEEEEEEEEEEEEEEEE!!

    173 :

    読者「作者TUEEEEEEEEEEEEEE!!」

    174 :

    (敵の)仲間TUEEEEEEEEEE

    175 :

    ステータス十分の一以下にしないとまず話にならないレベルの敵が新兵とな……

    176 :

    登場だけでこのすれ終わりそうだなww

    177 :

    魔王とか読める範囲の数字で収まるのだろうか

    178 :

    >>177
    ^「ワイらの出番やな^^」

    180 :

    那由多でも恒河沙でも使えばいいじゃない

    181 :

    むしろ名剣士が生きて帰ってこれた事に驚きだわ

    182 :

    大まかに、人間の一般兵士の戦力を1とすると、
    勇者の仲間が500位、魔族の新人が1000、魔族の幹部クラスが10000位と言った感じか

    DQやFFというよりディスガイアか下手すりゃドラゴンボールの世界だ

    183 :

    おつ

    大賢者本当に大丈夫か?
    敵のステータス見た後だとかませっぽく見えてしまうんだが

    184 :

    マジで期待
    やっぱ勇者物はいいな

    185 :

    賢者は、いつでもリジェネといつでもアレイズ持ちやしヘーキヘーキ

    186 :

    逆に言えばこんな連中を手こずらせて片腕や名だたる魔物とかを潰した女神はどんだけ強いんだ……いやこの場合は聖なる力の底上げドーピングか。

    187 :

    仲間のステータスがLv1の物なら、どうとでもなりそうではある

    188 :

    ー 北の国、王都

    『七つ星大商会』本店三階

          冒険用品売場 ー


    大商人「はい、いらっしゃい、いらっしゃい。七つ星印でお馴染みの魔法銃がズラリと揃ってるよ。これを売ってるのはうちの商会だけだよ。他にはないよ」

    大商人「魔力を使えない人でも平気な代物だよ。誰か魔法が使える人にこの特製の弾を持ってもらって、後は魔法を唱えてもらうだけ。すると、その魔法が弾に込められて、引き金を引けばこの銃から飛び出すって便利な代物さ」

    大商人「弾さえ事前に用意しときゃ、魔力を気にせず何度でも撃てるし、射程距離だって普通の魔法の四倍はあるって優れものだよ。今じゃどこの国でもこの魔法銃が正式採用されて大人気だよ」

    大商人「旅の必需品だし、弱い者の味方さ。値段もお手頃価格になって販売中だ」

    大商人「弾は一発につき、銅貨4枚。ラム酒1瓶と同じ値段だ。だけど今日は勇者様旅立ち記念バーゲン中につき、特別に銅貨3枚で売っちまうぜ。さあ、持ってけ泥棒」

    大商人「銃本体も、銀貨4枚ポッキリの大特売だ。これだけ安値なのは今日だけだぜ。さあ、買った買った」

    大商人「今ある分だけの限定特別価格だ。後になって無くなってても知らないよ。今しかチャンスはないよ」


    『通貨のおおそよその日本円換算』
    銅貨1枚→250円
    銀貨1枚→5万円
    金貨1枚→50万円

    なお、通貨の価値は国や質によって微妙に変動する。

    189 = 188 :



    アリガトウゴザイマシター!!


    若者「ヤベエ、ついつい買っちまった……。だけど、これさえあれば、魔物とか襲われた時、役立つだろうし……」スタスタ


    大商人「おっと、毎度ありぃ! お兄さん、今日は良い買い物したよ。また来てくれよ」

    大商人「もしも、高度な魔法を弾に込めたいって思ったら、この通路を真っ直ぐ行った専用の魔法屋に行ってくれ。熟練の魔法使いが待ってるからさ。そっちも今日は特別価格で営業してるよ」


    大商人「はい、いらっしゃい、いらっしゃい。今日は特別バーゲン中だよ。安いよ、安いよ」

    190 = 188 :

    大富豪「」スタスタ
    秘書「」スタスタ


    大商人「はい、いらっしゃい、いらっしゃっい。そこの美人なお嬢さんもナイスミドルな紳士も是非見ていってくだ……か、会長!?」

    大富豪「うん。ちょっと立ち寄ってみたとこ。自ら売り込み、御苦労様。店長」

    大商人「は、はい!!」ペコペコ

    秘書「どうも。御無沙汰してます」ペコリ

    大商人「はい! 秘書の方も、お元気そうで」ペコペコ

    191 = 188 :

    大富豪「それにしても、やっぱり手慣れたものね。本店の店長ともなると、何をやらせても一流。さっきから見ていたけど、お客さんの食いつきが違ったから」

    秘書「ええ、本当に」

    大商人「あ、ありがとうございます!」ペコッ

    大富豪「でも、今日はどうしてまた売り込みなんて?」

    大商人「はい。バーゲン初日という事で、店員全員の気合いを乗せる為にと。現場に出ないとわからない事もありますし」

    大富豪「なるほど……流石だね。ちなみに、売り上げはどう? 今月も好調?」

    大商人「ええ、そりゃもう。やっぱりこの魔法銃の量産化が効いてますね。ここまで安く出来たら、国相手だけでなく一般にも販売出来ますし」

    大富豪「地道な研究開発がようやく実ったからね。魔法銃の開発に5年、量産化まで3年、ずいぶん長い道のりだったけど……」

    大商人「はい。ここからまだまだ上が見えますね。いくらでも上っていけそうなぐらいに」

    大富豪「そうだね。その為にも、あなたには期待しているわ」ニコッ

    大商人「ありがとうございます!」ペコッ

    秘書「引き続き、この店を宜しくお願いしますとの事です」

    大商人「はい! ありがとうございます!!」ペコペコ



    商人B「おい……。あの店長がめっちゃ嬉しそうに頭下げてるぜ……」ヒソヒソ

    商人C「何者なんだ、あの二人……?」ヒソヒソ

    192 = 188 :

    大富豪「それじゃあ、私はこれから寄るところがあるから。悪いけど、これで」

    秘書「失礼しますね」

    大商人「はい! お気をつけて!」ペコッ

    大富豪「ふふ。大丈夫よ。護衛もいるしね」

    秘書「…………」

    【秘書、兼、ボディーガード】
    『体力 :182
     攻撃力: 61
     防御力: 64
     魔力 : 38
     素早さ: 69』


    大商人「それもそうですね、要らぬご心配を」

    大富豪「ええ。それじゃあね」クルッ、スタスタ

    秘書「では」ペコッ

    大商人「はい!! またのお越しをお待ちしてます!」ペコッ



    商人A「おお……。最後までずっと頭下げ続けてるぞ」ヒソヒソ

    商人B「……一体、誰なんだよ、本当に。店長があそこまで頭下げるなんて……。国のお偉いさんの娘か?」ヒソヒソ

    193 :

    この仲間達がパーティーに入ってからレベルアップするかしないかで味方TUEEEEEか勇者ZAKEEEEEEになるな、
    楽しみにしてる

    194 = 188 :

    ー 休憩時間 ー


    商人A「店長、ちょっといいですか?」

    大商人「ん? どうした?」

    商人B「さっき、ごつい人と、若いお嬢さんの二人組いたじゃないですか。あれ、誰なんです?」

    大商人「お前らなあ……。うちの商会の会長と秘書をつかまえて、その言い草はなんだ」

    商人A「会長!? あの人が!?」

    商人B「で、でも、会長なのに、やけに腰が低くなかったですか? 頭、何回か下げてたし」

    大商人「逆だよ、逆。そっちの人が秘書だ。女性の方がうちの会長なんだよ」

    商人B「はい!? いやいやいや、それは店長、冗談きついですって。うちの商会ですよ? 全世界、全部の町に支店がある、前代未聞の大商会ですよ?」

    商人B「総資産は国家予算を超えているって言われてる、そんな馬鹿デカイ商会の会長が、あんなに若い訳がないじゃないですか」

    大商人「だろうな。それが普通の反応だよな。だから、俺はだいぶ前から、それを信じてもらうのを諦めてる」

    商人A「?」
    商人B「?」

    195 = 188 :

    商人A「それ、どういう事です?」

    大商人「だから、そのままの意味だよ。うちの会長と初めて会う人は、必ず勘違いしてお付きの秘書に握手を求めるそうだ。事前に女だって聞いてるはずなのにな」

    大商人「あんまりにも間違えられるもんだから、会長も段々めんどくさくなったのか、終いには私が秘書ですって自分から言ってたらしいしな。そっちの方が話が早いからって」

    商人B「いやいや、それ絶対嘘ですよね?」

    大商人「だから、信じる信じないはもう好きにしてくれ。そもそも、うちの会長の逸話はどれも人に信じてもらえる様な類いのものじゃないんだよ」

    大商人「元々、小さな雑貨屋の商人だったのが、今じゃインクから堤防建設まで扱う巨大商会の経営者だ。わずか10年で全世界に3000店舗出してんだぞ」

    大商人「やる事なす事全部大当り、画期的な新商品を大量に産み出しては大ヒットの繰り返しだ。そのせいで、『七つ星商会には、魔女と錬金術師がいる』って根も葉もない噂が囁かれるぐらいだしな」

    大商人「金塊を作り出すか、完璧な未来予知でも出来ない限りあの急成長は考えられないんだと。会長も、投資しかり開発しかり、商売で外した事は一度もないって言ってたしな」

    大商人「で、極めつけがうちの魔法銃だ。他の商会が真似しようにも、あれは中身が複雑過ぎててコピーが出来ないらしい。千年先の技術だとか言われてる」

    大商人「だから、作れるのはそれ専用の工房持ってるうちだけで、完全な独占状態。しかもそれが大量に売れてるときたもんだ。1秒ごとに金貨が10枚近く空から降ってくるような売り上げを上げてる」

    大商人「平民としては史上初で教皇に会ったって人だし、各国の財務大臣からは毎年の様に高価な贈り物が届けられるとか。こっちから贈るんじゃなくて、その逆なんだぞ?」

    大商人「どこの国にも大金を貸し付けてるから、国王でさえ面会を断れないし、自分から挨拶をしてこない貴族はいないらしい。ただの平民なのに、最早王族以上の待遇を受けてるみたいだしな」

    大商人「もう全部が嘘くさくて俺も信用出来ないぐらいなんだが、どれもこれもきっと本当の話なんだよ。うちの会長は真面目におかしいんだ。商売の天才って言葉じゃ足りないぐらいな」


    商人A「いや、そんな……まさか……」ブルッ

    商人B「そうですよ……いくらなんでも……」

    196 = 188 :

    大商人「まあ、会長が何で今日ここに来たかは知らないが……」

    大商人「あの人が来る以上、金貨一万枚以上の金が動くのは間違いないな」

    大商人「なにせ『歩く経済』なんて呼ばれ方をしてる人だ。あの人が、≪最近、小麦が安いわね≫、ってちょっと呟いただけで、次の日には小麦の買い付け価格が倍以上につり上がったなんて伝説もあるほどだしな」

    大商人「ここが本店だってのに、姿を見せるのも二年ぶりだ。俺でさえ、会長が最早どこで何してるのかわかりゃしねえ」

    大商人「常に世界中を旅していて、自宅ってものがないらしいしな。毎日の様に町を移動して情報収集やら指示出しとかしてるから、寝る時の景色も時間も毎回違うんだと」

    大商人「その生活に唯一ついてこれたのがあの秘書で、それまでに五人以上秘書を変えたらしい」

    大商人「て事は、本人もあの秘書並の体力があるって事になるんだがな。色々と規格外な人なんだよ、うちの会長は」


    商人A「……なんかもう、おかしいって言葉しか出てこないですね」

    商人B「……おう」


    大商人「ちなみに、お前たちと同い年だぞ」

    商人A「!?」
    商人B「!?」


    大商人「ほら、お前たちもいつまでも休んでないで商売に精を出せ。成功の秘訣は? って質問に、会長は、寝る時以外は働く事って言ってたからな」

    商人A「……はいっす」

    商人B「……なんか、聞きたくない話を聞いちまったなあ」ボソッ

    197 = 188 :

    ー 町の外 ー


    大富豪「んー、久しぶりに店長見たけど、元気そうにしてたわね」パカラッ、パカラッ (馬で移動中)

    秘書「ええ」パカラッ、パカラッ


    大富豪「ただ、建物はやっぱり古くなってたかな。一号店だし、もう少し綺麗にした方がいいかも」パカラッ、パカラッ

    秘書「では、デザイン部門と建設部門に連絡して改修工事させておきます」パカラッ、パカラッ


    大富豪「あと、ここの街道も、もう少し広くした方がいいわね。走りにくいし」パカラッ、パカラッ

    秘書「早速、街道専門チームと護衛請負部門に手配させます」パカラッ、パカラッ


    大富豪「あ、向こうに魔物発見」パカラッ、パカラッ

    秘書「お任せを」ガチャッ (大型魔法銃、構える)

    秘書「FIRE!!」バンッ!!

    198 = 188 :

    一つ目狼A「ガルルル」
    一つ目狼B「ガウウゥ」
    一つ目狼C「グルルル」

    【魔物・タイプ狼】
    『体力 :19
     攻撃力: 7
     防御力: 3
     魔力 : 0
     素早さ:11』


    一つ目狼A「ウォン、ウォン!!」ダダダッ
    一つ目狼A「ガウォォン!!」ダダダッ
    一つ目狼A「ガウッ、ガウッ!!」ダダダッ


    BANG!! (魔法弾・氷)

    ガキンッ!!!


    一つ目狼A「!!!」ビキッ (氷漬け)
    一つ目狼B「!!!」ビキッ (氷漬け)
    一つ目狼C「!!!」ビキッ (氷漬け)

    全体に35ダメージ!!
    体力 :19→0

    199 :

    これが普通なんだよな

    200 = 188 :

    大富豪「うん。あの距離を馬乗ってる時に一発で仕留めるなんて、あなたもずいぶん手慣れたみたいね、魔法銃に」パカラッ、パカラッ

    秘書「練習しましたからね」パカラッ、パカラッ

    大富豪「最初は魔法銃なんて邪道だなんて言ってたのに、練習はしたんだ?」パカラッ、パカラッ

    秘書「私は幼い頃から剣一筋に生きてきましたので……。しかし、魔法もそれなりに使えたので、そこまで頑固ではありません」ガシャッ、ガコッ (次弾、装填)

    秘書「便利だとわかれば使いますし、苦手だとわかれば練習もします。それだけです」パカラッ、パカラッ

    大富豪「そうそう、そういう柔らかさがやっぱりないとね。この時代はこれからどんどん変わってくでしょうし」パカラッ、パカラッ

    大富豪「私が作り出した魔力伝達物質、『魔導鉄』によっていくらでもね」パカラッ、パカラッ

    秘書「ええ」パカラッ、パカラッ


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